高市早苗の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(高市早苗君) 舟山康江議員の御質問にお答えをいたします。
政治への信頼や官房副長官の起用、政治資金収支報告書の不記載の問題についてお尋ねがございました。
何が問題なのかというお尋ねでございますが、政治資金収支報告書に記載すべきことをしっかりと記載しなかった、これは大きな問題でございます。
そして、私自身は、この問題の再発防止に全力を挙げてまいるとともに、仮に同様の問題が起きた場合には、これは自民党総裁としてですが、これまで以上に厳しく対処をしてまいります。
そして、この問題によりまして政治への信頼を損ねることになったこと、心よりおわびを申し上げます。また、官房副長官が参議院本会議への登壇や参議院の議院運営委員会理事会への出席ができない状況となるなど、国会運営に混乱を来すことになったことにつきましても真摯におわびを申し上げます。
その上で、政務三役や党役員の人事についてでございますが、自由民主党は、衆参の選挙で敗北をし、まさに今、党の運営、そしてまた、国会でのお役も含めて、政府のお役も含めて、少数となってしまった中で、全員参加、全世代総力結集の考え方の下で、私自身は適材適所の人事を行ったものでございます。
その上で、佐藤副長官につきましては、二〇一六年の参議院議員選挙で初当選をした後、政府では経済産業大臣政務官や財務大臣政務官を務め、党では国対副委員長、院では議院運営委員会理事を務め、政府部内や国会との総合調整などに当たる官房長官を補佐する官房副長官にふさわしい能力を有していると思っております。
加えて、佐藤副長官とは自民党の政務調査会で一緒に仕事をしてまいりましたことから、私の性格や考えをよく承知し、私にとって耳の痛い事柄も直言してくれる存在であり、私は深い信頼を寄せております。
参議院議員は非改選の期間が三年あることから、選挙を経なければ政務三役や党の役員に起用できないということになりましたら、こうした有為な人材の活躍の場を奪うことにもなりかねません。御本人は不記載問題を深く反省し、再発防止に取り組んでいるところであり、こうした有為の人材には再起の機会を与え、国家国民のために働いてもらうことが必要と考え、官房副長官に起用いたしました。
私といたしましても、参議院の先生方の御指摘は重く受け止めておりますが、どうか与野党の先生方におかれましては、こうした趣旨に御理解を賜り、佐藤副長官の本会議への登壇や議院運営委員会理事会の出席などをお認めいただき、佐藤副長官をお育ていただけますことを心よりお願いを申し上げます。
今後、自民党としましては、国民の皆様の信頼をいただけるよう、政治と金の問題には本当に厳しい姿勢で臨み、ルールを徹底的に遵守する自民党を確立してまいるとともに、国民の皆様のために誠心誠意働き、結果を出し続けていくよう取り組んでまいる決意でございます。
企業・団体献金についてお尋ねがございました。
企業・団体献金の規制の強化については、憲法と最高裁判例で保障された政治活動の自由にも関わるものであり、その必要性や相当性について慎重に議論する必要があると考えております。
政治資金の在り方については、各党の成り立ちや組織のありよう、規模にも十分留意しつつ、真に公平公正な仕組みとなるよう、不断に検討していくことが重要だと考えております。
この度の連立政権発足に当たりましては、自民党と日本維新の会との間で、国民に信頼される政治資金の在り方について幅広く検討していくこととしました。
今後、両党で合意した考え方に沿って検討を進めるとともに、御党を含む他党とも真摯な議論を重ね、政治改革の取組を着実に進めてまいります。
野党の皆様との協力及び基本方針についてお尋ねがありました。
基本方針というのは、私の総理大臣就任時の記者会見や所信表明演説、そして自民党と日本維新の会との連立政権合意書で掲げた内容の前提となる政権の基本的考え方を指します。また、初閣議におきまして、強い経済の実現、地方を伸ばし、暮らしを守る、外交力と防衛力の強化の三本柱から成るこの内閣の基本方針を閣議決定いたしております。国家国民のため政治を安定させる、政治の安定なくして、力強い経済政策も、力強い外交・安全保障政策も推進していくことはできません。
昨日、御党を含む与野党六党でガソリン暫定税率年内廃止に正式合意しました。今後とも、御党を含む野党の皆様からの政策提案をお受けし、最大限柔軟に、かつ真摯に議論し、合意に至った政策をしっかりと実行してまいります。
責任ある積極財政についてお尋ねがございました。
この内閣では、経済あっての財政の考え方を基本とし、強い経済を構築するため、戦略的に財政出動を行ってまいります。これにより、所得を増やし、消費マインドを改善し、事業収益が上がり、税率を上げずとも税収を増加させていくことを目指します。この循環を実現することによって、国民の皆様に景気回復の果実を実感していただき、不安を希望に変えてまいります。
こうした道筋を通じ、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高の対GDP比を引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保しながら戦略的な財政出動を行うというものであり、この点において責任ある積極財政と言えるものと考えております。
所得税についてお尋ねがございました。
いわゆる百三万円の壁につきましては、現下の物価動向などを踏まえ、令和七年度税制改正で百六十万円まで引き上げられております。本年十二月の年末調整から引上げ後の控除額が適用されますので、今後、納税者の皆様にその効果が及んでいくことになります。
さらに、所得税の控除が定額であるために物価上昇局面に実質的な負担増が生じるという所得税の課題につきましては、国民民主党、公明党、自民党の三党の幹事長間で結んだ公党間の約束である三党合意も踏まえながら、本年末までの令和八年度税制改正プロセスにおいて、基礎控除を物価に連動した形で更に引き上げる税制措置の具体化を図ることとしております。与党税制調査会の御議論も踏まえながら具体化を図ってまいります。
また、金融所得課税につきましては、税の負担の公平性のほか、貯蓄から投資への流れを引き続き推進し、一般の投資家が投資しやすい環境を損なわないようにするということも重要でございます。こうした観点を総合的に検討していく必要もあると考えております。
日米首脳会談に関し、共同声明、共同記者会見、法の支配、会談の成果についてお尋ねがございました。
共同文書の作成や共同記者会見の有無については、相手国とやり取りをしながら、その都度適切に判断をしています。その上で、私とトランプ大統領との間で、日米同盟を更なる高みに引き上げていくことについて確認するとともに、日米間の合意の実施に関する文書に署名し、投資に関する了解覚書の実施を含めて確認するといった成果を上げることができました。こうした成果を土台として、日米両国の経済を力強く成長させ、また、特に経済安全保障分野の日米協力、これを更に強化してまいります。
法の支配につきましては、自由で開かれたインド太平洋の中核的な理念でございます。トランプ大統領との間で、自由で開かれたインド太平洋を力強く推進するために緊密に連携することを改めて確認いたしました。
我が国として、法の支配やWTO協定を始めとする国際ルールを重視する立場に変わりなく、今回の会談におきましても、御指摘の経済分野を含めて、この立場を踏まえて様々な課題についてトランプ大統領と議論を行いました。
特にこだわった成果は、レアアース等の共同開発でございます。科学的な調査により、日本の南鳥島周辺の海底にはレアアースを含む泥が豊富に存在していることが判明しております。現在、更なる調査やレアアースの採取手法の研究開発を進めています。来年一月には、水深六千メートルからレアアース泥を引き揚げるための技術的な実証試験を予定しています。
レアアースの多様な調達手段を確保するということは日米双方にとって重要であり、南鳥島周辺海域でのレアアース開発についても日米間の具体的な協力の進め方を検討してまいります。
米国による国際刑事裁判所、ICCに対する制裁に関してお尋ねがございました。
我が国は、重大な犯罪行為の撲滅と予防、法の支配の徹底のため、常設の国際刑事法廷であるICCを一貫して支持してきております。そのことは日本政府として様々な形で表明してきています。また、米国による対ICC制裁について、日本政府として、閣僚など様々なレベルで米国側に働きかけを行っています。
日本政府としては、ICCが独立性を維持し、安全を確保しながらその活動を全うできるよう、ICCや他の締約国と意思疎通を行いながら、しっかりと対応をしてまいります。
人権問題担当補佐官の設置についてお尋ねがございました。
内閣総理大臣補佐官については、法律で五人以内とされております。この範囲内で、担当分野、人選などにつき、私が総合的に判断をしています。
いずれにしましても、国際人権問題に関する事項については、現在、内閣官房が中心となって関係府省の取組を適切に調整しており、また、事案によっては閣僚レベルを含め連携して対応しており、今後とも政府一丸となって人権外交を推し進めてまいります。私自身も、中国を含む首脳会談では、人権問題について強い指摘を行っております。
さきの大戦における空襲被害者の救済についてのお尋ねがございました。
さきの大戦においては、全ての国民が何らかの戦争の犠牲を被って、一般市民の皆様の中にも筆舌に尽くし難い労苦を体験された方が多数おられると承知をしております。
政府としては、これまでも一般戦災者に対して、一般の社会保障施策の充実などを図る中で、その福祉の向上に努めてきています。現在、超党派の議員連盟におきまして、空襲被害者に対する特別給付金の支給、実態調査等を内容とする議員立法について議論されているということを承知しております。
引き続き、この議員立法の動きを注視しながら、政府として更に何ができるのか、しっかりと考えてまいります。
経済安全保障推進法に基づく特定重要物資についてお尋ねがございました。
経済安全保障推進法では、外部依存性や供給途絶などのリスクがある重要な物資を特定重要物資に指定し、その安定供給確保のための取組を支援しています。
お尋ねの食料については、仮に個々の品目の供給が途絶した場合であっても、他の食料による代替が可能であること、安定的な供給が見込まれる国から調達ができていること、食糧法等に基づいて対応できるものもあることなどを踏まえて、特定重要物資としての指定は行っていません。
なお、国民の食生活上重要な食料については、昨年制定された食料供給困難事態対策法に基づき、特定食料として指定しております。その供給が大幅に不足するおそれが発生した段階から、関係事業者に対して出荷、販売の調整や輸入の促進等を要請し、食料供給確保のための措置を速やかに行うこととしています。
いずれにしましても、国民の皆様が重要物資の供給に不安を抱えることがないよう、供給リスクを不断に点検しつつ、必要に応じて制度を見直しながら、しっかりと我が国の安全保障の確保に取り組んでまいります。
食料安全保障と米を含めた農業政策についてお尋ねがありました。
異常気象の頻発化や地政学的リスクの高まりなどを踏まえて、万が一の不測の事態にも食料安全保障が確保されるよう、国内の農業生産の増大を基本に、安定的な輸入と備蓄の確保を図ることとしています。その際、食料自給率については、できる限りその向上を図ることが重要です。
しかしながら、自給率一〇〇%を達成するためには現在の約三倍の農地が必要という制約もありますので、まずは、現在三八%の自給率を二〇三〇年度に四五%とする目標を設定しておりますが、課題が多いことは十分私も認識しているものの、最終的には、農地、全ての田畑に加えて植物工場なども活用して、また飼料の自給率を上げながら一〇〇%を目指していきたいという強い思いがございます。
国民の皆様の主食である米については、需要拡大が必要だというのは御指摘のとおりでございます。米の輸出促進や米粉の消費拡大、そしてまた日本で加工した米粉製品の輸出も含めて、国内外の需要拡大に取り組んでまいります。
そして、生産者自らの経営判断により生産に取り組みやすい環境を整備するなど、米の安定供給に必要な取組を推進してまいります。
直接支払を含む農業者への支援の在り方につきましては、新たな食料・農業・農村基本計画を踏まえまして、令和九年度に向けた水田政策の在り方を検討していく中で現場の実態を調査、検証し、議論を深めていく考えでございます。
熊による被害対策についてお尋ねがございました。
政府は、十月三十日にクマ被害対策等に関する関係閣僚会議を開催し、議長である木原官房長官から、追加的、緊急的な対策のパッケージを今月中旬までに取りまとめ、実効性の高い対策を着実かつ段階的に実行することを指示しました。
具体的な施策としては、例えば、警察官によるライフル銃を使用した熊の駆除について早急に対応していくということのほか、狩猟免許を持つ者を公務員として任用する、いわゆるガバメントハンターの確保などを進めていくことを想定しております。
この対策パッケージの取りまとめを待たずに、スピード感を持って必要な施策を順次実行に移してまいります。熊による被害の拡大の防止、さらには国民の皆様の安全、安心を確保するために頑張ってまいります。
里山における熊出没対策と農林漁業や農山漁村の振興についてお尋ねがございました。
熊の出没増加につきましては、過疎化や高齢化などによりまして緩衝地帯としての里山が利用されていないということも要因の一つと考えられます。緊急的な熊被害対策を着実に進めることに加え、林業の活性化、地域住民による里山整備活動の促進などによりまして里山における人の活動を活発化させることは、熊を含む野生鳥獣の移動抑制にもつながるものと考えております。
こうした農林漁業や農山漁村の多面的な機能も踏まえまして、テクノロジーや地域資源を活用した付加価値の創出、稼げる農林水産業の創出などを通じて、農山漁村、中山間地域を始め、地方に活力を取り戻してまいります。
メガソーラーの負の側面及び今後の対応についてお尋ねがございました。
再生可能エネルギーについては、地域との共生を図りながら導入拡大を進めていく必要があります。他方で、全国各地において、メガソーラーの建設により、森林伐採や不適切な開発による環境破壊、災害リスクなどの懸念が見られる事例が生じております。
政府としては、安全、景観、自然環境などに関係する規制の総点検を行い、不適切なメガソーラーを法的に規制する施策を実行してまいります。
尖閣諸島についてお尋ねがございました。
尖閣諸島は、歴史的にも国際法上も我が国固有の領土であり、現に我が国はこれを有効に支配しています。尖閣諸島及び周辺海域を安定的に維持管理するための具体的な方策については様々な選択肢がありますが、実際にどのような方策を取るのかについては戦略的な観点から判断をしていくべきものと考えております。
いずれにしましても、今後とも、我が国の領土、領海、領空を断固として守るという決意で、毅然かつ冷静に対処してまいります。
また、尖閣諸島における自然環境の最新状況の把握のため、衛星画像を用いたモニタリング調査を引き続き実施をしてまいります。
いわゆる高校無償化と公立高校支援についてお尋ねがございました。
高校教育については、日本維新の会、公明党、自民党との合意を踏まえ、税制による対応も含め、安定財源を確保しつつ、その質の向上に向け、国として高校教育改革に関するグランドデザインを今年度中に提示し、各都道府県が策定する計画に基づく取組を支援する交付金等の仕組みの構築などに取り組んでまいります。
なお、教育国債とするか否かは未定でございますが、リスクを最小化し、未来を創造するための投資に係る新しい財源調達の在り方については、現在、前向きに検討しているところでございます。
鉄道の役割及び災害復旧についてお尋ねがございました。
鉄道は、定時性が高く、高速での大量輸送が可能でありますことから、広域的な地域間の移動、連携を支え、観光やビジネスなどを含めた地域活性化にも資するものと考えております。
鉄道の災害復旧につきまして御懸念の点でございますが、鉄道事業者が運賃収入を得て事業を行っているものであることから、運賃収入を基本として整備、運営することを原則としています。
一方で、運賃収入が十分に得られない赤字ローカル路線につきましては、被災規模等に応じて災害復旧の補助対象の拡大や補助率のかさ上げなど、支援の充実に努めているところでございます。
被災した鉄道の復旧につきましては、鉄道事業者と地域の関係者での議論が重要でございます。国としても、そのありようを見ながら必要な支援を適切に行ってまいります。
鉄道を含む地域公共交通についてお尋ねがございました。
地域公共交通は、地方の暮らしと安全を守るための基盤であり、持続可能なものとしていくため、公的主体を含む地域の多様な関係者が連携、協働して維持、再構築していくことが必要だと考えております。
国としましても、日常生活等の移動手段にお困り事を抱える全国約二千五百の交通空白について、令和九年度までの集中対策期間で解消にめどを付けることとしています。そのため、国による伴走支援等に加え、必要な財政措置として、地域公共交通に関する令和七年度予算と令和六年度補正予算を合わせて約六百億円を確保しています。
今後とも、制度、予算など、あらゆる政策ツールを総動員して、持続可能な地域公共交通を実現してまいります。
以上です。ありがとうございます。(拍手)
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