古谷一之の発言 (本会議)

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○政府特別補佐人(古谷一之君) 岩渕友議員の御質問にお答えをいたします。
 一点目、価格転嫁の状況や改正法案の効果についてお尋ねがありました。
 これまでの価格転嫁対策の取組の結果、例えば公正取引委員会が実施した特別調査では、労務費に係る価格協議や交渉も行われるようになってきていることが確認されるなど、価格転嫁が一定程度進んでいることが確認をされています。
 一方で、近年の急激なコスト上昇分を取引価格に反映できない要因として、事業者からは、発注者が受注者との交渉力の差に乗じ、価格の引上げに係る協議に応じず、又は対等な協議のために前提となる説明や情報提供を行わない、発注者から結果の回答まで必要以上に長期間待たされるといった声も上がっています。このため、今回の改正法案では、発注者が受注者に対して、協議に応じることなく一方的に価格決定することなどを禁止することとしています。
 こうした改正により、取引上の立場の弱い中小の受注者が価格交渉しやすくなり、賃上げをするための原資の確保につながることを期待をいたしております。
 二点目に、下請事業者の立場や価格協議の効果についてお尋ねがありました。
 下請法は、独占禁止法の優越的地位の濫用規制を補完するものであり、この法律の対象となる受注者は、発注者よりも規模が小さく、取引上の立場が弱いという認識の下、受注者の利益保護を簡易迅速に図ることを目的としております。このため、改正法案では、発注者が受注者に対して、協議に応じることなく一方的に価格を押し付けることを禁止することとしております。
 こうした改正により、当事者間で実効的な協議が行われるようになれば、その結果、交渉力の弱い受注者が不利な条件を一方的に押し付けられることがなく、より有利な条件で取引できる可能性が高まることが期待されるというふうに考えております。
 三つ目に、検査官の増員についてお尋ねがありました。
 公正取引委員会における下請法違反行為に係る検査担当者の人数は、価格転嫁対策が本格化する以前の令和二年度においては百四名であったものが、今年度においては百十九名となっております。近年増加してきております。
 こうした、公正取引委員会において、これまでも調査、執行体制の強化に努めてはきておりますが、改正法案では、さらに、各業界に関して知見を有する事業所管省庁に対しても、現行の調査権限に加え、指導、助言の権限を付与することとしております。これによりまして、事業所管省庁との連携強化を進めるとともに、必要な下請法執行体制の更なる強化を図り、適切な価格転嫁、取引適正化の更なる推進に取り組んでまいります。
 最後に、罰則の強化についてお尋ねがありました。
 下請法では、発注書の交付義務などの手続に関する義務違反に対しては罰則が設けられておりますが、買いたたきや減額など取引の内容に関する禁止行為に対しては、受注者の利益保護を重視して、迅速に違反行為を取りやめさせ、受注者の原状回復がなされるよう、罰則ではなく、被害金額の返還などを勧告あるいは公表するなどの措置によって対処する規制となっております。
 加えまして、この法律の勧告に従わない場合には、より強い執行力を有する独占禁止法で対応することとなっております。
 このように、この法律は、簡易迅速な事件処理により受注者の利益保護を図るものであり、より厳正な独占禁止法との役割分担がなされていることを踏まえますと、この仕組みを維持していくことが適当であるというふうに考えております。
 以上でございます。(拍手)

発言情報

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発言者: 古谷一之

speaker_id: 20789

日付: 2025-05-09

院: 参議院

会議名: 本会議