文教科学委員会

2018-05-31 参議院 全137発言

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会議録情報#0
平成三十年五月三十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     太田 房江君     赤池 誠章君
     自見はなこ君     今井絵理子君
     森屋  宏君     衛藤 晟一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         高階恵美子君
    理 事
                上野 通子君
                大野 泰正君
                神本美恵子君
                吉良よし子君
    委 員
                赤池 誠章君
                石井 浩郎君
                今井絵理子君
                衛藤 晟一君
                小野田紀美君
                橋本 聖子君
                水落 敏栄君
               佐々木さやか君
                新妻 秀規君
                伊藤 孝恵君
                大島九州男君
                蓮   舫君
                高木かおり君
                木戸口英司君
                松沢 成文君
   国務大臣
       文部科学大臣   林  芳正君
   副大臣
       文部科学副大臣  丹羽 秀樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   政府参考人
       文部科学省高等
       教育局長     義本 博司君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  村田 善則君
       文化庁次長    中岡  司君
       国土交通大臣官
       房審議官     眞鍋  純君
       観光庁観光地域
       振興部長     米村  猛君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営
 に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────
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高階恵美子#1
○委員長(高階恵美子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十九日、太田房江君、森屋宏君及び自見はなこ君が委員を辞任され、その補欠として赤池誠章君、衛藤晟一君及び今井絵理子君が選任されました。
    ─────────────
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高階恵美子#2
○委員長(高階恵美子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省高等教育局長義本博司君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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高階恵美子#3
○委員長(高階恵美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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高階恵美子#4
○委員長(高階恵美子君) 文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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上野通子#5
○上野通子君 自由民主党の上野通子でございます。質問の機会いただき、ありがとうございます。
 本日は、文化財保護法等の改正案について御質問させていただきます。
 まず、日本においては、文化財は、長い歴史の中で生まれ、育ち、守られてきた財産の総称だと思います。そして、意外と私たちの身近に存在しながら知られていなかったり、また、余りにも身近過ぎて知らなくて、あっ、これは文化財だったんだと思うこともあると思います。でも、中には残念ながら時代とともに風化が進んで継承者がいなくなったりしているところもあり、様々な事情によって消滅するという、そういう危機に瀕しているものも少なくないと思われます。
 そこで、今回の法改正によって、地方の文化財保護のその制度がどのように変化するのか、また今回の文化財保護法改正の目的は何なのかを大臣にお伺いしたいと思います。
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林芳正#6
○国務大臣(林芳正君) 我が国には、地域の風土や生活、また他国の文化との交流等を通じて育まれ、守り伝えられてきた多様な文化財が数多く存在をしておるわけでございます。こうしたものは、我が国の文化的な発展や地域のきずなの維持などにおいてなくてはならない国民の宝と言っていいと思いますが、近年、今先生からお話があったように、過疎化ですとか少子高齢化、こうした背景で、文化財の滅失や散逸、また担い手不足と、こういうことへの対応、これは喫緊の課題となってきておるわけでございます。
 その一方で、文化財を町づくりの核に据えてその活用を図ったり、いまだ価値付けのされていない地域の文化財も掘り起こす、こうしたことによって地域活性化を進めたいと、そういうニーズも多く見られるところでございます。
 こうした背景の中で、今回の改正は、地域における文化財の計画的な保存、活用の促進、地方における文化財保護行政の推進力の強化、これを図りまして、未指定を含めた地域の様々な文化財を町づくり等に生かしながら次世代に確実に継承することができるように、地域社会総掛かりでの取組、広く推進することを目指すものでございます。
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上野通子#7
○上野通子君 ありがとうございます。
 ただいまの御答弁にもありましたが、今までなかなか、未指定のものなどもあって、文化財を地方で守るのが厳しかった、それをより効果的に、また活用しやすいようにするために市町村に権限を移譲していくための改正法でもあり、また、保護中心の文化、今大臣からもお話がありましたが、それを活用していくという、保護と活用の両立をしていくという大きな転換をするための改正でもあると思います。
 ただ、心配なのは、文化財は一度壊れてしまったら元には戻せないものもあります。もし、適切な管理や注意を怠れば、その価値を失う可能性もあります。
 そこで、大事な保存と活用のバランスについて、どのように取っていくのか、大臣にお伺いします。
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林芳正#8
○国務大臣(林芳正君) 文化財保護法は、その一条で目的を定めておりまして、「文化財を保存し、且つ、その活用を図り、もつて国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献する」と、こういうふうに規定をしておりまして、保存と活用、これは文化財保護の重要な柱だと捉えられておるところでございます。
 保存が十分でない文化財というのは、もうそもそも活用すること自体が困難でございまして、また、文化財の後世への継承には文化財の活用を通じてその大切さを多くの人々に理解いただくということが不可欠であるわけでございますので、この文化財の保存と活用の関係というのは単純な二項対立ではないと、こういうふうに考えております。
 今回の改正案は、個々の文化財に係る現行の規制等の仕組み、これを維持した上で、計画的な取組の制度化によって中長期的にどうして取り組んでいくかということを見える化をする、住民、NPO団体、文化財保護指導委員など多様な人材の参画を得た取組の推進によって地域社会全体で文化財を毀損等から守る監視の目を強化する、文化財の毀損等の場合の罰金刑を引き上げる、こういうことを盛り込んだところでございます。
 我々としては、文化財を次世代に確実に継承していくために、文化財の保存、活用の両面から適切に取り組んでまいりたいと考えております。
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上野通子#9
○上野通子君 ありがとうございました。
 文化財の保存と活用、このバランスを保つために、やはり大臣のお話にも、今の答弁にもありましたが、一番大事なのは人、人材だと思います。
 そこで、改正によって文化財保護指導委員が、この指導委員が市町村に置くことができるようになったとのことですが、どのような人材を想定しているのか、また、人材の育成や確保、そして財政支援などは国としてどう考えているのか、副大臣にお伺いします。
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丹羽秀樹#10
○副大臣(丹羽秀樹君) 文化財保護指導委員におきましては、文化財の巡視や所有者等への指導、助言等を行う非常勤の職員でございます。文化財保護法におきましては特段資格等を定めているものではございませんが、現在制度化されている都道府県における実例といたしまして、大学教員やまた学芸員、郷土史家や地方公共団体の文化財担当職員OBなどが委員となっている例が多いというふうに認識いたしております。
 今回の法改正によりまして、市町村における文化財保護指導委員を置くことが可能となり、その配置につきましては都道府県と類似の運用がなされるものと考えておりますが、委員御指摘のように、様々な人材が積極的に活用されるように市町村に対する助言に努めていきたいと考えております。また、このような文化財保護指導委員を育成、確保するために、文化庁におきましても専門的人材に対する研修を実施しているほか、文化財保護指導委員を置く地方公共団体におきましてもそれら職員に対する研修等を実施する例が見られるなど、その資質向上を図っているところでもございます。
 今回のこの市町村への指導委員の配置拡大を踏まえまして、国の研修の一層の充実に努めていくとともに、都道府県が行う研修に参加したり、また市町村自らが研修を実施することなど、取組の充実に努めていきたいというふうに思っております。
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上野通子#11
○上野通子君 副大臣、ありがとうございました。
 今のお話にもございましたが、様々な人材を確保して、地方で地方に合った指導委員を育ててほしいという思いが込められていましたが、これからは市町村でやることがたくさん出てくると思うんですね。保存活動計画作成、さらには未指定のものの対応、さらには今あるものとコラボしながら活用、運営をどうしていくかという計画、いろんなことでこれから動く指導委員にならなければならないと思うんですけれども、くれぐれも今回の法改正によって地方自治体の負担が更に増えないように、そこのところをよろしくお願いしたいと思います。そしてまた、産官学共同の連携強化とか、地域の高校生、また地元の大学生等の人材育成も一緒に図っていただけたらよろしいんじゃないかと提案させていただきます。
 次に、現在、国内には国宝と言われるものが千百十件、重要文化財は国宝も含みますが一万三千百六十六件あるとお伺いしています。この国宝、重要文化財に合わせて全国の件数比較をしてみますと、一番重要文化財が多いのは東京、二千七百八十七件、二位が京都、二千百八十件、三位が奈良県と続くわけですが、では、少ないところはというと、別に少ないから駄目というわけではないんですが、一番少ないのが宮崎の十八件、そして沖縄の三十四件と続いているわけです。次は鹿児島となっていますが、これって別に文化の差ではなくて、やはり文化財を利用しなくても観光客が来てうまく経済効果があるところもあります。でも、この差は大きいと思うんですよね。
 そこで、今回、指定文化財の少ない地域に対しては、この機会に未指定の文化財の掘り起こしをどんどん進めてくださいというのは言えると思うんですが、このようにたくさんある東京とか京都、奈良は、これ以上できないよという声もあるんじゃないか。また、未指定を含めた文化財の調査、地域計画の作成をやれと言われても、事務の負担がとても多くて間に合わないよという声もあるんじゃないかと。この困難な声、上がってくる、また上げられていると思うんですが、それに対して文化庁としてはどうお考えなのか、お伺いしたいと思います。
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中岡司#12
○政府参考人(中岡司君) 委員御指摘のように、東京には東京国立博物館を中心に美術工芸品を中心とした文化財が集積しておりますし、京都には、大変長く続いた古都ということもございまして、建造物を中心といたしまして多くの文化財があると。
 今回は、その地域計画を策定することができるということでございますけれども、文化財を把握するための調査に関する事項について記載する必要があるということのために、市町村は未指定も含めた地域内の文化財の総合的な調査、把握を行うことになりますけれども、これによりまして地域の文化財の掘り起こしが進むということもございます。しかしながら、これは必ずしも計画の作成時に文化財の網羅的な把握を求める趣旨ではございませんで、今後の計画も含めまして、保存、活用に係るどのような取組を行っていくかについて記載を求めるものでございます。
 文化庁といたしましては、このような点を含めまして、今後、地域計画を策定する際の留意事項等を示した国の指針を示したいと考えております。多くの文化財が集積する地域への配慮など、地域の実情を踏まえた対応が可能となるよう留意するとともに、提出書類の厳選、簡素化など、事務負担が事務体制に比して過大とならないよう意を尽くしたいと考えております。
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上野通子#13
○上野通子君 くれぐれも事務処理に追われて大変なことになるというようなことにならないようにお願いしたいと思うんですが、文化財行政に詳しい自治体の幹部からは、既存の指定文化財の保存と活用の方策づくりだけでも物すごい作業となる、その上に未指定のものへの対応までは作業が追い付かないんじゃないかとの不安とか、文化財が集積する自治体への別の対応策を考えてほしいなという声も上がっているというのを聞いております。是非とも、今後、しっかりとそこのところは検討して、掘り起こしとともに、今たくさんあるところに対しての何らかの支援もしていただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、二千四百八十件、この数字は何だと思いますか。国宝、重要文化財のうち、建造物の件数です。文化財建造物がたくさんありまして、この公開により多くの人が文化財の魅力に触れられるようにすることは大変重要です。まずは来ていただきたい。でも、観光客、また来訪者が集まるからといって、安全確保しないというわけにはいきません。そのためには、文化財建造物の耐震化もこれから必要ではないでしょうか。
 もちろん、全くないということではなく、文化庁としてもこれを進めているわけだと思いますが、ちなみに、京都には重要文化財の建造物が全国最多六百六十三棟、二百二十九件。このうち、国宝七十二棟、五十一件あるようです。そのうち、耐震診断を行ったのは七十六棟、工事実施済み若しくは実施中はこの中の一割にも満たないようで、大変厳しい状況が続いているようです。京都でもそうなんですね。
 記憶に新しいさきの熊本地震では、これは文化財とは関係なく、熊本県内の寺社およそ千二百が被害を受けたということでもございます。もちろん熊本城もやぐらが崩れたり石垣が崩れたりもしました。
 このようなこと、いつどこで同じ被害が発生するとも限りません。現在、全国の建造物によっては、もちろん老朽化も進んでいまして、老朽化対策も行われていると思いますが、あわせて、文化財となっている建造物の修理、修復と併せ耐震補強工事、どう進めているのか、どう進めていくのか、そのために予算確保はどうしていくのかを参考人にお伺いします。
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中岡司#14
○政府参考人(中岡司君) お答え申し上げます。
 文化財建造物につきまして、地震災害の際に来訪者等の安全を確保するためには、日頃より文化財所有者等が適切に当該文化財の状況を把握しておくことが重要でございます。
 このため、文化庁では、重要文化財建造物の耐震診断指針を策定するとともに、所有者等が行います耐震診断への支援を行っております。耐震診断の結果、補強等を要すると判断された重要文化財につきましては、文化庁の文化財調査官が専門的な見地から補強方法について指導、助言を行うとともに、補強等に係ります経費につきまして必要な国庫補助を行っております。
 文化庁といたしましては、今後とも所有者等への適切な支援を行うための必要な予算の確保に努めたいと考えております。
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上野通子#15
○上野通子君 国として、今年度、保存活用計画に基づく事業として特別交付税で優遇する取組を始めたと伺っております。文化財保護に関わる地域の自治体の職員からは、そもそも交付税は文化財事業への直接補助であるのか、他事業の財源に回される可能性もあるのではないかと不安の声も出ているとお伺いしますが、この国庫補助事業、今年度からの補助予算として出ています。保存、活用における地方財政措置についての御所見をもう一度文化庁にお伺いしたいと思います。
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中岡司#16
○政府参考人(中岡司君) お尋ねの交付税の関係でございますが、平成三十年度、御指摘のように、個別の文化財の保存活用計画に基づきますソフト事業に対します特別交付税措置、また、国庫補助を受けて行う保存修理や便益施設整備などのハード事業に対する地方債の適用の拡充が図られることとされております。
 委員御指摘のように、この交付税措置の取扱いにつきましては、地方公共団体の方でこれしっかり取り組んでいかないと、そちらの方に回っていかないということもございます。地方公共団体に対しまして今回の地方財政措置を適切に活用していくよう周知を行うなど、国としてもその促進を図ってまいりたいと考えております。
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上野通子#17
○上野通子君 ありがとうございます。
 是非ともしっかりと地方にも言っていただいて、ほかの方に回してしまったりして活用と保護のバランスが崩れないように御指導よろしくお願いいたします。
 次に、日本遺産についてお伺いします。
 現在、世界的に文化遺産のブームであると言われていて、どの国でも観光客が世界遺産に集まる状況が現れています。
 今年度、一応日本として、長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産が、年間一つしか候補に挙がらないので、候補とされ、六月下旬から七月に開催される予定のユネスコ世界遺産委員会にて審議される予定と伺っております。
 ところが、先ほども言ったように、一年間に一か所だけしか日本でも選んであげられない。まさにほかはウエーティング状態。でも、やはり地方をしっかりと元気付けたい、文化財をどんどんと掘り起こしてもいきたい。そのためにも、これから地域活性化の目玉となっていくのがこの日本遺産への登録かもしれません。
 文化庁は、文化財の地域一体的な保存、活用を進めるための日本遺産の認定を現在も進めているところでございますが、今後更に日本遺産の知名度を高めるとともに、日本遺産を観光資源として磨き上げてめり張りを付ける支援を行っていくべきと考えますが、副大臣にお伺いします。
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丹羽秀樹#18
○副大臣(丹羽秀樹君) 日本遺産は、地域の魅力ある有形、無形の文化財群を地域が主体となって、また総合的に整備、活用し、国内外に戦略的に発信することによって、その地域の活性化や観光振興を図ることを目的といたしております。
 文部科学省におきまして、この日本遺産の知名度を高めるために、マスコミ等のメディアと連携した新規日本遺産に認定された地域に関わる認定交付式の開催や日本遺産ポータルサイトによる日本遺産認定地域の魅力の国内外への発信、さらには、国内外で知名度があり発信力がある著名人を日本遺産大使に任命するなどの取組を行っております。
 めり張りを付けた支援を行うために、認定地域が抱えている個別の課題等に対応した専門家を派遣して指導、助言を行うとともに、平成二十九年度に外部有識者から成る日本遺産フォローアップ委員会を立ち上げて、PDCAサイクルによる事業の改善を促してまいります。
 今後とも、この日本遺産を通じた地域の活性化、観光振興や促進など、国内外への戦略的な発信につきまして、関係省庁と連携しつつ、積極的に取り組んでいきたいと考えております。
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上野通子#19
○上野通子君 ありがとうございました。
 現在、日本遺産登録件数、今年度も合わせて六十七件とお聞きしております。そして、目標、二〇二〇年までに百件程度を認定するということですが、順調に進めていただきたいと思います。
 副大臣の御答弁にもありましたが、期待するのは日本遺産プロモーション事業を拡充するということですね。やっぱり専門家に見てもらう、専門家の御指導、御指示をいただくということは、地域にとっても重要だし、有り難いことだと思います。是非とも進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 次に、文化GDPについてお伺いします。
 文化GDPの定義や算出方法、呼称については、各国で異なっております。しかしながら、おおむね各国とも総GDPの約三から四%を占めている。一方、我が国はというと、我が国の文化GDP推計は、総GDPの約一・八%、お金にすると約八・八兆円となっているということです。他国に比べ、まだまだ文化GDPが低い日本でございます。
 しかしながら、平成二十八年度閣議決定された日本再興戦略二〇一六では、文化財活用・理解推進戦略プログラム二〇二〇を策定して、二〇二五年までに文化GDPを十八兆円、GDP比三%程度に拡充を目指すということを打ち出していますが、あと二年でございます。
 文化GDPの拡大に向けて今どのように取り組んでいるのか、大臣にお伺いします。
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林芳正#20
○国務大臣(林芳正君) 文化芸術資源を一層活用いたしまして、観光地の魅力とか産業の付加価値の創出等につなげることによりまして、文化芸術産業の経済規模、文化GDPの拡大に貢献するような経済波及効果を生み出していくことが重要であると考えております。
 委員から今お話がありましたように、我が国では、出版、放送、デザイン・サービス、映画、ゲーム、その他ということで、そういう算定の方式をしておりますし、また、算定そのものについても、更に各国の例を分析しながら、並行して調査研究を進めていこうということになっているわけでございますが、今お話がありましたように、この対総GDP比で、二〇一五年ですが、八・八兆円、一・八%、こういうことでございますので、欧米並みの三%程度、この比率でいくと十八兆円ということですが、拡大することを、これは二〇二五年に目標を掲げて拡大することを目指すと、こういうふうになって各般の取組を進めているところでございます。
 引き続き、関係府省庁との連携を強化しながら、今年の三月に文化芸術推進基本計画というのを閣議決定をしておりますが、これや、さらに内閣官房それから文化庁により策定されました文化と経済の好循環、これを実現する省庁横断の政策パッケージである文化経済戦略、こういうものに盛り込まれました各施策を着実に推進していくことによりましてこの文化GDPの拡大を目指したいと考えております。
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上野通子#21
○上野通子君 大変失礼しました。訂正します。二〇二五年まででしたね。ありがとうございます。二〇二五年までに文化GDPを十八兆円、あと七年ございます。しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 二年後の東京オリンピック・パラリンピックですが、御存じのように、オリンピックはスポーツの祭典ばかりじゃなくて、その開催する地域、また開催する国の教育、文化の祭典でもあります。このチャンスを最大限に活用して、日本の文化を世界にアピールするということができるわけでございます。
 そこで、文化財を含めた日本の文化の発信強化につなげていくために、今回の文化財保護法改正案も一つの契機となると考えておりますが、文化プログラムの推進を一層盛り上げていくために、これからの大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
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林芳正#22
○国務大臣(林芳正君) この二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会、これは、オリンピック憲章にもございますように、スポーツの祭典であるとともに文化の祭典であると、こういうことでございますので、この機会を捉まえて、魅力ある日本文化を世界に発信をするとともに、地域の文化資源、これを掘り起こして、地方創生や観光振興、この実現につなげる絶好の機会であると、こういうふうに考えております。
 このため、文科省では、国際文化芸術発信拠点形成事業、それから戦略的芸術文化創造推進事業等によります全国各地の様々な文化芸術活動への支援、国立文化施設における事業等、こういうのを通じまして文化プログラムを推進していこうと、こういうふうに考えております。
 また、今回の文化財保護法改正によりまして、地方公共団体による文化財の保存、活用のための計画的な取組の推進等を図ることとしておりますが、これによりまして文化財の公開機会の拡大、掘り起こし等が進むことになりまして、地域の様々な文化財を生かしたこの文化プログラムの実施の促進、こういうものにも寄与していくものと考えております。
 今後とも、今回の文化財保護法改正も一つの契機としながら、関係機関と連携しつつ、この文化プログラム、積極的に推進してまいりたいと思っております。
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上野通子#23
○上野通子君 大臣、ありがとうございます。
 今回の法改正が地方にとっても、国にとっても、またオリパラの文化プログラムにとってもいい契機になって更に文化活動が進みますことを期待して、私からの質問を終わります。ありがとうございました。
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佐々木さやか#24
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。
 今日の審議は文化財保護法等の改正案ということでございます。
 この文化財保護法というものは、第一条に法律の目的を規定しております。「この法律は、文化財を保存し、且つ、その活用を図り、もつて国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献することを目的とする。」と、これがこの文化財保護法の目的であります。
 文化財の保護とそして活用ということが掲げられているわけでありますけれども、様々な技術の進歩ですとか、それから近年の外国人観光客の増加等々、いろいろと時代の変化がある中で、今後の文化財の保存と活用の在り方、これをどうすべきかというところからのこの法改正であるというふうに理解をしております。
 これまでは、保存ということについてしっかりとやっていくとともに、この活用というところでありますけれども、必ずしも十分ではなかったといいますか、まだまだいい意味での活用の方法があるのではないかという観点での今回の改正であるというふうに理解をしております。稼ぐ文化財という言葉もございますけれども、これは非常に大事な点であるなというふうに思う反面、やはりこの保存というところ、そして確実な承継をしていくということがこの法律の先ほど申し上げた目的の最初にも書かれているとおりでありまして、このバランスをどのように取っていくのか、この点も含めまして、改めて本改正の内容や趣旨、そして背景について大臣にまず教えていただきたいと思います。
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林芳正#25
○国務大臣(林芳正君) 我が国には、地域の風土や生活、他国の文化との交流等を通じて育まれまして、守り伝えられてきた多様な文化財が数多く存在をしているわけでございます。こうしたものは、我が国の文化的な発展や地域のきずなの維持などにおいてなくてはならない国民の宝でございますが、近年、過疎化、少子高齢化、こういったことを背景に、文化財が滅失、散逸する、また担い手が不足すると、こういうことに対する対応が喫緊の課題となってきております。
 その一方で、やはり文化財を町づくりの核に据えてその活用を図ったり、いまだ価値付けのされていない地域の文化財、これを掘り起こしたりすることによりまして地域活性化を進めたいと、こういう地域のニーズも多く見られるところでございまして、こうした背景の中で、今回の改正は、地域における文化財の計画的な保存、活用の促進、地方における文化財保護行政の推進力の強化、これを図りまして、未指定を含めた地域の様々な文化財を町づくり等に生かしながら、次世代に確実に継承する、これができますように地域社会総掛かりでの取組を広く推進することを目指すものでございます。
 今、佐々木委員からも御紹介いただきましたように、この文化財保護法第一条の目的で、保存と活用、文化財保護の重要な柱と、こういうふうに捉えているわけでございます。この点については今回の改正で何ら変更を加えるものではなく、文部科学省としては、引き続き、この文化財の保存、活用の両面から、そのバランスを適切に取りつつ、取組を進めてまいりたいと考えております。
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佐々木さやか#26
○佐々木さやか君 人口減少等々、この保存の担い手も少なくなってきている中で、しっかりと地域ぐるみで次世代に大切な文化財を継承していくということであります。
 そして、それとともに、この活用に力を入れるということは、何も経済的に活用するということだけではなくて、より多くの方に、その地域の方も含め、文化財を、また我が町の歴史と文化を知っていただくということでありますので、地域での再発見ですとか、そういった人と人とのきずなのつながりがまた更に再生していくということにも私はつながるというふうに思っております。
 他方で、この稼ぐ文化財という観点で申し上げますと、確かに世界を見ますと、世界で最も来館者が多いと言われるのはルーブル美術館でございますけれども、年間の来館者数は約八百六十万人。大英博物館が六百八十万人、メトロポリタンミュージアム等々、この世界の主要都市では、こういった美術とか文化とか、そういったものが観光の大きな拠点というふうにもなっているわけであります。この日本の文化芸術というものは、こういった西洋のものに負けずすばらしいということでありまして、これをもっと多くの方に知っていただく、海外に発信していくということも非常に重要だと思っております。
 こういった点からも、昨年の未来投資戦略二〇一七では、日本遺産を始め文化財を中核とする観光拠点、これを二百拠点程度整備すると、このように掲げて取り組んでいただいているわけでありますけれども、この進捗、取組状況について教えてください。
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中岡司#27
○政府参考人(中岡司君) お答え申し上げます。
 昨年六月に閣議決定されました未来投資戦略二〇一七におきましては、日本遺産を始め文化財を中核とする観光拠点を二百拠点程度整備することとされております。
 これは、具体的には、文化庁が予算事業で実施しております日本遺産の認定及び歴史文化基本構想の策定、この二つの事業がございますが、二〇二〇年までにそれぞれ百件程度進めることを目指すものでございます。現在、日本遺産につきましては国におきまして六十七件認定をし、歴史文化基本構想につきましては市町村において八十五件策定されているところでございます。
 このように計画は着実に進展しておりまして、文部科学省といたしましては、未来投資戦略を踏まえて、引き続き文化財を中核とした観光拠点の整備を進め、地域の活性化に向けた支援を行ってまいりたいと考えております。
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佐々木さやか#28
○佐々木さやか君 歴史文化基本構想については八十五件ということで、目標まであと少しというところかなと思います。
 ただ、この歴史文化基本構想、全ての自治体でやっていただければ一番いいわけですが、策定していない市町村の多くが、例えば現状業務で精いっぱいであるとか、人材不足、予算不足等々、こういったことがあって策定ができていないようであります。また、策定したものの、その先に具体的な施策が特に打ち出せていないといった課題も指摘されているようであります。
 こういう構想をせっかく作ったわけですので、どのようにこの具体的なものとして行っていくのかと、こういった観点も含めて、地方の文化財行政への支援の拡充というものは必要かなと思っております。今回の法改正もそういったことの後押しになるというふうに理解しておりますけれども、力を入れていただくようによろしくお願いいたします。
 次の質問でありますけれども、新しい技術、こういったことを活用して文化財の公開を行っていくということ、こうした動きがございます。例えばVRといった映像技術、こういうものは、観光客に立体的に楽しんでもらうとか、エンターテインメント性という点でも効果はあると思いますけれども、作品の良さを分かりやすく伝えて理解を深めていただく、こういう観点でも非常に有益ではないかと思っております。
 それから、非常に精巧な文化財、美術品のレプリカを作って、それを展示、公開をするという動きもございます。私が実際に話を聞きましたのは、日本のびょうぶ絵について、それを全く今の状態と同じ色合いとかそういったものを作って、それを公開するという取組でございます。
 日本の美術品というのは、和紙に描かれてあって、非常に繊細で、美術館等に展示をして公開するのも、それだけでも傷んでしまうというようなおそれもあって、非常に公開できるのも限定的で、眠っている、そういった美術品が多いと聞いております。
 そういう観点からも、レプリカでありますので、それは全く公開しても問題ない、何なら触っていただいてもいいですし、本当に近くで本物と同じような感動を感じていただけるということであります。また、例えば目に障害のある方が、見ていただけないけれども触ることで美術品、文化財を感じていただくということもできるわけであります。
 こういったいろんな可能性を持った新しい技術を活用した文化財の公開ということ、これを是非進めていくべきだと思っておりますが、この点についての取組について教えてください。
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中岡司#29
○政府参考人(中岡司君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、文化財の中には、既に失われている部分があったり、材質が脆弱なため公開、活用になじまないものがあったりすることから、その文化財本来の姿を手で触ってみる、そういった体感して理解を深めるため、VRや高精細レプリカ等の最新技術を活用して整備を進めることは有効な手法だと考えております。
 文化庁におきましては、地方公共団体等におきますVR等の技術を活用した整備の参考に資するよう、平成二十九年度に文化財の観光活用に向けたVR等の制作・運用ガイドラインを策定をし、周知を図っているところでございます。
 また、世界遺産や日本遺産等を対象といたしまして、VR等の技術による情報発信等の取組を行う地域に対しても支援を行っているところでございます。
 さらに、独立行政法人の国立文化財機構が本年開設予定でございます文化財活用センター、これはまだ仮称でございますが、そこにおきましては、企業等と連携をいたしまして、文化財のVRや高精細レプリカ等の公開などを行うこととしてございます。
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