科学技術委員会

2000-11-10 衆議院 全136発言

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会議録情報#0
平成十二年十一月十日(金曜日)
    午前九時五分開議
 出席委員
   委員長 古賀 一成君
   理事 奥山 茂彦君 理事 塩崎 恭久君
   理事 高市 早苗君 理事 水野 賢一君
   理事 樽床 伸二君 理事 平野 博文君
   理事 斉藤 鉄夫君 理事 菅原喜重郎君
      岩倉 博文君    木村 隆秀君
      谷垣 禎一君    渡海紀三朗君
      林 省之介君    松野 博一君
      近藤 昭一君    城島 正光君
      津川 祥吾君    山谷えり子君
      山名 靖英君    吉井 英勝君
      北川れん子君    中村喜四郎君
    …………………………………
   議員           近藤 昭一君
   議員           城島 正光君
   議員           樽床 伸二君
   議員           山谷えり子君
   科学技術政務次官     渡海紀三朗君
   政府参考人
   (科学技術庁研究開発局長
   )            結城 章夫君
   科学技術委員会専門員   菅根 一雄君
    —————————————
十一月九日
 脱原発への政策転換に関する請願(辻元清美君紹介)(第一〇四四号)
 同(土井たか子君紹介)(第一〇四五号)
 同(日森文尋君紹介)(第一一四〇号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律案(内閣提出第七号)
 ヒト胚等の作成及び利用の規制に関する法律案(近藤昭一君外三名提出、衆法第八号)

    午前九時五分開議
     ————◇—————
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古賀一成#1
○古賀委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律案及び近藤昭一君外三名提出、ヒト胚等の作成及び利用の規制に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として科学技術庁研究開発局長結城章夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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古賀一成#2
○古賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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古賀一成#3
○古賀委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木村隆秀君。
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木村隆秀#4
○木村(隆)委員 おはようございます。順次質問をしてまいりたいと思います。
 一昨日の質疑を伺っておりまして、クローン人間を生み出すことを禁止するということに関しては、政府案も民主党案も共通の認識であろうと思います。私も、クローン人間を生み出すということは絶対にあってはならないことだと思っています。しかし、ただ気持ち悪いというだけで、懲役という重い刑罰をもって禁止するということはできないわけであります。法律で規制をするということは、実際に社会に対して悪影響があるということが必要であると思うわけであります。
 そこで、政府にお聞きをしたいのでございますけれども、政府案の考え方のもとになった科学技術会議生命倫理委員会の検討の過程において、クローン人間とはどのようなもので、なぜ禁止されなくてはならないのかという議論がなされたと伺っておりますけれども、その経緯をお述べいただきたいと思います。
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結城章夫#5
○結城政府参考人 科学技術会議の生命倫理委員会におきまして、ヒトクローンについてさまざまな角度から検討が行われました。ここでいいますヒトクローンといいますのは、クローン羊ドリーのように、体細胞からでき上がってくるクローンのことでございます。
 それで、まず、この人クローン個体をつくるということはどういうことであるかということの分析でございますけれども、受精という男女両性の関与なく子孫を生み出す無性生殖であるということ、それから、産生される個体の遺伝子が体細胞の提供者、既に存在する提供者と同一であること、産生される個体の表現形質が相当程度予見可能であること、よって、特定の表現形質を持つ人を意図的に生産することが可能であること、そういう技術であるという指摘がなされました。
 この分析に基づきまして、それでは、人の尊厳をどういう点で侵すことになるのかという議論が行われまして、問題点として、人間の育種や人間の道具化、手段化につながりかねない、それから特定の人の遺伝子の複製ができるという二点により、個人の尊厳が侵害されることがまず指摘されました。
 さらに、人の命の創造に関する基本認識、両性生殖であるわけですけれども、そういう基本認識から著しく逸脱することが人の尊厳を侵すという指摘がなされております。
 このような検討の結果、クローン人間の個体の産生は禁止されるべきという結論になったものでございます。
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木村隆秀#6
○木村(隆)委員 クローン人間がなぜいけないかということについては、科学的な観点、そして倫理的な観点からよく議論がなされて、詳細に検討が行われたのだ、よって、クローン人間は禁止をしなくちゃいけないという結論に達したということだろうと思います。
 政府案は、このような生命倫理委員会が明らかにした問題点について、懲役という重い刑罰をもって禁止すべきということになっているわけでございます。
 そこで、続けて政府にお聞きをしたいのでございますけれども、生命倫理委員会のもとに設置されたクローン小委員会の中間報告においては、国のガイドラインによる規制と法律による規制の両論が併記されていたと思います。今回、最終的には法律で規制するということになったわけでございますけれども、その辺の経緯をお聞かせいただきたいと思います。
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結城章夫#7
○結城政府参考人 生命倫理委員会で禁止すべきとされました人クローン個体の産生を実際どういう形で規制するかということが、クローン小委員会における最大の論点でございました。
 小委員会の方におきましては、ガイドラインによる規制で十分な実効性が上がるんじゃないかという意見もございましたし、また、ガイドラインによる規制では、医師や研究者のコミュニティーに属さないアウトサイダーに対しては効力が十分ではない、これらを含むあらゆるものに対して有効であるためには、法律により強制力を伴った形で網羅的に規制を行うことが妥当であるという意見もございました。
 そういう両論があったわけでございますが、アンケート調査では約七割の方がクローン個体産生を法律に基づいて禁止すべきという回答をしていることなどを受けまして、いろいろ議論した結果、最終的には法律で規制すべきという意見が大勢を占めることになったものでございます。
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木村隆秀#8
○木村(隆)委員 政府案は、今御答弁いただいたような考え方をもとにして、体細胞によるクローン人間の産生については刑罰をもって禁止するということになっているわけでございますけれども、一方、例えば人工的な一卵性双生児を作成するような行為については、その取り扱いを指針にゆだねているわけであります。これは生命倫理委員会の結論に従ったものだということを伺っておりますけれども、なぜ政府案は特定胚による個体産生の一部を指針にゆだねたのか、生命倫理委員会ではどのような議論がなされたのか、ちょっとお伺いをしたいと思います。
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結城章夫#9
○結城政府参考人 ただいま申し上げましたように、生命倫理委員会におきましては、人クローン個体、これは体細胞クローンでございますが、これの産生は法律で禁止すべきという結論になりました。一方、科学的に意味が異なります一卵性双生児の人工的な産生については、その問題点はクローン人間の産生とは異なるものであり、法律による禁止ではなくて、個体産生が行われないような具体的な措置を講ずる必要があるということになっておるものでございます。
 この委員会での結論を踏まえまして、それを政府の方では法律案にしてまいったわけでございますが、この政府案におきましては、実際に相当程度の反社会性があると生命倫理委員会で判断されました人クローン胚の母胎への移植を法律で禁止する、罰則を伴う法律での禁止ということにする一方で、それほど反社会性を持たないと考えられますヒト胚分割胚及びヒト胚核移植胚、これは先ほどの一卵性双生児を人工的につくるということにつながるわけでございますけれども、その母胎移植については、法律に位置づける指針で当面禁止をすることとしたものでございます。
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木村隆秀#10
○木村(隆)委員 今御答弁を聞いておりますと、政府案のクローン人間の禁止に関する考え方というのは、やはり生命倫理委員会においてかなりいろいろ検討された結果出てきたものかなと思うわけでございます。
 続いて、民主党案についてお伺いをしたいと思います。
 一昨日の審議において提案者の方々は、今回、法案においてヒト胚を生命の萌芽として法的に保護することとした背景として、科学技術庁が行ったアンケート調査をもとに、いつの時点から人として絶対に侵してはならない存在と考えるかということについて、受精の瞬間からと考える人が三割であり、最も高い割合であることから、国民的な合意があるとおっしゃっておられたわけであります。私も、その後、そのアンケート調査の結果を見てみました。
 きょう、ここにそのパネルを持ってまいりました。このアンケート調査では、いつの時点から人として絶対に侵してはならない存在と考えるかということについて、受精の瞬間からが三〇・一%、民主党さんの御答弁のあったとおりでございます。そして、人間の形がつくられ始める時点、受精後十四日というのが一六・九%です。そして、母体外に出しても生存可能な時点、妊娠二十二週以降というのが一五・一%、出産の瞬間からというのが七・六%であります。また、わからないという方が二九・四%であるわけでございます。
 民主党さんは、受精の瞬間からというのが三〇・一で一番多いから、こういうお答えをいただいたわけでありますけれども、逆に言うと、受精の瞬間からではないというところが四割、そして、わからないという方も加えますと七割が、受精の瞬間からではないというふうにも見てとれるわけでございます。国民の大多数が受精の瞬間から人であるとしているのであれば、ヒト胚を生命の萌芽として保護することについては国民の間でコンセンサスがあるとは思いますけれども、この結果を見る限り、まだその段階には至っていないのじゃないかと思うんです。
 提案者にお伺いをしたいんでありますけれども、ヒト胚の保護については、法律規制を行い得るほどに国民の間でコンセンサスができているとお考えになっておられるのか、改めてお聞きをしたいと思います。
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山谷えり子#11
○山谷議員 ビジュアルな表を作成され、わかりやすくて、本当に御苦労さまでございました。
 確かに、今御指摘のように、科学技術会議生命倫理委員会ヒト胚研究小委員会報告書のことでございますけれども、やはりヒト胚も、人の生命の萌芽として、明確な基準を持たないまま研究材料に使われては、人の生命の尊厳を損ない、人の物化、軽視につながると私どもは考えております。私たちは、ヒト胚を人の生命の萌芽であるととらえまして、そのために、その生命の萌芽であるヒト胚を人為的に作成したり利用することは、人の尊厳の保持並びに人の生命及び身体の安全の確保に重大な影響を及ぼすおそれがあると判断するものでございます。
 その根拠として、先ほどの表があったわけでございますけれども、いつの時点から人として絶対に侵してはならない存在と考えるかという質問に対して、受精の瞬間からと回答したものが最も多くて三割を占めている。そして、わからない。このわからないをどうとらえていいかというのは、本当に、このようないろいろな問題が起きてきて、また人々の考えというのが深まっているというふうに思うんですけれども、やはり、わからないという方も三割いらっしゃるということでございまして、そのようなことから、ヒト胚の保護というのは必要だというふうに考えております。
 また、ヒトの受精卵の研究利用の是非についても、四割が厳しい条件のもとでならばよい、二割が研究利用は認められないというふうにしております。
 このように、我が国の国民は、受精に始まるヒトの発生初期段階を、絶対侵してはならない人の尊厳の源として考え、受精卵の研究利用全般に厳しい条件をつけることを望んでいるというふうに考えております。
 同時に行われました国内有識者の意見調査でも、ヒト胚に対する国の認識を確立する必要がある、ヒト胚全体の研究利用についても規制の議論の必要があるという意見が出されております。
 また、日本弁護士連合会も、本年四月、クローン技術等に関する規制を生殖医療技術及び人間の受精研究規制と整合させる必要があるとの談話を発表しております。これは、クローン技術だけでなく、生殖医療も含めたヒト胚全体の取り扱いについて、法律で位置づける必要があると述べていると考えております。
 こうした世論調査などの結果も踏まえるならば、ヒト胚を、生命そのものではないけれども生命になり得る可能性を有したもの、すなわち生命の萌芽と位置づけ、それにふさわしい取り扱いをするための法規制の必要があると考えます。
 厚生省での生殖医療技術の規制の検討も、同じ民意の背景のもとで行われていると考えております。
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木村隆秀#12
○木村(隆)委員 では、政府は、民主党のヒト胚の保護に対する今お答えをいただいた見解に対してどのようにお考えになるか、お聞きをしたいと思います。
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渡海紀三朗#13
○渡海政務次官 政府案では、ヒト受精胚というふうに定義をされておるわけでありますが、この取り扱いというものを大切にしなければいけないというのは、国民が共有する共通の思いであろうというふうに認識をいたしております。
 しかし、現在のさまざまな状況を考えた場合に、例えば、ヒト受精胚が成長をして、より人間の形に近づいている胎児の保護というふうな問題、また、女性の生殖に関する権利、リプロダクティブライツというんですか、こういった問題も、総合的に入れた上で検討をする必要があるのではないか。
 そういった意味で、民主党からは、コンセンサスが得られないがゆえに法律で厳しく禁止する、こういう考え方が示されておるわけでありますけれども、事生命倫理という問題でございますから、そういうことを考えた場合に、やはり国民各界各層、そういった議論が積み重ねられて、十分に議論がし尽くされるということが大切であろうというふうに考えておるわけでございます。
 長年積み重ねられてきた歴史的な背景なり、また社会の現状、宗教的なさまざまな問題、生命倫理の問題というのは、やはりそういった国民一人一人の生命観なり価値観なりに大変密接に関係をした重要な問題でございます。そのことを考えた場合に、残念ながら、まだまだ議論が収束しているというふうには考えられないわけでございまして、いわゆる委員会での報告も、そういう方向でまとめられているというふうに承知もいたしております。
 そういった観点に立って、今後検討していく課題であるという認識は持っておるわけでありますけれども、現時点では、国民的なコンセンサスが十分得られている現在の法律の枠組みの中で、今回の法規制を考えているというのが政府の立場、考え方でございます。
 また、民主党さんの案、別にこれに反論するということではありませんけれども、ヒト胚の保護をうたってはおられます。しかしながら、やはり現状というものを考えられて、そして、生殖補助医療を除くということで、そういった意味からすれば、ある部分がかなり実は抜け落ちているといいますか、外されているわけですね。
 このことは、先日も大臣が、当初よりは随分近づいてきたのかなという答弁をされておったわけでありますけれども、そういった意味で、考えてみれば同じような問題意識というのは、民主党さんもやはりお持ちなんじゃないか。
 そんなことも考えますと、法規制をするのに足り得る議論というのが収束しているのかどうか。ここは見解の分かれるところでありますが、私どもは、まだそこまで行っていない、そういうふうに考えているというのが現在の政府の見解でございます。
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木村隆秀#14
○木村(隆)委員 三年前にドリーが生まれて、逆に言うと、三年で大変な動きに今なっているわけであります。いろいろな科学技術の進歩というのは目覚ましいわけでございまして、どうぞ政府におかれましても、この問題、この法律がもしできたといたしましても、引き続いて議論を深めていただくようにお願いをしておきたいと思います。
 一昨日の審議において、民主党側の提案者の方は、届け出と指針との組み合わせとなっている政府案は、行政の裁量にゆだねるところが余りにも多過ぎるんじゃないかという指摘をなさっておられたわけであります。
 民主党案においても、許可の基準の大部分を指針にゆだねる構造になっている、こう思いますけれども、民主党案は、具体的な許可要件をほとんど指針にゆだねているわけであります。これは、法律で明確な許可の要件を定めることが通例となっている許可制における規制としては異例ではないのかなと思います。本来、指針に大幅に規制の内容をゆだねるのであれば、政府のように届け出制とすべきではないか、許可制にはなじまないんじゃないかなと思うんですけれども、提案者の御意見をお伺いしたいと思います。
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樽床伸二#15
○樽床議員 少しおかしいんではないかというお話でありましたけれども、私どもは、許可要件が明確でない、こういうことについては、そうでないと考えております。
 なぜならば、例えば私どもで言う余剰胚の利用とかヒト胚、人の属性を有する胚の作成等々につきましては、一に、ES細胞の研究である。二に、余剰胚を利用することについて、また人の属性を有する胚の作成等々について科学的必要性、合理性があること、これが二番目。三番目として指針に適合していること、この三つを申し上げているわけであります。特に、今申し上げました一、二、三のうちの一、二に対するウエートが非常に高い、こういうことであって、三の、指針に適合しているということのウエートが高いという判断をいたしておりません。
 さらに申し上げるならば、少し挑発的な発言をするかもわかりませんけれども、先ほど、我々のものが許可制としては非常に異例である、こういうお話でありましたが、実はせんだっての大臣の御答弁の中で、届け出制であるということにおける政府案の中に、逆に私は、非常に異例なことがあるのではないかというふうに感じた次第であります。
 大臣は、せんだっての答弁の中で、届け出制であるという中で、六十日間ではっきりわからないものは、許可しないという表現を使われたのか届け出を取り消すとおっしゃったのかわかりませんけれども、ちょっと記憶がありませんが、これも実は届け出制であって、六十日で判断できないものはだめなんだ、そこでやめるんだ、こうおっしゃった。これは、届け出制というこれまでのあり方の中で、極めて異例なことであります。実は、非常に許可制に近い考え方を届け出制という表現の中で、実態は許可制ではないのかと思うような答弁を大臣はされているわけでありました。
 私どもの委員の方から、六十日を超えた場合はどうかとか、いろいろ多くの質問をさせていただいたときに、物理的に審査ができないとかいうことがあってはならぬことだということまで大臣はおっしゃった。つまり、どんな状況であっても六十日以内でわからないものはだめなんだ、こうおっしゃった。
 こういうことを考えると、私どもに対して異例の許可制ではないのかとおっしゃっておられますが、実質的に、政府の届け出制が実は許可制に非常に近いものであるというふうに私どもは認識をしているということであって、今委員がおっしゃった御指摘は、当たらないのではないかという結論に達しております。
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木村隆秀#16
○木村(隆)委員 政府は、今のことに対して一言ありますか。
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渡海紀三朗#17
○渡海政務次官 大臣のお話が出ました。後で、多分いろいろな質疑の中でその点はクリアになっていくんだろうと思いますが、異例の許可制ということを今実は木村先生がおっしゃったわけでありますが、運用の問題で許可と届け出というのは、一般的には、許可制というのは、法律の中で割と要件がはっきりしている場合に許可制という制度をとっているようでございます。
 届け出制というのは、むしろその部分が、法律の精神に基づいて、法律の趣旨に基づいて後でつくられるガイドラインによる、そういった意味での大きな違いがあるんであろうな、そんなふうに理解をいたしておるわけでございます。期日等の問題については、先生との間の話ではありませんので今は申し上げませんが、そういったことであろうというふうに思っております。
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木村隆秀#18
○木村(隆)委員 今の政務次官のお話を伺いますと、許可制と届け出制、一番大きく違うのは、大体今まで、許可制の場合にはその中へきちっとうたわれていた、届け出制の場合は、指針である程度カバーをするようなところがあったのだというふうに私は理解をしたわけでありますけれども、では、今回の民主党さんは、指針の中で具体的にどんなふうに書いていこうとしておられるのか。ちょっとその辺、お伺いをしたいと思います。
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樽床伸二#19
○樽床議員 先ほど申し上げましたように、私どもは、ES細胞の研究に関するという一つの条件をクリアして、そして余剰胚を利用する、また、ヒト胚を利用することについて科学的必要性、合理性があること、これが二つ目の条件としてあって、それを乗り越えて初めて指針、こういうことになるわけでありまして、ですから、私どもはこの二つで十分に縛っているという認識をしております。
 だったら指針とは何なんだということでありますが、指針とは、私どもが考えておりますのは、提供者の同意を得なければならないというようなこと、また当該研究に関して十分な研究実績があるというようなことを想定いたしております。また、配慮すべき手続その他ということにおきまして、科学的妥当性、安全性及び倫理的妥当性について幅広い観点から検討がなされるように努めなければならない、また研究に関する情報の、適切かつ正確な情報公開に努めねばならない。つまり、手続的なそういうことを指針で我々はちゃんと縛っていこうと。そして、本来の許可制の根源、理由であるところのものは、指針でなくて、ES細胞の研究とかそういうこと、先ほど一、二、三と三つ挙げましたが、その一、二で十分に縛っているという認識を持っているということを申し上げたいと思います。
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木村隆秀#20
○木村(隆)委員 もう少しあれしたかったのですが、時間がもう五分だと来てしまいました。
 パブリックコメントとの関係で、民主党さんの案に、生殖補助医学研究をパブリックコメントのときにはうたっていたのが、今回の法案では外れているので、そこをちょっとお聞きしたかったのでありますが、時間がないのでカットさせていただきます。
 最後になりますけれども、クローン人間をつくらないということは最低限の倫理だと思いますし、研究者や技術者が、その技術を使用する者の責任の自覚でもって、高い倫理観を持っていた時代には、私は、法律による規制というものを行う必要はなかったのだろうと思います。ただ、このごろのいろいろな、宇宙開発にしましても、原子力のことにしましても、そういう倫理観なり、企業に対します思いとか、そういうものがだんだん薄れてきて、今までの当たり前というものがなくなりつつある時代に今なってきているのではないかなと大変思っているんです。
 そこで、今回、十年の懲役という刑罰を含んだこの法案をつくったわけでありますけれども、でも、もし万が一、それを犯してクローン人間をつくってしまう人があらわれるかもしれないということを考えますときに、どこかでそれらのことをしっかりと監視していくということが必要になってくるのではないかなと思うんです。例えば、学界や研究者や技術者の集団の中で、お互いにチェックをして情報を収集し合うとか、いろいろな考え方があるのだろうと思いますけれども、それに対して、これから政府としてどのように臨んでいただけるかな。お伺いをしたいと思います。
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渡海紀三朗#21
○渡海政務次官 大変いい御指摘をいただいたというふうに思っております。
 実は、個人名を挙げて恐縮でございますが、おとついですか、津川議員から、本来の科学技術、研究開発は、真理の究明ということを考えれば基本的には自由であってという、大変すばらしい御意見が出されたと私は承知をいたしております。
 そういう中で、真理の探求というのは、下手をすると、倫理というのは大変これは哲学上の問題でもありますから、どこまでが倫理上許されるのかというのは非常に幅があるとは思うのですけれども、思わぬところで思わぬところへ行ってしまうということが起こり得る可能性を持った問題であろうと思います。
 しかし、これがやはり倫理的にも今コンセンサスが得られている上で、人の尊厳なり、社会の大変大きな混乱を巻き起こすということを考えて今回の法案が提案をされていることを考えれば、これをどうやって担保していくか。クローン人間が生まれないように、やはりこの社会をどうやって構成していくかということは、法律をつくるだけでは不十分であります。
 委員がおっしゃるように、研究者みずからが倫理性を高める努力をするような研究体制、こういったものも、これは研究者みずからが議論をしていただく場でも考えていただきたいというふうに思いますし、政府としましては、一つの場は、これは一月からは総合科学技術会議というところに移ると思いますが、そういったところで、研究者の皆さん、そしていろいろな分野の皆さんが知恵を出していただいて、いろいろな議論をしていただけるように、またそういうふうにお願いをしていきたいと考えておるところでございます。
 その中で、今委員がおっしゃいましたような体制の問題なり、具体的なチェックの問題なり、今予見的にどうなるかということは申し上げられませんが、そのような努力を今後してまいりたい、そのように考えておるところでございます。
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木村隆秀#22
○木村(隆)委員 一番最初に申し上げたように、政府も、民主党さんの案も、クローン人間を絶対つくり出さないのだという思いは一緒だと思いますので、ぜひこれからその方向へ向かってさらなる議論を深めていただくようにお願いをして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
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古賀一成#23
○古賀委員長 樽床伸二君。
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樽床伸二#24
○樽床委員 行ったり来たり、忙しくて申しわけございません。
 それでは、そちら側に座っておりますとなかなか質問できませんで、政府案に対して質問させていただきたいと思います。
 まず、政府案は、特定胚というものに関して九種類に分類をされております。なぜこの九種類に分類をしなければならないのか。なぜ、何とか胚、何とか胚と、全部読み上げればいいのですけれども、舌をかむような九つの胚に特定胚を分類したのか。一々この胚はこういうものなんですという御説明は、私は科学者でありませんから必要ないのですけれども、分類をするというその動機といいますか根拠、そこを、ぜひともまずお聞かせいただきたいと思います。
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渡海紀三朗#25
○渡海政務次官 基本的な考え方として、生命倫理委員会においては、現在想定される技術、そういったものを基本的に想定をして、そして、胚を作成して個体を産生した場合に、人の尊厳、生まれてくる個体の安全、社会秩序、ずっと出ている議論ですね、安全性の問題等もありますが、どのような影響を生じるかという形で議論をした。そのときの前提となる想定というものがあって、可能性といいますか、それでこの分類をされたというふうに承知をいたしておるところでございます。
 なお、余談でございますけれども、法作成上、生命倫理委員会の段階から一種類、これは何になるのですかね、動物性融合胚、樽床議員と同じでございまして、いまだに表を見ないと言葉はなかなか確定できないわけでありますが、これにつきましては、委員会の段階では当面余り想定されない、ここまで考える必要ないじゃないかというふうな御意見もあったようでございますけれども、抜け落ちがないように、法技術上の問題も含めて、最終的に追加をされてこの九種類になったというふうに承知をいたしております。
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樽床伸二#26
○樽床委員 考えられる範囲ということで、科学的にはいろいろわかるんですけれども、そこで一つお聞かせをいただきたいのですが、先日の政府の御意見の中で、最も大きな論点というのは、無性生殖か有性生殖か、ここのことにつきまして政府は非常にこだわっておられる。これが最も大きな壁なんだと。乗り越えるか、乗り越えられないかの最大の壁は、有性生殖か無性生殖かということだ、このように繰り返しおっしゃっておられるわけであります。
 そうすると、私はちょっとお聞きしたいのですが、この九種類の特定胚、例えばこれを、これは有性生殖です、これは無性生殖ですというふうに分けたとすると、それぞれ九つはどちらに入るのですか、それをちょっとお聞かせいただきたいと思います。どれは有性で、どれは無性だと。
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結城章夫#27
○結城政府参考人 それでは、九種類の胚それぞれについて申し上げます。
 まず、人クローン胚、これは無性生殖でございます。
 それから、人間の亜種になる胚として三つございまして、人間なんですけれども動物の要素を持っている人間ができるということでございますが、これは有性生殖とか無性生殖をもう超えた問題でございまして、人間と動物の交雑の問題というふうに私どもはとらえております。
 具体的には、ヒト動物交雑胚……(樽床委員「これはこれと言っていただければいいです」と呼ぶ)はい。ヒト動物交雑胚、これは有性生殖、無性生殖の問題を超えた問題になっております。(樽床委員「有性か無性か」と呼ぶ)あえて言えば、ヒトと動物の有性生殖。そういう有性生殖というのはあるかどうかわかりませんが、あえて言えば、ヒトと動物の有性生殖がヒト動物交雑胚でございます。
 次に、ヒト性集合胚。これは基本的には有性生殖でございます。ヒトの胚に動物の細胞をまぜるものでございますが、基本的には有性生殖です。
 それから、ヒト性融合胚。これは両方あり得ます。有性の場合と無性の場合。これも動物と人間のことですから、有性とか無性とかいうのもほとんど意味がないと思うのですけれども、人間の核を動物の卵に入れるわけですが、人間の核が有性の場合と無性の場合と両方あり得ます。
 次に、ヒト胚分割胚。これは、有性生殖の胚を材料にしてつくる特定胚でございます。有性生殖の胚を材料にするということでございます。
 ヒト胚核移植胚。これも同じでございまして、有性生殖の胚を材料といたします。
 ヒト集合胚。これは、基本的には有性生殖の胚を主な材料といたしております。
 次に、動物性集合胚。これも、できるのは動物でございますから、有性生殖の動物の核が主な材料になって、それに人間の細胞がまじるというものでございます。
 動物性融合胚。これも動物の方になりますけれども、有性の場合と無性の場合と両方ございます。
 以上でございます。
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樽床伸二#28
○樽床委員 こういう技術的なことは、また後でペーパーでいただくのが一番わかりやすいとは思うのですが、今そこでお聞きをいたしておりまして、私は、私の中では論理的に政府の見解に若干の矛盾を感じる点が一点あります。
 それは、有性生殖であるとおっしゃったヒト性集合胚。要するに、ヒト胚に動物の体細胞を入れて、人間の体の中に動物の臓器や組織を持ったものができる可能性があると言われているもの。政府案で言うヒト性集合胚というのは、今、有性生殖だとおっしゃったわけであります。このヒト性集合胚は、政府案では、これはたしか法律の中で明確に禁止をしている四つの中の一つがこのヒト性集合胚というものであります。これは有性生殖だと政府はおっしゃった。
 でも、これまでの答弁の中で、政府は、無性か有性かというのが一番大きな壁なんだ、こういうふうにおっしゃっておられる。有性生殖はいいんだ、無性生殖は絶対だめだ、これが政府の統一した根底にある話でありました。そうすると、ここで論理が崩壊をしているわけであります。無性はだめ、有性はいいと言って、その有性の一部はだめだ、こういうふうにおっしゃっている。そうすると、ちょっと論理的に矛盾を来すのではないでしょうか。いかがでしょうか。
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渡海紀三朗#29
○渡海政務次官 どうも表現の問題等で一部誤解があったように私は思っております。といいますのは、今、樽床議員が御指摘になったのは、もしそういう言い方におとりになったら、まさに矛盾しております。
 一点補足をさせていただきますが、有性、無性というのは、実は、かなり単純には決まらないわけです。これは少し整理をさせていただいて、要は、もともとが有性生殖のものであっても、そこからある種の操作をするという行為、これも有性に含めるかどうかというのは、それで先ほど来局長から、あえて少しあいまいな答弁をさせていただきました。
 ただ、有性、無性が問題になるというのは、実は、よく言われているヒトクローンのことについてでありまして、この法全体の話について有性、無性だけで問題を判断して、その四つを禁止したということではないということを、改めて説明をさせていただきたい。要は、あそこで確かに少し強調された嫌いがありましたけれども、あくまでヒトクローン、先ほど来いろいろとお話しになっております九種類の中のいわゆる核移植のクローンです。それから分割胚、それから集合胚、このものについて、ヒト胚核移植胚とヒト胚分割胚、これは指針で規制しております。要は、人間のコピーですね。
 ただし、これは先日も説明が行われましたけれども、個体産生を禁止しております人クローン胚、いわゆるクローン、これは、現在存在する人間と同じ遺伝子構造を持つ別の存在が生まれる、要は私と同じコピーが生まれてくるということですから。それで、こちらの下の方は、分割はよく御承知だと思いますが、受精胚を分割することによって、人為的に双子なり、幾つまで分けられるかちょっと私は細かいことはわかりませんけれども、双子ができるとか、そういった技術ですから、おのずと違うだろう。しかも、いろいろな意味での社会的な有用性等も考慮して、反社会性という意味からして、そこで線を引いた。そのときに有性か無性かということが非常に大きな判断になった、こういうふうに御理解をいただきたい。
 この三つの胚を上と下に分けるのに、このことが非常に大きく影響したということを御理解いただきたいというふうに思います。
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