農林水産委員会
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会
会議録情報#0
令和八年六月二十三日(火曜日)
午後一時開会
─────────────
委員の異動
六月二十二日
辞任 補欠選任
徳永 エリ君 三上 えり君
竹谷とし子君 原田大二郎君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 藤木 眞也君
理 事
朝日健太郎君
上月 良祐君
東野 秀樹君
石垣のりこ君
かごしま彰宏君
委 員
井上 義行君
江島 潔君
進藤金日子君
野村 哲郎君
山下 雄平君
山本 啓介君
田名部匡代君
三上 えり君
横沢 高徳君
舟山 康江君
高橋 光男君
原田大二郎君
佐々木りえ君
杉本 純子君
岩渕 友君
事務局側
常任委員会専門
員 西村 尚敏君
参考人
日本大学法学部
教授 西川 邦夫君
農民運動全国連
合会会長 長谷川敏郎君
新潟食料農業大
学名誉教授 武本 俊彦君
─────────────
本日の会議に付した案件
○主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第四八号)(衆議院送付)
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この発言だけを見る →午後一時開会
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委員の異動
六月二十二日
辞任 補欠選任
徳永 エリ君 三上 えり君
竹谷とし子君 原田大二郎君
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出席者は左のとおり。
委員長 藤木 眞也君
理 事
朝日健太郎君
上月 良祐君
東野 秀樹君
石垣のりこ君
かごしま彰宏君
委 員
井上 義行君
江島 潔君
進藤金日子君
野村 哲郎君
山下 雄平君
山本 啓介君
田名部匡代君
三上 えり君
横沢 高徳君
舟山 康江君
高橋 光男君
原田大二郎君
佐々木りえ君
杉本 純子君
岩渕 友君
事務局側
常任委員会専門
員 西村 尚敏君
参考人
日本大学法学部
教授 西川 邦夫君
農民運動全国連
合会会長 長谷川敏郎君
新潟食料農業大
学名誉教授 武本 俊彦君
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本日の会議に付した案件
○主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第四八号)(衆議院送付)
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藤
藤木眞也#1
○委員長(藤木眞也君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、徳永エリさん及び竹谷とし子さんが委員を辞任され、その補欠として三上えりさん及び原田大二郎君が選任されました。
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この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、徳永エリさん及び竹谷とし子さんが委員を辞任され、その補欠として三上えりさん及び原田大二郎君が選任されました。
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藤
藤木眞也#2
○委員長(藤木眞也君) 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいております参考人は、日本大学法学部教授西川邦夫君、農民運動全国連合会会長長谷川敏郎君及び新潟食料農業大学名誉教授武本俊彦君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、西川参考人、長谷川参考人、武本参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず西川参考人からお願いいたします。西川参考人。
この発言だけを見る →本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいております参考人は、日本大学法学部教授西川邦夫君、農民運動全国連合会会長長谷川敏郎君及び新潟食料農業大学名誉教授武本俊彦君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、西川参考人、長谷川参考人、武本参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず西川参考人からお願いいたします。西川参考人。
西
西川邦夫#3
○参考人(西川邦夫君) 日本大学法学部の西川と申します。
本日は、参議院農林水産委員会でこのような発言をさせていただく場をいただきまして、誠にありがとうございます。
私の方からは、専門家の立場というふうなことで、食糧法改正案に対する意見を十五分程度述べさせていただきたいと思います。お手元にあります資料に沿って発言をさせていただきます。
まず、一枚めくっていただきまして、食糧法改正案を評価する視角というふうなことで、二点ほど私の見方というふうなことで申し上げさせていただきたいと思います。
一点目に、二〇二六年特別国会に提出されました本改正案は、食糧法の抜本的な改正案になっているというふうなこと、そして二つ目に、食糧法の改正は、二〇二四年の食料・農業・農村基本法の改正から続く農政改革の一環として捉えるべきであることということでございます。もちろん、直近の令和の米騒動がこの後押しをしたということはあるかとは思いますが、より長期的なスパンに立って本改正案を評価する必要があるのではないかというふうに考えております。
次のページをめくっていただきまして、先生方も御承知のとおりかと存じますが、食糧法の改正案、三本の柱というふうなことになっております。
一つ目が、生産調整の規定が削除されるというふうなことでございます。これまで需要の減少を前提としてきた生産調整政策が法律からなくなるというふうなことでございます。
それから二つ目に、民間備蓄が創設されるということ、こちらは政府備蓄の補完として設けられるというふうに認識しております。
そして三つ目に、流通実態の把握が強化されるというふうなことでございまして、例えば、届出事業者を加工、中食、外食まで拡大するとともに、定期報告を義務化しているところでございます。
以上二つの点につきましては、流通過程の透明化と及び機能強化によって需給調整の円滑化を図る措置であるというふうに認識をしているところでございます。
次のページ見ていただきますと、食糧法の一九九四年の制定から二回の改正につきまして整理をしてございます。
一九九四年の食糧法の制定におきましては、まず生産調整が法定化されたということ、そして流通の方に目を向けますと、小売段階を中心として流通規制が大幅に緩和されたと、米の取扱業者は許可制から登録制へと移行したということでございます。
次の抜本的な改正ということで、二〇〇三年、米政策改革を受けた改正でございます。こちらでは、生産調整の詳細が規定されますとともに、流通面におきましては計画流通制度が廃止され、取扱業者は登録制から届出制へと移行しております。この時点で流通規制はほぼ自由化されたというふうに認識をしております。
そして、今回、二〇二六年、こちらは食料・農業・農村基本法の改正を受けたものでございますが、生産調整の規定が一九九四年以降続いていたものが削除されるとともに、流通実態の把握が強化される措置がとられたというふうに認識をしているところでございます。
次のページ見ていただきますと、今回の改正案によって生産調整をめぐる規定がどのように変化したかということを示しております。現行第二条から第七条、さらに第九条まで生産調整の規定、関連規定が設けられてございますけれども、それが今回の改正案におきましては全て削除されるということ、そして、その代わりに第一条と第五条におきまして需要に応じた生産についての規定が挿入されるというふうなことになってございます。
次のページを見ていただきたいんですけれども、このように、改正食糧法、非常に抜本的な改正がされているわけでございますが、こちらの改正は、それ単独で捉えるだけではなくて、二〇二七年度以降に予定されております水田政策の見直しとセットで考える必要があるというふうに考えているところでございます。
こちらの水田政策の見直しでございますが、これはあくまで私の知る限りではございますが、初めて政府の文書に現れたのは二〇二三年十二月、食料・農業・農村基本法の改正の議論がされておりましたときに、食料安定供給・農林水産業基盤強化本部の文書において以下のように表記されたというふうに認識をしています。読みますと、各産地の意向を踏まえ、水田におけるブロックローテーションや畑地化の取組を集中的に推進する(九年度まで)、その後に、将来にわたって安定運営できる水田政策の確立、基本計画見直しのタイミングで議論というふうに書かれているところでございます。
以上のように、水田政策の見直しにおきましても、基本的には基本法改正の議論を継続する形で行われているというふうなことになっております。
こちらの水田政策につきましては、まだ詳細が固まっているわけではございませんが、これまで発表されております政府文書等を読みますと、田と畑を分けずに品目別に交付金が支払われるということで、その文字をそのまま読みますと、主食用米の作付けに左右されずに、各品目の生産性上昇を支援するものであるというふうに考えられるわけでございます。そのために数量払いを導入するということでございます。
また、業務用米への支援も行うというふうなことで、米に対する政策支援の領域というものが、これまでの非主食用米だけではなくて、我々が食べるお米にまで支援の対象が拡大するというふうに認識しているところでございます。
以上、条文の改正等、制度改正等について申し上げてまいりましたが、以上の状況を、今回の二〇二六年の食糧法改正がどういった環境にあるのかというふうなことをもう少し掘り下げて見ていきたいと思います。
これは、米政策を全体のパッケージとして捉えたときに今回の改正がどのように位置付くかというふうなことでございますが、まず二〇一八年に生産数量目標が再度配分が廃止されたというふうなことになっております。そして、今年、二〇二六年に改正食糧法によって生産調整の規定が削除されるかもしれないということ、そして来年、二七年に水田政策が見直されるというふうなことでございます。
政府による配分、それから法的な担保、そして財政措置の三点を見直すことで、水田政策は、これまで需要の減少に応じて生産を減らしてきた、生産調整をしてきた政策から、生産性の向上を目指す体系へと再編される、改革されるというふうに認識をしているところでございます。
一方で、流通の方を見ますと、二〇二五年に食料システム法が制定されたと、こちらで流通過程の適正化というふうなことが目指されております。さらに、今回の改正、食糧法の改正案におきましては、民間備蓄制度が創設され、二〇二八年より実施されるというふうになっております。
以上のことから、需給調整におきましては、これまでの生産段階、生産調整中心のものから収穫後の事後的な流通調整へと比重がやや移っていくというふうに認識しております。以上のことは、これまで需給調整というのが主に生産段階における措置によって行われてきたものが、流通業者の方々にもそういった需給調整の社会的な責任を共有することが求められているというふうに認識しているところでございます。
続きまして、二〇〇三年の法改正との比較をしていきたいと思います。
実は、様々な識者の中には、二〇〇三年の法改正も生産調整措置の廃止を目指したものであったというふうな、そのような意見がございます。ただ、そのときは二〇〇七年に再度生産調整が強化されるというふうなこともあったわけでございますが、その二〇〇三年と今回二〇二六年の違いということで、まず一点目に、食料・農業・農村基本法の改正により、食料安全保障の確保が農政における最上位の目的になったというふうな点が挙げられます。基本法の第一条の目的規定に食料安全保障の確保が明記されてございます。
それから二点目に、生産基盤の脆弱化が二〇二六年は二〇〇三年よりもより進んでおります。生産を抑制する措置を緩和する必要があるということでございます。
そして三点目、WTOドーハ・ラウンドが停滞をしているということでございます。二〇〇三年はドーハ・ラウンドの交渉がかなり佳境に入っていた時期でございまして、なかなか生産刺激的な政策を取りにくかったわけでございますが、二〇二六年は、これは幸か不幸か分かりませんが、ドーハ・ラウンドが停滞しているということもあって、実際にやはり政策の幅が広がったんだろうというふうに考えているところでございます。
そして最後、四点目に、デフレ経済からインフレ経済に転換したというふうなことで、価格転嫁に対する消費者の理解が以前に比べたらやはり得やすくなったのであろうというふうに考えている、こういったところが、今回の改正法が二〇〇三年とは環境が異なる点であるというふうに認識しているところでございます。
以上を踏まえまして、食糧法改正案につきまして私の方から四点ほどコメントをさせていただきたいというふうに考えてございます。
まず一点目に、今回の食糧法の改正案の内容につきましては、まず、令和の米騒動を受けた短期的な対応といたしましても、また日本の米産業の生産性向上を目指しました長期的な対応といたしましても、おおむね妥当と言えるのではないかというふうに考えているところでございます。
そして二点目、今回の食糧法改正案には民間備蓄が新たに設けられることになっております。民間備蓄の発動につきましては、農林水産大臣がそちらの発動を決定するというふうになっているかと存じますが、一方で、じゃ、いつ発動するかというふうな点につきましては、やはり現場の流通業者との緊密な情報の交換というものは欠かせないというふうに思っております。ですので、現在も既に行われているところではございますが、政府と流通業者との間で日常的に密接な意思疎通が今後も図られていく必要があるというふうに認識しているところでございます。
そして、三点目でございます。
先ほども申しましたように、今回の改正案におきましては、需要に応じた生産が新たに法律に明記をされたことでございます。こちらを、需要に応じた生産が何を意味しているのかというふうなことを、議論を深めていく必要があると思っております。
生産調整というのは、かなり具体的な政策措置として規定されていたわけでございますけれども、需要に応じた生産は、どちらかというとまだ理念の表明にとどまっているところでございます。これをどういうふうに具体的な政策にしていくのか、またどういうふうにその理念を肉付けしていくのかという点を、是非国会でも議論を深めていっていただければというふうに考えているところでございます。
そして、最後でございます。
また、今回の食糧法の改正案には、政府の責務といたしまして、新たな需要の開拓というものが求められて、需要の開拓が記載されてございます。こちらを、新たな需要の開拓を具体的にどのように構想するのかという点も非常に重要な点になってくるかとございます。
需要の開拓は、原則として、この自由主義経済の中では民間の役割でございます。それをあえてこの法律案に政府の責務として明記するのであるなら、それは、政府には、民間にはできないことを是非、需要の開拓の手法としてやっていただきたいと考えております。
例えばの例で挙げますと、例えば国際的な貿易交渉、これはやはり民間ベースではなかなか難しいところでございます。また、知的財産権の保護の仕組みを整備するという点も、これもなかなか民間レベルではできないところでございます。今後、日本の米産業が海外の需要に対応していく中で、そういった点に是非力を注いでいっていただければというふうに考えているところでございます。
私からの意見は以上でございます。どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →本日は、参議院農林水産委員会でこのような発言をさせていただく場をいただきまして、誠にありがとうございます。
私の方からは、専門家の立場というふうなことで、食糧法改正案に対する意見を十五分程度述べさせていただきたいと思います。お手元にあります資料に沿って発言をさせていただきます。
まず、一枚めくっていただきまして、食糧法改正案を評価する視角というふうなことで、二点ほど私の見方というふうなことで申し上げさせていただきたいと思います。
一点目に、二〇二六年特別国会に提出されました本改正案は、食糧法の抜本的な改正案になっているというふうなこと、そして二つ目に、食糧法の改正は、二〇二四年の食料・農業・農村基本法の改正から続く農政改革の一環として捉えるべきであることということでございます。もちろん、直近の令和の米騒動がこの後押しをしたということはあるかとは思いますが、より長期的なスパンに立って本改正案を評価する必要があるのではないかというふうに考えております。
次のページをめくっていただきまして、先生方も御承知のとおりかと存じますが、食糧法の改正案、三本の柱というふうなことになっております。
一つ目が、生産調整の規定が削除されるというふうなことでございます。これまで需要の減少を前提としてきた生産調整政策が法律からなくなるというふうなことでございます。
それから二つ目に、民間備蓄が創設されるということ、こちらは政府備蓄の補完として設けられるというふうに認識しております。
そして三つ目に、流通実態の把握が強化されるというふうなことでございまして、例えば、届出事業者を加工、中食、外食まで拡大するとともに、定期報告を義務化しているところでございます。
以上二つの点につきましては、流通過程の透明化と及び機能強化によって需給調整の円滑化を図る措置であるというふうに認識をしているところでございます。
次のページ見ていただきますと、食糧法の一九九四年の制定から二回の改正につきまして整理をしてございます。
一九九四年の食糧法の制定におきましては、まず生産調整が法定化されたということ、そして流通の方に目を向けますと、小売段階を中心として流通規制が大幅に緩和されたと、米の取扱業者は許可制から登録制へと移行したということでございます。
次の抜本的な改正ということで、二〇〇三年、米政策改革を受けた改正でございます。こちらでは、生産調整の詳細が規定されますとともに、流通面におきましては計画流通制度が廃止され、取扱業者は登録制から届出制へと移行しております。この時点で流通規制はほぼ自由化されたというふうに認識をしております。
そして、今回、二〇二六年、こちらは食料・農業・農村基本法の改正を受けたものでございますが、生産調整の規定が一九九四年以降続いていたものが削除されるとともに、流通実態の把握が強化される措置がとられたというふうに認識をしているところでございます。
次のページ見ていただきますと、今回の改正案によって生産調整をめぐる規定がどのように変化したかということを示しております。現行第二条から第七条、さらに第九条まで生産調整の規定、関連規定が設けられてございますけれども、それが今回の改正案におきましては全て削除されるということ、そして、その代わりに第一条と第五条におきまして需要に応じた生産についての規定が挿入されるというふうなことになってございます。
次のページを見ていただきたいんですけれども、このように、改正食糧法、非常に抜本的な改正がされているわけでございますが、こちらの改正は、それ単独で捉えるだけではなくて、二〇二七年度以降に予定されております水田政策の見直しとセットで考える必要があるというふうに考えているところでございます。
こちらの水田政策の見直しでございますが、これはあくまで私の知る限りではございますが、初めて政府の文書に現れたのは二〇二三年十二月、食料・農業・農村基本法の改正の議論がされておりましたときに、食料安定供給・農林水産業基盤強化本部の文書において以下のように表記されたというふうに認識をしています。読みますと、各産地の意向を踏まえ、水田におけるブロックローテーションや畑地化の取組を集中的に推進する(九年度まで)、その後に、将来にわたって安定運営できる水田政策の確立、基本計画見直しのタイミングで議論というふうに書かれているところでございます。
以上のように、水田政策の見直しにおきましても、基本的には基本法改正の議論を継続する形で行われているというふうなことになっております。
こちらの水田政策につきましては、まだ詳細が固まっているわけではございませんが、これまで発表されております政府文書等を読みますと、田と畑を分けずに品目別に交付金が支払われるということで、その文字をそのまま読みますと、主食用米の作付けに左右されずに、各品目の生産性上昇を支援するものであるというふうに考えられるわけでございます。そのために数量払いを導入するということでございます。
また、業務用米への支援も行うというふうなことで、米に対する政策支援の領域というものが、これまでの非主食用米だけではなくて、我々が食べるお米にまで支援の対象が拡大するというふうに認識しているところでございます。
以上、条文の改正等、制度改正等について申し上げてまいりましたが、以上の状況を、今回の二〇二六年の食糧法改正がどういった環境にあるのかというふうなことをもう少し掘り下げて見ていきたいと思います。
これは、米政策を全体のパッケージとして捉えたときに今回の改正がどのように位置付くかというふうなことでございますが、まず二〇一八年に生産数量目標が再度配分が廃止されたというふうなことになっております。そして、今年、二〇二六年に改正食糧法によって生産調整の規定が削除されるかもしれないということ、そして来年、二七年に水田政策が見直されるというふうなことでございます。
政府による配分、それから法的な担保、そして財政措置の三点を見直すことで、水田政策は、これまで需要の減少に応じて生産を減らしてきた、生産調整をしてきた政策から、生産性の向上を目指す体系へと再編される、改革されるというふうに認識をしているところでございます。
一方で、流通の方を見ますと、二〇二五年に食料システム法が制定されたと、こちらで流通過程の適正化というふうなことが目指されております。さらに、今回の改正、食糧法の改正案におきましては、民間備蓄制度が創設され、二〇二八年より実施されるというふうになっております。
以上のことから、需給調整におきましては、これまでの生産段階、生産調整中心のものから収穫後の事後的な流通調整へと比重がやや移っていくというふうに認識しております。以上のことは、これまで需給調整というのが主に生産段階における措置によって行われてきたものが、流通業者の方々にもそういった需給調整の社会的な責任を共有することが求められているというふうに認識しているところでございます。
続きまして、二〇〇三年の法改正との比較をしていきたいと思います。
実は、様々な識者の中には、二〇〇三年の法改正も生産調整措置の廃止を目指したものであったというふうな、そのような意見がございます。ただ、そのときは二〇〇七年に再度生産調整が強化されるというふうなこともあったわけでございますが、その二〇〇三年と今回二〇二六年の違いということで、まず一点目に、食料・農業・農村基本法の改正により、食料安全保障の確保が農政における最上位の目的になったというふうな点が挙げられます。基本法の第一条の目的規定に食料安全保障の確保が明記されてございます。
それから二点目に、生産基盤の脆弱化が二〇二六年は二〇〇三年よりもより進んでおります。生産を抑制する措置を緩和する必要があるということでございます。
そして三点目、WTOドーハ・ラウンドが停滞をしているということでございます。二〇〇三年はドーハ・ラウンドの交渉がかなり佳境に入っていた時期でございまして、なかなか生産刺激的な政策を取りにくかったわけでございますが、二〇二六年は、これは幸か不幸か分かりませんが、ドーハ・ラウンドが停滞しているということもあって、実際にやはり政策の幅が広がったんだろうというふうに考えているところでございます。
そして最後、四点目に、デフレ経済からインフレ経済に転換したというふうなことで、価格転嫁に対する消費者の理解が以前に比べたらやはり得やすくなったのであろうというふうに考えている、こういったところが、今回の改正法が二〇〇三年とは環境が異なる点であるというふうに認識しているところでございます。
以上を踏まえまして、食糧法改正案につきまして私の方から四点ほどコメントをさせていただきたいというふうに考えてございます。
まず一点目に、今回の食糧法の改正案の内容につきましては、まず、令和の米騒動を受けた短期的な対応といたしましても、また日本の米産業の生産性向上を目指しました長期的な対応といたしましても、おおむね妥当と言えるのではないかというふうに考えているところでございます。
そして二点目、今回の食糧法改正案には民間備蓄が新たに設けられることになっております。民間備蓄の発動につきましては、農林水産大臣がそちらの発動を決定するというふうになっているかと存じますが、一方で、じゃ、いつ発動するかというふうな点につきましては、やはり現場の流通業者との緊密な情報の交換というものは欠かせないというふうに思っております。ですので、現在も既に行われているところではございますが、政府と流通業者との間で日常的に密接な意思疎通が今後も図られていく必要があるというふうに認識しているところでございます。
そして、三点目でございます。
先ほども申しましたように、今回の改正案におきましては、需要に応じた生産が新たに法律に明記をされたことでございます。こちらを、需要に応じた生産が何を意味しているのかというふうなことを、議論を深めていく必要があると思っております。
生産調整というのは、かなり具体的な政策措置として規定されていたわけでございますけれども、需要に応じた生産は、どちらかというとまだ理念の表明にとどまっているところでございます。これをどういうふうに具体的な政策にしていくのか、またどういうふうにその理念を肉付けしていくのかという点を、是非国会でも議論を深めていっていただければというふうに考えているところでございます。
そして、最後でございます。
また、今回の食糧法の改正案には、政府の責務といたしまして、新たな需要の開拓というものが求められて、需要の開拓が記載されてございます。こちらを、新たな需要の開拓を具体的にどのように構想するのかという点も非常に重要な点になってくるかとございます。
需要の開拓は、原則として、この自由主義経済の中では民間の役割でございます。それをあえてこの法律案に政府の責務として明記するのであるなら、それは、政府には、民間にはできないことを是非、需要の開拓の手法としてやっていただきたいと考えております。
例えばの例で挙げますと、例えば国際的な貿易交渉、これはやはり民間ベースではなかなか難しいところでございます。また、知的財産権の保護の仕組みを整備するという点も、これもなかなか民間レベルではできないところでございます。今後、日本の米産業が海外の需要に対応していく中で、そういった点に是非力を注いでいっていただければというふうに考えているところでございます。
私からの意見は以上でございます。どうもありがとうございました。
藤
長
長谷川敏郎#5
○参考人(長谷川敏郎君) 農民運動全国連合会会長の長谷川です。発言の機会を与えていただき、ありがとうございます。
私は、島根県邑南町の中山間地で、繁殖和牛二頭、田んぼ一町四反の農家です。資源循環で生態系を活用したアグロエコロジーを目指し、家族で頑張っています。
今回の主要食糧法改正案について意見陳述を行います。
令和の米騒動を総括し、二度と米不足を発生させないために、国の果たすべき役割を再度明確にしていただきたいと思います。というのも、改正の目玉は、政府が米不足の責任を棚上げしたまま、私たち農家に需要に応じた生産を主体的に行えと努力義務を押し付け、国家責任を肩代わりさせようとしているからです。
今、農家が集まれば、米の在庫が過剰らしい、出来秋の米価は暴落だという話ばかりで、不安でいっぱいです。さらに、ホルムズ・ショックによる資材、肥料、農薬、燃油、飼料の高騰に苦しみながら生産を続けています。
米の民間在庫が四月末で二百四十九万トンに達した最大の原因は、二五年に放出した備蓄米五十九万トン分を買戻しせず、去年の二五年産米二十一万トンの買入れをしなかったからです。合計八十万トンを直ちに政府が市場から引き取れば、過剰在庫は解消し、国産米の備蓄、政府備蓄百万トンの復元にもめどが立ち、国民の皆さんは安心できます。政府がつくり出した過剰は、政府の責任で、一日も早く適正在庫にしてください。
ところが、農水省は、五月の二十二日にミニマムアクセス米、一般輸入米の入札を実施し、アメリカ米三万六千トンを落札しました。昨年六月に小泉農相が入札を前倒ししたのに続き、今年は更に一か月前倒しです。我々が作った国産米を買わずに、なぜアメリカの米の輸入を二十万トンも増やしたのか、怒りが農村に広がっています。
令和の米騒動は、需給調整を減反でぎりぎりの生産を行うよう、長年の需要に応じた生産政策の失敗にほかなりません。この反省もなく、需要に応じた生産を法律に明記するのは、恥の上塗りです。
稲作は自然を相手に一年一作であり、天候、災害により、豊作、不作は付き物です。農家が春先に需要見通しに基づく生産目安で作付けしても、出来秋に需要ぴったりの生産になることは元々困難です。高温障害など、近年の気候危機の中では殊更です。
また、需要は特に価格によって大きく変化し、トレンドによる単純な予測では困難なことが改めて明らかになりました。農民連は、コロナパンデミックで二十万トン過剰になり、米価大暴落のとき、何度も政府に買入れを要請しましたが、政府は受け入れず、需要は更に減少するとの見通しを発表し、二一年から二二年にかけて十七万五千ヘクタール相当、九十万トンの減産を求めました。
米不足をつくり出したのは政府です。逆に、農民連は二四年五月、早くから米不足を指摘し、備蓄米の放出を要請しました。九月に農水省前で要請集会も開きました。しかし、新米が出ればとか、米不足はないと、一粒たりとも放出しませんでした。政府が法に定める備蓄の機動的な運営や、米穀の適切な買入れ、輸入及び売渡しを法律どおりに実施しなかった怠慢の結果ではありませんか。法律が悪かったわけではありません。いわんや、農家が需要に応じた生産をしなかったからでもありません。
主要食糧法は、国家が需給と価格の安定に責任を持つと定めています。ところが、需給の安定を図り、及びこれを通じて価格の安定化に変え、需給と価格の安定を分離する、需給が安定すれば結果として価格も安定するだろうという、とんでもない無責任な考えです。
結果としての価格安定論は、どんな価格で安定するのか不明です。国民が買い続けられる価格か、高止まり安定か、それとも農家が生産を続けられない低価格安定か、全く不明です。さらに、スーパーに米が並んでも、貧困と格差の拡大の中で、食べたくても食べられない人々にとっては米不足と同じです。一年で二倍に高騰し、買いたくても買えないという消費者の悲鳴に一番心を痛めているのは私たち農家です。
さらに、できないことは条文に書かないとばかりに、現行法の十一か所ある価格の安定の用語は、ほぼ全て削除されました。鈴木大臣の市場に介入しないという答弁は、主食の需給と価格の安定に失敗した言い逃れです。それなら、去年、小泉農相が価格破壊する、じゃぶじゃぶにすると断言し備蓄米を放出したこと、また、石破前首相が米価五キロ三千円台が望ましいの発言は、価格への関与ではないですか。鈴木大臣は備蓄の放出の判断が遅かったと反省ですが、備蓄米放出そのものの効果や価格への影響については何一つ総括されていません。
米の生産を調整し、需給と供給のバランスを取り、国民生活に混乱をもたらさないよう価格を安定させる、不足なら備蓄米を放出し、過剰なら市場から隔離する。これは国家にしかできない、また、国家がやるべき最低限の仕事ではありませんか。政府は、主食の需給と価格の安定させる責任から逃れることはできません。
そもそも、戦時立法であった食管法がポツダム勅令で廃止されずに生き長らえ、不十分であっても主要食糧法に引き継がれた根本には、憲法二十九条の財産権を抑えてでも米の自由な販売、生産を制限できるのは、食管法が憲法二十五条、生存権規定の具体法として合憲であるとされたからです。
昭和二十三年の最高裁判決は、食管法は、国民食糧の確保及び国民経済の安定を図るため、食糧を管理しその需給及び価格の調整並びに配給の統制を行うことを目的とし、この目的を達成する必要な手段、方法、機構及び組織を定めた法律である、国家経済が、いかなる原因によるを問わず著しく主要食糧の不足を告げる事情にある場合において、もし何らの統制を行わずその獲得を自由取引と自由競争に放任するとすれば、買いあさり、買占め、売惜しみによって漸次主食の偏在、雲隠れを来し、したがってその価格の著しい高騰を招き、ついに大多数の国民は甚だしい主要食糧の窮乏に陥るべきことは、識者を待たずして明らかと述べ、同法は、国民全体の福祉のため、能う限りその生活条件を安定せしめるための法律であって、まさに憲法第二十五条の趣旨に適合する立法としました。
食管法は、一九九五年、WTO協定で米自由化受入れを理由に廃止され、主要食糧法になりましたが、生存権保障のための国家による主食の供給責任は依然として引き継がれています。そのため、現行法には、農家に対する米穀の売渡し命令や米穀の割当てや配給の規定も残っています。農家が命令に従わなければ、一年以下の懲役又は三百万円以下の罰金も定められています。
今回の法改正は、これまでの水田政策の終えんです。世界の食料需給が長期的に逼迫する中、食料自給率向上は喫緊の課題です。そのために、連作障害がなく半永久的に使い続けることが可能な食料生産基盤である水田を活用し、米の増産、自給率の低い大豆、麦、畜産のための飼料等の生産拡大が求められています。しかし、現行法第二条二項の、政府は、水田における稲以外の作物の生産の振興に関する施策その他関連施策との有機的な連携を図りつつ、地域の特性に応じてこれを行うよう努めなければならないという条文を削除します。
鈴木大臣は、第五条四項のその他の関連施策に含まれると強弁しましたが、政府の仕事を米穀の新たな需要創出、輸出拡大、生産性の向上をうたっているだけで、生産を生かした稲以外の作物の生産振興は消えました。この削除により、水田活用の直接支払交付金の予算措置の根拠を失います。この交付金がなくなれば、多くの農業者は米以外の作物を作っても採算が合わず、耕作を放棄せざるを得ません。大規模経営ほどこの交付金に依存し、経営は深刻になります。私のような小さな農家でも、牛二頭のために牧草のイタリアンを一・五反作っていますが、飼料作物支援として一反三万五千円の交付金があり、飼料高騰の中、大変助かっています。
また、地方公共団体や農協の役割は大きく変えられます。地方の特性に応じた農業振興が消えるため、水田フル活用ビジョン、令和三年度からは水田収益力強化ビジョンですが、地域再生協議会への支援も後退します。改正では情報提供するのみです。
島根県は令和二年から生産目安の配分をやめ、私が住んでいる邑南町も、町再生協議会による集落推進委員の会議がなくなり、情報提供のみになりました。その結果、JA担当幹部は個々の農家へほとんど情報が伝わらない状況と語り、それまでほぼ維持していた戸数や作付け筆数がこの五年間で二三%も激減し、受け手のない田が約二割を占めています。昨年、町内の集落営農の解散がマスコミで大きく取り上げられました。町の中心地にも耕作放棄地が出始め、町政座談会では町の責任が問われる事態です。先日、大屋光宏邑南町長と話をすると、これまで集落営農の大規模化、法人化だけで進めてきたが、もう引き受けられない段階に来ている、もっと個人の農業への支援を強めるべきではないかと語っています。
地方自治体や農協の役割を弱めれば、農家の生産意欲を支えてきたシステムが壊れ、崩れ、生産基盤が一気に崩壊します。規模拡大だけで農地を維持することは困難です。大規模農家に農地を集めれば米生産を維持できる段階ではもはやなくなってきています。直近五年間で農家全体の二四%に当たる二十六万の農家が離農しました。今や稲作農家の平均年齢は七十一・一歳、あと五年です。その後、一体誰が日本の米を作るのか。まさに非常事態ではありませんか。今必要なのは、規模の大小にかかわらず、全ての農家が安心して増産できるセーフティーネット対策をつくることだと思います。
昨年、農民連を初め、多様な農業、農民団体が集まり、令和の百姓一揆、トラクターデモを全国二十六都道府県で行いました。百姓一揆の要求は、農家への所得補償です。六生協の提言や、主婦連を初め多くの消費者団体が、農家への直接支払、所得補償で私たちの食料を守ろうと、運動はかつてなく広がっています。今急いで主要食糧法を悪い方向へ改正することを思いとどまり、いま一度、法律どおりにきちんと運用し、さらに農家への所得補償を実現していただくことをお願いして、陳述を終わります。
この発言だけを見る →私は、島根県邑南町の中山間地で、繁殖和牛二頭、田んぼ一町四反の農家です。資源循環で生態系を活用したアグロエコロジーを目指し、家族で頑張っています。
今回の主要食糧法改正案について意見陳述を行います。
令和の米騒動を総括し、二度と米不足を発生させないために、国の果たすべき役割を再度明確にしていただきたいと思います。というのも、改正の目玉は、政府が米不足の責任を棚上げしたまま、私たち農家に需要に応じた生産を主体的に行えと努力義務を押し付け、国家責任を肩代わりさせようとしているからです。
今、農家が集まれば、米の在庫が過剰らしい、出来秋の米価は暴落だという話ばかりで、不安でいっぱいです。さらに、ホルムズ・ショックによる資材、肥料、農薬、燃油、飼料の高騰に苦しみながら生産を続けています。
米の民間在庫が四月末で二百四十九万トンに達した最大の原因は、二五年に放出した備蓄米五十九万トン分を買戻しせず、去年の二五年産米二十一万トンの買入れをしなかったからです。合計八十万トンを直ちに政府が市場から引き取れば、過剰在庫は解消し、国産米の備蓄、政府備蓄百万トンの復元にもめどが立ち、国民の皆さんは安心できます。政府がつくり出した過剰は、政府の責任で、一日も早く適正在庫にしてください。
ところが、農水省は、五月の二十二日にミニマムアクセス米、一般輸入米の入札を実施し、アメリカ米三万六千トンを落札しました。昨年六月に小泉農相が入札を前倒ししたのに続き、今年は更に一か月前倒しです。我々が作った国産米を買わずに、なぜアメリカの米の輸入を二十万トンも増やしたのか、怒りが農村に広がっています。
令和の米騒動は、需給調整を減反でぎりぎりの生産を行うよう、長年の需要に応じた生産政策の失敗にほかなりません。この反省もなく、需要に応じた生産を法律に明記するのは、恥の上塗りです。
稲作は自然を相手に一年一作であり、天候、災害により、豊作、不作は付き物です。農家が春先に需要見通しに基づく生産目安で作付けしても、出来秋に需要ぴったりの生産になることは元々困難です。高温障害など、近年の気候危機の中では殊更です。
また、需要は特に価格によって大きく変化し、トレンドによる単純な予測では困難なことが改めて明らかになりました。農民連は、コロナパンデミックで二十万トン過剰になり、米価大暴落のとき、何度も政府に買入れを要請しましたが、政府は受け入れず、需要は更に減少するとの見通しを発表し、二一年から二二年にかけて十七万五千ヘクタール相当、九十万トンの減産を求めました。
米不足をつくり出したのは政府です。逆に、農民連は二四年五月、早くから米不足を指摘し、備蓄米の放出を要請しました。九月に農水省前で要請集会も開きました。しかし、新米が出ればとか、米不足はないと、一粒たりとも放出しませんでした。政府が法に定める備蓄の機動的な運営や、米穀の適切な買入れ、輸入及び売渡しを法律どおりに実施しなかった怠慢の結果ではありませんか。法律が悪かったわけではありません。いわんや、農家が需要に応じた生産をしなかったからでもありません。
主要食糧法は、国家が需給と価格の安定に責任を持つと定めています。ところが、需給の安定を図り、及びこれを通じて価格の安定化に変え、需給と価格の安定を分離する、需給が安定すれば結果として価格も安定するだろうという、とんでもない無責任な考えです。
結果としての価格安定論は、どんな価格で安定するのか不明です。国民が買い続けられる価格か、高止まり安定か、それとも農家が生産を続けられない低価格安定か、全く不明です。さらに、スーパーに米が並んでも、貧困と格差の拡大の中で、食べたくても食べられない人々にとっては米不足と同じです。一年で二倍に高騰し、買いたくても買えないという消費者の悲鳴に一番心を痛めているのは私たち農家です。
さらに、できないことは条文に書かないとばかりに、現行法の十一か所ある価格の安定の用語は、ほぼ全て削除されました。鈴木大臣の市場に介入しないという答弁は、主食の需給と価格の安定に失敗した言い逃れです。それなら、去年、小泉農相が価格破壊する、じゃぶじゃぶにすると断言し備蓄米を放出したこと、また、石破前首相が米価五キロ三千円台が望ましいの発言は、価格への関与ではないですか。鈴木大臣は備蓄の放出の判断が遅かったと反省ですが、備蓄米放出そのものの効果や価格への影響については何一つ総括されていません。
米の生産を調整し、需給と供給のバランスを取り、国民生活に混乱をもたらさないよう価格を安定させる、不足なら備蓄米を放出し、過剰なら市場から隔離する。これは国家にしかできない、また、国家がやるべき最低限の仕事ではありませんか。政府は、主食の需給と価格の安定させる責任から逃れることはできません。
そもそも、戦時立法であった食管法がポツダム勅令で廃止されずに生き長らえ、不十分であっても主要食糧法に引き継がれた根本には、憲法二十九条の財産権を抑えてでも米の自由な販売、生産を制限できるのは、食管法が憲法二十五条、生存権規定の具体法として合憲であるとされたからです。
昭和二十三年の最高裁判決は、食管法は、国民食糧の確保及び国民経済の安定を図るため、食糧を管理しその需給及び価格の調整並びに配給の統制を行うことを目的とし、この目的を達成する必要な手段、方法、機構及び組織を定めた法律である、国家経済が、いかなる原因によるを問わず著しく主要食糧の不足を告げる事情にある場合において、もし何らの統制を行わずその獲得を自由取引と自由競争に放任するとすれば、買いあさり、買占め、売惜しみによって漸次主食の偏在、雲隠れを来し、したがってその価格の著しい高騰を招き、ついに大多数の国民は甚だしい主要食糧の窮乏に陥るべきことは、識者を待たずして明らかと述べ、同法は、国民全体の福祉のため、能う限りその生活条件を安定せしめるための法律であって、まさに憲法第二十五条の趣旨に適合する立法としました。
食管法は、一九九五年、WTO協定で米自由化受入れを理由に廃止され、主要食糧法になりましたが、生存権保障のための国家による主食の供給責任は依然として引き継がれています。そのため、現行法には、農家に対する米穀の売渡し命令や米穀の割当てや配給の規定も残っています。農家が命令に従わなければ、一年以下の懲役又は三百万円以下の罰金も定められています。
今回の法改正は、これまでの水田政策の終えんです。世界の食料需給が長期的に逼迫する中、食料自給率向上は喫緊の課題です。そのために、連作障害がなく半永久的に使い続けることが可能な食料生産基盤である水田を活用し、米の増産、自給率の低い大豆、麦、畜産のための飼料等の生産拡大が求められています。しかし、現行法第二条二項の、政府は、水田における稲以外の作物の生産の振興に関する施策その他関連施策との有機的な連携を図りつつ、地域の特性に応じてこれを行うよう努めなければならないという条文を削除します。
鈴木大臣は、第五条四項のその他の関連施策に含まれると強弁しましたが、政府の仕事を米穀の新たな需要創出、輸出拡大、生産性の向上をうたっているだけで、生産を生かした稲以外の作物の生産振興は消えました。この削除により、水田活用の直接支払交付金の予算措置の根拠を失います。この交付金がなくなれば、多くの農業者は米以外の作物を作っても採算が合わず、耕作を放棄せざるを得ません。大規模経営ほどこの交付金に依存し、経営は深刻になります。私のような小さな農家でも、牛二頭のために牧草のイタリアンを一・五反作っていますが、飼料作物支援として一反三万五千円の交付金があり、飼料高騰の中、大変助かっています。
また、地方公共団体や農協の役割は大きく変えられます。地方の特性に応じた農業振興が消えるため、水田フル活用ビジョン、令和三年度からは水田収益力強化ビジョンですが、地域再生協議会への支援も後退します。改正では情報提供するのみです。
島根県は令和二年から生産目安の配分をやめ、私が住んでいる邑南町も、町再生協議会による集落推進委員の会議がなくなり、情報提供のみになりました。その結果、JA担当幹部は個々の農家へほとんど情報が伝わらない状況と語り、それまでほぼ維持していた戸数や作付け筆数がこの五年間で二三%も激減し、受け手のない田が約二割を占めています。昨年、町内の集落営農の解散がマスコミで大きく取り上げられました。町の中心地にも耕作放棄地が出始め、町政座談会では町の責任が問われる事態です。先日、大屋光宏邑南町長と話をすると、これまで集落営農の大規模化、法人化だけで進めてきたが、もう引き受けられない段階に来ている、もっと個人の農業への支援を強めるべきではないかと語っています。
地方自治体や農協の役割を弱めれば、農家の生産意欲を支えてきたシステムが壊れ、崩れ、生産基盤が一気に崩壊します。規模拡大だけで農地を維持することは困難です。大規模農家に農地を集めれば米生産を維持できる段階ではもはやなくなってきています。直近五年間で農家全体の二四%に当たる二十六万の農家が離農しました。今や稲作農家の平均年齢は七十一・一歳、あと五年です。その後、一体誰が日本の米を作るのか。まさに非常事態ではありませんか。今必要なのは、規模の大小にかかわらず、全ての農家が安心して増産できるセーフティーネット対策をつくることだと思います。
昨年、農民連を初め、多様な農業、農民団体が集まり、令和の百姓一揆、トラクターデモを全国二十六都道府県で行いました。百姓一揆の要求は、農家への所得補償です。六生協の提言や、主婦連を初め多くの消費者団体が、農家への直接支払、所得補償で私たちの食料を守ろうと、運動はかつてなく広がっています。今急いで主要食糧法を悪い方向へ改正することを思いとどまり、いま一度、法律どおりにきちんと運用し、さらに農家への所得補償を実現していただくことをお願いして、陳述を終わります。
藤
武
武本俊彦#7
○参考人(武本俊彦君) お手元に私のコメントの要旨が行っているかと思います。これに沿って、十五分間という時間でございますので、簡潔に説明していきたいと思います。
二ページ目は、食料システムについてのこれは私の考え方を述べたところでございますので、ちょっと時間があれば触れたいと思います。
三ページ目に入っていただきたいと思いますが、今回の食糧法改正案に対するコメント、主なコメントとしては三点あります。三ページ目は、生産調整関係規定の削除に関する部分であります。四ページ目が、一つは民間備蓄の関係、三番目が目的規定などにおける需給及び価格の安定の改正について、この三点に絞って考え方を申し述べたいと思います。
生産調整関係規定の削除なんですけれども、現行法では、お手元に食糧法の新旧対照表がある方はそれを見ていただくと分かりやすいんですけれども、現行規定というのは、第一章総則、第二章米穀の需給及び価格の安定を図るための措置を置いています。
つまり、需給及び価格の安定を図ることを目的とした法律をどうやって達成するかということについて、主として政府はこういうことをやっていきますよという組立ての法律になっています。だから、第二章に措置という規定を置いて、第一節は基本指針なんですが、第二節以降、的確かつ円滑な流通の確保に関する措置として、第一款に生産調整の規定を置くという形になっているわけです。
事の是非はまずおいて、需給調整あるいは生産調整というのが需給調整にとって非常に強力な措置だということを前提にしてこの法律が組み立てられていることは否めないし、そのとおりなんですね。
この規定を、この構造の法律を改正案はどうするかというと、第二章のうち、適正かつ円滑な流通の確保に関する措置というのを、じゃ、第三節にずらして、第二節を空けて、そこに生産者による需要に応じた生産という第五条を新設、入れます。このやり方は当然あり得るんですが、位置付けが、全体の構造からすると、生産者の需要に応じた生産というのが物すごく強くなって働くということになります。
つまり、需給調整としての生産調整の規定を外して、生産者の需要に応じた生産をするんだということをあえて規定するという趣旨は、法案のその構造からすると、かなり重い規定になってこざるを得ないということを留意する必要があると思います。
そういったようなことを前提に、私の説明ペーパーの方に入っていただきますと、三ページ目です。二の改正案に対する主なコメントの(一)生産調整関係規定の削除についてですが、最初の丸は、米穀の生産調整方針に関する規定を廃止する、これが改正前の第五条から第七条関係であります。これを外すということは、削除するということは、食糧法上は生産調整をやめるということを意味します。もちろん、補助金を使って実態上需給調整をやっているわけでありますから、それは別に法律補助金ではありませんので、政府の政策としては続けるということは許されていることになります。
で、第五条に新設として、生産者の需要に応じた米の生産に努めるものとするというのを一項に置いて、二項、三項というのは、二項は生産者団体の助言だとか指導という形になるし、三項は、地方公共団体のアドバイスを、情報提供という規定を置き、第四項に、ここで政府の役割を規定するという形になります。
冒頭申し上げたように、食糧法の立て付けは、政府が基本的に需給及び価格の安定を図るための措置をどうするんだということを書いていくわけですから、その生産者が需要に応じた生産をするということは、当然書くことは、書き方の問題はあるんだけど、おかしくはないんだけど、それを生産者の責任だけだという形に構成すると、なかなか大変なことが起こるんじゃないか。だから、政府はそのことに対してどういう措置を講ずるんだということを四項に規定する必要があるという構図になってくるわけです。
以上のことを考えると、私はこういうふうに考えざるを得ないんじゃないかと思います。下の方に、ゴシックになりますが、①で生産調整関係規定を廃止することには異存はない、むしろいいことだろうと思います。ただし、気を付けなきゃいけないのは、補助金等によって実態上の生産調整が継続するというようなことは避けるべきではないかと私は思います。
その上で、米穀の生産者は、米穀の生産を行うに当たって、主体的に第二条第一項に規定する見通しその他の情報を踏まえ、需要に応じた生産を行うよう努めるものとするという努力義務規定をここで置くわけですが、この規定の仕方というのは十分に注意する必要があるだろうなと思います。
先ほどから申し上げているように、需給調整を政府の責任でやっていくんだという規定をぼそっと落として、生産者が需要に応じて生産しなさいねという規定を置いちゃうと、ここに書きましたけど、結果的には、地域社会における、五十年間続けていましたから、生産調整は、この同調圧力の下に生産者の創意工夫に根差した取組の芽を潰すことになりかねないのではないかということが危惧されます。なので、第五条第四項の規定を引っ張るためには、米穀の生産者が生産を行うように努めるものとするという何らかの規定を置く必要はあるかと思いますけれども、私から見れば、余計な修飾を全部落として、見え消しにしたところを落とした条文に整理した方がよろしいんではないかなと思います。
その上で、第五条四項の規定の仕方は、輸出だとか需要の拡大だとか、そういうことは必要なんですけれども、多分かなり時間が掛かる話でありまして、需給調整をやめるんだということからすれば、あしたから大変なこと起こっちゃうかもしれないと、そこが多分多くの生産者が危惧しているところだろうと思うんですね。
今の生産構造からすると、気候変動だとか国際情勢の不確実性の中で暴騰、暴落が起こり始めているのではないかなと私は思いますので、そういったことからすると、厳しい情勢の中で生産者があえてリスクを取って生産にいそしむんだということを奨励していくためには、ここに書いたように、予想できない需給、価格の変動による経営への打撃を緩和するような措置を政府はやりますということを天下に公言された方がいいんではないかなと思います。
それから、(二)、四ページ目です。民間備蓄というのが、これは元々存在していないやつを改正法では第五節に節として置くわけです。実は、国家備蓄についての規定はあるんだけれども、節のレベルでは置いていないんです。そういうときに民間備蓄というものを節として置くことの意味が問われるわけです。
私は、令和の米騒動の原因はいろいろあると思いますけれども、米穀の供給が不足する事態に備えて米穀の備蓄の機動的な運営の確保、これは今の食糧法でも規定されている部分なんですね、これができなかったから起こったことだろうなと思うんです。だとすると、今問われるのは、何で機動的な運営ができなかったのかということが問われるし、今後はそういうことが起こらないようにしますよということを政府は法律に書き込む必要があるのではないかと思うわけです。そもそも、機動的な運営の在り方について、今何の規定も条文上は置いていません。だから、少なくとも、その理念はどういうものだとか基本的枠組みはどういうものでやっていくんだということは問われるだろうと思います。
少なくとも、ここのところは、詰めていくと国有財産を処分する話ですから、会計法を始めとして、政府が好き勝手に処分はできない、たががはまっています。だけど、緊急事態のときには米を放出しなければ大変なことが起こるわけですよね。そのために食糧法は備蓄をあえて規定しているわけです。ということを考えると、備蓄を機動的に運営する以上、機動的な売却ができない制約は外すということを検討しなければならなくなってきます。これが法律事項になります。この部分を立てることによって、節というレベルでの数か条が必要になってくるはずです。
それがまずあった上で、それを補完する役割として民間の備蓄というか在庫というか、私は在庫でいいと思いますが、それをどういうふうに運用するんだという規定が出てくるんだろうと。物事の順番としては、国家備蓄をどうするんだということについて政府が法律に書き込むということを言っていかなければならない。そういう趣旨がなければ、行政府に対して備蓄運営の在り方を白紙委任するということになってきますので、立法府としては、その在り方といいましょうか、存在意義を問われることになりかねないということになろうかと思います。
以上のことを考えると、備蓄制度というのは、食糧法の中では国が需給の安定のために市場への介入が認められた手段であって、食糧法の実効性を担保する、言わば伝家の宝刀になっています。令和の米騒動は何かというと、その伝家の宝刀が日常的に予行演習などをしていなかったためにさびついたということにほかならないわけですね。だから、機動的な対応ができなかったことによるものなんだから、民間備蓄の議論をする前に、ここをどうするかということをまず法律で明らかにしなければいけないのではないかと思います。
備蓄制度というのは、そういったことを考える上で、ごめんなさい、丸でいくと四番目ですね、民間在庫というのはそもそもどういうものかということについて議論をしておく必要があります。
投機的な観点から米の買入れに入ってくるような業者を対象にしているわけではないのであって、食糧法では集荷業者とか卸売業者を規定しているわけですよね。彼らは何を期待されているかというと、年間安定的に米を売却していくことによって需給と価格の安定を図る役割を担うという役割だから、法律上ちゃんと規定しているわけです。そういうことを規定しているんだったら、その人たちにちゃんと役割を果たしてくださいということを言うべきであって、何かその人たちがちゃんとしたことをやらないんじゃないかと言わんばかりに民間備蓄の規定を置くのは、甚だおかしいのではないかと。
もし、民間にその能力を期待するならば、政府がここまでやるんだから、それ以上の話は政府はできない部分があるんだということをはっきり言って、その部分を民間にお任せしますという規定の仕方になってくるだろうと。したがって、やっぱり国家備蓄はどうあるかという条文があって、その後に国家では対応し切れない部分のここを民間にお任せしますよという構造にならざるを得ないのではないかと。
私は個人的には、これは、民間の事業者と政府は連携する意味での協定を締結すれば済む問題ではないかなと実は思っています。ここは議論していただければと思います。
三番目、目的規定における需給及び価格の安定の改正なんですけれども、これは、政府は、そこの(三)でいえば、三行目ですかね、こういう理由を言っています。政府は、価格は市場における需給事情に基づき形成されるものであるとして、需給の安定を図ることによって、結果として価格の安定が図られるから、それを明らかにするために、目的規定を含めて関係のあるところを全部変えていきますよという説明をされています。この考え方は、私からすると、ちょっと昔の考え方ではないかなと実は思っています。
今回の令和の米騒動で起こったことは、価格の先行きへの期待が例えば上がるという状態になってくると、需要面では買い急ぎが起こり始めます。早く買っておかなきゃと。供給面では、高くなるんだったら、ちょっと待とうという話になります。したがって、マーケットでは価格がどんどん上がる方向に作用することになっていきます。だから、これをどうするんだという話を政策当局は常に視野に入れて、政策運営、制度を運用していかなければならないわけです。
そう考えたときに、政府が説明するように、需要が安定すれば供給が安定して、供給が安定すれば価格が安定するという一方向的な因果関係で物事を考えるというのはどうかと思いますので、そういうことからすると、需要と供給と価格は双方向的に動き始めているということを前提に置いて政策を構築していかざるを得ない。これは非常に難しい話なんだけれども、少なくともポジションとしてはそういうことを認識した上で法律の目的をつくっていくべきである。とすると、今回の改正案よりは現行規定の需給及び価格の安定の方がはるかに妥当性があると私は思っています。
以上が本改正案に対する私からのコメントであります。ありがとうございました。
この発言だけを見る →二ページ目は、食料システムについてのこれは私の考え方を述べたところでございますので、ちょっと時間があれば触れたいと思います。
三ページ目に入っていただきたいと思いますが、今回の食糧法改正案に対するコメント、主なコメントとしては三点あります。三ページ目は、生産調整関係規定の削除に関する部分であります。四ページ目が、一つは民間備蓄の関係、三番目が目的規定などにおける需給及び価格の安定の改正について、この三点に絞って考え方を申し述べたいと思います。
生産調整関係規定の削除なんですけれども、現行法では、お手元に食糧法の新旧対照表がある方はそれを見ていただくと分かりやすいんですけれども、現行規定というのは、第一章総則、第二章米穀の需給及び価格の安定を図るための措置を置いています。
つまり、需給及び価格の安定を図ることを目的とした法律をどうやって達成するかということについて、主として政府はこういうことをやっていきますよという組立ての法律になっています。だから、第二章に措置という規定を置いて、第一節は基本指針なんですが、第二節以降、的確かつ円滑な流通の確保に関する措置として、第一款に生産調整の規定を置くという形になっているわけです。
事の是非はまずおいて、需給調整あるいは生産調整というのが需給調整にとって非常に強力な措置だということを前提にしてこの法律が組み立てられていることは否めないし、そのとおりなんですね。
この規定を、この構造の法律を改正案はどうするかというと、第二章のうち、適正かつ円滑な流通の確保に関する措置というのを、じゃ、第三節にずらして、第二節を空けて、そこに生産者による需要に応じた生産という第五条を新設、入れます。このやり方は当然あり得るんですが、位置付けが、全体の構造からすると、生産者の需要に応じた生産というのが物すごく強くなって働くということになります。
つまり、需給調整としての生産調整の規定を外して、生産者の需要に応じた生産をするんだということをあえて規定するという趣旨は、法案のその構造からすると、かなり重い規定になってこざるを得ないということを留意する必要があると思います。
そういったようなことを前提に、私の説明ペーパーの方に入っていただきますと、三ページ目です。二の改正案に対する主なコメントの(一)生産調整関係規定の削除についてですが、最初の丸は、米穀の生産調整方針に関する規定を廃止する、これが改正前の第五条から第七条関係であります。これを外すということは、削除するということは、食糧法上は生産調整をやめるということを意味します。もちろん、補助金を使って実態上需給調整をやっているわけでありますから、それは別に法律補助金ではありませんので、政府の政策としては続けるということは許されていることになります。
で、第五条に新設として、生産者の需要に応じた米の生産に努めるものとするというのを一項に置いて、二項、三項というのは、二項は生産者団体の助言だとか指導という形になるし、三項は、地方公共団体のアドバイスを、情報提供という規定を置き、第四項に、ここで政府の役割を規定するという形になります。
冒頭申し上げたように、食糧法の立て付けは、政府が基本的に需給及び価格の安定を図るための措置をどうするんだということを書いていくわけですから、その生産者が需要に応じた生産をするということは、当然書くことは、書き方の問題はあるんだけど、おかしくはないんだけど、それを生産者の責任だけだという形に構成すると、なかなか大変なことが起こるんじゃないか。だから、政府はそのことに対してどういう措置を講ずるんだということを四項に規定する必要があるという構図になってくるわけです。
以上のことを考えると、私はこういうふうに考えざるを得ないんじゃないかと思います。下の方に、ゴシックになりますが、①で生産調整関係規定を廃止することには異存はない、むしろいいことだろうと思います。ただし、気を付けなきゃいけないのは、補助金等によって実態上の生産調整が継続するというようなことは避けるべきではないかと私は思います。
その上で、米穀の生産者は、米穀の生産を行うに当たって、主体的に第二条第一項に規定する見通しその他の情報を踏まえ、需要に応じた生産を行うよう努めるものとするという努力義務規定をここで置くわけですが、この規定の仕方というのは十分に注意する必要があるだろうなと思います。
先ほどから申し上げているように、需給調整を政府の責任でやっていくんだという規定をぼそっと落として、生産者が需要に応じて生産しなさいねという規定を置いちゃうと、ここに書きましたけど、結果的には、地域社会における、五十年間続けていましたから、生産調整は、この同調圧力の下に生産者の創意工夫に根差した取組の芽を潰すことになりかねないのではないかということが危惧されます。なので、第五条第四項の規定を引っ張るためには、米穀の生産者が生産を行うように努めるものとするという何らかの規定を置く必要はあるかと思いますけれども、私から見れば、余計な修飾を全部落として、見え消しにしたところを落とした条文に整理した方がよろしいんではないかなと思います。
その上で、第五条四項の規定の仕方は、輸出だとか需要の拡大だとか、そういうことは必要なんですけれども、多分かなり時間が掛かる話でありまして、需給調整をやめるんだということからすれば、あしたから大変なこと起こっちゃうかもしれないと、そこが多分多くの生産者が危惧しているところだろうと思うんですね。
今の生産構造からすると、気候変動だとか国際情勢の不確実性の中で暴騰、暴落が起こり始めているのではないかなと私は思いますので、そういったことからすると、厳しい情勢の中で生産者があえてリスクを取って生産にいそしむんだということを奨励していくためには、ここに書いたように、予想できない需給、価格の変動による経営への打撃を緩和するような措置を政府はやりますということを天下に公言された方がいいんではないかなと思います。
それから、(二)、四ページ目です。民間備蓄というのが、これは元々存在していないやつを改正法では第五節に節として置くわけです。実は、国家備蓄についての規定はあるんだけれども、節のレベルでは置いていないんです。そういうときに民間備蓄というものを節として置くことの意味が問われるわけです。
私は、令和の米騒動の原因はいろいろあると思いますけれども、米穀の供給が不足する事態に備えて米穀の備蓄の機動的な運営の確保、これは今の食糧法でも規定されている部分なんですね、これができなかったから起こったことだろうなと思うんです。だとすると、今問われるのは、何で機動的な運営ができなかったのかということが問われるし、今後はそういうことが起こらないようにしますよということを政府は法律に書き込む必要があるのではないかと思うわけです。そもそも、機動的な運営の在り方について、今何の規定も条文上は置いていません。だから、少なくとも、その理念はどういうものだとか基本的枠組みはどういうものでやっていくんだということは問われるだろうと思います。
少なくとも、ここのところは、詰めていくと国有財産を処分する話ですから、会計法を始めとして、政府が好き勝手に処分はできない、たががはまっています。だけど、緊急事態のときには米を放出しなければ大変なことが起こるわけですよね。そのために食糧法は備蓄をあえて規定しているわけです。ということを考えると、備蓄を機動的に運営する以上、機動的な売却ができない制約は外すということを検討しなければならなくなってきます。これが法律事項になります。この部分を立てることによって、節というレベルでの数か条が必要になってくるはずです。
それがまずあった上で、それを補完する役割として民間の備蓄というか在庫というか、私は在庫でいいと思いますが、それをどういうふうに運用するんだという規定が出てくるんだろうと。物事の順番としては、国家備蓄をどうするんだということについて政府が法律に書き込むということを言っていかなければならない。そういう趣旨がなければ、行政府に対して備蓄運営の在り方を白紙委任するということになってきますので、立法府としては、その在り方といいましょうか、存在意義を問われることになりかねないということになろうかと思います。
以上のことを考えると、備蓄制度というのは、食糧法の中では国が需給の安定のために市場への介入が認められた手段であって、食糧法の実効性を担保する、言わば伝家の宝刀になっています。令和の米騒動は何かというと、その伝家の宝刀が日常的に予行演習などをしていなかったためにさびついたということにほかならないわけですね。だから、機動的な対応ができなかったことによるものなんだから、民間備蓄の議論をする前に、ここをどうするかということをまず法律で明らかにしなければいけないのではないかと思います。
備蓄制度というのは、そういったことを考える上で、ごめんなさい、丸でいくと四番目ですね、民間在庫というのはそもそもどういうものかということについて議論をしておく必要があります。
投機的な観点から米の買入れに入ってくるような業者を対象にしているわけではないのであって、食糧法では集荷業者とか卸売業者を規定しているわけですよね。彼らは何を期待されているかというと、年間安定的に米を売却していくことによって需給と価格の安定を図る役割を担うという役割だから、法律上ちゃんと規定しているわけです。そういうことを規定しているんだったら、その人たちにちゃんと役割を果たしてくださいということを言うべきであって、何かその人たちがちゃんとしたことをやらないんじゃないかと言わんばかりに民間備蓄の規定を置くのは、甚だおかしいのではないかと。
もし、民間にその能力を期待するならば、政府がここまでやるんだから、それ以上の話は政府はできない部分があるんだということをはっきり言って、その部分を民間にお任せしますという規定の仕方になってくるだろうと。したがって、やっぱり国家備蓄はどうあるかという条文があって、その後に国家では対応し切れない部分のここを民間にお任せしますよという構造にならざるを得ないのではないかと。
私は個人的には、これは、民間の事業者と政府は連携する意味での協定を締結すれば済む問題ではないかなと実は思っています。ここは議論していただければと思います。
三番目、目的規定における需給及び価格の安定の改正なんですけれども、これは、政府は、そこの(三)でいえば、三行目ですかね、こういう理由を言っています。政府は、価格は市場における需給事情に基づき形成されるものであるとして、需給の安定を図ることによって、結果として価格の安定が図られるから、それを明らかにするために、目的規定を含めて関係のあるところを全部変えていきますよという説明をされています。この考え方は、私からすると、ちょっと昔の考え方ではないかなと実は思っています。
今回の令和の米騒動で起こったことは、価格の先行きへの期待が例えば上がるという状態になってくると、需要面では買い急ぎが起こり始めます。早く買っておかなきゃと。供給面では、高くなるんだったら、ちょっと待とうという話になります。したがって、マーケットでは価格がどんどん上がる方向に作用することになっていきます。だから、これをどうするんだという話を政策当局は常に視野に入れて、政策運営、制度を運用していかなければならないわけです。
そう考えたときに、政府が説明するように、需要が安定すれば供給が安定して、供給が安定すれば価格が安定するという一方向的な因果関係で物事を考えるというのはどうかと思いますので、そういうことからすると、需要と供給と価格は双方向的に動き始めているということを前提に置いて政策を構築していかざるを得ない。これは非常に難しい話なんだけれども、少なくともポジションとしてはそういうことを認識した上で法律の目的をつくっていくべきである。とすると、今回の改正案よりは現行規定の需給及び価格の安定の方がはるかに妥当性があると私は思っています。
以上が本改正案に対する私からのコメントであります。ありがとうございました。
藤
藤木眞也#8
○委員長(藤木眞也君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。
井
井上義行#9
○井上義行君 自由民主党の井上義行でございます。
お三方の参考人の皆様、是非、質問をいたしますので、本当に皆さんの貴重な意見をいただきたいというふうに思います。
令和の米騒動においては、非常に価格の急騰とか、あるいは品薄感ということで非常に広がって、国民生活に大きな影響が生じました。検証の中で、多様化する流通実態を十分に把握できなかったこと、そして政策の、今参考人も申し上げた政府備蓄のこの放出に当たって、手続や流通に時間を要して、結果として機動的な対応に課題があったということだと思います。
こうした反省を踏まえて、今回の食糧法改正案については、流通実態の把握強化、民間備蓄制度の創設、さらには需要に応じた生産の明記など、需要、供給の安定化を図る一連の措置が盛り込まれております。政府としても、こうした取組を通じて、結果として価格の安定化を図るという方向性を示しているというふうに思っております。
今回の食糧法改正においては、需要に応じた生産を基本とし、生産者が主体的に経営判断を行う方向性が明確に打ち出されております。その前提として、国が需給見通しを作成し、生産者に情報提供を行うことが極めて重要になると認識しております。
一方で、現行の需給見通しは、作付面積と平年単収、さらには在庫数量などに基づく推計なんですね。どうしても一定のタイムラグや不確実性が存在することは否めません。また、今、気象変動など激甚化や需要構造の変化が進む中で、よりリアルタイムに近い形の需給把握が求められるというふうに考えております。
そこで、参考人にお伺いをしたいと思います。
私は、需要に応じた生産を真に実効あるものにするためには、生産、需要双方の情報の精度を不断に高めていく必要があるというふうに思います。不可欠だと思います。その具体的な方向性について、どのようなお考えでしょうか。
例えば、私は、気象データや生育状況、これをAIや衛星画像の解析等により把握して収量予測の高度化などを図ることや、流通在庫情報を可視化し、株価のチャートのように需給動向をリアルタイムに把握できる仕組みの構築などが考えられます。
こうしたデータを、活用の可能性と課題、そしてさらに制度として整備する点について、現場の実態を踏まえた、皆様方、参考人に、西川先生、長谷川先生、武本先生の順にお答えを願いたいと思います。
この発言だけを見る →お三方の参考人の皆様、是非、質問をいたしますので、本当に皆さんの貴重な意見をいただきたいというふうに思います。
令和の米騒動においては、非常に価格の急騰とか、あるいは品薄感ということで非常に広がって、国民生活に大きな影響が生じました。検証の中で、多様化する流通実態を十分に把握できなかったこと、そして政策の、今参考人も申し上げた政府備蓄のこの放出に当たって、手続や流通に時間を要して、結果として機動的な対応に課題があったということだと思います。
こうした反省を踏まえて、今回の食糧法改正案については、流通実態の把握強化、民間備蓄制度の創設、さらには需要に応じた生産の明記など、需要、供給の安定化を図る一連の措置が盛り込まれております。政府としても、こうした取組を通じて、結果として価格の安定化を図るという方向性を示しているというふうに思っております。
今回の食糧法改正においては、需要に応じた生産を基本とし、生産者が主体的に経営判断を行う方向性が明確に打ち出されております。その前提として、国が需給見通しを作成し、生産者に情報提供を行うことが極めて重要になると認識しております。
一方で、現行の需給見通しは、作付面積と平年単収、さらには在庫数量などに基づく推計なんですね。どうしても一定のタイムラグや不確実性が存在することは否めません。また、今、気象変動など激甚化や需要構造の変化が進む中で、よりリアルタイムに近い形の需給把握が求められるというふうに考えております。
そこで、参考人にお伺いをしたいと思います。
私は、需要に応じた生産を真に実効あるものにするためには、生産、需要双方の情報の精度を不断に高めていく必要があるというふうに思います。不可欠だと思います。その具体的な方向性について、どのようなお考えでしょうか。
例えば、私は、気象データや生育状況、これをAIや衛星画像の解析等により把握して収量予測の高度化などを図ることや、流通在庫情報を可視化し、株価のチャートのように需給動向をリアルタイムに把握できる仕組みの構築などが考えられます。
こうしたデータを、活用の可能性と課題、そしてさらに制度として整備する点について、現場の実態を踏まえた、皆様方、参考人に、西川先生、長谷川先生、武本先生の順にお答えを願いたいと思います。
西
西川邦夫#10
○参考人(西川邦夫君) 御質問、大変ありがとうございました。では、私の方からまず御質問に回答させていただきたいと思います。
まず、井上議員が御提案された例につきましてはいずれも重要であるというふうに私も認識をいたしております。この見通しの精度向上に向けてできることは全てするべきであるというふうに、試みるべきであるというふうに私も考えているところでございます。
その上で、二点ほど申し上げたいと思います。
まず一点目に、やはりその政府統計の信頼性をより高めていくためには、例えば統計部門の職員を拡充していく等の統計部門の拡充という点がやはり重要になってくるかなと思っております。やはり、その政府統計の信頼性を確保した上で、そのデータを基に需給見通しをつくっていくというふうな点が重要になってくるかと思っております。
そして二点目に、より現場に近いところに存在するデータを生産者が利用できる体制を整備していく必要があるというふうに考えております。例えば、生産者ですとか、それから集出荷業者が様々な販売データ等を保有しているわけでございますけれども、そういったものをいかにして生産者が自ら利用できるようにしていくかというふうなことが重要だと思っております。そして、そういったデータを集計、分析をしていくというのはもちろんもう制度だけではございませんで、例えば、そういったサービスを生産者に提供していくような民間のサービスを育成していくと、そういった点も今後は重要になっていくのではないかなというふうに考えております。
私からは以上です。
この発言だけを見る →まず、井上議員が御提案された例につきましてはいずれも重要であるというふうに私も認識をいたしております。この見通しの精度向上に向けてできることは全てするべきであるというふうに、試みるべきであるというふうに私も考えているところでございます。
その上で、二点ほど申し上げたいと思います。
まず一点目に、やはりその政府統計の信頼性をより高めていくためには、例えば統計部門の職員を拡充していく等の統計部門の拡充という点がやはり重要になってくるかなと思っております。やはり、その政府統計の信頼性を確保した上で、そのデータを基に需給見通しをつくっていくというふうな点が重要になってくるかと思っております。
そして二点目に、より現場に近いところに存在するデータを生産者が利用できる体制を整備していく必要があるというふうに考えております。例えば、生産者ですとか、それから集出荷業者が様々な販売データ等を保有しているわけでございますけれども、そういったものをいかにして生産者が自ら利用できるようにしていくかというふうなことが重要だと思っております。そして、そういったデータを集計、分析をしていくというのはもちろんもう制度だけではございませんで、例えば、そういったサービスを生産者に提供していくような民間のサービスを育成していくと、そういった点も今後は重要になっていくのではないかなというふうに考えております。
私からは以上です。
長
長谷川敏郎#11
○参考人(長谷川敏郎君) 井上先生、質問ありがとうございます。
私も、お米の需要並びに供給について正確に把握するためにどうすればいいかというのをAIに聞いてみました。残念ながら無理ですということで。
問題は、私の今日手元に資料をお渡ししています、二ページ、三ページの図ですけれども、政府の需要見通しに応じて農家が生産を減産しても、表紙からいうと三ページですけれども、二〇一三年から二五年までにこれだけのぶれが出るわけです。
そしてまた、幾らその生産状況を人工衛星その他を使って精緻にデータを作っても、問題は、田植して以降には生産が急に増えたりはしません。去年のように、田植が終わってから総理大臣が増産をする、切り替えると言われても、それからは間に合わないんです。そうしたときの責任を政府はどう取っていただくか、どう支えていただくかということが大事だというふうに考えております。
当然、詳しいデータを取ることは当たり前でしょうし、かつて食糧庁があって食糧事務所があって、詳しい調査をしている時代はともかく、今そうした人手は全くないわけですから、ぶれが出てくるのは仕方ないと思いますけれども、そうしたぶれが出ることを前提に農家が安心して生産続けていいよという、そういう制度設計を是非お願いしたいというふうに思います。
この発言だけを見る →私も、お米の需要並びに供給について正確に把握するためにどうすればいいかというのをAIに聞いてみました。残念ながら無理ですということで。
問題は、私の今日手元に資料をお渡ししています、二ページ、三ページの図ですけれども、政府の需要見通しに応じて農家が生産を減産しても、表紙からいうと三ページですけれども、二〇一三年から二五年までにこれだけのぶれが出るわけです。
そしてまた、幾らその生産状況を人工衛星その他を使って精緻にデータを作っても、問題は、田植して以降には生産が急に増えたりはしません。去年のように、田植が終わってから総理大臣が増産をする、切り替えると言われても、それからは間に合わないんです。そうしたときの責任を政府はどう取っていただくか、どう支えていただくかということが大事だというふうに考えております。
当然、詳しいデータを取ることは当たり前でしょうし、かつて食糧庁があって食糧事務所があって、詳しい調査をしている時代はともかく、今そうした人手は全くないわけですから、ぶれが出てくるのは仕方ないと思いますけれども、そうしたぶれが出ることを前提に農家が安心して生産続けていいよという、そういう制度設計を是非お願いしたいというふうに思います。
武
武本俊彦#12
○参考人(武本俊彦君) お二人の参考人の御意見に基本的には異存、異論を差し挟むつもりはありません。
強いて申し上げれば二点あるというか、データの正確性はもちろん必要なんですけど、多分、どこまで行ったって限界があって、確率論的に言えば七割か八割ぐらいのデータしか集まらないと思うわけです、一〇〇%のデータの収集はできないだろうと。
となると、問題は、その集められたデータからどういうふうな関係性があるか、つまり、相関関係ではなくて、求められるのは因果関係なので、因果関係を正確に推計できるかどうかという、そのかなり高度な技術を持った人材を政府が抱えられるかどうか。それ、民間に委ねればいいじゃないかという話なんだけど、コアなところまで民間に委ねて本当にいいのかという問題があるということと、それからもう一つ、政府は政府で、いろいろなある意味で政策判断上のあえて言えばバイアスが掛かってきてしまいます。ですから、そのバイアスを別に否定するわけではありません、それがなければまた困るときもあるわけですけれども。
もう一つは、だからそれをどうやってまさに補完していくか、セカンドオピニオンみたいなものをどう求めるかという話になります。
我が国では財政についてはよく議論をされていますけれども、立法府に長期見通し的な機能を持たせるという議論があるわけでありますから、需要についてもそういうセクションを設けていって、常に政府とはちょっと違う観点から物事を判断するということを考えていかないと、特に昨今のような気候危機だとか世界的な想定外の事態が起こることによって、特に輸入依存度の高い我が国のようなところは食料の不安定性が増してくるということになりますので、そういったようなことも本当は考えるべき時期ではないかなと思っております。
以上です。
この発言だけを見る →強いて申し上げれば二点あるというか、データの正確性はもちろん必要なんですけど、多分、どこまで行ったって限界があって、確率論的に言えば七割か八割ぐらいのデータしか集まらないと思うわけです、一〇〇%のデータの収集はできないだろうと。
となると、問題は、その集められたデータからどういうふうな関係性があるか、つまり、相関関係ではなくて、求められるのは因果関係なので、因果関係を正確に推計できるかどうかという、そのかなり高度な技術を持った人材を政府が抱えられるかどうか。それ、民間に委ねればいいじゃないかという話なんだけど、コアなところまで民間に委ねて本当にいいのかという問題があるということと、それからもう一つ、政府は政府で、いろいろなある意味で政策判断上のあえて言えばバイアスが掛かってきてしまいます。ですから、そのバイアスを別に否定するわけではありません、それがなければまた困るときもあるわけですけれども。
もう一つは、だからそれをどうやってまさに補完していくか、セカンドオピニオンみたいなものをどう求めるかという話になります。
我が国では財政についてはよく議論をされていますけれども、立法府に長期見通し的な機能を持たせるという議論があるわけでありますから、需要についてもそういうセクションを設けていって、常に政府とはちょっと違う観点から物事を判断するということを考えていかないと、特に昨今のような気候危機だとか世界的な想定外の事態が起こることによって、特に輸入依存度の高い我が国のようなところは食料の不安定性が増してくるということになりますので、そういったようなことも本当は考えるべき時期ではないかなと思っております。
以上です。
井
井上義行#13
○井上義行君 本当に、参考人の皆様には本当に貴重な意見、ありがとうございます。
私は、今回の米騒動を国民から見ると、いろんなお米の種類があるということ自体も知らないし、どこに備蓄されているかというのも知らないし、要は、多分情報不足だったというふうに私は思っているんですね。
今回、政府としても、私がデータを作るというのは、もうリアルにカメラとかいろんなところで瞬時にもう分かる時代で、どうしてもお米、農業の場合は少しそれが遅れているというふうに私は見ているんです。やっぱりリアルタイムにそれが分かることによって国民が安心をする。お米があるということが分かれば消費者は余計にお米を買いませんので、そこが今回、非常に、どうなっているかという不安の中で買いまくった。あの例のマスクも、それから石油も、みんな一緒なんですね。ないと思うから、ある、だけど、しっかり見せていくことによってそれが安定に広がっていくというふうに思います。
そこで、この需要に応じた生産とやっぱり生産者の安心、両方がなければならないというふうに思っております。
時間もないものですから、最後に西川先生にお伺いをしたいんですけど、この需要に応じた生産という方向性を実効あるものにして生産者の不安を払拭していくためには、どのようなメッセージ、私は、明確に、そういうお米の量とかあるいは映像とか、そういうことによってしっかり国民に見せていくということが必要だと思いますけれども、先生の見識から、どのようなお考えか、そしてどのような政策が求められるかということをお伺いしたいというふうに思います。
そして、もしお答えできればなんですけど、先ほど言った、国民の中で主食というと一個しかないというふうに思っているので、片や、国は農業の輸出ということでお米を輸出しちゃって、私たちの食べるものないじゃないかというふうに勘違いをしている人もいるんですね。
私は、二〇〇六年の第一次安倍内閣のときに、農業の輸出を、初めて一兆円目標を掲げた人間なんですね。ですから、しっかりお米の、この輸出先のお米と、そして家庭で食べるお米や、あるいは家畜米とか、そういうそれぞれ分かれているということをしっかり伝える必要があると思います。
そこで、用途限定のお米や、生産現場でのどのような作付けとか、あるいは契約、流通を通じて販売されているのかを西川先生から国民に伝えていただきたいというふうに思います。
この発言だけを見る →私は、今回の米騒動を国民から見ると、いろんなお米の種類があるということ自体も知らないし、どこに備蓄されているかというのも知らないし、要は、多分情報不足だったというふうに私は思っているんですね。
今回、政府としても、私がデータを作るというのは、もうリアルにカメラとかいろんなところで瞬時にもう分かる時代で、どうしてもお米、農業の場合は少しそれが遅れているというふうに私は見ているんです。やっぱりリアルタイムにそれが分かることによって国民が安心をする。お米があるということが分かれば消費者は余計にお米を買いませんので、そこが今回、非常に、どうなっているかという不安の中で買いまくった。あの例のマスクも、それから石油も、みんな一緒なんですね。ないと思うから、ある、だけど、しっかり見せていくことによってそれが安定に広がっていくというふうに思います。
そこで、この需要に応じた生産とやっぱり生産者の安心、両方がなければならないというふうに思っております。
時間もないものですから、最後に西川先生にお伺いをしたいんですけど、この需要に応じた生産という方向性を実効あるものにして生産者の不安を払拭していくためには、どのようなメッセージ、私は、明確に、そういうお米の量とかあるいは映像とか、そういうことによってしっかり国民に見せていくということが必要だと思いますけれども、先生の見識から、どのようなお考えか、そしてどのような政策が求められるかということをお伺いしたいというふうに思います。
そして、もしお答えできればなんですけど、先ほど言った、国民の中で主食というと一個しかないというふうに思っているので、片や、国は農業の輸出ということでお米を輸出しちゃって、私たちの食べるものないじゃないかというふうに勘違いをしている人もいるんですね。
私は、二〇〇六年の第一次安倍内閣のときに、農業の輸出を、初めて一兆円目標を掲げた人間なんですね。ですから、しっかりお米の、この輸出先のお米と、そして家庭で食べるお米や、あるいは家畜米とか、そういうそれぞれ分かれているということをしっかり伝える必要があると思います。
そこで、用途限定のお米や、生産現場でのどのような作付けとか、あるいは契約、流通を通じて販売されているのかを西川先生から国民に伝えていただきたいというふうに思います。
西
西川邦夫#14
○参考人(西川邦夫君) 御質問ありがとうございました。
まず、一つ目の御質問でございますけれども、まず、政府に期待する政策、それからメッセージというふうなことでございますが、やはり生産者が安心して生産に取り組むためには、需要が拡大しているんだというふうなことが明らかになるのが一番大きいのじゃないかなというふうに思っております。
その上で、具体的な政策として例えばで申し上げますと、貿易交渉等によって、貿易相手国が設けている米とか米加工品に対する輸入制限の撤廃を働きかけたりとか、それから生産性の上昇というふうな観点でしたら、単位当たり収量を上昇させるために、例えば試験研究機関における新品種の開発ですとか、それから生産現場への普及に対する予算を拡充するというふうなことが考えられるのではないかなというふうに考えております。
そして、二つ目の御質問でございます。
用途限定米穀の現場における作付けの決定についてでございますが、生産者の方では、予想される主食用米の所得と、それから転作交付金込みの用途限定米穀の所得を比較することによってどちらを作付けをするかというふうなことを決めているということでございます。仮に転作助成の単価を所与のものというふうに考えますと、やはり、主食用米の価格水準というのがどちらを作付けるかというのにやはり決定的に影響してくるのであろうというふうに考えております。
昨年度、昨年産で非常に用途限定米穀の生産が減少いたしましたが、基本的には主食用米の価格が大幅に上昇したというふうなところが要因としては大きいのではないかというふうに考えております。
私からは以上です。
この発言だけを見る →まず、一つ目の御質問でございますけれども、まず、政府に期待する政策、それからメッセージというふうなことでございますが、やはり生産者が安心して生産に取り組むためには、需要が拡大しているんだというふうなことが明らかになるのが一番大きいのじゃないかなというふうに思っております。
その上で、具体的な政策として例えばで申し上げますと、貿易交渉等によって、貿易相手国が設けている米とか米加工品に対する輸入制限の撤廃を働きかけたりとか、それから生産性の上昇というふうな観点でしたら、単位当たり収量を上昇させるために、例えば試験研究機関における新品種の開発ですとか、それから生産現場への普及に対する予算を拡充するというふうなことが考えられるのではないかなというふうに考えております。
そして、二つ目の御質問でございます。
用途限定米穀の現場における作付けの決定についてでございますが、生産者の方では、予想される主食用米の所得と、それから転作交付金込みの用途限定米穀の所得を比較することによってどちらを作付けをするかというふうなことを決めているということでございます。仮に転作助成の単価を所与のものというふうに考えますと、やはり、主食用米の価格水準というのがどちらを作付けるかというのにやはり決定的に影響してくるのであろうというふうに考えております。
昨年度、昨年産で非常に用途限定米穀の生産が減少いたしましたが、基本的には主食用米の価格が大幅に上昇したというふうなところが要因としては大きいのではないかというふうに考えております。
私からは以上です。
井
石
石垣のりこ#16
○石垣のりこ君 立憲民主・無所属の石垣でございます。
今日は、三人の参考人の先生方、貴重な御意見、それぞれのお立場からありがとうございました。
まずは、田畑を耕す人がいてこその農政ということもありますので、まさに現場で田畑を耕していらっしゃる長谷川参考人から伺いたいと思います。
長谷川参考人が述べていらっしゃった大規模化、農地集約、非常に頭打ちになっているというお話、先ほど引用もされていらっしゃいましたけれども、先日、六月十六日の日本農業新聞にも掲載されていました。「担い手 農地受け入れ急減」ということで、若干紹介させていただきますと、中小農家が離農などで手放した農地について、大規模農家の受入れ余力が急速に低下していることが東京大学安藤光義教授の分析で分かったと。既存農家の規模拡大だけで農地を維持することは困難で、農家数の維持、増加が欠かせない実態が浮き彫りになったということが報じられております。
こうしたことに関して、長谷川参考人の周辺、御自身も含めて、実感としてどのように捉えていらっしゃるか、まずはお願いいたします。
この発言だけを見る →今日は、三人の参考人の先生方、貴重な御意見、それぞれのお立場からありがとうございました。
まずは、田畑を耕す人がいてこその農政ということもありますので、まさに現場で田畑を耕していらっしゃる長谷川参考人から伺いたいと思います。
長谷川参考人が述べていらっしゃった大規模化、農地集約、非常に頭打ちになっているというお話、先ほど引用もされていらっしゃいましたけれども、先日、六月十六日の日本農業新聞にも掲載されていました。「担い手 農地受け入れ急減」ということで、若干紹介させていただきますと、中小農家が離農などで手放した農地について、大規模農家の受入れ余力が急速に低下していることが東京大学安藤光義教授の分析で分かったと。既存農家の規模拡大だけで農地を維持することは困難で、農家数の維持、増加が欠かせない実態が浮き彫りになったということが報じられております。
こうしたことに関して、長谷川参考人の周辺、御自身も含めて、実感としてどのように捉えていらっしゃるか、まずはお願いいたします。
長
長谷川敏郎#17
○参考人(長谷川敏郎君) 意見陳述でも述べましたが、本当に町の中心地も荒廃農地が増えてくると。かつては、十年、二十年前には、作らない農地が出れば、どこでも大規模農家とか法人が受けてくれる、そういうことがありましたが、今はもう中心地の条件のいいところしかもうできないよという形になってきている。そして、それも含めて今受けられないよという状態になっているということです。
山の中のあれですけれども、それでも中心市街地というのがあるんですけれども、そこの周りの皆さんも、少しずつ、一反、二反作っていた田んぼができないということで大規模農家に頼んでいた。しかし、そこはもう条件が悪いので返された。だから、自分の主食も農地に住んでいても作れない、こういう事態も生まれていると思っています。
この発言だけを見る →山の中のあれですけれども、それでも中心市街地というのがあるんですけれども、そこの周りの皆さんも、少しずつ、一反、二反作っていた田んぼができないということで大規模農家に頼んでいた。しかし、そこはもう条件が悪いので返された。だから、自分の主食も農地に住んでいても作れない、こういう事態も生まれていると思っています。
石
石垣のりこ#18
○石垣のりこ君 ありがとうございます。
その上で、今回の食糧法の改正においては、最終的にやはり農家の皆さんが営農継続が可能な改正であるかどうかということになるんだと私は思っております。そうした意味で、今回の食糧法改正は単独でもちろん審議はされておりますけれども、これ、西川参考人が御指摘されていらっしゃったと思いますが、水田政策の見直しと本来はセットで行っていくべきだと。もちろん、議論は今進んではいるけれども、その全体像、具体的な数字なども明らかにならないうちに、この食糧法の改正だけが先んじて今ここで議論されているということに関してどのような問題点があるのかということを、それぞれの参考人に伺いたいと。まずは西川参考人からお願いいたします。
この発言だけを見る →その上で、今回の食糧法の改正においては、最終的にやはり農家の皆さんが営農継続が可能な改正であるかどうかということになるんだと私は思っております。そうした意味で、今回の食糧法改正は単独でもちろん審議はされておりますけれども、これ、西川参考人が御指摘されていらっしゃったと思いますが、水田政策の見直しと本来はセットで行っていくべきだと。もちろん、議論は今進んではいるけれども、その全体像、具体的な数字なども明らかにならないうちに、この食糧法の改正だけが先んじて今ここで議論されているということに関してどのような問題点があるのかということを、それぞれの参考人に伺いたいと。まずは西川参考人からお願いいたします。
西
西川邦夫#19
○参考人(西川邦夫君) 御質問ありがとうございます。
今の御質問の御趣旨は、改正食糧法の審議と、それから水田政策の見直しですね、そちらを併せて議論するべきではないかというふうな、それに、セットにしない場合どういった問題が起こってくるのかというふうな御趣旨だというふうに思っております。
もちろん、理想といたしましてはそちらをセットで議論するべきだというふうには考えておりますが、ただ一方で、食糧法の方はやはり法律によって規定されているものではございますけれども、その水田政策の見直しの方につきましては、これは法律事項なのかどうかと。先ほど長谷川参考人も、今回の法改正によって水活の根拠がなくなってしまうんじゃないかというふうな御懸念をされておりましたけれども、そこは国会の場で議論することが、その水田政策とセットで議論することができるのかどうかというのはちょっと少し考えていく必要があるかなと。
ですので、なかなかそれによってどういうふうなメリットが発生するのかというのはちょっとお答えすることがやや難しいかなというふうに思っております。
この発言だけを見る →今の御質問の御趣旨は、改正食糧法の審議と、それから水田政策の見直しですね、そちらを併せて議論するべきではないかというふうな、それに、セットにしない場合どういった問題が起こってくるのかというふうな御趣旨だというふうに思っております。
もちろん、理想といたしましてはそちらをセットで議論するべきだというふうには考えておりますが、ただ一方で、食糧法の方はやはり法律によって規定されているものではございますけれども、その水田政策の見直しの方につきましては、これは法律事項なのかどうかと。先ほど長谷川参考人も、今回の法改正によって水活の根拠がなくなってしまうんじゃないかというふうな御懸念をされておりましたけれども、そこは国会の場で議論することが、その水田政策とセットで議論することができるのかどうかというのはちょっと少し考えていく必要があるかなと。
ですので、なかなかそれによってどういうふうなメリットが発生するのかというのはちょっとお答えすることがやや難しいかなというふうに思っております。
長
長谷川敏郎#20
○参考人(長谷川敏郎君) 水田政策と食糧法とセットでという話ですけれども、水田活用支払交付金については予算措置で行われている事業です。ゲタ対策とかナラシ対策は、経営基盤強化法だとか、そうした法律に基づく法定補助でやられている問題です。
そういう意味では、その制度をゲタとかナラシでいろいろ変えていく、単価を変えていく、そういうことは法の審議でされるんでしょうけれども、今政府が、例えば産地交付金で、大豆だとか麦だとか、その飼料作物に対して払っている産地交付金の問題をどうするかというのは、まさに政府の姿勢の問題になってきます。だから、そのことがこの主要食糧法では大きく問われてくるという形で、私はあえて水田活用支払交付金の法的根拠がなくなるのではないかという不安を述べさせていただきました。
この発言だけを見る →そういう意味では、その制度をゲタとかナラシでいろいろ変えていく、単価を変えていく、そういうことは法の審議でされるんでしょうけれども、今政府が、例えば産地交付金で、大豆だとか麦だとか、その飼料作物に対して払っている産地交付金の問題をどうするかというのは、まさに政府の姿勢の問題になってきます。だから、そのことがこの主要食糧法では大きく問われてくるという形で、私はあえて水田活用支払交付金の法的根拠がなくなるのではないかという不安を述べさせていただきました。
武
武本俊彦#21
○参考人(武本俊彦君) 御質問ありがとうございます。
なかなか難しい問題なんですけれども、冒頭申し上げたかと思うんですけれども、食糧法という法律は、基本的には生産者が作った米を生産段階から流通、加工、消費までどうやって円滑に流していくかという、そういう法律なんですね。元々は別に、稲作農家がどうあるべきかという話は、食管法時代から視野には実は入っていない法律なんです。それを入れるべきだというのは立法論として当然あり得るわけだと思うんですけれども、長い間、何十年と、でき上がった米の流通をどうやって円滑に進めるかということで、いろんな意味での蓄積を深めてきた法律ですので、それはそれで整理をするというのは一つの考え方であります。
水活とか水田農業の話は、すぐれてその農業生産の在り方に関する、それを法律で規定するかどうかという話になりますから、根っこは食糧法の話ではなくて、実はその食料・農業・農村基本法の世界に入っていく話だろうと思うんですね。だから、本来ならば、基本法で主食である米について需給調整をした方がいいと思うのか、それとも市場原理で全部任せていくのがいいのかというそもそも論が本当はあってしかるべきだろうと思うんですよ。その上で、経営の安定を図るためにどこまでやっていくんだというのをやるのは食糧法の世界では実はなくて、その基本法の世界でがんがん議論するべきで、理念的な整理をした上で、あとはテクニカルな話としての価格安定法とか経営安定何とか法という形を仕組んでいくというアプローチを取るべきだと。
だから、今回、水田政策についてかなり政府は抜本的に見直しをされるということであるならば、論理的には根っこのその法律制度をどうするんだという議論をまずはやるべきだと思うんですよね。その上で、予算の絡みだとかいろんな絡みがあるから、そこをどうするかというのはその次のステップになるのであって、その理念、思想の話をきちんとやらないと、話が、つまり、今後の日本農業が食糧法のレベルでどうのこうのでは実はなくて、本当に稲作を始めとするその農業者がいなくなっちゃうんじゃないかという危機的状況にあるわけだから、それはもう基本法で議論するのが筋。
そうすると、そのときに必然的に問われるのは、効率的かつ安定的な農業経営が農業構造の大宗を占める望ましい農業構造を目指すというような考え方でいけるかどうか。先ほどおっしゃったような、安藤さんなんかが言っているのは、いや、それはもたないんじゃないかということですね。だから、総力戦でとにかく日本農業を守るというか、存続するようなシステムに変えるべきじゃないかというのを、彼は紳士だからああいう言い方をされているんだろうと思うんですよ。だから、そことの議論なので、一応、食糧法の話で、何でもかんでも食糧法で議論した方がいいということはやらなくてもいいんじゃないかなというのが私の考え方であります。
以上です。
この発言だけを見る →なかなか難しい問題なんですけれども、冒頭申し上げたかと思うんですけれども、食糧法という法律は、基本的には生産者が作った米を生産段階から流通、加工、消費までどうやって円滑に流していくかという、そういう法律なんですね。元々は別に、稲作農家がどうあるべきかという話は、食管法時代から視野には実は入っていない法律なんです。それを入れるべきだというのは立法論として当然あり得るわけだと思うんですけれども、長い間、何十年と、でき上がった米の流通をどうやって円滑に進めるかということで、いろんな意味での蓄積を深めてきた法律ですので、それはそれで整理をするというのは一つの考え方であります。
水活とか水田農業の話は、すぐれてその農業生産の在り方に関する、それを法律で規定するかどうかという話になりますから、根っこは食糧法の話ではなくて、実はその食料・農業・農村基本法の世界に入っていく話だろうと思うんですね。だから、本来ならば、基本法で主食である米について需給調整をした方がいいと思うのか、それとも市場原理で全部任せていくのがいいのかというそもそも論が本当はあってしかるべきだろうと思うんですよ。その上で、経営の安定を図るためにどこまでやっていくんだというのをやるのは食糧法の世界では実はなくて、その基本法の世界でがんがん議論するべきで、理念的な整理をした上で、あとはテクニカルな話としての価格安定法とか経営安定何とか法という形を仕組んでいくというアプローチを取るべきだと。
だから、今回、水田政策についてかなり政府は抜本的に見直しをされるということであるならば、論理的には根っこのその法律制度をどうするんだという議論をまずはやるべきだと思うんですよね。その上で、予算の絡みだとかいろんな絡みがあるから、そこをどうするかというのはその次のステップになるのであって、その理念、思想の話をきちんとやらないと、話が、つまり、今後の日本農業が食糧法のレベルでどうのこうのでは実はなくて、本当に稲作を始めとするその農業者がいなくなっちゃうんじゃないかという危機的状況にあるわけだから、それはもう基本法で議論するのが筋。
そうすると、そのときに必然的に問われるのは、効率的かつ安定的な農業経営が農業構造の大宗を占める望ましい農業構造を目指すというような考え方でいけるかどうか。先ほどおっしゃったような、安藤さんなんかが言っているのは、いや、それはもたないんじゃないかということですね。だから、総力戦でとにかく日本農業を守るというか、存続するようなシステムに変えるべきじゃないかというのを、彼は紳士だからああいう言い方をされているんだろうと思うんですよ。だから、そことの議論なので、一応、食糧法の話で、何でもかんでも食糧法で議論した方がいいということはやらなくてもいいんじゃないかなというのが私の考え方であります。
以上です。
石
石垣のりこ#22
○石垣のりこ君 ありがとうございます。
今御指摘いただいたところ、本当にそのとおりだと思うんですけれども、でも一方で、今回の食糧法の改正の中には、生産者による需要に応じた生産ということが明示されているわけで、どうしてもこの生産者の部分の供給の面の責任ということを考えざるを得ない法の中身になってしまっているわけなんですね。なので、私も、元々の基本法のところの理念と考え方、水田政策の考え方がしっかりしないと、この部分もどんどんぶれていくんだろうなというふうに私自身も考えております。
先ほど武本参考人からは、三者の関係はこの需要、供給、価格という一方方向だけじゃないということと、あわせて、予想できない需給、価格の変動による経営への打撃を緩和するセーフティーネット措置を講じるというような具体的な御指摘もありましたので、多分こういうところと併せて今回の食糧法の改正を考えていかないといけないのだなというふうに改めて思いました。
その上で、西川参考人に伺いたいんですけれども、需要に応じた生産とは生産調整に代わって農林水産省が用いている用語であり、行われている政策の実態は生産調整と変わらないというようなことを「農村と都市をむすぶ」二〇二四年の十一月号で語っていらっしゃるわけですね。生産調整を実施して供給量を絞った上で、流通過程で価格転嫁を行っていくという考え方は、合理的な価格形成の議論の枢要点である、非常に重要な点であると。最終的に、ただ消費者にその価格が受け入れられるかどうかに懸かっているわけで、価格転嫁の実現の可能性、その成否が、消費者の購買力という生産者や流通業者にとってはいかんともし難い部分に委ねられてしまっているのであるというふうに指摘されていらっしゃいます。
この点、需要に応じた生産をすることで、農家、生産者の営農継続可能な収入が得られるかどうかというところのポイントがまさにここにあるのではないかと思いますが、この点に対して御意見をお願いいたします。
この発言だけを見る →今御指摘いただいたところ、本当にそのとおりだと思うんですけれども、でも一方で、今回の食糧法の改正の中には、生産者による需要に応じた生産ということが明示されているわけで、どうしてもこの生産者の部分の供給の面の責任ということを考えざるを得ない法の中身になってしまっているわけなんですね。なので、私も、元々の基本法のところの理念と考え方、水田政策の考え方がしっかりしないと、この部分もどんどんぶれていくんだろうなというふうに私自身も考えております。
先ほど武本参考人からは、三者の関係はこの需要、供給、価格という一方方向だけじゃないということと、あわせて、予想できない需給、価格の変動による経営への打撃を緩和するセーフティーネット措置を講じるというような具体的な御指摘もありましたので、多分こういうところと併せて今回の食糧法の改正を考えていかないといけないのだなというふうに改めて思いました。
その上で、西川参考人に伺いたいんですけれども、需要に応じた生産とは生産調整に代わって農林水産省が用いている用語であり、行われている政策の実態は生産調整と変わらないというようなことを「農村と都市をむすぶ」二〇二四年の十一月号で語っていらっしゃるわけですね。生産調整を実施して供給量を絞った上で、流通過程で価格転嫁を行っていくという考え方は、合理的な価格形成の議論の枢要点である、非常に重要な点であると。最終的に、ただ消費者にその価格が受け入れられるかどうかに懸かっているわけで、価格転嫁の実現の可能性、その成否が、消費者の購買力という生産者や流通業者にとってはいかんともし難い部分に委ねられてしまっているのであるというふうに指摘されていらっしゃいます。
この点、需要に応じた生産をすることで、農家、生産者の営農継続可能な収入が得られるかどうかというところのポイントがまさにここにあるのではないかと思いますが、この点に対して御意見をお願いいたします。
西
西川邦夫#23
○参考人(西川邦夫君) 御質問ありがとうございました。
御指摘のように、価格転嫁が実際に、何といいますか、成功するかというのは、やはり消費者の購買力にかなり大きく依存してくるというふうに考えております。ただ、以前に比べますと、やはりデフレからインフレに転換したというふうなこともありまして、消費者が価格転嫁を、これが積極的に受け入れているかどうかということはおいておいて、受け入れる余地というのは以前に比べたら大きくなっているのかなというふうに考えております。
その上で、生産調整において今回その措置が緩和されるというふうなことでございますけれども、生産者の作付け決定にはかなりその柔軟性が以前に比べたら与えられてくるというふうに評価をしております。
その中で、やはり生産者の作付け決定が一定程度柔軟化されていくことで生産性の上昇にも寄与していくと。生産性が上昇していきますと生産コストの削減も期待されると思いますので、それによって消費者に対してよりリーズナブルな農産物の供給というのも可能になってくるのかなというふうには考えているところでございます。
この発言だけを見る →御指摘のように、価格転嫁が実際に、何といいますか、成功するかというのは、やはり消費者の購買力にかなり大きく依存してくるというふうに考えております。ただ、以前に比べますと、やはりデフレからインフレに転換したというふうなこともありまして、消費者が価格転嫁を、これが積極的に受け入れているかどうかということはおいておいて、受け入れる余地というのは以前に比べたら大きくなっているのかなというふうに考えております。
その上で、生産調整において今回その措置が緩和されるというふうなことでございますけれども、生産者の作付け決定にはかなりその柔軟性が以前に比べたら与えられてくるというふうに評価をしております。
その中で、やはり生産者の作付け決定が一定程度柔軟化されていくことで生産性の上昇にも寄与していくと。生産性が上昇していきますと生産コストの削減も期待されると思いますので、それによって消費者に対してよりリーズナブルな農産物の供給というのも可能になってくるのかなというふうには考えているところでございます。
石
石垣のりこ#24
○石垣のりこ君 ありがとうございます。
その生産性に関しても限界があるということを具体的な数字を示して、西川参考人は示してもいらっしゃいますので、その限界点がどこまであるのか。その田んぼで二毛作を一期にする、できるような気候の条件でもありませんし、多収品種を採用したところで、更に肥料代が掛かっては、コスト、最終的に掛かった意味もないと思いますし、その限界点がどこにあるのかと見据えた上で全体の議論をしていかなければならないと思います。
かつ、付加価値の高いものを生産していくということを結構、農林水産省おっしゃるんですけれども、特に米、麦、大豆においては、ほぼ毎日口にするようなものの価格というのは、付加価値が高いものだけを要求するわけではないと思いますので、どこまでやはり許容範囲なのかということも含めて、先ほど言ったこのセーフティーネットも含めた議論が私は必要だというふうに考えております。
今日は、三人の参考人の皆様に貴重な御意見いただきまして、ありがとうございました。
以上でございます。
この発言だけを見る →その生産性に関しても限界があるということを具体的な数字を示して、西川参考人は示してもいらっしゃいますので、その限界点がどこまであるのか。その田んぼで二毛作を一期にする、できるような気候の条件でもありませんし、多収品種を採用したところで、更に肥料代が掛かっては、コスト、最終的に掛かった意味もないと思いますし、その限界点がどこにあるのかと見据えた上で全体の議論をしていかなければならないと思います。
かつ、付加価値の高いものを生産していくということを結構、農林水産省おっしゃるんですけれども、特に米、麦、大豆においては、ほぼ毎日口にするようなものの価格というのは、付加価値が高いものだけを要求するわけではないと思いますので、どこまでやはり許容範囲なのかということも含めて、先ほど言ったこのセーフティーネットも含めた議論が私は必要だというふうに考えております。
今日は、三人の参考人の皆様に貴重な御意見いただきまして、ありがとうございました。
以上でございます。
か
かごしま彰宏#25
○かごしま彰宏君 国民民主党・新緑風会のかごしま彰宏と申します。
本日は、お忙しい中お越しをいただき、また大変貴重な御講義を賜りましたこと、改めて御礼を申し上げます。誠にありがとうございました。
まず最初、私の方からそれぞれの参考人の皆様に一つ同じ御質問をさせていただきたいと思います。西川参考人から順にお答えをいただければと思います。
今回、この需要に応じた生産というものが食糧法の中で規定をされるという中において、これ、じゃ、需要に応じた生産を国から見るのか生産者から見るのかで、やはりその責任というものが変わってくるだろうというふうに考えています。国からした需要に応じた生産というのは、やはり国民に対して安定的に食料を供給をする責任。一方で、農家から見た需要に応じた生産というのは、これは農家が主体的に行うものというものでありますから、あくまで農家の経営責任あるいは生産責任になってくると思います。
こうした中、国のこの需要に応じた生産というのは生産量と需要をバランスをさせるというものでありますが、国が掲げている供給責任と生産者が持っている生産責任、これ全く違うもののはずではあるものの、これを最終的にバランスをさせるというのがこの食糧法の中の需給調整、目指しているところだと理解をしておるんですけれども、これについての御見解と、果たしてそれがそもそも可能なのかどうかというところについて御意見をお伺いできればと思います。
この発言だけを見る →本日は、お忙しい中お越しをいただき、また大変貴重な御講義を賜りましたこと、改めて御礼を申し上げます。誠にありがとうございました。
まず最初、私の方からそれぞれの参考人の皆様に一つ同じ御質問をさせていただきたいと思います。西川参考人から順にお答えをいただければと思います。
今回、この需要に応じた生産というものが食糧法の中で規定をされるという中において、これ、じゃ、需要に応じた生産を国から見るのか生産者から見るのかで、やはりその責任というものが変わってくるだろうというふうに考えています。国からした需要に応じた生産というのは、やはり国民に対して安定的に食料を供給をする責任。一方で、農家から見た需要に応じた生産というのは、これは農家が主体的に行うものというものでありますから、あくまで農家の経営責任あるいは生産責任になってくると思います。
こうした中、国のこの需要に応じた生産というのは生産量と需要をバランスをさせるというものでありますが、国が掲げている供給責任と生産者が持っている生産責任、これ全く違うもののはずではあるものの、これを最終的にバランスをさせるというのがこの食糧法の中の需給調整、目指しているところだと理解をしておるんですけれども、これについての御見解と、果たしてそれがそもそも可能なのかどうかというところについて御意見をお伺いできればと思います。
西
西川邦夫#26
○参考人(西川邦夫君) 御質問ありがとうございます。
まず、需要に応じた生産の点につきまして私の見解を述べさせていただきますと、恐らく需要に応じた生産は、今先生のおっしゃった分け方にしますと、恐らく生産者にとっての需要に応じた生産であるというふうに認識しております。需要に応じた生産という言葉自体はある意味至極当たり前のことでありまして、その需要に応じて生産をしていくべきだと、それは基本的には生産者のことなのだろうというふうに思っております。
その上で、政府としてどういうふうな供給責任を果たしていくかというのは恐らくそれとはまた別のことなのかなと思っておりまして、その措置が、例えば政府備蓄と民間備蓄の、何といいますか、組合せであったりとか、それとか流通過程を透明化していく、今回の食糧法においてはそういうふうな措置がとられておるわけでございますけれども、政府側の措置といたしましては、その需要に応じた生産というよりかは、そういった流通過程の方ですね、そちらの方の整備というふうなところに重点があるのかなというふうには考えているところでございます。
この発言だけを見る →まず、需要に応じた生産の点につきまして私の見解を述べさせていただきますと、恐らく需要に応じた生産は、今先生のおっしゃった分け方にしますと、恐らく生産者にとっての需要に応じた生産であるというふうに認識しております。需要に応じた生産という言葉自体はある意味至極当たり前のことでありまして、その需要に応じて生産をしていくべきだと、それは基本的には生産者のことなのだろうというふうに思っております。
その上で、政府としてどういうふうな供給責任を果たしていくかというのは恐らくそれとはまた別のことなのかなと思っておりまして、その措置が、例えば政府備蓄と民間備蓄の、何といいますか、組合せであったりとか、それとか流通過程を透明化していく、今回の食糧法においてはそういうふうな措置がとられておるわけでございますけれども、政府側の措置といたしましては、その需要に応じた生産というよりかは、そういった流通過程の方ですね、そちらの方の整備というふうなところに重点があるのかなというふうには考えているところでございます。
長
長谷川敏郎#27
○参考人(長谷川敏郎君) 需要に応じた生産というのが打ち出されたのは二〇〇三年、施行は二〇〇四年ですが、の食糧法改正のときからです。そのときに、米作りの本来あるべき姿を打ち出されて、農家が需要に応じた生産をしていないので、市場を通じて需要動向を鋭敏に感じ取り、売れる米作りを行うことだというふうにして、それからずっと始まってきたものです。
だから、今回改めて、初めて需要に応じた生産が打ち出されているのではなくて、最初に述べましたように、さんざん需要に応じた生産を押し付けられた結果の事態です。そして、今回は法律にわざわざ主体的にと書かれました。我々が主体的にやってこなかったのか。これほど上から目線の法律はあり得ないじゃないですか。そのことをもっとここでもしっかり審議していただきたい、そのことをお願いします。
この発言だけを見る →だから、今回改めて、初めて需要に応じた生産が打ち出されているのではなくて、最初に述べましたように、さんざん需要に応じた生産を押し付けられた結果の事態です。そして、今回は法律にわざわざ主体的にと書かれました。我々が主体的にやってこなかったのか。これほど上から目線の法律はあり得ないじゃないですか。そのことをもっとここでもしっかり審議していただきたい、そのことをお願いします。
武
武本俊彦#28
○参考人(武本俊彦君) 非常に難しい話なんですけれども、基本的には、別に農業に限らず、どんなビジネス、事業であっても、事業者は需要に応じて、つまり売れる分を生産していくという発想で当たっているわけですね。だけど、社会経済変化によって、そのとおりにはならない。それは、需要が変化しちゃっているからとか、あるいは供給量の総体が増えちゃっているからということが起こっちゃうので、それはもう個人ではどうしようもない世界ですよね。
恐らく、この議論のときに、常に需要に応じた供給量を絞り込まなければならないという議論の背景にあるのは、ほっておくと農民がいっぱい作り始めるんじゃないかと思っている節が感じられるんですけど、そういう状況にはもはやないのではないかと思っています。
なので、基本的には、生産者がその売れる分だけ作っていくということが担保されていればいいのではないかと。たまたまおてんとうさんの都合が良くていっぱい取れちゃったという部分については、それを事後的にどうするかということを考えた方がいい。だから、そのために事前の段階から規制を加えるというやり方ではないだろうと。
私が提案しているのは、政府は最後は想定されない事態が起こったときには面倒を見るということを言うしかもうないだろうと。要するに、いっぱい生産者がいて、後から後から新しい生産者が生まれてくるという状態であるならば、そんなに心配はしなくてもいいんだけど、今ある状態はほっておいたらあと五年か十年もつのかという状態だろうと思うんですね。だから、そういうことも加味して政府は考えるべきだろうと思います。
以上です。
この発言だけを見る →恐らく、この議論のときに、常に需要に応じた供給量を絞り込まなければならないという議論の背景にあるのは、ほっておくと農民がいっぱい作り始めるんじゃないかと思っている節が感じられるんですけど、そういう状況にはもはやないのではないかと思っています。
なので、基本的には、生産者がその売れる分だけ作っていくということが担保されていればいいのではないかと。たまたまおてんとうさんの都合が良くていっぱい取れちゃったという部分については、それを事後的にどうするかということを考えた方がいい。だから、そのために事前の段階から規制を加えるというやり方ではないだろうと。
私が提案しているのは、政府は最後は想定されない事態が起こったときには面倒を見るということを言うしかもうないだろうと。要するに、いっぱい生産者がいて、後から後から新しい生産者が生まれてくるという状態であるならば、そんなに心配はしなくてもいいんだけど、今ある状態はほっておいたらあと五年か十年もつのかという状態だろうと思うんですね。だから、そういうことも加味して政府は考えるべきだろうと思います。
以上です。
か
かごしま彰宏#29
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。
今、様々御意見をいただいて、現行の食糧法改正案だと、やはりこの第五条の中で、生産者による主体的な需要に応じた生産の推進の条の中で、一項は生産者、二項がJA等、三項が地方公共団体、四項が政府の責任となっておりますので、やはりこの立て付けの中ではそれぞれに責任があって、みんなで進めていくものが需要に応じた生産なんだろうなという理解をしております。
ただ、そうした中において、じゃ、この需要に応じた生産の出発点何かというところを考えると、これやっぱり的確な需給見通しが存在をすることであると理解をしています。
同じように、また参考人三名のそれぞれの皆様に同じ御質問を投げかけたいんですけれども、この需要に応じた生産の出発点がやはり的確な需給見通しを策定をすること、この需給見通しの的確性を可能な限り向上させていくことについて私も全く異論はございません。この需給見通しをしっかりと出していくことは必ず必要なことだと思いつつも、本日も各参考人の皆様からも御意見がございましたが、やはりこれ、あくまで見通しでありますので、外れることは多々あるだろうと、そして、その中において、著しく外した結果起きたのが米不足であるというふうに理解をしております。
だからこそ、この需給見通しの的確性を向上させることとともに、外したときの措置をしっかりと盛り込むということが米不足の反省を生かした改正なのではないかというふうに理解をして、考えておるんですけれども、それぞれの参考人の皆様の御意見をお伺いできればと思います。
この発言だけを見る →今、様々御意見をいただいて、現行の食糧法改正案だと、やはりこの第五条の中で、生産者による主体的な需要に応じた生産の推進の条の中で、一項は生産者、二項がJA等、三項が地方公共団体、四項が政府の責任となっておりますので、やはりこの立て付けの中ではそれぞれに責任があって、みんなで進めていくものが需要に応じた生産なんだろうなという理解をしております。
ただ、そうした中において、じゃ、この需要に応じた生産の出発点何かというところを考えると、これやっぱり的確な需給見通しが存在をすることであると理解をしています。
同じように、また参考人三名のそれぞれの皆様に同じ御質問を投げかけたいんですけれども、この需要に応じた生産の出発点がやはり的確な需給見通しを策定をすること、この需給見通しの的確性を可能な限り向上させていくことについて私も全く異論はございません。この需給見通しをしっかりと出していくことは必ず必要なことだと思いつつも、本日も各参考人の皆様からも御意見がございましたが、やはりこれ、あくまで見通しでありますので、外れることは多々あるだろうと、そして、その中において、著しく外した結果起きたのが米不足であるというふうに理解をしております。
だからこそ、この需給見通しの的確性を向上させることとともに、外したときの措置をしっかりと盛り込むということが米不足の反省を生かした改正なのではないかというふうに理解をして、考えておるんですけれども、それぞれの参考人の皆様の御意見をお伺いできればと思います。