高市早苗の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○内閣総理大臣(高市早苗君) 神谷宗幣議員の御質問にお答えいたします。
 責任ある積極財政についてお尋ねがありました。
 この内閣では、経済あっての財政の考え方を基本とし、強い経済を構築するため、戦略的に財政出動を行います。これにより、所得を増やし、消費マインドを改善し、事業収益が上がり、税率を上げずとも税収を増加させることを目指します。
 こうした道筋を通じ、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高の対GDP比を引き下げていくことで財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していきます。
 お尋ねの減税につきましては、既に策定を指示しております三つの柱から成る経済対策においても、第一の柱としてガソリン税や軽油引取税の暫定税率の廃止などを内容とする生活の安全保障、物価高への対応を盛り込んでおり、こうした施策も組み合わせながら、国民の皆様のお手元に支援をお届けしたいと考えております。
 消費税減税等についてお尋ねがございました。
 内閣としましては、物価高対策としてすぐに対応できることをまず優先すべきと考えております。その上で、消費税率の引下げについては、これは連立政権合意にも、これ食料品の消費税率に限ってですが、二年間停止する、引き下げるということでこの検討が含まれておりますので、選択肢として排除しているものではございませんが、事業者のレジシステムの改修等に一定の期間が掛かるとの課題にも留意が必要だと考えております。
 なお、給付付き税額控除、これも実現までに一定の期間は掛かりますが、税、社会保険料負担で苦しむ中低所得者の負担を軽減し、所得に応じて手取りを増やすためのものでありますので、早期に制度設計に着手をしてまいります。
 郵政民営化の成果及びNTT法廃止を検討する意図についてお尋ねがございました。
 郵政事業につきましては、民営化以降、全国約二万四千の郵便局ネットワークを維持しつつ、レターパックの開始や郵便局と他の金融機関との間の相互振り込み拡大の実現など、国民の皆様の利便性は総じて向上していると認識をしています。
 また、本年五月に成立した電気通信事業法及びNTT法の一部改正法の附則の検討規定に基づきまして、施行後三年を目途として、国民生活に不可欠な電気通信役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保、電気通信事業の公正な競争の促進、電気通信事業及びその関連事業の国際競争力の強化等を図る観点から、NTT法の改廃を含め、電気通信事業及びNTTに係る制度の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとしております。
 いわゆるデジタル赤字と情報インフラ依存の是正についてお尋ねがありました。
 AI等のデジタルサービスが社会活動の基盤としての役割を増す中、デジタル赤字や情報インフラの海外依存が拡大し続けることは、我が国の経済成長や経済安全保障の観点からも好ましくないと考えております。
 このため、十一月四日に設置した日本成長戦略本部の下、新しいデジタル技術の研究開発や産業化を加速化させるとともに、コンテンツ産業を含めたデジタル関連産業の海外展開を支援することを通じて、デジタル赤字の拡大抑止や改善につなげてまいります。
 また、経済安全保障の観点から、AI・半導体、デジタル・サイバーセキュリティー、情報通信等の戦略分野における危機管理投資を通じた国内事業者による情報インフラの整備や、経済安全保障推進法に基づく情報インフラ役務の安定的な提供の確保に取り組んでまいります。
 脱炭素政策の見直し、メガソーラーや風力発電の開発抑制についてお尋ねがございました。
 気候変動は人類共通の喫緊の課題です。我が国は、本年二月に、パリ協定の一・五度目標と整合的で野心的な新たな温室効果ガス削減目標を国連に提出しております。この目標の実現に向けて取り組んでまいります。
 GX政策は、脱炭素だけを目的としたものではなく、エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現に向け、官民で投資を拡大する取組でございます。
 再生可能エネルギーにつきましては、GX予算も用いながら、地域の理解や環境への配慮を前提に導入を進めます。
 メガソーラーにつきましては、全国各地において、森林伐採や不適切な開発による環境破壊、災害リスクなどの懸念が見られる事例が生じております。安全、景観、自然環境などに関係する規制の総点検を行い、不適切なメガソーラーを法的に規制する施策を実行してまいります。
 いずれにせよ、エネルギーの安定的で安価な供給を実現することで、国民生活及び国内産業を持続させて、更に日本の立地競争力を強化してまいります。
 新型コロナワクチン政策の方針と施策の検証に必要なデータの開示についてお尋ねがございました。
 新型コロナワクチンを定期接種に位置付けるに当たっては、審議会でその有効性、安全性を科学的知見に基づき評価するなど、継続的に評価しております。現時点では重大な懸念は認められていません。引き続き、各国の動向も踏まえつつ、科学的知見を収集するとともに、新たな知見が得られた場合には必要な対応を検討してまいります。
 また、政府としましては、予防接種の安全性、有効性を迅速に分析する基盤として、外部の研究者へのデータ提供も視野に入れて予防接種データベースの整備を進めており、令和八年度以降の運用開始を目指しております。これまでの新型コロナワクチン接種の記録も含め、安全性及び有効性に関する科学的知見を継続的、安定的に収集、評価することが可能となるものであります。整備に向けてしっかり取り組んでまいります。
 感染症対策における言論統制についてお尋ねがございました。
 新型コロナ対応につきましては、これまで、新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議などで振り返りを行い、昨年七月に新型インフルエンザ等対策政府行動計画の全面改定を実施しました。政府行動計画におきましては、その時点で得られた科学的知見等に基づく情報を繰り返し提供、共有するなど、国民の皆様が正しい情報を円滑に入手することができるよう適切に対処すること、SNS等のプラットフォーム事業者が行う取組に対して必要な要請、協力等を行うことなどが記載されています。
 なお、政府としましては、次の感染症危機に備え、国民の皆様が科学的知見等に基づく正しい情報を円滑に入手できるよう、政府行動計画に基づき対応してまいりたいと考えております。
 外国人の受入れ及び人口減少についてお尋ねがありました。
 人口減少に伴う人手不足の状況において、外国人材を必要とする分野があることは事実でございます。この育成就労制度や特定技能制度というのは、こうした人手不足の分野に関して外国人の方々に適切に活躍いただくための制度であり、受入れ上限数を設定するなどして適切に運用していく考えです。また、一昨日設置した外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議において指示をいたしましたように、今後の外国人の受入れの基本的な在り方に関する基礎的な調査検討を進めてまいります。
 また、少子化対策も重要です。こども未来戦略の加速化プランに基づき、若い世代の所得向上、全ての子供、子育て世帯を対象とする支援の拡充、働きながら子育てしやすい環境の整備を進めてまいります。
 国民性や道徳規範にも軸足を置いた教育についてお尋ねがございました。
 我が国におきましては、公共の精神を尊び、国家、社会の形成に主体的に参画する国民や、我が国の伝統と文化を基盤として国際社会に生きる日本人の育成等を目指し、教育の基本理念である教育基本法の改正を行っております。改正当時の答弁担当大臣の一人でもありました。
 これに伴いまして、学校教育におきましては、小中学校で特別の教科道徳、高校で必修科目、公共を設けるなど、豊かな道徳心を培い、国家、社会の形成者として必要な資質、能力の育成に向け取り組んでおります。改正教育基本法などの趣旨を踏まえながら、適切な学校教育が行われるよう対応してまいります。
 防衛予算の使途についてお尋ねがございました。
 一層急速に厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、我が国として主体的に防衛力の抜本的強化を進めていくことが必要です。そのため、まずは現行の国家安全保障戦略に定める対GDP比二%水準を前倒しして措置するとともに、国家安全保障戦略を始めとする三文書改定の検討を開始することといたしました。
 令和七年度予算に追加で必要となる経費につきましては、現下の安全保障環境を踏まえ、例えば自衛隊の人的基盤の強化、ドローン対処器材の整備などの自衛隊の活動基盤の強化、そして自衛隊の運用態勢の早期確保などに必要な経費の計上を考えております。
 また、政府として、今後の防衛力の具体的な内容や、これを実現するための防衛費の水準についても、我が国の主体的な判断の下、これを具体的かつ現実的な議論を積み上げて示していくということになります。
 例えばですが、今後、無人機の大量運用を始めとする新しい戦い方や長期戦に耐え得る継戦能力の必要性を踏まえた上での検討を進めていくことが重要だと考えております。ロシアによるウクライナ戦略により、各国、今無人機の大量運用、こういった新しい戦い方や継戦能力、ここに重きを置いてきていると承知をいたしております。
 憲法改正についてお尋ねがございました。
 憲法改正につきましては、憲法審査会や各党各会派における御議論を尊重する立場から、内閣総理大臣としてのお答えは差し控えますが、自民党総裁としてあえて申し上げますと、お尋ねの緊急事態条項というのは、この度の日本維新の会との合意に挙げられているほか、自民党としても以前から改正実現に向けて取り組んでいるテーマの一つでございます。緊急事態に際して、国民の命と暮らしを守り抜くために重要な項目だと考えております。
 以上です。ありがとうございます。(拍手)
    ─────────────

発言情報

speech_id: 121915254X00420251106_013

発言者: 高市早苗

speaker_id: 24045

日付: 2025-11-06

院: 参議院

会議名: 本会議