財政金融委員会

2024-08-23 参議院 全123発言

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会議録情報#0
令和六年八月二十三日(金曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 八月七日
    辞任         補欠選任
     柳ヶ瀬裕文君     藤巻 健史君
 八月八日
    辞任         補欠選任
     藤巻 健史君     柳ヶ瀬裕文君
 八月二十二日
    辞任         補欠選任
     武見 敬三君     磯崎 仁彦君
     野上浩太郎君     清水 真人君
     松山 政司君     山田  宏君
     浅田  均君     藤巻 健史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         足立 敏之君
    理 事
                白坂 亜紀君
                西田 昌司君
                山田 太郎君
                熊谷 裕人君
                若松 謙維君
    委 員
                磯崎 仁彦君
                大家 敏志君
                櫻井  充君
                清水 真人君
                進藤金日子君
                古川 俊治君
                宮沢 洋一君
                山田  宏君
                勝部 賢志君
                柴  愼一君
                竹内 真二君
                矢倉 克夫君
                藤巻 健史君
                柳ヶ瀬裕文君
                大塚 耕平君
                小池  晃君
                大野 泰正君
                神谷 宗幣君
                堂込麻紀子君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        鈴木 俊一君
   副大臣
       財務副大臣    矢倉 克夫君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        神田 潤一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村田 和彦君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      廣瀬 健司君
       金融庁総合政策
       局政策立案総括
       審議官      堀本 善雄君
       金融庁監督局長  伊藤  豊君
       財務省主計局次
       長        吉野維一郎君
       厚生労働省大臣
       官房政策立案総
       括審議官     河野 恭子君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    武藤 憲真君
   参考人
       日本銀行総裁   植田 和男君
       日本銀行理事   加藤  毅君
       日本銀行企画局
       長        正木 一博君
       日本銀行政策委
       員会室審議役   上條 俊昭君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (金融政策の変更による影響に関する件)
 (株式市場及び外国為替市場の動向に関する件
 )
 (長期国債買入れの減額計画に関する件)
 (政府系ファンドの運用実態に関する件)
 (異次元の金融緩和に対する評価に関する件)
 (資産所得倍増と格差拡大に関する件)
 (金利上昇が中小企業に与える影響に関する件
 )
    ─────────────
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足立敏之#1
○委員長(足立敏之君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日までに、武見敬三君、野上浩太郎君、松山政司君及び浅田均君が委員を辞任され、その補欠として磯崎仁彦君、清水真人君、山田宏君及び藤巻健史君が選任されました。
    ─────────────
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足立敏之#2
○委員長(足立敏之君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官廣瀬健司君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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足立敏之#3
○委員長(足立敏之君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
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足立敏之#4
○委員長(足立敏之君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁植田和男君、同理事加藤毅君、同企画局長正木一博君及び同政策委員会室審議役上條俊昭君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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足立敏之#5
○委員長(足立敏之君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
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足立敏之#6
○委員長(足立敏之君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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白坂亜紀#7
○白坂亜紀君 自由民主党の白坂亜紀でございます。
 本日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 植田総裁には初めての質問となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の委員会は、日本銀行が七月の金融政策決定会合で政策金利の引上げや長期国債買入れの減額計画の策定などを決定した後、初めて開かれるものですので、まず、金融政策の見直しの趣旨、狙いについて確認したいと思います。
 日本銀行は七月三十一日の金融政策決定会合で、従来はゼロから〇・一%程度であった政策金利である無担保コールレート・オーバーナイト物の誘導目標を〇・二五%程度に引き上げ、加えて、前回六月の金融政策決定会合で既に決定していた長期国債買入れの減額について、原則として毎四半期四千億円程度ずつ減額して、令和八年の一月から三月期には三兆円程度の買入れにするという計画を決定いたしました。
 日本銀行は、経済、物価がこれまで示してきた見通しにおおむね沿って移行していることや、先行き物価が上振れするリスクに注意する必要があることから、金融緩和の度合いを調整することが適切と判断したと言います。
 改めて、今回の金融政策決定会合で政策金利の引上げまでも決定するに至った趣旨について植田総裁にお伺いしたいと思います。
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植田和男#8
○参考人(植田和男君) 委員御指摘のとおりでございますが、七月の会合では国債買入れの減額と政策金利の引上げを決定いたしました。
 このうち国債買入れですが、その一つ前、六月の会合で金融市場において長期金利がより自由な形で形成されるということを促すため減額していく方針をまず決定し、その後、市場参加者との意見交換も踏まえて、七月の会合で具体案を決定いたしました。
 政策金利の方ですが、従来から、経済、物価がこれまでの見通し、すなわち基調的な物価上昇率が見通し期間の後半には二%の目標とおおむね整合的な水準で推移していく、するようになるという見通しに沿って推移していけば、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくこと、さらに、見通しが上振れたり、上振れリスクが高まったりする場合も利上げの理由となることを説明してまいりました。七月の会合では、経済と物価がこれまで示してきた見通しにおおむね沿って推移しているほか、そこまでの円安もあって輸入物価が再び上昇に転じており、物価の上振れリスクにも注意する必要があると判断いたしました。
 こうした状況を踏まえ、二%の物価安定目標の持続的、安定的な実現という観点から、金融緩和の度合いを調整することが適切と判断いたした次第でございます。
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白坂亜紀#9
○白坂亜紀君 ありがとうございました。
 続きまして、八月二日以降の急激な為替、株価の乱高下の要因について、鈴木大臣と植田総裁にお尋ねしたいと思います。
 八月二日以降、為替市場は一時一ドル百四十円台前半という円高水準になり、日経平均株価は年初来の上昇幅を全て帳消しにするほどの急激な下げ幅を見せました。その後、株価は大きく反転しているものの、市場が安定感を取り戻すには更に時間が掛かるのではないかとの専門家の見通しが示されているところです。
 このような乱高下が生じた背景に、米国における景気後退が現実化しているのではないかとの懸念があるとともに、日本銀行の金融政策見直しの影響も指摘されております。特に、金融政策決定会合終了後の記者会見における植田総裁の発言に更なる追加利上げの強い意向を市場関係者が感じ取ったことを指摘する方が多くいます。
 為替にせよ、株価にせよ、市場で価格決定がなされるというのが大前提でありますが、このような急激な乱高下の要因についてはどのように受け止めているのか、鈴木大臣と植田総裁にお伺いしたいと思います。
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鈴木俊一#10
○国務大臣(鈴木俊一君) 急激な株価、それから為替の乱高下についてでありますけれども、一般論として申し上げますと、為替相場や株価につきましては、金融政策に係る要因、それから内外の経済、物価状況や国際収支、企業の収益力や財務状況などの経済的な要因、さらに地政学的リスクや市場参加者のセンチメントなど、様々な要因によって決まるものでありますので、一概にこれを申し上げることは難しいわけでございますが、その上で、先般の急速な動きの要因について申し上げますと、市場参加者の間では、先生が先ほど御指摘になられましたアメリカの軟調な経済指標を背景とした景気悪化の懸念、それから地政学的な緊張の高まりなどを背景として世界的に急速なリスク回避が進んだことも金融市場での大きな動きにつながったとの見方もあるということを承知しているところであります。
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植田和男#11
○参考人(植田和男君) 為替や株価の変動が大きくなった背景でございますが、大臣からも御指摘ありましたように、特に米国におきまして経済指標の下振れを受けて景気減速懸念が急速に広まった、これを契機に、世界的にドル安と株価の下落が進んだことがあると考えております。
 我が国の場合、株価は、一時、他国に比べても大幅に下落したわけでございます。ドル円相場は、世界的なドル安に加えて、七月末の私どもの政策変更もあって、これまでの一方的な円安の修正が進んだと見ております。
 ただ、その後、八月中旬以降は、我が国の株価も八月初めに大きく切り下げた水準からは上昇しております。その背景には、先行きの米国経済に関する過度に悲観的な見方が後退したこと、また、決算発表等を受けて、我が国の企業の収益力が評価された面もあると考えております。
 もっとも、内外の金融資本市場は引き続き不安定な状況にあると認識しておりますので、当面はその動向を極めて高い緊張感を持って注視していく方針でございます。
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白坂亜紀#12
○白坂亜紀君 ありがとうございました。
 続きまして、金融政策の見直しが家計や企業、国の財政に与える影響についてお伺いしたいと思います。
 今回の政策金利引上げにより、日本経済が本格的に金利のある世界に回帰することになったと言われております。金融機関は預金金利の引上げに踏み出しており、住宅ローンや企業向け貸出金利についても今後上昇が見込まれることとなります。
 家計にとっては、長らく低金利が続いたことで得られなかった預金金利を見込むことができる一方、変動金利型住宅ローンを借りている場合には返済額が増加する懸念も出てまいります。中小企業にとっては、物価高騰や人手不足、コロナ禍で積み上がった債務返済の負担などに苦しむところも多く、金利引上げに応じられる会社ばかりではないと思われます。
 こうした家計や企業の負担増による影響について、日本銀行はどのように見ているのでしょうか。加藤毅理事にお伺いいたします。
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加藤毅#13
○参考人(加藤毅君) お答え申し上げます。
 政策金利の引上げでございますけれども、こちらにつきましては、今先生が御指摘のとおり、市場金利や短期プライムレートの上昇等を介しまして、やはり企業向けの短期の貸出金利ないしは家計向けの変動型住宅ローンの金利に当然影響するということは認識しております。この影響については、これからもしっかりと確認していく必要性があると思っております。同時に、これも先生御指摘になりましたけれども、預金金利などの利回りも上昇しますので、今、預金は全体で千兆円ぐらいございますので、この企業や家計の所得にはプラスに作用していくんだろうというふうには考えております。
 経済主体によって、やはり両面、異なる影響が出てくるんだろうなというところはございますが、この金利収支の変化ということだけではなくて、やはり政策金利の引上げないしは金融政策の影響という観点では、これはマクロ経済全体に与える影響というのもやはり同時に見ていく必要性があると思っておりまして、やはり我々、政策金利の変更後も実質金利はもう大幅なマイナスとなっておりますので、緩和的な金融環境をしっかり維持しております。これを通じて、引き続き、経済活動ないしは企業の収益、賃金をしっかりとサポートしていくことになるというふうには考えております。
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白坂亜紀#14
○白坂亜紀君 ありがとうございます。
 金利上昇は国債の発行条件にも影響するため、将来的な利払い費の増加にもつながる懸念があります。
 財務省は、今年四月に長期金利が想定より上昇した場合の試算を財政制度等審議会に示していますが、改めて、日本銀行の金融政策の見直しによる利払い費に対する影響をどのように見ているのか、財務省吉野維一郎次長にお伺いいたします。
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吉野維一郎#15
○政府参考人(吉野維一郎君) お答え申し上げます。
 今回の金融政策の見直しが今後の長期金利等に与える影響につきましては、一概に申し上げることは困難でございますけれども、あくまで一般論として申し上げれば、債務残高対GDP比の高い我が国におきまして、金利が上昇し、利払い費が増加すれば政策的経費を圧迫するおそれがあるということと考えております。
 また、委員御指摘のとおり、先般の財政制度等審議会に提出した資料におきましては、後年度影響試算の考え方に基づきまして、令和七年度以降金利が一%上昇した場合の利払い費の増加幅を機械的に延伸いたしますと、九年後の令和十五年度には利払い費の増加が八・七兆円程度になるとの試算をお示ししたところでございます。
 こうした状況によりまして国民生活等に必要な予算が行き届かなくなることは決してあってはならないことと考えておりまして、政府といたしましては、これまで以上に気を引き締めて財政健全化の取組を進めていくことが重要と考えております。
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白坂亜紀#16
○白坂亜紀君 ありがとうございました。
 続きまして、為替、株価の乱高下が個人投資家に及ぼした影響について金融庁政府参考人にお尋ねします。
 政府は、資産所得倍増プランや資産運用立国実現プランなどを打ち出し、貯蓄に偏重してきた家計金融資産を投資にシフトさせるように取り組んでまいりました。今年からは、新たに少額投資非課税制度、いわゆるNISA制度が刷新されており、この制度を呼び水として新たに投資を始めた個人投資家も少なくないと言われております。
 今回の乱高下は、新たにNISA制度がスタートして個人投資家の裾野が広がってから初めて起きた市場の調整局面です。経験の少ない個人投資家の中には、保有する株式や投資信託などの価格が急激に下がり、不安の中に過ごすこととなったり、中には慌てて売却してしまったりした人も多いのではないでしょうか。また、NISA制度の対象ではありませんが、株式の信用取引などで、予想外の方向に市場が動いたため、いわゆる追い証を求められて取引を解消せざるを得なかった人もいると思われます。
 金融庁は、今回の乱高下の局面における個人投資家への影響を現時点でどのように把握していらっしゃるのでしょうか。また、投資家保護や顧客本位の業務運営の観点から、こうした局面に備えた対応も検討しておくべきではないでしょうか。金融庁堀本善雄総合政策局政策立案総括審議官にお考えをお伺いしたいと思います。
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堀本善雄#17
○政府参考人(堀本善雄君) 御質問の今般の株式の乱高下が個人投資家に与えた影響についてでございますが、委員も御指摘のとおり、個人の投資家と一概に申し上げましても、どのような資産をどのような期間、短期、長期ですね、運用されているか、あるいは信用取引等のレバレッジを掛けているかというようなことによって影響が大きく異なるものですから、一概に申し上げることは困難でございますけれども、NISAについて、NISAを利用された個人投資家の株価が下落した八月の二日及び五日の動向についてマクロ的に把握しております。
 大手証券会社十社へのヒアリングによりますと、NISA口座全体では、この二日間においても、買い付け金額が売り付け金額を上回っている、いわゆる買い越しの状況でございまして、売り付けが一方方向に進んだという状況ではないというふうに認識しております。これは、別途、東京証券取引所及び名古屋証券取引所が発表しております八月の第一週の個人の現金取引による株式売買が買い越しになっていると、こういうデータと整合的であるというふうに考えています。
 一方で、委員の方で御発言がございました個人の信用取引における売買でございますけれども、この信用取引というのは、レバレッジを掛けることによって多額の利益が得られることがある反面、多額の損失が発生する可能性がある、そういう取引でございまして、投資家は取引のリスクについて十分に把握をして取引をすることが求められております。したがいまして、NISA口座では利用ができない、そういう取引でございますが、この取引については八月の第一週において売り越しとなっているという状況でございます。
 いずれにしましても、金融庁は、今回の株価の下落よりも前から繰り返し金融機関に対して、NISA口座を利用する顧客について、長期、積立て、分散の投資の意義やあるいは投資リスクについてしっかりと周知をすること、それから顧客本位の業務運営に基づいた丁重な説明や販売後のフォローアップなどをやることということを求めてきております。
 さらに、今回の株式下落時においても、特に株式市場が大きく変動する中においては適切な追加的な顧客対応を実施するということを周知しておりまして、これを受けまして、金融機関においても、長期、積立て、分散投資の意義等について情報発信やあるいはお客さんへのフォローアップを行ってきているということでございます。
 また、金融庁も、マスメディアを通じまして、長期の目線での継続的な運用、この重要性を発信させていただいておりますし、金融庁の金融サービス利用相談室等において相談を受け付けてもおります。
 いずれにいたしましても、金融庁としては、引き続き、長期、積立て、分散投資の意義を発信させていただくとともに、金融機関に対して特に市場の急変時において丁寧な顧客対応を行うように、このように求めてまいりたいというふうに考えております。
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白坂亜紀#18
○白坂亜紀君 ありがとうございます。
 続きまして、八月七日の日本銀行内田副総裁の発言の意図について植田総裁にお伺いしたいと思います。
 まだ株価や為替の不安定な動きが続いていた八月七日、日本銀行内田副総裁は、函館市金融経済懇談会での挨拶の中で、内外の金融資本市場の急激な変動が見られる下で、当面、現在の水準で金融緩和をしっかりと続けていく必要がある、金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはありませんと発言されました。この発言が流れた後、株価は急激に上昇する結果となりました。
 内田副総裁は、懇談会後の記者会見において、総裁と副総裁との意見は整合的なものなのかどうかを問われ、総裁と私の間に考えの違いがあるということではなくて、状況が変化したということだと説明されています。
 内田副総裁の発言の意図について、植田総裁の御認識をお伺いしたいと思います。
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植田和男#19
○参考人(植田和男君) 私のあの七月末の決定会合後の記者会見になりますが、その場で、今後の政策運営について、経済、物価の見通しが実現していくとすればという条件付で、その場合、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくということを申し上げました。こうした考え方は、決定会合後の対外公表文でも明記されておりますし、政策委員の間でも共有されています。また、その記者会見の場で、そのとき、今回の利上げの経済、物価への影響を注視しつつ、先行きの政策運営を考えていくということも述べております。その後、内外の金融資本市場において急激な変動が発生し、そのことが経済、物価の見通しに与える影響を注視することが必要になっております。
 こうした情勢変化を踏まえ、内田副総裁の講演では、市場動向や経済、物価に及ぼす影響について注視する必要があると指摘したところでございます。このような意味で、金融政策運営の考え方について、私と副総裁の間で違いはございません。
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白坂亜紀#20
○白坂亜紀君 ありがとうございました。
 引き続き、当委員会では、株式市場並びに為替の動向に注視し、金融政策の見直しや、家計や企業、国の財政に与える影響について注意深く見てまいりますので、政府、日本銀行のしっかりとした取組をお願いいたします。
 以上で終わります。ありがとうございました。
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熊谷裕人#21
○熊谷裕人君 立憲民主・社民の熊谷裕人でございます。
 早速質問に入りたいんですが、最初に、誠に質問しづらいことなんですが、これも日本の予算に関わることですので財務大臣にちょっとお答えをいただきたいと思うんですが、私どもこの参議院の同僚で、秘書給与の搾取で議員を辞職された方がいらっしゃいました。どうも当局の取調べに認めているようでございますので、今後どのような結末になるか分かりませんが、もしこれが犯罪ということになれば、刑事訴訟法の中に、二百三十九条の二項に、公務員はその犯罪を知り得たときには告発しなければいけないと、告発義務がございます。
 搾取でございますので、損害賠償等返還要求、こういったことを、予算をつかさどる財務省として、財務大臣として、また同じ同県の選出の議員として、所感があればお聞かせをいただければと思います。
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鈴木俊一#22
○国務大臣(鈴木俊一君) 今般の秘書給与の搾取の件でございますが、広瀬さんを擁立をしたのは自民党の岩手県連でございます。その上で、党本部にお願いをして公認をいただいたところでございますので、自民党を離れ、また辞職をしたといえども、大変にこの件は遺憾であると思っております。私自身、前回の選挙で先頭に立って彼女の支援をお願いをして回ったわけでありまして、このようなことになり、自らの不明を恥じるとともに、今地元でもおわびを重ねているところでございます。
 いずれ、今、熊谷先生から告発あるいは損害賠償というお話がございますが、まだ今の時点では検察当局が捜査中であると承知をしているところでございまして、捜査中であるわけでありますので、今の段階で政府の立場からコメントすることは控えなければならないと、そのように思っております。
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熊谷裕人#23
○熊谷裕人君 誠にお答えにくい質問に答えていただきまして、ありがとうございます。
 今後、今答弁ありましたように、この状況の成り行きによっては、公金の搾取ということでございますので賠償請求も行わなければいけないと思いますし、また、名義を貸した秘書さんの方には厚生年金が掛かっておりまして、この方が受給の年齢になりますと、掛けた分を国がというか、社会保障費で出さなければいけないということもありますので、できればこの結末が見えたところでしっかりとした対応をお願いをしたいというふうに思っております。
 続いて、今日、本題に入ってまいりたいと思いますが、岸田総理が突然、次の総裁選挙は出ないということで、総裁を降りるということは総理も降りるということになろうかと思います。
 そうすると、ポスト岸田ということになろうかと思いますが、これまでのまず財政政策について、次期政権に引き継ぐべき財政政策は何なのかというところ、財務大臣の今お気持ちの中であるところをお示しいただければと思います。
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鈴木俊一#24
○国務大臣(鈴木俊一君) 先日、総裁選への不出馬を表明された記者会見におきまして、岸田総理からは、任期中、最後の一日まで政策実行に一意専心当たっていくとの発言があったところであります。
 したがいまして、引き継ぐべき財政金融政策について具体的にお話をする段階ではないと、そのように考えておりますが、財政政策について申し上げますと、基本的には、骨太の方針二〇二四を始めとする政府の方針に沿って、これまで取り組んできた政策の考え方を引き継いでいくことになると認識をいたしております。すなわち、経済あっての財政との考え方の下で、民需主導の持続的な成長を実現するため、真に効果的な財政需要については機動的に対応するとともに、財政健全化の旗を下ろさず、財政に対する市場の信認を確保し、将来世代への責任を果たしていくため、歳出改革努力などを取組を行っていくという、経済成長の実現と財政健全化の両立の考え方が次期政権にも引き継がれていくことになるのではないかと考えております。
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熊谷裕人#25
○熊谷裕人君 同じ質問を植田日銀総裁にもお願いをしたいと思っておりますが、引き継ぐべき金融政策は何か、そして、岸田政権で総裁は指名をされておりますが、政権への向き合い方について変化があるのかどうか、その点についてお答えをいただければと思います。
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植田和男#26
○参考人(植田和男君) 私ども日本銀行といたしましては、日銀法に定められた物価の安定という使命を果たすために、引き続き、物価安定目標の持続的、安定的な実現を目指して金融政策を運営していく所存でございます。
 その上で、政府との間においては、これまでと同様、十分な意思疎通を図ってまいりたいというふうに考えております。
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熊谷裕人#27
○熊谷裕人君 ありがとうございます。意思疎通をしっかりと図った上で、やはり日銀の独立性というところにしっかりと観点を置いて金融政策運営をしていただきたいなというふうに思います。
 続いて、七月の金融政策決定会合の決定内容について少しお聞きをしたいと思います。
 午前中の衆議院の財金委員会で同僚の櫻井議員の方から、正常化に向けた取組が遅かったのではないかという質問を総裁にされておりました。その点について、私も、市場というか、マスコミの中では早過ぎたんじゃないかというような、今回の七月の金利の引上げは早過ぎたんじゃないかというようなコメントありますけれど、私は、正常化に向けての動きというのが余りにも慎重過ぎて若干遅れたのではないかと、遅れたのでタイミングが悪いときに利上げということが重なってしまったというふうに思っておりまして、もう少し、物価の安定的な二%の上昇は、ここのところの円安でずっと私は、超えていて、行き過ぎた円安、悪い円安を何とか金融政策で変えてほしいという話はこの委員会でも何回か質問させていただきました。
 そういう視点から、私の個人的な視点からいうと、若干慎重過ぎて遅かったかなというふうに私自身は思っているんですが、この決定の内容とタイミングについて改めて、植田総裁はこの七月の決定がどのような感じで、適切だったのかどうかという観点からどう思っているのか、お聞かせをいただければと思います。
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植田和男#28
○参考人(植田和男君) 七月の決定でございますけれども、これは先ほどちょっと申し上げましたが、経済、物価がこれまで私どもが示してきた見通しにおおむね沿って推移しているということと、そこまでの円安もあって物価に上振れリスクが出てきているということを考えて利上げの判断をしたところでございます。
 その上で、これが早過ぎたか遅過ぎたかということについてもコメントするようにという御質問だと思いますが、一つには、その後発表されました第二・四半期のGDP統計あるいは六月の毎月勤労統計等を見ますと、私どもの見通しに沿った線で経済が動いているということが確認できております。そうした意味で、この決定は適切であったんではないかなと思ってございます。
 一方で、午前中も議論がありましたが、遅過ぎたのではないかという御意見は一部にあるかと思いますが、これに対しましては、そもそもの大規模金融緩和が、その中に二%の目標の持続的、安定的な達成が見通せる状況になるまで継続するという約束のようなものがございまして、これは守りつつやっていこうということでやってきましたので、最終的に、今年の春、春闘がかなりしっかりした姿になるだろうということをかなりはっきりと予想できた時点、すなわち三月頃に大規模緩和を終了し、さらに、その後のデータも見通しどおりということで、先ほど申し上げましたように七月に追加の利上げをさせていただいたということでございます。
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熊谷裕人#29
○熊谷裕人君 その辺の、春の春闘の賃上げを見てということはこの委員会でも度々議論になりまして、同僚の柴議員の方からも質問をさせていただいて御答弁いただいてきたようなことでもございますが、その状況も、見通しは明るかった状況でもありますし、その当時は株価も安定的に上がっていた。逆に言うと、円安が進んできてだんだんと輸入物価が高くなってきたというところに手を打たなければいけないんじゃないかということで、私はその頃、金融政策を変更して悪い円安を退治しなきゃというような御提案をさせていただいていたんですが、そういった思いで、私自身は遅過ぎたのかなというふうに思っております。
 続いて、今回の乱高下の原因についてちょっと、もうこれも度々質問をいただいて答弁は出ているところでございますけれど、何回か為替介入をしました。それにもかかわらず、円の方は一度円高に振れてまた円安にというようなことを繰り返しておりましたけれど、最終的には、その八月の二日のアメリカの雇用統計の数字が市場予測より低かったということで、アメリカの景気減速が予想されるということが引き金になって株価も、円は円高に振れ、株価は下がるというようなことになったんだと思っておりますし、総裁もそのような、アメリカの景気減速懸念がその引き金になったというような答弁をされております。そして、戻ったのは、悲観的なその状況が脱したから戻ってきているというような答弁もありましたけれど、七月の二日に一ドル百六十一円という安値を付けまして、その翌週に日本の株は、株価は最高値、四万二千円を超える最高値を記録しました。
 そして、その頃から徐々に円高に、何回か為替介入ありましたけれど、円高に振れていたんではないのかなと思っておりまして、今言われている円キャリートレードが、手じまいがここから私は始まってきているんじゃないのかなというふうに思っておりまして、そこに、日銀の利上げの観測、そしてアメリカの利下げの観測、市場では随分出ておりましたので、それを織り込み始めていたところに、雇用統計が悪かったということを引き金にパニックが始まったんではないのかなというふうに思っておりまして、その中で、先ほど白坂委員の質問の答弁にもありましたけれど、何というんでしょうかね、投機筋の売り抜け、下落の状況で売り抜け、そして翌日に下落したところを買い越しているというようなことはデータでも、民間の調べのデータでも出ておりますし、大塚議員の要求した資料でもそれが見て取れるところでございます。
 そして、ずっとこの市場というか、日本の株式市場は、先ほどもお話がありましたけれど、信用取引で買い越しが四・九兆円も六月には膨らんでおりました。そろそろ、そのとき時点ではまだまだ株は上がると言って、実際、七月の十一日に四万二千円まで上がってきているんですけれど、その買い越しの状況が、パニックを起こしたときに、先ほど追い証の話もありましたけど、追い証が必要になってパニック売りというのが始まって、一挙にブラックマンデーを超えるというような下げになったんではないかなというふうに思っていますし、投機筋はそれを利用してうまく売り抜け、そしてうまく次の日に買ったという状況で、日本の政府が旗を振って投資に入ってきた人たちが結局パニックで損をしてしまったという状況なんではないのかなというふうに思っております。
 その中で、先ほどの答弁にもありましたけれど、証券会社とか信託は買い越されているというのは、多分、年金、GPIFとかその辺しっかりと買ったんじゃないのかなというふうに思っていまして、そこで戻ったというのが状況になっていると思うんですけど、この乱高下、私が今言ったようなことが原因で乱高下が起きたと思っていまして、投機筋が、やっぱり日本の株式、そして円キャリートレードというところで狙っていたのがうまくはまったというような状況になっているんじゃないかなというふうに私は個人的に思っておりますが、その点について、植田総裁、もし御感想があればお聞かせいただければと思います。
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