高市早苗の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(高市早苗君) 渡辺猛之議員の御質問にお答えいたします。
 責任ある積極財政についてお尋ねがございました。
 この内閣では、経済あっての財政の考え方を基本とし、強い経済を構築するため、戦略的に財政出動を行います。これにより、所得を増やし、消費マインドを改善し、事業収益が上がり、税率を上げずとも税収を増加させることを目指してまいります。この好循環を実現することによって、国民の皆様に景気回復の果実を実感していただき、不安を希望に変えてまいります。
 こうした道筋を通じ、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高の対GDP比を引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保してまいります。
 中小企業の生産性向上と賃上げ促進、働き方改革についてお尋ねがありました。
 物価上昇を上回る賃上げが必要ですが、それを事業者に丸投げしてしまっては事業者の経営が苦しくなるだけです。継続的に賃上げできる環境を整えることこそが政府の役割です。
 このため、取引適正化の徹底や設備投資を通じた生産性向上支援に加え、事業承継、MアンドAの環境整備、更なる取引適正化に向けた施策を総動員し、賃上げに向けて経営する中小企業・小規模事業者を強力に後押ししてまいります。
 働き方改革につきましては、私から厚生労働大臣など関係大臣に対して、心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討を行うことについて指示をしたところです。
 様々な御意見をお伺いしつつ、働き方の実態とニーズを踏まえ、検討を深めてまいります。
 米政策についてお尋ねがありました。
 国民の主食である米の安定供給は、食料安全保障の観点から不可欠であります。そのためにも、生産者の再生産が可能で、かつ消費者にも理解が得られるような価格水準に落ち着いていくことが重要でございます。
 このため、やはり需要を増やしていかなきゃいけません。輸出の促進ですとか米粉の消費拡大など国内外の需要拡大に取り組みつつ、生産者自らの経営判断により生産に取り組みやすい環境を整備するなど、米の安定供給に必要な取組を推進してまいります。
 その上で、米も含めた足下の物価高に対しては、影響を受ける生活者に対し、地域の実情に合った的確な支援をお届けできるように、重点支援地方交付金の拡充などについて検討の指示をしたところでございます。
 森林・林業政策についてお尋ねがありました。
 我が国の森林は、今まさに利用期でございます。切って、使って、植えて、育てるという森林資源の循環利用を図り、各地域の林業の活性化と温室効果ガスの二〇五〇年ネットゼロの実現につなげていくことが重要です。
 このため、多様な林業の担い手の育成、確保、スマート林業の推進、高性能林業機械の導入などによる効率化、省力化、木材加工流通施設の整備や中高層建築物の木造化などによる国産材の需要拡大など、川上から川下までの総合的な取組を講ずることにより、我が国の貴重な財産である森林の持続的な循環利用を図ってまいります。
 地域未来戦略における、若者や女性にも選ばれる地域づくりについてお尋ねがありました。
 若者や女性にも選ばれる地域とするためには、各地域で魅力的な職場を創出することが重要です。そのために、地域を超えたビジネス展開を図る中堅企業を支援し、大胆な投資促進策とインフラ整備を一体的に講ずることで地方に大規模な投資を呼び込み、地域ごとに産業クラスターを戦略的に形成していくことで地域未来戦略を推進します。
 また、若者や女性を含めて地方に住み続けられるようにするためには、質の高い教育を始め、必要な行政サービスがしっかり受けられるよう措置を講じてまいります。
 憲法改正についてお尋ねがございました。
 憲法改正については、内閣総理大臣としては、憲法審査会における党派を超えた建設的な議論が加速するとともに、国民の皆様の間での積極的な議論が深まっていくことを期待いたしております。
 その上で、自民党総裁として申し上げます。
 先般の日本維新の会との連立合意書においても、憲法改正に向けた取組が盛り込まれました。お尋ねの合区解消・地方公共団体というテーマは、自民党として実現に取り組んでいる改正テーマの一つです。大切に考えております。
 今後、これまでの論点整理、議論の蓄積を踏まえながら、各会派の協力も得ながら改正案を発議し、これは少しでも早く憲法改正の賛否を問う国民投票が行われる環境をつくっていけるよう、私も粘り強く取り組んでまいります。
 我が国の経済安全保障政策についてお尋ねがございました。
 我が国の経済安全保障の取組は、特定の国を念頭に置いたものではありませんが、御指摘のレアアースなどの重要鉱物を含めたサプライチェーンの強靱化は極めて重要な課題の一つです。
 さきの日米首脳会談において、私とトランプ大統領との間で御指摘の文書に署名をし、レアアースを含む重要鉱物に関する日米サプライチェーン強靱化に向けた協力を確認しました。米国を始めとした同志国との連携の下、鉱山開発や製錬設備への出資、助成金支援により、代替供給源の確保を加速していきたいと考えております。
 今後とも、我が国の自律性を向上させ、優位性、不可欠性を確保する観点から、同盟国、同志国との連携を推し進めるとともに、経済安全保障推進法に基づく重要物資の安定供給確保や重要技術の研究開発の育成の支援などを強力に実施して、我が国の経済安全保障の確保を図ってまいります。
 防衛力の抜本的強化に向けた決意についてお尋ねがありました。
 前回三文書を改定した二〇二二年と比べますと、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序への挑戦が勢いを増すとともに、インド太平洋では、中国、北朝鮮の更なる軍事力の増強や、中国とロシア、ロシアと北朝鮮の連携強化などが見られます。各国は、ロシアによるウクライナ侵略を教訓にして、無人機の大量運用を含む新しい戦い方や長期戦への備えというものを急いでおります。
 我が国も、安全保障環境の変化が様々な分野で加速度的に生じているということに適切に対応しなければなりません。強い覚悟を持って、我が国の独立と平和、国民の皆様の命と平和な暮らしを守り抜くため、我が国自身の主体的判断に基づいて防衛力の抜本的強化を進めていくことが重要です。
 ですから、まずは現行の国家安全保障戦略に定める対GDP比二%水準を前倒しして措置するとともに、国家安全保障戦略を始めとする三文書の来年中の改定を目指し、検討を進めてまいります。
 日韓、日中首脳会談の成果についてお尋ねがございました。
 韓国につきましては、APEC首脳会議の機会を捉え、李在明大統領と首脳会談を行い、現下の戦略環境における日韓関係、日、韓、米、日韓米連携の重要性について一致いたしました。
 大統領との間では、隣国ゆえの立場の異なる諸懸案はありますが、これらをお互いに管理して、国交正常化以来これまで築かれてきた日韓関係の基盤に基づき、日韓関係を未来志向で安定的に発展させていくということで一致しました。今後は、シャトル外交の実施を含め、両政府間で緊密に意思疎通をしていく考えでございます。
 中国につきましては、習近平主席との間で、戦略的互恵関係の包括的な推進と建設的かつ安定的な関係の構築という日中間の大きな方向性を確認するとともに、諸懸案についても議論をしました。先ほど御紹介いただいたとおりです。懸案や意見の相違があるからこそ、首脳間で直接かつ率直に対話することが重要でございます。今回の会談を、日中両国が様々な課題や協力に取り組んでいくきっかけとしていこうと考えています。
 スパイ防止法及び国家情報局の設置などについてお尋ねがありました。
 戦後最も厳しく複雑な安全保障環境において、政府全体のインテリジェンスに関する国家機能の強化が急務でございます。
 渡辺議員御指摘のとおり、今年の五月、私は自民党の治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会長としまして、公的部門における治安力の強化の一環として、情報力の強化についての提言をまとめました。今回の自民党と日本維新の会との連立政権合意には、国家情報局の創設、スパイ防止関連法制の検討などが盛り込まれております。
 政府としましては、与党と緊密に連携しながら、御指摘のあった点も含めて早急に論点を整理し、検討を進めてまいります。
 外国人政策についてお尋ねがありました。
 政府においては、一昨日、外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議を設置しました。
 渡辺議員御指摘のとおり、外国人政策においては、国民の皆様が感じておられる不安や不公平感をしっかりと受け止め、国民とあと我が国で生活する外国人の双方にとって安全、安心な秩序ある共生社会を実現することが重要だと考えております。秩序ある共生社会実現のため、新たな担当大臣の下、与党における御議論も踏まえて、政府一体で検討を進めてまいります。
 米国の関税措置に対応するための経済対策と補正予算についてお尋ねがありました。
 七月二十二日の日米間の合意に基づいて、当初課されていた追加関税からは引き下げられ、経済主体の予見可能性は高まったものの、引き続き関税は残っておりますので、我が国経済に対する影響をよく把握、分析して、必要な措置を講ずる考えでおります。
 既に策定を指示している経済対策のうち、第三の柱において、米国関税への対応として、中小事業者向けの資金繰り支援等、事業者の状況やニーズに応じた多様な支援メニューを用意して影響の緩和に万全を期すこととしております。施策の具体化に取り組み、速やかに経済対策を取りまとめ、必要な補正予算を本国会に提出いたします。
 私の情報発信の在り方についてお尋ねがございました。
 国民の皆様に私自身の日常に関する正確な一次情報を分かりやすくお伝えすることは重要であると認識しております。
 私自身、各国首脳を始めとする直接お目にかかった方々の率直な印象を写真を添えて発信することで、世界の日本への期待を国民の皆様に直接お届けをしました。また、世界の真ん中で咲き誇る日本人アスリートの皆様にいただいた夢と希望を共有し、日本人の底力を信じてやまない者としての思いを国民の皆様にお伝えしたりもいたしました。
 また、この政権で取り組む政策についても、首相官邸ホームページやSNSを活用して、記者会見や閣僚会議などにおける私の発言を動画、テキストなどで分かりやすく積極的に発信していきたいと思っております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣牧野たかお君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 高市早苗

speaker_id: 24045

日付: 2025-11-06

院: 参議院

会議名: 本会議