飯泉嘉門の発言 (憲法審査会)

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○飯泉委員 国民民主党の飯泉嘉門でございます。
 国民民主党では、前回、玉木代表から意見表明をいたしました。改憲項目につきましては、衆議院で一定の積み上げがやられております緊急事態、選挙困難時における議員の任期の延長について、また、参議院において大変今議論が進んでおります合区の解消、いわばこれら選挙制度に関わる、つまり民主主義の基盤整備、この二つのテーマを優先すべき、このように考えております。
 本日は、そのうち参議院の合区の解消について意見を表明をさせていただきます。
 私は、全国知事会を代表いたしまして、平成二十八年十一月、合区解消のための憲法改正並びに法律改正の案を取りまとめ、衆参議長、また憲法審査会会長、さらには各党の代表の皆様方に説明をさせていただくとともに、参議院改革協議会の参考人招致にも応じさせていただきました。
 さて、平成二十八年七月の十日、憲政史上初となる、参議院通常選挙が合区によってなされたところであります。
 では、これによって何が起こったのか。鳥取県からは参議員を出すことができず、三年後は鳥取県から参議院議員がいなくなってしまう、絶望にも近い声が聞かれたところであります。また投票率、高知県が全国最下位、徳島県がブービー、さらに、徳島県はその後、昨年の選挙まで全て最下位となったところであります。
 では、どうしてこんなことが起こってしまったのかであります。
 実は、従来、一票の格差をめぐる訴訟、いわゆる定数訴訟が提起をされた場合、例えば五倍を超える場合であっても合憲の判決が下されました。
 その根拠となったのは、昭和五十八年四月二十七日の最高裁大法廷の判決であります。こちらのポイントでは、憲法が二院制を採用していることを踏まえ、政治的なまとまりを有する都道府県を単位、例えば、医師会、弁護士会、経済団体などあらゆる団体、組織が都道府県単位で政治的合意形成をしており、参議院独自の選挙制度には合理性があり、事実上都道府県代表的意義を有していたとしても、議員が国民の代表的性格を持つこととは矛盾をしない、たとえ投票の価値の平等が一定の限度で譲歩を求められたとしても、こちらは憲法違反とは言えない、このような判決でありました。
 しかし、この判決が覆ったのが、平成二十二年七月の参議院選挙に係る定数訴訟であります。
 衆参のねじれ国会を受けて、参議院が衆議院とほぼ同等の権限を持つことを指摘をされ、投票の価値、格差五・〇〇倍は違憲状態とされ、立法府に対し、違憲状態を速やかに解消すべきであると強く求められたところであります。ポイントとしては、憲法上、都道府県の位置づけがないこと、国、地方との関係において都道府県の役割も明文化をされていない、よって、投票の価値の平等という憲法上の原則を優先すべきとのことでありました。この要請に立法府が対応したのが合区でありました。
 ただし、皆様方、是非覚えておいていただきたいと思います。つまり、この合区は緊急避難措置であるということ、十年たった今もなお改善されていないことを決して忘れないでいただきたいと思います。まさに立法府の怠慢とのそしりを免れ得ないところであります。
 しかも、これに追い打ちをかけるのが五年ごとの国勢調査であります。明日、五月の二十九日、令和七年の国勢調査が総務省の方から速報値として発表がなされ、既に前回国勢調査では、福井県を基軸とする一票の格差は違憲状態の三倍を超えたところであります。
 そこで今回、福井県とその次になる山梨県はほぼ合区対象に当確と言っても過言ではない。そして、これらはしかも飛び地となっていることから、例えば、福井県は隣接をする石川県と、山梨県は隣接する長野県との合区が濃厚となります。
 しかし、これまでの四県はほぼ人口が同じであった。しかし、これらの組合せは人口比が約二倍。つまり、福井県と山梨県から参議院議員は出すことが困難となり、新たな合区となる福井県、山梨県では投票率が激減することは必至となるところであります。
 まさに合区は、国民が選挙に参加しづらくなる、国民主権に抵触しかねない制度。今こそ憲法に都道府県を位置づけ、また参議院の特色を地方の府として明記をし、合区を解消すべきであります。
 さて、これまでの審議と五月二十四日に行われましたNHKの「日曜討論」を拝見して、以下二点申し上げたいと思います。
 まずは、合区の解消には法改正のみで十分である、この御意見であります。
 全国知事会におきましても、憲法附属法と言われる国会法の改正、あるいは定数増や大選挙区制限連記制など公職選挙法の改正を提案をいたしましたが、違憲訴訟、あるいは、国民の皆さん方、つまり世論の批判は免れ得ず、結果としては憲法改正しかないのであります。
 また、維新の皆様方に是非この機会にお聞きをしたいと思います。
 先ほども、合区は優先課題ではない、このように言われておりますが、かつて全国知事会で合区解消の決議を私が取りまとめる際、当時の大阪府松井知事さんの方から反対であるとの表明がなされ、その理由として、国会は一院制であるべき、また、行政の無駄をなくすために、都道府県ではなく、大ぐくりである道州制を導入すべきであり、合区はその一里塚とのことでありました。しかし、現行憲法上は二院制であり、いまだ道州制も導入されていないところであります。是非、次回御説明をいただければありがたいと思います。
 合区の制度は、投票率の激減から、対象県の国民の参政権に大きな支障を来し、憲法三大原則であります国民主権を揺るがしかねず、都道府県間に大きな格差を生む制度であります。しかも、国政選挙の改正、周知期間は一年間、よって、来年の七月までには憲法改正がなされなければ、次回の参議院選挙は再び合区、いや、対象県を増やしての合区となります。これでよいのか。我々はまさに今問われているところであります。
 どうぞ憲法改正での合区解消に是非御協力をいただきたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 飯泉嘉門

日付: 2026-05-28

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会