本会議

2022-04-07 衆議院 全45発言

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会議録情報#0
令和四年四月七日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十三号
  令和四年四月七日
    午後一時開議
 第一 経済安全保障に関する諸施策の実効的かつ総合的な推進に関する法律案(足立康史君外二名提出)
 第二 経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案(内閣提出)
 第三 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第四 旅券法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第五 東日本大震災の被災者に係る一般旅券の発給の特例に関する法律を廃止する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 経済安全保障に関する諸施策の実効的かつ総合的な推進に関する法律案(足立康史君外二名提出)
 日程第二 経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案(内閣提出)
 日程第三 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第四 旅券法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第五 東日本大震災の被災者に係る一般旅券の発給の特例に関する法律を廃止する法律案(内閣提出)
 衆議院規則の一部を改正する規則案(議院運営委員長提出)
 衆議院憲法審査会規程の一部を改正する規程案(議院運営委員長提出)
 衆議院情報監視審査会規程の一部を改正する規程案(議院運営委員長提出)
 常任委員会合同審査会規程の一部を改正する規程案(議院運営委員長提出)
 電波法及び放送法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び情報通信行政の改革の推進に関する法律案(中司宏君外二名提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時二分開議
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細田博之#1
○議長(細田博之君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 経済安全保障に関する諸施策の実効的かつ総合的な推進に関する法律案(足立康史君外二名提出)
 日程第二 経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案(内閣提出)
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細田博之#2
○議長(細田博之君) 日程第一、足立康史君外二名提出、経済安全保障に関する諸施策の実効的かつ総合的な推進に関する法律案、日程第二、内閣提出、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。内閣委員長上野賢一郎君。
    ―――――――――――――
 経済安全保障に関する諸施策の実効的かつ総合的な推進に関する法律案及び同報告書
 経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔上野賢一郎君登壇〕
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上野賢一郎#3
○上野賢一郎君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 初めに、内閣提出の法律案の概要について申し上げます。
 本案は、安全保障の確保に関する経済施策を総合的かつ効果的に推進するため、基本方針を策定するとともに、安全保障の確保に関する経済施策として、所要の制度を創設する等の措置を講ずるものであります。
 次に、足立康史君外二名提出の法律案の概要について申し上げます。
 本案は、経済安全保障に関する諸施策を実効的かつ総合的に推進するため、その基本原則及び配慮事項を定めるとともに、その推進のため必要な事項を定めるものであります。
 両法律案は、去る三月十七日、本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、同日本委員会に付託されました。
 本委員会においては、翌十八日小林国務大臣及び提出者足立康史君からそれぞれ趣旨の説明を聴取した後、二十三日から質疑に入りました。二十九日には経済産業委員会との連合審査会を開会するとともに、三十一日には参考人から意見を聴取しました。
 四月六日には、内閣提出の法律案に対し、立憲民主党・無所属の提案による修正案が提出され、趣旨の説明を聴取した後、両法律案及び修正案を一括して質疑を行いました。同日、岸田内閣総理大臣の出席を求めて質疑を行うなど慎重に審査を行い、質疑を終局いたしました。
 質疑終局後、両法律案及び修正案を一括して討論を行い、順次採決いたしましたところ、まず、足立康史君外二名提出の法律案につきましては、賛成少数をもって否決すべきものと決しました。次に、内閣提出の法律案につきましては、立憲民主党・無所属の提案による修正案は賛成少数をもって否決され、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、内閣提出の法律案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。拍手
    ―――――――――――――
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細田博之#4
○議長(細田博之君) 討論の通告があります。順次これを許します。塩川鉄也君。
    〔塩川鉄也君登壇〕
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塩川鉄也#5
○塩川鉄也君 私は、日本共産党を代表し、経済安全保障推進法案に対し、反対の討論を行います。拍手
 反対理由の第一は、科学技術の軍事研究化を推進し、学問の自由などを侵害するということです。
 政府が指定する特定重要技術の研究開発のために設けられる指定基金に想定されているのは、二千五百億円もの育成プログラムです。その研究成果は軍事技術として将来的に防衛省の判断で活用されることはあり得ると答えました。指定基金において必置とされている協議会は、政府から機微情報の共有など伴走支援が行われ、参加者に罰則つきでの守秘義務を課しています。これまで、研究開発において、このような罰則つきのやり方が設けられたことはありません。研究活動に大きな制約を持ち込むものです。
 東北大学名誉教授の井原聰参考人は、競争的研究費を乱発すれば基礎研究がおろそかになると指摘し、裾野の広い自発的な研究土壌でこそ人類の発展に寄与する学問が育つと訴えました。本案の官民技術協力は、これに反し、巨額の研究費で軍事転用可能なデュアルユース技術の強化を狙うものです。
 憲法九条に矛盾する特許出願非公開制度は、民生技術を軍事技術に吸収し戦争遂行に動員した、戦前の秘密特許制度の復活にほかなりません。外国出願を禁じた特定技術分野の発明は、アメリカに対してのみ、防衛特許協定を理由に除外されます。軍事特許を日米の軍事力強化に役立てる新たな仕組みとなりかねません。
 さらに、法案の先にセキュリティークリアランス、適性評価制度が検討されていることは重大です。政府の秘密保全だけでなく、研究者、民間企業も対象とした秘密保護法制の拡大につながり、プライバシー、学問の自由の侵害、労働者の不利益取扱いを含め、深刻な人権侵害が生じかねない問題であり、認められません。
 第二に、政府による企業への介入を強化する問題です。
 基幹インフラの事業者に対し、設備導入などの際、納品業者、委託業者などを事前に届出させ、政府が審査し、勧告、命令まで行うとしています。また、特定重要物資の供給事業者に対しても、取引先などを記載した安定供給のための計画を提出させます。このようなやり方に、経済界からも懸念の声が上がっています。この間、経済安保の名の下、警視庁が大川原化工機社長ら三人を不当逮捕、長期勾留した冤罪事件を起こしています。経済安保を大義名分として企業活動に対する恣意的な規制が拡大する懸念が拭えません。
 第三に、政官業の癒着の問題です。
 民間企業に対して、様々な規制とともに、安定供給確保支援法人基金助成などの支援策を行うとしています。現時点で五千億円ともされる、半導体大手、TSMCのように、特定企業への巨額支援が横行しかねません。
 また、本案は、重要な事項が百三十八か所も政省令に委ねられており、国会の関与は僅か二か所しかありません。政府への白紙委任と言えるものです。
 このことが、企業が政府とのパイプを得ようと特別な働きかけをする契機となり、藤井敏彦前経済安保法制準備室長の事件にもつながっています。天下りが横行することになります。政官業の癒着が避けられません。
 本案は、国家安全保障局が外交防衛政策と並びで経済政策を国家安全保障の一つの柱としてつかさどるものとなります。その経済政策には、住民監視、私権制限の土地利用規制法も位置づけられていることは看過できません。岸田総理は、年内策定予定の国家安全保障戦略に経済安全保障を位置づけると認めました。軍事、経済の両面で日本がアメリカの安保戦略に組み込まれるものとなることは明らかです。
 以上を申し述べ、反対討論を終わります。拍手
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細田博之#6
○議長(細田博之君) 本庄知史君。
    〔本庄知史君登壇〕
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本庄知史#7
○本庄知史君 立憲民主党の本庄知史です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました内閣提出法案、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案について、その問題点も指摘をしつつ、賛成の立場から討論を行います。拍手
 まず冒頭、今なお続くロシアによるウクライナ侵略について、改めて、最大限の言葉で非難するとともに、戦争の犠牲となられた方々、一千万人を超える難民、避難民の方々に心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 とりわけ、無辜の民間人の殺害は、重大な国際人道法違反であり、戦争犯罪です。キーウ郊外ブチャでの殺りく始め、ウクライナ各地で行われているロシア軍による無差別攻撃、無差別殺人等について、その真相究明と責任追及、戦争犯罪人への厳正な処罰が必要です。
 他方、ウクライナから我が国への避難民の方々については、私たち立憲民主党が本院に提出した法案の内容、例えば、戦争等避難者という在留資格によって就労活動を可能とすることなど、更なる支援の拡充が必要です。
 政府の一層の御尽力と党派を超えた国会の取組を強くお願い申し上げるとともに、一日も早い停戦、平和的解決に向けて、立憲民主党としてでき得る限りの努力と協力をお約束いたします。
 以上申し述べ、以下、討論に入ります。
 私たち立憲民主党は、昨年の衆議院総選挙において経済安全保障の確立を政権政策として掲げるなど、かねて経済安全保障の重要性と必要性を訴えてまいりました。
 今回の法案審議に当たっても、自由で開かれた経済、民間活力と経済成長を基本としつつ、いかに経済安全保障の実効性とのバランスを図っていくか、そういう観点から、丁寧に経済界や有識者の意見を聞きながら、論点を整理し、国会で問題点を指摘し、政府答弁で確認をしてまいりました。
 確かに、経済安全保障という新しい多岐にわたる概念を法制化することは容易な作業ではありません。その意味において、小林大臣を始めとする政府・与党関係者の御尽力には率直に敬意を表しています。
 他方、内閣提出法案の作成過程で明るみになった藤井敏彦前経済安全保障法制準備室長の一連の非違行為は、法案の根幹を揺るがしかねない重大な問題です。経済安保ビジネスともやゆされるように、本法律案が射程に置いている分野は、様々な利権や癒着が生じかねないものです。だからこそ、他の法律や制度以上に、政府には厳正、厳粛な姿勢が求められます。いまだ藤井氏の国会招致が実現していないことも含め、政府の真相究明、説明責任が十分に果たされていないこと、危機感の欠如、これは甚だ遺憾です。政府、そして与党の適切な判断と対応を改めて求めます。
 その上で、内閣提出法案の内容について申し述べます。
 委員会審議の中で私たちが指摘してきたとおり、本法律案には幾つもの問題点が残されています。
 例えば、法律の前提となる経済安全保障の定義が法文上明示されていないこと、法律全体に通底する基本理念がないこと、新設する四つの制度に関する重要事項が法律ではなく今後の閣議決定や政令、省令に委ねられていること、政府の規制措置が合理的に必要と認められる限度とされており、必要最小限としている外為法などと比べて広範であること、国会報告など事後的な検証の仕組みが不十分であること、そして、これらの結果、政府の権限や裁量が過大になるおそれがあることなどであります。
 立憲民主党が内閣委員会に提出した修正案は、こうした内閣提出法案の問題点を補完し、補強するものです。改めてその一部を御紹介申し上げたいと思います。
 第一に、法案全体に通ずる基本理念を定め、今後の基本方針や基本指針、政令、省令は基本理念にのっとり策定するものとします。この基本理念には、自由で開かれた経済と国家国民の安全確保の両立、事業者の自主性の尊重、公正な競争、事業者と国民に対する十分な説明、行政の肥大化を招かないこと、国際約束の誠実な履行などを掲げています。
 第二に、政府の運用を国会がコントロールするため、重要な政令や省令を制定、変更する場合に外部専門家の意見を聴取することを法律上明記するとともに、事業者への影響が大きい措置に当たっての要件を厳格化します。
 そして、第三に、政府の運用を事後的に検証するため、政府による国会への報告を義務づけます。
 立憲民主党の修正案は、国益、とりわけ国家国民の安全を経済面から確保することを旨とする経済安全保障の確立に大きく資するとともに、自由で開かれた経済をしっかりと守り抜くものであると確信をしております。残念ながら、衆議院において修正は成りませんでしたが、その大部分が附帯決議の中に盛り込まれたことは多といたします。
 国際情勢や社会経済構造が急激に変化する中、経済安全保障の確保は我が国にとって待ったなしの課題です。るる申し述べたとおり、内閣提出法案には懸念点、足らざる点がありますが、私たち立憲民主党の指摘や提案を含め、委員会審議の中で質疑と答弁を丁寧に積み上げてまいりました。これらの議論、そして附帯決議の内容を踏まえ、今後の参議院審議、法案成立後の運用において政府が適切に対応することを期待し、私たち立憲民主党は本法案に賛成することといたしました。
 なお、日本維新の会提出の法律案につきましては、これが内閣提出法案の対案と言えるかは別として、罰則の強化など、経済活動の自由を過度に阻害するおそれがあり、私たちの基本理念とは相反することから、反対をいたします。
 戦後、内閣総理大臣となった石橋湛山氏は、戦前の帝国主義全盛の時代にあって小日本主義を掲げ、植民地主義や保護主義ではなく、国際協調と自由貿易こそが我が国を発展せしめると訴えました。不幸にして、我が国はその逆の道をたどり、無謀な戦争に突入するに至りましたが、戦後は、その教訓と反省を踏まえ、自由貿易体制と日米同盟を両輪として、七十年以上の長きにわたって平和と繁栄を築いてきました。
 経済と安全保障は、時に一体であり、時に相反し、そのバランスを図ることは、本法律案にも内在する、いわば永遠の課題とも言えるものです。覇権主義や狭いナショナリズムが拡大し、不安定、不透明な現代の国際社会にあって、それでもなお、自由で開かれた経済こそが我が国繁栄の礎であり、それを守り抜くことが最大の安全保障でもある、このことを最後に申し上げて、私の討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。拍手
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細田博之#8
○議長(細田博之君) 青柳仁士君。
    〔青柳仁士君登壇〕
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青柳仁士#9
○青柳仁士君 日本維新の会の青柳仁士です。
 私は、会派を代表し、ただいま議題となりました、政府提出、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案及び日本維新の会提出、経済安全保障に関する諸施策の実効的かつ総合的な推進に関する法律案について、それぞれ賛成の立場から討論を行います。拍手
 経済安全保障について、我が党は、一月二十七日に行った大臣提言に始まり、三月十七日の国会審議入り以降、本日この場に至るまで、議員立法を提出して対案を示しつつ、本会議と内閣委員会を通じて質疑を重ねてまいりました。
 その中では、国会において充実した審議を行おうという基本姿勢を貫く小林大臣の誠実な対応と答弁により、本法案が必ずしも明らかにしていない本質的な論点についても一定程度生産的な議論を行うことができました。また、新たな国際経済秩序の形成を見越した経済安全保障の戦略的検討の必要性など、幾つかの重要な点について見解の一致が見られたことは、大変意義深かったと考えています。
 しかしながら、そうした協議の結果が実際の法案の条文に反映されることはありませんでした。我が党として客観的に見て合理性の高い修正案を提示し、それらについて質疑を通して政府側から説得力のある反論はなかったにもかかわらず、一文字たりとも条文修正が行われなかったことは、数の力を背景にした政府・与党による国権の最高機関である国会の軽視であると言わざるを得ません。
 そもそも、過去五年間の安倍政権及び菅政権では、およそ三十本の法案が国会審議を経て条文修正されました。しかしながら、岸田政権は、昨年の発足以来、ただの一度も国会において法案の条文修正を行ったことがありません。総理は聞く力を標榜していますが、国会においてはかつてなく異なる意見に耳をかさない政権になっていることについて、改めてこの場で強調させていただきたいと思います。
 我が党は、本法案に関するこれまでの一連の過程を通じて、昨今の国際情勢を踏まえれば、日本にとって経済安全保障法制を直ちに整備する必要性は極めて高いということを一貫して主張し続けてきました。
 ロシアのウクライナ侵攻でのハイブリッド戦で私たちが今目の当たりにしているように、経済や情報など非軍事領域へ戦争と安全保障の裾野は拡大してきています。各国は経済安全保障に関する法制度や体制の整備を急速に進めてきており、我が国も早急に体制構築を進めていかなければなりません。
 本法案に含まれる経済安全保障の分野は、原料、物資のサプライチェーン、基幹インフラの確保、官民の技術協力及び特許の非公開という四つの施策のみであり、最低限の防御と言える程度にとどまっていますが、それでも経済安全保障の統合的な実行体制のない現状に比べれば極めて意義のある前進であると評価しています。
 しかしながら、次に述べる三つの点で、本法案に疑問なしとはしません。
 第一は、本法案において経済安全保障の定義がなされていないことです。
 経済安全保障とは何かという定義がなければ、我が国にとっては新しい概念となる経済安全保障について、従来の安全保障とどのように融合させていくべきであるか、精緻な議論を行うことが困難です。
 また、経済安全保障の範囲を示さなければ、規制や保護をする物資、技術、産業等の範囲が不明確になり、本法案で示す四つの施策がどこまでを含んでいるのか、今後、何を拡充し、どの範囲まで広げて対応すべきなのかが明らかになりません。経済安全保障には国民の自由な経済活動を規制する側面があることを踏まえれば、その範囲を国民にあらかじめ明確にしておかなければ、経済活動は萎縮し、ひいては我が国の経済成長に悪影響を及ぼしかねないことも問題です。
 こうした視点を踏まえ、年内に予定されている国家安全保障戦略等の防衛三文書改定に係る議論等を通じて経済安全保障の定義を明らかにしていくことが重要であると考えます。
 第二は、本法案は実効性の面で深刻な懸念があるということです。
 特に、サプライチェーンの強靱化に関し、本法案第四十八条が定める、特定重要物資を見極めるための一般事業者の報告、資料の提出について、努力義務にとどめ、罰則を定めていないことは、本法案の実効性を著しく損なっていると考えます。
 我が党は、あまねく事業者に一律に厳しい罰則をかけることを是としているわけではありません。サプライチェーンの実態を知るには、民間企業による自発的な協力が不可欠であることも理解しています。
 しかしながら、サプライチェーンの全体像に関する一般的な調査や協力的な事業者を対象とした情報収集であれば、改めて法律を成立させる必要はありません。政府がふだん行っているシンクタンク等への外注調査で十分に対応が可能です。
 本法案がなぜ必要かといえば、経済安全保障上懸念される活動を意図的に行っているような事業者からも情報を引き出すことが安全保障の観点から不可欠であるためです。こうした事業者が虚偽の報告や応諾拒否に対する罰則なしで自発的に政府に情報を提供することはとても考えられません。
 サプライチェーンの実相が把握できなければ、経済安全保障は不完全なものとなり、我が国の国民の生命と財産を危険にさらすことになります。実効性の強化については、本法案が成立した後であっても、引き続き検討を続けていくべきと考えます。
 第三は、インテリジェンスの問題です。
 本法案の適切な施行に当たり、特に戦略物資の見極めの際などには、政府の持つインテリジェンスが成否を分ける鍵となります。さきの半導体における失敗を見ても、我が国のインテリジェンスは他国の比較対象とはならないほどに脆弱であり、抜本的に見直さなければなりません。
 政府・与党からは、政策部門に関する定員を約二百五十名、経済インテリジェンスに関する情報コミュニティーの定員を約百三十名増やすとの説明がありましたが、ただ人を増やしても意味がありません。何の能力を持つ人材がどのような役割を持って何を達成するために動くのか、それが安全保障にどのようにつながるのか、戦略的かつ実効性の高い体制を考案し、構築していかなければなりません。
 日本維新の会は、政府案とは別に、独自に法案を提出しました。その中では、経済成長に配慮した施策の実行、新たな国際経済秩序形成の促進、客観的な指標に基づく評価と選定過程での公平性の確保、罰則を含めた実効性の担保といった、政府案では不十分な部分を含めた必要な措置を定めています。経済成長に配慮しつつ、戦略的に必要最小限の対象を絞り込むと同時に、選定された対象については、罰則の措置を含め、実効性を担保して進めていくという、めり張りのある内容になっています。
 政府案の足らざる点を明確にし、反論とともに対案をぶつけていく、是々非々の提案型政党という日本維新の会の基本姿勢をはっきりと示したものです。政府においても、この維新案を参考としつつ、今後の経済安全保障政策を進めていただければと考えます。
 経済安全保障は、日々刻々と変化する国際情勢や技術革新に即時に対応していかなければなりません。本法案は、経済安全保障の一部の施策を定めるものにとどまらず、国民の生命財産を守るという本来の目的を達するためのものでなければなりません。そのための実効性を担保するためにも、三年ごとといわず、絶え間ない見直しを行うことを求め、両法案の賛成討論とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。拍手
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細田博之#10
○議長(細田博之君) 浅野哲君。
    〔浅野哲君登壇〕
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浅野哲#11
○浅野哲君 国民民主党の浅野哲です。
 私は、国民民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました政府提出の経済安全保障推進法案に対し、賛成の立場から討論を行います。拍手
 冒頭、この度のウクライナ・キーウ近郊の町ブチャにおいて多数の民間人が虐殺されたことに、私は、強い憤りを禁じ得ません。ロシアによるウクライナへの侵略行為に対し、我が国はこれまで毅然とした態度で臨んできておりますが、今回の事件はジェノサイドの可能性が指摘されるなど、事態はより深刻化しています。一方、日本は、ジェノサイド犯罪を認定するための法整備がされておらず、ジェノサイド条約を批准できておりません。日本政府には、国際社会と協調して、ロシアに対し即時の作戦中止と撤退に向けた圧力をかけ続けていくこととともに、ジェノサイド条約の批准に向けた国内環境整備を早急に進めることを求め、討論に入ります。
 今回、内閣委員会で審査を行った経済安全保障推進法案は、昨今の国際情勢の複雑化などを背景として、我が国のサプライチェーンへの支援強化、基幹インフラに関する事前審査制度の創設、官民連携による重要技術の開発促進、特許出願の非公開制度の創設という四つの施策から構成されていました。
 これに対し、私たちは、委員会の中で、経済インテリジェンス機能の強化、重要物資、重要設備、重要技術などの選定に対する公平性、透明性の確保、サプライチェーン調査の実効性の確保、重要技術開発財源の継続的確保などを求めてまいりました。
 経済インテリジェンス機能の強化については、小林大臣より、令和五年度に設立を目指すシンクタンク組織について、海外情勢、技術動向の調査分析機能、各種調査機関同士をつなぐハブ機能、人材育成機能を持つ組織とすることや、段階的にこの組織を拡大させていく方針を確認いたしました。
 また、重要物資、重要設備、重要技術などの選定に対する公平性、透明性の確保については、小林大臣より、産業界やアカデミアも対象に含める形で、国会での質疑内容も踏まえながら御対応いただけることを確認させていただきました。
 さらに、サプライチェーン調査の実効性の確保については、岸田総理より、私どもが提案してきた、分野と期間を限定した調査手法について、アメリカで行われた百日間レビューなども参考にしながら実効的な調査方法を検討していくことを、そして、重要技術開発財源の継続的確保に関しては、特定重要技術開発のための二千五百億円の指定基金について必要な予算を確保し続けていくとの総理方針、総理発言を確認することができました。
 以上に述べた点などを総合的に勘案し、国民民主党・無所属クラブは本法案に賛成することとしたものであります。
 一方、本法案においては、具体的な事項のほとんどが政省令で今後定められることになっており、その具体化に当たっては、有識者はもちろんのこと、教育界や産業界に対しても政府から積極的に意見聴取を行い、具体的内容の予見可能性を高め、幅広い合意形成が図られるよう、十分な配慮を求めます。
 また、本法案には、我が国の経済安全保障を確保する上で重要な幾つかの観点がまだ含まれていないという課題もあります。具体的には、国際共同研究などを円滑に行うために、情報を取り扱う者の適性について認証を行うためのセキュリティークリアランス制度の整備や、人権問題に起因した経済活動上のリスクに対処するための人権デューデリジェンスの観点です。これらの課題についても政府内で検討を重ねられることを求めて、私の討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。拍手
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細田博之#12
○議長(細田博之君) これにて討論は終局いたしました。
 ただいまから十分後に採決いたしますので、しばらくお待ちください。
    ―――――――――――――
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細田博之#13
○議長(細田博之君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一、足立康史君外二名提出、経済安全保障に関する諸施策の実効的かつ総合的な推進に関する法律案につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は否決であります。この際、原案について採決いたします。
 本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
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細田博之#14
○議長(細田博之君) 起立少数。よって、本案は否決されました。
 次に、日程第二、内閣提出、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
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細田博之#15
○議長(細田博之君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第三 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
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細田博之#16
○議長(細田博之君) 日程第三、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。環境委員長関芳弘君。
    ―――――――――――――
 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔関芳弘君登壇〕
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関芳弘#17
○関芳弘君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、我が国における脱炭素社会の実現に向けた対策の強化を図るため、温室効果ガスの排出の量の削減等を行う事業活動に対し資金供給等の支援を行うことを目的とする株式会社脱炭素化支援機構に関し、その設立、機関、業務の範囲等を定めるとともに、都道府県及び市町村が温室効果ガスの排出の量の削減等のための総合的かつ計画的な施策を策定し、及び実施するための費用について、国が必要な財政上の措置等を講ずる努力義務を定めるものであります。
 本案は、去る三月二十四日本委員会に付託され、翌二十五日山口環境大臣から趣旨の説明を聴取し、二十九日から質疑に入り、四月一日参考人から意見を聴取しました。
 五日、立憲民主党・無所属及び国民民主党・無所属クラブより修正案が提出され、趣旨の説明を聴取した後、原案及び修正案を一括して質疑を行い、同日質疑を終局いたしました。
 次いで、修正案について内閣の意見を聴取した後、原案及び修正案について採決を行った結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。拍手
    ―――――――――――――
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細田博之#18
○議長(細田博之君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
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細田博之#19
○議長(細田博之君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第四 旅券法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第五 東日本大震災の被災者に係る一般旅券の発給の特例に関する法律を廃止する法律案(内閣提出)
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細田博之#20
○議長(細田博之君) 日程第四、旅券法の一部を改正する法律案、日程第五、東日本大震災の被災者に係る一般旅券の発給の特例に関する法律を廃止する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。外務委員長城内実君。
    ―――――――――――――
 旅券法の一部を改正する法律案及び同報告書
 東日本大震災の被災者に係る一般旅券の発給の特例に関する法律を廃止する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔城内実君登壇〕
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城内実#21
○城内実君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、旅券法改正案は、旅券の発給申請手続等の電子化に係る関連規定の整備、旅券の査証欄の増補の廃止、発行後六か月以内に受領されず、失効した一般旅券の発行経費を徴収するための規定の整備、大規模な災害の被災者に係る手数料の減免制度の創設等の措置を講ずるものであります。
 次に、震災特例旅券法廃止法案は、東日本大震災から十年が経過し、震災特例旅券の発給申請が行われることは想定されなくなったため、震災特例旅券法を廃止するものであります。
 両案は、去る三月二十九日外務委員会に付託され、翌三十日林外務大臣から趣旨の説明を聴取いたしました。昨四月六日に質疑を行い、質疑終局後、順次採決を行いました結果、両案はいずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、旅券法改正案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。拍手
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細田博之#22
○議長(細田博之君) 両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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細田博之#23
○議長(細田博之君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
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山田賢司#24
○山田賢司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 議院運営委員長提出、衆議院規則の一部を改正する規則案、衆議院憲法審査会規程の一部を改正する規程案、衆議院情報監視審査会規程の一部を改正する規程案及び常任委員会合同審査会規程の一部を改正する規程案の四案は、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
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細田博之#25
○議長(細田博之君) 山田賢司君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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細田博之#26
○議長(細田博之君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
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 衆議院規則の一部を改正する規則案(議院運営委員長提出)
 衆議院憲法審査会規程の一部を改正する規程案(議院運営委員長提出)
 衆議院情報監視審査会規程の一部を改正する規程案(議院運営委員長提出)
 常任委員会合同審査会規程の一部を改正する規程案(議院運営委員長提出)
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細田博之#27
○議長(細田博之君) 衆議院規則の一部を改正する規則案、衆議院憲法審査会規程の一部を改正する規程案、衆議院情報監視審査会規程の一部を改正する規程案、常任委員会合同審査会規程の一部を改正する規程案、右四案を一括して議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。議院運営委員長山口俊一君。
    ―――――――――――――
 衆議院規則の一部を改正する規則案
 衆議院憲法審査会規程の一部を改正する規程案
 衆議院情報監視審査会規程の一部を改正する規程案
 常任委員会合同審査会規程の一部を改正する規程案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔山口俊一君登壇〕
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山口俊一#28
○山口俊一君 ただいま議題となりました各案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 今回の改正は、経費の節減及び議員活動の利便性の向上、情報提供の充実等に資するため、本会議及び委員会等の会議録について電磁的記録の提供その他の適当な方法により各議員に提供することができるよう関係の規則及び規程を改めるものであります。
 さらに、衆議院規則の改正については、各議員への官報の配付の取りやめに関する改正も併せて行うものであります。
 なお、施行日は、いずれも第二百九回国会の召集の日であります。
 各案は、本日、議院運営委員会において起草し、提出をいたしました。
 何とぞ議員各位の御賛同をお願い申し上げます。拍手
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細田博之#29
○議長(細田博之君) 四案を一括して採決いたします。
 四案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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