文教科学委員会

2018-05-24 参議院 全157発言

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会議録情報#0
平成三十年五月二十四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十三日
    辞任         補欠選任
     足立 敏之君     衛藤 晟一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         高階恵美子君
    理 事
                上野 通子君
                大野 泰正君
                神本美恵子君
                吉良よし子君
    委 員
                赤池 誠章君
                石井 浩郎君
                今井絵理子君
                衛藤 晟一君
                小野田紀美君
                橋本 聖子君
                水落 敏栄君
               佐々木さやか君
                新妻 秀規君
                伊藤 孝恵君
                大島九州男君
                蓮   舫君
                高木かおり君
                木戸口英司君
                松沢 成文君
   国務大臣
       文部科学大臣   林  芳正君
   副大臣
       文部科学副大臣  丹羽 秀樹君
   事務局側
       管理部長     宮崎 一徳君
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       原  邦彰君
       内閣府地方創生
       推進事務局審議
       官        村上 敬亮君
       文部科学大臣官
       房総括審議官   中川 健朗君
       文部科学省生涯
       学習政策局長   常盤  豊君
       文部科学省初等
       中等教育局長   高橋 道和君
       文部科学省高等
       教育局長     義本 博司君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○学校教育法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────
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高階恵美子#1
○委員長(高階恵美子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、足立敏之君が委員を辞任され、その補欠として衛藤晟一君が選任されました。
    ─────────────
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高階恵美子#2
○委員長(高階恵美子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 学校教育法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官原邦彰君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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高階恵美子#3
○委員長(高階恵美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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高階恵美子#4
○委員長(高階恵美子君) 学校教育法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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上野通子#5
○上野通子君 自由民主党の上野通子でございます。
 本日、学校教育法の一部を改正する法律案について順次質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 まず、デジタル教科書の導入についてですが、衆議院の方で既に多くの質問出ているところでございますが、改めて大臣に対して、教科書の内容をタブレット端末などに収めたデジタル教科書のメリットについてお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
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林芳正#6
○国務大臣(林芳正君) デジタル教科書の使用によりまして、例えば、デジタル教科書にハイライトや書き込みを繰り返し行うことにより、試行錯誤しながらグループで話し合ったり考えたりしたことを電子黒板に転送して共有して、ほかの方の意見と比較しながら自分の意見を一層深める、こういうことができるわけでございますし、また、デジタル教材である動画等々と一体的に活用しまして、学習した内容の実社会での活用場面、こういうものを想定しながら学習しやすくなると、こういった取組が考えられるところでございます。
 また、障害のある児童生徒等については、例えば、文字を拡大するとか、色を変更するですとか、音声で読み上げるですとか、こういった機能を使用することによりまして教科書の内容を理解しやすくなるといった効果が期待されるところでございます。
 こうしたデジタル教科書の使用によりまして児童生徒の教育の充実が期待されることから、本法案においては、必要に応じて紙の教科書に代えて教科書の内容を電磁的に記録した教材、いわゆるデジタル教科書を使用できるようにすることとしておるところでございます。
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上野通子#7
○上野通子君 ありがとうございました。
 この導入によって子供たちの学習効果も上がるんじゃないかということを、先行的に導入した学校からは、教師から子供たちの学習意欲が高まったという声も多く寄せられているということ、また楽しく学べるという内容のこともお伺いはしておりますが、メリットも多いですけど、まだまだ普及までには問題と思われること、また心配されることも多々あります。
 その一つが財政面での支援だと思いますが、現在、義務教育、小中学校には紙の教科書の無償配付ということをしていますが、それでは、現在使用している教材等についての支援はどうなっているのか、政府参考人の方によろしくお願いいたします。
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高橋道和#8
○政府参考人(高橋道和君) 学校で使われる標本や模型などの教材は、子供たちの知識及び技能の習得や、思考力、表現力、判断力等の育成に向けて教育効果を高めるものであり、その充実は極めて重要であると考えております。
 このため、文部科学省では、学習指導要領に対応する教材整備の推進に資する観点から、各教育委員会、各学校において教材を整備する際の参考資料として教材整備指針を策定しております。
 また、この教材整備指針に例示される学校教材が安定的かつ計画的に整備されるよう、義務教育諸学校における教材整備計画を策定し、これに基づきまして、平成二十四年度からの十か年で単年度約八百億円、総額で十年約八千億円の地方財政措置が講じられているところでございます。
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上野通子#9
○上野通子君 今答弁していただきましたが、義務教育諸学校における教材整備計画というのを平成二十四年度から十年間で三十三年まででやっているということ、十か年総額が約八千億円ということでございますが、その中には、恐らくデジタル教材、今お話にもありましたが、電子黒板やデジタルテレビ等も対象に入るということでございます。しかしながら、このデジタル教科書が紙の教科書と併用ということで導入始まりますが、いずれはこのデジタル教科書のみを使う教科も出てくるだろう。さらには、もっと進んで、将来的にもしかしたらデジタル教科書だけで行うという可能性も出てくるんじゃないかと思うんですが、今後のデジタル教科書に対しての無償化は実現するのかも含めて、段階的にどのように国としての財政支援をしていくのか、大臣にお伺いしたいと思います。
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林芳正#10
○国務大臣(林芳正君) この法案では、紙の教科書を基本といたしまして、いわゆるデジタル教科書を併用することを可能とするということになっておりまして、義務教育諸学校の児童生徒に対しては引き続き紙の教科書が無償給与をされることになります。したがって、このような使用形態や紙の教科書のみを使用する児童生徒おられるわけでございますから、こういったところとの公平性の観点等を考えますと、デジタル教科書を無償措置の対象とするということは現時点では考えておらないところでございます。
 なお、文科省としては、今後のデジタル教科書の取扱いにつきまして、デジタル教科書の使用による効果、影響の把握、検証等を行いつつ、慎重に検討していく必要があると考えております。
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上野通子#11
○上野通子君 ありがとうございます。
 今の御答弁のように、まだまだデジタル教科書のみの教科はこれから先も余り認められないだろうというお話でございましたが、全く私もその方が良いんじゃないかなと思います。
 諸外国もちょっと調べたんですが、アメリカは大変進んでいまして、デジタル教科書だけの学校も出てきているということもお伺いしておりますが、そうしますと、そのネットワークの回線、家庭に持ち帰るときの子供たちの安全面も含めて、取扱いと、様々な問題も出てくると思うんです。でなくても学校現場でメディアリテラシー教育も進めなければいけないという点も出てくると思うので、その辺のことをしっかりとリサーチしながら、日本の教育現場におけるデジタル教科書のこれからの在り方を更に検討していただきたいなと思っております。よろしくお願いいたします。
 次に、最初の大臣の御答弁にもございましたが、障害のある児童生徒に対してのデジタル教科書、メリットはたくさんあるというふうに私も思っております。
 特に、御答弁の中にもありましたが、視覚障害や発達障害等で紙の教科書ではなかなか学習が困難な児童生徒については、もう本当に拡大した教科書とかデジタルで、きちんと子供がそれをしっかりと自覚して、また集中できるような授業体制をつくるということ、大変良いことだなと思っておりますので、更に進めていただきたいと思います。
 しかしながら、特別教育が必要な、特別支援の必要な障害を持った子供たちの中にはほかの障害を持っている子供たちもおります。身体的障害を持っている子、そして精神的障害、また知的障害のある子供たちもおりますので、その子供たちに対しての紙ベースの教科書以外でのデジタル教科書等の導入は、もう現在なされているのであればそれを続けるということでございますが、今後導入するのであればどのように導入していくか、また学習効果等をお考えになっているのかについて、高橋局長にお伺いします。
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高橋道和#12
○政府参考人(高橋道和君) ただいま御指摘いただきましたように、デジタル教科書の使用により、障害のある児童生徒については、例えば視覚障害や発達障害のある児童生徒が文字を拡大する、色を変更する、あるいは音声読み上げ機能を活用するなどによりまして、教科書の内容をより理解できやすくなるといった効果が期待されます。また、肢体不自由の児童生徒がページ送りなどの機能を使用することにより次のページを見やすくなる、こういったような効果も期待されるわけでございます。
 このため、今回御提案させていただいております学校教育法の改正案におきましては、通常の生徒につきましては、教育課程の一部を代えることができるとなっているところを、障害のある児童生徒等については、必要がある場合には、教育課程の全部においても紙の教科書に代えてデジタル教科書を使用することができると、こういったような形にさせていただいているところでございます。
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上野通子#13
○上野通子君 平成三十年度の予算で、教科書デジタルデータを活用した拡大教科書、音声教材等普及促進プロジェクトというものがあるとお伺いしておりますが、この趣旨等にも、今お話にあったように、どんどん教科書のデジタルデータを活用した音声教材等に関する効果的な製作をしていくと、また、高等教育に対しても拡大教科書等の普及を促進していくと、そのための事業、予算付けだと思うんですが、これによりますと、なかなか普通の教科書会社だけにお願いするのは大変だということですね。やはり、様々なボランティア団体等の協力も得て、で、文科省もここに関わって、この必要に応じた、その障害に応じた教科書を作っているということがうかがわれるのですが、まず、私も初めて、これをちょっと調べさせていただいて分かったんですが、日本DAISYコンソーシアムというところがあるというふうにお伺いしていますが、まず、日本DAISYコンソーシアムという団体はどんな団体なのかについて大臣にお伺いしたいと思います。
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林芳正#14
○国務大臣(林芳正君) このDAISYというのは、デジタル・アクセシブル・インフォメーション・システムと、この頭文字をつなげて作った言葉で、デジタル技術を応用した利用可能な情報システムという意味だそうでございます。
 印刷物で提供される図書や情報では読むことができない皆さんに活用されるデジタル録音図書の国際標準規格を目指して、五十か国以上の会員団体で構成する国際共同開発機構、DAISYコンソーシアム、これ本部スイスだそうですが、ここで開発と維持が行われている情報システムでございまして、日本においては、公益財団法人の日本障害者リハビリテーション協会等の八団体が日本DAISYコンソーシアムの構成団体として活動しておりまして、このDAISY図書はCD—ROMに保存することができて、専用の機器やパソコンがあれば再生することができると、こういうふうに承知しております。
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上野通子#15
○上野通子君 ありがとうございます。
 DAISY、デジタル・アクセシブル・インフォメーション・システムでございましょうか、この同じような団体が、五十か国以上の会員で構成されているということでございますが、日本も恐らくこれはボランティア団体なのでございましょう。その団体が一生懸命にこの障害者向けの教材、教科書等を作成するのに関わってくださっているということでございますが、併せて大臣にお伺いしたいのは、DAISYコンソーシアム、ここの団体の皆さんとそして教科書協会の皆さん、そして文科省がどのように連携しながら教科書研究開発に今向かっているのかということ、改めてお伺いします。
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林芳正#16
○国務大臣(林芳正君) 大変大事なことだと考えておりまして、この法案の趣旨の一つとして、デジタル教科書によりまして障害のある児童生徒等の学習上の困難の低減に資することがあり、これについては教科書発行者に対してもしっかりと説明をしてまいりたいと思っております。
 文科省としては、デジタル教科書、これが円滑に作成、供給されますように、本法案において著作権法の一部を改正し、著作権者の権利を制限する規定等を設けるとともに、教科書発行者とそれからDAISY教材等を作成する、今申し上げましたボランティア団体等との意見交換の場を設けることなど、教科書発行者が障害のある児童生徒等の学習上の困難の低減に資するようなデジタル教科書、これを作っていただくように促していきたいというふうに考えておるところでございます。その上で、今後、デジタル教科書の実際の作成状況等も踏まえながら、更にどういう対応が必要か、引き続き検討していきたいと考えております。
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上野通子#17
○上野通子君 ありがとうございます。
 連携を強化して、しっかりと障害に合ったデジタル教科書を作っていただきたいと思いますが、DAISYはあくまでもボランティア団体でございますので、余り負担を掛け過ぎず、できれば負担を軽減することも考えていただきながら一緒にやっていただきたいなと思います。ありがとうございます。
 次に、ほかの、障害者にかかわらず、デジタル教科書のデメリット、全体的なデメリットについてお伺いしたいと思うんですが。
 まず、大臣にお伺いしますが、大臣は、学校の授業の中で、学生時代、教科書をどのようにお使いになっていましたか。
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林芳正#18
○国務大臣(林芳正君) 何分随分昔のことでございますので、まあ、小学校ぐらいのときは真面目に教科書をちゃんとその日のを持っていって、うちに持って帰って、母親も厳しかったですから、ちゃんと予習、復習を一応やったふりはして、しないとそこから遊びに行かせてもらえないというような苦い記憶が小学校時代はございますが、どうでしょうか、高校ぐらいになると、私、文系でございましたので、余り受験に関わりのない科目のようなものはちょっと学校に置いてあったかなというような記憶もございますが。
 いずれにしても、教科書とそれからその補助教材みたいなものは結構いろいろありましたので、必要なものは結構使い込んだりはしておったし、それぞれちょっと、小中高様々であったかなというふうに思い出しております。
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上野通子#19
○上野通子君 ありがとうございます。
 発言通告していないんですが、丹羽副大臣にも、教科書と併せてノートもどのようにお使いになっていたかもお伺いしたいと思います。
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丹羽秀樹#20
○副大臣(丹羽秀樹君) 私も多分に漏れず、大臣と同じような文系でございました。ただ、大臣ほど親が厳しくなかったので、毎日持っていっていたかというと、多分毎日、記憶の中で重かった記憶がとてもございます、ランドセルがですね。
 ただ、かつてに比べて幾分、十年前の学校のランドセルというのは軽くなったなという記憶があるんですが、実際、今、自分の子供が小学校六年生になって教科書を背負っているのをこの間背負わせてもらったら、非常にまた重くなってきたなというのは実感としてございまして、そういった面で考えると、今の教科書は、かつて十年前に比べても随分容量が、厚くなってきているのかなというのは、これは実感として肌感覚で思っております。
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上野通子#21
○上野通子君 ありがとうございます。
 丹羽副大臣にはノートのこともお聞きしたかったんですが、よろしいでございます。
 恐らくお二人とも真面目な小学生、中学生だったとお見受けしますから、重たいかばんにびっしりノートと教科書を詰めて、中学生なんかまめができていますよね、そのような形で、日本の今でも学生は真面目な学生ほど教科書とノートを持ち歩くというような状況だと思いますが。
 私たちもそうですが、ここにいらっしゃる皆さんも、紙ベースの教科書を用いて、そして読むことと書くことの大切さを学んできたと思います。一番このデジタル教科書が入って私が危惧していることは、学習効果が上がるというお話もありますが、パソコンの画面で読むということ、これを、AI読みとも言われていますが、斜め読みにしてしまうんじゃないかと大変心配しておりまして、いろいろと研究されている方の御意見によれば、パソコン画面で読むよりも紙ベースの教科書で読む方が内容に集中しやすく、学習効果が高いという結果も出ているとも言われています。教師の経験のある先生方もそう思う、うちの筆頭などもそう思うと言っているんですが。
 読むことと同時にまた書くことも大切だと思うんですね。そうすると、先ほど大臣から、デジタル教科書は書き込めるぞ、ハイライトも入れられる、だから便利になるというお話もございましたが、やっぱり書くことによってしっかりと頭を使って考えるということも私たちは学生時代してきたんではないでしょうか。
 この読むこと、しっかりと読むこと、また時間を掛けてしっかりと書くということが減少につながって、それが考える力や読解力が低下することにもつながっていくんじゃないかと大変危惧するところでございますが、この読む、書くの学習効果面でのデジタル教科書導入について、大臣はどうお考えになりますか。
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林芳正#22
○国務大臣(林芳正君) この法案では、紙の教科書を主として使用しつつ、児童生徒の教育の充実のために必要がある場合にデジタル教科書の利点を生かすよう使用すると、こういうふうに想定をしております。したがって、デジタル教科書の導入後も紙の教科書やノート等、適切に使用しつつ、今委員がおっしゃったように読み書きがおろそかにならないよう学習すること、これが大変重要だと考えております。
 デジタル教科書の使用によりまして、例えばデジタル教科書のハイライト機能を使用して重要なポイントを試行錯誤しながら考えたり、デジタル教科書と一体となったデジタル教材を用いて本文の抜き出し等により文章の構成を分析する、これらを電子黒板等を使用して他の生徒と共有し議論する等、読解力の向上に資するような授業を行うということが考えられるわけでございます。
 私もいろんな書き込みをするときに、最近は消せるやつですね、商品名出しちゃあれですけれども、消せるボールペンというのがございまして、これになってから随分、何度も書いたり消したりできるので便利になったなと、こういうふうに思いますが、試行錯誤をするという意味ではデジタルの利点もあるのかなというふうに思いますが、冒頭申し上げたように、あくまでこの紙の教科書を主としてというところは押さえておかなければいけないポイントであろうと、こういうふうに思っております。
 このデジタル教科書の加えての使用によって児童生徒の学習が一層充実される方向になるように、その効果的な活用の在り方とか導入に当たっての今のような留意点に関しましては、教育委員会や学校等が参考とするためにガイドラインを策定をする予定になっておるところでございます。
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上野通子#23
○上野通子君 ありがとうございます。
 あくまでも紙の教科書がメーンであるというお話でございましたが、とはいえ、やっぱり教育現場にデジタル教科書がどんどん入ってくるということになれば、今度は子供たちばかりじゃなくて、それを指導する教員の皆さんにもまた負担となるのではないかと、その問題も出てきております。
 御存じのように、今学校現場では本当にいろんなことが先生に求められています。英語教育小学校で導入、道徳教育の教科化、アクティブラーニング、プログラミング、そしてキャリア教育や消費者教育など、そこにまた、先ほど言いましたが、メディアリテラシー教育も多少はしなきゃならない。もういっぱいいっぱい、教師も、そして子供たちもいっぱいいっぱいな状態ということは現実でございます。
 そこで、せっかく働き方改革を、教師の現場、していただいて、子供としっかりと向き合う時間を取るということ、文科省も進めている中で、また教師に負担が掛かるのではないかという不安がございますが、その点はいかがなんでしょう、大臣。
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林芳正#24
○国務大臣(林芳正君) このデジタル教科書の活用を含めて、学校における教育の情報化、これを進めていくためには、やはり今先生おっしゃったように教員のICTの活用指導力、これを向上させるということが重要になってくるわけでございます。
 このため、文科省においては、教育職員免許法施行規則、これを改正いたしまして、大学の教職課程におきまして、教育の方法及び技術に関する科目に加えて、各教科の指導法を学ぶ授業科目の中で、必ず情報機器及び教材の活用、これを含めた内容を習得させることとすると。それからもう一つは、独立行政法人教職員支援機構におきまして、各地域における教育の情報化を推進する指導者、これを養成するための研修を行うと。加えまして、ICTを効果的に活用した指導方法に係る実践事例集、それから各学校の内部で研修を担う人材を養成するための手引、これを作成、配付すると。こういったこと等によって教師のICT活用指導力の向上に努めておるところでございます。
 また、このデジタル教科書等を活用した授業をより円滑に進めるためにも、ICT支援員、この配置を進めることが極めて重要でございまして、所要の経費につきましては地方財政措置が講じられているところでございます。
 こうした取組に加えて、デジタル教科書につきましては、先ほども申し上げましたが、その効果的な活用の在り方、それから導入に当たっての留意点等に関するガイドラインの策定などを通じて、このデジタル教科書が適切に使用されるように努めてまいりたいと思っております。
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上野通子#25
○上野通子君 ありがとうございました。
 私は、デジタル教科書の導入も情報化社会に向けて必要だと重々承知しておりますが、何せ全国広いですので、導入の格差も出てきてしまってはちょっと教育格差にもつながりますので、そこのところも十分に配慮をしていただきながら、この学習環境整備、先生方の負担を更に増やすことにならないように文科省として取り組んでいただきたいと思います。
 今、学校現場での最大の問題は、教科書が読めない子供たちがたくさんいるということだと思います。この問題をしっかりとちょっと検討していただいて、そのためにどうしたらいいか。デジタル教科書はそのためにも、もしかしたら逆に十分効果が出るかもしれないので、研究を進めていただきたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。
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佐々木さやか#26
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。
 今日の審議となっております法律案では、デジタル教科書、これを正式に法律上も教科書として位置付けるというものでございます。
 このデジタル教科書、教科書のデジタル化と言ってもいいかもしれませんが、その背景といたしましては教育の情報化、これがございます。教育の情報化、よく言葉を聞くんですが、私自身不勉強でまだ理解が十分でないところもあるなというふうに自覚をしておりまして、ICTを教育に使っていく、活用していくと、これが簡単に言えば教育の情報化かなとは思うんですけれども、この教育の情報化というのが、じゃ、一体何を目指すのかというところは私はきちんと意識をしなければならないのかなと思っております。
 先ほども上野委員から議論が様々ございましたとおり、メリットも十分ある一方で、心配なこと等もあるわけでございます。ですので、そもそも教育の情報化というのは何を目指すのかと。私はやはり、どこまでも教育というのは子供たちのためにあるものですから、子供たちにとって何がいいのかと、子供たちの学びがどう深まるのかと、これが重要であるというふうに思っています。
 教育現場にICTがどんどん入っていくことで、今までできなかったことができるようになる、また、先生方の負担が軽くなるということもあるかもしれませんけれども、例えば、今ネットで何でも調べることができます。昔は、辞典、辞書を引いたりとか、図書館に行って本を探して調べたりということが、ネットがあれば何でもすぐ出てくると。これが学びに深まるのかということもあるかもしれませんし、悪い例としては、論文の剽窃という問題がございます。学校のレポート、例えば学校の宿題も、やろうと思えばネット上の情報を組み合わせてできるということももしかしたらデメリットかも分かりません。
 そういったことではなくて、やはり子供たちがより学びを深めていくと、これが教育の情報化が目指すものではないかなと思っておりますが、大臣は、この教育の情報化、また、教科書のデジタル化ということについて、子供たちの学びというところでどのようにお考えか、お聞きしたいと思います。
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林芳正#27
○国務大臣(林芳正君) ICTを活用して教育の充実を図るということが、今回の改正は特にそういうことでございまして、デジタル教科書を使用することが、必要に応じて紙の教科書に代えてと、教育課程の一部においてと、こういうことで使用することができるということでございます。
 大臣が主宰する有識者懇というのを今やっておりますけれども、そこでも、今先生からお話のあったようないろんなメリット、デメリット出てきておりまして、やはり、よく半分冗談のように言われることですが、携帯電話が普及して電話番号帳が入ってからはもう電話番号を覚えないようになったと、それから、ワープロ等、ワープロと言うと古いかもしれませんが、メールを打つようになってからは自分で漢字を書かなくなったので、いざ紙に漢字を書こうとするとなかなか漢字が正確に出てこないとか、いろんなことが言われている一方で、これは利点を言えば、いろんなものがすぐリサーチができて、本当に、自分がそれに加えてどういう創造的なものを付け加えるのか、こういうことが非常に簡単に世界のどこにいてもできるようになってきていると、こういうことが言われているわけでございますので、そういう中で、このICTはやっぱりあくまで道具でございますので、この道具を活用をしながらやっぱり真に必要なことはしっかりと教育の現場で教えていくと。
 この原則をたがってはならないんではないかと、こういうふうに思っておるわけでございまして、そのためにはやはりどういう技術が進展して、それが社会の中でどういうふうに活用されているのかということは不断にしっかりと把握をした上で、また加速度的にこの技術が進歩いたしますので、例えば小学校に今年入ったお子さんが大学までもし行かれたとすると、もう十六年先ということでございますから、これぐらい先まで社会がどのように加速的に進歩していくのかということもある程度見据えながら、そのために必要なスキル等をしっかりと身に付けていただくと、こういう考え方を持って臨まなければならないんではないかと、そういうふうに思っております。
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佐々木さやか#28
○佐々木さやか君 ありがとうございます。大臣の御所見を伺いました。
 AIとかいろいろな技術が今注目をされておりまして、そういう中でソサエティー五・〇社会に向けて教育どうあるべきかということを我が党も実は勉強をさせていただきました。そういう中で、やはり重要なのは、どこまでも人が中心、教育においては子供が中心で、どのように技術を活用していけるか、いろんな選択肢がある中でどう新しい価値を主体的に創造できるかと。やはり、この人間の力を高めていくということが一番大事なのではないかと、そんなような我が党としては議論をしておりました。
 そういう観点からいいますと、やはりこの教育の情報化ということも、新しい技術があれば何でもこの教育の場に取り入れれば、それで何か新しいということでは恐らくないのだろうと。ですので、何が必要で何はなくてもいいのかとか、そういったことをしっかりと議論をしていただいて、取り入れていくべきなのかなと思っております。
 そういった観点から、以下、何点か具体的なこの法案について質問をさせていただきますけれども、上野委員の御質問ともちょっと重なる部分がありますが、重要な点ですので確認をさせていただきたいと思います。
 今回のデジタル教科書、これは障害のある子供たちについては全ての課程ということですけれども、原則として一部の教科について併用という形にしております。選択肢としては、紙でもよいし、一部の教科についてはデジタル教科書でもよいということですけれども、これを全ての教科についてデジタル教科書を使ってもよいよという形にする方法もあり得たわけですが、なぜ一部の教科について併用ということを原則としたのか、その趣旨について確認をさせていただきます。
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高橋道和#29
○政府参考人(高橋道和君) 平成二十八年十二月に取りまとめられました有識者会議の最終報告においては、デジタル教科書を主として使用するような形態を許容するためには、少なくともそれにより基礎的、基本的な教育内容の履修を保障できることを国として検証することが必要と提言されました。
 しかしながら、現行制度上、デジタル教科書の使用による教育上の効果や子供の身体への影響について本格的な実証研究を行うことができず、客観的、定量的な検証はまだ困難でございます。また、デジタル教科書に紙の教科書を全部置き換えることについては、保護者等からの懸念が示されていることもございます。こういったことから、デジタル教科書の導入は段階的に進めていくことが適当だと考えております。
 このため、今回の法案におきましては、まずは教育課程の一部においてデジタル教科書を使用できるように制度改正を行い、デジタル教科書の使用による教育上の効果、影響等を把握、検証し、その成果を踏まえながら、今後のデジタル教科書の在り方について検討してまいりたいと考えております。
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