高市早苗の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(高市早苗君) 西田実仁議員の御質問にお答えいたします。
 まず、公明党の皆様の二十六年に及ぶ友情と御協力に心から感謝を申し上げます。今後とも、一緒に取り組むべき政策については共に歩んでまいりたく存じております。
 即効性のある物価高対策についてお尋ねがございました。
 早期に効果が見込まれる施策として、一人二万円から四万円の所得税減税、年末のいわゆるガソリン税の暫定税率廃止までの間、既存の基金を活用した補助、これを年内から進めてまいります。
 加えて、既に策定を指示しております経済対策において、いわゆるガソリン税、軽油引取税の暫定税率の廃止、寒さの厳しい冬の間の電気・ガス料金の支援、地域のニーズにきめ細やかに対応する重点支援地方交付金の拡充等を盛り込むこととしております。
 特に、この重点支援地方交付金につきましては、生活にお困りの方への支援にも使っていただけます。また、赤字で賃上げ税制、賃上げ促進税制を活用できない中小企業・小規模事業者への支援にも使っていただけます。推奨メニューを付したいと考えております。
 最低賃金の引上げ目標についてお尋ねがございました。
 この内閣が最優先で取り組むことは、国民の皆様が直面している物価高への対応です。
 物価上昇を上回る賃上げは必要でございますが、それを事業者に丸投げしてしまっては事業者の経営が苦しくなるだけでございます。継続的に賃上げできる環境を整えることが政府の役割です。そのため、生産性向上支援や更なる取引適正化などを通じ、中小企業・小規模事業者の皆様を強力に後押ししてまいります。
 先日設置した日本成長戦略本部では、賃上げ環境整備担当大臣に対し、物価上昇を上回る賃上げが継続する環境整備に向けた戦略策定を指示しました。この戦略の中で、最低賃金を含むこれまでの政府決定への対応について、経済動向等を踏まえて今後具体的に検討をしてまいります。御指摘の賃上げ促進税制につきましても、物価や中堅・中小企業も含めた賃上げの状況等を丁寧に見極めながら検討を深めてまいります。
 現役世代の保険料負担軽減の方策についてお尋ねがございました。
 社会保障制度を持続可能なものとしていくため、全ての世代で能力に応じて負担し支え合い、必要な社会保障サービスが必要な方に適切に提供される全世代型社会保障を構築することが重要でございます。
 経営難が深刻化する医療機関への支援は急を要するため、診療報酬に賃上げや物価高を適切に反映させるとともに、報酬改定の時期を待たず経営改善につながる措置を講じるなど、スピード感を持って対応します。
 その上で、公明党、日本維新の会、自民党の三党合意を踏まえ、OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しや、金融所得の反映などの応能負担の徹底、電子カルテを含む医療機関の電子化を通じた効率的で質の高い医療の実現などについて迅速に検討を進めます。
 また、日本維新の会との連立政権合意書の年齢によらない真に公平な応能負担の実現の考え方を踏まえ、高齢者の負担の在り方についても検討を進め、これらを通じ、現役世代の保険料負担の抑制につなげてまいります。
 公平な応能負担のため、マイナンバーを活用して資産を把握するインフラ整備についてお尋ねがございました。
 デジタル社会の基盤であるマイナンバー制度の利活用を推進していくということは重要だと考えております。マイナンバーを通じた資産状況等の把握について、その必要性や手法につきまして、国民の皆様の理解を得ながら進めていく必要もあると考えております。
 活力ある健康長寿社会の実現についてお尋ねがございました。
 攻めの予防医療や健康づくりを進め、健康寿命の延伸を図り、皆が元気に地域で活躍し、社会保障の担い手となっていただけるように取り組んでまいります。
 また、具体的には、食生活や運動を始めとする健康づくりのための取組や、がん検診の個別勧奨の徹底、歯科健診の強化などにより、生活習慣病の予防に取り組みます。
 また、高齢者の方々の社会参加を促すため、地域の通いの場の推進による介護予防の強化、企業による就労に加え、シルバー人材センターなど、多様な就業機会の提供などを進めてまいります。
 政治資金収支報告書の不記載に関連するお尋ねがございました。
 この問題によりまして政治への信頼を損ねることになりましたことについては、自民党総裁として、国民の皆様に、そして全国民の代表でいらっしゃる国会議員の皆様にも改めておわびを申し上げます。
 自民党における旧派閥の政治資金収支報告書の不記載に関する問題につきましては、検察による厳正な捜査が行われ、関係議員はそれに対して真摯に対応し、その結果、法と証拠に基づき、刑事事件として取り上げるべきものは立件されてきました。また、外部の弁護士を交えた聞き取り調査や当事者自身による会見などでの説明など、様々な関係者による事実関係の把握、解明の努力が進められました。その中で、それぞれの議員が丁寧に真摯に説明責任を尽くしてきたものと考えております。
 その上で、党役員や副大臣、政務官につきましては、全員参加、全世代総力結集の考え方の下で適材適所の人事を行いました。任期中しっかりと仕事をしていただくということこそが有権者の皆様への責任だと、こう考えました。
 自民党に対して国民の皆様の信頼をまたいただけますよう、政治と金の問題には厳しい姿勢で臨み、ルールを徹底的に遵守する自民党を確立してまいるとともに、国民の皆様のために誠心誠意働き、結果を出し続けていくよう取り組む決意でございます。
 企業・団体献金の規制についてお尋ねがございました。
 企業・団体献金の規制の強化については、憲法と最高裁判例で保障された政治活動の自由にも関わるものであり、その必要性や相当性について慎重に議論する必要があると考えております。
 政党支部は政党活動の一翼を担う存在であり、議員個人やその後援会とは別の主体であります。その活動を支持してくださる企業、団体から寄附を受けることも元々想定されているものでございます。
 政治資金の在り方につきましては、各党にも、この各党の成り立ち、組織のありよう、規模にも十分留意をしながら、真に公平公正な仕組みとなるよう不断に検討していくことが重要だと考えております。
 この度の連立政権発足に当たっては、自民党と日本維新の会との間で、国民に信頼される政治資金の在り方について幅広く検討していくことといたしました。今後、両党で合意した考え方に沿って検討を進めるとともに、御党を含む他党とも真摯な議論を重ねて、政治改革の取組を着実に進めてまいります。
 奨学金制度の改善についてお尋ねがございました。
 御指摘の貸与型奨学金の返還に係る税制上の措置につきましては、所得が小さく所得税の税額がない方や少ない方にはその効果が限定的であることなど、検討するべき課題があることも踏まえる必要があると考えております。
 政府としましては、貸与型奨学金の減額返還制度の拡充や企業による代理返還の促進、給付型奨学金等による支援の拡充に取り組んできております。その更なる拡充につきましては、これまでの支援の効果などを見定めつつ取り組んでまいります。
 高校教育改革についてお尋ねがございました。
 高校教育につきましては、日本維新の会、公明党、自民党との合意を踏まえ、税制による対応も含め、安定財源を確保しつつ、いわゆる高校無償化に加え、高校生等奨学給付金の低中所得世帯への拡充を図るということとともに、高校教育の質の向上に向け、国として高校教育改革に関するグランドデザインを今年度中に提示し、各都道府県が策定する計画に基づく取組を支援する交付金等の仕組みの構築などに取り組んでまいります。
 子育て支援の抜本的な強化についてお尋ねがありました。
 子育て支援につきましては、こども未来戦略の加速化プランに基づき、結婚や出産、子育てについての希望をかなえられる環境整備を強力に進めています。
 子育て支援に関する税制のうち、高校生年代の扶養控除については、子育て関連施策との関係などを踏まえつつ、令和八年度以降の税制改正において結論を得るものとされています。
 一方、いわゆる年少扶養控除につきましては、税負担軽減効果が高所得者の方が低所得者に比べて大きいことを踏まえ、子ども手当の創設に伴い廃止されており、こうした経緯も踏まえる必要がございます。
 子供の貧困は、子供やその家族の幸せを損ね、人生の可能性を制約するものです。そこで、物価高の状況も踏まえながら、子供の生活支援や学習支援の強化など、子供の貧困の解消に取り組んでまいります。
 また、標準的な妊婦健診や出産費用について自己負担が生じないよう対応を進めるとともに、産後ケアについて計画的な提供体制の整備に取り組んでまいります。
 多文化共生社会についてお尋ねがございました。
 西田議員から、日本人と外国人が安心して共に暮らせる環境整備とのお話がございましたが、私も、ルールを守って暮らしておられる外国人の方々が我が国に住みづらくなってしまうようなことはあってはいけないと考えます。
 排外主義とは一線を画しつつ、一部の外国人による違法行為やルールからの逸脱に対し政府として毅然と対応し、国民の皆様の不安や不公平感を解消することは、外国人との秩序ある共生社会の実現に必要なものと考えております。
 政府としては、こうした考えを丁寧に説明していく考えでございます。
 防衛費の増額についてお尋ねがありました。
 一層急速に厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、我が国として主体的に防衛力の抜本的強化を進めていくことが必要です。そのため、まずは現行の国家安全保障戦略に定める対GDP比二%水準を前倒しして措置するとともに、国家安全保障戦略を始めとする三文書改定の検討を開始することとしました。
 政府として、前倒しに必要となる予算を手当てする財源につきましては、補正予算の編成において適切に対応するとともに、今後の防衛力の具体的な内容につきましても、我が国の主体的な判断の下、具体的かつ現実的な議論を積み上げていく考えでございます。国民の皆様の御理解が得られるよう、丁寧な説明に努めてまいります。
 北東アジアにおける対話の枠組みについてお尋ねがございました。
 アジア諸国との間で安全保障や経済を含め幅広い分野において重層的な関係を構築していくことは極めて重要です。
 公明党が策定した平和創出ビジョンにおきまして、北東アジア安全保障対話・協力機構の創設の提案がなされていると承知をいたしております。この地域において信頼醸成を行っていくということは有益でございます。
 政府としては、国際情勢をよく見極めつつ、地域の安全保障の在り方に関する検討を深めてまいります。
 災害・老朽化対策についてお尋ねがありました。
 災害などから国民の皆様の生命、財産、暮らしを守るため、老朽化したインフラの整備、保全、デジタルなど新技術の活用、自治体への財政・技術支援など、第一次国土強靱化実施中期計画に基づく取組を責任を持って切れ目なく着実に推進をしてまいります。
 以上です。ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 高市早苗

speaker_id: 24045

日付: 2025-11-06

院: 参議院

会議名: 本会議