高市早苗の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(高市早苗君) 伊藤孝恵議員の御質問にお答えいたします。
 扶養控除についてお尋ねがありました。
 扶養控除は、親族の扶養に伴う担税力の減殺を踏まえて設けられているものであります。扶養親族の各類型の特徴やその他の支援策等との関係を踏まえ、その対象や控除額が設定されています。
 その上で、高校生年代の扶養控除については、令和六年度、令和七年度の与党税制改正大綱において、児童手当を始めとする子育て関連施策との関係や所得税の所得再配分機能等の観点等を踏まえつつ、令和八年度以降の税制改正において結論を得るものとされており、現在、与党税制調査会で御議論されているものと承知をしております。
 また、所得再分配機能の確保について、税率構造を含めて調整するべきではないかとのお尋ねですが、今後の所得税の在り方については、令和七年度税制改正法の附則において、政府は、我が国の経済社会の構造変化を踏まえ、各種所得の課税の在り方及び人的控除を始めとする各種控除の在り方の見直しを含む所得税の抜本的な改革について検討を加えるとされており、政府として適切に対応してまいりたいと考えております。
 いわゆる年少扶養控除等についてお尋ねがありました。
 十六歳未満を対象としたいわゆる年少扶養控除は、税負担軽減効果が低所得者に比べ高所得者に大きくなる制度でした。そうした点を踏まえ、平成二十二年度税制改正において、所得控除から手当へという考え方の下、子ども手当の創設に伴い所得控除が廃止された経緯がございます。年少扶養控除を再び導入すべきか否かについては、こうした経緯等もよく踏まえる必要があると考えております。
 高校生年代の扶養控除については、私から縮減に関する指示を出してはおりませんが、一昨年に児童手当の拡充が決定されて以降の検討事項となっておりますため、現在、与党税制調査会で御議論されているものと承知しております。
 子育て支援につきましては、政府として、こども未来戦略の加速化プランに基づき、結婚や出産、子育てについて希望をかなえられる環境整備を強力に進めており、高市内閣でもこうした取組を進めてまいります。
 学校基本調査における大学進学率の算出についてお尋ねがありました。
 共生社会の実現は非常に重要であると考えます。そのような中で、大学進学率の算出において特別支援学校の生徒のデータが含まれていなかったことは誠に申し訳なく思います。
 現在、文部科学省において経緯や理由を把握していないため、その確認も含め鋭意見直しを進めており、その結果について可能な限り速やかに公表してまいります。
 障害児福祉についてお尋ねがありました。
 障害のある子供が十八歳を迎えた後も地域で安心した暮らしができるよう、障害者総合支援法に基づく生活介護サービスなどで支援をしています。令和六年度報酬改定では、夕方のニーズに対応するため時間を延長して支援を行った場合の加算を拡充しており、必要な支援に努めてまいります。
 また、議員立法については国会で御議論いただくものと承知しておりますが、障害児福祉については所得に応じて利用者負担をいただく応能負担の制度としており、これまで三歳から五歳の福祉サービスの利用者負担を無償化するなどの見直しを行ってきました。
 全額公費による現金給付である特別児童扶養手当等の所得制限は、障害児の生活の安定に寄与するよう必要な範囲で支給するという制度趣旨や、他の所得制限を有する制度との均衡を踏まえたものです。障害児への必要な支援の実施状況や制度の持続可能性等を踏まえつつ、適正に運用してまいります。
 インフレ下における家計への支援についてお尋ねがありました。
 この内閣が最優先で取り組むべきことは、国民の皆様が直面している物価高への対応です。
 足下の物価高に対しては、早期に効果が見込まれる施策として、一人二万円から四万円の所得税減税、年末のいわゆるガソリンの暫定税率廃止までの間、既存基金を活用した補助を年内から進めています。
 加えて、今般の経済対策等において、いわゆるガソリン税、軽油引取税の暫定税率の廃止、寒さの厳しい冬の間の電気・ガス料金の支援、物価高の影響を強く受ける子育て世帯のための物価高対応子育て応援手当、地域のニーズにきめ細かく対応し、子育て世帯や食料品価格高騰への支援などに用いることも可能な重点支援地方交付金の拡充、基礎控除を物価に連動した形で更に引き上げる税制措置等を盛り込んでおり、暮らしの安心を確実かつ迅速にお届けしていきます。
 こうした取組は、物価高の影響が長期化し、その影響が様々な人々に及ぶ中、全ての国民の皆様への言わば還元であります。特にその影響を強く受ける子育て世帯への支援など、きめ細かく対応していくことが重要であると考えております。責任ある積極財政の考え方の下、日本の供給構造を強化しながら、物価高を更に加速させることがないよう、戦略的に財政出動を行ってまいります。
 重点支援地方交付金及び給付金事業についてお尋ねがございました。
 重点支援地方交付金については、地方公共団体において地域の実情に応じて効果的に御活用いただき、速やかに必要な支援が国民の皆様に行き届くよう、国としても、推奨事業メニューの内容や交付限度額の目安についてお伝えし、可能な限り年内での予算化に向けた検討をお願いしているところです。加えて、関係省庁から優良な活用事例等の情報提供を行うなど、地方公共団体に対し、迅速かつ効果的な活用が図られるよう、丁寧にサポートをしているところです。
 また、給付金事業については、今般の物価高対応子育て応援手当の支給に当たって、児童手当の受給者情報を活用した上で、支給事務に要する費用を全額国が負担することとしております。
 これらの事業は地方公共団体の自治事務として実施していただくものですが、できるだけ御負担を軽減できるよう、国として必要な支援を行ってまいります。
 あわせて、重点支援地方交付金の事後検証につきましては、これまでも各地方公共団体において効果検証を行うよう求めるとともに、国としても事業の実施状況を把握し、効果検証を行ってきているところです。
 いずれにしましても、会計検査院による検査も含めて、必要な事後検証がなされることは重要であると認識をしております。
 補正予算における基金や予備費等の妥当性や、補助金等の見直しについてお尋ねがありました。
 令和七年度補正予算で措置した基金については、いずれも基金とすることにより安定的かつ効率的に事業が実施されることで今回の経済対策の実現に資するものであり、かつ補正予算の要件である緊要性が認められたものについて、適切に予算措置を行ったものです。
 その上で、基金残高はそれぞれの政策的必要性に基づいて保有されているものであり、残高を裏付けとした事業採択や交付決定等を行う上で必要な資金であると考えていますが、御指摘の観点も含め、基金残高が適正なものとなっているか不断に検証し、必要な見直しを行ってまいります。
 今般の予備費の追加につきましては、リスクへの備えとして、今後仮に、自然災害の発生、更なる物価高、熊被害の拡大などといった事態が生じた場合の予期せぬ財政需要に迅速に対応し、暮らしの安全、安心等を確保するために十分な額を措置するものです。その予備費の使用に当たっては、執行状況の公表等を通じて、その効果の説明を十分に尽くしてまいりたいと思っております。
 先般設置されました租税特別措置・補助金見直し担当室におきましては、今後、租税特別措置や基金も含めた補助金等について見直しを行っていきますが、具体的な点検内容や点検方法については、これまでの会計検査院の指摘なども参考にしつつ、しっかりとした成果を上げられるよう、今後、担当の片山大臣を中心に検討してまいります。
 いわゆるガソリンの暫定税率廃止と補助金事業に関する政策や費用対効果についてお尋ねがありました。
 燃料油価格の激変緩和対策事業については、そのときの経済状況等に応じて随時補助金額を調整してきました。そのため、いわゆるガソリンの暫定税率の廃止と費用や効果を単純に比較することはできませんが、ガソリンのほか、灯油や重油についても価格抑制の対象にできる点、迅速かつ臨機応変に価格抑制を図ることができる点、補助の仕組みを調整することにより買い控え等による流通の混乱を防ぐことができる点など、税制による対応よりも柔軟性が高く、原油価格の動向や取引環境等も踏まえながらきめ細やかに対応できる面もあるため、あくまで緊急避難的な一時的措置として実施をしてまいりました。
 いずれにしましても、租税特別措置、補助金見直しにつきましては、令和八年度予算編成、税制改正から見直しを開始し、令和九年度予算編成、税制改正においては要求段階から査定段階まで一貫した対応を行う方針であります。
 御指摘の点も含めた具体的な進め方については、こうした取組が進められる中で、担当の片山大臣を中心に、与党とも相談しながら検討をしてまいります。
 いわゆる年収の壁についてお尋ねがありました。
 所得税の控除が定額であるために物価上昇局面に実質的な負担増が生じるという所得税の課題については、国民民主党、公明党、自民党の三党の幹事長間で結んだ公党間の約束である三党合意も踏まえつつ、本年末までの令和八年度税制改正プロセスにおいて、基礎控除を物価に連動した形で更に引き上げる税制措置の具体化を図ることとしております。
 その上で、働き控えを解消するために、どのような所得階層にどのように手当てすることで減税の恩恵が届くようにするかといった点について議論を深める段階に来ていると考えております。現在、与党税制調査会などでも御議論されているものと承知しておりますが、今後、一緒に関所を乗り越えていけるよう取り組んでまいります。(拍手)
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発言情報

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発言者: 高市早苗

speaker_id: 24045

日付: 2025-12-08

院: 参議院

会議名: 本会議