外交・安全保障に関する調査会

2025-04-16 参議院 全19発言

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会議録情報#0
令和七年四月十六日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月二十六日
    辞任         補欠選任
     古庄 玄知君     上野 通子君
     藤井 一博君     比嘉奈津美君
     羽田 次郎君     塩村あやか君
     高良 鉄美君     伊波 洋一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         猪口 邦子君
    理 事
                朝日健太郎君
                越智 俊之君
                吉川ゆうみ君
                高木 真理君
                高橋 光男君
                串田 誠一君
                浜口  誠君
                岩渕  友君
    委 員
                赤松  健君
                生稲 晃子君
                上野 通子君
                こやり隆史君
                永井  学君
                比嘉奈津美君
                松川 るい君
                森 まさこ君
                古賀 之士君
                塩村あやか君
                杉尾 秀哉君
                広田  一君
                塩田 博昭君
                梅村みずほ君
                伊波 洋一君
                齊藤健一郎君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        有安 洋樹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○外交・安全保障に関する調査
 (「21世紀の戦争と平和と解決力~新国際秩序構築~」について)
    ─────────────
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猪口邦子#1
○会長(猪口邦子君) ただいまから外交・安全保障に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、古庄玄知君、藤井一博君、羽田次郎君及び高良鉄美君が委員を辞任され、その補欠として上野通子君、比嘉奈津美君、塩村あやか君及び伊波洋一君が選任されました。
    ─────────────
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猪口邦子#2
○会長(猪口邦子君) 外交・安全保障に関する調査を議題といたします。
 本日は、最終報告書を取りまとめるに当たり、これまでの調査を踏まえ、「21世紀の戦争と平和と解決力~新国際秩序構築~」について委員間の意見交換を行います。
 本日の議事の進め方でございますが、一時間程度をめどに、まず、大会派順に各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
 発言を希望される方は、挙手の上、会長の指名を受けてから御発言いただくようにお願いいたします。
 また、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、委員の発言はお一人五分程度となるように御協力をお願いいたします。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、発言のある方は挙手をお願いいたします。
 朝日健太郎君。
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朝日健太郎#3
○朝日健太郎君 よろしくお願いいたします。気を取り直して。
 自由民主党の朝日健太郎です。
 本調査会は、二〇二二年十月に設置をされました。テーマは、先ほど会長がおっしゃっていただいたとおり、「21世紀の戦争と平和と解決力~新国際秩序構築~」、こちらをテーマに約三年にわたり議論をしてまいりました。
 この間、猪口邦子会長にはリーダーシップを発揮をしていただき、大変貴重な御意見であるとかまた御示唆をいただき、大変充実した調査会であったと私自身感じています。猪口会長に感謝を申し上げるとともに、各委員また事務局の皆さんにも重ねて御礼を申し上げたいと思います。
 それでは、この調査の総括として、幾つか重要な点について意見を申し述べたいと思います。
 今日、国際社会が歴史の大きな転換点にあり、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序が重大な危機にさらされている中、第二次世界大戦後、平和国家としての道のりを歩んできた我が国日本のリベラルな国際秩序の擁護者としての役割は非常に重要なものとなっています。とりわけ、自由と法の支配を擁護するとともに、誰も排除しない、陣営づくりをしない、価値観を押し付けない、多様性、包摂性、開放性を尊重する自由で開かれたインド太平洋構想は、国際社会において共有され、今後の国際秩序における柱となり得る考え方であり、今後もこの考え方に基づいて日本外交を展開していくべきです。
 その際、日米同盟、有志国連携、多国間枠組みという三つの層を有機的に結び付け、それぞれの特徴や強みを生かしつつ、多角的、重層的な外交を展開していくアプローチが重要になります。さらに、多国間枠組みについては複数の枠組みを活用していくことが特定の課題解決を図る上でも有用であると考えます。
 また、多国間枠組みである国連については、特に国際の平和と安全につき主要な責任を負う安保理がウクライナ戦争等において期待される役割を果たしていないなど、その機能不全が指摘されていますが、国際社会における中心的なフォーラムであることに変わりはなく、包摂的平和を実現していくための枠組みとして再活性化を図っていくべきです。
 その際、日本外交の主要な柱である人間の安全保障は、人間を中心に据え、誰一人取り残さないという包摂性ゆえに、異なる価値観や利害を持つ国々を結集していく理念となり得るものです。
 本調査会は、調査において大きな焦点が当てられた核軍縮・不拡散を取り巻く国際環境は一層厳しさを増していますが、そうした状況だからこそ、核兵器のない世界に向けた国際社会の取組を一歩ずつでも着実に進められるよう、唯一の戦争被爆国である、被爆国である日本が地道に粘り強くリードしていくべきです。
 その中で、FMCT、核兵器用核分裂性物質生産禁止条約は、核兵器不拡散条約など国際的な核軍縮・不拡散体制の実効性を高める上でも有用であり、日本は、その早期交渉、早期に交渉開始に向けた取組を進めるとともに、核兵器用分裂性物質の生産モラトリアムの普遍化や透明性の強化など、条約に基づかない非拘束的な措置の整備やその履行を促す取組も同時並行で進めていくべきです。
 また、本調査会では、気候変動が安全保障に及ぼす影響についても調査を行いました。その中で、海面上昇については日本や島嶼国を中心に深刻な影響をもたらすことから、領海基線の維持を可能とする海洋法の解釈を島嶼国が主張し、日本もその立場を支持しています。グローバルサウスの一角を占める島嶼国との協力、連携を通じた関係の深化にも資するとの観点から、日本は、そうした解釈を国際社会で広めていくための外交的な働きかけを行うとともに、国連総会決議を通じた解釈合意の採択など国際社会における合意形成にも取り組んでいくことが有用であると考えます。
 以上で私からの意見表明とさせていただきます。ありがとうございました。
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猪口邦子#4
○会長(猪口邦子君) ありがとうございました。
 それでは、杉尾秀哉君。
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杉尾秀哉#5
○杉尾秀哉君 立憲民主・社民・無所属の杉尾秀哉です。
 本調査会が、「21世紀の戦争と平和と解決力~新国際秩序構築~」というテーマで、猪口邦子会長のリーダーシップの下、三年間にわたって行ってきた調査を締めくくるに当たって、以下、意見を申し述べます。
 まず冒頭、本調査会で細谷参考人が指摘したように、今、国際社会は歴史的な転換点にあり、我々が奉じてきた自由で開かれた安定的な国際秩序は重大な危機にさらされています。
 その象徴がいまだに終わりが見えないウクライナ戦争であり、何よりも、世界の警察官であったはずのアメリカにトランプ氏という全く予測不能な大統領が誕生したことです。第二期トランプ政権は、従来の国際秩序における法の支配や国連などのマルチの枠組み、さらには日本を含む同盟国を中心とした民主主義国間の連携を重視してきた前政権の政策を根底から覆しました。アメリカ・ファーストの名の下に力を信奉し、自国の国益をあからさまな形で前面に押し出す政策で国際社会に大きな混乱を広げています。
 これについて、本調査会の参考人からは、まずウクライナ戦争の停戦交渉について、トランプ構想は被害者と加害者を同等に扱う点で公正さに問題があり、持続可能な平和になるのか不明であること、また、トランプ大統領はロシアの要求を相当のむことで戦争を終わらせようとしており、ウクライナは降伏を強要されている旨の指摘がありました。一方、中東、特にガザ情勢については、トランプ大統領が主張しているガザのリビエラ化は荒唐無稽な主張で国際法上も許されないことや、そもそもアメリカは過去のガザの復旧復興でリーダーシップを取ったことがなく、イスラエルとの関係でガザ支援に後ろ向きであることなどが指摘されています。
 こうした観点に立ちますと、トランプ政権が公平中立な仲介者としてではなく、ロシア寄り、イスラエル寄りの立場から強引に解決を図ろうとしていることは火を見るよりも明らかです。そして、そのことがこの二つの紛争にどのような帰結をもたらすのか、我々は十分に注視する必要があると思います。
 さて、第二次大戦後の国際秩序を振り返れば、国連憲章において紛争の平和的解決と武力行使の禁止が基本原則として定められ、経済的な開放性や政治的互恵性、多国間管理などがその柱とされてきました。こうした言わばリベラルな国際秩序ともいうべきものが、今やロシアからの挑戦のみならず、守護神であったはずのアメリカ自身からも重大な挑戦を受け、大きく動揺しているのが現状でしょう。
 その結果、これからむき出しの暴力そのものが衝突し、軍事大国が自身の主張や正義を中小の国に押し付けるような時代に逆戻りしかねない危機的な状況となっていることを認識した上で、これまで培われてきた国際政治の原則をいかに維持し、強化していくかが問われていると言えるのではないでしょうか。
 また、現在のような不確実性の時代においては、これまで法の支配や人間の安全保障といった考え方を外交の重要な柱として推進してきた日本の役割が一層高まっているということは言うまでもありません。
 これまで日本外交は、ともすればアメリカ一辺倒とも見られてきました。しかし、彼らが内向きになり、独善的な外交を推し進めようとしている今こそ、単なる米国依存ではなく、価値観を同じくする欧州の国々などとの連携強化やアジアを含むグローバルサウス諸国との関係深化を含めたいわゆる全方位外交を展開していくべきと考えます。
 さらには、ウクライナ戦争や中東情勢においても、戦後、ODAなど様々な開発協力の知見を積み重ねてきた日本だからこそ果たせる貢献が重要な意味を持つのは明らかです。
 最後に、去年十月、日本被団協、日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞したことに触れないわけにはいきません。
 今回の受賞の背景には、ウクライナ戦争でロシアが核兵器による威嚇とも取れる言動を繰り返したことで再び想起された核使用の恐怖があります。原爆投下による広島、長崎の惨禍を二度と再び繰り返してはならないという被爆者の皆さんが繰り返した魂の叫びが世界の人々の危機意識の高まりを再び呼び覚ましたと言えるのではないでしょうか。
 今年八月で原爆投下と終戦から八十年となります。こうした危機的な状況であるからこそ、唯一の被爆国である私たち日本が、核兵器禁止条約締約国会議にオブザーバー参加するなど核兵器廃絶に向けた取組を一層進めていくべきであると申し上げて、私からの意見表明といたします。
 御清聴ありがとうございました。
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猪口邦子#6
○会長(猪口邦子君) ありがとうございます。
 それでは、塩田博昭君。
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塩田博昭#7
○塩田博昭君 公明党の塩田博昭でございます。
 本調査会は、「21世紀の戦争と平和と解決力~新国際秩序構築~」をテーマに、世界平和の構築に向けて国連を始めとした多国間枠組みの再生が重要であるとの問題意識の下、調査を行ってまいりました。
 しかしながら、ロシアによるウクライナ侵略を始め、ガザにおける深刻な人道危機を含む中東情勢の不安定化、米国トランプ政権による相互関税といった世界経済に大きな混乱をもたらす動きなどに見られるように、この三年間の動向は私たちが目指してきた方向とは逆の方向へ大きく進んでいます。
 今こうした現実を直視しながら、しかし悲観的になることなく、今後の日本外交、そして国際社会の取組がどうあるべきかという観点から意見を述べたいと思います。
 まず、核廃絶をめぐる情勢について、私たちは、核兵器を二度と使用してはいけないという核のタブーが破られるおそれと、NPT、核兵器不拡散条約を始めとする多国間枠組みや米ロ間の核軍縮・軍備管理条約を基軸とする国際的な核軍縮・不拡散体制が崩壊するおそれという二つの危機に直面をしています。これらの危機を乗り越え、核軍縮・不拡散体制の実効性を高めていくためには、過去の国際合意や共同声明に立ち返り、核保有国と非保有国間の共有認識を改めて確認し、核保有国の歩み寄りを促すことが重要であります。
 そのため、来年開催される第十一回NPT運用検討会議では、核保有国による核の先制不使用や非保有国に対して核攻撃をしないことを保証する消極的安全保証の強化を主な検討議題とすべきであります。
 また、核廃絶に向けた取組において、被爆者の方々の活動が大きな影響力を持ち、唯一の戦争被爆国である日本の行動や発言は、国際社会において重く受け止められております。このことを認識した上で、日本は改めて核兵器禁止条約にオブザーバー参加すべきであります。
 今年三月の締約国会議では、これまでオブザーバー参加していたドイツなどが参加を見送り、欧州全体で核による抑止強化の議論が進んでいます。そうした中で、日本がオブザーバー参加し、同条約に賛成する国と反対する国との間の議論を活性化し、両者の橋渡しを担う意義、必要性はこれまで以上に高まっています。また、同条約が求める核兵器の実験、使用による被害者への援助と汚染地域の環境修復のための国際協力体制の構築については、条約の参加、不参加にかかわらず、知見を持つ日本こそが取組を主導していくべきであります。
 さらに、同条約や対人地雷禁止条約などが成立した背景に市民社会からの大きな声があったことを踏まえれば、軍縮・不拡散を始めとする包摂的平和の実現に向けた取組において、市民社会との連携協力を含む多国間協力の枠組みを推進していくことが重要であると考えます。
 朝鮮半島の緊張、中国の軍事力拡大など、アジアにおける安全保障環境が厳しさを増す中、抑止と対話を両輪とする現実的な平和主義に基づく取組の重要性も一層高まっています。
 そうした観点から、日本は、米国、中国、ロシアを含めた常設的な多国間の安全保障対話の枠組みとして、アジア版OSCEの実現に向けた取組を進めていくべきであります。具体的には、大使級の各国代表が定期的に会合を開き情報交換を行う常設的な枠組みを設けることで、いざというときでも相手の真意を正確に把握し、リスクを低減することで紛争の拡大を予防する仕組みであります。まず、アジア版OSCEの取組から始め、多国間における信頼醸成を制度化していくことは、アジア、ひいては国際社会全体の包摂的平和の実現に資するものであると考えます。
 現下の厳しい情勢の下、これらの取組を一歩ずつ進めていくことが重要であると申し上げ、意見表明とさせていただきます。
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猪口邦子#8
○会長(猪口邦子君) ありがとうございます。
 それでは、串田誠一君。
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串田誠一#9
○串田誠一君 日本維新の会の串田誠一です。
 この度は、猪口会長のおかげで大変すばらしい勉強の機会を与えていただきまして、まずは感謝申し上げたいと思います。
 この調査会は三年ということで、まさにロシアのウクライナ侵攻と同時に時間を経過してきたのかなというふうに思っております。当初は、ロシアの悪と、そしてウクライナの善ということで、善悪がはっきりしていたという印象を持っていたんです。メディアもそんなような形で報道されていたんですが、時間を経過するうちに、これが非常に曖昧になってきてしまい、さらには、ロシアがいつの間にかウクライナの元の領土を取得しているような状況になって、なおかつ、今度はトランプ大統領の失言によって、支援しているからということでレアメタルの確保というようなことも行われてきてしまいました。
 こんなようなことが続くということは、今後こういう紛争が起こることによって、何らかの領土を取得できたり、あるいは資源を取得できたりというようなことが、まあ肯定化されていくような時代になってしまう。本来であれば、大国はこういったようなことの紛争を防止しなければいけないのに、むしろ利益を得られるということで誘発するようなことが起きないだろうか。また、今回は紛争ですけれども、災害における支援をしたからということで、支援をすることに対価を得るような、そんな世界情勢になってはいかないだろうかということが私は大変懸念をしております。さらには、このような、その二国間の、例えばロシアとアメリカの対話に対してこういう世界情勢がつくられることに対し、国連が何らかのブレーキを掛けるというようなことが見られなかったということも大変私は残念なことであります。
 今後同じようなことが起きないとは限らない中で、これを、このような推移を見守った調査会は大変勉強になりましたし、この点を、反省点たくさんあると思いますし、改善点たくさんあると思うので、日本としてこの辺についての主張をしっかりとしていくということを私も願っております。
 どうもありがとうございました。
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猪口邦子#10
○会長(猪口邦子君) ありがとうございました。
 それでは、浜口誠君。
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浜口誠#11
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。
 今国会におきまして、外交・安全保障に関する調査会では、「21世紀の戦争と平和と解決力~新国際秩序構築~」をテーマに、三回にわたりまして高い見識を持たれている参考人の皆さんから御意見と質疑を通じて議論を深めることができたと思っております。御対応いただいた参考人の皆様、そしてこの調査会をリードしていただきました猪口会長、事務局の皆さんに改めて感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 まず、中東ガザの状況に関しましては、一月、イスラエルとハマスの三段階の停戦合意が発効しましたが、その後の延長に向けた協議は行き詰まって、直近ではイスラエル軍はガザ地区への攻撃を再開をしています。大変残念な状況ではありますが、日本は国際社会と連携をして、中東地域において、日本の外交政策の根幹であります法の支配、法に基づく秩序の実現に向けて、粘り強く、諦めることなく取り組んでいくべきと考えております。
 また、軍事分野におけるAIの利用が現実的な課題として一般的な現象になっていることを重く受け止めることが重要です。AIの軍事利用には民間人の附帯被害という人道上の問題も大きくて、自律型致死兵器システム、いわゆるLAWSの規制等、日本政府としても、こうした問題に対して、実態を踏まえた上で今後の安全保障政策や各国との連携にも対応していくべきと考えております。
 また、ウクライナに関しましては、米国のトランプ政権発足に伴い、大きく環境が変化したと感じております。しかしながら、力による現状変更は許さないとの強い理念の下、EU始め国際社会との連携の下、日本も戦争終結に向けて取り組んでいくべきです。ウクライナ戦争によって日本とNATOとの協力関係も深化をしました。NATOとの協力関係強化を東アジアにおけます安全保障、抑止力強化につなげていくことも重要であります。
 また、ロシアの侵略行為はまさに大国による国際法の軽視であり、国際法の役割への不信感を醸成している状況です。日本としては、国際法規則の形成に積極的に参加して、国際社会におけるルールの明確化に向け、リーダーシップを発揮して貢献をしていくべきと考えております。
 最後に、包摂的平和の実現に関しては、参考人の皆さんから、国連憲章第二条第三項、第四項に明確に違反するウクライナ戦争が、第二次世界大戦後の国際秩序の根幹を大きく動揺させて、今後の世界政治を変質させる巨大なインパクトを持つものになるとの、こういった御指摘をしっかりと受け止めるべきだと考えます。
 国際社会の連携に空白が生じている中で、国際間の枠組みを通じた地球規模の課題への対応、多様性、包摂性、開放性を基礎とした国際秩序構想の推進など、日本のリベラルな国際秩序の擁護者としての役割はかつてないほど高まってきていると感じております。こうした認識の下、日本政府には、包摂的な平和の実現に向けて積極的に取り組んでいくこと、このことを強く求めて、意見表明とさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
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猪口邦子#12
○会長(猪口邦子君) ありがとうございます。
 岩渕友君。
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岩渕友#13
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
 「21世紀の戦争と平和と解決力~新国際秩序構築~」をテーマに行ってきた三年目の参考人質疑は、時期、内容共に情勢にかみ合ったものだったと思っています。
 イスラエルのネタニヤフ首相らに逮捕状を出した国際刑事裁判所の職員への制裁を可能にする大統領令にトランプ大統領が署名したのに対し七十九の国と地域が共同声明で非難した直後に行われたのが、中東情勢をめぐる現状と諸課題の参考人質疑、ロシアによるウクライナ侵略から三年を前にして行われたのが、ウクライナ戦争をめぐる現状と諸課題の参考人質疑でした。これらの問題に応える形で行われたのが、包摂的平和の実現に向けた課題と方策の参考人質疑だったと思います。
 私は、侵略や攻撃に対し、国連憲章、国際法、国連決議に基づく公正な和平を実現するために日本政府が国際社会と力を合わせてあらゆる努力を行うことが必要であり、それが求められているという立場で質疑を行ってきました。
 これに対して、早稲田大学法学学術院教授の酒井参考人は、国際法というのはよく破られると言われ、実際破られることが多いけれども、実際には国際社会を動かしていくルールはそれほど破られていない、ルールに従って行動していく、ルールに反することだと常に言い続けることが重要、国際法の原則を強調していくことは決して無駄ではないと思うと述べられました。
 また、慶應義塾大学法学部教授の細谷参考人は、日本は国際社会で信頼されているというのはいろいろなところで感じている、国連の中でも何が正しいのかということがよく分からない状況の中で多くの国々が日本の行動を見ているだろう、他の国々と連携しながら、国際社会における法の支配を今後も擁護するために積極的な役割が重要になってくると述べられました。
 東京大学准教授の小泉参考人は、アメリカの政権の気まぐれで、今度は我々がウクライナの立場に立つのかもしれないということを考えると、やはり根本的にどこかの大国に依存した安全保障というものに矛盾があるんじゃないかとこの戦争で強く思うようになったと述べていたことは、トランプ関税が世界を混乱に陥れている今の情勢にも通じるものがあると思います。
 三年間の調査会は、ロシアによるウクライナ侵略と時期が重なり、イスラエルによるガザ攻撃が激化する下で行われてきました。その下で、世界的な連帯が力を発揮し、その中で、平和憲法を持つ日本が対話による外交でこそ力を発揮することが重要だと実感する調査会でもありました。調査会で学んだことを引き続き国会での活動に生かしていきたいというふうに思っています。
 以上で意見表明といたします。
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猪口邦子#14
○会長(猪口邦子君) ありがとうございます。
 それでは、伊波洋一君。
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伊波洋一#15
○伊波洋一君 今回、「21世紀の戦争と平和と解決力」ということで、二三年の二月八日を起点に、この三年間、この外交・安全保障に関する調査会が行われました。
 これは、全体として、国際関係の中での平和のつくり方ということを目指すということだったと思いますが、一番最初の一年目の中で、四十ページの方なんですけど、防衛費の増額の妥当性というようなことをちょうどやったことを覚えているんですけれども、それはなぜかというと、ちょうどその前年の二二年の十二月十六日に、安保三文書と五年間四十三兆円の防衛費という、そういう大変な大軍拡直後の二三年なんですね。
 そういうことがもう三年過ぎまして、いわゆるそれが結果としてどうなっているかというと、まさに日本は今戦争に進んでいると。そのことが、でも、国会の中でもほとんど議論がされていない。
 昨日も外交防衛委員会で言ったんですけれども、今月の、四月の産経新聞の一面に出ていたのが、いわゆる日本が中国軍を攻撃をするという想定での台湾有事というのが設定をされています。こういう問題が目の前にあって、現実に各自衛隊の基地やあるいは沖縄を見るとよく分かるんですけれども、ミサイル基地が造られ、そして、それがいよいよ今年度完成するんです。そして、敵基地攻撃の攻撃ミサイルが各地に配備される。その戦争のやり方も、この間ずっともう奄美や沖縄に来て共同訓練が行われている状況。でも、そういう問題に関して、私たちの調査会やあるいは外交防衛委員会とかで、あるいは国、国会で議論が何もなされないまま防衛費が拡大している現実。このことに対して私はとても違和感を持ちながら、この調査会にも参加をさせていただきました。
 というのは、もう十兆円を超えました。そして、そういう意味では、これから後、二六年、二七年、そして二八年度以降もずっと十兆円を超えていくわけですけれども、五兆円だった防衛費を、あと残りの五兆円何に使っているかというと、全ては戦争準備なんです。私たちの国が今まさに東アジアの中で戦争の準備をしているという現実を実感できないままこのような論議をしてきたこと自体あるんですけれども、私たちのやはり大事なこと、そして、これは現実には、この国を戦場にしていく、沖縄を戦場にしていくという作業が着々と今政府の中で行われています。
 それは、沖縄の先島の住民を全部九州に移すとか、あるいは奄美群島の住民を移すという計画もきちんともう作られつつありますし、そういうことに対して、やはり私たちが本当は、憲法ももう変えられてしまいましたし、そういう意味では、私たちの役割としての、ここで言われてきたこと、法の支配とか、例えば、中国との間では日中共同声明がありますし、それから日中平和友好条約もあります。私たちは台湾を中国の一部として認めています、国としては。それに対して、日米安全保障条約の下で戦争していく流れ、そして、そういうことが今行われようとしているのに、私たちの議論の中にはこれ浮かび上がってこない。
 昨日も言ったんですけれども、二〇〇五年以来、アメリカはもう日本を守らないんです。そのことも合意されているんです。そういうことが現実にありながら、外交防衛委員会でもそうですけれども、この中でも、私たち自身が私たちの国の今の在り方を見詰め切れていない、そういうことを感じながら話をしてきました。でも、やはり事態はもうこれ以上、そのまま行けば、二〇二七年、八年頃には戦争が起こるかもしれないというアメリカの意図がそこにあるので、そのことも含めてやはりしっかり指摘をしておきたいと思います。
 ですけど、私たちはやはり、今ここで議論をした理念、この理念をもう一度日本国として取り戻していく、そのことが今求められているのじゃないか。実際、現実に、この日本の防衛省や、あるいは日本で進んでいる事態と完全に離れた議論をしてしまっている。この調査会もですね、それから外交防衛委員会もそうなんですけれども、その事実を、なぜかというと、安保三文書に対する審議がなかったからなんです、基本的には。全て隠されたまま、今でも隠されたまま動いている。そのことをもう一度問い直さなきゃいけない。
 十月二十七日に総選挙で与党少数になったからいろいろなことが審議されるようになりましたが、閣議決定されたものは昔のままずっと続いています。そのことを問いただす必要があるということを指摘して、私の意見としたいと思います。
 ありがとうございました。
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猪口邦子#16
○会長(猪口邦子君) ありがとうございます。
 では、齊藤健一郎君。
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齊藤健一郎#17
○齊藤健一郎君 NHKから国民を守る党、齊藤健一郎です。
 こちらの方で意見の方を述べさせていただきます。
 現在、国際社会において、武力による現状変更や核による威嚇を伴う国際秩序の動揺がかつてない規模で進行しております。ロシアによるウクライナ侵略、中国の急速な軍拡と覇権主義、そして北朝鮮の弾道ミサイル、核開発など、日本の周囲には三つの核保有国が存在し、いずれも法の支配よりも力による秩序を追求する国家です。
 一方、世界最大の核保有国であり、我が国の同盟国でもあるアメリカ、政権交代によって戦略的方向性に大きな揺らぎが生じております。特に、トランプ大統領の再登場に見られるアメリカ・ファーストの孤立主義的姿勢は、我が国に対する拡大抑止、すなわち核の傘に、信頼性に一定の疑義をもたらしております。このような国際情勢を前に、果たして日本は現状のまま自国の平和と主権、国民の命を守り抜けるのでしょうか。
 戦後、日本は一貫して非核三原則を掲げ、核を持たず、作らず、持ち込ませずとしてまいりました。しかし、今や抑止の信頼性自体が揺らいでおり、核兵器の存在がむしろ戦争を防ぐ手段として現実の国際政治における、機能していることは参考人を始め複数の専門家の指摘にあるとおりであります。
 この観点から、私は、我が国があくまで防衛的かつ最小限の核抑止力を自らの手で保有することについて真剣に議論を始める時期に来ていると考えております。ここで申し上げる核保有とは、決して先制攻撃を行うための攻撃的な核武装ではございません。核による報復可能性を確保することで相手国の先制核攻撃を思いとどまらせる抑止のための核、言わば戦争を未然に防ぐ最後の保険であります。
 参考人が指摘されたように、AI技術や高精度の通常兵器の進展により、非対称な軍事優位が容易に形成される現代において、日本がもはや非核イコール平和の図式だけで国民の安全を守ることは困難です。また、参考人意見にもありましたように、法による秩序が守られない現実において、国家として自衛責任と違法行為の備えは避けて通ることができません。
 このような状況に鑑みれば、我が国が国際法を遵守し、平和国家としての姿勢を堅持しつつ、必要最小限の独自核抑止力を持つことは、むしろ国際社会における責任ある行動の一環であると考えます。
 もちろん、こうした議論は国民の間に深い議論と理解を要するものであり、拙速な結論を求めるものではありません。しかし、非核三原則の再評価、抑止力の多角的自主防衛能力の確保については、未来世代に対する責任として私たちが正面から向き合わなければならない国家的課題であります。
 以上の観点から、私は、今後、政府において、防衛的核保有の可能性を含む安全保障政策の全面的見直しと国民的議論の喚起を強く求めるものであり、さらに一方では、私は単に力による平和だけを主張するつもりはありません。ガザにおける人道危機や難民問題に見られるように、人間の安全保障という視点も極めて重要です。戦争や暴力の犠牲となるのは常に一般市民であり、日本は、中東支援においても、包摂的な平和の実現に向けての法の支配、人道支援、復興支援における具体的な貢献を果たすべきであります。つまり、現実的な安全保障と理想としての人間の尊厳を守る努力、この両輪をもって外交、防衛に取り組むべきだというのが私の立場です。
 戦争を防ぐため必要な抑止力は何か、暴力の被害者を救うために私たちは何をなすべきか、この二つを決して切り離すことなく、国家としての備えと責任を果たしていくことが令和の時代における新たな日本の安全保障の姿だと確信しておりますと意見を述べさせていただきます。
 以上です。ありがとうございました。
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猪口邦子#18
○会長(猪口邦子君) ありがとうございました。
 以上で各会派の一巡目の発言は終了いたしました。
 他に発言のある方は挙手をお願いいたします。
 他に御発言はございませんか。──他に御発言もなければ、委員間の意見交換はこの程度といたします。
 各委員におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。
 本日伺いました御意見も踏まえ、各理事とも協議の上、最終報告書を作成してまいりたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時三十六分散会
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