高市早苗の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(高市早苗君) 松山政司議員の御質問にお答えいたします。
政治の安定と政策の実行についてお尋ねがございました。
日本維新の会との広範な政策合意に基づき、連立政権を樹立しました。この連立政権合意を基礎とし、各党からの政策提案についても柔軟に、真摯に議論をしてまいります。国家国民のため、決して諦めず、更なる政治の安定を図ることで力強い経済政策や力強い外交・安全保障政策を迅速に推進してまいります。
二〇四〇年までの中長期的なビジョンについてお尋ねがありました。
この内閣では、今の暮らしや未来への不安を希望に変え、強い経済をつくることを目指しております。この実現のためには、様々な課題に対して国民の皆様の安心感を醸成していくことが肝要です。
人口減少、少子高齢化を乗り切るためには、社会保障制度における給付と負担の在り方や給付付き税額控除の制度設計を含めた税と社会保障の一体改革について国民的議論を行うための国民会議を設置し、政府・与党だけではなく、野党の皆様も交え、丁寧な議論を進めてまいります。
さらには、食料安全保障、エネルギー安全保障、外交・安全保障といった各分野で国民の皆様に安心感をもたらす施策を推進し、中長期の経済財政の姿を展望しつつ、経済、財政、社会保障の持続可能性を確保するなど、国民の皆様が未来に希望を持つことができる日本をつくり上げてまいる所存です。
これらの中長期的な課題に取り組むためにも、経済あっての財政の考え方を基本とし、強い経済を構築するため、財政の持続可能性を実現しつつ、戦略的に財政出動を行ってまいります。
新たな経済対策についてお尋ねがありました。
物価高対策については、既に策定を指示している三つの柱から成る経済対策のうち、第一の柱として、ガソリン税や軽油引取税の暫定税率の早期廃止、電気・ガス料金の支援、重点支援地方交付金の拡充などを内容とする生活の安全保障、物価高への対応を講ずることとしています。施策の具体化に取り組み、速やかに経済対策を取りまとめ、必要な補正予算を本国会に提出いたします。御指摘の点も踏まえ、一刻も早く支援をお届けするとともに、関連する施策の広報、PRを強化してまいります。
また、こうした施策の実施に伴う地方団体の税収減のうち、ガソリン税及び軽油引取税については、先日、与野党の実務者間で地方の安定財源確保の方針について一致を見ており、その他の税制に関するテーマについても、今後の政党間の議論なども踏まえつつ、政府として地方の財政運営に配慮し、適切に対応をしてまいります。
社会保障制度の給付の在り方と財源確保についてお尋ねがありました。
日本経済のパイを大きくすることが重要であり、様々なリスクや社会課題に対する戦略的な投資により未来への不安を希望に変えるとともに、経済の新たな成長を切り開きます。そして、社会保障制度を持続可能なものとし、国民の皆様の命と健康を守るために、子ども・子育て支援を含めた全世代型社会保障を構築することが重要です。
そのため、効率的で質の高い医療の実現などについて迅速に検討を進め、社会保障制度改革を進める中で現役世代の保険料負担を抑えます。あわせて、攻めの予防医療を徹底し、健康寿命の延伸を図り、皆様が元気に活躍し、社会保障の担い手ともなっていただけるように取り組みます。
さらに、給付付き税額控除の制度設計を含めた税と社会保障の一体改革については、国民的議論を行うための国民会議を設置し、政府・与党だけではなく、野党の皆様も交え、丁寧な議論を進めてまいります。
日米首脳会談の意義とASEAN及びAPEC首脳会議を踏まえた関係国との連携強化についてお尋ねがありました。
先日、トランプ大統領と初の対面での首脳会談を行い、幅広い分野で率直な議論を通じて日米同盟を更なる高みに引き上げていくことについてトランプ大統領と確認をするなど、大きな成果を上げることができました。今後とも、トランプ大統領との会談を重ね、強固な信頼関係を一層深めて、日米同盟の新たな黄金時代をつくり上げていく決意です。
先週は、トランプ米国大統領の訪日に加え、ASEAN関連首脳会議、APEC首脳会議と非常に濃密かつ有意義な外交ウイークを走り抜けてまいりました。
今回の一連の外交日程では、自由で開かれたインド太平洋を推進し、時代に合わせて進化させていくこと、また、率直な対話を通じて、地域の主要な各国との信頼・協力関係をしっかりと構築していくことという私が就任直後から掲げてきた方針を実践に移すことができたと考えています。
自由で開かれたインド太平洋、FOIPにつきましては、日本を取り巻く国際情勢、安全保障環境は一層厳しさを増していること、また、経済安全保障や新興技術をめぐる国際競争など新たな課題も生じている中、こうした変化に対応し、最もふさわしい形でFOIPを進化させる必要があると考えています。米国を始めとする同盟国、同志国と意思疎通を行いつつ、緊密に連携をして取組を進めてまいります。
日米首脳会談の成果を踏まえた積極的な投資を生み出すための方策についてお尋ねがございました。
我が国は世界最大の対米投資国であり、日米は経済面で最も緊密なパートナーです。私とトランプ大統領との日米首脳会談においては、重要鉱物、レアアースに加え、AIを始めとした重要技術、造船など、幅広い分野における経済安全保障の取組を一層強化することで一致しました。
政府としましては、米国政府とも連携し、日本企業の声に丁寧に耳を傾け、日米の投資イニシアティブの対象となる案件を含め、日米両国のサプライチェーン強靱化に資する様々なビジネスを推進するための環境整備を行います。結果として、日本企業の事業収益が上がり、経済成長につながる好循環が実現することを期待しています。
拉致問題についてお尋ねがありました。
先般の日米首脳会談において、トランプ大統領に対し拉致問題の即時解決について理解と協力を求め、全面的な支持を得ました。
拉致問題の解決のためには、国際社会への働きかけと同時に、我が国が主体的に行動することが重要です。全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現すべく、私自らが先頭に立って、様々な状況に応じて果敢に行動することで具体的な成果に結び付けたいと考えております。あらゆる選択肢を排除せず、私の代で何としても突破口を開き、拉致問題を解決したいとの決意でございます。
エネルギー構造の変革についてお尋ねがありました。
国民生活及び国内産業を持続させ、更に立地競争力を強化していくためには、エネルギーの安定的で安価な供給が不可欠です。そのため、脱炭素電源の活用や資源の調達多角化などの取組を進めることが必要です。
再生可能エネルギーにつきましては、地域の理解や環境への配慮を前提に、ペロブスカイト太陽電池などの国産エネルギーの導入を拡大します。
戦略分野の一つであるフュージョンエネルギーにつきましては、世界に先駆けた二〇三〇年代の発電実証を目指し、官民の研究開発力強化等の取組を進めてまいります。
また、資源外交やJOGMECによるリスクマネー供給支援等を通じ、資源調達の多角化を進めてまいります。特に、米国アラスカのガス開発は、経済性や生産開始時期等に関する米国関係者との協議を継続し、適切に方策を講じます。
強い経済の実現に向け、エネルギー安全保障に重点を置いたエネルギー構造の変革を進めてまいります。
いわゆる副首都構想についてお尋ねがありました。
国全体の持続的な発展のため、東京一極集中の是正に向け、人や企業の地方分散を図ることは重要であると考えております。また、首都直下地震により官邸が使用できない事態を想定し、緊急災害対策本部の代替拠点の確保等に係る取組を進めてまいりました。
副首都構想については、今後、連立政権合意書に基づき、早急に与党による協議体を設置いたします。当該協議体においてしっかりと検討を進めていただきたいと考えております。
地方における賃上げの実現についてお尋ねがございました。
物価上昇を上回る賃上げが必要ですが、それを事業者に丸投げしてしまっては事業者の経営が苦しくなるだけです。継続的に賃上げを行える環境を整えることこそが政府の役割です。
このため、中小企業・小規模事業者への生産性向上支援に加え、事業承継やMアンドAの環境整備、更なる取引適正化に関連する施策を総動員して、賃上げに向けて経営する中小企業・小規模事業者を強力に後押ししてまいります。
また、診療報酬等の公的価格について、賃上げや物価高を適切に反映させるとともに、報酬改定の時期を待たず、医療機関や介護施設の経営の改善や職員の方々の処遇改善につながる措置を行い、効果を前倒しします。
さらに、御指摘の分野に地方自治体が地域の実情に応じて重点支援地方交付金を御活用いただけるよう拡充をしてまいります。
インフラ老朽化対策、国土強靱化、総合的な防衛体制の強化に資する公共インフラ整備についてお尋ねがありました。
インフラの老朽化対策に当たっては、定期点検を確実に行い、緊急度に応じて事前に対策を講じることで長寿命化を図る予防保全型に本格転換していくことが極めて重要です。自治体に対する財政面や技術面での支援を行いながら、第一次国土強靱化実施中期計画も踏まえ、老朽化したインフラの整備、保全を着実に進めてまいります。
また、現下の厳しい安全保障環境を踏まえ、平素から自衛隊、海上保安庁が多様な空港、港湾を円滑に利用できることは重要であると考えております。政府としては、これまで特定利用空港・港湾について、民生利用を主としつつ、自衛隊、海上保安庁にも資するよう必要な整備や既存事業の促進を図っているところであり、こうした取組を通じて、予算の確保も含め、引き続き、空港、港湾等の整備にしっかりと取り組んでまいります。
科学技術力の強化への対応についてお尋ねがありました。
強い経済の基盤となるのは、優れた科学技術力であり、イノベーションを興すことのできる人材です。昨日設置した日本成長戦略本部において、新技術立国・競争力強化について経済産業大臣を指名し、戦略作成を指示しました。公教育の強化や大学改革を進めるとともに、科学技術、人材育成に資する戦略的支援を行い、新技術立国を目指します。
また、AI・半導体等の各戦略分野について、研究開発、事業化、事業拡大、販路開拓、海外展開といった事業フェーズを念頭に、多角的な観点からの総合支援策の立案も指示しております。来年の夏にはこれらを踏まえた成長戦略を取りまとめ、我が国の強い経済の基盤となり得る科学技術力の強化のため、戦略的に政策を講じてまいります。
人獣共通感染症の対策についてお尋ねがありました。
人獣共通の感染症については、人、動物、環境という分野横断的な課題にこの関係者が連携して取り組むワンヘルスの考え方に基づき、総合的に対応することが重要です。
そのため、令和六年七月には新型インフルエンザ等対策政府行動計画を改定し、ワンヘルスアプローチの推進が盛り込まれました。御紹介いただきました福岡でのワンヘルスセンターの取組なども参考にしながら、地方での取組への支援も含め、人だけでなく動物分野、環境分野も含めた関係機関による監視の強化、分野横断的対応の推進により、人獣共通の感染症の脅威に対応してまいります。
憲法改正についてお尋ねがありました。
憲法改正については、内閣総理大臣としては、憲法審査会における党派を超えた建設的な議論が加速するとともに、国民の皆様の間での積極的な議論が深まっていくことを期待しております。
その上で、自民党総裁として申し上げれば、憲法はあるべき国の形を示す国家の基本法であり、そのあるべき姿について国民の皆様に案をお示しすることは我々国会議員の責務だと考えます。
そして、時代の要請に応えられる憲法を制定することは喫緊の課題と考えています。先般の日本維新の会との連立合意書においても、憲法改正に向けた取組が盛り込まれました。
今後、御指摘の四項目を含め、これまでの論点整理や議論の蓄積も踏まえ、各会派の御協力も得ながら改正案を発議し、少しでも早く憲法改正の賛否を問う国民投票が行われる環境をつくっていけるよう、私も粘り強く全力で取り組んでいく覚悟です。
以上です。ありがとうございました。(拍手)