国民生活・経済及び地方に関する調査会

2025-04-09 参議院 全21発言

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会議録情報#0
令和七年四月九日(水曜日)
   午前十時二十二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月十九日
    辞任         補欠選任
     山口 和之君     中条きよし君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         福山 哲郎君
    理 事
                清水 真人君
                田中 昌史君
                長峯  誠君
                古賀 千景君
                河野 義博君
                中条きよし君
                伊藤 孝恵君
                山添  拓君
    委 員
                今井絵理子君
                白坂 亜紀君
                堂故  茂君
                友納 理緒君
                長谷川英晴君
                星  北斗君
                山本 啓介君
                山本佐知子君
                若林 洋平君
                三上 えり君
                森屋  隆君
                竹内 真二君
                三浦 信祐君
                高木かおり君
                大島九州男君
                木村 英子君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        高嶋 久志君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国民生活・経済及び地方に関する調査
 (「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築」のうち、社会経済、地方及び国民生活における希望の実現について)
    ─────────────
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福山哲郎#1
○会長(福山哲郎君) ただいまから国民生活・経済及び地方に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、山口和之君が委員を辞任され、その補欠として中条きよし君が選任されました。
    ─────────────
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福山哲郎#2
○会長(福山哲郎君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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福山哲郎#3
○会長(福山哲郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に中条きよし君を指名いたします。
    ─────────────
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福山哲郎#4
○会長(福山哲郎君) 国民生活・経済及び地方に関する調査を議題といたします。
 本日は、最終報告書を取りまとめるに当たり、これまでの調査を踏まえ、「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築」のうち、「社会経済、地方及び国民生活における希望の実現」について委員間の意見交換を行います。
 本日の議事の進め方でございますが、まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
 発言を希望される方は、挙手の上、会長の指名を受けてから御発言いただくようにお願いいたします。
 また、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、委員の発言はお一人五分以内となるように御協力をお願いいたします。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、発言のある方は挙手をお願いいたします。
 山本佐知子君。
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山本佐知子#5
○山本佐知子君 自民党の山本佐知子です。
 今国会の調査会では、雇用・労働環境の整備、生活を維持するためのセーフティーネットの在り方、若者や生きづらさを抱える人に対する支援やNPOと行政の連携、障害を持つ方による政策決定プロセスへの参画の必要性、東京一極集中を是正するための地域コミュニティー再生や人口移動の要因分析など、多くの課題について参考人の皆様から知見を伺いました。私も新たな視点や気付きをいただきましたことに感謝を申し上げます。
 本日は、今年の本調査会のテーマである誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築、これを進めるに当たり欠かせない二つのプレーヤーについて意見を申し述べたいと思います。
 一つ目は、私たちの暮らしに密着している基礎自治体についてです。
 今調査会でも、各回で行政と各課題との関わりの在り方が問われました。とりわけ福祉に関しては、市町村格差が大きく、また自治体独自のルールによって縛られているものもあります。無償化やばらまきについての公的支援のサービス合戦は、財政余力がなくなると同時に破綻します。都市と地方の格差にもつながる場合もほとんどであり、これが都市部への人口集中の原因の一端にもなっています。私たちが目指す誰もが希望を持てる社会は、こうした自治体の競争にさらされるべきものではありません。
 私の地元である三重県伊勢市では、断らない福祉、切れ目のない支援を目標に、相談窓口の紹介パンフを五万五千世帯全戸配布、市内のコンビニのトイレなどにもステッカーを貼り、支援を求める声を上げやすくするためのあらゆる努力をしています。また、公的支援の制度のはざまでなかなか一歩を踏み出せずにサービスを受けることができなかった方を会計年度採用職員として採用したり、障害者雇用の対象にならない方を中心に支援し、将来的な一般企業への就労を目指しています。こうした施策はばらまき行政ではありません。多分野協働プラットフォームをつくり、長期展望に立って、御本人にとって最善は何か、一人一人に合ったオーダーメード支援というきめ細かい伴走型支援を実践しています。
 ただ、こうした支援対象について、現在生活困窮状態にはないけれども将来的にそうした状態に陥るおそれのある人も視野に入れるなど、地域の実情に合った柔軟な制度運用も必要と考えます。
 例えば、調査会でも御指摘があった就職氷河期世代です。コロナ時に、生活福祉資金の特例貸付けの利用者が、氷河期世代である四十から五十歳代の、性別関係なく、単身世帯が増えました。国では就職支援、リスキリング支援などを行っていますが、就職氷河期世代が高齢となったときの貧困の問題は、この層だけの問題ではなく、社会保障制度の維持や地域コミュニティーの孤独・孤立政策にも深く関わってくることであり、社会全体の問題としてより一層取り組んでいく必要があります。
 そして、もう一方のプレーヤーがNPOを始めとする行政以外の関わっている団体でありますけれども、こうした組織が支援者として排除されない支援枠組みの構築の強化が必要と考えます。意思決定過程における意見交換やNPOで働く人の処遇改善も当然伴います。現場をよく知るNPOのみならず、活動に理解を示す民間事業者への支援の拡充も必要と考えます。
 また、社会的連帯を持って地域を再生する重要性も調査会では話ありました。伊勢市の事例でも、相談支援機関や社会福祉協議会以外に、地域づくり事業を通じてできた住民同士のつながりや居場所が大きな役割を果たしています。誰も取り残さない社会の構築には、社会的、地域的コミュニティーの参画が必須と考えます。
 最後に、地域のこのような支援に対して、孤独・孤立対策推進法、生活困窮者自立支援法、そして子ども・若者育成支援推進法などが行政政策を実施するに当たって法的担保となりました。法整備が果たす役割は過小評価してはなりません。時代の変化に伴い、必要であれば、慎重に、しかしちゅうちょなく法整備を行うのも必要であることを最後に申し加えて、意見表明とさせていただきます。
 ありがとうございました。
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福山哲郎#6
○会長(福山哲郎君) 三上えり君。
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三上えり#7
○三上えり君 会派、立憲民主・社民・無所属の三上えりです。
 誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築をテーマにした本調査会において、参考人の皆様から様々な御意見をいただきました。質疑をさせていただきました。貴重な御意見、心より感謝申し上げます。
 希望が持てる地域社会の実現という小テーマについて、桜井参考人から、ヨーロッパの公共交通についてお話を伺いました。日本とヨーロッパの公共交通に対する考え方の違いはとても興味深いものでした。ヨーロッパでは、公共交通が公共サービスとして特に重要視されて、利便性の確保に力を入れています。それに対し日本は、採算性が重視され、結果的に利便性が犠牲になっている点が指摘されました。
 私の地元広島の芸備線も、度々廃線の話題が上がっています。減便が続き、利用者数が減少し、過疎化が進み、そのため採算が取れなくなり、そのためまた更に減便が続くという悪循環が続いております。桜井参考人によりますと、スイスでは住民の数に基づくナショナルミニマムを設定して運行計画を立てています。そのため、利便性が向上し、増便が行われ、利用者の増加という、こちらは好循環が生まれておりました。日本には、旅客、貨物とも全国に鉄道網というすばらしいネットワークが構築されているわけですから、このネットワークを十分に活性化し、全体的な戦略を今立てる必要があります。
 一九八七年の国鉄民営化により、JRは七社に分割され、運営が始まりました。収支は会社によって大きく分かれまして、北海道や四国は経営が大変厳しい状況にあります。鉄道の本来の使命を考えれば、地方自治の観点からも、公共インフラとして鉄道網を維持することは極めて重要です。
 同じ立憲会派の森屋隆議員が、三月十日、予算委員会で質問されていたように、赤字ローカル線の維持について、JR各社に丸投げするのではなく、例えば上下分離方式の導入、そして補助金支出、こういった、国や自治体が様々な支援策を今まさに検討するべきに来ています。過疎化が進む中、地方自治にとって鉄道網の維持は死活問題であり、国の支援が必要です。
 過疎化が進む中、もう一つの小テーマ、誰も取り残されないための支援では、奥田参考人から、少子高齢化、人口減少に伴って我が国の世帯、家族の風景が大きく変わろうとしている興味深いデータをお示しいただきました。夫婦に子供が二人又は一人といういわゆる核家族や標準世帯というモデル世帯、もちろん子育て世代という意味では重要なんですけれども、我が国全体で見ると、単身世帯を対象とした政策の重要性が増しつつあります。
 二月五日の調査会では、東京大学教授の近藤参考人から、既に中年を迎えている就職氷河期世代が高齢化を迎えていることへの懸念が強く示されました。住居や食事などを親に頼っている低所得の独身者は、年金を受給している親が亡くなることで困窮し、生活が破綻するのではないかとの懸念です。八〇五〇、最近よく耳にするんですけれども、この問題、これは、子が親を介護するのとは逆に、八十代の親が引きこもっている五十代の子供の生活を支えていることを指します。
 今後、従来よりも若い世代が家賃ですとか保証人等の制約で民間賃貸住宅に入居できず、住居に困ることがあるかもしれません。奥田参考人が尽力されている取組はその答えの一つであると思います。しかし、残念ながら、大多数の人にはそうした支援が届かないおそれがあります。
 今までお聞きした参考人の皆様の貴重な提言をしっかり受け止めて、誰も取り残されず希望が持てる社会の構築に努めていかなければならないと切に感じております。
 以上です。ありがとうございました。
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福山哲郎#8
○会長(福山哲郎君) 三浦信祐君。
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三浦信祐#9
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 社会経済、地方及び国民生活における希望の実現というテーマについて参考人各位の意見を伺う機会を頂戴したこと、そしてそれに関連する質疑の機会に恵まれましたことに心から感謝を申し上げたいと思います。
 大きなテーマ三つについて、一つ一つ整理をしていきたいと思います。
 まず一つ目に、希望が持てる雇用・労働環境の整備についてのテーマで、特に働き方改革の推進、また管理職の課題、仕事と生活の両立のために必要な意識改革等の必要性に言及をいただきました。
 現状、我が国における働き方改革の推進、実施は重要であります。この法改正を進めてきた過程においては、労働時間が長いのに賃金が上がらないということに対する対処として法律ができ上がったプロセスがあります。労働者の健康を守ることは必須であり、進めていかなければなりません。当然収入も付いていかなければいけません。
 一方で、地方における時間でのみ労働時間がキャップをはめられたことによりまして、供給量が追い付かない、持続性に課題が生じているという現状も見過ごすわけにはいかないということを改めて整理をしてまいりました。
 使用者に健康管理義務を課すことを前提とし、働ける改革も必要であると思います。若いうちに働きたい、自分のリズムで働きたい、力を付けて若いうちに稼ぎたいという方もおられる時代にあり、選択肢が必要だと私は考えます。これらについての議論もやはり進めていかなければいけないということを今回の議論の中で整理をさせていただきました。
 一方で、メンタルヘルスケアについても質疑の中で言及がありました。
 我が国は、どちらかというと、メンタルヘルスに対する教育環境や現場での対処能力は着実に進んできてはいるものの、セルフチェックの在り方というものもより我が国では進めていかなければいけないと思います。我が党としても、心のサポーターを進めて、どうやって相談をしたらいいか、その相談をどうやって聞いたらいいかということを一つずつ進めてまいりましたが、これを職場でも教育現場でも家庭の中でも地域の中でも広めていくということの取組の必要性を、この雇用・労働環境の整備を通して改めて決意をした次第であります。
 次に、希望が持てる地域社会の実現についてであります。
 我が国の発展と持続性を確保し、安全保障の面から見ても、今後、国内の都市形成において地域が果たす役割は極めて重要と考えます。効率性を追求するためのコンパクトシティー化は理解しつつ、なりわいが国内各所で確保できることが重要であります。安全保障の視点でも必須と考えます。
 営農ができ、水産業があり、産業の効率的な集約と分散化を図ることで、地域コミュニティーの持続性確保に全力を尽くす必要もあります。そのために必要な公共交通の持続性確保は必須です。特に、鉄道事業の経営効率性と沿線地域への経済効果を図ることを通して、単に経営上の視点だけで廃線しない社会構築を考えるべきだと意見を申し述べたいと思います。
 最後に、誰も取り残さないための支援は重要です。
 世帯構成の単身化の進行と社会構造の変化、家族機能の重要性とその社会化の取組について言及をいただきました。
 日本は、団塊の世代の皆様が七十五歳となられ、我が国の世帯で最も多いのが単身世帯であり、約四割。今後、その割合は変わらずとしても、その世帯を構成している方の年齢は上がっていきます。住居の確保、介護・医療提供体制の確実性、現役世代から見た視点での福祉の充実は労働継続性とリンクすると思います。
 したがいまして、単に高齢者を守るというだけの福祉政策ではなく、現役世代が社会経済構造の中で思い切って経済活動をして働いていただけるためには、むしろその老後の体制を整えていくということが現役世代を守ることに直結するという、そういう新たな創造的福祉社会をつくっていくべきだと考えます。
 高齢者となってもコミュニティーが継続し、各種アクセシビリティーの確保を継続することが我々政治に求められているということを改めて学ばせていただきました。これまでの福祉の視点から、更に充実と個別最適化へ進化していく必要があると思います。
 大変貴重な意見を表明いただいた参考人の皆様、そして活発な議論をしていただいた委員各位に敬意と感謝を申し上げて、意見表明とさせていただきます。
 ありがとうございました。
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福山哲郎#10
○会長(福山哲郎君) 中条きよし君。
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中条きよし#11
○中条きよし君 日本維新の会の中条きよしでございます。
 今回の調査会では、誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築のうち、社会経済、地方そして国民生活における希望の実現について、参考人の皆様から多くの示唆に富んだ御意見を伺いました。私からは、二月五日に御出席をくださった高見具広参考人、そして近藤絢子参考人の希望が持てる雇用・労働環境の整備についての御意見を踏まえつつ、考えを述べさせていただきます。
 まず、高見参考人からは、働き方改革が進む一方で、なお現場に残る課題について実態に即した御説明をいただきました。働き方改革により平均労働時間が減少したように見えますが、その背景にはパートタイムの増加やコロナ禍による影響も含まれており、正社員の長時間労働が減ったとは言い切れないということでした。また、残業時間の抑制が進められても、そのしわ寄せとして管理職の業務が過重となるという新たな課題も浮かび上がっているとのことでした。
 テレワークの普及というのは、家事や育児、余暇時間の確保といった利点がある一方で、仕事と私生活の境界が曖昧となり、心身のめり張りを欠いてしまう側面もあるということでした。こうした状況の中で、オンとオフを切り替えられる働き方を支える制度の重要性について御意見をいただきました。そして、何より、日本社会に根強くある長時間働くことを評価する意識そのものを見直し、長時間労働を前提としない働き方へと転換していく必要があるという御意見が昭和の人間として非常に胸に残っております。
 そこで申し上げたいのは、働くこととは生活の糧を得るためでもあり、やりがいのためでもありますが、それによって健康を損ねたり、人生豊かさを失ったりしてしまっては本末転倒であるということです。働き方を時間だけで考えるというのではなくて、どういう社会を築きたいのかという視点に立ち返り、働く人の健康や暮らし、地域や家族との関わりも含めた多角的な視点で制度の在り方を見直していくことが必要であると思います。また、制度は整っていても、その運用や現場の実情にギャップがあるならば、そのギャップを丁寧に把握して埋めていくための政策を検討していくことが重要だと考えます。
 続きましては、近藤参考人からは、就職氷河期世代を中心に不安定な雇用にとどまらざるを得なかった方々の実態について、大変丁寧で重みのある御説明をいただきました。
 親と同居しながら暮らす中高年層の中には、現時点では就業しているものの低所得のために将来的な生活に不安を抱えている方が多くいると。こうした方々には現行の社会保障制度や再分配の枠組みが十分に行き届いておらず、日々の暮らしに不安を抱きながらも何とか働いて支えておられる実態を丁寧に教えていただきました。
 さらに、今は親世代の支援で何とか生活が保たれていても、親の高齢化、介護の問題、独り暮らしになるリスクが急速に高まってくるとの御意見というのは、我が国が抱える静かな危機を象徴しているように感じました。就労意欲はあるが収入が足りない、能力はあるがチャンスがなかった、そんな方々がこのまま親御さんと共倒れのような形で取り残されていく社会にしてはならないという問題提起を感じました。
 どの世代にもそれぞれの時代に頑張ってきた方々がいて、その積み重ねの上に今日の社会があることを私たちは忘れてはならないと思います。そして、頑張ったらちゃんと報われると実感できる、誰もが取り残されず希望が持てる社会を皆さんと力を合わせて築いていきたいと考えております。
 ありがとうございました。終わります。
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福山哲郎#12
○会長(福山哲郎君) 伊藤孝恵君。
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伊藤孝恵#13
○伊藤孝恵君 私は、二院制下における参議院の役割を改めて考える契機としたいという意図でお話をさせていただきます。
 この調査会制度というのは参議院改革の成果の一つです。昭和六十一年七月、参議院独自の制度として創設をされました。参議院のホームページ、調査会、参議院の調査会を見ると、こう書いてあります。参議院の調査会は、参議院に解散がなく、議員の任期が六年であることに着目し、長期的かつ総合的な調査を行う目的で設けられた参議院独自の機関です。調査会は、大局的な見地から国政の基本的事項に関して調査を行い、その成果として、議員立法、決議、政策提言を行うなど、参議院にふさわしい調査機関としての役割を果たしています。
 そして、その調査会の機能としては、参考人からの意見聴取や政府からの説明聴取、内閣、官公庁等への資料要求、委員派遣を行うことができ、また、調査の結果、立法措置が必要な場合には法律案を提出できるなど、常任委員会とほぼ同等の機能を有しています。さらに、立法措置が必要な場合において、自ら法律案を提出する以外に、当該事項を所管する委員会に対して法律案の提出を勧告することができます。この立法勧告権が認められているのは調査会だけです。その他、調査のための公聴会等も開くことができると明記をしております。
 しかしながら、我々、この三年間で議員立法に向けて座を果たして組んだでしょうか。決議をするために各党の調整に奔走をする、そういう準備をしたでしょうか。さらには、政策提言をするための課題、その課題をたくさんの参考人の方々からいただきました。そして、それに我々は新たな視点や気付きがあったと、先ほど山本委員もおっしゃっておりましたけれども、今目の前にあることが、これは党派を超えてそれを認識している課題である、そう思います。
 そんな中で、この本調査会におきましては立法実績はございます。第百三十二回国会においては高齢社会対策基本法案を取りまとめておりますし、第百五十一国会の共生社会に関する調査会では、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律案、いわゆるDV防止法を可決をしております。そして、それが第百五十九国会ではその改正案も可決されており、この良識の府、参議院の調査会立法が現下の課題につながる政策推進のよりどころとなっております。
 こういった中で、今各委員の発言を聞いていましたところ、山本委員、さらに三上委員、中条委員からも、就職氷河期世代についてそういった課題認識が示されました。八〇五〇問題もそうです。我々は、私も就職氷河期ですけれども、この団塊ジュニアの親は団塊世代ですから、この団塊世代の親の介護問題というのは目の前にあります。
 そして、就職氷河期世代対策、政府が一生懸命やってきていただいたのも分かっています。そんな中にあっても、やはり雇用保険を原資とした雇用政策、つまり、非正規や無業の方を正社員にすることで、その人たちを社会保険料を払ってくれる、そういう人材にするための政策によっていたがために、その時間が経過をしてしまい、そこに住宅の問題、そして資産形成の問題、それから年金の問題、親介護の問題、この傷ついた自尊心のメンタルケアの問題等々、そして正社員になった方の中でもその機会損失、今の新しく社会に出る方々のこの初任給というのが三十五万だ、四十一万だ、そして歴史的な賃上げだと言っている中で、この就職氷河期だけ置き去りにされている。そういうところへの課題認識並びに私たちの政策提言機能というのは果たして、役割は果たせないのか。
 私は、当然、今回の政府の骨太の方針には大きな柱として書くべきだと思っておりますけれども、それを後押しする、そういう調査会としての機能を果たせないのかということは、十重二十重に皆さんにお願いをし、そして検討いただきたいというふうに思います。
 また、中条委員の方から長時間労働の見直しについても付言がありました。今回、人的資本情報開示義務についてもお話を聞く機会がありました。今まさに企業に、じゃ、男女の賃金格差なくせ、女性管理職比率を上げろ、さらには男性育休を推進しろというふうに義務を直接的に掛けることはできませんけれども、それを情報開示義務することによって、省令改正によって、様々なこれがゲームチェンジャーになると思っています。つまり、やっぱり資本家は人的資本情報を見るんですよ。海外の投資家はほとんどその人的資本情報を見ます。リクルート生もそれを、コスパ、タイパ世代多いですから、人的資本情報を見てみる。
 こういった調査会で得た我々の知見を、社会問題を法律に変換していく、そういう役割を担ってはいかがかと、委員長、そして理事に、筆頭理事にお願いを申し上げ、発言を終わります。
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福山哲郎#14
○会長(福山哲郎君) 山添拓君。
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山添拓#15
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 今期の論点である社会経済、地方及び国民生活における希望の実現に関わって意見を述べます。
 希望が持てる社会を実現するには、それを妨げている社会経済の諸条件を改善することが不可欠です。そして、その多くは政治によってつくられた障害であり、政治の責任で解決することが求められます。
 過重労働の背景と課題を紹介した高見具広参考人は、生活時間と健康確保の観点から時間外労働をいかに減らすかが大事だと述べた上で、更に進んで、法定労働時間の短縮や休日を増やすことで自由に使える時間が増えることの効果にも言及されました。
 日本では男性の仕事時間が長く、家事時間が極めて短いという実態もあります。大幅な賃上げと一体に、労働時間の抜本的な短縮を政治の目標に据え、生活時間、自分の時間の拡大とジェンダー平等社会実現を行うべきです。
 浅倉むつ子参考人が指摘した男女賃金格差の解消は喫緊、緊急の課題です。男性を一〇〇としたときの女性の賃金が七四・八、男性正規と女性非正規を比較したときの開きはより大きくなります。昨年五月、社宅制度をめぐり女性社員に対する間接差別を認めた初めての判決がありました。浅倉参考人からは、労働基準法に賃金についても間接差別禁止規定を盛り込む法改正をとの意見があり、国会として受け止めるべきです。
 近藤絢子参考人が、就職氷河期世代が四十代、五十代に差しかかり、就業していても低所得にとどまる現状を踏まえ、自立支援、就労支援だけでなく、福祉的な支援を通じた再分配を唱えられたのは示唆的でした。
 この間、焦点とされる所得税減税を幾ら進めても、納める税金自体が高くない人には効果が限定的です。政治的な抵抗が大きくても、払える人からうまく徴収することを考えることが必要との指摘は、大企業や富裕層に応分の負担を求め、パイを広げるべきとの提言と言えます。単なる減税や給付ではなく、格差と不公正を正す改革こそ必要です。
 奥田知志参考人、谷口仁史参考人から、伴走型支援やアウトリーチに取り組む現場の実態に即したお話を伺ったことも極めて重要でした。
 奥田参考人が強調したのは、課題解決型の支援だけでなく、つながることを目的とした伴走型の支援の必要性でした。サブリース方式で住宅提供と居住支援を一体に行う取組は先駆的であり、箱物の住宅政策から箱とケアを重視する居住政策への転換という視点も大いに注目されます。
 同時に、現場で支援に当たる人をどう広げ、どう育てるのかは大きな課題です。奥田参考人から、専門職の養成に関わって、行政では会計年度任用職員も地域づくりや防災に関わっている現状が紹介されました。待遇を大きく見直さないといい人材は残らないという指摘を踏まえ、是正すべきです。
 障害のある人の七八・六%が相対的貧困以下、半数以上が家族と同居し、家族に多くの負担が掛かっています。家族依存から脱却し、情報保障と移動保障に基づき、障害者基本法の改正、予算の拡充など、改革を求めた藤井克徳参考人の指摘も大変重いものです。国連障害者権利委員会が初の日本審査で温情主義と勧告したありようは転換させなければなりません。優生保護法であらわになった優生思想、差別や偏見を払拭する基本法、理念法の検討に入るべきという意見も国会として受け止めるべきです。
 地域社会での希望をどう実現するか。宮崎雅人参考人が社会的連帯経済の事例として紹介された熊本県小国町わいた会による地熱発電は、参加型の民主主義であるとともに、エネルギーの転換とも関連しています。地域の社会と経済の双方で再生の解決策となり得るものです。
 桜井徹参考人は、市民的権利としての移動の重要性を強調し、鉄道事業の独立採算制やJRの分割・民営化の見直しを提案されました。現に営業する路線を適切に維持するよう求める大臣指針を法制化し、ネットワークとしての鉄道網を維持するとともに、JRの上下分離による国有民営を進める案は十分に説得力があります。
 国際競争力を口実に、東京に人と物と金が集まればよいという時代でないことははっきりしています。東京一極集中を誘導し、加速させてきた政治の総括と反省が必要であることも指摘しておきたいと思います。
 以上述べた点を始め、各会派で認識が一致した課題や論点が少なからずありました。最終報告書に加えて、決議など適切な形で調査会としての意思を示していくことを提案したいと思います。
 軍事費に湯水のようにつぎ込みながら、物価高の下で、消費税を下げず、給料も年金も追い付かない、一方で、企業献金で結び付いた大企業や富裕層には優遇を続ける、ゆがんだ政治を正してこそ希望ある未来が開けることを強調し、意見とします。
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福山哲郎#16
○会長(福山哲郎君) 木村英子君。
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木村英子#17
○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。
 この三年間の国民生活調査会のテーマは、誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築ですが、障害者が取り残されずに生きるには余りにもバリアの多い社会状況になっている。
 一年目の調査会では、長年にわたり日本の障害者運動を牽引されてきた障害当事者の尾上参考人が、自身の施設での体験から脱施設を訴え、養護学校と普通学校に通い、健常児と一緒に学ぶことの大切さを実感したことから、分離教育に反対し、子供の頃からのインクルーシブ教育の実現に向けて、二〇二二年の国連の総括所見を踏まえた障害者基本法の改正を訴えていました。
 二年目の調査会においても、東京大学の教授である小国参考人が、特別支援学校や学級を推進している日本の分離教育の中止と、同じ教室で共に学ぶフルインクルーシブ教育への転換を訴えていました。
 また、長年バリアフリーに取り組んでこられたDPI日本会議で活躍している障害当事者の佐藤参考人からは、新幹線や鉄道などの交通のバリアフリー化や、車椅子で入れる飲食店などの小規模店舗、映画館や劇場といった建物のバリアフリーの活動に取り組んでいる中で、特にバリアフリー化が遅れている小規模店舗などの義務基準の見直しが必要であると提言されました。
 さらに、聴覚障害者当事者である伊藤参考人からは、聴覚障害者が職場や学校などで手話などの情報保障がされていない厳しい現状を話され、社会参加するための情報保障はもちろんのこと、特に災害時には情報保障がほとんどなく、避難所に安心して避難できず、情報がなく逃げ遅れる人も多く、健常者の二・五倍の死亡率となっていることなど、災害時の課題を提言されました。
 今年二月には、日本障害者協議会の藤井参考人から、日本の障害者の現状はまだまだ家族依存となっており、障害者が地域で安心して生きられる所得保障などの制度が整っていないことを指摘され、また、優生保護法の補償法ができた中で、優生思想をなくすためにもこれから国会で行われる検証をしっかり行っていただきたいとの提起がありました。
 これら参考人の方々からの提起にあるように、教育、就労、交通、建物、防災、医療、介護、地域移行など、誰もが地域で生きるために欠かすことのできない保障や権利であるにもかかわらず、障害者には保障されていない社会の仕組みや制度を変えなければ、障害者を始め誰もが取り残されない希望の持てる社会が実現しないことを痛感しました。
 障害者への偏見や差別がなくならない現状において、二〇二二年に障害者権利委員会から出された勧告を日本が守り、速やかに実行していくことが求められていると思います。誰もが取り残されず希望の持てる社会の構築を実現していくためには、この調査会で当事者の方々から提言されたように、私たち抜きに私たちのことを決めないでというスローガンの下、あらゆる場面における政策立案から決定までの当事者参画を保障することを政府へ提言していくことが最も必要だと考えます。
 以上で終わります。
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福山哲郎#18
○会長(福山哲郎君) 以上で各会派の一巡目の発言は終了いたしました。
 他に御発言はございませんか。
 発言のある方は挙手をお願いいたします。いかがでしょうか。
 どうぞ。若林洋平君。
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若林洋平#19
○若林洋平君 自由民主党の若林でございます。
 せっかくの機会ですので、発言の機会をいただきたいと思います。
 今の先生方のお話を聞いていて、本当にどうやったら取り残さなくて済むかということというのは、もちろん国もそうですし、県もそうですし、各自治体も本当にそうだと思うんですよね。
 その中で、ただ、一つ気を付けなきゃいけないというのは、私は常々思ってやってきたことがあって、弱者って、本当の弱者は本当に助けなきゃいけない。だから、その弱者の見極めというのも本当は実は非常に重要であって、やっぱり政治は当然弱者のためにまずはあると。ただ、その上に、やっぱり一生懸命働かれている方のためにあることを忘れてはいけない。ましてや、怠け者のためにあるわけではないということも忘れてはいけない。
 やっぱり利便性を向上することですとか、また生活環境を向上すること、また働く環境を向上すること、そのことに我々は、恐らく先生方全力を傾けていただいているとは思うんですが、ただ、それが一部の利益になったりとか、そういうことというのは絶対あってはいけないということは、いま一度ここは肝に銘じて、その上で今何が必要かということは、もう恐らく、これは自由民主党ももちろんそうですけれども、ここにいらっしゃる先生方、各会派、皆さん共通して言えていると思うんですよね。今まさに、国民生活であり経済であり、大ピンチのときに国は一体何をやったらいいかといったら、これはもう超党派でやっぱり一つの答えを出していくしかないと私は思いますので、そこの部分は、それが経済対策であり、もちろん減税対策であり、ただ、そこに希望が見出せないことをやっても、私はなかなか前に向けないというふうに思いますので、今日はせっかくの機会をいただきましたので、ここは党派を超えて、やっぱりしっかりと前を向いていく政策、協力し合うことを是非皆さんとともに頑張っていく、それが実はこの調査会の一番の重要な部分かなと思って、生意気なことを言いましたけれども、終わりにさせていただきます。
 ありがとうございました。
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福山哲郎#20
○会長(福山哲郎君) 他に御発言はございませんか。もう自由討議でございますので、順番、準備、かかわらずどうぞ。よろしいですか。──他に御発言もなければ、調査会長ではありますが、私からも意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、この調査会で御意見を陳述いただいた九人の参考人の皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。
 また、一、二年目同様、調査会の各回において、各委員におかれましては、真摯に、建設的に、また積極的に御意見をお述べいただいたことにも重ねて感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。希望が持てる雇用・労働環境や地域社会、誰も取り残さないための支援について、当事者、専門家等から立法府に対する大切な御示唆をいただきつつ、三年間の締めくくりにふさわしい充実した議論ができたと考えております。本日も、各委員とともに建設的な意見交換ができたと考えております。
 誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築に向け、本調査会として、党派を超えて良い提言ができるよう考えております。委員の皆様から党派を超えた決議、立法化なども含めて具体的な提案をいただいたところですが、報告書の取りまとめと、ほかに何ができるのかについても、両筆頭理事とも協議を重ね、それから各会派とも更に御相談をさせていただきながら進めていきたいと考えております。
 本当にこの三年間御協力をいただいたことに重ねて感謝を申し上げまして、会長からの意見とさせていただきます。ありがとうございました。
 以上で委員間の意見交換を終了いたします。
 各委員におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。
 本日伺いました御意見も踏まえ、各理事とも協議の上、最終報告書などを作成してまいりたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三分散会
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