予算委員会

1982-02-23 衆議院 全315発言

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会議録情報#0
昭和五十七年二月二十三日(火曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 栗原 祐幸君
   理事 江藤 隆美君 理事 越智 通雄君
  理事 小宮山重四郎君 理事 堀内 光雄君
   理事 三原 朝雄君 理事 阿部 助哉君
   理事 藤田 高敏君 理事 鈴切 康雄君
   理事 大内 啓伍君
      宇野 宗佑君    上村千一郎君
      浦野 烋興君    小渕 恵三君
      大村 襄治君    海部 俊樹君
      片岡 清一君    金子 一平君
      鴨田利太郎君    後藤田正晴君
      近藤 元次君    塩川正十郎君
      澁谷 直藏君    砂田 重民君
      瀬戸山三男君    根本龍太郎君
      橋本龍太郎君    原田  憲君
      藤尾 正行君    藤田 義光君
      藤本 孝雄君    渡辺 栄一君
      稲葉 誠一君    大出  俊君
      大原  亨君    岡田 利春君
      木島喜兵衞君    野坂 浩賢君
      武藤 山治君    山田 耻目君
      横路 孝弘君    市川 雄一君
      草川 昭三君    岡田 正勝君
      木下敬之助君    竹本 孫一君
      米沢  隆君    金子 満広君
      瀬崎 博義君    中路 雅弘君
      依田  実君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 櫻内 義雄君
        大 蔵 大 臣 渡辺美智雄君
        文 部 大 臣 小川 平二君
        通商産業大臣  安倍晋太郎君
        運 輸 大 臣 小坂徳三郎君
        労 働 大 臣 初村滝一郎君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長
        官)      宮澤 喜一君
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)
        (沖縄開発庁長
        官)      田邉 國男君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 伊藤宗一郎君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      河本 敏夫君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 角田禮次郎君
        国防会議事務局
        長       伊藤 圭一君
        内閣総理大臣官
        房管理室長   海老原義彦君
        公正取引委員会
        委員長     橋口  收君
        公正取引委員会
        事務局経済部長 佐藤徳太郎君
        防衛庁参事官  新井 弘一君
        防衛庁参事官  石崎  昭君
        防衛庁防衛局長 塩田  章君
        防衛庁人事教育
        局長      佐々 淳行君
        防衛庁経理局長 矢崎 新二君
        防衛庁装備局長 和田  裕君
        防衛施設庁長官 吉野  実君
        防衛施設庁次長 多田 欣二君
        防衛施設庁総務
        部長      森山  武君
        経済企画庁調整
        局長      井川  博君
        経済企画庁物価
        局長      廣江 運弘君
        経済企画庁総合
        計画局長    谷村 昭一君
        科学技術庁研究
        調整局長    加藤 泰丸君
        外務省アジア局
        長       木内 昭胤君
        外務省北米局長 淺尾新一郎君
        外務省中近東ア
        フリカ局長   村田 良平君
        外務省経済協力
        局長      柳  健一君
        外務省条約局長 栗山 尚一君
        外務省国際連合
        局長      門田 省三君
        大蔵大臣官房審
        議官      水野  勝君
        大蔵省主計局長 松下 康雄君
        大蔵省関税局長 垣水 孝一君
        大蔵省銀行局長 宮本 保孝君
        大蔵省国際金融
        局次長     大場 智満君
        文部大臣官房長 鈴木  勲君
        通商産業大臣官
        房審議官    斎藤 成雄君
        通商産業省通商
        政策局長    若杉 和夫君
        通商産業省産業
        政策局長    杉山 和男君
        通商産業省基礎
        産業局長    真野  温君
        通商産業省生活
        産業局長    志賀  学君
        資源エネルギー
        庁長官     小松 国男君
        資源エネルギー
        庁石油部長   野々内 隆君
        運輸省海運局長 永井  浩君
        海上保安庁長官 妹尾 弘人君
        労働省職業安定
        局長      関  英夫君
 委員外の出席者
        経済企画庁調整
        局審議官    小谷善四郎君
        予算委員会調査
        室長      三樹 秀夫君
    —————————————
委員の異動
二月二十三日
 辞任         補欠選任
  上村千一郎君     近藤 元次君
  武藤 嘉文君     片岡 清一君
  村山 達雄君     浦野 烋興君
  渡辺 栄一君     鴨田利太郎君
  矢野 絢也君     市川 雄一君
  木下敬之助君     米沢  隆君
  竹本 孫一君     岡田 正勝君
  小沢 和秋君     中路 雅弘君
同日
 辞任         補欠選任
  浦野 烋興君     村山 達雄君
  片岡 清一君     武藤 嘉文君
  鴨田利太郎君     渡辺 栄一君
  近藤 元次君     上村千一郎君
  市川 雄一君     矢野 絢也君
  岡田 正勝君     竹本 孫一君
  米沢  隆君     木下敬之助君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 昭和五十七年度一般会計予算
 昭和五十七年度特別会計予算
 昭和五十七年度政府関係機関予算
     ————◇—————
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栗原祐幸#1
○栗原委員長 これより会議を開きます。
 昭和五十七年度一般会計予算、昭和五十七年度特別会計予算、昭和五十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。市川雄一君。
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市川雄一#2
○市川委員 外務大臣に最初にお伺いしたいのですが、鈴木総理が昨年の五月訪米をいたしましてレーガン米大統領との首脳会談を行って、その際、五月八日にプレス・クラブで演説を行い、その演説の後質疑を行いました。そこで総理が、日本の庭先であるこの海域を日本が守るのは当然であり、日本は周辺数百海里の範囲内と、そしてシーレーンについては千海里にわたり、憲法の条項とも照らし合わせて、自衛の範囲内として守っていく政策を今後とも強めていく考えである、こういうことをお述べになった。
 先日、米国ワインバーガー国防長官が国防報告を発表しましたが、シーレーンの防衛、千海里の防衛ということが、国防報告の中に日本がその責任を果たすよう期待を込めた文章が載っておりますが、どうも総理の発言、それからアメリカの今回発表した国防報告を拝見しますと、何か日本が正式にアメリカにお約束をした、千海里のシーレーンの防衛は日本が必ずやりますということを日本がアメリカに約束をした、どうも公約をしたように受け取れるのですが、そういう公約という位置づけのものなんですか、どうなんですか。
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櫻内義雄#3
○櫻内国務大臣 市川委員がおっしゃいましたように、総理のプレス・クラブでの発言は質問に応じてのことであったと思うのですね。そして、海外からの資源の海上交通路の安全を図ることは死活的に重要な問題である、こういうことをおっしゃりながら、いまの周辺海域数百マイル及びシーレーンについては約一千マイルについて、憲法を踏まえつつ、自衛の範囲内で防衛力を強化するとの政策を推進している、総理の発言は全く自主的な発言でございます。
 ただ、これに関連して今回の国防報告のことにお触れでございますが、国防報告の方は、これはその部分はこういう表現になっていますね。「みずからの空海防衛力の強化及び一千海里に及ぶ海上交通路の防衛能力の整備によって、地域の安定のための貢献を強化することを望んでいる。」いわばこれは国防報告の中で米側としての理解と同時に期待を表明しておるものと受け取れることでございまして、これをもって何か約束をしたとかというようなことでは私はないと思うのです。あくまでも総理の自主的な発言をされた、このように踏まえております。
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市川雄一#4
○市川委員 そういうふうにお答えになるだろうと思っていたのですが、大河原駐米大使が毎日新聞のインタービューに答えて、昨日の紙面に載っておりましたが、やはり同じ趣旨のことを記者に聞かれて、こう答えているのですね。「公約かどうかは別にして、訪米した際にナショナル・プレス・クラブという場で発言されたことは、これは厳粛な事実。」だ、こういうことを言っておられる。「公約かどうかは別にして、」ということを言っておりますが、しかし、総理が訪米して首脳会談を行い、しかもその後にナショナル・プレス・クラブという場所で千海里防衛について発言したことは、「これは厳粛な事実。」だ、半ばアメリカとの約束を肯定するようなことをおっしゃっているわけですね。したがって、この国防報告でも確かに希望するということにはなっていますけれども、もちろんこれはアメリカだって日本に対して、やれとか命令はできないと思うのですけれども、しかしこれも何か公然と千海里の海域分担の約束を日本がしたのだ、こういう雰囲気になってきていると思うのですが、それはあくまでもそういうことではないということですか、どうですか。あくまでも日本が自主的に判断して決めるのだということですか。
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淺尾新一郎#5
○淺尾政府委員 いま大臣が御答弁されたとおりでございまして、憲法の範囲内とか憲法の規定の中でということを総理は繰り返して申し上げております。したがって、この件に対してわが方が防衛の整備を図っていくというのは、あくまでも自主的にやる、こういうことでございます。
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市川雄一#6
○市川委員 防衛庁長官にお伺いしますが、この問題を防衛庁長官としてはどういうふうに受けとめておられますか。
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伊藤宗一郎#7
○伊藤国務大臣 先生もお触れになりましたけれども、四方を海に囲まれた狭小な国土に多くの人口を抱え、エネルギー、食糧等資源の大部分を海外に依存するわが国が生存と発展を続けていくためには、わが国の生命線とも言える海上交通路の安全が確保されることはきわめて重要なことと考えておりますし、総理の御発言は、こういうことを踏まえまして、自主的な防衛力の整備を進めてまいりたいという自主的な御発言であると考えております。
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市川雄一#8
○市川委員 外務大臣、いま御答弁ございましたけれども、しかしこの駐米大使の発言は、やはり総理の発言は「厳粛な事実。」だと。総理がわざわざアメリカへ行って首脳会談をして、ナショナル・プレス・クラブという場所で千海里防衛を言ったのは厳粛な事実だ。言ってみれば、それでアメリカと約束をしたんだということを言外に込めているわけです。この大使の発言を、外務大臣はこれは単なる事実を指摘した発言だという程度のお受けとめ方ですか、どうですか。
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櫻内義雄#9
○櫻内国務大臣 御承知のように、ワシントンのナショナル・プレス・クラブにおける要人の発言というものはそれなりに非常に重要視されておるわけでございます。そこで、その発言そのものは私もやはり厳粛なる事実だと思うのですね、そういう席で総理が発言をされたということは。
 しかしながら、いま市川委員のおっしゃることは、何かアメリカに約束したのかどうかというところが重点だと思うのでありますが、総理の御発言を検討していただきますならば、あくまでも総理が自主的に考えておられる、あるいは日本の憲法というものを踏まえてやるのだということが明白であるわけですね。したがいまして、私はこのことが何かアメリカとの間の約束事だ、そういうふうにはとらないのであります。総理は、少なくとも日本の庭先である周辺の海域を自分で守るのは当然のことである、こういうふうにおっしゃっておるのでありますから、私は、総理が御自身のお考えを率直に述べられた、こういうふうに受けとめております。
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市川雄一#10
○市川委員 しつこいようですが、次のシーレーンの問題に入る前段としてもう一度お伺いしたいのですが、ナショナル・プレス・クラブという場所が非常に国際的にも重要な場所である。そこでの発言は非常に重要な発言だ。アメリカにしてみれば、そういう場所で日本の総理大臣がそういう発言をしたのですから、当然アメリカに向けて約束をしたというふうに受け取られてもやむを得ないのじゃないかというように思うのです。それでは、そういう約束はしてない、公約でもないしそういう約束は一切してない、こういうふうに今後米側に対してもはっきり言えますか。大臣にこれは伺っているわけだ。はっきりアメリカに対して、千海里シーレーン防衛はこれからまた日本が検討して決めることであって日本が決して約束したことではない、昨年の共同声明やその後の首相発言で約束したことではありませんと、こういうことがはっきり言えますか、どうですか。
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櫻内義雄#11
○櫻内国務大臣 これは、ナショナル・プレス・クラブにおける発言が英文でも発表されておりますが、私は、この発言をそのとおりに受けとめていくというのが正しいのではないか、これはあくまでも日本の総理としての責任を持っての発言であって、また、日本の憲法の範囲の中で考えていくということで、これも全く自主的におっしゃっておる、こういうことだと思います。
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市川雄一#12
○市川委員 そこでシーレーンという問題をお尋ねしたいのですが、防衛庁では千海里のシーレーンの確保ということを言っていらっしゃるわけですけれども、しかし、このシーレーンというのは、御承知のように、何も千海里だけじゃないわけですね。そこで念のために運輸省に数字を確認しておきたいのです。
 日本は非常に海洋、海運あるいは貿易に依存している、この依存度がいま非常に大きいわけですが、世界における海上貿易、大体この何%を日本がシェアを占めているか。一九七九年で約二一・九%、一九八〇年で二二・九%、世界の海上貿易の約五分の一を日本が占めている。あるいはこれを品目別に見ますと、一九七九年一年間で世界で海上輸送された鉄鉱石のうちの五六・六%を日本が占めている。石炭で言うと五二・七%。これは一九八〇年になりますと、石炭が四六・六%で鉄鉱石が五六・八%ですか、多少数字は落ちておりますが。
 それからルートですね、シーレーンの長さ。鉄鉱石でオーストラリアに約五〇%依存していますが、オーストラリアのダンビアとかジェラルトンとか向こうの主な積み出し港から横浜までの距離が大体六千二百キロ、八千キロ、ブラジルのツバロンから二万一千六百キロ、南アのポートエリザベスから約一万五百キロ、大体平均しますと鉄鉱石の海上輸送の平均距離が一万一千九百キロ。鉄鉱石を確保するために平均輸送距離で約一万一千九百キロの海上のシーレーンを日本は利用している、依存している。これは、アメリカに比べますと、アメリカが大体鉄鉱石の平均輸送距離が四千四百キロ、イギリスが六千九百キロ、西独が八千七百キロ、日本がずば抜けて長いということが言えるわけです。特にこれは原油、石油でも全く条件は変わらない。ほとんどが、七割近くがホルムズ海峡経由ですから、大体平均して一万一千キロの輸送距離を石油を確保するために持っているわけですね。
 したがって、そういう石炭とか鉄鉱石とか石油、どの品目をとっても、日本が輸入している国の主要積み出し港から日本の港に入ってくるまで約一万キロ以上の海上ルートを使わなければ日本に入ってこない。これが私はシーレーンだと思うのです。こういうシーレーンのいま私が挙げた数字ですが、運輸省の方でどうですか、確認をしたいのですが。
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永井浩#13
○永井政府委員 いま先生お示しの数字、おおむねそのような数字になっております。
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市川雄一#14
○市川委員 もう一つ、じゃ確認しておきますが、日本が海上貿易で使っている船籍の割合ですね、日本船籍は何%で外国船籍は何%という数はわかりますか。
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永井浩#15
○永井政府委員 日本の海上貿易に従事いたします船籍別の輸送シェアでございますが、わが国の商船隊、これは日本籍船とそれから日本の船会社が用船いたしております外国の船、これを合わせまして日本商船隊と申しておりますが、この日本商船隊の輸送シェアが輸出で五五%ぐらい、輸入で七〇%ぐらいでございます。このうち日本船籍を持っておりますいわゆる日の丸の旗を上げております船は、輸出におきましてその五五%のさらに四〇%、おおむね二〇%前後でございます。それから輸入で七〇%の半分、三六、七%、これが日本船籍の船によって運ばれたシェアでございます。
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市川雄一#16
○市川委員 外務省に伺いますが、マラッカ海峡の通航に関して大型タンカーの通航に関する規制がたしか始まっていると聞いておりますが、どういう規制がいつから始まったのかお伺いしたいと思います。
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櫻内義雄#17
○櫻内国務大臣 昨年五月一日からマレーシア、インドネシア、シンガポール三国による大型タンカーに対する通航規制が実施されております。その内容は、一つには、マラッカ海峡に通航分離方式を導入する、一つには、喫水十五メートル以上の深喫水船及び十五万トン以上のタンカーは余裕水深三一五メートル以上を保持するとともに速力十二ノット以下で航行すること、そういうような規制でございます。
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市川雄一#18
○市川委員 海洋法会議の行方ということもありますが、現実にオイルルートの一番頻繁に日本が使うマラッカ海峡でこういういま外務大臣からお答えのあったような規制が始まっておるわけですね。これがひょっとすると将来海洋ナショナリズムというか群島国家原則、たくさんの島でできておる国の場合、一番外縁にある島で領海を決めてしまう、こういう動きも強くあるわけですね。そうなってきますと、マラッカ海峡とかロンボク海峡とか、あの辺は要するに領海になってしまって日本が通れない、こういうことも考えられる。
 したがって、日本は非常に輸出入に依存している、そういう意味では海洋に依存している、またシーレーンに経済が全面的に依存しているわけですよ。ですから、このシーレーンの確保ということは非常に重要なことだと私も思うのです。シーレーンの確保ということを全く要らないということを言っているわけじゃなくて、シーレーンの確保ということは非常に重要だと思うのです。しかし、一万一千キロとか、石油にしても石炭にしても鉄鉱石にしても、そういう長大な距離なんですよね。その一万一千キロのシーレーンをどうするのかということでなければ余り意味をなさないのじゃないですか。
 防衛庁がおっしゃっているような庭先の、まあ千海里が庭先かどうか知りませんが、千海里を、しかも軍事的に守ろうということにどんな意味があるのかということに非常に疑問を持っているわけですが、このシーレーンというものを、出発地、原料を積み出す港、それからマラッカ海峡とかロンボク海峡とかそういう海上ルート、それから日本の港で積みおろしをする、この積み出し港、途中の海上ルート、それから積みおろし、こういうトータルのシステムでシーレーンというものを考えた場合に日本としてどうするのか、シーレーンの確保という問題。
 政府も防衛庁も、シーレーン確保、シーレーン確保ということをおっしゃっているわけですが、じゃお尋ねいたしますが、そういうトータルシステムでのシーレーンの確保ということを真剣に討議されておられるのかどうか。
 鈴木総理になられましてから総合安全保障閣僚会議というのが発足したやに伺っております。きょうそのメンバーになっていらっしゃる大臣に来ていただいているわけですが、そこでそういう日本の平和と安全を総合的に検討しよう、そういう総合安全保障閣僚会議が発足した。通産大臣、そういうメンバーの一員としてのお立場も踏まえながらお伺いしたいのですが、いかがでしょうか。トータルシステムとしてのシーレーンというものをどのようにお考えになっていらっしゃるのか。——お見えになっていない。それでは運輸大臣いかがですか。
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小坂徳三郎#19
○小坂国務大臣 ただいま市川委員の御指摘の点は、きわめて重要な日本の経済安全保障の問題点であることはよく認識をいたしております。したがいまして、具体的には、貿易物資の輸送経路に当たる重要海峡を初めとするわが国への海上輸送ルートの船舶航行の確保対策、わが国商船隊の維持整備、日本人船員対策等、諸対策が必要であると考えておるところであります。また、こうした問題に関連しまして、現在、運輸政策審議会においても運輸政策上の見地からの総合安全保障の確保のあり方というものも審議をしてもらっておるところでございますが、その結果を踏まえながら関係行政機関と連携して所要の措置を講じたいというのが運輸省の態度であります。
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市川雄一#20
○市川委員 何か余りはっきり聞こえなかったし、余りはっきりしないのですが、外務大臣、どうですか。トータルシステムでシーレーンというものをどんなふうにお考えになっていますか。
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櫻内義雄#21
○櫻内国務大臣 シーレーンの安全確保の重要性は、市川委員がいまいろいろ申されましたが、私も全く同感でございます。エネルギー、食糧等の大半を輸入するなど、貿易、海運にその存立を大きく依存するわが国にとってきわめて重要なことでございまして、このことは、われわれ外交の衝にある者として外交の重要な柱として考えていかなければならない。
 シーレーンの安全が脅かされるようなそういう事態を招かないようにするためにはどうするか、それは平素から平和で安定した国際環境の維持に努める、こういうことだと思うのですね。特に海峡沿岸諸国等との友好協力関係の増進を図る、これが一番重要なのではないか、このように思うのであります。おっしゃるように、原料の積み出しのその関係の諸国、また、それから長距離のシーレーンの関係の諸国といいましょうか、場合によると沿岸諸国、そういう諸国との間の平和友好を常に維持をするという外交上の努力をするということが、おっしゃるトータルシステムとしてのシーレーンの確保ではないか、こう思います。
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市川雄一#22
○市川委員 非常に抽象的な御答弁ばかりなんです。
 そこで、通産大臣お見えになったのですが、私がお尋ねしているのは、要するにシーレーン、シーレーンということを政府はおっしゃっているのですが、それが千海里のシーレーン、しかもその千海里を防衛力でやっていくのだ、こういう趣旨をずっとおっしゃっている。ところが、千海里、千海里とおっしゃいますが、シーレーンは実際には一万一千キロとか非常に長いわけでして、千海里というのはごく一部にすぎない。しかもそれを軍事力で守ろうとしていらっしゃる。このことの一つは、位置づけというものをどの程度閣僚の皆さんが持っていらっしゃるのか、その辺を一つはお尋ねしたいと思って一生懸命聞いているわけです。ですから、一万一千キロに及ぶような鉄鉱石や石油や石炭のシーレーンに対してどういう脅威があるのか。軍事的脅威だけですか。海洋ナショナリズムという一つのことも、日本にとっては、脅威というと語弊がありますが、シーレーンの大きな阻害要因になってきているわけですね。そういういろいろなものが予想される。そういうことに対して、シーレーンの確保ということ、日本としてどうするのか、総合安全保障という立場で。これはもうちょっと何か具体的な、大臣からの迫力のある御意見が伺えるのかなと思って期待していたのですが、どうも作文をちょっとお読みになっている程度の御意見しかないようにお見受けするのですが、どうなんでしょうか。こんなことでシーレーンが守れるのですか、どうなんですか。
 そこで通産大臣、おくれて参りましたが、その点どうですか。
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安倍晋太郎#23
○安倍国務大臣 わが国は御承知のように貿易立国であります。したがって、さまざまな重要物資というのは諸外国から輸入をしなければなりません。大変な輸入量でございます。同時にまた工業製品は輸出をする。こういうことによってわが国の存立があるわけでございますので、そういう意味におきまして、いわゆる安定的な輸送を確保するということは経済安全保障という面からもきわめて重要であるわけでございますが、こうした安全保障という、いわゆる海路の安全保障ということは、ただ単に防衛ということじゃなくて、政治の面あるいは外交面、そういうものを総合的に踏まえた中で確保していくということが最も肝要なことではないか、こういうふうに思っております。そういう面から、わが国は政治、外交あるいは経済協力、そうした問題を通じまして積極的な対応をひとつ進めていかなければならない、こういうふうに私は考えておるわけであります。
    〔委員長退席、小宮山委員長代理着席〕
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市川雄一#24
○市川委員 それでは、総合安全保障閣僚会議の座長でいらっしゃる官房長官、いままでの各大臣のお答えを総括しながら、どうですか、今後総合安全保障閣僚会議の重要なテーマとしてやっていかれるのかどうかという点も含めてお答えをいただきたいと思います。
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宮澤喜一#25
○宮澤国務大臣 ただいま関係閣僚からお答えがございましたように、海上輸送が安定して平和のうちに確保されているということは、わが国のような国にとっては先ほど市川委員も御指摘のように最も大切なことであります。それが現に平和のうちに安定的に確保されているということは、実は大変な各方面の努力の結果であって、まず基本的には世界が平和であるということから始まるわけでございますけれども、決して無為にしてそのような安定と平和が確保されているのではない。わが国ばかりではありませんけれども、各国のそういう努力の結果であるというふうに考えておるわけでございまして、何もしていないということではない。ドラマチックなことはありませんけれども、非常にじみちな、しかし大変な努力の集積であるというふうに認識すべきだと思います。
 それから次に総合安全保障会議でございますけれども、これは、各省庁が与えられた仕事を日常の業務としてやっておりますけれども、それを総合安全保障の観点からひとつとらえてみる、そういう目的で開かれたわけでございまして、すでに過去六回会議をいたしております。したがって、その会議の中で特にシーレーンといってテーマを設けたことはいままでにございませんけれども、おのおのの閣僚がこの会議に集まって目指しておりますことは、問題意識としてはやはりそういうものが確かに入っておる。特にテーマとして掲げたことはございませんけれども、そういうことも重要な問題意識の一つとしてこの会議は行われている、このように考えてよろしいと思います。
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市川雄一#26
○市川委員 外務省にお伺いしますが、国際法から見て、次のようなケースの場合はどういうことになるのか、お尋ねしたいと思います。
 外国籍の船が日本の物資を輸送している場合、この船に第三国から攻撃があった。このケースで、攻撃した国と船籍国との関係はどうなるのか。それから、その外国籍に物資の輸送を頼んでいる、日本の物資が積んであるわけですが、日本との関係はどうなるのか。まずこの二点、どうですか。
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栗山尚一#27
○栗山政府委員 お答え申し上げます。
 市川先生の御質問は、国際法上の自衛権行使との関連での御質問だろうと思いますが、純粋の国際法上の御質問でございますので法律論としてお答えさせていただきます。
 現実に先生御質問のような状況というものがどういう状態のもとで発生するかということは、観念的にはわかりましても、現実の問題としてなかなか想定しにくい問題だろうと思いますので、一応そういうことを全部捨象いたしまして全くの純粋の法律論としてお聞き取り願いたいと思いますが、いま御質問のような事態でございますれば、自衛権の行使との関連では、攻撃を受けた船舶の旗国、その船の船籍国が当然のことながらその船舶に対する外国からの武力攻撃を排除する、そのための自衛権を行使するという立場に立つわけでございまして、そこに積んである貨物が日本向けのものであるからということで、わが国が自衛権を行使するという立場には立ち得ない、法律的にはそういうことでございます。
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市川雄一#28
○市川委員 その船籍国との関係はどうですか。
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栗山尚一#29
○栗山政府委員 船籍国との関係という御質問、ちょっと先生の御質問の趣旨を私……(市川委員「攻撃した国と船籍国との関係はどういうことになるのか」と呼ぶ)その点は、先ほど申し上げましたように、その船舶が攻撃を受けた国が、当然のことながら、これはその国に対します不法な武力行使であるということでございますので、国際法上は自衛権を行使してその攻撃を排除する、そういう立場に立つわけでございます。
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