厚生労働委員会

2025-03-11 参議院 全12発言

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会議録情報#0
令和七年三月十一日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 一月三十一日
    辞任         補欠選任
     片山さつき君     比嘉奈津美君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         柘植 芳文君
    理 事
                神谷 政幸君
                三浦  靖君
                森本 真治君
                秋野 公造君
    委 員
                石田 昌宏君
                衛藤 晟一君
                こやり隆史君
                自見はなこ君
                比嘉奈津美君
                星  北斗君
                山田  宏君
                石橋 通宏君
                大椿ゆうこ君
                高木 真理君
                塩田 博昭君
                新妻 秀規君
                猪瀬 直樹君
                山口 和之君
                田村 まみ君
                倉林 明子君
   国務大臣
       厚生労働大臣   福岡 資麿君
   副大臣
       厚生労働副大臣  仁木 博文君
       厚生労働副大臣  鰐淵 洋子君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       安藤たかお君
       厚生労働大臣政
       務官       吉田 真次君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐伯 道子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (厚生労働行政の基本施策に関する件)
 (令和七年度厚生労働省関係予算に関する件)
 (派遣委員の報告)
    ─────────────
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柘植芳文#1
○委員長(柘植芳文君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 議事に先立ち、一言申し上げます。
 東日本大震災の発災から本日で十四年目を迎えます。
 ここに、改めて、犠牲になられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。
 どうぞ御起立をお願いいたします。黙祷。
   〔総員起立、黙祷〕
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柘植芳文#2
○委員長(柘植芳文君) 黙祷を終わります。御着席願います。
    ─────────────
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柘植芳文#3
○委員長(柘植芳文君) 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、片山さつきさんが委員を辞任され、その補欠として比嘉奈津美さんが選任されました。
    ─────────────
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柘植芳文#4
○委員長(柘植芳文君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題といたします。
 まず、厚生労働行政の基本施策について、厚生労働大臣から所信を聴取いたします。福岡厚生労働大臣。
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福岡資麿#5
○国務大臣(福岡資麿君) 所信の前に一言申し上げます。
 本日は、東日本大震災の発災から十四年になります。お亡くなりになられた方々に改めてお悔やみ申し上げますとともに、厚生労働省としても復興に向けて引き続き全力で取り組んでまいります。
 厚生労働大臣に就任してから約半年、国民の生活を生涯にわたって支える厚生労働行政の諸課題に全力で取り組んでまいりました。引き続き、国民の皆様の安全、安心の確保に万全を期すことにより、社会経済活動の安定に資するよう、職務に邁進してまいります。
 賃上げと人手不足の緩和の好循環に向けて、一人一人の生産性や付加価値を向上させ、物価上昇を上回る賃金の引上げを実現していくことが重要です。
 持続的、構造的な賃上げを実現するため、引き続き、リスキリングによる能力向上支援、個々の企業の実態に応じたジョブ型人事の導入、成長分野への労働移動の円滑化という三位一体の労働市場改革を推進してまいります。求職者の状況に応じてきめ細かい就労支援を行います。
 最低賃金について、二〇二〇年代に全国平均千五百円という高い目標に向かって、たゆまぬ努力を続けます。また、政労使の意見交換における今後の中期的引上げ方針の議論に参画するとともに、全都道府県での地方版政労使会議の開催などにより、最低賃金を含め、地方で賃金が上がっていく環境をつくり出していきます。中小企業などが賃上げしやすい環境整備に向け、引き続き、賃上げ支援助成金パッケージによる生産性向上等の支援や、関係省庁と連携した価格転嫁対策の徹底などに取り組んでまいります。
 令和六年度報酬改定において講じた医療、介護、障害福祉分野の職員の処遇を改善するための措置が最大限活用されるよう、書類の簡素化や幅広い周知に引き続き取り組むとともに、処遇改善加算の更なる取得促進に向けた要件の弾力化などに取り組んでまいります。加えて、足下の人材確保の課題に対応する観点から、先般の補正予算に盛り込んだ更なる賃上げに向けた支援が現場に働く方々に行き届くよう取り組んでまいります。
 また、介護分野については、ICTなどを活用した生産性向上の取組を強力に推進し、サービスの質の向上や職場環境改善を図るとともに、訪問介護の提供体制の確保や、介護人材の確保、育成及び定着に向けた取組を支援してまいります。
 また、物価高騰などによる医療機関などの厳しい状況を踏まえ、報酬改定や補正予算の効果も含め、実態をよく把握し、適切に対応してまいります。
 昨年十二月の社会保障審議会年金部会などの取りまとめに基づき、年金制度をより働き方に中立的なものとし、年金の所得保障機能や再分配機能の強化を図るための関係法案を今国会に提出すべく、調整を進めます。
 具体的には、被用者保険の適用拡大、在職老齢年金制度の見直し、基礎年金水準の確保などの公的年金制度の見直しや、個人型確定拠出年金の加入可能年齢の上限の引上げなど、私的年金制度の見直しにも取り組んでまいります。
 そして、いわゆる年収の壁を意識せずに働くことができる環境づくりを後押しするため、年収の壁・支援強化パッケージによる支援に引き続き取り組んでまいります。また、年収百三十万円の壁への対応として、キャリアアップ助成金を拡充し、労働時間の延長や賃上げを通じて労働者の収入を増加させる事業主を支援する措置を令和七年度中に実施すべく検討を進めます。
 本格的な少子高齢化、人口減少が進む中で、負担能力に応じて皆が支え合う全世代型社会保障を構築していくことが重要です。高額療養費制度については、高齢化や高額薬剤の普及などにより、その総額が医療費全体の倍のペースで伸びている状況において、制度の持続可能性を確保するとともに、現役世代を中心に保険料負担の軽減を図る必要があります。令和五年末に閣議決定された改革工程に掲げられた他の項目も含め、必要な保障が欠けることがないよう留意しつつ、セーフティーネット機能を次の世代にも維持しながら将来世代も含めた全世代の安心を保障する観点から検討を進めてまいります。
 将来にわたって地域での良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制を確保するため、新たな地域医療構想の推進、医師偏在是正に向けた総合的な対策、医療DXの推進などに関する法案を今国会に提出しました。
 新たな地域医療構想については、二〇四〇年頃を見据え、医療、介護の複合ニーズを抱える高齢者の増大や人口減少などに対応できるよう、入院の病床の在り方に限らず、外来や在宅医療、介護との連携までをカバーし、人材確保などの状況も踏まえた医療機関の役割分担や連携を更に推進します。
 医師偏在対策については、昨年末に策定した総合的な対策パッケージに基づき、地域の実情に応じた実効性のある取組を推進します。
 また、周産期・救急・災害医療体制の充実など、地域の実情に応じた医療提供体制の確保に努めてまいります。
 さらに、電子カルテ情報の医療機関での共有や医療等情報の二次利用の推進、医療DXの運営の母体としての社会保険診療報酬支払基金の改組などについて取組を進めるとともに、国民の皆様が安心してオンライン診療を受けられるよう、その適切な実施と推進のための方策について検討を進めてまいります。
 マイナ保険証は、医療DXの基盤として、国民の皆様が健康医療情報に基づいたより良い医療を受けることを可能にするものです。このため、引き続き、マイナ保険証の利用促進に向けた周知を行うことに加え、マイナ保険証のスマートフォンでの利用について、本年春以降、順次対応を進めてまいります。あわせて、マイナ保険証をお持ちでない方に対して申請によらず保険者から資格確認書を交付するなど、全ての方が安心して保険診療を受けられる環境を維持してまいります。
 医薬品の供給不足などに対応し、品質の確保された医薬品等を国民の方々に迅速かつ確実に提供するため、医薬品等の品質及び安全性確保、医療用医薬品等の安定供給体制の強化など、より活発な創薬が行われる環境を整備し、国民の方々へ医薬品を適正に提供するための薬局機能の強化などに関する法案を今国会に提出いたしました。
 医薬品産業を成長基幹産業と位置付け、日本を創薬の地とするため、優れた創薬シーズを基にしたスタートアップの創出を促進すべく民間投資を呼び込む体制を強化するほか、創薬クラスターの整備やその支援のための新たな基金を造成するなど、官民連携の下、企業や大学などが安定的、継続的に創薬に取り組み、実用化につなげることができる環境整備を進めます。加えて、国際水準の臨床試験体制整備について検討を進めるとともに、ドラッグロスの解消に向けて、未承認薬のうち我が国に必要性の高い医薬品を優先して対応し、企業における開発が進むよう戦略的に対応するための取組を進めてまいります。
 また、後発医薬品の安定供給については、少量多品目生産という非効率な生産体制の解消に向け、計画的に生産性向上に取り組む企業を支援するため、新たな基金を造成します。企業間の連携、協力、再編を強力に後押しするために、企業の取組を認定する枠組みを設けます。
 さらに、薬害の再発防止や、大麻や危険ドラッグなどの薬物乱用防止対策にも取り組んでまいります。
 多様性の尊重は社会の持続的な発展の基盤であり、女性や高齢者を含む国民お一人お一人がその能力を十分に発揮し活躍することが、我が国の活力維持向上には不可欠です。働く方々の個々のニーズに応じて、多様で柔軟な働き方を選択することができる社会の実現を目指します。
 職場における女性活躍を推進するため、男女間の賃金差異に関する情報公表の義務を従業員百一人以上の企業に拡大して賃金差異の是正を促進するほか、いわゆるカスタマーハラスメントや就職活動中の学生の方々に対するセクシュアルハラスメントといった職場におけるハラスメント対策を強化する関係法案を今国会に提出いたします。
 非正規雇用労働者の方々への正社員への転換や、同一労働同一賃金の更なる遵守徹底などによる処遇改善に取り組みます。新卒者などに対しては、大学などと連携しながらきめ細かな就職支援を行うとともに、いわゆる就職氷河期世代を含む中高年層の方々に対し、就労や社会参加を支援してまいります。
 また、多様な人材が安心して働き続けられる環境を整備するため、七十歳までの就業機会の確保に取り組むとともに、外国人労働者に対する就職支援の強化、働きやすい環境整備などに取り組んでまいります。育成就労制度の円滑な施行に向け、出入国在留管理庁などと連携してまいります。
 さらに、個人事業者や高年齢労働者の安全衛生対策の推進、ストレスチェック制度の実施義務の対象事業場拡大によるメンタルヘルス対策の強化などに関する法案を今国会に提出すべく、調整を進めます。
 このほか、過労死などの防止に取り組むとともに、働く人の意識や働き方の多様化を踏まえつつ、今後の労働基準関係法制の見直しなどに向け、検討を進めてまいります。
 本年四月に拡充される育児休業給付制度の着実な実施などにより共働き、共育てを推進するとともに、仕事と育児、介護の両立支援や、安心して副業、兼業に取り組むことができる環境整備、テレワークの普及、フリーランスの方々が安心して働くことができる環境の整備を更に進めてまいります。
 本年は戦後八十年の節目の年です。改めて弔慰の意を表すため、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金の継続支給に関する法案を今国会に提出いたしました。加えて、戦没者遺児による洋上慰霊の実施、次世代への戦争に関する記憶の継承を行う平和の語り部事業の拡充などに取り組みます。また、国の責務として可能な限り多くの戦没者の御遺骨を収容し、御遺族に早期にお渡しできるよう、集中的な取組に全力を挙げてまいります。さらに、中国残留邦人等に対する支援策もきめ細かく実施してまいります。
 新型コロナウイルス感染症について、引き続き確実な医療提供に取り組むとともに、罹患後症状、いわゆる後遺症に悩む方々が適切な医療を受けられる環境づくりを進めてまいります。ワクチンについては、有効性や安全性に関する科学的知見に基づき、引き続き必要な対応を講じてまいります。また、帯状疱疹ワクチンを本年四月から定期接種に位置付けるとともに、キャッチアップ接種期間中にHPVワクチンの接種を希望した全ての対象者に接種機会を提供できるよう、期間内に一回以上接種した方を対象として、一年間の経過措置を設けます。
 さらに、本年四月の国立健康危機管理研究機構、JIHSの創設を始めとして、新型インフルエンザ等対策政府行動計画を踏まえた、次なる感染症危機への備えを着実に進めてまいります。
 UHCナレッジハブを我が国に本年設置できるよう調整するとともに、厚生労働省国際保健ビジョンを踏まえ、国際保健に関連する国内外の課題の解決に取り組んでまいります。
 国民の健康寿命の延伸を図るため、第三次の健康日本21などを推進し、予防、重症化予防、健康づくりに取り組んでまいります。また、事業主健診、産業保健体制の充実を図るとともに、昨年十月に国立研究開発法人国立成育医療研究センターに設置された女性の健康総合センターの取組を含め、女性の健康支援を推進してまいります。
 また、がん対策や循環器病対策に関する基本計画に基づいて総合的な対策を進めるとともに、花粉症を含むアレルギー疾患対策や受動喫煙対策も引き続き推進してまいります。
 ハンセン病元患者家族の方々への補償制度を引き続き着実に実施するとともに、ハンセン病に対する偏見差別の解消にも全力で取り組みます。B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスに感染された方々に対する給付金等も確実に支給してまいります。
 臓器提供者数の増加に対応していくために、臓器移植体制の見直しなどの取組を進めてまいります。
 原子爆弾の被爆の実相を後世に伝えるための取組を進めるとともに、被爆者の方々に寄り添いながら、保健、医療及び福祉にわたる総合的な支援を行ってまいります。
 機能性表示食品を含むいわゆる健康食品による健康被害事案への対応など、食の安全の確保に取り組んでまいります。
 地域共生社会の実現に向け、包括的な支援体制の整備や、成年後見制度の利用促進、身寄りのない高齢者などが抱える生活上の課題への対応などに取り組むとともに、生活保護の生活扶助基準については社会経済情勢などを踏まえた対応を行います。
 障害者や難病患者の方々が、地域や職場において、本人の希望に応じて、その方らしく暮らし、働くことができるよう、昨年施行された障害者総合支援法等改正法の取組を着実に進めます。また、障害者の方々の雇用機会の拡大とその能力を発揮していただくための雇用の質の向上を図ります。
 第四次自殺総合対策大綱の下で、どなたも自殺に追い込まれることのない社会の実現に向け、関係省庁と連携し、SNSを活用した相談体制の拡充など、自殺対策を強化します。
 さらに、昨年末閣議決定された認知症施策推進基本計画にのっとって、認知症になっても希望を持って暮らし続けることができるという新しい認知症観に立ち、認知症施策に関する取組を推進し、共生社会の実現を目指します。
 昨年一月の能登半島地震やその後の大雨など、近年、累次の甚大な災害が全国各地で発生しています。改めまして、お亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。被災された皆様が一日も早く安全、安心な生活を取り戻すことができるよう、雇用対策や必要な医療・福祉サービスの提供、被災者の見守り及び心のケアなどに引き続き全力で取り組んでまいります。また、自然災害から国民生活を守ることができるよう、保健、医療、福祉の連携強化を含む体制や支援の整備に取り組みます。
 厚生労働行政は幅広く、様々な課題がございますが、一つ一つ思いを込めて取り組んでまいりますので、委員長、理事を始め委員の皆様、国民の皆様に一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
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柘植芳文#6
○委員長(柘植芳文君) 次に、令和七年度厚生労働省関係予算について、厚生労働副大臣から説明を聴取いたします。鰐淵厚生労働副大臣。
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鰐淵洋子#7
○副大臣(鰐淵洋子君) 厚生労働副大臣の鰐淵でございます。仁木副大臣、安藤、吉田両政務官とともに福岡大臣を支え、柘植委員長を始め委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りながら、厚生労働行政の推進に邁進してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 令和七年度厚生労働省関係予算案の概要について御説明いたします。
 厚生労働省所管一般会計予算案の総額は三十四兆二千九百四億円であり、令和七年度から国土交通省などに移管される経費を除いた令和六年度当初予算額三十三兆八千百八十九億円と比較しますと、四千七百十五億円、一・四%の増加となっています。
 また、厚生労働省所管特別会計予算案については、年金特別会計、労働保険特別会計、子ども・子育て支援特別会計及び東日本大震災復興特別会計にそれぞれ所要額を計上しています。
 以下、令和七年度予算案の重点事項について御説明いたします。
 第一に、全世代型社会保障の実現に向けた保健、医療、介護の構築について、ドラッグラグ、ドラッグロスの解消に向けて、有望シーズの実用化促進、研究開発環境の整備による創薬力の抜本的強化を図るとともに、医薬品などの安定的な供給の実現に取り組みます。
 また、医療、介護におけるDXを推進するほか、地域医療構想、医師偏在対策、かかりつけ医機能などの推進、地域包括ケアシステムの推進、周産期・救急・災害医療体制の充実などの地域医療、介護の基盤強化に向けた施策の推進や、次なる感染症危機に備えた体制強化などに取り組みます。
 さらに、生涯活躍社会の実現に向けた予防、重症化予防の推進、女性の健康づくりや認知症施策の推進などに取り組みます。
 第二に、持続的、構造的な賃上げに向けた三位一体の労働市場改革の推進と多様な人材の活躍促進について、最低賃金や賃金の引上げに向けた中小企業の生産性向上の支援、非正規雇用労働者への支援などに取り組むとともに、リスキリングによる能力向上への支援、成長分野への労働移動の円滑化の推進などに取り組みます。
 また、人手不足分野における人材確保を推進するとともに、障害者や高齢者等の多様な人材の活躍促進、仕事と育児、介護の両立支援、多様な働き方の実現に向けた環境整備、ハラスメント防止対策や女性の活躍促進などに取り組みます。
 第三に、一人一人が生きがいや役割を持つ包摂的な社会の実現について、地域共生社会の実現に向けて、対象者の属性を問わず、包括的に相談を受け止める重層的支援体制の整備、生活困窮者自立支援、障害者支援、困難な問題を抱える女性への切れ目のない支援や自殺対策などを推進します。
 また、戦後八十年という節目を迎える中、戦没者の慰霊、戦没者遺族の援護の推進、持続可能で安心できる年金制度の運営などに取り組みます。
 次に、衆議院予算委員会における予算案に対する修正の概略について御説明いたします。
 厚生労働省所管一般会計予算案において、高額療養費制度の見直しについて、多数回該当の方の自己負担額の見直しをせず、据え置くこととすることにより、五十五億円が増額されています。
 また、厚生労働省所管特別会計予算案については、労働保険特別会計雇用勘定において、社会保険に係る年収の壁による働き控えの解消に向け、賃上げや就業時間の延長等を通じて労働者の収入を増加させる事業主を支援する措置を実施することにより、所要の修正が行われています。
 今後の人口動態や経済社会の変化を見据えた保健、医療、介護の構築や包摂社会を実現するとともに、持続的、構造的な賃上げに向けた三位一体の労働市場改革の推進と多様な人材の活躍促進を通じて、国民一人一人が安心して生涯活躍できる社会の実現のため、厚生労働行政の推進に一層努力してまいりますので、皆様の一層の御理解と御協力をお願いいたします。
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柘植芳文#8
○委員長(柘植芳文君) 以上で所信及び予算の説明の聴取は終わりました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 政府側は御退席いただいて結構でございます。
    ─────────────
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柘植芳文#9
○委員長(柘植芳文君) 次に、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。森本真治君。
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森本真治#10
○森本真治君 委員派遣について御報告申し上げます。
 去る二月十七日及び十八日の二日間、柘植委員長、三浦理事、神谷理事、羽生田理事、秋野理事、田村委員、倉林委員、天畠委員及び私、森本の九名により、広島県における社会保障及び労働問題等に関する実情を調査してまいりました。
 以下、その概要を御報告いたします。
 一日目は、最初に株式会社イズミを訪問し、事業概要、カスタマーハラスメント対策、パートタイム社員の処遇改善及び女性活躍推進の取組等について概況説明を聴取いたしました。同社は、昭和三十六年に設立され、広島市に本社を置き、中国、四国、九州エリアにおいて大型ショッピングセンター、スーパーマーケット等を多数展開しております。同社は、顧客の意見等に真摯にかつ誠実に向き合い対応するとともに、令和六年十二月にイズミグループカスタマーハラスメントに対する方針を策定し、社員の人権及び就業環境を著しく侵害するカスタマーハラスメントに関して、毅然と行動し、組織的に対応しているとのことでした。また、同社は、平成二十六年から、女性活躍を推進していくために「ゆめCanプロジェクト」を推進しており、係長も含む同社の社内基準での女性管理職比率は、プロジェクト開始当初の約七%から約二〇%に上昇し、令和六年度からは、女性活躍推進法の基準に基づき、令和十二年度に女性管理職比率二〇%以上を目標に取組を進めているとのことでした。
 概況説明の後、カスタマーハラスメントの対象範囲について国が実態に即した明確な線引きを行う必要性、労働組合が把握しているカスタマーハラスメントの実態、障害者に対する合理的配慮とカスタマーハラスメント対策との両立の在り方、パートタイム社員の処遇改善及び正社員登用状況、仕事と不妊治療との両立支援策等について意見交換を行いました。
 次に広島平和記念資料館を訪問し、館内を視察するとともに、被爆八十周年記念事業等について概況説明を聴取いたしました。被爆八十周年記念事業では、原爆死没者の慰霊と被爆者の援護のほか、AR、VRを活用した被爆体験継承の新たな取組、若者世代への被爆の実相伝承事業、平和記念式典への在外被爆者及び遺族の招聘、国際シンポジウムの開催等が予定されているとのことでした。
 概況説明の後、VRゴーグルを装着して原爆被害等を疑似体験いたしました。
 次に広島県医師会館を訪問し、広島県高度医療・人材育成拠点構想等について概況説明を聴取するとともに、新病院建設予定地、広島県医師会被爆伝承コーナー及び広島がん高精度放射線治療センターを視察いたしました。同構想では、医師不足、医師偏在、救急医療体制の課題等に対応するため、広島県立広島病院、JR広島病院及び中電病院の三病院を統合すること等により医療資源を集約し、全国トップレベルの高度医療を提供する機能を有する高度医療・人材育成拠点となる千床規模の新病院建設が令和十二年頃を目指して進められているとのことでした。
 概況説明の後、地域における医師配置調整の在り方、新病院における若手医師のキャリアパスのイメージ、新病院建設における広島県と新設予定の地方独立行政法人との役割分担、広島県における医師会のサポート状況、国内の医療機器産業及び医療機関における電子カルテの導入に対する国の支援の必要性等について意見交換を行いました。
 二日目は、最初にマツダ株式会社を訪問し、事業概要、人的資源の育成、リスキリング及び女性活躍推進の取組等について概況説明を聴取いたしました。同社は、大正九年に設立され、広島県府中町に本社を置く世界的自動車メーカーであり、約二万三千人の従業員を抱えています。同社の企業理念である「人の輪を広げる」を実現するために、DXによる業務構造改革と全ての役員、社員が参画する組織風土改革プログラム、BLUEPRINTを両輪に取り組んでいるとのことでした。特に、EV化などの急速な技術革新への対応のため、東京六本木に新拠点、マツダイノベーションスペース東京を新設するなど、技術のある新たな人材のキャリア採用を進めている一方で、リスキリングにも積極的に取り組んでいるとのことでした。また、女性活躍推進の取組では、令和五年度末に七十二名であった女性管理職を令和七年度中に百名に引き上げることを目標としており、開発など女性が少ない部門の女性管理職を少なくとも男女比に応じた数まで引き上げることが課題とのことでした。
 概況説明の後、組織風土改革の持続性確保策及び企業内労働組合が果たす役割、採用段階における多様性確保の在り方、労働移動を前提としたリスキリングを実施しているソフトウェア人材等に対する考え方、女性活躍推進における女性が自身の能力を過小評価してしまうインポスター症候群への対応策、カスタマーハラスメントへの対応策等について意見交換を行いました。
 次に、広島原爆養護ホーム神田山やすらぎ園を訪問し、施設の概要及び運営に係る課題等について概況説明を聴取いたしました。同園は、昭和五十七年に二番目の原爆養護ホームとして入園定員百名の特別養護施設として開設され、被爆者が居宅において養護、介護を受けることが困難な場合、入園して養護、介護を受けるほか、入園されている方々への健康管理を目的とした附属診療所も併設されています。
 概況説明と園内視察の後、建物の老朽化対応の見通し、約二千名の入園待機者の状況、被爆者援護法に基づく国から入園者への支援状況、医療や介護の専門職の配置状況、介護職員の資格取得の促進策等について意見交換を行いました。
 最後に、広島県看護協会を訪問し、同協会の概要、訪問看護ステーションにおける業務効率化の取組等について概況説明を聴取いたしました。同協会では、職員が主体となったICT活用の推進体制の構築と、県内に五か所ある訪問看護ステーション間のICT活用度の格差是正を目標にして業務効率化が行われており、看護業務の効率化先進事例アワード二〇二三において奨励賞を受賞しました。同協会によれば、全職員にiPad貸与とクラウド型電子カルテ導入だけでは成果に直結せず、ICT活用の障害となっている課題を可視化した上で一つ一つ解消するという成果を最大化する丁寧な過程こそが重要であるとのことでした。
 概況説明の後、小規模事業者に対するICT化の必要性、残業時間の大幅削減の具体的要因、電子カルテ運用に対する国からの補助の必要性、訪問看護事業所の特定行為研修修了者の継続教育の在り方、訪問看護と訪問介護の連携の実態等について意見交換を行いました。
 視察先での実情調査の概要は以上でありますが、今回の委員派遣に当たりまして、訪問先の関係者の方々に特段の御配慮をいただきましたことを、この場をお借りして心から御礼を申し上げたいと存じます。
 以上で委員派遣の報告を終わります。
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柘植芳文#11
○委員長(柘植芳文君) ありがとうございました。
 以上で派遣委員の報告を終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時三十三分散会
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