山本佐知子の発言 (国民生活・経済及び地方に関する調査会)
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○山本佐知子君 自民党の山本佐知子です。
今国会の調査会では、雇用・労働環境の整備、生活を維持するためのセーフティーネットの在り方、若者や生きづらさを抱える人に対する支援やNPOと行政の連携、障害を持つ方による政策決定プロセスへの参画の必要性、東京一極集中を是正するための地域コミュニティー再生や人口移動の要因分析など、多くの課題について参考人の皆様から知見を伺いました。私も新たな視点や気付きをいただきましたことに感謝を申し上げます。
本日は、今年の本調査会のテーマである誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築、これを進めるに当たり欠かせない二つのプレーヤーについて意見を申し述べたいと思います。
一つ目は、私たちの暮らしに密着している基礎自治体についてです。
今調査会でも、各回で行政と各課題との関わりの在り方が問われました。とりわけ福祉に関しては、市町村格差が大きく、また自治体独自のルールによって縛られているものもあります。無償化やばらまきについての公的支援のサービス合戦は、財政余力がなくなると同時に破綻します。都市と地方の格差にもつながる場合もほとんどであり、これが都市部への人口集中の原因の一端にもなっています。私たちが目指す誰もが希望を持てる社会は、こうした自治体の競争にさらされるべきものではありません。
私の地元である三重県伊勢市では、断らない福祉、切れ目のない支援を目標に、相談窓口の紹介パンフを五万五千世帯全戸配布、市内のコンビニのトイレなどにもステッカーを貼り、支援を求める声を上げやすくするためのあらゆる努力をしています。また、公的支援の制度のはざまでなかなか一歩を踏み出せずにサービスを受けることができなかった方を会計年度採用職員として採用したり、障害者雇用の対象にならない方を中心に支援し、将来的な一般企業への就労を目指しています。こうした施策はばらまき行政ではありません。多分野協働プラットフォームをつくり、長期展望に立って、御本人にとって最善は何か、一人一人に合ったオーダーメード支援というきめ細かい伴走型支援を実践しています。
ただ、こうした支援対象について、現在生活困窮状態にはないけれども将来的にそうした状態に陥るおそれのある人も視野に入れるなど、地域の実情に合った柔軟な制度運用も必要と考えます。
例えば、調査会でも御指摘があった就職氷河期世代です。コロナ時に、生活福祉資金の特例貸付けの利用者が、氷河期世代である四十から五十歳代の、性別関係なく、単身世帯が増えました。国では就職支援、リスキリング支援などを行っていますが、就職氷河期世代が高齢となったときの貧困の問題は、この層だけの問題ではなく、社会保障制度の維持や地域コミュニティーの孤独・孤立政策にも深く関わってくることであり、社会全体の問題としてより一層取り組んでいく必要があります。
そして、もう一方のプレーヤーがNPOを始めとする行政以外の関わっている団体でありますけれども、こうした組織が支援者として排除されない支援枠組みの構築の強化が必要と考えます。意思決定過程における意見交換やNPOで働く人の処遇改善も当然伴います。現場をよく知るNPOのみならず、活動に理解を示す民間事業者への支援の拡充も必要と考えます。
また、社会的連帯を持って地域を再生する重要性も調査会では話ありました。伊勢市の事例でも、相談支援機関や社会福祉協議会以外に、地域づくり事業を通じてできた住民同士のつながりや居場所が大きな役割を果たしています。誰も取り残さない社会の構築には、社会的、地域的コミュニティーの参画が必須と考えます。
最後に、地域のこのような支援に対して、孤独・孤立対策推進法、生活困窮者自立支援法、そして子ども・若者育成支援推進法などが行政政策を実施するに当たって法的担保となりました。法整備が果たす役割は過小評価してはなりません。時代の変化に伴い、必要であれば、慎重に、しかしちゅうちょなく法整備を行うのも必要であることを最後に申し加えて、意見表明とさせていただきます。
ありがとうございました。