財務金融委員会

2019-04-17 衆議院 全157発言

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会議録情報#0
平成三十一年四月十七日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 坂井  学君
   理事 井林 辰憲君 理事 越智 隆雄君
   理事 武部  新君 理事 寺田  稔君
   理事 藤丸  敏君 理事 川内 博史君
   理事 緑川 貴士君 理事 竹内  譲君
      あかま二郎君    石崎  徹君
      今枝宗一郎君    大西 宏幸君
      神田 憲次君    小泉 龍司君
      斎藤 洋明君    武井 俊輔君
      津島  淳君    土井  亨君
      中谷 真一君    中山 展宏君
      福山  守君    古田 圭一君
      堀内 詔子君    本田 太郎君
      牧島かれん君    三ッ矢憲生君
      宮路 拓馬君    務台 俊介君
      山田 美樹君    義家 弘介君
      鷲尾英一郎君    今井 雅人君
      櫻井  周君    末松 義規君
      高木錬太郎君    佐藤 公治君
      階   猛君    西岡 秀子君
      古本伸一郎君    伊佐 進一君
      宮本  徹君    丸山 穂高君
      野田 佳彦君    青山 雅幸君
    …………………………………
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)       麻生 太郎君
   内閣府副大臣       田中 良生君
   財務副大臣       うえの賢一郎君
   内閣府大臣政務官     長尾  敬君
   財務大臣政務官      伊佐 進一君
   会計検査院事務総局第一局長            三田  啓君
   政府参考人
   (金融庁総合政策局長)  佐々木清隆君
   政府参考人
   (金融庁企画市場局長)  三井 秀範君
   政府参考人
   (金融庁監督局長)    栗田 照久君
   参考人
   (日本銀行副総裁)    雨宮 正佳君
   参考人
   (日本銀行理事)     衛藤 公洋君
   財務金融委員会専門員   駒田 秀樹君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十七日
 辞任         補欠選任
  穴見 陽一君     務台 俊介君
  井上 貴博君     あかま二郎君
  石崎  徹君     中谷 真一君
  國場幸之助君     宮路 拓馬君
  鈴木 隼人君     大西 宏幸君
  武井 俊輔君     堀内 詔子君
  宗清 皇一君     古田 圭一君
  今井 雅人君     櫻井  周君
  古本伸一郎君     階   猛君
  前原 誠司君     西岡 秀子君
同日
 辞任         補欠選任
  あかま二郎君     井上 貴博君
  大西 宏幸君     鈴木 隼人君
  中谷 真一君     石崎  徹君
  古田 圭一君     宗清 皇一君
  堀内 詔子君     武井 俊輔君
  宮路 拓馬君     國場幸之助君
  務台 俊介君     福山  守君
  櫻井  周君     今井 雅人君
  階   猛君     古本伸一郎君
  西岡 秀子君     前原 誠司君
同日
 辞任         補欠選任
  福山  守君     穴見 陽一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 会計検査院当局者出頭要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一六号)
     ――――◇―――――
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坂井学#1
○坂井委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として日本銀行副総裁雨宮正佳君、理事衛藤公洋君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として金融庁総合政策局長佐々木清隆君、企画市場局長三井秀範君、監督局長栗田照久君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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坂井学#2
○坂井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、会計検査院事務総局第一局長三田啓君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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坂井学#3
○坂井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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坂井学#4
○坂井委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。櫻井周君。
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櫻井周#5
○櫻井委員 立憲民主党・無所属フォーラムの櫻井周です。
 財務金融委員会におきましては、初めて質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、早速、法案の質疑に入らせていただきます。
 金融機能早期健全化法という法律なわけでございますが、そもそも、金融機能の健全化とはどういうことなのか、改めて、その定義について大臣に御説明をお願いします。
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麻生太郎#6
○麻生国務大臣 金融機能がいわゆる健全か否かということを一概に申し上げるということはなかなか困難なんですが、先生御指摘のところは、多分、資金を必要とする主体、企業ですな、主に企業とか個人に対しまして円滑な資金提供がなされるというような意味では、金融機能というものが、いわゆる仲介をするという機能というものが正常に機能しているというのは大事なところだと思いますが。加えて、その前提として、貸し出す方の金融機関自体が、財務状況が債務超過に陥っているとかそういうことではなくて、きちんとした財務状況が、健全である、貸せるような体質であるということ、そして、その結果として、全体としての金融システムというものが健全に機能しているということ等をもって、金融機能がきちんとして健全であると言える状況にあるんだというように考えております。
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櫻井周#7
○櫻井委員 御答弁ありがとうございます。
 大臣おっしゃられるとおり、金融機能の健全化というものを定量的に決める、数字でばしっと決めるというのはなかなか難しいところはあろうかと思いますが、おっしゃられるとおり、考え方としましては、まず狭い意味においては、自己資本比率などBIS規制を充足している、財務状況は健全であるというのがその大前提であって、さらに、本来意味するところは、事業会社への資金融通が的確に行われるということが、本来といいますか、広い意味での健全化ということかと思います。
 今回のこの金融機能健全化法、これは二十年前にできたわけでございますが、この法律の目指したことは、狭い意味での、自己資本が不足しているとかそういった危機はあったわけでございまして、こうしたところをまずしっかりと手当てをして、大前提を整えるということだったろうというふうに考えます。そういった意味で、その部分については、現状、達成できたということで、今回、この法律についても、ある種フェードアウトしていくようなステージに入っている、したがって、八千億円、一般会計へ繰り出しをするということになったんだというふうに考えます。
 ただ、大臣に先ほど御説明いただいたとおり、広い意味での金融機能が健全化しているかどうかということについては、いまだ、今の日本の現状を見ますと、特に地方において、なかなかそうではないんじゃないかというふうな心配もするところですが、大臣の御認識をお聞かせください。
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麻生太郎#8
○麻生国務大臣 ただいまこの時点においての話なんだと思いますね。
 現行の資本基盤というものは安定していると思いますし、日本の金融システムというものは、総体としては間違いなく安定しているんだと思いますが。
 その上で、平成元年から約三十年なんですが、貸出残高の推移というのを例えば確認をしてみますと、全国の銀行ベースでいきますと、平成八年というころ、あのころは、五百六十兆円をピークにしておったと記憶しますけれども、その後、御存じのように、バブルだ何だいろいろなものがはじけたような形になりまして、一時期どんと貸出しが落ちていって、絶対額で四百十五兆ぐらいのところまで、金融、ぼんと貸出しが減っております。そういったんですけれども、また近年は、おかげさまで、このところ、この七、八年を見ましても増加傾向が戻ってきて、平成二十九年度末では、ピークのときの五百六十兆近く、五百五十八兆円のところまで戻ってきておりますので、こうした実態を踏まえますと、金融仲介機能というものは、一定程度健全に機能していると評価できるんだと思っております。
 ただ、貸出残高だけで見て判断するのではなくて、よく言われる、担保とか保証とかこういったものに過度に銀行が依存していないのか。貸出しで担保をとってやっているんじゃ質屋と変わらないじゃないか、何だそれはという御意見が世の中に昔からあるわけで、それを、したがって、過度に依存しない体制とか体質かな、融資をどのように促進するのかとか、例えば最近では事業承継等々の問題がよく出てきますけれども、借りている側のさまざまな必要性、ニーズですかな、そういった金融のニーズに対して、しかるべきサービス、アドバイスとかファイナンスとかそういったサービスが提供できているかといった金融の仲介機能というものがありますので、仲介機能の質の向上というのは改善の余地があるのではないかと、今。
 そういった意味で、引き続き金融仲介機能を発揮できる体制というものをきちんとやっていくように取組を促していかないと、ただただ資金があって金利を安くすれば必ず借り手があるといったような資金の絶対量が不足していた時代と、今のように金利が幾ら安くても金を借りに来ないという状況とでは、金融の、いわゆる銀行の経営としては、黙っていれば金を借りに来るものという前提での金融稼業、金融業というものがなかなか成り立ちにくくなってきているという現状を踏まえないと、いわゆるこういった金融というものの事業をなしがたい状況にあるというのが、今、日本の置かれている状況だと思います。
 これに加えて、地方は人口減少やらいろいろございますので、そういったものも含めて考えないかぬところだと思っております。
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櫻井周#9
○櫻井委員 大臣、丁寧に御説明いただきまして、ありがとうございます。
 おおむね健全と言える状況だろうというのが大臣の御答弁で、ただ、いろいろな今日的な課題もたくさんあるよ、こういう御説明だったかと思います。
 ちょっと本会議の質問に移らせていただいて、本会議の質問のときには、金融再生勘定の保有株式の処理について、上場株式の処分の再開につきましては、今後適切に判断してまいりたいと考えております、こういう御答弁をいただきました。
 これは、今から十年前、麻生総理大臣のときに御指示されて、リーマン・ショック直後ということもあってこの株式の売却を一時凍結するということだったわけですが、一時凍結がもう十年たっちゃっている。おおむね金融も健全だというふうにおっしゃるのであれば、やはりこれはさっさと売却しておくべきではないのか、次の金融危機が来る前に処分しておくべきだというふうにも考えるんですが、大臣、改めて御答弁をお願いいたします。
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麻生太郎#10
○麻生国務大臣 これは、いわゆる預金保険機構というものに関してですけれども、これは、金融再生勘定において長銀とか日債銀とかいうものから買い取った株式について、平成十八年でしたか、あのときから、いわゆる国民負担の最小化とか市場への影響の極小化の原則のもとで、おおむね十年というのをめどに処分を開始したんですが、あのときは、いわゆる、二十年の九月でしたか、リーマン・ブラザーズの破綻というものが起きまして急激に株価が暴落して、あのときは、三万八千九百円までつけていた株が、どんと下がって、一時期、七千円台まで落ちるというような騒ぎになったんですが、そういった意味では、この年の十月からいわゆる上場株式の処分というのは、これだけ急激に下がっているときに処分するというのはさらなる株価の下落になりますし、そういった意味では、原則としてそれを停止させていただいたということがそのときの背景であります。
 その上で、その含み損益の状況に加えて、多額の株式というものを一挙に処分しますと更に市場が混乱することになりかねませんから、そういったことで、金融市場の動向を踏まえつつ処分を開始していかねばならぬところだと思っておりますので、少しずつ少しずつしないと、一挙にやるとマーケットに対しての不測の事態を招きかねぬということになりますので、そういった意味では、この株式の処分につきましては、その損益、含み損、含み益等々を十分に考えた上で処分をしていかねばならぬところだと思っております。
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櫻井周#11
○櫻井委員 これは麻生総理大臣のときに一時凍結したものですので、おっしゃるとおり、一気に売っちゃうとマーケットが混乱しちゃうということですから、少しずつ売っていかなきゃいけない、少しずつ売るためには早く始めないと少しずつ売れないわけですので、なるべく早く進めていただくようお願いいたします。
 そして、次の質問に移らせていただきます。
 今回のこの金融機能早期健全化法というものは、昭和の末期に起きたバブル、これの後始末ということでやっていたわけでございます。
 本会議での質問のときにも御答弁いただいております。バブル崩壊後、株価などの資産価格の大幅な下落や大手金融機関の破綻などから実体経済が大きな影響を受けた、このように答弁をいただいております。
 実体経済に本当に多大なる悪影響がありまして、国民生活に大きなダメージを与えたわけでございまして、同じような間違いを繰り返してはならないというふうに考えております。バブル発生、バブルができ上がって膨らんでいく時期、それから崩壊した後、それぞれの時期において、やはり政策当局の判断に誤りがあったのではないのか、こういう研究がいろいろなされているところでございます。何をどうすればよかったのかということを今しっかりと振り返って、同じような失敗をしないようにちゃんと教訓として生かしていかなければならないというふうに考えます。
 金融政策の面で申し上げますと、バブル発生期においては、金融引締め政策への転換がおくれた、利上げのタイミングが遅かったのではないのか、その結果バブルが大きくなってしまった、こういった指摘もございます。また、バブル崩壊後においては、引締め政策を継続してソフトランディングに失敗し、ハードランディングになってしまったのではないのか、こういった指摘もあります。また、その引締め政策への転換のおくれというのは、日銀の独立性が低かったからではないのか、こういう指摘もあります。
 それぞれの指摘が正しいのか、そうではないというのか、いろいろ議論はあろうかと思いますが、今のこの時点から振り返ってみて、金融政策として、それぞれの時期において何をどうすればよかったというふうに考えていますか。
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雨宮正佳#12
○雨宮参考人 金融政策運営という面からお答え申し上げます。
 御指摘のいわゆるバブルの発生につきましては、金融機関の積極的な融資姿勢ですとか、人々の成長期待の過度の強気化といったさまざまな要因が複雑に絡み合っていたというふうに考えられますが、日本銀行による金融緩和の長期化もバブル発生の重要な要因となったものというふうに認識してございます。
 当時を振り返ってみますと、物価の安定基調が維持されていた一方で、国の経済政策面におきましては、経常黒字の是正のための内需拡大ですとか円高の是正、回避などが重要な課題とされておりました。このため、景気拡大が続くという中でも金融緩和が長期化いたしまして、これがバブル発生の一因になったというふうに理解しておりますし、また、その後のバブル崩壊が九〇年代末以降の長期にわたる低成長とデフレにつながったというふうに認識してございます。
 こうした経験は、やはり、私どもにとって、金融面の不均衡ということも含め、経済、物価、金融が抱える潜在的なリスクに十分注意を払いながら政策を運営していくということが重要であるという大変重要な教訓を得たものというふうに考えておりますし、そうした教訓も踏まえまして、私ども、金融政策運営に当たりましては、政策運営に当たって重視すべきさまざまなリスクを点検するという枠組みを採用してございます。
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櫻井周#13
○櫻井委員 これは、いろいろな側面、関係する部署はあろうかと思います。金融機関の監督をする立場、金融庁が今担っている部分だと思いますが、この部分においても、バブルの発生時期においては、十分な担保なしに不動産への野方図な貸付けが行われたのではないのか、株式の持ち合いなどハイリスクな財務体質に銀行が陥っていたのではないのか、そういった状況を放置していたのではないのか、また、バブル崩壊後においては、不良債権処理の迅速な処理に失敗した後、公的資金投入をずっとためらって結構時間がかかってしまったというようなこともいろいろ指摘をされているところです。
 今から振り返ってみまして、金融機関を監督する立場として何をどうすればよかったというふうにお考えでしょうか。大臣、お願いできますか。
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麻生太郎#14
○麻生国務大臣 いわゆるバブルという言葉は、サウス・シー・バブル、これはイギリスで始まった南海泡沫事件と訳されて我々が学校で習うやつもこれだと思いますけれども、バブルというのはどうやって始まるのかとか、どうやって起きたのか、いまだに正確に、たびたびその後も、オランダで起きたチューリップ・バブルとかいろいろ各国でバブルは起きておりますので、そういった意味では一概になかなか申し上げられないところですけれども。
 金融システムという面から御質問だったので、日本でバブルというものが崩壊をいたしました後、例えば株価を始めとした、金融市場における、いわゆる資産、土地とか株とかいう動産、不動産含めまして資産のバブルというものが、デフレ等々から、御指摘のありましたように不良債権問題というものに発展していって、これが深刻化していったんだということだと思います。
 その後、厳格な資産査定等々によって、不良債権の処理問題というものは、いわゆる公的資金を活用する等々によって不良債権問題を克服するということには成功したということだと思っておりますが、しかしながら、結果としてこれは実体経済に大きな影響を与えたということは事実だと思いますので、これが日本の経済の長期的な低迷の一因となったということは間違いありませんし、預金等々の保護のために十兆四千億、五千億という巨額な額を、国民負担が確定をしておりますので。
 こうした経験を踏まえると、金融行政として、いわゆる、四月でしたか、先週でしたか、御指摘のありましたとおり、バブルの行き過ぎを早目に抑制するということが大事なんだということで、金融庁としては引き続き、経済金融市場というものの動向をオンタイム、リアルタイムで把握して、実体経済というものに大きな影響を与える可能性が高いバブルの兆候みたいなものに対しましても、いわゆる前もって早目に、最近、フォワードルッキングとよく言いますけれども、前もって早目にそういった分析とか判定をした上で、金融システムの安定の確保というものに適切な対応を行っていかなければならぬということなんだと思いますが。
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櫻井周#15
○櫻井委員 もう一つ、財政とか、あと国際政治の観点からもちょっといろいろな課題があったんだと思います。
 先ほど日銀の副総裁からも御答弁いただいたとおり、当時、プラザ合意の後のドル高是正とか、その後、ドル高・円安が急速に進んで、円高不況というようなこともあったりしました。何より、当時、日米貿易摩擦が非常に過熱をしておりまして、政策当局としてはその解決が最優先の課題だったんだろうというふうにも思うわけでございます。
 一方で、バブルが崩壊した後は、先ほど申し上げたとおり、公的資金の注入をちゅうちょしたりというようなことで、対応がおくれたというような課題もあります。
 財務大臣の立場から見まして、あのとき何をどうすればよかったのかというふうにお考えでしょうか。
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麻生太郎#16
○麻生国務大臣 プラザ、一九八五年なんですけれども、いわゆる当時一ドル二百四十円まで、ぐらいだったと思いますが、この一九八五年九月のプラザというホテルでやった、当時はドナルド・トランプがあれは持っていたんだっけな、プラザホテルというところで合意して、二百四十円が一年少々で百二十円までドルが暴落、円が暴騰したというので、簡単に言えば、世界的には日本の資産が倍になったということですかね。二百四十円が百二十円になったんだから、倍になったので。当時は、円高不況なんという言葉がえらく言われた時代でしたよ。自国通貨が高くなって何で不況になるんだよという御意見も随分あったんですが、当時はそういった調子でしたね、私の記憶ですけれども。
 しかし、結果として、日本は、円高になって輸出が極めて厳しいことになりましたけれども、その金を持って、今度は海外でいろいろ、工場をつくったり、資産を買ったり、会社を買ったり、いろいろすることによって、だんだんその円高を利用した経営、商売というのがうまくいって、わあっと大きくなっていったんですが、同時に、その多くの資産というものが土地と株に流れていったというのがあのときの実態だったと思うので、それが結果としてバブルというものにつながっていったのではないかということで、これは、そういった見方があるというのは事実だと、それが全てとは思いませんけれども、そういうのが事実だと思いますが、円高不況とか言われたものがありますけれども、プラザ合意がバブルの発生の原因とまでは私は言い切れないんだと思いますが。
 その後、景気拡張面において、大規模な経済対策をあのときやっております、一九八七年に、いわゆる不況だとかいうので。また、金融の緩和も、八六年、七年、八八年、ずっとやらせていただいておりますので。これも一つの素地になったことは、私はこれは否定できないだろうと思いますが。
 その後、バブルが崩壊して、日本は経済成長率が下がりましたし、そういった意味では、長引くデフレ、正確には、資産のデフレによる停滞というのを二十年近く経験したということだと思いますが、その発端は、何といってもこれは資産のデフレーションです。もう土地と株がぼんと下がっていますので。
 そういった意味では、初めてこういった資産デフレを経験したので、財務省も日本銀行も、総じて財政支出の拡大とか金融政策とかそういったものに取り組んだものの、この対応が十分であったかといえば、デフレーションというのを経験したことが、我々少なくとも敗戦のころからやったことがありませんので、デフレがない以上、デフレ対策をやった人もおりませんので。世界じゅう、一九三〇年以来デフレーションというのは起きたことがありませんので、不況はいずれもインフレだったので。
 そういった意味では、資産デフレーションによって、企業は、土地、株等々の資産が暴落していますので、企業のバランスシートでいけば債務が超過した形になります。金融機関も同様だったと思いますが。そういった意味で、企業に対しては、当然のこととして、金融機関が、自分のところが債務超過ですから、企業に対しても、債務超過の分について返せというので、いわゆる貸し剥がしとか貸し渋り、ああいった言葉があのとき随分出たので。新規借入金というのを企業側も抑制しますし、当然のことで設備投資も控えますし、いろんなことが起きて、結果としてデフレ不況を長期化させていくということになったというのが反省しなきゃいかぬところなのかなと。あのときはやはり逆なことをやっておかなきゃいかぬかったのかなと。こういった反省を踏まえて、この政権になりまして、この六年間の間いろいろ取り組ませていただいたおかげで、デフレではないという状況はつくり出すことができたんだと思っていますけれども。
 いずれにしても、政府とか日銀とかそういうところの金融を担当させていただいているところとしては、そういった連携をきちんとしながら成長を更にさせていかないかぬというのが、これからも常に心がけておかねばならぬところだと思っております。
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櫻井周#17
○櫻井委員 いろいろ当時の時代背景を御説明いただきましたが、バブルが崩壊した後やるべきことというのは大分明らかになって整理もしているんですけれども、バブルの発生時期、バブルが膨らんでいる時期に誰が何を発見して、それでどういうアクションをとればいいのか、これはなかなか、先ほど日銀副総裁にも御説明いただきましたし、麻生大臣にも御説明いただきましたけれども、なかなかそこは、歯切れよくばしっと、何がどう間違っていたのか、あの当時こうすればよかったかというような答弁をいただけなかったというところに象徴されているかと思います。
 また、きのう、実は質問レクで担当者の方々ともお話をしました。財務省、金融庁、日銀の方にも来ていただいてお話をしたんですが、バブルの発生時期において、今振り返ってみて何をどうすればよかったのか、こういう質問をしたいんですという話をしていたところ、そうすると、担当の皆さんはちょっと下を向いちゃって、いや、うちじゃないよねみたいな顔をして、みんな下を向いちゃう。みんな、何か世の中おかしい、何か間違った方向に行っているかもしれないと思っていても、いや、うちは担当じゃないからというふうになっちゃうと、結局、結果的にバブルが見過ごされてしまうことになるのではないか、バブルがどんどんどんどん膨らんでいってしまって大変なことになってしまうということになるのではないのか、そういう心配をしているわけです。
 しかも、大体、こういう百年に一度の金融危機と言われるようなものは、大体十年に一回ぐらい起きるんじゃないのか。今から振り返ってみると、リーマン・ショックが十年前にあって、二十年前にはITバブルが崩壊したりとか山一ショックがあって、その前にも、アメリカでは中南米の債務危機とかいろいろありましたし、さらにその前はオイルショックとかいろいろありましたから、そう考えると、やはり十年に一回ぐらい起きるかもしれないという心づもりで対応しておかなきゃいけない。
 そういった観点から、やはりバブルの発生時期の対応、これは非常に難しい、バブルがはじけて初めてバブルだったとわかるわけなんですけれども、この点について、大臣、どういうふうにお考えでしょうか。
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麻生太郎#18
○麻生国務大臣 先ほど申し上げました、バブルという言葉が最初にできたとき、これは、ロバート・ウォルポールという人が、当時のイギリスの総理大臣、初めてプライムミニスターという名前をもらった人はこのロバート・ウォルポールという人なんですが、南海泡沫事件がおまえのところの責任だとわんわんやられたんですけれども、結果的には何のあれもならずに、後になって、結果的にどうやって起きたかわからぬ、ロバート・ウォルポールに責任は全くないということがはっきりしたんですが、そのときでも、どうやって起きたのか、何であれが起きたんだという話はその当時もやっているんですね。
 その後、オランダのチューリップの球根の値段が上がる、チューリップ・バブルと呼ばれるものがその後起きていますけれども、これも何だかわからない。単なるうわさから始まって、チューリップの値段がわあっと上がって、それにわあっと投資が始まって、これがはじけた後にというような。
 いつの時代でも、バブルと言われたのを見ますと、国内外の経済とか金融情勢とかいうのが今の言葉ではそういうことになるので。バブルの兆候とかそういったようなリスクが懸念されるというのがちょこちょこちょこちょこ見たときには、私はやはり、政策当局間でこれはいろいろ緊密な連絡をやらないかぬということなんだと思っておりますので。
 例えば、今、日銀とか金融庁とか財務省とか、いわゆる三者会合というのを定期的に行っておりますけれども、いろいろな形で情報交換というのが、今結構、世界的なものがぱっと瞬時にこっちへ来る時代になりましたので、そういったものもおくれが生じないようにしておくというのが大切なので、連携というものを常に図って、これはバブルじゃないのかなというのを考えるとき、やはり経験があるので、前のときもこうだった、三十年前もこうだったと今言われたような話を思い出して、きちっとあのときの状況とかいうものが語り継がれていくという政策の継続性を持たせるというのが大事なところで、かつ、継続性を持ったやつをみんな集めて、各銀行、日銀、財務省等々連携した、それぞれの情報を、ある程度関連するところ、持ち寄って、ふだん定期的に意見交換をしておくというようなのが結構大事なんじゃないのかなというのが正直な実感です。
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櫻井周#19
○櫻井委員 今振り返ってみますと、昭和の金融恐慌というのは昭和二年にありました。これは大蔵大臣の国会答弁がきっかけだったというふうに言われておりますが。それから、平成のバブル崩壊も、平成元年までずっと株価は上がっていって、平成二年になってから株価が落ち始めたということで、平成のバブル崩壊も平成二年。そうすると、来年、令和二年はどうなるのかということも心配になってくるわけです。リーマン・ショックから十年もたって、そろそろ次のがやってくるかもしれない、こういう警戒感でもって、先ほど大臣御答弁いただいたとおり、しっかりと注視をしていただきたいと思います。
 次に、ちょっと、日本銀行の役割についても確認をさせていただきたいと思います。
 日本銀行は、やはり、こうした危機が起きたときに、政策金利を誘導したり、国債の買いオペであったり、預金準備率を調整したりというようなことをやるわけですが、こうしたことは既にもう全部全開でやっちゃっているものですから、新たに追加的に何かできるかというと、なかなか難しいのではないのか。つまり、金融危機が起きてももう日銀がとり得る手段というのがなくなっちゃっているんじゃないのか、こんな心配もするところでございます。何か、セーフティーネットといいますか、命綱を外した状態で今、金融政策が行われているのではないのか。
 さらに、日銀は、株式、ETFですとか、J―REITとか、そういった、かなり、中央銀行としては異例のリスクの高い資産もいっぱい持っている。TOPIXが一三五〇ポイントを下回ると含み損になるのではないのか。先月行われた参議院の予算委員会での議論では、日経平均株価が一万一千円を下回ると日本銀行自体が債務超過に陥るのではないのか、こういう委員からの指摘もありました。これが本当なのかどうなのか、ちょっと、これは委員の持論だったというふうには聞いておりますけれども。
 結局のところ……
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坂井学#20
○坂井委員長 申合せの時間がもう既に過ぎておりますので。
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櫻井周#21
○櫻井委員 はい、わかりました。じゃ、最後の質問に移らせていただきます。
 肝心の金融危機のときに、日本銀行は、財務が悪化をして身動きがとれなくなるということになってしまうのではないかと心配するんですが、この点について御説明をお願いいたします。
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坂井学#22
○坂井委員長 簡潔に答弁をお願いします。
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雨宮正佳#23
○雨宮参考人 お答え申し上げます。
 まず、金融危機の対応ということで申し上げますと、私ども、最後の貸し手として金融機関に資金を供給する機能、あるいはマーケットを安定化させるために市場に資金を供給する機能を担っておりますし、こうした機能は、今後とも、金融危機等々においては、金融全体の安定を確保するために対応していくつもりでございます。また、それと同時に、金融政策運営におきましても、こうした金融上の問題が実体経済に大きな影響を与えるということであれば、当然、しかるべき対応をしていくということが前提でございます。
 その上で、いざというときの、財務の悪化ということでございますけれども、これにつきましては、私ども、例えばということで、ETFやJ―REITの大幅な価格変動の点について申し上げますと、例えば、資産に、私ども、含み益がございますので、直ちに決算上の期間損益に影響を与えるというわけではございませんし、準備金の積立てといったような格好で自己資本の充実にも努めてきております。
 私どもといたしましては、今後とも、財務の健全性に十分留意しながら、適切な政策運営に努めていきたい、こう考えてございます。
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櫻井周#24
○櫻井委員 時間が過ぎましたので、これで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
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坂井学#25
○坂井委員長 次に、階猛君。
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階猛#26
○階委員 国民民主党の階猛です。
 本日は、質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございました。
 私、ふだん、弁護士ということで、法務委員会の方に所属させていただいておるんですが、もともとは旧日本長期信用銀行に勤務しておりまして、まさに、今、櫻井さんがおっしゃっていたバブルの時代に大変な思いをした、そんな経験もあります。二度とあのようなバブルの生成、崩壊といったようなことがあってはならないという思いで、きょうは質問に立たせていただきました。
 さて、今回、八千億円を預保の早期健全化勘定から国庫に納付するわけですけれども、資料の一に書いてありますとおり、会計検査院からは、「適時に国庫に納付」ということになっております。適時というところが問題になるわけですが、なぜこの時期に八千億円を国庫納付することにしたのか、大臣からお答えをお願いします。
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麻生太郎#27
○麻生国務大臣 これは、早期健全化勘定の利益剰余金というものの取扱いについては、平成二十八年の会計検査院の意見表示のほかに、平成二十九年にも衆議院の本会議並びに参議院のいわゆる決算委員会での議決を受けまして、金融庁において、平成金融危機への対応を進める中、預金等の全額保護のため、十兆四千億円という巨額の国民負担が確定しているといった経緯、また預金保険の他の勘定に欠損金、含み損等々が発生していること、及び金融資本市場の状況等々によりその含み損等は変動することなどを踏まえて、いわゆる金融庁と財政当局といろいろ協議をしながら、総合的に検討を進めてきたところであります。
 今般、その検討の結果が得られましたことから、対応をさせていただくということにしておりますので、具体的な対応として、必要な制度整備というものを行った上で、早期健全化勘定の利益剰余金のうち八千億円を国庫に納付するということにしたのが経緯であります。
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階猛#28
○階委員 法案の内容というところが、同じページの下の方に書いていますけれども、預金保険機構は、別に平成三十一年度あるいは令和元年度じゃなくても適宜の時期に納付できるわけですね。でも、なぜかこのタイミングだというところが私は気になるわけです。
 二枚目を見ていただきますと、これは内閣府の中長期財政試算でありまして、真ん中の段に、国、地方の財政の姿ということで、ちょっと色分けしております、塗ってあるところですけれども、二〇一八年から二〇一九年にかけて、基礎的財政収支、いわゆるプライマリーバランスと、財政収支の数字がどのように変化しているかというのを見ていただきたいんですが、若干、この数字だけ見ると改善しているように見えるわけですね。基礎的財政収支を見てみますと、マイナス十五・二兆円がマイナス十四・六兆円、プラス〇・六兆円ということなわけです。
 ところで、今回、仮にこの八千億円がなかりせば、これは逆に悪化しているわけですね。むしろ、今回八千億円をこのタイミングで国庫納付したのは、財政が見かけ上健全化したということを取り繕うためにやったのではないかと思います。
 まず、この点について、仮に八千億円なかりせば財政は悪化していたのではないか、基礎的財政収支は悪化していたのではないかという私の認識でいいかどうか、これは大臣からお答えください。端的にお願いします。
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麻生太郎#29
○麻生国務大臣 預金保険機構からの国庫納付を含みます平成三十一年度の臨時収入についてということですけれども、これは、消費税の引上げに伴います経済への影響を平準化するという今回の臨時特別の措置という経費の性格を踏まえて、臨時的な財源とすることにしたことを示しておるものであります。
 それで、財源を用いながら、消費税率引上げによる経済への影響をしっかりと平準化して、いわゆる持続的な経済成長というものを実現するということにしたいと思っておりますが、国民の負担であります債務残高の縮減にもこれは着実に取り組んでいかねばならぬのは当然であります。
 御指摘のように、仮に剰余金を債務の返済に充てるということにした場合でも、これは、消費税の引上げによります需要変動に対する平準化に向けた財源の一部が今度不足することになりますので、その分新たな国債を発行せないかぬということになろうかと思いますので、結果として、債務残高には変わりはないということになるんだというように理解をいたしております。
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