農林水産委員会
⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。
会
会議録情報#0
昭和四十一年二月十七日(木曜日)
午前十一時開会
—————————————
委員の異動
二月十二日
辞任 補欠選任
田村 賢作君 大竹平八郎君
櫻井 志郎君 西郷吉之助君
二月十四日
辞任 補欠選任
大竹平八郎君 田村 賢作君
西郷吉之助君 櫻井 志郎君
—————————————
出席者は左のとおり。
委員長 山崎 斉君
理 事
野知 浩之君
和田 鶴一君
武内 五郎君
渡辺 勘吉君
宮崎 正義君
委 員
梶原 茂嘉君
小林 篤一君
櫻井 志郎君
田村 賢作君
任田 新治君
仲原 善一君
温水 三郎君
森部 隆輔君
八木 一郎君
大河原一次君
中村 波男君
矢山 有作君
北條 雋八君
国務大臣
農 林 大 臣 坂田 英一君
政府委員
農林政務次官 後藤 義隆君
農林大臣官房長 大口 駿一君
農林大臣官房予
算課長 大河原太一郎君
農林省農林経済
局長 森本 修君
農林省農政局長 和田 正明君
農林省農地局長 大和田啓気君
農林省畜産局長 桧垣徳太郎君
農林省蚕糸局長 丸山 文雄君
農林省園芸局長 小林 誠一君
農林水産技術会
議事務局長 久宗 高君
食糧庁長官 武田 誠三君
林野庁長官 田中 重五君
水産庁長官 丹羽雅次郎君
事務局側
常任委員会専門
員 宮出 秀雄君
—————————————
本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
(昭和四十一年度農林省関係の施策及び予算に
関する件)
—————————————
この発言だけを見る →午前十一時開会
—————————————
委員の異動
二月十二日
辞任 補欠選任
田村 賢作君 大竹平八郎君
櫻井 志郎君 西郷吉之助君
二月十四日
辞任 補欠選任
大竹平八郎君 田村 賢作君
西郷吉之助君 櫻井 志郎君
—————————————
出席者は左のとおり。
委員長 山崎 斉君
理 事
野知 浩之君
和田 鶴一君
武内 五郎君
渡辺 勘吉君
宮崎 正義君
委 員
梶原 茂嘉君
小林 篤一君
櫻井 志郎君
田村 賢作君
任田 新治君
仲原 善一君
温水 三郎君
森部 隆輔君
八木 一郎君
大河原一次君
中村 波男君
矢山 有作君
北條 雋八君
国務大臣
農 林 大 臣 坂田 英一君
政府委員
農林政務次官 後藤 義隆君
農林大臣官房長 大口 駿一君
農林大臣官房予
算課長 大河原太一郎君
農林省農林経済
局長 森本 修君
農林省農政局長 和田 正明君
農林省農地局長 大和田啓気君
農林省畜産局長 桧垣徳太郎君
農林省蚕糸局長 丸山 文雄君
農林省園芸局長 小林 誠一君
農林水産技術会
議事務局長 久宗 高君
食糧庁長官 武田 誠三君
林野庁長官 田中 重五君
水産庁長官 丹羽雅次郎君
事務局側
常任委員会専門
員 宮出 秀雄君
—————————————
本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
(昭和四十一年度農林省関係の施策及び予算に
関する件)
—————————————
山
山崎斉#1
○委員長(山崎斉君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
農林水産政策に関する調査を議題とし、まず農林水産基本政策について農林大臣の所信を聴取し、続いて、昭和四十一年度農林関係予算の説明を聴取することにいたします。坂田農林大臣。
この発言だけを見る →農林水産政策に関する調査を議題とし、まず農林水産基本政策について農林大臣の所信を聴取し、続いて、昭和四十一年度農林関係予算の説明を聴取することにいたします。坂田農林大臣。
坂
坂田英一#2
○国務大臣(坂田英一君) 今国会に提出いたします農林省関係の予算及び法律案につき、各位の御協力を得て御審議をいただくにあたりまして、農林水産業に対する施策について所信を申し述べたいと存じます。
まず、最近における農業の動向にかんがみ、農政推進にあたっての私の考えの基本について申し上げます。
その第一は、国民食糧の安定的供給をいかにして確保するかということであります。国民所得水準の上昇、国民生活の向上に伴って、農産物に対する需要は堅調を持続しております。特に食糧需要は畜産物、果実、野菜等を中心に強いものがあり、今回の景気調整下においても、これまでのところ大きな影響は受けていないものと思われます。
これに対し、農業生産は、選択的拡大の方向を強めつつ、おおむね順調に推移してまいりましたが、最近において、増大する農産物の需要に対し生産が必ずしも対応し得ない面も生じ、これに流通機構の不備も加わって、農産物特に生鮮食料品の価格の上昇、変動が生じ、他方では農産物輸入が増大する傾向にあります。
今後も農業労働力の減少傾向や第二種兼業農家の増大等に伴って作業の粗放化、裏作の不作付け等土地利用率の低下、耕地の壊廃の増大等が予想されることを考慮いたしますと、増大する農産物需要に対応して、農業の生産性の向上をはかりながら、農業総生産の維持増大に努めることにより、食糧その他農産物の効率的かつ安定的な供給を確保することが、国民生活の安定と農業所得の維持増大をはかる観点から強く要請されているところであります。
このような見地から、長期的な観点にたって、農業生産基盤の整備を促進いたしますとともに、農産物の生産及び流通対策の拡充強化をはかる必要があると存じます。
第二は、農業の生産性と農業従事者の所得をいかにして向上させるかということであります。
農業労働力の引き続いての減少のもとで、農業における機械化の進展等省力技術の導入普及、土地改良事業による土地及び水の条件の整備等により、農業の生産性はおおむね順調に伸びてきております。
しかしながら、農業と非農業との生産性及び所得の格差は、三十九年度には他産業における伸び悩みもあって、若干改善されたとはいえ、現在なおかなりの開きがある状況にあります。
農業の生産性及び所得の格差の是正をはかるためには、国民経済各部門の均衡のとれた安定成長を確保することが肝要であることはもちろんでありますが、これと同時に、今後の農業労働力をめぐる諸情勢に対処しつつ、さらに農業生産性の一そうの向上をはからなければなりません。このためには、新技術の開発普及をはかるとともに、生産性の向上を主導していけるような農業経営の育成強化をはかることが必要であると考えられます。
この場合、生産性が高く、農業で他産業従事者と均衡する生活を営むことができるような所得を上げ得る自立経営農家をできるだけ多く育成するとともに、農家全体の約四割を占める第二種兼業農家についても、経営の実情に即しつつ、技術の導入普及、機械の共同利用、農協等による農作業の共同化等の推進により生産性の向上と農業所得の増大をはかっていくこととし、このため、生産対策や構造対策の一そうの推進をはかってまいる所存であります。
第三は、どのようにして農村の環境を整備し、農業従事者の福祉の向上をはかるかということであります。
農村は、都市に比べて、従事者の所得、生活水準が低位にあるほか、生活環境や社会環境の面でも著しく立ちおくれております。また、社会保障制度が十分に整備されているとは言いがたいこと等の問題があります。
近時、都市特に過密地帯では、大気汚染、騒音等の弊害が出ているのに対し、そのような憂いのない農村は、生活環境として恵まれた面もあり、農村対策の充実と農家の努力が相伴えば、農村の生活は決して暗いものではないと考えます。農村青少年が農業にとどまらないのも、農業なり農村の将来に希望が持てないことが重要な原因になっていると考えられます。
このような事情に対処し、農業従事者の福祉を向上するため、農業近代化を推進し、農業所得を増大するための施策と相まって、農村青少年が新しい農業経営について魅力と自信を持てるようその養成のための施策を講ずるとともに、立ちおくれた農村環境の整備、充実をはかる等豊かな住みよい農村の実現を目ざして農村対策を充実する必要があります。
なお、ここでわが国農業をめぐる国際情勢の推移をみますと、開放経済体制への移行に伴って、農産物輸入数量制限の撤廃、輸入ワクの増大、関税引き下げ等の国際的要請が一そう強まりつつあります。これに対し、わが国農業の特殊性について諸外国の理解を求め、わが国農業に急激な影響が及ぶことのないように慎重に対処すべきことは申すまでもありませんが、これと同時に、農業構造の改善と生産性の向上をはかり、国際競争力を強化することが、長期的に見てわが国農業の発展をはかるために大切であると考えられるのであります。
次に、林業の動向について申し上げます。近年、林産物特に木材需要は引き続き増加を示しておりますが、国産材の供給がこれに対応し得ず、外材輸入が増加し、木材供給量のうち外材の占める割合は、三十六年以降逐年増大しております。
また、林業の生産性及び林業従事者の所得、生活水準は、他産業に比べて立ちおくれを示しており、林業労働力の他産業への流出が進んでおります。
このような事情に対処して、いかにして林業の総生産の増大と生産性の向上をはかり、あわせて林業所得の向上に資するかということが林業の当面する課題であります。
したがって、林業の生産基盤の整備、構造改善、従事者の福祉の向上等各般にわたる施策を推進して、林業の近代化をはかるとともに、農山村地域の振興に資することが必要であると考えます。
さらに、漁業の動向について申し上げます。近年、水産物の需要は増大を続けておりますが、漁業生産の面においては、主として多獲性魚の漁況不良により、やや停滞ぎみに推移しております。
漁業の生産性及び漁業従事者の所得水準についてみますと、年々上昇を示し、かなり改善されてきておりますが、沿岸漁業従事者の所得水準はなお低位にとどまっており、また、中小漁業の収益性の伸び悩みが見られる等の問題が生じてきております。
他方、水産資源の制約等から国際規制も強化される方向にあり、わが国漁業生産と漁業経営の前途は必ずしも楽観を許さないものがあると考えられます。
このような事情にかんがみ、漁業の近代化を推進するとともに、水産資源の維持増大につとめ、水産物の安定的供給と漁業従事者の地位の向上をはかることが強く要請されております。
以上申し述べましたように、農林漁業の動向とこれをめぐる内外の諸情勢のもとにおいて、農林漁業を近代化して、これを国民経済の健全な一環として育成するとともに、立ちおくれた農山漁村環境の整備をはかる等農山漁村対策を充実することは、単に農林漁業従事者の福祉向上の観点からのみでなく、国民経済の安定した発展と国民生活の調和のとれた進歩向上という観点からもきわめて大切であると存じます。
このような考え方に立って、四十一年度予算におきましても、私は、これらに必要な経費を極力重点的に盛り込むほか、きめこまかい配慮も加えたつもりであります。
以下、四十一年度において講じようとする農林水産業施策の重点について、その概要を申し上げます。
まず第一に、農林漁業の生産基盤の整備を計画的かつ強力に推進する所存であります。
農業につきましては、農産物の需給の見通し、農業技術の発展、農業機械化の方向に即して土地改良事業の計画的な推進をはかるため、土地改良法に基づき、昭和四十年度を初年度として十年間にわたる土地改良長期計画を近く決定するべくその作成を取り進めております。なお、この期間における事業規模としては、二兆六千億円を予定いたしております。
四十一年度におきましては、この計画の趣旨に沿って、圃場整備、農道整備、基幹かんがい排水施設の整備、農用地の開発、農地防災等の諸事業を拡充実施いたしたいと存じます。特に、農道の整備を積極的に進めることとし、農林漁業用揮発油税財源身がわり事業については、林道事業及び漁港関連道整備事業とあわせて、一段と拡充推進する所存であります。
また、土地改良事業の円滑な推進に資するため、国営かんがい排水事業の負担金の償還期間の延長、国営草地改良事業として実施する公共育成牧場の国庫負担率の引き上げ等の措置を講ずることといたしております。
林業につきましては、林道の開設、改良並びに拡大造林に重点を置いた造林を促進するとともに、森林の国土保全機能の強化という観点から新治山五カ年計画に基づき治山事業を拡充実施する所存であります。
漁業につきましては、漁港の計画的な整備を積極的に推進するため局部改良事業の補助率の引き上げ及び事業量の増大をはかるほか、大型魚礁の設置事業を拡充し、また、浅海漁場を開発するための調査を進めたいと存じます。
第二に、農林漁業の構造改善を地域の実情に即して円滑に推進いたしたいと存じます。
農業生産を維持増大し、国民食糧の安定的供給を確保するとともに、農業と他産業との所得格差の是正をはかるためには、兼業農家を含めて農家全体の生産の振興と所得の向上をはかる必要があることはもとよりでありますが、また、農業に専念し農業で生活できる生産性の高い農業経営をできるだけ多く育成することが緊要であると存じます。そこで、第四十八回国会に提案いたしました農地管理事業団の構想をさらに検討いたし、地元農家の要望に基づき、農村らしい農村のすべてにおいてその事業を実施することを目途に、四十一年度には業務実施地域として四百市町村を予定するとともに、未墾地の取得についてのあっせん及び融資を業務の範囲に加える等、当初の構想に修正を加え、御審議をわずらわしたいと考えております。
次に、農業構造改善事業につきましては、四十一年度には、新規事業実施地域として四百八十地域、また計画地域として五百地域を予定いたしております。この事業がそれぞれの地域の実情に即して円滑に推進されるよう十分配慮するとともに、事業の終了を見た地域が逐次増加しておりますので、事業終了後の経営管理面についての指導を強化し、事業成果の確保をはかりたいと存じます。また、農業経済圏における広域の農業近代化施設等の整備に関する計画の作成を引き続き促進する一方、すでに計画の作成された二地域について、パイロット事業として施設整備を助成することといたしております。
林業につきましては、林業構造改善事業の円滑な実施をはかるほか、入り会い林野等の農林業上の利用を増進する観点から、その権利関係の近代化を助成するための立法措置を講じたいと考えております。
漁業につきましては、沿岸漁業構造改善事業について、その計画的な推進をはかるとともに経営近代化促進事業の終了地域の補足整備対策に必要な調査を実施し、また、内水面漁業についても、構造改善に資するための諸事業を推進いたしたいと存じます。
第三に、最近における農産物の需要及び生産の動向にかんがみ、農産物の生産及び流通対策を拡充する所存であります。
まず米につきましては、最近におけるその需給の動向及び農業労働力の減少と兼業化の進行等の情勢にかんがみ、高能率、高反収の経営を育成し、安定的供給の確保につとめたいと存じます。このため、生産基盤の整備を計画的に推進するとともに地力の保全、施肥の合理化、用排水の合理的管理等を促進するほか、機械化営農の推進等をはかり、総合的に稲作生産対策を推進する考えであります。
また、米を初めとする主要食糧の管理につきましては、農家経済及び国民生活の安定にきわめて重要な役割を果たしておりますので、現行食糧管理制度の本旨にのっとり、その適切な運用に十全の努力を払う所存であります。食糧管理の運営のあり方につきましても、食糧の需給事情その他の経済諸情勢に即応し、改善を加えてまいりたいと考えております。
次に、畜産物、野菜、果実等につきまして、その生産の安定的増大と流通の改善のための施策を強化いたしたいと存じます。
まず酪農につきましては、加工原料乳に対する不足払いの実施、国内産牛乳による学校給食の計画的拡大、都道府県及び市町村の酪農近代化計画の樹立促進等既定方針に即して施策を進め、酪農の安定的発展を期してまいる所存であります。特に加工原料乳に対する不足払い制度は、本年四月一日から実施されることとなっておりますが、本制度は、今後のわが国酪農の発展にとって重要なものでありますので、不足払いの財源として畜産振興事業団に交付金を交付するほか、都道府県及び指定生乳生産者団体に対して所要の助成を行なう等の措置を講じ、その適切かつ円滑な運営に遺憾なきを期することといたしております。
次に、肉用牛につきましては、飼養目的の変化に伴い、生産立地の移動、経営形態の変化が見られ、飼養頭数の漸減の傾向があらわれているのであります。政府といたしましては、このような状況にかんがみ、増大する食肉需要に対処して牛肉の安定的供給を確保するため、肉用牛資源の減少を防止して、できる限りその拡大をはかることを基本として、新たに肉用牛繁殖育成センター、肉用繁殖素牛の導入に対する助成を行なう等肉牛対策の積極的展開をはかることといたしております。また、これらの施策とあいまって、牛肉の需給の動向に即応して、牛肉の計画的な輸入を行なうこととし、このため、輸入の国内に及ぼす影響等を考慮して、牛肉輸入のあり方についての検討を行ない、所要の立法措置を講ずる所存であります。
さらに、養鶏につきましては、鶏卵の需給の基調に変化が見られますので、需要の伸びに見合う限度にその生産の拡大を安定させることを基本として、生産者による自主的生産調整を促進するとともに、食鶏につきましても関係種畜牧場の整備等により、優良系統の種鶏の改良普及を推進する考えであります。
次に、野菜および果実対策につきまして申し上げます。まず野菜につきましては、価格の変動が激しく、これが野菜作経営の健全な発展と消費者家計の安定を阻害する大きな要因となっていることにかんがみ、大消費地域を中心にその供給の安定的増大につとめたいと存じます。このため、主要野菜につきまして、大消費地域における需要見通しに即応して野菜の集団産地を育成することとし、野菜指定産地について、対象品目及び産地数の増加、生産及び出荷の近代化の事業の推進とそのための指導体制の整備強化をはかるとともに、価格補てんの事業につきましても、対象品目の追加、国の負担割合の引き上げ等所要の改正を加え、野菜の生産出荷安定事業を制度的に確立してまいる所存であります。
また、果樹につきましては、果樹農業を取り巻く諸情勢の変化に対処し、今後の果樹農業の健全な発展をはかるため、需要の動向に即応した果実生産の計画的かつ安定的な拡大、適地における果樹園経営近代化の計画的推進、果実流通の合理化等の見地から総合的な対策を確立してまいりたいと考えております。
近時、生鮮食料品の価格安定に対する要請が、農林漁業所得の向上の見地からも、国民生活の安定の見地からも、強くなってきております。生鮮食料品の価格の安定をはかりますためには、ただいま申し述べました諸施策を推進することが基本的に重要でありますが、それと同時に、その流通機構の整備をはかることが必要であります。このため、生鮮食料品流通の中核をなす中央卸売り市場につきまして、その施設の計画的整備及び取引の改善合理化を引き続き推進することといたしております。また、水産物については、冷蔵、加工施設の整備、冷凍水産物の普及等の施策を推進するとともに、新たに多獲性魚について冷凍保管と計画的出荷を行なうことにより、価格の安定に資するための事業を試験的に実施いたしたいと考えております。
このほか、蚕糸業につきましては、先般成立を見ました日本蚕糸事業団法に基づき、できる限り早期に日本蚕糸事業団を設立し、本年春蚕期からその業務を開始するように目下諸準備を進めておりまして、今後はこれを軸として、蚕糸業の振興に積極的に努力してまいる所存であります。
なお、以上の諸施策の推進にあたっては、その裏づけとなる技術の高度化をはかることが不可欠であります。このため、試験研究費の大幅な増額、農事試験場の研究組織の整備、遠洋水産研究所の設置その他試験研究体制の整備等により試験研究の拡充強化をはかる所存であります。また、わが国の農業に対する技術研究の分野の拡大と水準の向上に資するともに、今後における熱帯地域等における農業についての技術協力に寄与することを目的として、熱帯農業に関する技術上の試験研究等を積極的に推進することといたしております。
第四に、豊かな住みよい農山漁村の実現を目標として、生産政策、構造政策の推進と並行して、農山漁村の重要性についての十分な認識にたって、農山漁村対策を拡充してまいる所存であります。
まず、農林漁業の近代化と農山漁村の発展を期するには、次代をになう優秀な青少年の育成が肝要であります。このため、農業後継者育成資金を大幅に拡充するほか、新たに都道府県に農村青年活動促進施設を設置し、また、将来農村の指導者たり得る人材を養成するための中央青年研修施設を農林省に設ける等、農山漁村の青少年に対する研修をさらに充実してまいりたいと存じます。
次に、都市にくらべて立ちおくれた農山漁村の生活環境や社会環境の近代化をはかることは、農山漁村対策の重要は課題であります。これに対処して、農林漁業用道路の整備、農家生活改善資金の貸付ワクの拡大、住宅金融公庫の農山漁村住宅資金の拡充をはかるほか、新たに農村環境施設に対して農業近代化資金の融通の道を開き、また、生活環境の近代化に関する巡回相談指導事業を実施する等、諸施策の拡充推進に積極的な努力を傾けてまいる考えであります。
このほか、山村の振興につきましては、山村振興法の趣旨にのっとって、山村振興に対する事業の円滑な実施につとめる所存であります。
この考え方のもとに、振興山村における農林漁業基盤と生活環境の整備のための特別開発事業を実施するとともに、農道、林道等の整備について特に配慮するほか、各種の団体営土地改良事業の採択基準の緩和等の措置を講じ、これらの総合的な推進により、山村の経済力の培養と住民の福祉向上をはかりたいと考えております。
第五に、農林金融の拡充強化をはかる所存であります。
農林漁業の近代化を進める上において金融の果たすべき役割がますます重要となっていることは御承知のとおりであります。
このため、四十一年度におきましては、農林漁業金融公庫資金及び農業近代化資金の貸付ワクを大幅に拡充することといたしております。また農業近代化資金制度につきましては、融資対象を広げ、貸し付け金利を引き下げるほか、農業信用基金協会の債務保証機能を充実強化して農業近代化資金の円滑なる融通をはかるため、新たに農業信用基金協会の債務保証について保険を行なうとともに、その債務保証に必要なる資金の貸し付けを行なうことを内容とする農業信用保険制度を設ける所存であります。
このほか、無利子で貸し付けを行なう農業改良資金の貸し付けワクを一そう増額し、さらに中小漁業者に対する金融の円滑化のため、中小漁業融資保証保険制度における保険料の引き下げ等、その充実をはかることといたしております。
以上のほか、なお特に林業及び水産業に関する施策について若干申し上げます。
林業につきましては、森林資源の確保につとめるとともに、国土の保全等の施策についてもその拡充をはかる所存であります。また、国有林野事業の適切な運営を行ない、国有林野の活用については、国有林野の使命達成との調整をはかりつつ、農林業の構造改善等に資するよう積極的かつ適正な運用につとめたいと存じます。
次に、水産業につきましては、水産資源の保護培養、海外漁場の開発、中小漁業の振興等の施策を推進するとともに、漁船損害補償制度の改善をはかりたいと存じます。さらに、日韓漁業協定に基づく諸事項の順守と安全操業の確保をはかるため、所要の措置を講じ、また、国際漁業面につきましては、国際法上の原則を基調としながら、国際協調をはかりつつ、具体的な状況に応じて適切に対処してまいる所存であります。
これらのほか、農業災害補償制度につきましては、最近における畜産事情の変化に即応し、近代的畜産経営の安定的発展を期するため、家畜共済制度の改正の準備を進めるとともに、果樹共済及び畑作物共済についても所要の調査検討を引き続き実施いたしたいと考えております。
以上、最近の農林漁業の動向及び四十一年度の農林水産業施策の重点について申し述べたのでありますが、各位の御協力を得まして、農林関係予算及び法律案の御審議が円滑に行なわれ、すみやかに御賛同を得られますようお願いいたす次第であります。
この発言だけを見る →まず、最近における農業の動向にかんがみ、農政推進にあたっての私の考えの基本について申し上げます。
その第一は、国民食糧の安定的供給をいかにして確保するかということであります。国民所得水準の上昇、国民生活の向上に伴って、農産物に対する需要は堅調を持続しております。特に食糧需要は畜産物、果実、野菜等を中心に強いものがあり、今回の景気調整下においても、これまでのところ大きな影響は受けていないものと思われます。
これに対し、農業生産は、選択的拡大の方向を強めつつ、おおむね順調に推移してまいりましたが、最近において、増大する農産物の需要に対し生産が必ずしも対応し得ない面も生じ、これに流通機構の不備も加わって、農産物特に生鮮食料品の価格の上昇、変動が生じ、他方では農産物輸入が増大する傾向にあります。
今後も農業労働力の減少傾向や第二種兼業農家の増大等に伴って作業の粗放化、裏作の不作付け等土地利用率の低下、耕地の壊廃の増大等が予想されることを考慮いたしますと、増大する農産物需要に対応して、農業の生産性の向上をはかりながら、農業総生産の維持増大に努めることにより、食糧その他農産物の効率的かつ安定的な供給を確保することが、国民生活の安定と農業所得の維持増大をはかる観点から強く要請されているところであります。
このような見地から、長期的な観点にたって、農業生産基盤の整備を促進いたしますとともに、農産物の生産及び流通対策の拡充強化をはかる必要があると存じます。
第二は、農業の生産性と農業従事者の所得をいかにして向上させるかということであります。
農業労働力の引き続いての減少のもとで、農業における機械化の進展等省力技術の導入普及、土地改良事業による土地及び水の条件の整備等により、農業の生産性はおおむね順調に伸びてきております。
しかしながら、農業と非農業との生産性及び所得の格差は、三十九年度には他産業における伸び悩みもあって、若干改善されたとはいえ、現在なおかなりの開きがある状況にあります。
農業の生産性及び所得の格差の是正をはかるためには、国民経済各部門の均衡のとれた安定成長を確保することが肝要であることはもちろんでありますが、これと同時に、今後の農業労働力をめぐる諸情勢に対処しつつ、さらに農業生産性の一そうの向上をはからなければなりません。このためには、新技術の開発普及をはかるとともに、生産性の向上を主導していけるような農業経営の育成強化をはかることが必要であると考えられます。
この場合、生産性が高く、農業で他産業従事者と均衡する生活を営むことができるような所得を上げ得る自立経営農家をできるだけ多く育成するとともに、農家全体の約四割を占める第二種兼業農家についても、経営の実情に即しつつ、技術の導入普及、機械の共同利用、農協等による農作業の共同化等の推進により生産性の向上と農業所得の増大をはかっていくこととし、このため、生産対策や構造対策の一そうの推進をはかってまいる所存であります。
第三は、どのようにして農村の環境を整備し、農業従事者の福祉の向上をはかるかということであります。
農村は、都市に比べて、従事者の所得、生活水準が低位にあるほか、生活環境や社会環境の面でも著しく立ちおくれております。また、社会保障制度が十分に整備されているとは言いがたいこと等の問題があります。
近時、都市特に過密地帯では、大気汚染、騒音等の弊害が出ているのに対し、そのような憂いのない農村は、生活環境として恵まれた面もあり、農村対策の充実と農家の努力が相伴えば、農村の生活は決して暗いものではないと考えます。農村青少年が農業にとどまらないのも、農業なり農村の将来に希望が持てないことが重要な原因になっていると考えられます。
このような事情に対処し、農業従事者の福祉を向上するため、農業近代化を推進し、農業所得を増大するための施策と相まって、農村青少年が新しい農業経営について魅力と自信を持てるようその養成のための施策を講ずるとともに、立ちおくれた農村環境の整備、充実をはかる等豊かな住みよい農村の実現を目ざして農村対策を充実する必要があります。
なお、ここでわが国農業をめぐる国際情勢の推移をみますと、開放経済体制への移行に伴って、農産物輸入数量制限の撤廃、輸入ワクの増大、関税引き下げ等の国際的要請が一そう強まりつつあります。これに対し、わが国農業の特殊性について諸外国の理解を求め、わが国農業に急激な影響が及ぶことのないように慎重に対処すべきことは申すまでもありませんが、これと同時に、農業構造の改善と生産性の向上をはかり、国際競争力を強化することが、長期的に見てわが国農業の発展をはかるために大切であると考えられるのであります。
次に、林業の動向について申し上げます。近年、林産物特に木材需要は引き続き増加を示しておりますが、国産材の供給がこれに対応し得ず、外材輸入が増加し、木材供給量のうち外材の占める割合は、三十六年以降逐年増大しております。
また、林業の生産性及び林業従事者の所得、生活水準は、他産業に比べて立ちおくれを示しており、林業労働力の他産業への流出が進んでおります。
このような事情に対処して、いかにして林業の総生産の増大と生産性の向上をはかり、あわせて林業所得の向上に資するかということが林業の当面する課題であります。
したがって、林業の生産基盤の整備、構造改善、従事者の福祉の向上等各般にわたる施策を推進して、林業の近代化をはかるとともに、農山村地域の振興に資することが必要であると考えます。
さらに、漁業の動向について申し上げます。近年、水産物の需要は増大を続けておりますが、漁業生産の面においては、主として多獲性魚の漁況不良により、やや停滞ぎみに推移しております。
漁業の生産性及び漁業従事者の所得水準についてみますと、年々上昇を示し、かなり改善されてきておりますが、沿岸漁業従事者の所得水準はなお低位にとどまっており、また、中小漁業の収益性の伸び悩みが見られる等の問題が生じてきております。
他方、水産資源の制約等から国際規制も強化される方向にあり、わが国漁業生産と漁業経営の前途は必ずしも楽観を許さないものがあると考えられます。
このような事情にかんがみ、漁業の近代化を推進するとともに、水産資源の維持増大につとめ、水産物の安定的供給と漁業従事者の地位の向上をはかることが強く要請されております。
以上申し述べましたように、農林漁業の動向とこれをめぐる内外の諸情勢のもとにおいて、農林漁業を近代化して、これを国民経済の健全な一環として育成するとともに、立ちおくれた農山漁村環境の整備をはかる等農山漁村対策を充実することは、単に農林漁業従事者の福祉向上の観点からのみでなく、国民経済の安定した発展と国民生活の調和のとれた進歩向上という観点からもきわめて大切であると存じます。
このような考え方に立って、四十一年度予算におきましても、私は、これらに必要な経費を極力重点的に盛り込むほか、きめこまかい配慮も加えたつもりであります。
以下、四十一年度において講じようとする農林水産業施策の重点について、その概要を申し上げます。
まず第一に、農林漁業の生産基盤の整備を計画的かつ強力に推進する所存であります。
農業につきましては、農産物の需給の見通し、農業技術の発展、農業機械化の方向に即して土地改良事業の計画的な推進をはかるため、土地改良法に基づき、昭和四十年度を初年度として十年間にわたる土地改良長期計画を近く決定するべくその作成を取り進めております。なお、この期間における事業規模としては、二兆六千億円を予定いたしております。
四十一年度におきましては、この計画の趣旨に沿って、圃場整備、農道整備、基幹かんがい排水施設の整備、農用地の開発、農地防災等の諸事業を拡充実施いたしたいと存じます。特に、農道の整備を積極的に進めることとし、農林漁業用揮発油税財源身がわり事業については、林道事業及び漁港関連道整備事業とあわせて、一段と拡充推進する所存であります。
また、土地改良事業の円滑な推進に資するため、国営かんがい排水事業の負担金の償還期間の延長、国営草地改良事業として実施する公共育成牧場の国庫負担率の引き上げ等の措置を講ずることといたしております。
林業につきましては、林道の開設、改良並びに拡大造林に重点を置いた造林を促進するとともに、森林の国土保全機能の強化という観点から新治山五カ年計画に基づき治山事業を拡充実施する所存であります。
漁業につきましては、漁港の計画的な整備を積極的に推進するため局部改良事業の補助率の引き上げ及び事業量の増大をはかるほか、大型魚礁の設置事業を拡充し、また、浅海漁場を開発するための調査を進めたいと存じます。
第二に、農林漁業の構造改善を地域の実情に即して円滑に推進いたしたいと存じます。
農業生産を維持増大し、国民食糧の安定的供給を確保するとともに、農業と他産業との所得格差の是正をはかるためには、兼業農家を含めて農家全体の生産の振興と所得の向上をはかる必要があることはもとよりでありますが、また、農業に専念し農業で生活できる生産性の高い農業経営をできるだけ多く育成することが緊要であると存じます。そこで、第四十八回国会に提案いたしました農地管理事業団の構想をさらに検討いたし、地元農家の要望に基づき、農村らしい農村のすべてにおいてその事業を実施することを目途に、四十一年度には業務実施地域として四百市町村を予定するとともに、未墾地の取得についてのあっせん及び融資を業務の範囲に加える等、当初の構想に修正を加え、御審議をわずらわしたいと考えております。
次に、農業構造改善事業につきましては、四十一年度には、新規事業実施地域として四百八十地域、また計画地域として五百地域を予定いたしております。この事業がそれぞれの地域の実情に即して円滑に推進されるよう十分配慮するとともに、事業の終了を見た地域が逐次増加しておりますので、事業終了後の経営管理面についての指導を強化し、事業成果の確保をはかりたいと存じます。また、農業経済圏における広域の農業近代化施設等の整備に関する計画の作成を引き続き促進する一方、すでに計画の作成された二地域について、パイロット事業として施設整備を助成することといたしております。
林業につきましては、林業構造改善事業の円滑な実施をはかるほか、入り会い林野等の農林業上の利用を増進する観点から、その権利関係の近代化を助成するための立法措置を講じたいと考えております。
漁業につきましては、沿岸漁業構造改善事業について、その計画的な推進をはかるとともに経営近代化促進事業の終了地域の補足整備対策に必要な調査を実施し、また、内水面漁業についても、構造改善に資するための諸事業を推進いたしたいと存じます。
第三に、最近における農産物の需要及び生産の動向にかんがみ、農産物の生産及び流通対策を拡充する所存であります。
まず米につきましては、最近におけるその需給の動向及び農業労働力の減少と兼業化の進行等の情勢にかんがみ、高能率、高反収の経営を育成し、安定的供給の確保につとめたいと存じます。このため、生産基盤の整備を計画的に推進するとともに地力の保全、施肥の合理化、用排水の合理的管理等を促進するほか、機械化営農の推進等をはかり、総合的に稲作生産対策を推進する考えであります。
また、米を初めとする主要食糧の管理につきましては、農家経済及び国民生活の安定にきわめて重要な役割を果たしておりますので、現行食糧管理制度の本旨にのっとり、その適切な運用に十全の努力を払う所存であります。食糧管理の運営のあり方につきましても、食糧の需給事情その他の経済諸情勢に即応し、改善を加えてまいりたいと考えております。
次に、畜産物、野菜、果実等につきまして、その生産の安定的増大と流通の改善のための施策を強化いたしたいと存じます。
まず酪農につきましては、加工原料乳に対する不足払いの実施、国内産牛乳による学校給食の計画的拡大、都道府県及び市町村の酪農近代化計画の樹立促進等既定方針に即して施策を進め、酪農の安定的発展を期してまいる所存であります。特に加工原料乳に対する不足払い制度は、本年四月一日から実施されることとなっておりますが、本制度は、今後のわが国酪農の発展にとって重要なものでありますので、不足払いの財源として畜産振興事業団に交付金を交付するほか、都道府県及び指定生乳生産者団体に対して所要の助成を行なう等の措置を講じ、その適切かつ円滑な運営に遺憾なきを期することといたしております。
次に、肉用牛につきましては、飼養目的の変化に伴い、生産立地の移動、経営形態の変化が見られ、飼養頭数の漸減の傾向があらわれているのであります。政府といたしましては、このような状況にかんがみ、増大する食肉需要に対処して牛肉の安定的供給を確保するため、肉用牛資源の減少を防止して、できる限りその拡大をはかることを基本として、新たに肉用牛繁殖育成センター、肉用繁殖素牛の導入に対する助成を行なう等肉牛対策の積極的展開をはかることといたしております。また、これらの施策とあいまって、牛肉の需給の動向に即応して、牛肉の計画的な輸入を行なうこととし、このため、輸入の国内に及ぼす影響等を考慮して、牛肉輸入のあり方についての検討を行ない、所要の立法措置を講ずる所存であります。
さらに、養鶏につきましては、鶏卵の需給の基調に変化が見られますので、需要の伸びに見合う限度にその生産の拡大を安定させることを基本として、生産者による自主的生産調整を促進するとともに、食鶏につきましても関係種畜牧場の整備等により、優良系統の種鶏の改良普及を推進する考えであります。
次に、野菜および果実対策につきまして申し上げます。まず野菜につきましては、価格の変動が激しく、これが野菜作経営の健全な発展と消費者家計の安定を阻害する大きな要因となっていることにかんがみ、大消費地域を中心にその供給の安定的増大につとめたいと存じます。このため、主要野菜につきまして、大消費地域における需要見通しに即応して野菜の集団産地を育成することとし、野菜指定産地について、対象品目及び産地数の増加、生産及び出荷の近代化の事業の推進とそのための指導体制の整備強化をはかるとともに、価格補てんの事業につきましても、対象品目の追加、国の負担割合の引き上げ等所要の改正を加え、野菜の生産出荷安定事業を制度的に確立してまいる所存であります。
また、果樹につきましては、果樹農業を取り巻く諸情勢の変化に対処し、今後の果樹農業の健全な発展をはかるため、需要の動向に即応した果実生産の計画的かつ安定的な拡大、適地における果樹園経営近代化の計画的推進、果実流通の合理化等の見地から総合的な対策を確立してまいりたいと考えております。
近時、生鮮食料品の価格安定に対する要請が、農林漁業所得の向上の見地からも、国民生活の安定の見地からも、強くなってきております。生鮮食料品の価格の安定をはかりますためには、ただいま申し述べました諸施策を推進することが基本的に重要でありますが、それと同時に、その流通機構の整備をはかることが必要であります。このため、生鮮食料品流通の中核をなす中央卸売り市場につきまして、その施設の計画的整備及び取引の改善合理化を引き続き推進することといたしております。また、水産物については、冷蔵、加工施設の整備、冷凍水産物の普及等の施策を推進するとともに、新たに多獲性魚について冷凍保管と計画的出荷を行なうことにより、価格の安定に資するための事業を試験的に実施いたしたいと考えております。
このほか、蚕糸業につきましては、先般成立を見ました日本蚕糸事業団法に基づき、できる限り早期に日本蚕糸事業団を設立し、本年春蚕期からその業務を開始するように目下諸準備を進めておりまして、今後はこれを軸として、蚕糸業の振興に積極的に努力してまいる所存であります。
なお、以上の諸施策の推進にあたっては、その裏づけとなる技術の高度化をはかることが不可欠であります。このため、試験研究費の大幅な増額、農事試験場の研究組織の整備、遠洋水産研究所の設置その他試験研究体制の整備等により試験研究の拡充強化をはかる所存であります。また、わが国の農業に対する技術研究の分野の拡大と水準の向上に資するともに、今後における熱帯地域等における農業についての技術協力に寄与することを目的として、熱帯農業に関する技術上の試験研究等を積極的に推進することといたしております。
第四に、豊かな住みよい農山漁村の実現を目標として、生産政策、構造政策の推進と並行して、農山漁村の重要性についての十分な認識にたって、農山漁村対策を拡充してまいる所存であります。
まず、農林漁業の近代化と農山漁村の発展を期するには、次代をになう優秀な青少年の育成が肝要であります。このため、農業後継者育成資金を大幅に拡充するほか、新たに都道府県に農村青年活動促進施設を設置し、また、将来農村の指導者たり得る人材を養成するための中央青年研修施設を農林省に設ける等、農山漁村の青少年に対する研修をさらに充実してまいりたいと存じます。
次に、都市にくらべて立ちおくれた農山漁村の生活環境や社会環境の近代化をはかることは、農山漁村対策の重要は課題であります。これに対処して、農林漁業用道路の整備、農家生活改善資金の貸付ワクの拡大、住宅金融公庫の農山漁村住宅資金の拡充をはかるほか、新たに農村環境施設に対して農業近代化資金の融通の道を開き、また、生活環境の近代化に関する巡回相談指導事業を実施する等、諸施策の拡充推進に積極的な努力を傾けてまいる考えであります。
このほか、山村の振興につきましては、山村振興法の趣旨にのっとって、山村振興に対する事業の円滑な実施につとめる所存であります。
この考え方のもとに、振興山村における農林漁業基盤と生活環境の整備のための特別開発事業を実施するとともに、農道、林道等の整備について特に配慮するほか、各種の団体営土地改良事業の採択基準の緩和等の措置を講じ、これらの総合的な推進により、山村の経済力の培養と住民の福祉向上をはかりたいと考えております。
第五に、農林金融の拡充強化をはかる所存であります。
農林漁業の近代化を進める上において金融の果たすべき役割がますます重要となっていることは御承知のとおりであります。
このため、四十一年度におきましては、農林漁業金融公庫資金及び農業近代化資金の貸付ワクを大幅に拡充することといたしております。また農業近代化資金制度につきましては、融資対象を広げ、貸し付け金利を引き下げるほか、農業信用基金協会の債務保証機能を充実強化して農業近代化資金の円滑なる融通をはかるため、新たに農業信用基金協会の債務保証について保険を行なうとともに、その債務保証に必要なる資金の貸し付けを行なうことを内容とする農業信用保険制度を設ける所存であります。
このほか、無利子で貸し付けを行なう農業改良資金の貸し付けワクを一そう増額し、さらに中小漁業者に対する金融の円滑化のため、中小漁業融資保証保険制度における保険料の引き下げ等、その充実をはかることといたしております。
以上のほか、なお特に林業及び水産業に関する施策について若干申し上げます。
林業につきましては、森林資源の確保につとめるとともに、国土の保全等の施策についてもその拡充をはかる所存であります。また、国有林野事業の適切な運営を行ない、国有林野の活用については、国有林野の使命達成との調整をはかりつつ、農林業の構造改善等に資するよう積極的かつ適正な運用につとめたいと存じます。
次に、水産業につきましては、水産資源の保護培養、海外漁場の開発、中小漁業の振興等の施策を推進するとともに、漁船損害補償制度の改善をはかりたいと存じます。さらに、日韓漁業協定に基づく諸事項の順守と安全操業の確保をはかるため、所要の措置を講じ、また、国際漁業面につきましては、国際法上の原則を基調としながら、国際協調をはかりつつ、具体的な状況に応じて適切に対処してまいる所存であります。
これらのほか、農業災害補償制度につきましては、最近における畜産事情の変化に即応し、近代的畜産経営の安定的発展を期するため、家畜共済制度の改正の準備を進めるとともに、果樹共済及び畑作物共済についても所要の調査検討を引き続き実施いたしたいと考えております。
以上、最近の農林漁業の動向及び四十一年度の農林水産業施策の重点について申し述べたのでありますが、各位の御協力を得まして、農林関係予算及び法律案の御審議が円滑に行なわれ、すみやかに御賛同を得られますようお願いいたす次第であります。
山
後
後藤義隆#4
○政府委員(後藤義隆君) 農林大臣にかわって、昭和四十一年度農林関係予算について、その概要を御説明申し上げます。
まず、昭和四十一年度の一般会計における農林関係予算の総体について申し上げます。
農林省所管合計といたしましては、四千百三十三億円となっておりますが、これに総理府、大蔵省、文部省、労働省及び建設省所管を加えた農林関係予算合計は、四千五百八十五億円となります。これを昭和四十年度補正後の予算四千四十九億円に比較いたしますと、五百三十五億円の増加、また、昭和四十年度当初予算三千七百億円に比較いたしますと、八百八十五億円の増加となっておりますが、さらに、これを予算編成上変動要因の多い食糧管理特別会計繰り入れ及び災害復旧等事業費を控除した金額で比較しますと、昭和四十一年度は三千三十六億円、昭和四十年度補正後は二千五百三十五億円で、五百二億円の増加となっております。
この予算の編成にあたりましては、さきに所信表明で申し述べましたように、国民食糧の安定的な供給を確保し、農林漁業の生産性と農林漁業従事者の生活水準の向上をはかるという農林水産政策の基本的目標に沿って、農林漁業の近代化を強力に推進するとともに、豊かな住みよい農山漁村の実現を目ざして、国の各般の施策を拡充強化することとしたのであります。
昭和四十一年度予算編成において最も力を入れましたものは、農林漁業生産基盤の整備、農林漁業構造改善の推進、農林水産物の生産、流通及び価格対策の拡充、農山漁村対策の充実、農林金融の改善拡充の諸施策であります。
以下、農林関係予算の重点事項について御説明いたします。
第一に、農林漁業の生産基盤の整備に関する予算について申し上げます。
農業生産基盤の整備につきましては、農業の生産性を向上し、生産の選択的拡大の方向に沿って総生産の維持増大をはかるとともに、農業構造の改善に資するため、昭和四十年度に策定いたします土地改良長期計画の趣旨に沿って、基幹かんがい排水施設及び圃場区画、農道等の圃場条件の整備、農地造成、草地改良、農地防災等の諸事業を積極的に推進することとし、総額一千九十九億五千三百万円を計上しております。
これは、土地改良事業で七百三十二億九千六百万円、干拓事業で百四十五億六千八百万円、草地改良を含め農用地開発事業で二百十九億八千八百万円、その他一億円であります。
これらの事業のうち、特に圃場整備事業及び農林漁業用揮発油税財源身がわり事業を中心とする農道整備事業につきましては、農業機械化の推進等に資するため、事業量の大幅な拡充強化をはかることとしております。
なお、これらの事業の円滑な推進をはかるため、国営かんがい排水事業の負担金償還期間の延長、国営草地改良事業のうち公共育成牧場の国庫負担率の引き上げ、振興山村における団体営の各種事業の採択基準の緩和等を行なうこととしております。
また、八郎潟新農村建設事業団により八郎潟中央干拓地に模範的な新農村を建設する事業を計画的に推進することとしております。
林業に関しましては、林業生産基盤の整備と森林資源の開発を促進するため、林道事業について総額七十六億二千万円を計上し、一般林道開設事業を拡充実施するとともに、農林漁業用揮発油税財源身がわり事業として新たに峰越し連絡林道の開設事業を行なこととし、前年度身がわり事業として森林開発公団が実施した特定森林地域開発株道事業につきましては、昭和四十一年度から一般事業に振りかえ実施することとしております。
造林事業につきましては、補助単価の改訂を行なう等その事業の推進をはかることとし、五十四億九千六百万円を計上しております。
また、治山事業につきましては、治山事業新五カ年計画に基づき、民有林及び国有林の治山事業の推進をはかることとし、水源林造成事業及び国有林野内臨時治山事業を合わせ、総額二百十六億九千八百万円を計上しております。
漁業に関しましては、漁業生産基盤の整備をはかるため、漁港整備事業について百十三億七千九百万円を計上し、その計画的な推進をはかるとともに、漁港局部改良事業の補助率の引き上げを行ない、地元漁民の負担を軽減することとしております。
また、農林漁業用揮発油税財源身がわり漁港関連道整備事業、大型魚礁設置事業及び浅海漁場開発計画調査につきましても、その拡充実施をはかることとし、総額十一億二千七百万円を計上しております。
第二に、農林漁業の構造改善の推進に関する予算について申し上げます。
まず、農地等の移動を農業経営規模の拡大へ方向づけ、自立経営の育成に資するよう、農地及び未墾地等の取得のあっせん、取得に要する資金の融通、農地の買い入れ及び売り渡し等を業務とする農地管理事業団を発足させることとしております。
農地管理事業団は、昭和四十一年度においては、四百市町村において農地等の取得のあっせん、取得に要する資金の融通等の業務を行なうこととし、政府としては、同事業団に対し必要な出資等を行なうとともに、農家の土地取得に関する地方公共団体の指導事業等を助成することとし、これらに、要する経費として五億五千六百万円を計上するほか、同事業団の貸し付け資金として財政投融資四十億円を予定いたしております。
次に、農業構造改善事業につきましては、総額百九十四億六千七百万円を計上し、新規の事業実施地域を四百八十、計画樹立市町村を五百として、前年度からの継続分と合わせ地域の実情に即して事業の円滑な推進をはかることとしており、また、引き続き事業終了地域の経営管理の指導等を推進するほか、農業経済圏における広域の農業近代化施設等の整備に関する計画樹立の助成を継続するとともに、すでに計画の作成された二地域についてモデル的に事業を新たに実施することとしております。
林業構造改善事業につきましては、二十四億二千九百万円を計上し、新規の事業実施地域を百、計画樹立市町村を百として、前年度からの継続分と合わせ事業の計画的な推進をはかることとしております。
沿岸漁業構造改善事業につきましては、十五億四千五百万円を計上し、新規の計画樹立地域を四、経営近代化促進事業の新規実施地域を五として、前年度からの継続分と合わせ経営近代化促進事業及び漁場改良造成事業の計画的な推進をはかるとともに、新たに経営近代化促進事業の終了地域についてその補足整備対策に必要な調査を実施することとしております。
第三に、農林水産物の生産、流通及び価格対策の拡充に関する予算について申し上げます。
まず、米生産対策につきましては、最近における米の需給、稲作をめぐる農業経営及び農業労働力等の動向にかんがみ、品種その他栽培管理の統一、技術水準の高位平準化および水管理の合理化等により高能率、高反収の稲作経営を育成して、米の安定的供給の確保をはかることとし、このため、生産基盤の整備の推進と合わせて、新たに稲作総合改善調査、稲作総合改善集約指導地の設置、圃場整備地区の土壌対策調査及び地力保全対策診断事業を実施するとともに、引き続き高度集団栽培促進事業、米麦生産流通合理化モデルプラント設置事業等を推進することとしており、また、麦につきましては、畑麦作改善パイロット事業の拡充をはかることとしております。
これらのほか、農産物種子対策、地力保全事業、植物防疫事業等を引き続き推進することとしており、以上を合わせ米麦生産対策に要する経費として十一億五千四百万円を計上しております。なお、農業機械化の促進措置につきましては、以上のほか、収穫機械導入事業、農林水産航空事業等の推進に要する経費六億六千七百万円を計上しております。
また、米麦管理制度の運営につきましては、現行の方式により主要食糧の需給および価格の調整に十全を期することとし、このため、食糧管理特別会計の調整勘定に調整資金として一般会計から千二百十億円の繰り入れを行なうこととしております。
次に、畜産対策について申し上げます。まず、酪農対策につきましては、既定の方針に即して酪農の安定的発展をはかるため、さきに述べました草地改良事業等飼料自給基盤の強化措置のほか、新たに加工原料乳不足払制度の実施のための経費として畜産振興事業団に対する生産者補給交付金三十億円及び指定生乳生産者団体の事業運営助成費等を計上するとともに、引き続き国内産牛乳の学校給食の計画的拡大、都道府県及び市町村の酪農近代化計画の樹立促進、乳用雌子牛の集団育成事業の拡充、牛乳乳製品の流通改善等をはかることとしており、これら酪農対策に要する経費として八十五億九千万円を計上しております。
肉用牛対策につきましては、最近における肉用牛飼養の動向にかんがみ、増大する牛肉需要に対処して牛肉の安定的な供給を確保するため、肉牛資源の維持培養とその飼養経営の改善をはかることとし、新たに肉用牛繁殖育成センターの設置及び繁殖用素牛導入事業の助成等を行なうほか、引き続き肉用肥育素牛の導入、流通改善等のための施策を推進することとして四億二千七百万円を計上しております。
また、養鶏対策につきましては、鶏卵の需給及び価格の安定をはかるため、生産者による自主的な生産調整を促進するとともに、その補完措置として卵価安定基金に対し畜産振興事業団からの出資を予定し、また、食鶏の品種改良、流通改善等を推進することとしております。
以上のほか、畜産対策としましては、飼料作物の増産対策、家畜の導入及び改良増殖、家畜衛生、家畜畜産物の流通改善、流通飼料の需給及び価格の安定措置等を拡充強化することとして所要の経費を計上しております。
次に、園芸振興対策について申し上げます。まず、野菜対策につきましては、大消費地域における需要の見通しに即応して主要野菜の安定的な供給を確保するため、野菜指定産地における生産及び出荷の安定をはかる施策を拡充強化することとし、このため、対象野菜の拡大、指定産地の増加、生産出荷近代化計画の作成の推進、指導体制の強化等をはかるほか、新たに野菜指定産地における生産出荷近代化事業を計画的に実施することとし、また、これらの措置と合わせ野菜の価格補てん制度を拡充するため、野菜生産出荷安定資金協会に対して助成交付金を交付するほか、必要な資金の造成を助成することとしており、これら野菜対策に要する経費として六億三千二百万円を計上しております。
果樹対策につきましては、果実需要の見通しに即応した生産の安定的拡大と生産性の向上をはかるため、広域的、集団的な産地を育成して、果樹園の計画的な造成と経営の合理化を推進するとともに、果実流通の合理化等をはかることとして二億六百万円を計上しております。
また、甘味資源対策等につきましては、てん菜及びサトウキビの生産振興並びに原料用カンショ及びバレイショの生産合理化を推進するとともに、花卉及び特用作物の生産振興をはかることとし、これら生産対策に要する経費十三億八千九百万円を計上するほか、国内産糖類の価格支持のための糖価安定事業団交付金等二十四億二千七百万円および国内産大豆なたねの保護のための交付金等四億三百万円を計上しております。
蚕糸対策につきましては、養蚕生産の合理化をはかるため、引き続き養蚕協業機械化の助成等を行なうほか、新たに集団桑園造成の合理化促進事業を実施するとともに、生糸の需要増進をはかるため、消費宣伝事業等を継続実施することとし、これらに要する経費八億五千二百万円を計上しております。
また、林産物につきましては、引き続き主要林産物の需給調査、木炭、干しシイタケの出荷調整事業の助成等を行なうほか、新たに素材生産の合理化促進事業を実施することとし、これらに要する経費七千四百万円を計上しております。
水産物につきましては、新たに多獲性魚の消費地における冷凍保管と計画的出荷により水産物の価格安定をはかるための事業を試験的に実施するとともに、引き続き産地冷蔵施設及び水産加工施設の整備、冷凍魚の普及事業の助成等を行なうこととし、これらに要する経費三億五千百万円を計上しております。
また、生鮮食料品の価格の安定をはかるため、以上の諸施策の推進のほか、生鮮食料品の流通機構の整備と消費の改善を促進することとし、このため、中央卸売り市場の施設整備等に必要な経費五億五千九百万円を計上しております。
第四に、生産政策、構造政策の推進と並行し、農山漁村の重要性についての十分な認識に立って農山漁村対策を拡充するための予算について申し上げます。
まず、農林漁業の後継者対策につきましては、次代をになう優秀な青少年等を育成確保するため、農業後継者育成資金の貸し付けワクの拡充、農業経営者養成のための研修教育施設の整備、農山漁村の青少年の集団活動の育成対策等を引き続き実施するほか、新たに都道府県に農村青年活動促進施設を設置するとともに、将来農村社会の指導者たり得る人材を養成するため農林省に中央青年研修施設を設けることとし、これらに要する経費五億三千六百万円を計上しております。
次に、農山漁村の環境整備につきましては、都市に比べて立ちおくれた農山漁村の生活環境や社会環境の近代化をはかるため、農林漁業用道路の整備を大幅に拡充実施するとともに、農家生活改善資金の貸し付けワクの拡充、住宅金融公庫の農山漁村住宅資金の活用、未点灯農山漁家への電気導入、農林家労働力対策等を引き続き実施するほか、新たに生活環境の近代化に関する相談指導を行なう生活改善特別事業の実施、農業近代化資金の融資対象として農村環境施設の追加、離農等の実態調査等を行なうこととし、さきに述べましたものを含め、これらに要する経費として総額八十八億七千九百万円を計上しております。
山村振興対策につきましては、山村における経済力の培養と住民の福祉向上をはかるため、振興山村における農道、林道等の設備について特に配慮するとともに、団体営土地改良事業等の採択基準の緩和等の措置を講ずるほか、二億二千六百万円を計上して新たに振興山村農林漁業特別開発事業を計画的に実施することとしております。
第五に、農林漁業の近代化の推進に必要な農林金融の拡充に関する予算について申し上げます。
まず、農林漁業金融公庫資金につきましては、農林漁業の経営構造改善及び基盤整備等に必要な資金を大幅に拡充するため、新規貸し付けワクを千四百二十億円に拡大し、この原資として資金運用部資金等の借り入れ千九十億円を予定するとともに、一般会計から同公庫に対し補給金三十三億六千七百万円を交付することとしております。
次に、農業近代化資金融通制度につきましては、農業者等の資金需要の実情にかんがみ、新たに生産家畜等の育成に必要な中期的運転資金及び農村環境の整備に必要な施設資金を融資対象に加えるとともに、貸し付け資金ワクを八百億円に拡大し、貸し付け金利の引き下げを行なうほか、農業近代化資金にかかる債務保証制度を充実強化することにより農業近代化資金の円滑な融通をはかるため、地方の農業信用基金協会の行なう債務保証について保険及び必要な資金の貸し付けを行なう制度を新たに設けることとし、これに伴い設立される農業信用保険協会に対する交付金を含め、これらに要する経費として七十三億六千九百万円を計上しております。
また、無利子で貸し付けを行なう農業改良資金制度につきましては、貸し付けワクを六十一億七千五百万円に拡大し、さらに、中小漁業融資保証保険制度につきましては、保険料率の引き下げ等を行なうこととしております。
以上のほか、農林漁業施策の推進のための重要な予算について申し上げます。
まず、農林水産業の試験研究事業につきましては、農林水産業の近代化に必要な技術的基礎を強化確立するため、試験研究費の増額、試験研究体制の整備等により試験研究の拡充強化をはかるほか、わが国の農業に関する技術研究の分野の拡大と水準の向上に資するとともに、今後における熱帯地域等に対する農業についての技術協力に寄与することを目的として、熱帯農業に関する技術上の試験研究等を積極的に推進することとし、これらに要する経費として総額百四億九千九百万円を計上しております。
次に、農林水産業の改良普及事業につきましては、農林水産業の技術の高度化、経営の専門化等に対応して技術等の改良普及体制の強化をはかるため、引き続き施設の整備、研修の充実、活動の助長等を行なうほか、普及職員の設置費について補助単価の是正を行なうこととし、農業改良普及事業に四十三億八千四百万円、生活改善普及事業に九億五千五百万円、畜産経営技術指導事業に一億三千五百万円、蚕糸技術改良事業に七億六百万円、林業普及指導事業に八億七千百万円、水産業改良普及事業に一億五千三百万円をそれぞれ計上しております。
農業災害補償制度につきましては、選択共済金額の上昇傾向等を考慮して掛け金国庫負担金を増額するほか、農業共済団体の事務費の増額により農家負担の軽減をはかるとともに、最近における畜産事情の変化に即応して農家の保険需要に対応し得るよう家畜共済制度の改正準備を行なうこととし、これらのため総額二百七十九億四千五百万円の農業保険費を計上しております。
このほか、農業関係につきましては、開拓地の営農振興対策として二十七億二千九百万円、農業資材の価格流通対策として四十六億六百万円、農業団体の整備強化措置として二十三億三千四百万円をそれぞれ計上しております。なお、開拓地の営農振興対策資金につきましては、貸し付けワクを六十二億円に拡大することとしております。
また、林業関係につきましては、さきに述べましたもののほか、森林計画制度、保安林整備、森林病害虫防除等森林資源の維持増強対策として十億三千七百万円、入り会い林野の整備促進対策として二千二百万円、森林組合等の育成対策として四千万円をそれぞれ計上しております。
水産業関係につきましては、すでに述べましたもののほか、中小漁業の振興対策、漁況海況予報事業及び内水面漁業の振興対策として一億二千七百万円、漁業災害補償制度の実施に要する経費として六億四千二百万円、漁船損害補償制度の実施に要する経費として九億八千六百万円、水産資源の保護培養対策として四億八千三百万円、海外漁場の開発、日韓漁業協定の実施等国際漁業対策として八億二百万円をそれぞれ計上しております。
また、農林水産関係の災害対策公共事業につきましては、海岸事業、農地、農業用施設、林野、漁港等の災害復旧事業並びに鉱害復旧事業の推進をはかることとし、総額二百九十二億八千七百万円を計上しております。なお、海岸事業につきましては、特定海岸の国庫負担率の引き上げを行ない、事業の促進をはかることとしております。
次に、昭和四十一年度の農林関係特別会計予算について御説明いたします。
第一に、食糧管理特別会計について申し上げます。
まず、国内米の管理につきましては、現行方式を継続することとし、昭和四十一年産米の集荷目標は七百十五万トン、政府買い入れ価格は前年産米の買い入れ価格と同額、消費者価格は現行どおりをそれぞれ前提として予算を編成しており、また、国内麦及び輸入食糧の管理についても、現行方式を前提として必要な予算を計上しております。
なお、卸、小売り業者の販売手数料及び農協等の集荷手数料につきましては、所要の改訂を行なうこととしております。
以上の方針に基づいて食糧管理を実施するため、さきに述べましたように、この会計の調整勘定に調整資金として一般会計から一千二百十億円の繰り入れを行なうこととしております。
また、カンショでん粉、バレイショでん粉及び輸入飼料につきましても、その買い入れ等に必要な予算を計上しており、このうち輸入飼料については、その買い入れ等に伴う損失を補てんするため一般会計から輸入飼料勘定へ四十三億円を繰り入れるとともに、昭和四十年度における砂糖類の買い入れに伴う損失を補てんするため一般会計から農産物等安定勘定へ六十六億円を繰り入れることとしております。
第二に、農業共済再保険特別会計につきましては、さきに述べました農業災害補償制度の運営のため一般会計から合計二百一億九千七百万円を繰り入れることとしております。
第三に、国有林野事業特別会計につきましては、最近における国有林野事業の収支状況等にかんがみ、できるだけ合理的な運営につとめることとして、これに必要な予算を国有林野事業勘定に計上しており、また、治山勘定におきましては、民有林治山事業及び国有林野内臨時治山事業の計画的な実施をはかることとしております。
第四に、漁船再保険特別会計につきましては、漁船損害補償制度の改善をはかるとともに、必要な準備金をこえて積み立てられている剰余金十二億円を新たにこの特別会計から漁船保険中央会に交付し、漁船保険事業の健全な発展をはかるための振興事業を実施させることとしております。
以上のほか、森林保険、自作農創設特別措置、糸価安定の各特別会計につきましては、それぞれ前年度に引き続きほぼ同様の方針で予算を計上しましたほか、特定土地改良工事、開拓者資金融通、中小漁業融資保証保険の各特別会計につきましては、さきに申し上げましたような施策方針のもとに予算を計上しております。
最後に、農林関係財政投融資計画について御説明申し上げます。
昭和四十一年度における農林関係の財政投融資計画は、農林漁業金融公庫、愛知用水公団、農地開発機械公団、森林開発公団、八郎潟新農村建設事業団、農地管理事業団、開拓者資金融通特別会計及び特定土地改良工事特別会計をあわせて総額一千三百五十三億円の資金運用部資金等の借り入れを予定しており、前年度に比し二百十四億円の増となっております。
これをもちまして、昭和四十一年度の農林関係予算及び財政投融資計画の概要の御説明を終わります。
この発言だけを見る →まず、昭和四十一年度の一般会計における農林関係予算の総体について申し上げます。
農林省所管合計といたしましては、四千百三十三億円となっておりますが、これに総理府、大蔵省、文部省、労働省及び建設省所管を加えた農林関係予算合計は、四千五百八十五億円となります。これを昭和四十年度補正後の予算四千四十九億円に比較いたしますと、五百三十五億円の増加、また、昭和四十年度当初予算三千七百億円に比較いたしますと、八百八十五億円の増加となっておりますが、さらに、これを予算編成上変動要因の多い食糧管理特別会計繰り入れ及び災害復旧等事業費を控除した金額で比較しますと、昭和四十一年度は三千三十六億円、昭和四十年度補正後は二千五百三十五億円で、五百二億円の増加となっております。
この予算の編成にあたりましては、さきに所信表明で申し述べましたように、国民食糧の安定的な供給を確保し、農林漁業の生産性と農林漁業従事者の生活水準の向上をはかるという農林水産政策の基本的目標に沿って、農林漁業の近代化を強力に推進するとともに、豊かな住みよい農山漁村の実現を目ざして、国の各般の施策を拡充強化することとしたのであります。
昭和四十一年度予算編成において最も力を入れましたものは、農林漁業生産基盤の整備、農林漁業構造改善の推進、農林水産物の生産、流通及び価格対策の拡充、農山漁村対策の充実、農林金融の改善拡充の諸施策であります。
以下、農林関係予算の重点事項について御説明いたします。
第一に、農林漁業の生産基盤の整備に関する予算について申し上げます。
農業生産基盤の整備につきましては、農業の生産性を向上し、生産の選択的拡大の方向に沿って総生産の維持増大をはかるとともに、農業構造の改善に資するため、昭和四十年度に策定いたします土地改良長期計画の趣旨に沿って、基幹かんがい排水施設及び圃場区画、農道等の圃場条件の整備、農地造成、草地改良、農地防災等の諸事業を積極的に推進することとし、総額一千九十九億五千三百万円を計上しております。
これは、土地改良事業で七百三十二億九千六百万円、干拓事業で百四十五億六千八百万円、草地改良を含め農用地開発事業で二百十九億八千八百万円、その他一億円であります。
これらの事業のうち、特に圃場整備事業及び農林漁業用揮発油税財源身がわり事業を中心とする農道整備事業につきましては、農業機械化の推進等に資するため、事業量の大幅な拡充強化をはかることとしております。
なお、これらの事業の円滑な推進をはかるため、国営かんがい排水事業の負担金償還期間の延長、国営草地改良事業のうち公共育成牧場の国庫負担率の引き上げ、振興山村における団体営の各種事業の採択基準の緩和等を行なうこととしております。
また、八郎潟新農村建設事業団により八郎潟中央干拓地に模範的な新農村を建設する事業を計画的に推進することとしております。
林業に関しましては、林業生産基盤の整備と森林資源の開発を促進するため、林道事業について総額七十六億二千万円を計上し、一般林道開設事業を拡充実施するとともに、農林漁業用揮発油税財源身がわり事業として新たに峰越し連絡林道の開設事業を行なこととし、前年度身がわり事業として森林開発公団が実施した特定森林地域開発株道事業につきましては、昭和四十一年度から一般事業に振りかえ実施することとしております。
造林事業につきましては、補助単価の改訂を行なう等その事業の推進をはかることとし、五十四億九千六百万円を計上しております。
また、治山事業につきましては、治山事業新五カ年計画に基づき、民有林及び国有林の治山事業の推進をはかることとし、水源林造成事業及び国有林野内臨時治山事業を合わせ、総額二百十六億九千八百万円を計上しております。
漁業に関しましては、漁業生産基盤の整備をはかるため、漁港整備事業について百十三億七千九百万円を計上し、その計画的な推進をはかるとともに、漁港局部改良事業の補助率の引き上げを行ない、地元漁民の負担を軽減することとしております。
また、農林漁業用揮発油税財源身がわり漁港関連道整備事業、大型魚礁設置事業及び浅海漁場開発計画調査につきましても、その拡充実施をはかることとし、総額十一億二千七百万円を計上しております。
第二に、農林漁業の構造改善の推進に関する予算について申し上げます。
まず、農地等の移動を農業経営規模の拡大へ方向づけ、自立経営の育成に資するよう、農地及び未墾地等の取得のあっせん、取得に要する資金の融通、農地の買い入れ及び売り渡し等を業務とする農地管理事業団を発足させることとしております。
農地管理事業団は、昭和四十一年度においては、四百市町村において農地等の取得のあっせん、取得に要する資金の融通等の業務を行なうこととし、政府としては、同事業団に対し必要な出資等を行なうとともに、農家の土地取得に関する地方公共団体の指導事業等を助成することとし、これらに、要する経費として五億五千六百万円を計上するほか、同事業団の貸し付け資金として財政投融資四十億円を予定いたしております。
次に、農業構造改善事業につきましては、総額百九十四億六千七百万円を計上し、新規の事業実施地域を四百八十、計画樹立市町村を五百として、前年度からの継続分と合わせ地域の実情に即して事業の円滑な推進をはかることとしており、また、引き続き事業終了地域の経営管理の指導等を推進するほか、農業経済圏における広域の農業近代化施設等の整備に関する計画樹立の助成を継続するとともに、すでに計画の作成された二地域についてモデル的に事業を新たに実施することとしております。
林業構造改善事業につきましては、二十四億二千九百万円を計上し、新規の事業実施地域を百、計画樹立市町村を百として、前年度からの継続分と合わせ事業の計画的な推進をはかることとしております。
沿岸漁業構造改善事業につきましては、十五億四千五百万円を計上し、新規の計画樹立地域を四、経営近代化促進事業の新規実施地域を五として、前年度からの継続分と合わせ経営近代化促進事業及び漁場改良造成事業の計画的な推進をはかるとともに、新たに経営近代化促進事業の終了地域についてその補足整備対策に必要な調査を実施することとしております。
第三に、農林水産物の生産、流通及び価格対策の拡充に関する予算について申し上げます。
まず、米生産対策につきましては、最近における米の需給、稲作をめぐる農業経営及び農業労働力等の動向にかんがみ、品種その他栽培管理の統一、技術水準の高位平準化および水管理の合理化等により高能率、高反収の稲作経営を育成して、米の安定的供給の確保をはかることとし、このため、生産基盤の整備の推進と合わせて、新たに稲作総合改善調査、稲作総合改善集約指導地の設置、圃場整備地区の土壌対策調査及び地力保全対策診断事業を実施するとともに、引き続き高度集団栽培促進事業、米麦生産流通合理化モデルプラント設置事業等を推進することとしており、また、麦につきましては、畑麦作改善パイロット事業の拡充をはかることとしております。
これらのほか、農産物種子対策、地力保全事業、植物防疫事業等を引き続き推進することとしており、以上を合わせ米麦生産対策に要する経費として十一億五千四百万円を計上しております。なお、農業機械化の促進措置につきましては、以上のほか、収穫機械導入事業、農林水産航空事業等の推進に要する経費六億六千七百万円を計上しております。
また、米麦管理制度の運営につきましては、現行の方式により主要食糧の需給および価格の調整に十全を期することとし、このため、食糧管理特別会計の調整勘定に調整資金として一般会計から千二百十億円の繰り入れを行なうこととしております。
次に、畜産対策について申し上げます。まず、酪農対策につきましては、既定の方針に即して酪農の安定的発展をはかるため、さきに述べました草地改良事業等飼料自給基盤の強化措置のほか、新たに加工原料乳不足払制度の実施のための経費として畜産振興事業団に対する生産者補給交付金三十億円及び指定生乳生産者団体の事業運営助成費等を計上するとともに、引き続き国内産牛乳の学校給食の計画的拡大、都道府県及び市町村の酪農近代化計画の樹立促進、乳用雌子牛の集団育成事業の拡充、牛乳乳製品の流通改善等をはかることとしており、これら酪農対策に要する経費として八十五億九千万円を計上しております。
肉用牛対策につきましては、最近における肉用牛飼養の動向にかんがみ、増大する牛肉需要に対処して牛肉の安定的な供給を確保するため、肉牛資源の維持培養とその飼養経営の改善をはかることとし、新たに肉用牛繁殖育成センターの設置及び繁殖用素牛導入事業の助成等を行なうほか、引き続き肉用肥育素牛の導入、流通改善等のための施策を推進することとして四億二千七百万円を計上しております。
また、養鶏対策につきましては、鶏卵の需給及び価格の安定をはかるため、生産者による自主的な生産調整を促進するとともに、その補完措置として卵価安定基金に対し畜産振興事業団からの出資を予定し、また、食鶏の品種改良、流通改善等を推進することとしております。
以上のほか、畜産対策としましては、飼料作物の増産対策、家畜の導入及び改良増殖、家畜衛生、家畜畜産物の流通改善、流通飼料の需給及び価格の安定措置等を拡充強化することとして所要の経費を計上しております。
次に、園芸振興対策について申し上げます。まず、野菜対策につきましては、大消費地域における需要の見通しに即応して主要野菜の安定的な供給を確保するため、野菜指定産地における生産及び出荷の安定をはかる施策を拡充強化することとし、このため、対象野菜の拡大、指定産地の増加、生産出荷近代化計画の作成の推進、指導体制の強化等をはかるほか、新たに野菜指定産地における生産出荷近代化事業を計画的に実施することとし、また、これらの措置と合わせ野菜の価格補てん制度を拡充するため、野菜生産出荷安定資金協会に対して助成交付金を交付するほか、必要な資金の造成を助成することとしており、これら野菜対策に要する経費として六億三千二百万円を計上しております。
果樹対策につきましては、果実需要の見通しに即応した生産の安定的拡大と生産性の向上をはかるため、広域的、集団的な産地を育成して、果樹園の計画的な造成と経営の合理化を推進するとともに、果実流通の合理化等をはかることとして二億六百万円を計上しております。
また、甘味資源対策等につきましては、てん菜及びサトウキビの生産振興並びに原料用カンショ及びバレイショの生産合理化を推進するとともに、花卉及び特用作物の生産振興をはかることとし、これら生産対策に要する経費十三億八千九百万円を計上するほか、国内産糖類の価格支持のための糖価安定事業団交付金等二十四億二千七百万円および国内産大豆なたねの保護のための交付金等四億三百万円を計上しております。
蚕糸対策につきましては、養蚕生産の合理化をはかるため、引き続き養蚕協業機械化の助成等を行なうほか、新たに集団桑園造成の合理化促進事業を実施するとともに、生糸の需要増進をはかるため、消費宣伝事業等を継続実施することとし、これらに要する経費八億五千二百万円を計上しております。
また、林産物につきましては、引き続き主要林産物の需給調査、木炭、干しシイタケの出荷調整事業の助成等を行なうほか、新たに素材生産の合理化促進事業を実施することとし、これらに要する経費七千四百万円を計上しております。
水産物につきましては、新たに多獲性魚の消費地における冷凍保管と計画的出荷により水産物の価格安定をはかるための事業を試験的に実施するとともに、引き続き産地冷蔵施設及び水産加工施設の整備、冷凍魚の普及事業の助成等を行なうこととし、これらに要する経費三億五千百万円を計上しております。
また、生鮮食料品の価格の安定をはかるため、以上の諸施策の推進のほか、生鮮食料品の流通機構の整備と消費の改善を促進することとし、このため、中央卸売り市場の施設整備等に必要な経費五億五千九百万円を計上しております。
第四に、生産政策、構造政策の推進と並行し、農山漁村の重要性についての十分な認識に立って農山漁村対策を拡充するための予算について申し上げます。
まず、農林漁業の後継者対策につきましては、次代をになう優秀な青少年等を育成確保するため、農業後継者育成資金の貸し付けワクの拡充、農業経営者養成のための研修教育施設の整備、農山漁村の青少年の集団活動の育成対策等を引き続き実施するほか、新たに都道府県に農村青年活動促進施設を設置するとともに、将来農村社会の指導者たり得る人材を養成するため農林省に中央青年研修施設を設けることとし、これらに要する経費五億三千六百万円を計上しております。
次に、農山漁村の環境整備につきましては、都市に比べて立ちおくれた農山漁村の生活環境や社会環境の近代化をはかるため、農林漁業用道路の整備を大幅に拡充実施するとともに、農家生活改善資金の貸し付けワクの拡充、住宅金融公庫の農山漁村住宅資金の活用、未点灯農山漁家への電気導入、農林家労働力対策等を引き続き実施するほか、新たに生活環境の近代化に関する相談指導を行なう生活改善特別事業の実施、農業近代化資金の融資対象として農村環境施設の追加、離農等の実態調査等を行なうこととし、さきに述べましたものを含め、これらに要する経費として総額八十八億七千九百万円を計上しております。
山村振興対策につきましては、山村における経済力の培養と住民の福祉向上をはかるため、振興山村における農道、林道等の設備について特に配慮するとともに、団体営土地改良事業等の採択基準の緩和等の措置を講ずるほか、二億二千六百万円を計上して新たに振興山村農林漁業特別開発事業を計画的に実施することとしております。
第五に、農林漁業の近代化の推進に必要な農林金融の拡充に関する予算について申し上げます。
まず、農林漁業金融公庫資金につきましては、農林漁業の経営構造改善及び基盤整備等に必要な資金を大幅に拡充するため、新規貸し付けワクを千四百二十億円に拡大し、この原資として資金運用部資金等の借り入れ千九十億円を予定するとともに、一般会計から同公庫に対し補給金三十三億六千七百万円を交付することとしております。
次に、農業近代化資金融通制度につきましては、農業者等の資金需要の実情にかんがみ、新たに生産家畜等の育成に必要な中期的運転資金及び農村環境の整備に必要な施設資金を融資対象に加えるとともに、貸し付け資金ワクを八百億円に拡大し、貸し付け金利の引き下げを行なうほか、農業近代化資金にかかる債務保証制度を充実強化することにより農業近代化資金の円滑な融通をはかるため、地方の農業信用基金協会の行なう債務保証について保険及び必要な資金の貸し付けを行なう制度を新たに設けることとし、これに伴い設立される農業信用保険協会に対する交付金を含め、これらに要する経費として七十三億六千九百万円を計上しております。
また、無利子で貸し付けを行なう農業改良資金制度につきましては、貸し付けワクを六十一億七千五百万円に拡大し、さらに、中小漁業融資保証保険制度につきましては、保険料率の引き下げ等を行なうこととしております。
以上のほか、農林漁業施策の推進のための重要な予算について申し上げます。
まず、農林水産業の試験研究事業につきましては、農林水産業の近代化に必要な技術的基礎を強化確立するため、試験研究費の増額、試験研究体制の整備等により試験研究の拡充強化をはかるほか、わが国の農業に関する技術研究の分野の拡大と水準の向上に資するとともに、今後における熱帯地域等に対する農業についての技術協力に寄与することを目的として、熱帯農業に関する技術上の試験研究等を積極的に推進することとし、これらに要する経費として総額百四億九千九百万円を計上しております。
次に、農林水産業の改良普及事業につきましては、農林水産業の技術の高度化、経営の専門化等に対応して技術等の改良普及体制の強化をはかるため、引き続き施設の整備、研修の充実、活動の助長等を行なうほか、普及職員の設置費について補助単価の是正を行なうこととし、農業改良普及事業に四十三億八千四百万円、生活改善普及事業に九億五千五百万円、畜産経営技術指導事業に一億三千五百万円、蚕糸技術改良事業に七億六百万円、林業普及指導事業に八億七千百万円、水産業改良普及事業に一億五千三百万円をそれぞれ計上しております。
農業災害補償制度につきましては、選択共済金額の上昇傾向等を考慮して掛け金国庫負担金を増額するほか、農業共済団体の事務費の増額により農家負担の軽減をはかるとともに、最近における畜産事情の変化に即応して農家の保険需要に対応し得るよう家畜共済制度の改正準備を行なうこととし、これらのため総額二百七十九億四千五百万円の農業保険費を計上しております。
このほか、農業関係につきましては、開拓地の営農振興対策として二十七億二千九百万円、農業資材の価格流通対策として四十六億六百万円、農業団体の整備強化措置として二十三億三千四百万円をそれぞれ計上しております。なお、開拓地の営農振興対策資金につきましては、貸し付けワクを六十二億円に拡大することとしております。
また、林業関係につきましては、さきに述べましたもののほか、森林計画制度、保安林整備、森林病害虫防除等森林資源の維持増強対策として十億三千七百万円、入り会い林野の整備促進対策として二千二百万円、森林組合等の育成対策として四千万円をそれぞれ計上しております。
水産業関係につきましては、すでに述べましたもののほか、中小漁業の振興対策、漁況海況予報事業及び内水面漁業の振興対策として一億二千七百万円、漁業災害補償制度の実施に要する経費として六億四千二百万円、漁船損害補償制度の実施に要する経費として九億八千六百万円、水産資源の保護培養対策として四億八千三百万円、海外漁場の開発、日韓漁業協定の実施等国際漁業対策として八億二百万円をそれぞれ計上しております。
また、農林水産関係の災害対策公共事業につきましては、海岸事業、農地、農業用施設、林野、漁港等の災害復旧事業並びに鉱害復旧事業の推進をはかることとし、総額二百九十二億八千七百万円を計上しております。なお、海岸事業につきましては、特定海岸の国庫負担率の引き上げを行ない、事業の促進をはかることとしております。
次に、昭和四十一年度の農林関係特別会計予算について御説明いたします。
第一に、食糧管理特別会計について申し上げます。
まず、国内米の管理につきましては、現行方式を継続することとし、昭和四十一年産米の集荷目標は七百十五万トン、政府買い入れ価格は前年産米の買い入れ価格と同額、消費者価格は現行どおりをそれぞれ前提として予算を編成しており、また、国内麦及び輸入食糧の管理についても、現行方式を前提として必要な予算を計上しております。
なお、卸、小売り業者の販売手数料及び農協等の集荷手数料につきましては、所要の改訂を行なうこととしております。
以上の方針に基づいて食糧管理を実施するため、さきに述べましたように、この会計の調整勘定に調整資金として一般会計から一千二百十億円の繰り入れを行なうこととしております。
また、カンショでん粉、バレイショでん粉及び輸入飼料につきましても、その買い入れ等に必要な予算を計上しており、このうち輸入飼料については、その買い入れ等に伴う損失を補てんするため一般会計から輸入飼料勘定へ四十三億円を繰り入れるとともに、昭和四十年度における砂糖類の買い入れに伴う損失を補てんするため一般会計から農産物等安定勘定へ六十六億円を繰り入れることとしております。
第二に、農業共済再保険特別会計につきましては、さきに述べました農業災害補償制度の運営のため一般会計から合計二百一億九千七百万円を繰り入れることとしております。
第三に、国有林野事業特別会計につきましては、最近における国有林野事業の収支状況等にかんがみ、できるだけ合理的な運営につとめることとして、これに必要な予算を国有林野事業勘定に計上しており、また、治山勘定におきましては、民有林治山事業及び国有林野内臨時治山事業の計画的な実施をはかることとしております。
第四に、漁船再保険特別会計につきましては、漁船損害補償制度の改善をはかるとともに、必要な準備金をこえて積み立てられている剰余金十二億円を新たにこの特別会計から漁船保険中央会に交付し、漁船保険事業の健全な発展をはかるための振興事業を実施させることとしております。
以上のほか、森林保険、自作農創設特別措置、糸価安定の各特別会計につきましては、それぞれ前年度に引き続きほぼ同様の方針で予算を計上しましたほか、特定土地改良工事、開拓者資金融通、中小漁業融資保証保険の各特別会計につきましては、さきに申し上げましたような施策方針のもとに予算を計上しております。
最後に、農林関係財政投融資計画について御説明申し上げます。
昭和四十一年度における農林関係の財政投融資計画は、農林漁業金融公庫、愛知用水公団、農地開発機械公団、森林開発公団、八郎潟新農村建設事業団、農地管理事業団、開拓者資金融通特別会計及び特定土地改良工事特別会計をあわせて総額一千三百五十三億円の資金運用部資金等の借り入れを予定しており、前年度に比し二百十四億円の増となっております。
これをもちまして、昭和四十一年度の農林関係予算及び財政投融資計画の概要の御説明を終わります。
山
すべての発言を表示しました