本会議
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会
会議録情報#0
令和七年十一月五日(水曜日)
午前十時一分開議
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○議事日程 第三号
令和七年十一月五日
午前十時開議
第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
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○本日の会議に付した案件
議事日程のとおり
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この発言だけを見る →午前十時一分開議
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○議事日程 第三号
令和七年十一月五日
午前十時開議
第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
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○本日の会議に付した案件
議事日程のとおり
─────・─────
関
関口昌一#1
○議長(関口昌一君) これより会議を開きます。
日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
去る十月二十四日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。水岡俊一君。
〔水岡俊一君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
去る十月二十四日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。水岡俊一君。
〔水岡俊一君登壇、拍手〕
水
水岡俊一#2
○水岡俊一君 立憲民主・社民・無所属の水岡俊一です。
会派を代表して、高市総理に質問いたします。
まずは、総理御就任おめでとうございます。くれぐれも健康に御留意されながら、職責を全うされますことを心よりお願い申し上げます。
さて、高市総理は、就任会見、そして所信表明演説で力強い決意を表明されました。しかし、今求められているのは、力強い言葉だけではなく、その言葉と結び付いた誠実な説明であり、政治への信頼回復です。
自民党の政治家による政治と金の問題が長く続く一方、多くの皆さんが物価高に苦しみ続けている昨今、政治そのものへの信頼はかつてないほど揺らいでいます。この不信を取り除く責任は、まさに自民党総裁である総理御自身にあります。
どうか総理におかれましては、聞く人が耳を傾けたくなるような言葉をこの国会の場から発していただきたい。
初めに、高市内閣の政治姿勢について伺います。
総理は、いわゆる裏金議員と呼ばれる方も、選挙を経ればみそぎは終わったとお考えなのでしょうか。仮にそうした考えを一定認めたとしても、選挙を経ていない方は何もみそぎを済ませていないことになります。高市総理が官房副長官に任命した佐藤啓参議院議員は、旧安倍派で裏金問題に関与していますが、改選は三年後なので選挙の審判を受けていません。まさに高市総理の任命責任が問われます。
そこで、総理に最初のお尋ねです。政治と金の問題を高市内閣ではどのように解決しようと考えていますか。加えて、選挙を経ていない裏金議員は内閣の要職に就く資格があるとお考えですか。
裏金問題発覚後、該当の議員は政治資金収支報告書の修正をされたようです。それぞれの議員の事情があるとは思いますが、計上されていなかったそのお金を政治活動に使ったという証拠がないケースがほとんどではないですか。ということは、つまり裏金だったお金は使途不明金ということになり、雑所得として課税対象になるはずです。
二つ目の質問です。該当の議員できちんと修正申告をして所得税等を支払った方はいるのでしょうか。いるとすれば、その人数をお答えいただきたい。
政府による公文書改ざんも政治不信の原因の一つです。
財務省は十月、学校法人森友学園への国有地売却に関する公文書について四回目の開示を行いました。この開示は、改ざんを強いられて自死した財務省近畿財務局の職員、赤木俊夫さんの妻である雅子さんの求めに応じたものです。
公文書の改ざんは重大な犯罪であり、民主主義の根幹を大きく揺るがすものです。これまでに開示された文書から明らかとなったのは、政府による虚偽答弁が繰り返され、国権の最高機関である国会が愚弄されたこと、そして、真面目に働く現場の公務員が自死に追い込まれ、逆に改ざんを主導したキャリア官僚らは出世したという余りにも理不尽な事実です。
質問三。なぜあのような土地の値下げが行われたのか。それが明るみに出たら、なぜ国民を欺くような文書の書換えが行われたのか。政府は第三者委員会を設置し、調査により真実を解明すべきだと考えますが、いかがでしょうか。三点、明確にお答えください。
紙にして約十七万枚、それに加えて電子データも存在するこの膨大な関連文書について、石破内閣は四月から二か月ごとに約五万枚に及ぶ開示を行ってきました。
そこで、質問四です。高市内閣でも、当初の方針どおり、来年四月を目途として開示を続ける方針に変わりはないという理解でよろしいでしょうか。
遺族である赤木雅子さんは、当時の理財局長であった佐川氏を始めとする財務省幹部や近畿財務局長以下の財務局幹部職員らのメールを優先的に開示すべきだと主張しています。これまで政府は、御遺族の要望には誠実に応えると答弁してきました。
質問五。高市内閣は、赤木雅子さんのこの要望に応えますか。
次に、働き方と労働時間規制の問題について伺います。
深刻な人手不足の時代です。少子高齢化が進み、生産年齢人口が減少する中で、いかに労働力を確保し、持続的な成長につなげるかが喫緊の課題となっています。そうした中、総理が労働時間の規制緩和を検討するよう指示されたとの報道がありました。
これに対して、働く現場からは、規制緩和が労働者の過重負担や長時間労働の再拡大につながるのではないかと強い懸念の声が上がっています。日本労働組合総連合会、連合は、柔軟な働き方は現行制度でも可能と反対の態度を示しています。
質問六。総理は、労働時間規制を緩めることが人手不足解消にどのような効果をもたらすと考えておられますか。その一方で、長時間労働や過労死防止との整合性をどのように確保されますか。
長時間労働は、少子化傾向にもつながっています。明治安田生命の調査によると、ゼロ歳から六歳の子供を持つ男女のうち二人目を望むと答えた人の割合は三三・三%にとどまり、二〇一八年の調査開始以来、過去最低を記録しました。背景には、年齢的な不安、将来の収入面への不安、生活費が掛かるといった年齢、経済要因が挙げられています。
私たちが注目するのは、ネガティブな回答をした人のうち約七割が経済的な状況などが改善すれば二人目を望めると答えている点です。中でも自身や配偶者の働き方が柔軟であれば望めるとの回答も目立ち、労働時間の柔軟性やワーク・ライフ・バランスが第二子を望むかどうかを左右している現実があります。
そこで、お尋ねします。
質問七。総理は、この二人目の壁の主な原因を経済的不安だけでなく働き方の硬直性だと捉えていますか。また、長時間労働の再拡大を招けば、出生率は更に下がると考えませんか。
高市総理は所信表明で、強い経済と繰り返し訴えました。しかし、その強さとは、誰にとっての誰のための強さなのでしょうか。強い企業、強い財政、強い株価。そのいずれもが、この国に生きる人々の暮らしの実感を伴わなければ、数字の上だけの強さにすぎません。
質問八。総理、強い経済で家計はどのように温まりますか。所得を増やすとおっしゃっていましたが、どのように実質賃金を上げますか。
質問九。誰も取り残さない成長、つまり地域や小規模事業者も共に繁栄する経済を政府はどのように描いているのか、具体的にお示しください。
今年のノーベル賞では、大阪大学の坂口志文先生が生理学・医学賞、京都大学の北川進先生が化学賞を受賞されました。誠におめでとうございます。そのお二人が受賞会見で共におっしゃったのは基礎研究の大切さでありました。時間の掛かる研究こそ、国の知の礎です。
ところが、日本の研究現場では、その環境が失われつつあります。国立大学法人への運営費交付金は二〇〇四年度からの二十年間で約一三%、一千六百億円減少しました。これは、中堅・地方大学二十大学分に相当する配分額です。人件費や研究費が圧迫され、研究者の多くは安定した職を得られず、大学の現場からは、研究室の電気代を節約し、コピー用紙の購入すらためらうという苦しい声が聞こえます。大学は短期的成果ばかりを求められ、世界に挑戦する基礎研究が育ちにくくなっているのです。
総理、防衛費は、五年で倍増どころか、更に前倒ししようとしています。それならば、知の安全保障として、大学への公的支援を回復させることも急務ではありませんか。教育はコストではなく、日本の未来への投資です。
質問十。総理は、強い経済の基盤となるのは優れた科学技術力と言うのであれば、高等教育や基礎研究の予算を増やすつもりはありませんか。短期的成果に偏った競争的資金制度を見直し、十年単位で挑戦できる基礎研究支援枠を設けるお考えはありますか。
今、全国の学校では持続不可能な教育現場という言葉が現実になりつつあります。
文部科学省の調査によれば、一昨年度教員の時間外労働が月四十五時間を超えた割合が、特に中学校では四割以上で、過労死ラインの八十時間を超えた教員も一割近くに上ります。
担任不在の学級、病休・産休欠員の未補充、臨時免許で支えられる教壇。こうした異常な状況がもはや例外ではなく、学校にとっての日常になっているのです。学校は社会の基盤です。今必要なのは、場当たり的な応急処置ではなく、教育制度の根本的な見直しです。
質問十一。総理は、教職員不足の根本的な原因はどこにあるとお考えですか。また、教育の持続可能性を取り戻すために、制度の抜本的改革を行うお考えはありますか。明確な方針をお示しください。
公教育はまさに危機的状況です。にわかに高校授業料無償化拡大の声が高まりつつありますが、この無償化に掛かる予算は五千億円とも六千億円とも言われます。
質問十二。この予算は、これまでの教育予算内での付け替えなどではなく、他の教育政策に影響を与えることがないよう、新規予算、恒久財源で進めるべきだと考えます。総理の見解を伺います。
今年は戦後八十年です。この節目に石破前総理によって発表された戦後八十年所感においては、なぜ日本は戦争を止められなかったのか、政治はいかなる役割を果たし、果たさなかったのかという国家の統治構造そのものに対する反省が示されました。この指摘は、単に過去の歴史を語るものではなく、民主主義の機能不全や異論を封じる政治文化への警鐘であります。
質問十三。高市総理は、戦後八十年の節目に、石破前総理のこの所感をどのように受け止め、未来への政治理念としてどのように継承されるお考えですか。
質問十四。そして、いまだ終わらぬ戦後補償もあります。平和の誓いを継承するために、戦争を止められなかった政治からの転換をするつもりであるなら、その具体をお示しください。
松下幸之助氏は二十一世紀はアジアの時代になると予測し、アジアの繁栄を受けて立つリーダーを育成するために松下政経塾をつくられたと聞きました。野田佳彦元総理に続き、松下政経塾から二人目の総理となった高市総理の最初の外遊がマレーシアでのASEAN関連首脳会議だったのも何かの御縁でしょうか。
外交において経済や安全保障での協力はもちろん重要ですが、その大本にあるべきは、やはり相互尊重と対話であると考えます。
質問十五。特にアジア諸国との関係において、経済援助や安全保障だけでなく、過去の歴史を真摯に共有し、相互信頼を醸成するための具体的方策を総理がお考えであればお示しください。また、経済安全保障の名の下に進むブロック化の流れの中で、日本がアジアの調和の軸として果たすべき役割をどのように構想されていますか。
一方、国際社会は日本をどう見ているのでしょうか。私は、日本が国際条約を十分に尊重していないと批判を受けていることについて、時の総理にこれまで何度も問うてきました。日本は多くの国際条約を批准していますが、政府は批准した条約を誠実に履行しているとはとても言えないような状況となっています。
例えば、女性差別撤廃委員会は、日本に対してジェンダー平等の実現に遅れがあると指摘し、女性の政治参加拡大や賃金格差是正など強く求めましたが、政府はその勧告に具体的な対応策を示さぬままです。日本はいまだに選択的夫婦別姓の導入を果たさず、ジェンダーギャップ指数も世界で下位に沈んでいます。
また、朝鮮学校を高校無償化の対象から排除し続けていることは、人種差別撤廃条約及び社会権規約第十三条に反するとして、国連の複数の委員会から再三にわたり是正勧告を受けています。子どもの権利条約を批准し、教育の機会均等を掲げる日本が特定の民族学校を制度上から排除し続けることは、法の支配を説く国として恥ずべきことです。
国内では依然として、部落差別、アイヌ差別、人種差別、障害者差別など多くの差別や排除が根強く残っており、近年はむしろ拡大している面もあるほどです。政府から独立した国内人権機関を一刻も早く設置すべきです。
質問十六です。政府が国際人権機関からの勧告を軽視し続けるのは、国内問題と矮小化しているからではありませんか。勧告に法的拘束力はないなどという幼稚な言い訳をせずに、国際条約に基づく是正勧告を国内改革へと結び付ける具体策をどのように講じるのか、明確にお答えください。
質問十七。高市総理が内閣を率いる今こそ、女性の地位向上などの是正勧告を直ちに受け入れるべきではありませんか。
次に、再審法の見直しについて伺います。
冤罪は国家による最大の人権侵害のうちの一つです。再審制度は冤罪被害者を救済し、国家の誤りを正す最後のとりででなければなりません。
今年六月、立憲民主党は超党派の議連がまとめた案を基に、野党六党の共同で再審法改正案を提出しました。この法案の提出に、議連の中心メンバーであった自民党が加わらなかったことは誠に残念です。
今、法制審議会で議論がなされていますが、全十四項目という多くの論点が提示されており、法制化までは長い時間を要することが明らかです。
そこで、質問十八です。まずは、この臨時国会で特に冤罪被害者救済のために重要な四項目を定めた再審法改正案を成立させ、その後に残りの論点について法制審議会で丁寧に議論するべきではないでしょうか。総理の見解を伺います。
北朝鮮による日本人拉致問題は、主権と人権の根幹を揺るがす国家犯罪であり、被害者御本人と御家族の尊厳を長年にわたって踏みにじってきた深刻な人権侵害であります。政府が認定する拉致被害者の親世代は、もはや横田早紀江さんしか御存命ではありません。そして、拉致被害者本人も高齢化しています。時間がないという切実な訴えに、政府として今こそ具体的な行動で応えるときです。
高市総理は、拉致問題を最重要課題と位置付け、先日の日米首脳会談においてトランプ大統領に即時解決の協力を要請し、北朝鮮には首脳会談を求めているとのことです。しかし、全員、即時と掲げた目標について、具体的なロードマップが見えません。
質問十九。政府として、全ての拉致被害者の即時帰国を実現するための具体的時期や交渉目標を設定されているのですか。また、アメリカの協力を得ながら、日本としてはどのようなアプローチを行うのでしょうか。
今年は、例年に増して各地で熊の被害が深刻です。人や飼い犬などが命を奪われるような大きな被害が頻発し、死者は過去最高となりました。熊の生息地域の方々は、農作業のため畑に行くのも恐ろしく、学校に子供を送り出すことや、ごみ出し、犬の散歩に行くことすらおびえながらの日々だと言います。
私は、二〇二三年の大量出没の折に環境委員会で当時の大臣に鳥獣保護法改正を何度も要望してきましたが、政府の動きは鈍く、ようやく今年、その改正がかないました。この改正により、日常生活圏に熊が出没した際に銃器を使用して捕獲等を行う緊急銃猟が可能となりました。
しかし、熊出没の数を減らすためには抜本的な対策が必要であり、出没防止策の更なる徹底と関連予算の大幅な増額が必要です。また、猟友会の高齢化も進んでおり、ハンターの人手不足問題をこれまで何度も指摘してきました。
質問二十。自治体にガバメントハンターなど専門職員を置く動きも見られますが、あかま国家公安委員長は、訓練を受けた警察官がライフル銃を使って熊を駆除できるようにしたいと会見でおっしゃいました。スピード感を持って実施していただきたいと思いますが、実施の時期についてどのようにお考えですか。また、熊の襲撃による死亡事案や大けがなどの被害者への補償や支援の在り方などを検討していますか。
自由民主党と日本維新の会の連立合意書には、大規模災害やテロ、戦争などの国家的危機により国会が開けない場合、政府の権限を一時的に強くする緊急事態条項導入のために憲法改正を目指す旨の記載がありました。しかし、安全保障や危機管理が名目であっても、国民の自由を必要以上に制限することや、国会による監視や丁寧な議論を軽んじることはあってはなりません。
衆議院の解散や任期満了により衆議院議員が存在しないときに発生した緊急事態に対しては、憲法五十四条で「内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。」とされており、緊急事態に応じた個別法令も整備されています。新たな制度を追加する必要性は全くないと考えます。実際に参議院の憲法審査会では、自民党の委員も、緊急集会で対応可能であり、改憲の必要はないと主張し、反対していました。自民党内ですらまとまっていないのに、なぜ改憲を急ぐのでしょうか。
政府に特別な権限を与えるだけでは、それは危機への備えではなく、民主主義を危うくする道にほかなりません。国家を守ることに名を借りて立憲主義を後退させることになりませんか。
最後の質問二十一です。総理は憲法の役割をどのように捉えていますか。もし憲法を改めるとなれば、権力の濫用を防ぐ歯止めをどこに置くのか、自由と統制の境界をどう定めるのか。その原理原則を明確に示す必要があります。
結びに一言申し上げます。
地方では、人口の減少とともに、仕事が減り、公共交通が失われ、医療や教育を支える人がいなくなっています。都市部でも、非正規雇用や単身世帯の増加により、働いても働いても生活が安定しない人が増えています。生産性は上がっているのに実質賃金は上がらず、企業の内部留保は膨らんでいるのに家計の預貯金は減り続けています。このような現状に多くの人々が報われなさ、むなしさを感じていることを総理は分かっておられますか。
このままでは、どれほど金融緩和を続け、成長戦略を積み上げても、家計には届きません。成長の果実は一部に集中し、労働者、地域、家庭は疲弊していく。国民の約六人に一人が相対的貧困の状態にあり、一人親世帯では二人に一人となっています。
景気の指数や株価の推移だけでは測れない暮らしの痛みに政治は真摯に向き合うべきです。総理、どうか耳触りの良い評価や数字に酔うことなく、見過ごされがちな声、かすかな叫びにこそ真正面から応えていただきたい。総理の誠実な答弁を求め、質問を終わります。
ありがとうございました。拍手
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →会派を代表して、高市総理に質問いたします。
まずは、総理御就任おめでとうございます。くれぐれも健康に御留意されながら、職責を全うされますことを心よりお願い申し上げます。
さて、高市総理は、就任会見、そして所信表明演説で力強い決意を表明されました。しかし、今求められているのは、力強い言葉だけではなく、その言葉と結び付いた誠実な説明であり、政治への信頼回復です。
自民党の政治家による政治と金の問題が長く続く一方、多くの皆さんが物価高に苦しみ続けている昨今、政治そのものへの信頼はかつてないほど揺らいでいます。この不信を取り除く責任は、まさに自民党総裁である総理御自身にあります。
どうか総理におかれましては、聞く人が耳を傾けたくなるような言葉をこの国会の場から発していただきたい。
初めに、高市内閣の政治姿勢について伺います。
総理は、いわゆる裏金議員と呼ばれる方も、選挙を経ればみそぎは終わったとお考えなのでしょうか。仮にそうした考えを一定認めたとしても、選挙を経ていない方は何もみそぎを済ませていないことになります。高市総理が官房副長官に任命した佐藤啓参議院議員は、旧安倍派で裏金問題に関与していますが、改選は三年後なので選挙の審判を受けていません。まさに高市総理の任命責任が問われます。
そこで、総理に最初のお尋ねです。政治と金の問題を高市内閣ではどのように解決しようと考えていますか。加えて、選挙を経ていない裏金議員は内閣の要職に就く資格があるとお考えですか。
裏金問題発覚後、該当の議員は政治資金収支報告書の修正をされたようです。それぞれの議員の事情があるとは思いますが、計上されていなかったそのお金を政治活動に使ったという証拠がないケースがほとんどではないですか。ということは、つまり裏金だったお金は使途不明金ということになり、雑所得として課税対象になるはずです。
二つ目の質問です。該当の議員できちんと修正申告をして所得税等を支払った方はいるのでしょうか。いるとすれば、その人数をお答えいただきたい。
政府による公文書改ざんも政治不信の原因の一つです。
財務省は十月、学校法人森友学園への国有地売却に関する公文書について四回目の開示を行いました。この開示は、改ざんを強いられて自死した財務省近畿財務局の職員、赤木俊夫さんの妻である雅子さんの求めに応じたものです。
公文書の改ざんは重大な犯罪であり、民主主義の根幹を大きく揺るがすものです。これまでに開示された文書から明らかとなったのは、政府による虚偽答弁が繰り返され、国権の最高機関である国会が愚弄されたこと、そして、真面目に働く現場の公務員が自死に追い込まれ、逆に改ざんを主導したキャリア官僚らは出世したという余りにも理不尽な事実です。
質問三。なぜあのような土地の値下げが行われたのか。それが明るみに出たら、なぜ国民を欺くような文書の書換えが行われたのか。政府は第三者委員会を設置し、調査により真実を解明すべきだと考えますが、いかがでしょうか。三点、明確にお答えください。
紙にして約十七万枚、それに加えて電子データも存在するこの膨大な関連文書について、石破内閣は四月から二か月ごとに約五万枚に及ぶ開示を行ってきました。
そこで、質問四です。高市内閣でも、当初の方針どおり、来年四月を目途として開示を続ける方針に変わりはないという理解でよろしいでしょうか。
遺族である赤木雅子さんは、当時の理財局長であった佐川氏を始めとする財務省幹部や近畿財務局長以下の財務局幹部職員らのメールを優先的に開示すべきだと主張しています。これまで政府は、御遺族の要望には誠実に応えると答弁してきました。
質問五。高市内閣は、赤木雅子さんのこの要望に応えますか。
次に、働き方と労働時間規制の問題について伺います。
深刻な人手不足の時代です。少子高齢化が進み、生産年齢人口が減少する中で、いかに労働力を確保し、持続的な成長につなげるかが喫緊の課題となっています。そうした中、総理が労働時間の規制緩和を検討するよう指示されたとの報道がありました。
これに対して、働く現場からは、規制緩和が労働者の過重負担や長時間労働の再拡大につながるのではないかと強い懸念の声が上がっています。日本労働組合総連合会、連合は、柔軟な働き方は現行制度でも可能と反対の態度を示しています。
質問六。総理は、労働時間規制を緩めることが人手不足解消にどのような効果をもたらすと考えておられますか。その一方で、長時間労働や過労死防止との整合性をどのように確保されますか。
長時間労働は、少子化傾向にもつながっています。明治安田生命の調査によると、ゼロ歳から六歳の子供を持つ男女のうち二人目を望むと答えた人の割合は三三・三%にとどまり、二〇一八年の調査開始以来、過去最低を記録しました。背景には、年齢的な不安、将来の収入面への不安、生活費が掛かるといった年齢、経済要因が挙げられています。
私たちが注目するのは、ネガティブな回答をした人のうち約七割が経済的な状況などが改善すれば二人目を望めると答えている点です。中でも自身や配偶者の働き方が柔軟であれば望めるとの回答も目立ち、労働時間の柔軟性やワーク・ライフ・バランスが第二子を望むかどうかを左右している現実があります。
そこで、お尋ねします。
質問七。総理は、この二人目の壁の主な原因を経済的不安だけでなく働き方の硬直性だと捉えていますか。また、長時間労働の再拡大を招けば、出生率は更に下がると考えませんか。
高市総理は所信表明で、強い経済と繰り返し訴えました。しかし、その強さとは、誰にとっての誰のための強さなのでしょうか。強い企業、強い財政、強い株価。そのいずれもが、この国に生きる人々の暮らしの実感を伴わなければ、数字の上だけの強さにすぎません。
質問八。総理、強い経済で家計はどのように温まりますか。所得を増やすとおっしゃっていましたが、どのように実質賃金を上げますか。
質問九。誰も取り残さない成長、つまり地域や小規模事業者も共に繁栄する経済を政府はどのように描いているのか、具体的にお示しください。
今年のノーベル賞では、大阪大学の坂口志文先生が生理学・医学賞、京都大学の北川進先生が化学賞を受賞されました。誠におめでとうございます。そのお二人が受賞会見で共におっしゃったのは基礎研究の大切さでありました。時間の掛かる研究こそ、国の知の礎です。
ところが、日本の研究現場では、その環境が失われつつあります。国立大学法人への運営費交付金は二〇〇四年度からの二十年間で約一三%、一千六百億円減少しました。これは、中堅・地方大学二十大学分に相当する配分額です。人件費や研究費が圧迫され、研究者の多くは安定した職を得られず、大学の現場からは、研究室の電気代を節約し、コピー用紙の購入すらためらうという苦しい声が聞こえます。大学は短期的成果ばかりを求められ、世界に挑戦する基礎研究が育ちにくくなっているのです。
総理、防衛費は、五年で倍増どころか、更に前倒ししようとしています。それならば、知の安全保障として、大学への公的支援を回復させることも急務ではありませんか。教育はコストではなく、日本の未来への投資です。
質問十。総理は、強い経済の基盤となるのは優れた科学技術力と言うのであれば、高等教育や基礎研究の予算を増やすつもりはありませんか。短期的成果に偏った競争的資金制度を見直し、十年単位で挑戦できる基礎研究支援枠を設けるお考えはありますか。
今、全国の学校では持続不可能な教育現場という言葉が現実になりつつあります。
文部科学省の調査によれば、一昨年度教員の時間外労働が月四十五時間を超えた割合が、特に中学校では四割以上で、過労死ラインの八十時間を超えた教員も一割近くに上ります。
担任不在の学級、病休・産休欠員の未補充、臨時免許で支えられる教壇。こうした異常な状況がもはや例外ではなく、学校にとっての日常になっているのです。学校は社会の基盤です。今必要なのは、場当たり的な応急処置ではなく、教育制度の根本的な見直しです。
質問十一。総理は、教職員不足の根本的な原因はどこにあるとお考えですか。また、教育の持続可能性を取り戻すために、制度の抜本的改革を行うお考えはありますか。明確な方針をお示しください。
公教育はまさに危機的状況です。にわかに高校授業料無償化拡大の声が高まりつつありますが、この無償化に掛かる予算は五千億円とも六千億円とも言われます。
質問十二。この予算は、これまでの教育予算内での付け替えなどではなく、他の教育政策に影響を与えることがないよう、新規予算、恒久財源で進めるべきだと考えます。総理の見解を伺います。
今年は戦後八十年です。この節目に石破前総理によって発表された戦後八十年所感においては、なぜ日本は戦争を止められなかったのか、政治はいかなる役割を果たし、果たさなかったのかという国家の統治構造そのものに対する反省が示されました。この指摘は、単に過去の歴史を語るものではなく、民主主義の機能不全や異論を封じる政治文化への警鐘であります。
質問十三。高市総理は、戦後八十年の節目に、石破前総理のこの所感をどのように受け止め、未来への政治理念としてどのように継承されるお考えですか。
質問十四。そして、いまだ終わらぬ戦後補償もあります。平和の誓いを継承するために、戦争を止められなかった政治からの転換をするつもりであるなら、その具体をお示しください。
松下幸之助氏は二十一世紀はアジアの時代になると予測し、アジアの繁栄を受けて立つリーダーを育成するために松下政経塾をつくられたと聞きました。野田佳彦元総理に続き、松下政経塾から二人目の総理となった高市総理の最初の外遊がマレーシアでのASEAN関連首脳会議だったのも何かの御縁でしょうか。
外交において経済や安全保障での協力はもちろん重要ですが、その大本にあるべきは、やはり相互尊重と対話であると考えます。
質問十五。特にアジア諸国との関係において、経済援助や安全保障だけでなく、過去の歴史を真摯に共有し、相互信頼を醸成するための具体的方策を総理がお考えであればお示しください。また、経済安全保障の名の下に進むブロック化の流れの中で、日本がアジアの調和の軸として果たすべき役割をどのように構想されていますか。
一方、国際社会は日本をどう見ているのでしょうか。私は、日本が国際条約を十分に尊重していないと批判を受けていることについて、時の総理にこれまで何度も問うてきました。日本は多くの国際条約を批准していますが、政府は批准した条約を誠実に履行しているとはとても言えないような状況となっています。
例えば、女性差別撤廃委員会は、日本に対してジェンダー平等の実現に遅れがあると指摘し、女性の政治参加拡大や賃金格差是正など強く求めましたが、政府はその勧告に具体的な対応策を示さぬままです。日本はいまだに選択的夫婦別姓の導入を果たさず、ジェンダーギャップ指数も世界で下位に沈んでいます。
また、朝鮮学校を高校無償化の対象から排除し続けていることは、人種差別撤廃条約及び社会権規約第十三条に反するとして、国連の複数の委員会から再三にわたり是正勧告を受けています。子どもの権利条約を批准し、教育の機会均等を掲げる日本が特定の民族学校を制度上から排除し続けることは、法の支配を説く国として恥ずべきことです。
国内では依然として、部落差別、アイヌ差別、人種差別、障害者差別など多くの差別や排除が根強く残っており、近年はむしろ拡大している面もあるほどです。政府から独立した国内人権機関を一刻も早く設置すべきです。
質問十六です。政府が国際人権機関からの勧告を軽視し続けるのは、国内問題と矮小化しているからではありませんか。勧告に法的拘束力はないなどという幼稚な言い訳をせずに、国際条約に基づく是正勧告を国内改革へと結び付ける具体策をどのように講じるのか、明確にお答えください。
質問十七。高市総理が内閣を率いる今こそ、女性の地位向上などの是正勧告を直ちに受け入れるべきではありませんか。
次に、再審法の見直しについて伺います。
冤罪は国家による最大の人権侵害のうちの一つです。再審制度は冤罪被害者を救済し、国家の誤りを正す最後のとりででなければなりません。
今年六月、立憲民主党は超党派の議連がまとめた案を基に、野党六党の共同で再審法改正案を提出しました。この法案の提出に、議連の中心メンバーであった自民党が加わらなかったことは誠に残念です。
今、法制審議会で議論がなされていますが、全十四項目という多くの論点が提示されており、法制化までは長い時間を要することが明らかです。
そこで、質問十八です。まずは、この臨時国会で特に冤罪被害者救済のために重要な四項目を定めた再審法改正案を成立させ、その後に残りの論点について法制審議会で丁寧に議論するべきではないでしょうか。総理の見解を伺います。
北朝鮮による日本人拉致問題は、主権と人権の根幹を揺るがす国家犯罪であり、被害者御本人と御家族の尊厳を長年にわたって踏みにじってきた深刻な人権侵害であります。政府が認定する拉致被害者の親世代は、もはや横田早紀江さんしか御存命ではありません。そして、拉致被害者本人も高齢化しています。時間がないという切実な訴えに、政府として今こそ具体的な行動で応えるときです。
高市総理は、拉致問題を最重要課題と位置付け、先日の日米首脳会談においてトランプ大統領に即時解決の協力を要請し、北朝鮮には首脳会談を求めているとのことです。しかし、全員、即時と掲げた目標について、具体的なロードマップが見えません。
質問十九。政府として、全ての拉致被害者の即時帰国を実現するための具体的時期や交渉目標を設定されているのですか。また、アメリカの協力を得ながら、日本としてはどのようなアプローチを行うのでしょうか。
今年は、例年に増して各地で熊の被害が深刻です。人や飼い犬などが命を奪われるような大きな被害が頻発し、死者は過去最高となりました。熊の生息地域の方々は、農作業のため畑に行くのも恐ろしく、学校に子供を送り出すことや、ごみ出し、犬の散歩に行くことすらおびえながらの日々だと言います。
私は、二〇二三年の大量出没の折に環境委員会で当時の大臣に鳥獣保護法改正を何度も要望してきましたが、政府の動きは鈍く、ようやく今年、その改正がかないました。この改正により、日常生活圏に熊が出没した際に銃器を使用して捕獲等を行う緊急銃猟が可能となりました。
しかし、熊出没の数を減らすためには抜本的な対策が必要であり、出没防止策の更なる徹底と関連予算の大幅な増額が必要です。また、猟友会の高齢化も進んでおり、ハンターの人手不足問題をこれまで何度も指摘してきました。
質問二十。自治体にガバメントハンターなど専門職員を置く動きも見られますが、あかま国家公安委員長は、訓練を受けた警察官がライフル銃を使って熊を駆除できるようにしたいと会見でおっしゃいました。スピード感を持って実施していただきたいと思いますが、実施の時期についてどのようにお考えですか。また、熊の襲撃による死亡事案や大けがなどの被害者への補償や支援の在り方などを検討していますか。
自由民主党と日本維新の会の連立合意書には、大規模災害やテロ、戦争などの国家的危機により国会が開けない場合、政府の権限を一時的に強くする緊急事態条項導入のために憲法改正を目指す旨の記載がありました。しかし、安全保障や危機管理が名目であっても、国民の自由を必要以上に制限することや、国会による監視や丁寧な議論を軽んじることはあってはなりません。
衆議院の解散や任期満了により衆議院議員が存在しないときに発生した緊急事態に対しては、憲法五十四条で「内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。」とされており、緊急事態に応じた個別法令も整備されています。新たな制度を追加する必要性は全くないと考えます。実際に参議院の憲法審査会では、自民党の委員も、緊急集会で対応可能であり、改憲の必要はないと主張し、反対していました。自民党内ですらまとまっていないのに、なぜ改憲を急ぐのでしょうか。
政府に特別な権限を与えるだけでは、それは危機への備えではなく、民主主義を危うくする道にほかなりません。国家を守ることに名を借りて立憲主義を後退させることになりませんか。
最後の質問二十一です。総理は憲法の役割をどのように捉えていますか。もし憲法を改めるとなれば、権力の濫用を防ぐ歯止めをどこに置くのか、自由と統制の境界をどう定めるのか。その原理原則を明確に示す必要があります。
結びに一言申し上げます。
地方では、人口の減少とともに、仕事が減り、公共交通が失われ、医療や教育を支える人がいなくなっています。都市部でも、非正規雇用や単身世帯の増加により、働いても働いても生活が安定しない人が増えています。生産性は上がっているのに実質賃金は上がらず、企業の内部留保は膨らんでいるのに家計の預貯金は減り続けています。このような現状に多くの人々が報われなさ、むなしさを感じていることを総理は分かっておられますか。
このままでは、どれほど金融緩和を続け、成長戦略を積み上げても、家計には届きません。成長の果実は一部に集中し、労働者、地域、家庭は疲弊していく。国民の約六人に一人が相対的貧困の状態にあり、一人親世帯では二人に一人となっています。
景気の指数や株価の推移だけでは測れない暮らしの痛みに政治は真摯に向き合うべきです。総理、どうか耳触りの良い評価や数字に酔うことなく、見過ごされがちな声、かすかな叫びにこそ真正面から応えていただきたい。総理の誠実な答弁を求め、質問を終わります。
ありがとうございました。拍手
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕
高
高市早苗#3
○内閣総理大臣(高市早苗君) 水岡俊一議員の御質問にお答えいたします。
佐藤副長官の任命、不記載だった資金への課税についてのお尋ねがございました。
まず、佐藤副長官が参議院本会議への登壇や参議院の議院運営委員会理事会への出席ができない状況となるなど、国会運営に混乱を来すことになったことにつきましては真摯におわびを申し上げます。
その上で、佐藤副長官は若くて優秀な将来の日本を担うべき参議院議員だと思います。本人は不記載問題を深く反省し、様々な機会を通じ国民の皆様に対して説明してきたほか、再発防止に向けた環境、体制づくりにも取り組んでいます。こうした有為の人材には是非再起の機会をお与えいただき、与野党の先生方にお育ていただけますことをどうかお願いを申し上げます。
現在、尾崎副長官が参議院本会議への登壇や参議院の議院運営委員会理事会に出席していますが、院の独立性もあり、是非、佐藤副長官の出席をお認めいただきたく、与野党の垣根を越えて先生方の御理解と御協力を賜りたく存じます。
自民党としては、国民の皆様の信頼をいただけますよう、政治とお金の問題には厳しい姿勢で臨み、ルールを徹底的に遵守する自民党を確立してまいるとともに、国民の皆様のために誠心誠意働き、結果を出し続けていくよう取り組む決意でございます。
次に、不記載だった資金への課税についてですが、旧派閥からの還付金等は実態として各議員の政治団体への寄附であったと承知しており、政治家個人の収入とされていた事例は党として把握しておりません。したがって、納税の要否という問題は生じないものと考えています。
次に、森友学園事案についてお尋ねがございました。
森友学園の国有地の処分については、校舎建設工事が進んでいる中で地下埋設物が発見され、開校遅延による損害賠償リスクがある中で、瑕疵担保免除特約を付すことも踏まえ、売買価格の算定が行われたと承知しております。
また、財務省における決裁文書の改ざん等については、平成三十年の財務省の調査において、国会審議において森友学園案件が大きく取り上げられる中で、更なる質問につながり得る材料を極力少なくすることが主たる目的であったと認定され、既に関係者の処分が行われております。
第三者による調査については、これまでに国会の要請に基づく会計検査に加え、検察当局の捜査が行われ、不起訴処分になったと承知しております。したがって、その後、新たな事実が判明していないため、改めて第三者による調査が必要とは考えておりません。
御遺族からの開示請求につきましては、本年一月の大阪高裁判決を踏まえ、情報公開法七条に基づく公益開示を実施しており、まずは森友学園事案と関連がある主要な文書について、来年三月までを目途に開示していく方針を引き継いでまいります。
こうした方針に沿って、財務省において現在、相当量の文書の開示作業を行っており、御遺族からの要望につきましては、その作業状況を見極めながら、財務省においてできる限りの対応をすべきだと考えております。
自ら命を絶たれた赤木様の苦悩に思いを致し、御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げます。
労働時間規制についてお尋ねがございました。
働き方改革関連法の施行から五年以上経過したことを踏まえ、現在、厚生労働省の審議会において議論が行われていると承知しております。
労働時間規制については、人手不足で仕事があるのに受注できないといった御意見や、月百時間の残業は過労死認定ラインであり変更すべきではないといった意見など、様々な意見があると承知をしています。残業代が減ったことによって、生活費を稼ぐために無理をして慣れない副業をすることで健康を損ねる方が出ることも私自身は心配をしています。
今般、私から厚生労働大臣など関係大臣に対しては、心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討を行うことについて指示したところです。様々な御意見をお伺いしつつ、働き方の実態とニーズを踏まえ、検討を深めていくべきものと考えています。
また、少子化の克服には、働きながら子育てしやすい環境の整備が重要でございます。こども未来戦略の加速化プランに基づき、長時間労働の是正や育児期を通じた柔軟な働き方の推進を含む、共働き、共育ての推進に取り組んでまいります。
強い経済、所得の増加及び地域や小規模事業者も繁栄する経済についてお尋ねがございました。
高市内閣では、責任ある積極財政の考え方の下、戦略的に財政出動することにより、所得を増やし、消費マインドを改善し、事業収益が上がる好循環を実現することにより、国民の皆様に景気回復の果実を実感していただき、不安を希望に変える強い経済をつくってまいります。
物価上昇を上回る賃上げを実現するため、事業者が継続的に賃上げできる環境を整えることが政府の役割です。このため、生産性向上支援、事業承継やMアンドAの環境整備、更なる取引の適正化等の関連する施策を総動員して、賃上げに取り組む中小企業・小規模事業者を強力に後押ししてまいります。
また、自治体向けの重点支援地方交付金を拡充し、賃上げ税制を活用できない赤字の中小企業・小規模事業者を支援する推奨メニューを設けることも検討してまいります。
基礎研究への支援についてお尋ねがございました。
強い経済の基盤となる優れた科学技術力の確保のためには、基礎研究を長期的に支える環境の構築が極めて重要と考えております。このため、政府におきましては、大学における教育研究活動を安定的、継続的に支える基盤的経費の着実な確保に取り組んでおります。運営費交付金のお話もございましたが、私自身も担当大臣だったときに、この増額に向けた取組を進めたところでございます。競争的研究費につきましては、最長十年の安定した研究資金の提供による挑戦的な研究支援も行っています。
こうした施策を通じて、基礎研究を含め、我が国の研究開発力の抜本的な強化に努めてまいります。
教師不足についてお尋ねがございました。
現在の教師不足は、大量の定年退職や、また大量採用を背景とした産休・育休取得者の増加等により臨時講師の採用が増加する一方、正規採用数の大幅な増加等により、臨時講師のなり手であった既卒者が減少していることが要因であると認識しております。
教師不足は改善するべき課題であり、教師の魅力を高める観点から、業務の仕分を行った学校と教師の業務の三分類を基に、教育委員会による学校の業務量管理を徹底してまいります。また、入職の幅を拡大し、多様な専門性を有する教師を確保するという観点から、教職課程において共通で学ぶ内容の厳選と採用後の研修の充実、また、大学院における社会人の教員免許取得制度の創設に向けた議論を進め、関係法令の見直しなどに取り組んでまいります。
高校授業料無償化の財源についてお尋ねがありました。
いわゆる高校無償化については、先般の日本維新の会、公明党、自民党による合意において、新たに恒久的かつ安定的な財源が必要であり、既存の教育財源を原資とすることなく、財源確保と制度改正とを一体的に実施するということとされております。
政府としましては、この合意を踏まえまして、安定財源を確保しつつ、令和八年度からの実施に向けて制度設計を進めてまいります。
いわゆる戦後八十年所感及び戦後補償についてお尋ねがございました。
お尋ねの内閣総理大臣所感は閣議決定を経ておらず、石破前内閣総理大臣が内閣総理大臣として御自身の考えを述べられたものであると承知していることから、お答えすることは差し控えます。
なお、政府としては、これまでも一般戦災者に対して、一般の社会保障施策の充実などを図る中でその福祉の向上に努めてきています。
その上で、現在、我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、危機を未然に防ぎ、平和で安定した国際環境を能動的に創出することが必要です。そのために、力強い外交を展開していくと同時に、その裏付けとなる防衛力の抜本的強化を実現し、抑止力、対処力を高めてまいります。
アジア諸国との関係構築と日本が果たすべき役割についてお尋ねがありました。
御指摘のとおり、アジア諸国との関係においては、歴史を真摯に受け止めることは重要です。なお、私自身は、各国を訪問した際に相手国の慰霊施設に参拝することを大切にしてまいりました。
現在、この地域においては、ASEANが地域協力の中心としての役割を担い、東アジア・サミットを始めとして、多層的な地域協力の枠組みが生まれております。我が国としては、引き続き、こうした枠組みに積極的に参画し、その強化に取り組みます。また、自由で開かれたインド太平洋の実現のためにも、アジア諸国を始め、幅広いパートナーとの連携の強化に全力で取り組んでまいります。
人権諸条約の委員会による勧告についてお尋ねがございました。
人権諸条約の委員会による勧告に関し、我が国としては、関係省庁において勧告の内容を十分に検討することとしております。勧告に法的拘束力がないからといって軽視しているということは全くございません。
人権擁護は全ての国の基本的な責務であり、我が国としては、今後とも、女性の地位向上に向けた取組を含め、締結している国際人権諸条約を誠実に遵守してまいります。
再審制度の改正についてお尋ねがございました。
再審制度の改正は、基本法である刑事訴訟法の改正に関わるものであり、刑事裁判実務に非常に大きな影響を及ぼすものです。
現在、法制審議会において精力的に議論が進められていますが、政府として責任を持って迅速に検討を進めてまいります。
拉致問題についてお尋ねがございました。
拉致被害者やその御家族も御高齢となる中で、人命に関わる拉致問題は、一刻も早く解決しなければならない人道問題であり、国家主権の侵害でもあり、高市内閣の最重要課題です。
先般の日米首脳会談において、トランプ大統領に対し、拉致問題の即時解決について理解と協力を求め、全面的な支持を得ました。
ただ、拉致問題の解決のためには、国際社会への働きかけと同時に、我が国が主体的に行動することが重要でございます。全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現すべく、私自らが先頭に立って、様々な状況に応じて果敢に行動することで具体的な成果に結び付けたいと考えております。あらゆる選択肢を排除せず、私の代で何としても突破口を開き、拉致問題を解決したいとの決意でおります。
熊による被害対策についてお尋ねがございました。
政府は、十月三十日にクマ被害対策等に関する関係閣僚会議を開催し、議長である木原官房長官から、追加的、緊急的な対策のパッケージを今月中旬までに取りまとめ、実効性の高い対策を着実かつ段階的に実行することを指示しました。これを受け、具体的な施策として、例えば、警察官によるライフル銃を使用した熊の駆除について早急に対応していくこととしております。
熊の襲撃による被害者の方々への支援については、他の野生生物被害との比較、均衡といった面で検討が必要であると認識をしております。
いずれにしましても、この対策パッケージの取りまとめを待たずに、スピード感を持って必要な施策を順次実行に移し、熊による被害の拡大の防止、さらには国民の皆様の安全、安心を確保してまいります。
憲法改正についてお尋ねがございました。
憲法改正については、内閣総理大臣としては、憲法審査会における党派を超えた建設的な議論が加速するとともに、国民の皆様の間での積極的な議論が深まっていくことを期待しています。
その上で、自民党総裁として申し上げれば、憲法はあるべき国の形を示す国家の基本法であると認識をしています。時代の要請に応えられる憲法を制定することは、喫緊の課題だと考えています。
今後、これまで行ってきた論点整理や議論の蓄積を踏まえていくことはもとより、議員お尋ねの点も含めて、各会派の協力も得ながら改正案を発議し、少しでも早く憲法改正の賛否を問う国民投票が行われる環境をつくっていけるよう、粘り強く取り組んでいく覚悟でございます。
以上です。ありがとうございました。拍手
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まず、佐藤副長官が参議院本会議への登壇や参議院の議院運営委員会理事会への出席ができない状況となるなど、国会運営に混乱を来すことになったことにつきましては真摯におわびを申し上げます。
その上で、佐藤副長官は若くて優秀な将来の日本を担うべき参議院議員だと思います。本人は不記載問題を深く反省し、様々な機会を通じ国民の皆様に対して説明してきたほか、再発防止に向けた環境、体制づくりにも取り組んでいます。こうした有為の人材には是非再起の機会をお与えいただき、与野党の先生方にお育ていただけますことをどうかお願いを申し上げます。
現在、尾崎副長官が参議院本会議への登壇や参議院の議院運営委員会理事会に出席していますが、院の独立性もあり、是非、佐藤副長官の出席をお認めいただきたく、与野党の垣根を越えて先生方の御理解と御協力を賜りたく存じます。
自民党としては、国民の皆様の信頼をいただけますよう、政治とお金の問題には厳しい姿勢で臨み、ルールを徹底的に遵守する自民党を確立してまいるとともに、国民の皆様のために誠心誠意働き、結果を出し続けていくよう取り組む決意でございます。
次に、不記載だった資金への課税についてですが、旧派閥からの還付金等は実態として各議員の政治団体への寄附であったと承知しており、政治家個人の収入とされていた事例は党として把握しておりません。したがって、納税の要否という問題は生じないものと考えています。
次に、森友学園事案についてお尋ねがございました。
森友学園の国有地の処分については、校舎建設工事が進んでいる中で地下埋設物が発見され、開校遅延による損害賠償リスクがある中で、瑕疵担保免除特約を付すことも踏まえ、売買価格の算定が行われたと承知しております。
また、財務省における決裁文書の改ざん等については、平成三十年の財務省の調査において、国会審議において森友学園案件が大きく取り上げられる中で、更なる質問につながり得る材料を極力少なくすることが主たる目的であったと認定され、既に関係者の処分が行われております。
第三者による調査については、これまでに国会の要請に基づく会計検査に加え、検察当局の捜査が行われ、不起訴処分になったと承知しております。したがって、その後、新たな事実が判明していないため、改めて第三者による調査が必要とは考えておりません。
御遺族からの開示請求につきましては、本年一月の大阪高裁判決を踏まえ、情報公開法七条に基づく公益開示を実施しており、まずは森友学園事案と関連がある主要な文書について、来年三月までを目途に開示していく方針を引き継いでまいります。
こうした方針に沿って、財務省において現在、相当量の文書の開示作業を行っており、御遺族からの要望につきましては、その作業状況を見極めながら、財務省においてできる限りの対応をすべきだと考えております。
自ら命を絶たれた赤木様の苦悩に思いを致し、御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げます。
労働時間規制についてお尋ねがございました。
働き方改革関連法の施行から五年以上経過したことを踏まえ、現在、厚生労働省の審議会において議論が行われていると承知しております。
労働時間規制については、人手不足で仕事があるのに受注できないといった御意見や、月百時間の残業は過労死認定ラインであり変更すべきではないといった意見など、様々な意見があると承知をしています。残業代が減ったことによって、生活費を稼ぐために無理をして慣れない副業をすることで健康を損ねる方が出ることも私自身は心配をしています。
今般、私から厚生労働大臣など関係大臣に対しては、心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討を行うことについて指示したところです。様々な御意見をお伺いしつつ、働き方の実態とニーズを踏まえ、検討を深めていくべきものと考えています。
また、少子化の克服には、働きながら子育てしやすい環境の整備が重要でございます。こども未来戦略の加速化プランに基づき、長時間労働の是正や育児期を通じた柔軟な働き方の推進を含む、共働き、共育ての推進に取り組んでまいります。
強い経済、所得の増加及び地域や小規模事業者も繁栄する経済についてお尋ねがございました。
高市内閣では、責任ある積極財政の考え方の下、戦略的に財政出動することにより、所得を増やし、消費マインドを改善し、事業収益が上がる好循環を実現することにより、国民の皆様に景気回復の果実を実感していただき、不安を希望に変える強い経済をつくってまいります。
物価上昇を上回る賃上げを実現するため、事業者が継続的に賃上げできる環境を整えることが政府の役割です。このため、生産性向上支援、事業承継やMアンドAの環境整備、更なる取引の適正化等の関連する施策を総動員して、賃上げに取り組む中小企業・小規模事業者を強力に後押ししてまいります。
また、自治体向けの重点支援地方交付金を拡充し、賃上げ税制を活用できない赤字の中小企業・小規模事業者を支援する推奨メニューを設けることも検討してまいります。
基礎研究への支援についてお尋ねがございました。
強い経済の基盤となる優れた科学技術力の確保のためには、基礎研究を長期的に支える環境の構築が極めて重要と考えております。このため、政府におきましては、大学における教育研究活動を安定的、継続的に支える基盤的経費の着実な確保に取り組んでおります。運営費交付金のお話もございましたが、私自身も担当大臣だったときに、この増額に向けた取組を進めたところでございます。競争的研究費につきましては、最長十年の安定した研究資金の提供による挑戦的な研究支援も行っています。
こうした施策を通じて、基礎研究を含め、我が国の研究開発力の抜本的な強化に努めてまいります。
教師不足についてお尋ねがございました。
現在の教師不足は、大量の定年退職や、また大量採用を背景とした産休・育休取得者の増加等により臨時講師の採用が増加する一方、正規採用数の大幅な増加等により、臨時講師のなり手であった既卒者が減少していることが要因であると認識しております。
教師不足は改善するべき課題であり、教師の魅力を高める観点から、業務の仕分を行った学校と教師の業務の三分類を基に、教育委員会による学校の業務量管理を徹底してまいります。また、入職の幅を拡大し、多様な専門性を有する教師を確保するという観点から、教職課程において共通で学ぶ内容の厳選と採用後の研修の充実、また、大学院における社会人の教員免許取得制度の創設に向けた議論を進め、関係法令の見直しなどに取り組んでまいります。
高校授業料無償化の財源についてお尋ねがありました。
いわゆる高校無償化については、先般の日本維新の会、公明党、自民党による合意において、新たに恒久的かつ安定的な財源が必要であり、既存の教育財源を原資とすることなく、財源確保と制度改正とを一体的に実施するということとされております。
政府としましては、この合意を踏まえまして、安定財源を確保しつつ、令和八年度からの実施に向けて制度設計を進めてまいります。
いわゆる戦後八十年所感及び戦後補償についてお尋ねがございました。
お尋ねの内閣総理大臣所感は閣議決定を経ておらず、石破前内閣総理大臣が内閣総理大臣として御自身の考えを述べられたものであると承知していることから、お答えすることは差し控えます。
なお、政府としては、これまでも一般戦災者に対して、一般の社会保障施策の充実などを図る中でその福祉の向上に努めてきています。
その上で、現在、我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、危機を未然に防ぎ、平和で安定した国際環境を能動的に創出することが必要です。そのために、力強い外交を展開していくと同時に、その裏付けとなる防衛力の抜本的強化を実現し、抑止力、対処力を高めてまいります。
アジア諸国との関係構築と日本が果たすべき役割についてお尋ねがありました。
御指摘のとおり、アジア諸国との関係においては、歴史を真摯に受け止めることは重要です。なお、私自身は、各国を訪問した際に相手国の慰霊施設に参拝することを大切にしてまいりました。
現在、この地域においては、ASEANが地域協力の中心としての役割を担い、東アジア・サミットを始めとして、多層的な地域協力の枠組みが生まれております。我が国としては、引き続き、こうした枠組みに積極的に参画し、その強化に取り組みます。また、自由で開かれたインド太平洋の実現のためにも、アジア諸国を始め、幅広いパートナーとの連携の強化に全力で取り組んでまいります。
人権諸条約の委員会による勧告についてお尋ねがございました。
人権諸条約の委員会による勧告に関し、我が国としては、関係省庁において勧告の内容を十分に検討することとしております。勧告に法的拘束力がないからといって軽視しているということは全くございません。
人権擁護は全ての国の基本的な責務であり、我が国としては、今後とも、女性の地位向上に向けた取組を含め、締結している国際人権諸条約を誠実に遵守してまいります。
再審制度の改正についてお尋ねがございました。
再審制度の改正は、基本法である刑事訴訟法の改正に関わるものであり、刑事裁判実務に非常に大きな影響を及ぼすものです。
現在、法制審議会において精力的に議論が進められていますが、政府として責任を持って迅速に検討を進めてまいります。
拉致問題についてお尋ねがございました。
拉致被害者やその御家族も御高齢となる中で、人命に関わる拉致問題は、一刻も早く解決しなければならない人道問題であり、国家主権の侵害でもあり、高市内閣の最重要課題です。
先般の日米首脳会談において、トランプ大統領に対し、拉致問題の即時解決について理解と協力を求め、全面的な支持を得ました。
ただ、拉致問題の解決のためには、国際社会への働きかけと同時に、我が国が主体的に行動することが重要でございます。全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現すべく、私自らが先頭に立って、様々な状況に応じて果敢に行動することで具体的な成果に結び付けたいと考えております。あらゆる選択肢を排除せず、私の代で何としても突破口を開き、拉致問題を解決したいとの決意でおります。
熊による被害対策についてお尋ねがございました。
政府は、十月三十日にクマ被害対策等に関する関係閣僚会議を開催し、議長である木原官房長官から、追加的、緊急的な対策のパッケージを今月中旬までに取りまとめ、実効性の高い対策を着実かつ段階的に実行することを指示しました。これを受け、具体的な施策として、例えば、警察官によるライフル銃を使用した熊の駆除について早急に対応していくこととしております。
熊の襲撃による被害者の方々への支援については、他の野生生物被害との比較、均衡といった面で検討が必要であると認識をしております。
いずれにしましても、この対策パッケージの取りまとめを待たずに、スピード感を持って必要な施策を順次実行に移し、熊による被害の拡大の防止、さらには国民の皆様の安全、安心を確保してまいります。
憲法改正についてお尋ねがございました。
憲法改正については、内閣総理大臣としては、憲法審査会における党派を超えた建設的な議論が加速するとともに、国民の皆様の間での積極的な議論が深まっていくことを期待しています。
その上で、自民党総裁として申し上げれば、憲法はあるべき国の形を示す国家の基本法であると認識をしています。時代の要請に応えられる憲法を制定することは、喫緊の課題だと考えています。
今後、これまで行ってきた論点整理や議論の蓄積を踏まえていくことはもとより、議員お尋ねの点も含めて、各会派の協力も得ながら改正案を発議し、少しでも早く憲法改正の賛否を問う国民投票が行われる環境をつくっていけるよう、粘り強く取り組んでいく覚悟でございます。
以上です。ありがとうございました。拍手
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関
松
松山政司#5
○松山政司君 自由民主党の松山政司です。
会派を代表して、高市総理大臣の所信表明演説に対して質問をさせていただきます。
本日の代表質問は、参議院の我が党の議員会長に就任をしましてから初めてのものとなりますが、議会人として、今、世界中で、先の見えない状況に対応できない政治への不満を背景にした、排他主義や分断を深めかねない扇動的な言論の蔓延により、議会制民主主義の機能が麻痺してしまう状況が見られることに強い懸念を感じております。
我が国でも、安全保障環境の激変、これまで進めてきた自由貿易体制とは異なる動き、国民生活を脅かす物価高という国難ともいうべき状況の中、政治空白の回避と政治の安定が急務となっております。
そこで、熟議の府である参議院は、いかなる姿勢で政治を前に進めていくべきでしょうか。私は、対立や分断ではなく、融和と結束を意識し、政治の安定を図ることではないかと考えています。
政治である以上、議論の末に結論を出さなければなりません。また、スピード感を持って政策を実行することが求められる場面もあります。しかし、衆議院と異なり、参議院は政権を懸けた解散・総選挙で白黒を付けることはできません。ですから、あくまでも融和と結束、これを意識して、政治を安定させ、政策を前に進め、日本の未来を築き上げていく、これこそが参議院のあるべき姿ではないかと思っております。
本年七月に行われた参議院議員通常選挙では、我が党は、国民の皆様から厳粛なる審判を受け、参議院においても与党で過半数を割り込む厳しい結果となりました。すぐに我が党は党内に選挙総括委員会を設置し、私自身も議員会長として加わり、改選議員の立場からも背景の検証を行ってまいりました。
そこでは、若年層、現役世代と一部保守層の支持離れ、政治と金による信頼喪失、デジタル対応の遅れなど、今後、我が党が取り組むべき課題が明らかになりました。それらの中でも私が感じた最も大きな課題は、中小・小規模事業者や国民生活の厳しい現状に十分に寄り添えず、国民の皆様に公約で訴えた物価高対策などが御理解をいただけなかったということであります。
この反省に立って、国民の皆さんの厳しい現状にしっかりと寄り添った政策を速やかに決定し、迅速に実行すること、そのためには、多党化の中、憲法、外交・安全保障、エネルギーといった基本政策の合意に基づく協力、連立により、政治に安定を取り戻すことが絶対に必要です。
我が党の立党以来七十年の間でも、参議院における自民党は、半分近くの間で単独過半数を持っておりませんでした。私が当選した二〇〇一年からを振り返ってみても、我が党で参議院で単独過半数であった時期は三年ほどの一時期でした。
そのような中、我が党と公明党は、連立政権として、子ども・子育て政策あるいは安全保障政策などで数多くの成果を上げてまいりましたが、今回はその枠組みが外れてしまうこととなりました。しかし、この二十六年間に深まった信頼関係、特に人間関係は極めて貴重なものであり、大切にさせていただきたいと思っております。
そして、この度、政治を安定させ、我が国が直面している危機を乗り越えるために、高市総裁が先頭に立って連立協議を呼びかけられ、我が党と日本維新の会との間で基本政策の合意を得て、新たな政権の枠組みが定まったところであります。
国家観を共有する両党が、経済、景気、物価高対策等の一刻も早い実現はもちろん、憲法改正を始め、様々な重要な課題を共に前に進めていくことが可能となったことは、我が国の政治にとっても大きな歴史的な一歩になると受け止めております。
そこで、決断と前進を掲げる高市内閣では、新たな連立の枠組みはできたものの、依然として少数与党政権であることを踏まえて、どのように政治の安定と強化を図ると同時に、国民の皆さんに寄り添いながら、政策を迅速に、かつ強力に実行していく御所見なのか、高市総理にお伺いをいたします。
まずは、止まらない物価高に苦しむ国民生活への対応を最優先に、手取りを増やし、家計の負担を減らすための経済対策を講じなければなりません。高市総理が初閣議で政府に命じた新たな経済対策の策定に与党として全力で取りまとめに当たってまいります。
同時に、高市内閣がどのような中長期的なビジョンを持って政策に当たっていくのかということを国民の皆様に示すことも重要です。
我が国は、団塊の世代が後期高齢者となり、国民の五人に一人が七十五歳以上の超高齢化社会を迎えることで雇用、医療、福祉などの様々な領域に深刻な影響が出ると言われていた、いわゆる二〇二五年問題に直面をしております。さらに、この先、団塊ジュニア世代が六十五歳以上の高齢者となり、高齢者人口がピークを迎え、いわゆる十五歳から六十四歳までの生産年齢人口が急速に減少することが予想されます。これまでと異なり、高齢者や専業主婦の方々の労働参加を増やすことでカバーするということも難しくなります。
中間層の衰退、可処分所得の格差拡大、財政の悪化、更なる少子化、人口減少といった懸念がある中、高市総理が掲げる日本再起の旗の下、ここから十五年間、二〇四〇年までに、我が国の人口・社会構造、経済、財政、さらには社会保障、安全保障など、予想される様々な課題に対して、国民の皆様に寄り添い、安心感をもたらすビジョンと処方箋を明確に、しかも分かりやすく示すことが大切だと考えますが、総理のお考えをお聞かせをいただきたいと思います。
また、二〇四〇年に向けても、中長期的な財政支出と財政の持続可能性の双方に注意深く目を配りながら、まずは強い経済をつくっていくという前向きな政策、言わば責任ある積極財政の考えが貫かれると理解してよいのでしょうか。この点についてもお伺いをいたします。
次に、物価高を受けた新たな経済対策について質問いたします。
物価高、特に飲食料品の値上げが止まりません。民間調査機関の発表によると、十月も、本年四月以来、値上げとなる食品や飲料品が三千品目を超えることとなりました。消費者物価総合指数も、対前年同月比で二・〇%を上回る月が四十二か月続いております。
これまで、政府・与党は、物価高に対して、低所得世帯向けの給付金やガソリン価格等の抑制、電気・ガス料金の支援、また重点支援地方交付金などの措置を講じてきました。
これらに加えて、党の内外から、定額給付金、あるいは最低賃金引上げなどによる手取り増、食料品に係る消費税の減税、基礎控除の引上げ、給付付き税額控除、社会保険料軽減などの負担軽減策、さらに、ガソリンや軽油引取税の暫定税率の廃止など、様々な施策が提案されておりました。
これらに対して、決断と前進を掲げる高市内閣は、既に所信の中で、ガソリン税や軽油引取税の暫定税率の早期廃止、電気・ガス料金の支援、重点支援交付金の拡充のほか、基礎控除の物価連動型の引上げ措置や、給付付き税額控除の制度設計についての議論等の着手に明言をしており、力強い限りであります。
その上で、目の前の物価高に対する新たな経済対策において、どのような物価高対策がいつまでに、どのように実施をされて、それらの対策の恩恵により、いつから、どのくらい国民の皆さんの手取りが増えて生活が楽になるのか、こういったことを分かりやすく示して暮らしに安心感を与えるべきだと考えますが、総理の御所見をお伺いいたします。
また、施策で講ずる上で、その財源を確保することは当然でありますが、特に地方税収への影響を懸念する地方公共団体には早急に具体的な補填策の方針を示すべきと考えます。この点についても総理にお伺いをいたします。
高齢化、少子化の進展により、年金、医療、介護といった社会保障の支え手は減り続けています。一方、社会保障給付費は、二〇〇〇年度に七十八兆円でしたが、二〇二五年度は百四十一兆円となります。
民間調査研究所のレポートによれば、会社等に勤めている世帯が勤め先から得た収入、いわゆる勤め先収入は、二〇〇〇年から二〇二四年で約六百三十三万円から六百九十七万円と六十四万円ほど増えた一方、直接税は五万円程度、間接税は十四万円程度、さらには社会保険料は二十五万円程度増加していると計算されています。つまり、賃金が増えても負担も増え、賃上げの実感が乏しいということになります。
高額療養費を始めとして、社会保障を必要とする状況となった方々に必要な給付が確実になされるよう、同時に、現役世代の負担が増えて家計が圧迫されることで社会保障給付財源の確保の前提となる経済成長が失速しないように、英知を集めた国民的議論とともに、国民の皆様への丁寧な説明に努めていくことが不可欠だと考えます。
そこで、社会保障を支えるためには、その土台となる経済成長の確保が何よりも大切だと考えますが、子ども・子育て政策を含めて、これからの社会保障給付の在り方と、その財源確保に向けた考え方を総理にお伺いをいたします。
高市総理は、就任早々、ASEAN関連首脳会議、米国トランプ大統領の来日、さらにAPEC首脳会議と、立て続けに三つの極めて重要な外交案件において大きな成果を上げられました。特に、米国大統領の来日では、安倍元総理により修復された米国との信頼関係をより深めることとなった高市総理の外交手腕は、各方面より高く評価されております。
我が党の強みの一つは、党として世界各国の要人と積み上げてきた多くの個人的な信頼関係にもあると改めて強く実感いたしました。
私も、九月末、議員会長として台湾を訪れ、頼清徳総統と会談をさせていただきましたが、総統は、台湾周辺で安定を損なう行為が頻発していることを懸念するとともに、権威主義の拡張に直面する中で、民主主義勢力による一層の結束の必要性を強く訴えられました。
保護主義の台頭と自由貿易体制の揺らぎ、依然として止まらないウクライナ侵略、そして冷戦時代を想起させる中国、ロシア、北朝鮮の結び付きの強化や権威主義の拡張など、我が国周辺を取り巻く外交・安全保障環境の厳しさが増していることを改めて強く実感いたしました。
我が国も、自由、民主主義、法の支配などの基本的価値を共有する国や地域との連携を深めていかなければなりません。同時に、強い経済力の実現を通して、我が国が主体的な防衛力の抜本的な強化を図っていくことが不可欠です。
今回の日米首脳会談では、高市総理による周到かつ綿密な準備により、日米同盟は黄金時代というべき新たなページを開いたと言えます。そして、中国、ロシア、北朝鮮の接近などで安全保障環境がかつてないほど厳しさを増しているこの地域で米国が存在感を示し続けるという大きな意義もあったと考えます。この点について総理の御所見をお伺いします。
もう一点、日米首脳会談に加えてASEAN関連首脳会議及びAPEC首脳会議を含めた一連の首脳会議を通じて、各国・地域との間において、安倍元総理が提唱し、我が国が推進している自由で開かれたインド太平洋の実現への理解が深まったと認識していますが、今後、この構想、FOIPをどのように進化をさせるとともに、関係国との具体的な連携強化に結び付けていくお考えでしょうか。これらについても総理にお伺いをいたします。
我が国はこれまで、トランプ関税に関して精力的に交渉を重ね、相互関税、自動車関税について、英国やEUと並んで特例措置を確保することができました。
また、日米戦略的投資イニシアティブにより、経済・国家安全保障上の利益の促進のために、半導体、医薬品、金属、重要鉱物、造船、エネルギー、さらには人工知能、量子コンピューター、これらを含む分野で投資を推進することとなっています。
トランプ政権の緻密かつ強硬な交渉姿勢の中、経済安全保障という考え方を関税交渉に差し込み、守るべきものは守り、進めるべきものは進めるというスタンスで、日本経済への影響を最小限にとどめながら、将来につながる足場を残したと評価をいたします。
今回の日米首脳会談では、さきの日米の関税交渉をめぐる合意などを踏まえ、偉大なディールの実施に向けた強い決意を相互に確認しました。同時に、重要鉱物やレアアース、AIを始めとした重要技術や造船などの幅広い分野で経済安全保障の日米協力を更に構築していくことも確認をされています。
そこで、高市総理は、今回の首脳会議の成果の上に、未来への不安を希望に変え、経済成長を切り開いていくための積極的な投資をどのように生み出していく御所見でしょうか。関心を示している日本企業への後押し等も含めてお考えをお聞かせください。
北朝鮮による拉致被害者家族会の方々が、先々週、高市総理と面会をされ、その翌週には、来日したトランプ米国大統領に被害者の帰国の実現に向けた協力を強く訴えられました。拉致問題の解決には時間的制約があることを思えば、政府の最重要課題として、これまで以上に力を入れて活動に取り組み、解決に向けた突破口を開かなければなりません。
これまでも金正恩総書記に直接、拉致問題の解決への進展を迫っていただいたトランプ大統領は、今回、シンゾー・アベとともに始まったこの件については、我々ができることは何でもすると、こう力強く述べていただきましたが、今後も米国の力を得るには、高市総理の高い熱量と強い覚悟、そして米国大統領との間の深い信頼関係が絶対に必要です。
今回の日米首脳会談で得た成果の下、金正恩総書記との首脳会談の実現などを含め、拉致被害者の方々の全員の帰国に向けた取組をどのように進めていく御所見をお持ちでしょうか。必ず拉致被害者を日本に取り戻すという総理の御自身の決意とともにお伺いをいたします。
エネルギー自給率が低い我が国では、エネルギー価格の高騰により貿易収支が悪化すると同時に、為替レートは安くなる方向に働き、さらに、輸入エネルギーの価格は上昇方向に動きます。昨年一年では、原油やLNGなどの鉱物性燃料の日本の貿易収支は約二十四兆円の輸入超過です。これは、自動車等の輸送用機器の輸出額にほぼ匹敵をしています。
我が国の物価高の根本的な解消、貿易収支の改善、さらには経済安全保障の強化のためには、自給率が一五・三%にすぎない日本のエネルギー構造を変革していくことが重要です。
我が国の技術と生産力を生かした新たな再生エネルギーの活用、高市総理がこれまでも力を入れてきたフュージョンエネルギーの早期実現、さらに、米国アラスカでの天然ガス開発への参画等による資源の入手先の多角化などについて、どのような戦略ビジョンを持って我が国のエネルギー構造を変革させていくお考えをお持ちでしょうか。総理にお伺いしたいと思います。
ここから地方創生に関連してお伺いいたします。
グローバル経済が加速をする中、我が国最大の経済力を有し、日本経済を牽引している東京の成長は大切です。同時に、発生確率が高まる首都直下型地震などによる首都中枢機能の停止や、首都圏への過度な人口集中がもたらす地方の衰退、地方が担っている食料生産力の維持への不安などの問題に対処することも極めて重要です。
これまでも東京への一極集中の是正と地方創生に向けて様々な政策が講じられてきましたが、大きな流れの変化はありません。米国、ドイツ、オーストラリア、韓国など、海外でよく見られる首都機能分散のような、日本の国土構造を変えるほどの思い切った対策が必要であり、その一つが、今回、日本維新の会との連立政権合意に盛り込まれた副首都構想の実現であると受け止めております。
副首都の定義や要件がどのようなものになるのか、それによっても対象となる候補地は異なりますが、既に福岡県においても知事が首都中枢機能のバックアップ拠点の候補地になり得ると発言するなど、日本各地で関心が高まっています。
そこで、高市総理は、地方創生や大規模自然災害時のバックアップ機能という観点から、どのようにこの副首都構想を実現していくお考えでしょうか。御所見をお伺いいたします。
地方創生に関連してもう一点お伺いいたしますが、大都市圏への人口流出が続く地方においてこそ、より高い賃上げを実現すべきです。特に、地方の医療、福祉、介護の現場では、公定価格ゆえに賃上げには限界があり、今の水準では大都市や他業種に人材が流出してしまうことから、とりわけ給与等の見直しが不可欠です。
一方、中小企業・小規模事業者の方々からは、今進めている賃上げは企業業績の改善が見られない中でも賃上げをせざるを得ない、いわゆる防衛的な賃上げ、これであり、これ以上の賃上げは厳しく、会社が倒産しかねない、こういった声も聞こえてきます。
地方の中小・小規模事業者や医療、福祉、介護の現場こそ、賃上げにつながる生産性向上に向けた支援策、そして公定価格の引上げや重点支援地方交付金の地方への手厚い配分などが不可欠と考えます。総理の御決意、御見解をお伺いをいたします。
本年一月に発生した埼玉県での下水道管破損による道路陥没事故により、改めて社会資本の老朽化の深刻さがクローズアップされました。
全国の下水道管路の総延長は約五十万キロ、何と地球十二・五周分ですが、このうち耐用年数五十年を経過した管路の延長は約四万キロと地球一周分、しかも令和十五年度末には約十万キロと、二倍以上に急速に増加します。
下水道に限らず、高度経済成長期に整備されたこの社会資本の多くは、今後ますます老朽化による問題が深刻化をいたします。しかも、南海トラフ地震など大地震、過去に経験のない豪雨、こういった災害がいつ襲ってくるか分かりません。老朽化を原因とする事故や激甚化する自然災害から人命や生活、経済活動を守るため、国土強靱化、老朽化対策を強力に進めなければなりません。
そのためには、国から地方自治体への財政支援の拡充や、国の機関による技術的支援の拡充、老朽化対策に充てるための新たな財源の確保など、工夫を講ずる必要があると考えます。総理の御所見をお伺いします。
また、厳しさを増す安全保障環境に鑑みれば、主体的に防衛力強化に取り組むことは必然でありますし、そのための防衛費の増額は極めて重要です。
その際、我が国の防衛体制の充実と強化と地域経済の振興を共存共栄させるために、現在の安保戦略に基づき創設をされている総合的な防衛体制の強化に資する公共インフラ整備、この拡充強化と更なる予算の確保を図ってはどうかと考えますが、総理の御所見をお聞かせください。
本年のノーベル生理学・医学賞が大阪大学の坂口志文特任教授に、化学賞が京都大学の北川進理事に贈られることとなりました。私が科学技術担当大臣を務めた当時においてもこの基礎研究力の強化には力を入れていただけに、自然科学分野でのノーベル賞受賞者が続いていることに大変うれしさを覚えております。
しかし、日本の研究力の低下が懸念されていることから、喜んでばかりというわけにはいきません。基礎研究等では成果を得るまでに長い時間が掛かりますが、その間どのように支えていくのか、国際的な研究連携をどのように後押しをしていくのか、そして基礎研究力を支える人材の層をどのように厚くしていくのか、さらに、実用化に至るまでどのように支援環境を整備をし、我が国の医学や創薬力、DXやGXの強化につなげていくのかといった課題が山積しております。
そこで、我が国の強い経済の基盤となり得る科学技術力の強化のためには、総合的なビジョンの下、これらの課題について戦略的に政策を講じていくべきと考えますが、総理のお考えをお聞かせください。
世界人口や人、物の移動などの増加によって、新型コロナウイルスのような人獣共通感染症パンデミックの脅威は高まっています。
このため、動物由来の伝染病や薬剤耐性菌に代表される困難な課題に、人と動物と環境の健康を一つと考えるワンヘルスに基づく取組が広がっております。
これまでもワンヘルスアプローチについては、福岡県がアジアのゲートウェイとして特性を生かして、人獣共通感染症に関する横断的な研究等を進めるためのワンヘルスセンターの整備、またアジア獣医師会連合、FAVAワンヘルス福岡オフィスの開設にも取り組んできました。
さらに、国の機関として、この人獣共通感染症や薬剤耐性対策を行うアジア新興・人獣共通感染症センターの早期設置に向けた動きも進めております。
また、来年四月には、世界獣医師大会が三十一年ぶりに日本で開催されることにもなっております。
そこで、このようなワンヘルスに関する先導的な動きを踏まえ、内閣として新型コロナウイルスのような人獣共通感染症への高まる脅威に対してどのように取組を強化していくお考えであるのか、総理にお伺いをいたします。
日本国憲法は、来年は公布八十年となりますが、一度も改正をされておりません。一方、一九四九年に制定されたドイツの憲法に当たるドイツ連邦共和国基本法は、本年三月、連邦議会で改正法案が可決をされ、六十七回目の改正となりました。
ドイツ基本法は、法律レベルの技術的な条文までも規定されておるために改正回数が多くなるといった理由はありますけれども、我が国のように、公布以来一度も改正されておらず、改正案も発議されていない憲法は異例です。
報道各社の世論調査では、憲法改正賛成が反対を上回り、議論をもっと活発にすべしという回答が七割超となっている調査もあります。
私ども自民党は、自衛隊の明記、緊急事態対応、合区解消・地方公共団体、教育充実という改憲四項目について条文イメージを示していますが、条文化できるものは条文起草を急ぎ、主権者である国民の皆様の前にお示ししたいと考えております。
そこで、憲法は国民のものとの考えの下、参議院での審議を通じて国民の皆様に憲法改正をめぐる考え方を提示することは立法府の極めて重要な役割と考えますが、この点について総理のお考えをお伺いして、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。拍手
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →会派を代表して、高市総理大臣の所信表明演説に対して質問をさせていただきます。
本日の代表質問は、参議院の我が党の議員会長に就任をしましてから初めてのものとなりますが、議会人として、今、世界中で、先の見えない状況に対応できない政治への不満を背景にした、排他主義や分断を深めかねない扇動的な言論の蔓延により、議会制民主主義の機能が麻痺してしまう状況が見られることに強い懸念を感じております。
我が国でも、安全保障環境の激変、これまで進めてきた自由貿易体制とは異なる動き、国民生活を脅かす物価高という国難ともいうべき状況の中、政治空白の回避と政治の安定が急務となっております。
そこで、熟議の府である参議院は、いかなる姿勢で政治を前に進めていくべきでしょうか。私は、対立や分断ではなく、融和と結束を意識し、政治の安定を図ることではないかと考えています。
政治である以上、議論の末に結論を出さなければなりません。また、スピード感を持って政策を実行することが求められる場面もあります。しかし、衆議院と異なり、参議院は政権を懸けた解散・総選挙で白黒を付けることはできません。ですから、あくまでも融和と結束、これを意識して、政治を安定させ、政策を前に進め、日本の未来を築き上げていく、これこそが参議院のあるべき姿ではないかと思っております。
本年七月に行われた参議院議員通常選挙では、我が党は、国民の皆様から厳粛なる審判を受け、参議院においても与党で過半数を割り込む厳しい結果となりました。すぐに我が党は党内に選挙総括委員会を設置し、私自身も議員会長として加わり、改選議員の立場からも背景の検証を行ってまいりました。
そこでは、若年層、現役世代と一部保守層の支持離れ、政治と金による信頼喪失、デジタル対応の遅れなど、今後、我が党が取り組むべき課題が明らかになりました。それらの中でも私が感じた最も大きな課題は、中小・小規模事業者や国民生活の厳しい現状に十分に寄り添えず、国民の皆様に公約で訴えた物価高対策などが御理解をいただけなかったということであります。
この反省に立って、国民の皆さんの厳しい現状にしっかりと寄り添った政策を速やかに決定し、迅速に実行すること、そのためには、多党化の中、憲法、外交・安全保障、エネルギーといった基本政策の合意に基づく協力、連立により、政治に安定を取り戻すことが絶対に必要です。
我が党の立党以来七十年の間でも、参議院における自民党は、半分近くの間で単独過半数を持っておりませんでした。私が当選した二〇〇一年からを振り返ってみても、我が党で参議院で単独過半数であった時期は三年ほどの一時期でした。
そのような中、我が党と公明党は、連立政権として、子ども・子育て政策あるいは安全保障政策などで数多くの成果を上げてまいりましたが、今回はその枠組みが外れてしまうこととなりました。しかし、この二十六年間に深まった信頼関係、特に人間関係は極めて貴重なものであり、大切にさせていただきたいと思っております。
そして、この度、政治を安定させ、我が国が直面している危機を乗り越えるために、高市総裁が先頭に立って連立協議を呼びかけられ、我が党と日本維新の会との間で基本政策の合意を得て、新たな政権の枠組みが定まったところであります。
国家観を共有する両党が、経済、景気、物価高対策等の一刻も早い実現はもちろん、憲法改正を始め、様々な重要な課題を共に前に進めていくことが可能となったことは、我が国の政治にとっても大きな歴史的な一歩になると受け止めております。
そこで、決断と前進を掲げる高市内閣では、新たな連立の枠組みはできたものの、依然として少数与党政権であることを踏まえて、どのように政治の安定と強化を図ると同時に、国民の皆さんに寄り添いながら、政策を迅速に、かつ強力に実行していく御所見なのか、高市総理にお伺いをいたします。
まずは、止まらない物価高に苦しむ国民生活への対応を最優先に、手取りを増やし、家計の負担を減らすための経済対策を講じなければなりません。高市総理が初閣議で政府に命じた新たな経済対策の策定に与党として全力で取りまとめに当たってまいります。
同時に、高市内閣がどのような中長期的なビジョンを持って政策に当たっていくのかということを国民の皆様に示すことも重要です。
我が国は、団塊の世代が後期高齢者となり、国民の五人に一人が七十五歳以上の超高齢化社会を迎えることで雇用、医療、福祉などの様々な領域に深刻な影響が出ると言われていた、いわゆる二〇二五年問題に直面をしております。さらに、この先、団塊ジュニア世代が六十五歳以上の高齢者となり、高齢者人口がピークを迎え、いわゆる十五歳から六十四歳までの生産年齢人口が急速に減少することが予想されます。これまでと異なり、高齢者や専業主婦の方々の労働参加を増やすことでカバーするということも難しくなります。
中間層の衰退、可処分所得の格差拡大、財政の悪化、更なる少子化、人口減少といった懸念がある中、高市総理が掲げる日本再起の旗の下、ここから十五年間、二〇四〇年までに、我が国の人口・社会構造、経済、財政、さらには社会保障、安全保障など、予想される様々な課題に対して、国民の皆様に寄り添い、安心感をもたらすビジョンと処方箋を明確に、しかも分かりやすく示すことが大切だと考えますが、総理のお考えをお聞かせをいただきたいと思います。
また、二〇四〇年に向けても、中長期的な財政支出と財政の持続可能性の双方に注意深く目を配りながら、まずは強い経済をつくっていくという前向きな政策、言わば責任ある積極財政の考えが貫かれると理解してよいのでしょうか。この点についてもお伺いをいたします。
次に、物価高を受けた新たな経済対策について質問いたします。
物価高、特に飲食料品の値上げが止まりません。民間調査機関の発表によると、十月も、本年四月以来、値上げとなる食品や飲料品が三千品目を超えることとなりました。消費者物価総合指数も、対前年同月比で二・〇%を上回る月が四十二か月続いております。
これまで、政府・与党は、物価高に対して、低所得世帯向けの給付金やガソリン価格等の抑制、電気・ガス料金の支援、また重点支援地方交付金などの措置を講じてきました。
これらに加えて、党の内外から、定額給付金、あるいは最低賃金引上げなどによる手取り増、食料品に係る消費税の減税、基礎控除の引上げ、給付付き税額控除、社会保険料軽減などの負担軽減策、さらに、ガソリンや軽油引取税の暫定税率の廃止など、様々な施策が提案されておりました。
これらに対して、決断と前進を掲げる高市内閣は、既に所信の中で、ガソリン税や軽油引取税の暫定税率の早期廃止、電気・ガス料金の支援、重点支援交付金の拡充のほか、基礎控除の物価連動型の引上げ措置や、給付付き税額控除の制度設計についての議論等の着手に明言をしており、力強い限りであります。
その上で、目の前の物価高に対する新たな経済対策において、どのような物価高対策がいつまでに、どのように実施をされて、それらの対策の恩恵により、いつから、どのくらい国民の皆さんの手取りが増えて生活が楽になるのか、こういったことを分かりやすく示して暮らしに安心感を与えるべきだと考えますが、総理の御所見をお伺いいたします。
また、施策で講ずる上で、その財源を確保することは当然でありますが、特に地方税収への影響を懸念する地方公共団体には早急に具体的な補填策の方針を示すべきと考えます。この点についても総理にお伺いをいたします。
高齢化、少子化の進展により、年金、医療、介護といった社会保障の支え手は減り続けています。一方、社会保障給付費は、二〇〇〇年度に七十八兆円でしたが、二〇二五年度は百四十一兆円となります。
民間調査研究所のレポートによれば、会社等に勤めている世帯が勤め先から得た収入、いわゆる勤め先収入は、二〇〇〇年から二〇二四年で約六百三十三万円から六百九十七万円と六十四万円ほど増えた一方、直接税は五万円程度、間接税は十四万円程度、さらには社会保険料は二十五万円程度増加していると計算されています。つまり、賃金が増えても負担も増え、賃上げの実感が乏しいということになります。
高額療養費を始めとして、社会保障を必要とする状況となった方々に必要な給付が確実になされるよう、同時に、現役世代の負担が増えて家計が圧迫されることで社会保障給付財源の確保の前提となる経済成長が失速しないように、英知を集めた国民的議論とともに、国民の皆様への丁寧な説明に努めていくことが不可欠だと考えます。
そこで、社会保障を支えるためには、その土台となる経済成長の確保が何よりも大切だと考えますが、子ども・子育て政策を含めて、これからの社会保障給付の在り方と、その財源確保に向けた考え方を総理にお伺いをいたします。
高市総理は、就任早々、ASEAN関連首脳会議、米国トランプ大統領の来日、さらにAPEC首脳会議と、立て続けに三つの極めて重要な外交案件において大きな成果を上げられました。特に、米国大統領の来日では、安倍元総理により修復された米国との信頼関係をより深めることとなった高市総理の外交手腕は、各方面より高く評価されております。
我が党の強みの一つは、党として世界各国の要人と積み上げてきた多くの個人的な信頼関係にもあると改めて強く実感いたしました。
私も、九月末、議員会長として台湾を訪れ、頼清徳総統と会談をさせていただきましたが、総統は、台湾周辺で安定を損なう行為が頻発していることを懸念するとともに、権威主義の拡張に直面する中で、民主主義勢力による一層の結束の必要性を強く訴えられました。
保護主義の台頭と自由貿易体制の揺らぎ、依然として止まらないウクライナ侵略、そして冷戦時代を想起させる中国、ロシア、北朝鮮の結び付きの強化や権威主義の拡張など、我が国周辺を取り巻く外交・安全保障環境の厳しさが増していることを改めて強く実感いたしました。
我が国も、自由、民主主義、法の支配などの基本的価値を共有する国や地域との連携を深めていかなければなりません。同時に、強い経済力の実現を通して、我が国が主体的な防衛力の抜本的な強化を図っていくことが不可欠です。
今回の日米首脳会談では、高市総理による周到かつ綿密な準備により、日米同盟は黄金時代というべき新たなページを開いたと言えます。そして、中国、ロシア、北朝鮮の接近などで安全保障環境がかつてないほど厳しさを増しているこの地域で米国が存在感を示し続けるという大きな意義もあったと考えます。この点について総理の御所見をお伺いします。
もう一点、日米首脳会談に加えてASEAN関連首脳会議及びAPEC首脳会議を含めた一連の首脳会議を通じて、各国・地域との間において、安倍元総理が提唱し、我が国が推進している自由で開かれたインド太平洋の実現への理解が深まったと認識していますが、今後、この構想、FOIPをどのように進化をさせるとともに、関係国との具体的な連携強化に結び付けていくお考えでしょうか。これらについても総理にお伺いをいたします。
我が国はこれまで、トランプ関税に関して精力的に交渉を重ね、相互関税、自動車関税について、英国やEUと並んで特例措置を確保することができました。
また、日米戦略的投資イニシアティブにより、経済・国家安全保障上の利益の促進のために、半導体、医薬品、金属、重要鉱物、造船、エネルギー、さらには人工知能、量子コンピューター、これらを含む分野で投資を推進することとなっています。
トランプ政権の緻密かつ強硬な交渉姿勢の中、経済安全保障という考え方を関税交渉に差し込み、守るべきものは守り、進めるべきものは進めるというスタンスで、日本経済への影響を最小限にとどめながら、将来につながる足場を残したと評価をいたします。
今回の日米首脳会談では、さきの日米の関税交渉をめぐる合意などを踏まえ、偉大なディールの実施に向けた強い決意を相互に確認しました。同時に、重要鉱物やレアアース、AIを始めとした重要技術や造船などの幅広い分野で経済安全保障の日米協力を更に構築していくことも確認をされています。
そこで、高市総理は、今回の首脳会議の成果の上に、未来への不安を希望に変え、経済成長を切り開いていくための積極的な投資をどのように生み出していく御所見でしょうか。関心を示している日本企業への後押し等も含めてお考えをお聞かせください。
北朝鮮による拉致被害者家族会の方々が、先々週、高市総理と面会をされ、その翌週には、来日したトランプ米国大統領に被害者の帰国の実現に向けた協力を強く訴えられました。拉致問題の解決には時間的制約があることを思えば、政府の最重要課題として、これまで以上に力を入れて活動に取り組み、解決に向けた突破口を開かなければなりません。
これまでも金正恩総書記に直接、拉致問題の解決への進展を迫っていただいたトランプ大統領は、今回、シンゾー・アベとともに始まったこの件については、我々ができることは何でもすると、こう力強く述べていただきましたが、今後も米国の力を得るには、高市総理の高い熱量と強い覚悟、そして米国大統領との間の深い信頼関係が絶対に必要です。
今回の日米首脳会談で得た成果の下、金正恩総書記との首脳会談の実現などを含め、拉致被害者の方々の全員の帰国に向けた取組をどのように進めていく御所見をお持ちでしょうか。必ず拉致被害者を日本に取り戻すという総理の御自身の決意とともにお伺いをいたします。
エネルギー自給率が低い我が国では、エネルギー価格の高騰により貿易収支が悪化すると同時に、為替レートは安くなる方向に働き、さらに、輸入エネルギーの価格は上昇方向に動きます。昨年一年では、原油やLNGなどの鉱物性燃料の日本の貿易収支は約二十四兆円の輸入超過です。これは、自動車等の輸送用機器の輸出額にほぼ匹敵をしています。
我が国の物価高の根本的な解消、貿易収支の改善、さらには経済安全保障の強化のためには、自給率が一五・三%にすぎない日本のエネルギー構造を変革していくことが重要です。
我が国の技術と生産力を生かした新たな再生エネルギーの活用、高市総理がこれまでも力を入れてきたフュージョンエネルギーの早期実現、さらに、米国アラスカでの天然ガス開発への参画等による資源の入手先の多角化などについて、どのような戦略ビジョンを持って我が国のエネルギー構造を変革させていくお考えをお持ちでしょうか。総理にお伺いしたいと思います。
ここから地方創生に関連してお伺いいたします。
グローバル経済が加速をする中、我が国最大の経済力を有し、日本経済を牽引している東京の成長は大切です。同時に、発生確率が高まる首都直下型地震などによる首都中枢機能の停止や、首都圏への過度な人口集中がもたらす地方の衰退、地方が担っている食料生産力の維持への不安などの問題に対処することも極めて重要です。
これまでも東京への一極集中の是正と地方創生に向けて様々な政策が講じられてきましたが、大きな流れの変化はありません。米国、ドイツ、オーストラリア、韓国など、海外でよく見られる首都機能分散のような、日本の国土構造を変えるほどの思い切った対策が必要であり、その一つが、今回、日本維新の会との連立政権合意に盛り込まれた副首都構想の実現であると受け止めております。
副首都の定義や要件がどのようなものになるのか、それによっても対象となる候補地は異なりますが、既に福岡県においても知事が首都中枢機能のバックアップ拠点の候補地になり得ると発言するなど、日本各地で関心が高まっています。
そこで、高市総理は、地方創生や大規模自然災害時のバックアップ機能という観点から、どのようにこの副首都構想を実現していくお考えでしょうか。御所見をお伺いいたします。
地方創生に関連してもう一点お伺いいたしますが、大都市圏への人口流出が続く地方においてこそ、より高い賃上げを実現すべきです。特に、地方の医療、福祉、介護の現場では、公定価格ゆえに賃上げには限界があり、今の水準では大都市や他業種に人材が流出してしまうことから、とりわけ給与等の見直しが不可欠です。
一方、中小企業・小規模事業者の方々からは、今進めている賃上げは企業業績の改善が見られない中でも賃上げをせざるを得ない、いわゆる防衛的な賃上げ、これであり、これ以上の賃上げは厳しく、会社が倒産しかねない、こういった声も聞こえてきます。
地方の中小・小規模事業者や医療、福祉、介護の現場こそ、賃上げにつながる生産性向上に向けた支援策、そして公定価格の引上げや重点支援地方交付金の地方への手厚い配分などが不可欠と考えます。総理の御決意、御見解をお伺いをいたします。
本年一月に発生した埼玉県での下水道管破損による道路陥没事故により、改めて社会資本の老朽化の深刻さがクローズアップされました。
全国の下水道管路の総延長は約五十万キロ、何と地球十二・五周分ですが、このうち耐用年数五十年を経過した管路の延長は約四万キロと地球一周分、しかも令和十五年度末には約十万キロと、二倍以上に急速に増加します。
下水道に限らず、高度経済成長期に整備されたこの社会資本の多くは、今後ますます老朽化による問題が深刻化をいたします。しかも、南海トラフ地震など大地震、過去に経験のない豪雨、こういった災害がいつ襲ってくるか分かりません。老朽化を原因とする事故や激甚化する自然災害から人命や生活、経済活動を守るため、国土強靱化、老朽化対策を強力に進めなければなりません。
そのためには、国から地方自治体への財政支援の拡充や、国の機関による技術的支援の拡充、老朽化対策に充てるための新たな財源の確保など、工夫を講ずる必要があると考えます。総理の御所見をお伺いします。
また、厳しさを増す安全保障環境に鑑みれば、主体的に防衛力強化に取り組むことは必然でありますし、そのための防衛費の増額は極めて重要です。
その際、我が国の防衛体制の充実と強化と地域経済の振興を共存共栄させるために、現在の安保戦略に基づき創設をされている総合的な防衛体制の強化に資する公共インフラ整備、この拡充強化と更なる予算の確保を図ってはどうかと考えますが、総理の御所見をお聞かせください。
本年のノーベル生理学・医学賞が大阪大学の坂口志文特任教授に、化学賞が京都大学の北川進理事に贈られることとなりました。私が科学技術担当大臣を務めた当時においてもこの基礎研究力の強化には力を入れていただけに、自然科学分野でのノーベル賞受賞者が続いていることに大変うれしさを覚えております。
しかし、日本の研究力の低下が懸念されていることから、喜んでばかりというわけにはいきません。基礎研究等では成果を得るまでに長い時間が掛かりますが、その間どのように支えていくのか、国際的な研究連携をどのように後押しをしていくのか、そして基礎研究力を支える人材の層をどのように厚くしていくのか、さらに、実用化に至るまでどのように支援環境を整備をし、我が国の医学や創薬力、DXやGXの強化につなげていくのかといった課題が山積しております。
そこで、我が国の強い経済の基盤となり得る科学技術力の強化のためには、総合的なビジョンの下、これらの課題について戦略的に政策を講じていくべきと考えますが、総理のお考えをお聞かせください。
世界人口や人、物の移動などの増加によって、新型コロナウイルスのような人獣共通感染症パンデミックの脅威は高まっています。
このため、動物由来の伝染病や薬剤耐性菌に代表される困難な課題に、人と動物と環境の健康を一つと考えるワンヘルスに基づく取組が広がっております。
これまでもワンヘルスアプローチについては、福岡県がアジアのゲートウェイとして特性を生かして、人獣共通感染症に関する横断的な研究等を進めるためのワンヘルスセンターの整備、またアジア獣医師会連合、FAVAワンヘルス福岡オフィスの開設にも取り組んできました。
さらに、国の機関として、この人獣共通感染症や薬剤耐性対策を行うアジア新興・人獣共通感染症センターの早期設置に向けた動きも進めております。
また、来年四月には、世界獣医師大会が三十一年ぶりに日本で開催されることにもなっております。
そこで、このようなワンヘルスに関する先導的な動きを踏まえ、内閣として新型コロナウイルスのような人獣共通感染症への高まる脅威に対してどのように取組を強化していくお考えであるのか、総理にお伺いをいたします。
日本国憲法は、来年は公布八十年となりますが、一度も改正をされておりません。一方、一九四九年に制定されたドイツの憲法に当たるドイツ連邦共和国基本法は、本年三月、連邦議会で改正法案が可決をされ、六十七回目の改正となりました。
ドイツ基本法は、法律レベルの技術的な条文までも規定されておるために改正回数が多くなるといった理由はありますけれども、我が国のように、公布以来一度も改正されておらず、改正案も発議されていない憲法は異例です。
報道各社の世論調査では、憲法改正賛成が反対を上回り、議論をもっと活発にすべしという回答が七割超となっている調査もあります。
私ども自民党は、自衛隊の明記、緊急事態対応、合区解消・地方公共団体、教育充実という改憲四項目について条文イメージを示していますが、条文化できるものは条文起草を急ぎ、主権者である国民の皆様の前にお示ししたいと考えております。
そこで、憲法は国民のものとの考えの下、参議院での審議を通じて国民の皆様に憲法改正をめぐる考え方を提示することは立法府の極めて重要な役割と考えますが、この点について総理のお考えをお伺いして、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。拍手
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕
高
高市早苗#6
○内閣総理大臣(高市早苗君) 松山政司議員の御質問にお答えいたします。
政治の安定と政策の実行についてお尋ねがございました。
日本維新の会との広範な政策合意に基づき、連立政権を樹立しました。この連立政権合意を基礎とし、各党からの政策提案についても柔軟に、真摯に議論をしてまいります。国家国民のため、決して諦めず、更なる政治の安定を図ることで力強い経済政策や力強い外交・安全保障政策を迅速に推進してまいります。
二〇四〇年までの中長期的なビジョンについてお尋ねがありました。
この内閣では、今の暮らしや未来への不安を希望に変え、強い経済をつくることを目指しております。この実現のためには、様々な課題に対して国民の皆様の安心感を醸成していくことが肝要です。
人口減少、少子高齢化を乗り切るためには、社会保障制度における給付と負担の在り方や給付付き税額控除の制度設計を含めた税と社会保障の一体改革について国民的議論を行うための国民会議を設置し、政府・与党だけではなく、野党の皆様も交え、丁寧な議論を進めてまいります。
さらには、食料安全保障、エネルギー安全保障、外交・安全保障といった各分野で国民の皆様に安心感をもたらす施策を推進し、中長期の経済財政の姿を展望しつつ、経済、財政、社会保障の持続可能性を確保するなど、国民の皆様が未来に希望を持つことができる日本をつくり上げてまいる所存です。
これらの中長期的な課題に取り組むためにも、経済あっての財政の考え方を基本とし、強い経済を構築するため、財政の持続可能性を実現しつつ、戦略的に財政出動を行ってまいります。
新たな経済対策についてお尋ねがありました。
物価高対策については、既に策定を指示している三つの柱から成る経済対策のうち、第一の柱として、ガソリン税や軽油引取税の暫定税率の早期廃止、電気・ガス料金の支援、重点支援地方交付金の拡充などを内容とする生活の安全保障、物価高への対応を講ずることとしています。施策の具体化に取り組み、速やかに経済対策を取りまとめ、必要な補正予算を本国会に提出いたします。御指摘の点も踏まえ、一刻も早く支援をお届けするとともに、関連する施策の広報、PRを強化してまいります。
また、こうした施策の実施に伴う地方団体の税収減のうち、ガソリン税及び軽油引取税については、先日、与野党の実務者間で地方の安定財源確保の方針について一致を見ており、その他の税制に関するテーマについても、今後の政党間の議論なども踏まえつつ、政府として地方の財政運営に配慮し、適切に対応をしてまいります。
社会保障制度の給付の在り方と財源確保についてお尋ねがありました。
日本経済のパイを大きくすることが重要であり、様々なリスクや社会課題に対する戦略的な投資により未来への不安を希望に変えるとともに、経済の新たな成長を切り開きます。そして、社会保障制度を持続可能なものとし、国民の皆様の命と健康を守るために、子ども・子育て支援を含めた全世代型社会保障を構築することが重要です。
そのため、効率的で質の高い医療の実現などについて迅速に検討を進め、社会保障制度改革を進める中で現役世代の保険料負担を抑えます。あわせて、攻めの予防医療を徹底し、健康寿命の延伸を図り、皆様が元気に活躍し、社会保障の担い手ともなっていただけるように取り組みます。
さらに、給付付き税額控除の制度設計を含めた税と社会保障の一体改革については、国民的議論を行うための国民会議を設置し、政府・与党だけではなく、野党の皆様も交え、丁寧な議論を進めてまいります。
日米首脳会談の意義とASEAN及びAPEC首脳会議を踏まえた関係国との連携強化についてお尋ねがありました。
先日、トランプ大統領と初の対面での首脳会談を行い、幅広い分野で率直な議論を通じて日米同盟を更なる高みに引き上げていくことについてトランプ大統領と確認をするなど、大きな成果を上げることができました。今後とも、トランプ大統領との会談を重ね、強固な信頼関係を一層深めて、日米同盟の新たな黄金時代をつくり上げていく決意です。
先週は、トランプ米国大統領の訪日に加え、ASEAN関連首脳会議、APEC首脳会議と非常に濃密かつ有意義な外交ウイークを走り抜けてまいりました。
今回の一連の外交日程では、自由で開かれたインド太平洋を推進し、時代に合わせて進化させていくこと、また、率直な対話を通じて、地域の主要な各国との信頼・協力関係をしっかりと構築していくことという私が就任直後から掲げてきた方針を実践に移すことができたと考えています。
自由で開かれたインド太平洋、FOIPにつきましては、日本を取り巻く国際情勢、安全保障環境は一層厳しさを増していること、また、経済安全保障や新興技術をめぐる国際競争など新たな課題も生じている中、こうした変化に対応し、最もふさわしい形でFOIPを進化させる必要があると考えています。米国を始めとする同盟国、同志国と意思疎通を行いつつ、緊密に連携をして取組を進めてまいります。
日米首脳会談の成果を踏まえた積極的な投資を生み出すための方策についてお尋ねがございました。
我が国は世界最大の対米投資国であり、日米は経済面で最も緊密なパートナーです。私とトランプ大統領との日米首脳会談においては、重要鉱物、レアアースに加え、AIを始めとした重要技術、造船など、幅広い分野における経済安全保障の取組を一層強化することで一致しました。
政府としましては、米国政府とも連携し、日本企業の声に丁寧に耳を傾け、日米の投資イニシアティブの対象となる案件を含め、日米両国のサプライチェーン強靱化に資する様々なビジネスを推進するための環境整備を行います。結果として、日本企業の事業収益が上がり、経済成長につながる好循環が実現することを期待しています。
拉致問題についてお尋ねがありました。
先般の日米首脳会談において、トランプ大統領に対し拉致問題の即時解決について理解と協力を求め、全面的な支持を得ました。
拉致問題の解決のためには、国際社会への働きかけと同時に、我が国が主体的に行動することが重要です。全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現すべく、私自らが先頭に立って、様々な状況に応じて果敢に行動することで具体的な成果に結び付けたいと考えております。あらゆる選択肢を排除せず、私の代で何としても突破口を開き、拉致問題を解決したいとの決意でございます。
エネルギー構造の変革についてお尋ねがありました。
国民生活及び国内産業を持続させ、更に立地競争力を強化していくためには、エネルギーの安定的で安価な供給が不可欠です。そのため、脱炭素電源の活用や資源の調達多角化などの取組を進めることが必要です。
再生可能エネルギーにつきましては、地域の理解や環境への配慮を前提に、ペロブスカイト太陽電池などの国産エネルギーの導入を拡大します。
戦略分野の一つであるフュージョンエネルギーにつきましては、世界に先駆けた二〇三〇年代の発電実証を目指し、官民の研究開発力強化等の取組を進めてまいります。
また、資源外交やJOGMECによるリスクマネー供給支援等を通じ、資源調達の多角化を進めてまいります。特に、米国アラスカのガス開発は、経済性や生産開始時期等に関する米国関係者との協議を継続し、適切に方策を講じます。
強い経済の実現に向け、エネルギー安全保障に重点を置いたエネルギー構造の変革を進めてまいります。
いわゆる副首都構想についてお尋ねがありました。
国全体の持続的な発展のため、東京一極集中の是正に向け、人や企業の地方分散を図ることは重要であると考えております。また、首都直下地震により官邸が使用できない事態を想定し、緊急災害対策本部の代替拠点の確保等に係る取組を進めてまいりました。
副首都構想については、今後、連立政権合意書に基づき、早急に与党による協議体を設置いたします。当該協議体においてしっかりと検討を進めていただきたいと考えております。
地方における賃上げの実現についてお尋ねがございました。
物価上昇を上回る賃上げが必要ですが、それを事業者に丸投げしてしまっては事業者の経営が苦しくなるだけです。継続的に賃上げを行える環境を整えることこそが政府の役割です。
このため、中小企業・小規模事業者への生産性向上支援に加え、事業承継やMアンドAの環境整備、更なる取引適正化に関連する施策を総動員して、賃上げに向けて経営する中小企業・小規模事業者を強力に後押ししてまいります。
また、診療報酬等の公的価格について、賃上げや物価高を適切に反映させるとともに、報酬改定の時期を待たず、医療機関や介護施設の経営の改善や職員の方々の処遇改善につながる措置を行い、効果を前倒しします。
さらに、御指摘の分野に地方自治体が地域の実情に応じて重点支援地方交付金を御活用いただけるよう拡充をしてまいります。
インフラ老朽化対策、国土強靱化、総合的な防衛体制の強化に資する公共インフラ整備についてお尋ねがありました。
インフラの老朽化対策に当たっては、定期点検を確実に行い、緊急度に応じて事前に対策を講じることで長寿命化を図る予防保全型に本格転換していくことが極めて重要です。自治体に対する財政面や技術面での支援を行いながら、第一次国土強靱化実施中期計画も踏まえ、老朽化したインフラの整備、保全を着実に進めてまいります。
また、現下の厳しい安全保障環境を踏まえ、平素から自衛隊、海上保安庁が多様な空港、港湾を円滑に利用できることは重要であると考えております。政府としては、これまで特定利用空港・港湾について、民生利用を主としつつ、自衛隊、海上保安庁にも資するよう必要な整備や既存事業の促進を図っているところであり、こうした取組を通じて、予算の確保も含め、引き続き、空港、港湾等の整備にしっかりと取り組んでまいります。
科学技術力の強化への対応についてお尋ねがありました。
強い経済の基盤となるのは、優れた科学技術力であり、イノベーションを興すことのできる人材です。昨日設置した日本成長戦略本部において、新技術立国・競争力強化について経済産業大臣を指名し、戦略作成を指示しました。公教育の強化や大学改革を進めるとともに、科学技術、人材育成に資する戦略的支援を行い、新技術立国を目指します。
また、AI・半導体等の各戦略分野について、研究開発、事業化、事業拡大、販路開拓、海外展開といった事業フェーズを念頭に、多角的な観点からの総合支援策の立案も指示しております。来年の夏にはこれらを踏まえた成長戦略を取りまとめ、我が国の強い経済の基盤となり得る科学技術力の強化のため、戦略的に政策を講じてまいります。
人獣共通感染症の対策についてお尋ねがありました。
人獣共通の感染症については、人、動物、環境という分野横断的な課題にこの関係者が連携して取り組むワンヘルスの考え方に基づき、総合的に対応することが重要です。
そのため、令和六年七月には新型インフルエンザ等対策政府行動計画を改定し、ワンヘルスアプローチの推進が盛り込まれました。御紹介いただきました福岡でのワンヘルスセンターの取組なども参考にしながら、地方での取組への支援も含め、人だけでなく動物分野、環境分野も含めた関係機関による監視の強化、分野横断的対応の推進により、人獣共通の感染症の脅威に対応してまいります。
憲法改正についてお尋ねがありました。
憲法改正については、内閣総理大臣としては、憲法審査会における党派を超えた建設的な議論が加速するとともに、国民の皆様の間での積極的な議論が深まっていくことを期待しております。
その上で、自民党総裁として申し上げれば、憲法はあるべき国の形を示す国家の基本法であり、そのあるべき姿について国民の皆様に案をお示しすることは我々国会議員の責務だと考えます。
そして、時代の要請に応えられる憲法を制定することは喫緊の課題と考えています。先般の日本維新の会との連立合意書においても、憲法改正に向けた取組が盛り込まれました。
今後、御指摘の四項目を含め、これまでの論点整理や議論の蓄積も踏まえ、各会派の御協力も得ながら改正案を発議し、少しでも早く憲法改正の賛否を問う国民投票が行われる環境をつくっていけるよう、私も粘り強く全力で取り組んでいく覚悟です。
以上です。ありがとうございました。拍手
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日本維新の会との広範な政策合意に基づき、連立政権を樹立しました。この連立政権合意を基礎とし、各党からの政策提案についても柔軟に、真摯に議論をしてまいります。国家国民のため、決して諦めず、更なる政治の安定を図ることで力強い経済政策や力強い外交・安全保障政策を迅速に推進してまいります。
二〇四〇年までの中長期的なビジョンについてお尋ねがありました。
この内閣では、今の暮らしや未来への不安を希望に変え、強い経済をつくることを目指しております。この実現のためには、様々な課題に対して国民の皆様の安心感を醸成していくことが肝要です。
人口減少、少子高齢化を乗り切るためには、社会保障制度における給付と負担の在り方や給付付き税額控除の制度設計を含めた税と社会保障の一体改革について国民的議論を行うための国民会議を設置し、政府・与党だけではなく、野党の皆様も交え、丁寧な議論を進めてまいります。
さらには、食料安全保障、エネルギー安全保障、外交・安全保障といった各分野で国民の皆様に安心感をもたらす施策を推進し、中長期の経済財政の姿を展望しつつ、経済、財政、社会保障の持続可能性を確保するなど、国民の皆様が未来に希望を持つことができる日本をつくり上げてまいる所存です。
これらの中長期的な課題に取り組むためにも、経済あっての財政の考え方を基本とし、強い経済を構築するため、財政の持続可能性を実現しつつ、戦略的に財政出動を行ってまいります。
新たな経済対策についてお尋ねがありました。
物価高対策については、既に策定を指示している三つの柱から成る経済対策のうち、第一の柱として、ガソリン税や軽油引取税の暫定税率の早期廃止、電気・ガス料金の支援、重点支援地方交付金の拡充などを内容とする生活の安全保障、物価高への対応を講ずることとしています。施策の具体化に取り組み、速やかに経済対策を取りまとめ、必要な補正予算を本国会に提出いたします。御指摘の点も踏まえ、一刻も早く支援をお届けするとともに、関連する施策の広報、PRを強化してまいります。
また、こうした施策の実施に伴う地方団体の税収減のうち、ガソリン税及び軽油引取税については、先日、与野党の実務者間で地方の安定財源確保の方針について一致を見ており、その他の税制に関するテーマについても、今後の政党間の議論なども踏まえつつ、政府として地方の財政運営に配慮し、適切に対応をしてまいります。
社会保障制度の給付の在り方と財源確保についてお尋ねがありました。
日本経済のパイを大きくすることが重要であり、様々なリスクや社会課題に対する戦略的な投資により未来への不安を希望に変えるとともに、経済の新たな成長を切り開きます。そして、社会保障制度を持続可能なものとし、国民の皆様の命と健康を守るために、子ども・子育て支援を含めた全世代型社会保障を構築することが重要です。
そのため、効率的で質の高い医療の実現などについて迅速に検討を進め、社会保障制度改革を進める中で現役世代の保険料負担を抑えます。あわせて、攻めの予防医療を徹底し、健康寿命の延伸を図り、皆様が元気に活躍し、社会保障の担い手ともなっていただけるように取り組みます。
さらに、給付付き税額控除の制度設計を含めた税と社会保障の一体改革については、国民的議論を行うための国民会議を設置し、政府・与党だけではなく、野党の皆様も交え、丁寧な議論を進めてまいります。
日米首脳会談の意義とASEAN及びAPEC首脳会議を踏まえた関係国との連携強化についてお尋ねがありました。
先日、トランプ大統領と初の対面での首脳会談を行い、幅広い分野で率直な議論を通じて日米同盟を更なる高みに引き上げていくことについてトランプ大統領と確認をするなど、大きな成果を上げることができました。今後とも、トランプ大統領との会談を重ね、強固な信頼関係を一層深めて、日米同盟の新たな黄金時代をつくり上げていく決意です。
先週は、トランプ米国大統領の訪日に加え、ASEAN関連首脳会議、APEC首脳会議と非常に濃密かつ有意義な外交ウイークを走り抜けてまいりました。
今回の一連の外交日程では、自由で開かれたインド太平洋を推進し、時代に合わせて進化させていくこと、また、率直な対話を通じて、地域の主要な各国との信頼・協力関係をしっかりと構築していくことという私が就任直後から掲げてきた方針を実践に移すことができたと考えています。
自由で開かれたインド太平洋、FOIPにつきましては、日本を取り巻く国際情勢、安全保障環境は一層厳しさを増していること、また、経済安全保障や新興技術をめぐる国際競争など新たな課題も生じている中、こうした変化に対応し、最もふさわしい形でFOIPを進化させる必要があると考えています。米国を始めとする同盟国、同志国と意思疎通を行いつつ、緊密に連携をして取組を進めてまいります。
日米首脳会談の成果を踏まえた積極的な投資を生み出すための方策についてお尋ねがございました。
我が国は世界最大の対米投資国であり、日米は経済面で最も緊密なパートナーです。私とトランプ大統領との日米首脳会談においては、重要鉱物、レアアースに加え、AIを始めとした重要技術、造船など、幅広い分野における経済安全保障の取組を一層強化することで一致しました。
政府としましては、米国政府とも連携し、日本企業の声に丁寧に耳を傾け、日米の投資イニシアティブの対象となる案件を含め、日米両国のサプライチェーン強靱化に資する様々なビジネスを推進するための環境整備を行います。結果として、日本企業の事業収益が上がり、経済成長につながる好循環が実現することを期待しています。
拉致問題についてお尋ねがありました。
先般の日米首脳会談において、トランプ大統領に対し拉致問題の即時解決について理解と協力を求め、全面的な支持を得ました。
拉致問題の解決のためには、国際社会への働きかけと同時に、我が国が主体的に行動することが重要です。全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現すべく、私自らが先頭に立って、様々な状況に応じて果敢に行動することで具体的な成果に結び付けたいと考えております。あらゆる選択肢を排除せず、私の代で何としても突破口を開き、拉致問題を解決したいとの決意でございます。
エネルギー構造の変革についてお尋ねがありました。
国民生活及び国内産業を持続させ、更に立地競争力を強化していくためには、エネルギーの安定的で安価な供給が不可欠です。そのため、脱炭素電源の活用や資源の調達多角化などの取組を進めることが必要です。
再生可能エネルギーにつきましては、地域の理解や環境への配慮を前提に、ペロブスカイト太陽電池などの国産エネルギーの導入を拡大します。
戦略分野の一つであるフュージョンエネルギーにつきましては、世界に先駆けた二〇三〇年代の発電実証を目指し、官民の研究開発力強化等の取組を進めてまいります。
また、資源外交やJOGMECによるリスクマネー供給支援等を通じ、資源調達の多角化を進めてまいります。特に、米国アラスカのガス開発は、経済性や生産開始時期等に関する米国関係者との協議を継続し、適切に方策を講じます。
強い経済の実現に向け、エネルギー安全保障に重点を置いたエネルギー構造の変革を進めてまいります。
いわゆる副首都構想についてお尋ねがありました。
国全体の持続的な発展のため、東京一極集中の是正に向け、人や企業の地方分散を図ることは重要であると考えております。また、首都直下地震により官邸が使用できない事態を想定し、緊急災害対策本部の代替拠点の確保等に係る取組を進めてまいりました。
副首都構想については、今後、連立政権合意書に基づき、早急に与党による協議体を設置いたします。当該協議体においてしっかりと検討を進めていただきたいと考えております。
地方における賃上げの実現についてお尋ねがございました。
物価上昇を上回る賃上げが必要ですが、それを事業者に丸投げしてしまっては事業者の経営が苦しくなるだけです。継続的に賃上げを行える環境を整えることこそが政府の役割です。
このため、中小企業・小規模事業者への生産性向上支援に加え、事業承継やMアンドAの環境整備、更なる取引適正化に関連する施策を総動員して、賃上げに向けて経営する中小企業・小規模事業者を強力に後押ししてまいります。
また、診療報酬等の公的価格について、賃上げや物価高を適切に反映させるとともに、報酬改定の時期を待たず、医療機関や介護施設の経営の改善や職員の方々の処遇改善につながる措置を行い、効果を前倒しします。
さらに、御指摘の分野に地方自治体が地域の実情に応じて重点支援地方交付金を御活用いただけるよう拡充をしてまいります。
インフラ老朽化対策、国土強靱化、総合的な防衛体制の強化に資する公共インフラ整備についてお尋ねがありました。
インフラの老朽化対策に当たっては、定期点検を確実に行い、緊急度に応じて事前に対策を講じることで長寿命化を図る予防保全型に本格転換していくことが極めて重要です。自治体に対する財政面や技術面での支援を行いながら、第一次国土強靱化実施中期計画も踏まえ、老朽化したインフラの整備、保全を着実に進めてまいります。
また、現下の厳しい安全保障環境を踏まえ、平素から自衛隊、海上保安庁が多様な空港、港湾を円滑に利用できることは重要であると考えております。政府としては、これまで特定利用空港・港湾について、民生利用を主としつつ、自衛隊、海上保安庁にも資するよう必要な整備や既存事業の促進を図っているところであり、こうした取組を通じて、予算の確保も含め、引き続き、空港、港湾等の整備にしっかりと取り組んでまいります。
科学技術力の強化への対応についてお尋ねがありました。
強い経済の基盤となるのは、優れた科学技術力であり、イノベーションを興すことのできる人材です。昨日設置した日本成長戦略本部において、新技術立国・競争力強化について経済産業大臣を指名し、戦略作成を指示しました。公教育の強化や大学改革を進めるとともに、科学技術、人材育成に資する戦略的支援を行い、新技術立国を目指します。
また、AI・半導体等の各戦略分野について、研究開発、事業化、事業拡大、販路開拓、海外展開といった事業フェーズを念頭に、多角的な観点からの総合支援策の立案も指示しております。来年の夏にはこれらを踏まえた成長戦略を取りまとめ、我が国の強い経済の基盤となり得る科学技術力の強化のため、戦略的に政策を講じてまいります。
人獣共通感染症の対策についてお尋ねがありました。
人獣共通の感染症については、人、動物、環境という分野横断的な課題にこの関係者が連携して取り組むワンヘルスの考え方に基づき、総合的に対応することが重要です。
そのため、令和六年七月には新型インフルエンザ等対策政府行動計画を改定し、ワンヘルスアプローチの推進が盛り込まれました。御紹介いただきました福岡でのワンヘルスセンターの取組なども参考にしながら、地方での取組への支援も含め、人だけでなく動物分野、環境分野も含めた関係機関による監視の強化、分野横断的対応の推進により、人獣共通の感染症の脅威に対応してまいります。
憲法改正についてお尋ねがありました。
憲法改正については、内閣総理大臣としては、憲法審査会における党派を超えた建設的な議論が加速するとともに、国民の皆様の間での積極的な議論が深まっていくことを期待しております。
その上で、自民党総裁として申し上げれば、憲法はあるべき国の形を示す国家の基本法であり、そのあるべき姿について国民の皆様に案をお示しすることは我々国会議員の責務だと考えます。
そして、時代の要請に応えられる憲法を制定することは喫緊の課題と考えています。先般の日本維新の会との連立合意書においても、憲法改正に向けた取組が盛り込まれました。
今後、御指摘の四項目を含め、これまでの論点整理や議論の蓄積も踏まえ、各会派の御協力も得ながら改正案を発議し、少しでも早く憲法改正の賛否を問う国民投票が行われる環境をつくっていけるよう、私も粘り強く全力で取り組んでいく覚悟です。
以上です。ありがとうございました。拍手
関
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