科学技術委員会

2000-11-08 衆議院 全257発言

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会議録情報#0
平成十二年十一月八日(水曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 古賀 一成君
   理事 奥山 茂彦君 理事 塩崎 恭久君
   理事 高市 早苗君 理事 水野 賢一君
   理事 樽床 伸二君 理事 平野 博文君
   理事 斉藤 鉄夫君 理事 菅原喜重郎君
      岩倉 博文君    木村 隆秀君
      田中眞紀子君    谷垣 禎一君
      渡海紀三朗君    林 省之介君
      松野 博一君    村上誠一郎君
      近藤 昭一君    城島 正光君
      津川 祥吾君    山谷えり子君
      山名 靖英君    吉井 英勝君
      北川れん子君    中村喜四郎君
    …………………………………
   議員           近藤 昭一君
   議員           城島 正光君
   議員           樽床 伸二君
   議員           山谷えり子君
   国務大臣
   (科学技術庁長官)    大島 理森君
   科学技術政務次官     渡海紀三朗君
   政府参考人
   (科学技術庁研究開発局長
   )            結城 章夫君
   政府参考人
   (厚生省児童家庭局長)  真野  章君
   政府参考人
   (農林水産技術会議事務局
   長)           小林 新一君
   科学技術委員会専門員   菅根 一雄君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律案(内閣提出第七号)
 ヒト胚等の作成及び利用の規制に関する法律案(近藤昭一君外三名提出、衆法第八号)

    午前十時開議
     ————◇—————
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古賀一成#1
○古賀委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律案及び近藤昭一君外三名提出、ヒト胚等の作成及び利用の規制に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として科学技術庁研究開発局長結城章夫君、厚生省児童家庭局長真野章君及び農林水産省農林水産技術会議事務局長小林新一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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古賀一成#2
○古賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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古賀一成#3
○古賀委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。林省之介君。
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林省之介#4
○林(省)委員 私は、科学技術委員会のメンバーの一人といたしまして、このたび提出をされました法案に関し、幾つかの御質問をさせていただきます。
 この問題につきましては、政府案についても随分と私も勉強をしてまいったつもりでございます。過日には、民主党案についての説明を、民主党の法案提出者の方がお見えになってるる承りました。聞いておりますと、ううんと、どちらを聞きましても、ある意味でわかるといいますか、またわからないといいますか、実に微妙なところがあるわけでございます。
 また、我々の方にもいろいろな方々から、主として宗教関係の方も多いわけでございますけれども、この問題についての数々の御意見が寄せられております。その多くのところは、少なくともヒトクローンについては絶対に禁止だというような御意見が圧倒的であったと思います。
 いずれにいたしましても、近年の生命に関する科学技術の驚嘆すべき進歩というものが、大変目を見張るような状況になってまいりました。一九九七年二月には、御案内のように、イギリスで羊のドリーが誕生する、こういうことで世間を驚かしたわけでございます。
 このたびの法案につきましては、いろいろな御議論がなされて、そして前回の通常国会におきまして法案が提出されたというふうに聞いております。私もいただきました資料をいろいろと勉強いたしたわけでございますが、まず初めに、この法案が今回提出されました、あるいは前回の法案が廃案になったその経過をお聞かせいただきたいと思っております。ひとつよろしくお願いをいたします。
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大島理森#5
○大島国務大臣 まず、今までの経過を知りたいという林先生の質問であったと思います。
 この法案が前の国会に提出をされて、実は審議がされないままに衆議院選挙に相なりました。当時、私は議運委員長をやっておりまして、山口さんも一生懸命来て、早くやってください、こう言ったんですが、国会提出の時期そのものが実はちょっと遅かったんですね。先生御存じのように、衆議院は、選挙となると、もう政治の力が選挙にどんどん向き始めまして、具体的な法案の審議に入れぬままに終わりました。しかし一方、委員会の皆様方の御努力で、参考人だけお呼びになられて、各界の人の御意見を聞いた。
 そういう状況の中で、一方において、先生お話しされたように、ライフサイエンスの世界、特にクローンにかかわる世界は、技術的な議論と同時に研究開発がどんどん進んでいる。そして、多くの中にあって、ある団体のごときは、クローンの人間をつくってさしあげますよというふうな、いわば大変恐るべきといいましょうか、衝撃的なそういうふうなパブリシティーも行う。
 そういう社会情勢、研究開発の進みぐあい、そして選挙前の国会の状況から見て、何としてもこの法案は早急につくらなければならない、成立をせしめなければならないということで、選挙を終えまして、そしてこの国会において御審議を願っている。そういう意味での緊急性というものがあるという意味で、私はお願いをしているところでございます。
 民主党さんの案も出されておりますので、国会の場において慎重に御議論いただきながらも、そういう大きな社会の動きに対して国会がどのように結論を出すか、世界じゅうの人々が注目していると言っても過言ではないほど大きな意味を持った御審議あるいは法案である、このように思っております。
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林省之介#6
○林(省)委員 どうもありがとうございました。
 事の経緯はよくわかりましたし、今大臣がおっしゃったように、世界じゅうが注目をするような、まさに大切な法案であるということも重々承知をいたしました。ただ、まだまだ国民の間には、このクローン技術というものがどこまで我々に貢献をしてくれるのか、時には大変な誤解もあるわけでございます。
 そこで、私は、あくまでもこれはいろいろと我々の耳に入る一般の国民の皆様方の御意見を集約するような形で、素朴であろうと思います、あるいは幼稚であろうと思いますけれども、私が知り得ましたところの皆様方の御意見をもとに、さらに幾つかの質問をさせていただこうと思います。
 そこで、科学技術庁では、このクローン技術の問題について、特にヒトクローンについてのアンケートをおとりになったというふうに聞いております。反対だという御意見は九〇%以上の人たちが答えているということでございますけれども、このたびの政府案につきまして、こういう国民の声をどのようにお取り上げになっているのか、その点についてお伺いをいたしたいと思います。
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結城章夫#7
○結城政府参考人 今回の政府案につきましては、科学技術会議の生命倫理委員会及びそのもとに設置されましたクローン小委員会並びにヒト胚研究小委員会の結論を忠実に反映して作成したものでございます。
 この審議の過程におきましては、中間報告を取りまとめまして、これを公表し、関係学会、有識者、一般の方から広く意見を公募、いわゆるパブリックコメントを求めました。そういうことで、意見を公募するとともに、有識者及び国民へのアンケートを実施するなどによりまして、国民各界各層の多様な意見を取り入れて作成したものでございます。
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林省之介#8
○林(省)委員 一般の国民の御意見もお聞きになったというふうに今お伺いをいたしましたが、そのアンケート自身の実際の回答の数というものはどれぐらいになっておるんでしょうか、お尋ねをいたします。
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結城章夫#9
○結城政府参考人 有識者及び国民へのアンケートでございますけれども、ちょっと具体的な母数は今手元にないんでございますが、その結果によりますと、回答者のうちの九割以上が、クローン技術を人に適用することについては好ましくないという認識でございました。
 また、専門家ということで、この審議の過程では、日本産科婦人科学会、医師会などの関係学会とも意見交換を行いまして、これらの学会、専門家の方でも、クローン人間産生に対しては懸念があるという認識を持たれておるということを確認しておるところでございます。
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林省之介#10
○林(省)委員 それでは、民主党にお尋ねをいたします。
 同じ質問でございますが、皆様方はどれだけ国民の御意見をお取り上げになったのか、お聞かせをいただきたいと思います。
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山谷えり子#11
○山谷議員 私どもといたしましても、総理府内閣総理大臣官房広報室のアンケート調査あるいはまた科学技術庁の生命倫理に関するアンケート調査を参考にいたしまして、民主党としましてよりよいヒト胚等の作成及び利用の規制に関する法律案をつくるために、本年十月三日から三十一日まで、電子メールで受け付けをいたしまして国民の皆様からアクセスをいただきました。
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林省之介#12
○林(省)委員 その件数はどれぐらいになるんでしょうか。また、賛成はどれぐらいあったのでしょう。いわゆる賛否に対する割合はどれぐらいになるのか、ちょっとお聞かせをください。
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山谷えり子#13
○山谷議員 具体的な度数はきょうは持ってきていないんですけれども、賛否という形ではなくて、私どもの理念を、政府案に欠落しております生命の萌芽であるヒト胚を保護し、人間の尊厳を守る、あるいは、クローン技術の規制というのはクローン個体等の産生のみを禁止するような場当たり的なものでよいのか、理念をどう考えているのかということと、いろいろな研究の対象範囲、取り扱いのあり方とか、さまざまなことを投げかけまして、皆様の積極的な意見を求めたわけでございます。
 結論を持っていらっしゃるというよりも、むしろとにかく疑問があるというようなことで、ヒト胚分割胚は許されるのかとか、他人への譲渡というのをどう考えるかとか、ES細胞樹立、これはいい場合もあるけれども問題がある場合もある、それをどう考えたらよいのかとか、すべての人の属性を有する胚の作成を禁止すべきだという意見とか、あるいは、私どもで審査委員会を設けることを記しておりますので、審査委員の構成が学識経験者では研究推進になるのではとか、本当にさまざまな質問、意見、提言というような形で集まってきております。
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林省之介#14
○林(省)委員 アンケートというのは、どなたに対して、どのような形で、どのような質問でというふうなところを幾らでも操作ができるといいますか、私の経験でいえば、アンケートの操作は三〇%ぐらいにわたって、質問の仕方、あるいは対象によって変わってくるということなんですが、少なくとも、ヒト胚についてとやかくという議論というのは、私どもこうしていろいろと学んでおっても、まだまだ十分にわかりにくいところがある。恐らく、委員の先生方の中にも私と同じような立場の方もいらっしゃるんじゃないか、こう思うわけでございます。
 既に韓国あるいは中国あたりでは、人クローン胚が作成されている、つくられているというような一部報道も耳にするわけでございますけれども、現在の内外のいわゆるクローン技術の研究状況がどのようになっているのかということを、少し御説明いただけないでしょうか。
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結城章夫#15
○結城政府参考人 動物に関する研究でございますけれども、既に存在している動物と全く同じ遺伝情報を持つ動物をつくる体細胞クローン技術につきましては、海外におきまして、平成九年のイギリスのドリーから始まったわけでございますけれども、これまでに、羊、ヤギ、牛、マウス、豚などの哺乳類での成功例が報告されております。
 我が国におきましても、家畜ということですけれども、体細胞クローンの牛の作成に成功しているほか、非常に難しいと言われております豚につきましても、その作成に成功いたしております。
 それから、今先生お話にありましたように、韓国におきましては、再生医療につながる研究の一環として人クローン胚がつくられたという報道もなされたところでございます。
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林省之介#16
○林(省)委員 かなり研究が進んでいるというふうに理解していいかと思いますが、それでは、今クローン人間をつくろうと思えば、もう比較的簡単にクローン人間をつくることができるんでしょうか、どうなんでしょうか。お尋ねをいたします。
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結城章夫#17
○結城政府参考人 科学技術会議の生命倫理委員会の報告によりますと、人クローン個体の産生には高度な施設設備や巨額な資金は必要でない、一定水準以上の技術を持つ医師や研究者であれば比較的容易に実施できるというふうにされております。また、この分野の研究者によりますと、半年間の訓練で、条件さえ整えば比較的容易にヒトのクローン胚は作成できるという見解が示されておるというふうにも聞いております。
 したがって、クローン胚が移植される母胎を提供する代理母が確保されれば、人クローン個体の産生は比較的容易に行われることが懸念されておるところでございます。
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林省之介#18
○林(省)委員 それでは、例えば大学のちょっとした研究設備のあるようなところで、それなりの知識を持った人がおれば、今おっしゃったように、簡単にそういうクローン人間をつくることができるということに将来的にはなっていくわけでしょうか。お尋ねいたします。
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結城章夫#19
○結城政府参考人 そのとおり、そういう懸念が非常に持たれております。
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林省之介#20
○林(省)委員 だとすれば、これは大変な事態を招くことにもなるわけでございまして、少なくともクローン人間を禁止しなきゃいけない、そういう意味での政府の明快な御見解をぜひお聞かせ願いたいと思います。
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大島理森#21
○大島国務大臣 先ほど先生が一番最初に、この法律の今までの経過をお伺いをされました。私はそのときに経過だけをお話ししたのでございますが、なぜクローン人間を禁止しなければならないのか。今先生から、大学の教鞭をとられた御経験を持ちながら、いろいろな角度から御質問され、国民がよくわかっていないんだという率直な御質問をされ、まさにその率直な御質問が、今一番大事なところだと思います。
 クローン人間にかかわる世界というのは、二つの側面があると私は思います。一つは、やはりライフサイエンスという世界があって、日々これが進展していく。そして、そういう中にあって人類、人間が、やはりその技術発展に伴って人類の貢献にしていくという、そこの合意が一つあるんであろう。しかし一方、だからといって科学技術の進展を野方図にしてはいけません。特に、クローンという問題につきましては、私どもは、まず無性生殖を意味しております。つまりコピーでございます。
 きのう、斉藤先生が本会議で御質問されて、とてもよくまとめられた論議であったと私は思うんです。そういうふうな無性生殖という意味でのクローン人間の技術というのは、まず、人の尊厳という観点からこれはいけません。それから、社会秩序の維持に重大な影響を及ぼします。したがって、たとえどういう国であろうとも、どういう宗教観があろうとも、どういう意見を持とうとも、ここはもう人類の共通した禁止しなければならないところでございます。そして一方、技術だけは、今先生が質問されましたように、発展していっている。そこはきちっと押さえておかなければなりますまい。
 したがって、私どもは、クローン人間の産生禁止ということについては人類の合意がある。だとすれば、我が国として、そのことを国会の中で、国の意思として早急にやらなければならないということで、禁止をすべきだというのが私どもの意思でございますし、大臣の決意というふうな意味で今お伺いをされましたが、なればこそ、この国会でぜひ成立をさせていただきたい。
 民主党さんのいろいろなものを読ませていただいておりますが、ざる法であるとかいろいろ書いておりますが、ざるではございません。我々は、クローンというところは、もう十年という非常に重い刑罰を規定して、そこで抑えますよと。そういう中で、研究開発という分野との間である意味ではバランスを考えなきゃなりませんという中で出した案であるということで、先ほども申し上げましたように、クローン禁止という意味での独立した法律という意味では、世界で初めてなわけだと私は思っております。
 それぞれの国々においては、宗教観あるいは文化観、そういうものがあろうと思います。できればこの成立を図り、そして世界に発信をし、そういう問題に世界じゅうで考えられるきっかけにもしてまいりたい、こんな思いで、ぜひこの国会で成立を図っていただきたい、このように思っております。
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林省之介#22
○林(省)委員 今、人の尊厳にかかわる重大な問題であるということはよくわかったわけでございます。
 先般、我々科学技術委員会の方で北海道に視察に参りました。そして、北海道の畜産試験場に参りまして、クローンのかわいい子牛を見せていただきました。皆さんそのときに、中には声に出して、わあ、かわいいとおっしゃって鼻面をなでたり、首筋をなでたりというようなことをなさっておられました。その後、バスに乗り込みまして、きょう牛が出たら食えぬなというような話も出たわけでございます。
 まさに、無性生殖にしろ、ああして一つの個体として生まれてまいりますと、人格といいますか牛格と申しますか、それを我々はとっさに認めていると言ってもいいわけですね。この子が大きくなった肉を我々は食うわけにはいかない、そういう感情を我々は持ったわけでございます。
 事ほどさように、少なくとも、そういう形で個体が出てきたときには、それなりの人格を、人間の場合であれば当たり前のこととして人格を有していくということになってまいるわけでございますが、その研究について、いろいろと法的な規制をしなければとんでもないことが起こるというのが今回の法案提出の御趣意であろう、こう思います。
 それでは、ちょっと民主党さんにお尋ねをいたしますが、民主党案では、クローン個体の生産規制に加えまして、ヒト胚の取り扱い全般にも規制を加えようというふうになっているかと思いますけれども、その件に関して、例えば科学者であるとか有識者であるとか、国民の合意は得られているんでしょうか。お尋ねをいたします。
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城島正光#23
○城島議員 お尋ねの件にお答えをしたいと思います。
 今いろいろな観点で御懸念を表明されていますけれども、率直に同感でありますけれども、聞けば聞くほど、そうであればぜひ民主党案の、ヒト胚についても何らかの規制が必要ではないかというふうに、結論はいかれるのじゃないかと思いながら聞いているんです。
 私たちは、きのうの本会議でも申し上げましたけれども、まずとらえ方でありますけれども、このヒト胚をどういうふうにとらえているかというと、生命の萌芽であるというふうにとらえているんです。
 後ほどもちょっと申し上げますが、これはいろいろなアンケート、あるいは先ほどもアンケートそのものに対する御懸念もありましたけれども、少なくとも生物学的にいっても、命、生命という流れからいきますと、受精というのはそのプログラムのスタートであるということについては、大体一致した見解なんだろうと思うんですね。人工中絶が行われるようになってから、では人とは一体どこから言うのかという新たな論議が始まっているんですけれども、少なくとも、命がどこからスタートするかということについては、受精がそのプログラムのスタートだという意味で、私たちは、人の生命の萌芽というのは、このヒト胚というのはそこではないかというふうに極めて重要な問題としてとらえている。
 したがって、生命の萌芽であるヒト胚を人為的に作成したりあるいは利用するということは、今大臣も述べられましたように、人の尊厳の保持、あるいは人の命や身体の安全の確保に極めて重大な影響を及ぼすおそれがあるというふうに判断しているというのが骨子であります。
 一方で、一般の国民の皆さんも、先ほどもちょっと御質問ありましたけれども、科学技術会議の委託で行われました生命倫理に関する世論調査の結果の中でも、全体と言えるかどうかあれですけれども、一応それによれば、いつの時点から人として絶対に侵してはならない存在と考えるかという質問に対しては、私が今申し上げましたように、生物学的な観点と同じように受精の瞬間からというふうに思われているのが一番多くて、三割に達しているということであります。また、ヒトの受精卵の研究利用の是非についても、約四割の方が、厳しい条件のもとでならばよい、すなわち厳しい条件が必要だということですし、二割の方は、そうであっても研究利用は認められない、そういう意見を出されているわけであります。
 このように、我が国の国民の観点からしても、受精に始まるヒトの発生初期段階を、絶対侵してはならない人の尊厳のスタートであり源であるということを考えて、受精卵の研究利用全般に厳しい条件をつけることを望んでいるんではないかというふうにとらえております。
 こうした観点も踏まえるならば、ヒト胚が生命そのものであるかどうかというのは論議があるかもしれませんが、少なくとも生命のプログラムのスタートであるということは間違いありませんので、それにふさわしい取り扱いをする法規制がやはり必要ではないかという観点でこういう案をとらえたわけであります。
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林省之介#24
○林(省)委員 おっしゃることはよくわかりますけれども、余りにも規制の網を大きくかけ過ぎますと、例えばES細胞の研究のような、医療にとっても大変有用な研究が滞るといいますか、あるいは他国に先を越されるといいますか、我が国は科学技術立国を目指そうと今しているわけでございますから、法規制が余りにもきつ過ぎることによって、そういう研究開発に支障を来すようなことになってはいけないんじゃないかというような懸念を持つものでございます。
 この点に関しては、政府はどのようにお考えになっておられるんでしょうか、お尋ねをいたします。
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大島理森#25
○大島国務大臣 先生御指摘のように、私どもは、無性生殖という世界と有性生殖という世界、この二つのあり方をやはりある意味では別次元で考えなきゃならぬ、この基本から立っているわけでございます。
 民主党さんのお考えというのは、今お話しされていたように、ES細胞の研究、そこまで法規制の対象にしていこうと。初め私が民主党さんが御議論をし始めているあたりに伺ったときには、生殖補助医学研究まで対象にしようじゃないかという御議論があったように聞いておりますが、どうやらそこは御理解いただいて、対象外になっているようでございます。
 ヒトのES細胞の研究というのは、まさに先生おっしゃったように、スタートをした時点でございますし、ES細胞そのものからすぐ個体になるということはあり得ない。だとすれば、研究に対する柔軟性という環境をつくっておく必要があるであろう。しかし、野放しということではございません。
 我々も、ガイドラインその他について、さまざまな議論を踏まえながら、そこはそれなりの自主的な規制も含めながら、我々としてのガイドラインというものも当然考えていくことになろうと思いますが、法律によってそういうことを全部対象にして抑えていくということは、研究開発が日々に変化していく、こういう状況の中で、果たしていいのであろうか。
 今なすべきことは、何回も繰り返しますけれども、無性生殖の問題というところをきちっと押さえていくということが大事でありますし、橋本内閣のときにつくったこの問題に対する委員会、もう約三年がかりで議論をしている経過の中で、やはり有性生殖という世界というものと無性生殖という世界は、倫理という観点からも違ったとらえ方をしなければならないし、規制のあり方もある意味では違った考えをとっていかなければならない。
 そういう観点に立って、我々は、ヒトのES細胞のところについては今法律という世界からは除いているということでございます。
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林省之介#26
○林(省)委員 おっしゃることはよくわかったつもりでございます。よくわかりました。
 いずれにいたしましても、科学技術の進歩を法によって大きく妨げるようなことになってはいけないというふうな気が私はいたします。
 後に優秀な同志が控えておりますので、まだまだ質問したいことはあるのでございますけれども、これで終わらせていただこうと思います。いずれにいたしましても、人間のつくり出した知恵ですとか、あるいは技術、科学が人間を不幸にするようなことがあってはならないということだけは切に願いまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
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古賀一成#27
○古賀委員長 松野博一君。
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松野博一#28
○松野(博)委員 政府提出案、民主党案、両案に対しての質問をさせていただきたいというふうに思います。
 急速なクローン技術の発展によりまして、国民世論の中に、ヒトクローンが現実化をしてしまうのじゃないか、そういう危惧がございますし、また一方で、次世代の主要な産業分野と言われておりますバイオテクノロジーを含んだクローン技術の中で、法整備が未整備であるために研究現場が混乱をして、研究の推進が阻害をされているという状況があるかと思います。
 この二つの観点に基づきまして、一刻も早いヒトクローンの規制に関する法案の成立を望むものでありますけれども、政府案、民主党案、両案もクローン個体の産生の禁止ということに関しては統一した見解をお持ちだというふうに理解をしております。立場の違い、いわゆる争点というふうになっておりますのが幾つかありますけれども、その中でも、特にヒト胚の法的な問題、法的地位の問題を中心に質問をさせていただきたいというふうに考えております。
 その前に、両法案の目的でありますけれども、両法案とも、大きく分類をいたしますと、二つの目的をもって規制をかけようということだというふうに理解をしております。
 一つは、人の尊厳、また社会的秩序を守っていく、この観点。もう一つは、クローン技術が人に応用されることによって、母体、胎児、そして、そこから生まれてくる子供たちの安全性が担保できないという点かと思います。
 母体、胎児、子供たちに対する安全性が担保できないというのは、非常にわかりやすい合理的な論拠でありますし、このこと一つをもってしてもヒトクローンに関する禁止が成立するものと思いますけれども、一つ目の、人の尊厳、社会秩序の維持、このことに関しましては、各種アンケート調査の中で多くの国民のコンセンサスを得ているという問題でありますけれども、一部、ヒトクローンの禁止に対する反対、また、条件をつけた上での限定的な使用の許可を訴える論拠として、子供を持つ自由、その権利、リプロダクションの自由や、今、生殖補助医療が大変な発展を遂げておりますけれども、治療の自由、両点をもって対抗しようというところがあるかに聞いております。
 本法案は大変な重い刑罰を科す法案でありますから、ヒトクローンの禁止、個体産生の禁止ということと、リプロダクションの自由、治療の自由、この二つの対抗する概念がどのような方向性の違いを持つのか、ここを明確にしておく必要があると思いますし、具体的な線引きを提示する必要があるかと思います。この点に関しまして、政府、民主、両方にお聞きをしたいと思います。
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大島理森#29
○大島国務大臣 今、松野委員がお話しされましたリプロダクションの自由、大変国際的、世界的な一つの概念としてあるわけでございます。まさにそういうふうな問題を背景にして、ライフサイエンスあるいはまた生殖補助医学研究というものがどんどん進んでいくというふうな関係があるのだろうと思います。なればこそ、私たちは、まず無性生殖という世界に対してきっちりとした国としての考え方を押さえておかないと、そういう研究が混乱をしていく可能性がある。
 したがって、子供を持つ、持たない、いわゆるリプロダクションの権利や不妊治療を受ける権利は、国民にとって、人間にとって基本的な自由な権利だと私も思っておりますし、そういう意味で、無性生殖によるクローン人間の産生というものを抑えるということは、逆に、通常の生殖を補助する不妊治療という問題のところの研究を、ある意味ではきっちりといろいろな形で議論できる、そういう意味合いを持つものであるし、リプロダクトライトというのですか、そういうものに違背するものではない。無性生殖のところだけはいけませんよ、そういうクローンはいけませんよ、だからそこは、十年という重い刑罰をもって抑えます。
 しかし、有性生殖の議論、先ほどもちょっとお話ししましたが、そのところは、ES細胞の研究も含めて、ある意味ではこれからどんどん発達していかなきゃならぬ、そういうふうな均衡ある考え方を私どもはとっておりますし、リプロダクトライトという概念に無性生殖の禁止、ヒトクローンの禁止というものは違背するものではない、不当に侵害することにはならない、このように思っております。
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