科学技術委員会

2000-11-15 衆議院 全186発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成十二年十一月十五日(水曜日)
    午後一時開議
 出席委員
   委員長 古賀 一成君
   理事 奥山 茂彦君 理事 塩崎 恭久君
   理事 高市 早苗君 理事 水野 賢一君
   理事 樽床 伸二君 理事 平野 博文君
   理事 斉藤 鉄夫君 理事 菅原喜重郎君
      岩倉 博文君    木村 隆秀君
      栗原 博久君    高木  毅君
      谷垣 禎一君    渡海紀三朗君
      林 省之介君    平沢 勝栄君
      松野 博一君    村上誠一郎君
      吉田 幸弘君    近藤 昭一君
      城島 正光君    津川 祥吾君
      山谷えり子君    山名 靖英君
      吉井 英勝君    阿部 知子君
      北川れん子君    中村喜四郎君
    …………………………………
   議員           近藤 昭一君
   議員           城島 正光君
   議員           樽床 伸二君
   議員           山谷えり子君
   国務大臣
   (科学技術庁長官)    大島 理森君
   科学技術政務次官     渡海紀三朗君
   政府参考人
   (科学技術庁長官官房審議
   官)           素川 富司君
   政府参考人
   (科学技術庁研究開発局長
   )            結城 章夫君
   政府参考人
   (厚生省児童家庭局長)  真野  章君
   政府参考人       
   (通商産業省基礎産業局長
   )            岡本  巖君
   政府参考人
   (特許庁長官)      及川 耕造君
   科学技術委員会専門員   菅根 一雄君
    —————————————
委員の異動
十一月十五日
 辞任         補欠選任
  岩倉 博文君     高木  毅君
  田中眞紀子君     平沢 勝栄君
  城島 正光君     佐藤 敬夫君
  北川れん子君     阿部 知子君
同日
 辞任         補欠選任
  高木  毅君     岩倉 博文君
  平沢 勝栄君     栗原 博久君
  阿部 知子君     北川れん子君
同日
 辞任         補欠選任
  栗原 博久君     吉田 幸弘君
同日
 辞任         補欠選任
  吉田 幸弘君     田中眞紀子君
    —————————————
十一月十五日
 脱原発への政策転換に関する請願(横路孝弘君紹介)(第一三八八号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第一四四二号)
 同(大幡基夫君紹介)(第一四四三号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第一四四四号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一四四五号)
 同(重野安正君紹介)(第一四四六号)
 同(東門美津子君紹介)(第一四四七号)
 同(春名直章君紹介)(第一四四八号)
 同(藤木洋子君紹介)(第一四四九号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第一四五〇号)
 同(山口富男君紹介)(第一四五一号)
 同(横光克彦君紹介)(第一四五二号)
 同(吉井英勝君紹介)(第一四五三号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律案(内閣提出第七号)
 ヒト胚等の作成及び利用の規制に関する法律案(近藤昭一君外三名提出、衆法第八号)

    午後一時開議
     ————◇—————
この発言だけを見る →
古賀一成#1
○古賀委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律案及び近藤昭一君外三名提出、ヒト胚等の作成及び利用の規制に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として科学技術庁長官官房審議官素川富司君、科学技術庁研究開発局長結城章夫君、厚生省児童家庭局長真野章君、通商産業省基礎産業局長岡本巖君及び特許庁長官及川耕造君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
古賀一成#2
○古賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
この発言だけを見る →
古賀一成#3
○古賀委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山谷えり子君。
この発言だけを見る →
山谷えり子#4
○山谷委員 長官に質問させていただきたいと思います。
 生命科学、発生科学に関する人類の知見、技術は、今大変なスピードで進んでおりまして、これに伴いまして、クローン技術等について、その安全性が確認されることもあるとは思いますけれども、他方で、その危険性についても次々と明らかにされていくことも考えられるわけでございます。クローン技術等に対する規制については、こうした技術の進歩に沿って絶えず見直しをしていく必要があるのではないかというふうに考えております。きのう、参考人としてノンフィクションライターの最相葉月さんがいらっしゃいましたけれども、毎年場所を設けて話し合う場が必要ではというふうにも言われました。そのくらいの、やはりスピードに対する責任感が必要ではないかというふうに考えております。
 政府案の検討条項にあります五年以内という、以内だからいいじゃないかという御発言もございましたけれども、五年以内という検討期間は、三年以内に改めるべきというふうに考えておりますけれども、いかがでございましょうか。
この発言だけを見る →
大島理森#5
○大島国務大臣 昨日の参考人の質疑も、全部ではございませんが、さまざまな先生方の御意見がこうであったということを拝見いたしましたし、また、先生方の意見をこの場で議論していただきながら考えますことは、法律というのは、不磨大典のものはないのが法律であろう、だから国会があるんだろうとは私は思います。
 しかし、おっしゃるように、この世界はこれからどんどん、進化という言葉がいいのか変化というのがいいのか、未知なゆえに、いろいろな現実、事実を我々に突きつけてくるような気がいたしますし、また、そうであろうと思います。したがって、そういう思いを込めて、私どもは五年以内、こう申し上げました。
 ただ、法律をつくるに当たって、そういう方針を国家の意思として、国会の意思としてもう少し詰めたらどうか、そして改めてきちっと国会の中で議論するというのはどうかということでありますが、私は、そういうことについては、それを全く否定するものではございません。どうぞ各党各会派におかれまして、そういう必要性が国家の意思としてあるということであれば、それも一つの方法かなとは思います。ただ、つくった法律を、あしたすぐまた変えるという国家の意思も、国会の意思も、余りまたそこは褒められたものでもありますまい。
 したがって、そういう状況の中で御判断いただければ、私どもはそれに対応してまいりたい、このように思っております。
この発言だけを見る →
山谷えり子#6
○山谷委員 さらに長官になんですけれども、政府案は、ヒトクローンの禁止等を規定するのみで、ヒト胚の取り扱いについて触れるところがございません。しかし、これでは何らの法的規制もないまま、いわば無秩序にヒト胚が生殖医療や研究に用いられている現状が放置されることになります。国民の不安にこたえるためにも、生殖補助医療におけるヒト胚の取り扱いを含めた包括的な規制のあり方について、早急に検討して、適切な規制を講ずる必要があると考えます。
 とりあえず、クローン禁止に関しては与野党ともに合意しているのだからいいじゃないか、与党クローン禁止法を成立させて、その後また議論するということでもいいじゃないかというお考え、こういう姿勢は私、おかしいというふうに考えております。こうした姿勢こそが、研究を暴走させたり無秩序にさせたり、あるいは生命倫理の問題を顧みなくさせるということにもなるというふうに思っております。ヒト胚の取り扱いについても検討の対象として、その結果に基づいて必要な法規制を行うべきだというふうに考えておりますけれども、いかがお考えでございましょうか。
この発言だけを見る →
大島理森#7
○大島国務大臣 これも一回目の委員会のときに、多くの先生方から御議論をちょうだいしました。今、ヒト胚に関して、いわば法規制していないから、政府としても全く野方図にほうっていいということで書いていないのではないということも申し上げたわけです。
 ヒト胚の問題であるからこそ、今、ある意味では政治のリーダーシップで、えいやっと、こうやったらいいじゃないかという考え方の人もあるかもしれません。しかし、ヒト胚がゆえに、そこにかかわる、ある委員のお話でございますれば、産む権利、また産まざる権利、そういう権利というものも世界的に一つの概念として認識が一つになっているんではないだろうか。そういうことにもかかわるヒト胚の問題について、やはりこれからさまざまな議論をしていただいて、そしてそういう中にあって、この点は国民の合意がおおよそ得られたんじゃないだろうか、そしてその上に立ってこういう体制整備というものが必要ではないかという、将来的なそういうふうなあり方というものも私の頭にもございます。
 ですから、ヒト胚については、今後もう規制とかそういう問題については全く触れないということじゃなくて、ある意味ではそこの利用のあり方、研究のあり方を秩序立ててやっていかなければならないという問題が一方にある。そして一方には、人の産む権利、産まざる権利と非常にかかわる範囲でもあるがゆえに、まず、もう少しその世界は国民の合意をつくっていく、那辺にあるか合意を探っていくという必要性を私どもが今認識しているわけでございます。
 そういうことにかんがみながら、いずれの時期にかそういう必要性があれば、当然に政治の意思としてそこはきちっとしていかなければなるまい。あるいは行政の立場でも、必要があれば皆様方に御相談をいたさなければなるまいという思いでございますので、現在、きちっと明確に書いて法規制をがちっとしてというには、ちょっと準備がなさ過ぎる、議論ももう少ししていかなきゃならぬという思いでございますので、これからそこの世界においては多くの方々の御意見を賜りながら、むしろ研究をしていくといった方がいいのかもしれません。そして、そういう中で、必要であれば、それはそのときはあるべき姿を法律として御提案しなければならないところもあるだろうし、ガイドラインで処しなければならぬところがあれば、ガイドラインで処していくというふうなこれからの道筋というものを想定しております、考えていかなければならない世界でございましょう。このように御理解いただければと思うのでございます。
この発言だけを見る →
山谷えり子#8
○山谷委員 この審議の席で何度も出たことでございますけれども、科学技術会議の委託で行われた生命倫理に関する世論調査の結果、その結果によれば、いつの時点から人として絶対に侵してはならない存在かという質問に対して、受精の瞬間からという回答が最も多くて三割を占めていた、あるいはまた、ヒトの受精卵の研究利用の是非についても、研究利用禁止及び厳重に規制すべきとの回答が六割を超えていたということは、何度もこの審議の中でデータが出されました。特定胚の取り扱いのみを規制する政府案においても、特定胚の作成に当たってヒト胚を使用する場合があるわけでございますので、今の長官のお答えではございますけれども、ヒト胚というのは他の人体の細胞とは異なるわけで、それ自体で一つの個体に成長し得るものであることから、ヒト胚は人の生命の萌芽であって尊重されるべきだという旨を今政府案に目的として書き込むことはいかがお考えでございますか。
この発言だけを見る →
大島理森#9
○大島国務大臣 たびたびの御質問でございますが、まず基本論でお答えをしたいのでございますが、改めて、私どもとしては、まさに人の尊厳の保持、このことに重大な影響を与えるクローン個体等の産生を防止する、まずそこを目的にしたというのがこの法律の一つの趣旨でございます。
 さはさりながら、先ほど申し上げましたように、ヒト胚という問題については、これからどのような国民の皆様方の合意形成というものが生まれてくるのかな。そのためには、率直に申し上げて、やはりもう少し幅広い国民の議論をしていただく、そういう中から考えていかなきゃならぬ。倫理的にもちろん尊重すべきものでございます。
 したがって、そのヒト胚というものにどのような保護を与えるべきか。これは繰り返して恐縮でございますが、さまざまなそれ以外の要件もそこにかかわってまいりますから、もう少し国民の合意をつくるために私どもも努力し、また各党間においてもさらに御努力いただきながら、そして一つの合意形成ができ、ある程度どうもこういうことだな、そのときに当たって私どもは、その問題はその問題として、その世界における秩序というものを考えていかなければならない、このように思っております。
この発言だけを見る →
山谷えり子#10
○山谷委員 ヒト胚の取り扱いそれから研究利用における規制のあり方なんですけれども、それでは、政府としては具体的にどのようなタイムスケジュールで、どのような場で、どのような体制で、どのような視点で審議を行っていこうというふうにお考えでございましょうか。
この発言だけを見る →
渡海紀三朗#11
○渡海政務次官 ヒト胚の問題というのは、生殖医療で扱われる部分、そして研究開発というか研究で扱われる部分というふうに大くくりできると思うのですが、研究開発の部分につきましては、既に科学技術会議の生命倫理委員会で報告がされております。委員御承知だと思いますが、先ほどからお話しのように、「ヒトの生命の萌芽としての意味を持ち、ヒトの他の細胞とは異なり、倫理的に尊重される」、私どもはその同様の考えのもとに今後規制のあり方について考えていきたいというふうに思っております。
 具体的には、研究材料として新たにヒト受精胚を作成しない。これは、よく言われております余剰胚等だけが対象になるということ。科学的な必要性と妥当性が認められること。また、インフォームド・コンセントが適切に取得されること、提供が無償で行われること等でございまして、こういう要件が既に生命倫理委員会で提示をされております。
 なお、社会のヒト胚、ヒト受精胚の取り扱いについての意見を広くくみ上げつつ、今後議論を進めてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
 また、スケジュールのお問い合わせがございましたが、この全般の議論というものを早急に深めていくこととするというふうに、これも生命倫理委員会で既に決定が行われております。そういうことを踏まえて、年内にも科学技術会議において検討を開始したいというふうに考えておるところでございます。
 また厚生省が、厚生科学審議会で生殖医療等のいろいろな議論をほぼ結論づけたというふうにも言っていいのじゃないか。そういった動きも踏まえながら、研究の分野でも早急にその議論を進めていきたいというふうに考えておるところでございます。
この発言だけを見る →
山谷えり子#12
○山谷委員 次に、卵子の問題なんですけれども、不妊治療のための卵子採取、これは、いろいろな女の方たちに聞きましたけれども、何日にもわたって排卵誘発の注射をして、吐き気とか目まいとか痛みとか、あるいはまた卵巣がはれたり腹水がたまるなど、身体的な負担が非常に大きいというふうに聞きました。また、精神的にも金銭的な面でも非常に大きな負担がかかるわけでございます。
 こうした負担のもとに得られた卵子や余剰胚を同意なしに研究に用いることは許されていないにもかかわらず、インフォームド・コンセントとおっしゃいましたけれども、現実には十分な説明や同意がないまま現場では研究に利用されていることもあるというふうに聞いております。
 女性の卵子の採取、使用は現在、当人の生殖補助医療目的以外には行われないことになっておりますけれども、にもかかわらず、女性たちが不安を持っているというのが現実ではないかというふうに思います。やはり密室で行われていることですので、そしてまた、医者に対して何か物を言いにくいというようなこともございまして、そのようなことでございますけれども、政府案ではこの点どのような配慮がなされているのでしょうか。
 政府案第四条では、「特定胚の取扱いに関する指針を定めなければならない」として、また第四条第二項に「提供者の同意が得られていること」と、あることはあるのですが、同意が自由な意思決定に基づくものであることや、またそのための十分な説明の実施が必要であることについて、明記がされていないということで不安を持つ方がいるわけですが、その辺はいかがでございましょうか。
この発言だけを見る →
渡海紀三朗#13
○渡海政務次官 先ほどの御質問の中でもお答えをさせていただいたところでありますが、生殖補助医療の現場、この中で今議論が進められておりまして、ただし、この余剰胚の問題につきまして深い議論がされているのか否か、ここのところはちょっと不明快な部分がございます。
 しかしながら、研究開発という意味におきましては、この胚を用いて研究開発をするというときに必ず届け出が必要になるというのがガイドラインで書かれることになるわけでございますから、その中において、きっちりとした様式、手続を定めて、そして、インフォームド・コンセントがしっかりと実施されるように政府としては考えていきたいというふうに現在考えておるところでございます。
この発言だけを見る →
山谷えり子#14
○山谷委員 続いて、ガイドラインの問題です。
 ガイドラインの策定に当たっては、広く国民の声を聞いて、その意見を反映していくということが必要だというふうに考えておりますけれども、第十二条で、「特定胚の取扱いが指針に適合しないものであると認めるときは、その届出をした者に対し、特定胚の取扱いの中止又はその方法の改善その他必要な措置をとるべきことを命ずることができる。」というふうにありまして、第十五条に適合しない場合は立入検査を行うということもあるというふうに書かれてはいるのですけれども、そもそも届け出しなかった者に対しては立入検査もできないわけでございまして、どのようにして届け出をしないで研究を行う者を見つけるつもりか。
 もちろん、皆さんが届け出をするという紳士的なことに立ってのことではありますが、そうではなくて、やはり届け出をしないで研究を行う者をどのように見つけるかということも考えていらっしゃるのか。届け出をしない者に対して罰則をかけることは事実上できないわけでございますから、許可制でないと本当に実効的な規制はできないというふうに考えているのですけれども、その辺はどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
この発言だけを見る →
渡海紀三朗#15
○渡海政務次官 きのうの参考人質疑の中で、西川先生ですか、いろいろとお答えになっていたと思いますが、まず基本的には、やはり研究者の間でしっかりとした秩序といいますか、モラルをつくっていただく。ピアレビューが基本だというふうにお答えになっていたと私は理解をいたしております。
 これは、許可制であっても、見えないものは実はこれは見つけられないわけでございまして、そこのところをやはりしっかりしていただくような研究体制をつくっていただくべく、政府としてもきっちりと、指導というのは研究者に対して失礼かもしれませんが、努力をすべきであろうというふうに思います。その上に立って、なお、やはりできるだけネットワークといいますか、情報開示ということを原則にさまざまな物事を行っていくことで、これはあくまで隠れてやられるという方は、実はどうやって見つけるかというのはいろいろな方法があろうかと思います。
 ただし、研究の現場、確かに従来から議論されておりますように、現場が非常に場所がかかったり、お金がいっぱいかかったり、そして大きな装置が要るというものでないだけに、委員がおっしゃる心配ももっともだというふうに思いますが、情報公開なり、そして研究の現場におけるお互いの規律、モラルというものをしっかりつくっていただくような、こういった体制をつくり上げていただく。と同時に、監視する方としては、しっかりとした日ごろからの情報収集を心がけて、そういうことが起こらないように努めるというのが政府が考えることではないかというふうに判断をいたしております。
この発言だけを見る →
山谷えり子#16
○山谷委員 それから、第十三条におきまして、胚または細胞の提供者の個人情報の保護が規定されておりますけれども、これも罰則のない努力義務規定ということで、個人情報の保護が確保できないおそれがありますけれども、その辺はいかがお考えでございましょうか。
この発言だけを見る →
渡海紀三朗#17
○渡海政務次官 確かに、大変難しい問題だというふうに考えております。むやみに罰則をかけるべきか否かというのは、御承知かと思いますが、実は現在、個人情報保護法の制定といいますか、制度が検討されておるところでございます。これは、今のIT革命に絡んでということで、個人情報といいましても種類は少し違うかというふうには思っておるところでございますが、その辺の結果をちょっと待たなければいけない部分もあるな。やはり法体系として、全体としてバランスのとれたものをつくらないと、社会の納得がなかなか得られないということであろうと思いますから、そういう必要性があるというふうに考えておりまして、現在のところは努力義務とするのが適当ではないかなというふうに考えておるところでございます。
この発言だけを見る →
山谷えり子#18
○山谷委員 質問はこれで最後にいたしまして、感想なんですけれども、政府案、本当にクローン人間を禁止する法ですというふうに言われたときに、国民の多くは、ああ、そうか、そういう法なのかというふうに理解したと思うのです。私も前回申しましたように、例えば動物の細胞核を脱核したヒトの卵子に移植することにより作成される胚、動物性融合胚、これはヒトの細胞質を持った動物の誕生が可能であるということとか、あるいはヒト集合胚、ヒトの胚にその胚と一体となって分裂、成長することが可能なヒトの細胞を結合させることにより作成される胚、これは体の一部が別人由来の細胞となるというヒト・ヒトキメラ。ヒトとヒトの集合胚を子宮に戻すことは法律で禁止されていないなんということが出ますと、多くの普通の人は、え、そうなのというような不安をお持ちになられる。
 やはり命をもてあそぶことの恐れというものは本当に大切なものだと思いますので、これからも国民の皆様に私たちは情報を公開して説明していく、そして合意を形成する努力を常に常にしていくというような、そういう時代に私たちが政治家として働いているんだということを考えていかなければいけないというふうに思っております。
 人間の胚、卵、ヒト受精胚の取り扱いのあり方、研究のあり方、規制など、生命倫理の視点から包括的にとらえていく必要は私は感じております。さらに、検討をいろいろしていく総合科学技術会議は、日本の社会が生命科学技術の人への適用についてどこまで容認するかという問題に深い議論をして、そして国民の声を聞いてこたえていくという役目があるというふうに思いますので、本当にこれから、特定胚をつくることについてはどういう意味を持っていて、それによって何をしようとしているのか、情報を出して説明をして、広く意見を聞いていく。公聴会とか交換会とか、そういう場を設けていく必要があるというふうに思いますけれども、それに対しては、簡単で結構でございますが、いかがお考えでしょうか。
この発言だけを見る →
大島理森#19
○大島国務大臣 今先生の御意見をさまざまに聞いて、基本的には同感をいたします。特に、科学技術というのは、全般的に今のような議論が普遍的に根底にあるものだと私は思います。
 すばらしい研究でも、それを悪用すれば、それは人類の発展にならない、むしろ人類の福祉を阻害していくということ、両面を持っているのが科学技術政策でございましょう。ましてや生命科学というのは、人間の尊厳、そういうものに深く密接にかかわる問題であればあるほど、今先生が言われたような多くの皆さんの意見ができるようにしたり、情報公開をきちっとしたり、しかし一方、プライバシーの尊重というものをきちっと守ったり、こういうことが一層求められる世界だ、このように思っております。
この発言だけを見る →
山谷えり子#20
○山谷委員 ありがとうございます。以上で結構です。
この発言だけを見る →
古賀一成#21
○古賀委員長 近藤昭一君。
この発言だけを見る →
近藤昭一#22
○近藤(昭)委員 民主党の近藤昭一でございます。
 今回の閣法、そして私ども民主党が出させていただきましたクローンの技術に関する規制の法案を議論させていただいておりますけれども、前回の私の質問の中でもちょっと触れさせていただきましたが、とにかくクローン人間というものをつくることを大変に危惧している、まずこれの規制だというところでは一致できるのかもしれませんが、私たちが対案を出したというのは、やはり一致できないところがある。そして、かなりその部分については重要な問題があるからということで対案を出したわけであります。
 それで、特に危惧をしている問題について幾つか質問をしたいわけでありますが、やはり特に心配をしておりますのがES細胞についてであります。
 私どもは、ES細胞の樹立については、ヒト胚、受精卵を使うということについて、人権といいましょうか倫理観から考えて、とにかく慎重であるべきである。まず、法律で規制して、その目的が合理的であり、人類の発展といいましょうか、人々の、皆さんの理解も得られること。そして、それが合理的、つまり十分な実験をした後、安全性も確認されて、もうあとは人で実際に受精卵を使ってES細胞をつくって実験するしかない、そういう非常に厳しい規制のもとでのみやるべきだ。
 しかしながら、政府案では、これについては行政指針で規制するにとどめている。このことについて、改めてその理由をお聞かせいただきたいと思うわけであります。
この発言だけを見る →
大島理森#23
○大島国務大臣 近藤委員から改めて、民主党の基本的な考え方を踏まえた御質問がございました。
 一つだけ、その点は意見が違う、こうお話をされましたが、ES細胞の扱いについても、私どもは野方図にしていいという考えを持っていないがゆえに、そういう意味では、ある意味では何らかの秩序というものが必要であるというところにおいては、私は共通しているような気がするのでございます。
 ただ、ES細胞は、まさにヒト胚と密接にかかわる議論でございます。そのヒト胚のいわばあり方というものについて、国民的合意が私どもはもう少し必要であろう。それで、そういうことを得てから、ヒト胚の扱いに対する、あるいは必要とすれば法律による規制というものも私は全く否定するものではございません。また、それとかかわるES細胞の問題である。一方、ES細胞からの個体産生に関して、個体産生というものが全く不可能ではございませんけれども、そういうことはそう簡単ではありません。したがって、今のところガイドラインということによって規制をしていこうという考え方に立ちました。
 そういうふうなことで、ヒト胚に対する国民的合意形成、そういうものを見詰めつつ、ES細胞についてのまた御議論もそれに関連した形で出てくるものであろうし、このES細胞が今研究としてスタートしたばかりでございますし、どういうふうに規制したらいいのだろうかということを、余り今からがんと法律でやるということが本当にいいのかどうか。そういうふうな思いを持って、ガイドラインという形にいたしました。
 しかし、繰り返して恐縮でございますが、ヒト胚の扱い方、そういうものとかかわって、将来的にES細胞の扱い方も、結果として法律による規制、あるいはそういうものが必要であるとすれば、そのときはそのときで我々が判断をしていく必要性があるであろう、このようには思っております。
この発言だけを見る →
近藤昭一#24
○近藤(昭)委員 私どもも、先ほど申し上げましたように、法律で規制をして、許可制という厳しいもとでやる。ある種、入り口というか門は狭いながらに開いているわけでありまして、ただ、繰り返しますと、門の開き方の、どう門を開くかという認識だと思うのです。
 今の長官のお答えの中にも、ES細胞はヒト個体の産生にまだつながらないだろうというような御答弁があったわけでありますが、本当に科学の進歩というのはまさしく日進月歩でありまして、クローン羊ドリーについても、みんな、まさかその技術が、こんなに早く羊ができ、牛ができ、豚ができ、そしてそれが人間に応用できるというふうには、思っていなかったのではないかと思います。
 そういう意味で、ES細胞については、これは大臣も御存じだと思いますが、カナダでの実験で、マウスのES細胞を使う、そしてそれを特殊な細胞の中に包み込んでやる、そういう技術を使ってある種の環境をつくってやると、その包み込んでやることによって、ES細胞から個体ができたというような報告を出した研究者がおられる。
 そうすると、人間についても、ある種の環境、その環境をつくる技術を開発することによって、大変に近い将来に、ES細胞由来の胚をつくることによってヒトの個体も産生できてしまうのではないか。しかしながら、これは、閣法によりますと門戸が緩過ぎるのではないかというふうに心配をしておるわけでありますが、いかがでありましょうか。
この発言だけを見る →
渡海紀三朗#25
○渡海政務次官 基本的な考えは、今大臣がお答えしたとおりであります。
 ES細胞から個体に移る段階において、例えばさまざまな技術、今近藤委員が御指摘になった技術も仄聞はいたしております。基本的に今考えられている科学的知見としては、必ずまたその核移植なり、それから融合なり集合なりという技術を用いなければいけないというふうに報告をされておるところでありまして、そういうことになってきますと、政府案の規制の対象に入ってくるわけでございます。
 その規制か法かということになりますと、これは随分この委員会でも長いこと議論をしてきたことになるわけでありますが、そういった意味では、野方図に、野放しにこのことが日本において行われる体制であるということは言えないというふうに考えておるところでございます。
 また、このES細胞に関して、個体産生の問題と、それからもう一つ、今まさにおっしゃったES細胞に由来した分化細胞とか分化組織、これを実際に人に適用していくという問題があろうかと思いますが、その問題についての安全性なり、また臨床における手続なりについては、これは大変やはり問題があるという意識でございます。
 ただ、現在のところ、まだ研究がそこまで至っていないという状況の中で、今後、当然さまざまな科学的予見も踏まえて、科学技術会議の中できっちりとしたガイドラインをつくらせていただきたいというふうに考えておるところでございます。
この発言だけを見る →
近藤昭一#26
○近藤(昭)委員 今御答弁の中にありました、ガイドラインの中でということでありますが、繰り返しになってしまうわけでありますが、ES細胞につきましては、今申し上げたような生殖細胞等々の技術を使うことによって、本当に個体の産生さえあるのではないか。
 今、カナダのことを申し上げましたが、実は日本の国内の研究所でも、もともとES細胞は何にでもなる、だからこそ実験をということなのでありましょうが、やはり何にでもなる中で、ES細胞から精子、卵子もつくることは原理的に可能である。そして、国内の実験でも、それが精子になり得る細胞、まだ精子ではないのですが、精子になり得る細胞をつくるところまではいったというような国内の実験もあります。
 つまり、その実験を担当された研究者の方自身も、これは報道によりますと、動物実験以外でやるつもりはないけれども、ルールづくりを自分自身、研究者自身としても非常に言っている。このルールが、ガイドラインなのか、私どもが申し上げた、まず法で規制、許可制なのか。この辺の認識は本人に直接確認したわけではありませんが、私は、やはり基本的な認識としては、とにかく厳しくする中でということを考えております。
 これはこの委員会の中でも何遍も出ました、ES細胞から臓器をつくり得る可能性がある。ただ、それは本当に、だれしも、自分が臓器の機能を失う、移植をしなくちゃいけない、なかなかその欲望にかてないかもしれない。しかし、そこでできた臓器の安全性というのは、まだまだ心配があるというふうな認識でおりますので、今御答弁の中にもありました、危険性は十分問題意識としては持っておられるということでありますので、私としては、より厳しい形でやるべきだというふうに申し上げたいと思います。
 続きまして、次の質問でございますが、先般の参考人質疑の中で参考人のお一人から御指摘がありました、科学技術会議の生命倫理委員会の委員長の人選ということであります。
 私も、あのときにお話を聞きまして、改めていかがなものかと思いました。確かに、それぞれがそれぞれの立場を持っているわけでありますから、委員あるいは委員長、その方の立場を持っている、その人の意見を委員会の中でどんどん言っていくということは当然のことであります。しかしながら、特定の利害を持った方が委員長という立場につかれて、やはり委員長というのは会議をリードしていくんだと私は思うのです。
 ですから、この間の御指摘の中ではイギリスの例を挙げておられましたけれども、利害を持った方は、委員となることはできて、もちろん議論には参加をして意見も言うことができる。これは当然であります、その人の立場、その人の考え方があるわけでありますから。しかしながら、たしか採決には参加しないような、そんなことだったと思います。
 私は、その話を聞いておりまして、どういう方法でそれを具現化していくかは別として、やはりそういった非常に利害が絡んでいる方が委員会をリードしていくことはいかがなものかなというふうに思ったわけでありますが、この点についてどうお考えでしょうか。
この発言だけを見る →
大島理森#27
○大島国務大臣 今近藤先生が利害という言葉を使われたのでございますが、この問題における利害というのは何だろうかなとふと私は思ったのでございます。
 例えば、ある許認可事項があって、それを検査するあるいは判断をする委員会があれば、その利害はかなり明確にあると思うんですね。この問題の利害というのは、人類にとって利なのか害なのかという判断をするのが利害なのかなと私は思ったんです。そういう観点から考えますと、私自身、現委員長は本当に長い間、私も何度か先生のお話を伺ったり判断を伺ったりしておりますが、豊富な経験と知識を持っておられる立派な先生だ、こう思っております。
 参考人のある方がそういうふうに、人は見方の部分がございまして、大島理森も顔かたちがいいなと思う人が見ていればいいのかもしれませんが、しかし、客観的に見て、私は余りいい男じゃないんですね。そういうふうに、なるほどな、そういうふうな見方から御批判というか御意見を出されるのもあるのかなと思いましたけれども、改めて、大臣として私は、委員長は豊富な経験と知識を有した、識見を持った立派な方である、そして人類のために何がよくて何が悪いかという判断ができる人だ、こういうふうに確信をいたしております。
この発言だけを見る →
近藤昭一#28
○近藤(昭)委員 もちろん、利害と申しましょうか、今長官の御答弁なさった中で申し上げますと、大事なことは、その方がどう考えていらっしゃるか、どう行動されるか、御本人だと思います。そういう意味ではちょっと私の言葉の使い方が悪かったのかもしれないという反省をしておりますが、利害というと、まさしく益があって、それをやることによって物が得られるというようなことになってしまうわけであります。
 先般の参考人質疑のときに、参考人の方がどういうお言葉をお使いになったのかなと改めて思い返しているところですが、ちょっと思い出せないのですが、関係するという言葉をお使いになったかどうかわかりませんが、ただ、あのときの議論は、参考人の方がおっしゃったのは、つまり、生命倫理委員会が基本的に答申を出して、そのことに基づいて法案がつくられていくだろう、その法案の結果が、御自身が関係なさっている、あのときはたしか神戸のことが出ていたと思いますが、そういった生命科学技術の先端都市を目指す都市の中でそういったプロジェクトの責任ある立場におられる。つまり、先端都市を目指すということでありますから、これは失礼な言い方になってしまうかもしれませんが、わかりやすく申し上げれば、なるべく厳しい規制でない中で進めていった方が、先端都市を目指す都市としてはやりやすい。ちょっと語弊がある言葉かもしれませんが、進めやすいという中で、委員長をやっていらっしゃるというのはいかがなものかという議論だったと思います。
 その点はいかがでしょうか。
この発言だけを見る →
大島理森#29
○大島国務大臣 近藤先生、改めて私ども国会議員とは何ぞやということを共通の認識にしたいと思うのでございますが、例えば各省庁にいろいろな委員会、諮問会議がございます。私どもは、すぐれて国家の法律をつくる場所は国会だと。もしそこで、私はそういうことは絶対ないというふうな思いで今確信を申し上げておりますが、我々が法律を審議しているのであって、その先生方が出されたものを全部国家の法律としてでき上がる、していくということではないわけでございますので、どうかそういうふうな高い責任感を持ち、民主党さんも立派な対案をお出しになって議論しているわけでございますから、そういう観点で立派な法律を議論し、結果として生み出すことが国会の役割だと私は思います。
 改めて申し上げますが、ありていに言えば、地政学的にそういうふうな観点から自分の判断を左右するような方ではございません。私は確信を持って、いわゆる客観的な議論をいただける、そういうチェアマンとしての役割を立派に果たせる先生だ、このように思っておりますので、むしろ信じていただきたい、こう思います。
この発言だけを見る →
← 戻る