安全保障特別委員会

1991-04-26 衆議院 全236発言

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会議録情報#0
平成三年四月二十六日(金曜日)
    午後一時二分開議
 出席委員
   委員長 中山 正暉君
   理事 瓦   力君 理事 中川 昭一君
   理事 増子 輝彦君 理事 宮下 創平君
   理事 上田  哲君 理事 元信  堯君
   理事 山口那津男君
      伊藤宗一郎君    中谷  元君
      山下 元利君    渡瀬 憲明君
      加藤 繁秋君    左近 正男君
      冬柴 鐵三君    東中 光雄君
      神田  厚君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 中山 太郎君
 出席政府委員
        防衛庁防衛局長 畠山  蕃君
        防衛庁人事局長 坪井 龍文君
        外務大臣官房審
        議官      竹中 繁雄君
        外務省北米局長 松浦晃一郎君
        外務省中近東ア
        フリカ局長   渡辺  允君
        外務省条約局長 柳井 俊二君
        外務省国際連合
        局長      丹波  實君
 委員外の出席者
        外務大臣官房審
        議官      高島 有終君
        外務大臣官房審
        議官      河村 武和君
        水産庁海洋漁業
        部長      嶌田 道夫君
        特別委員会第三
        調査室長    下野 一則君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 国の安全保障に関する件
     ────◇─────
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中山正暉#1
○中山委員長 これより会議を開きます。
 国の安全保障に関する件について調査を進めます。
 外務大臣から我が国の安全保障政策について説明を求めます。外務大臣中山太郎君。
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中山太郎#2
○中山国務大臣 衆議院安全保障特別委員会の開催に当たりまして、我が国の安全保障について所信を申し述べたいと思います。
 安全保障に万全を期することは、国家の独立と繁栄を維持し、国民の生命財産を守るために必要不可欠な条件であり、外交の基本的課題であります。私は、我が国の安全保障政策遂行の任に当たる者の一人として、その使命と責任を全うすべく全力を尽くす決意でございます。
 昨年八月のイラクのクウェート侵攻に端を発する湾岸危機は、国際社会にとって一つの大きな試練でありました。幸いにして、危機への対応に当たっては米ソの協調関係が基本的に維持され、また国連の権威と米国の強力なリーダーシップのもと、我が国を含む各国の一致した協力により、国際社会はこの試練を乗り越えることができました。
 しかし、湾岸危機が一応の終結を見たとはいえ、イラクでは敗戦を機に反政府活動が活発化し、トルコを初めとする周辺諸国への難民流出が新たな問題として浮上しており、我が国としても、関係各国や国際機関と協力しつつ、これら周辺諸国への医療チームの派遣を含めてその対応にできる限りの努力を行っているところであります。
 また政府は、一昨日の安全保障会議及び閣議において、我が国船舶の航行の安全を確保するために、ペルシャ湾における機雷の除去及びその処理を行わせるため海上自衛隊の掃海艇等を派遣することを決定いたしました。この措置は、船舶の航行の安全を確保し、被災国の復興等に寄与するという平和的、人道的目的を有する人的貢献策であると同時に、その成果は我が国のみならずアジア・太平洋地域全体にも裨益するものであり、今般の決定について皆様の御理解と御協力をお願い申し上げる次第であります。
 さらに、湾岸危機後の中東地域全体の安定化は、それ自体国際社会が協力して取り組むべき大きな課題であります。
 湾岸危機を乗り越えた国際社会は、今日、ソ連の国内問題の深刻化というもう一つの不安定要因に直面しております。これは変化に内在する不安定性のあらわれとも言えますが、近年の東西関係の好ましい変化をもたらした主たる要因の一つが新思考外交の展開を初めとするソ連の変化であっただけに、ソ連情勢の不安定化は国際社会にとって特に重要な意味を有しております。ソ連情勢の不安定化による影響は既にさまざまな形であらわれており、本年一月のバルト諸国への武力行使や、ソ連によるウラル以東への兵器移転問題を初めとするCFE条約に係る問題、さらにはSTART条約交渉への影響等、これまで続けられてきた米ソ関係の安定化や欧州における新たな安全保障の枠組みに向けての努力に対する不確実性を高める要因となっております。
 東欧においては、これまで東西対立の陰に隠れていた民族問題を初めとする各国の歴史的な諸問題が顕在化しつつあり、ソ連情勢の不安定化と相まって、欧州の安全保障を考慮する際の重要な問題の一つとなっております。
 また、アジア・太平洋地域におきましても、中ソ関係の正常化、南北朝鮮間における対話の進展、韓ソ間の国交樹立等に見られるような一定の好ましい方向への変化が見られつつあるとはいえ、朝鮮半島における対立、カンボジア問題、日ソ間の北方領土問題等、この地域の安全保障にとって重要な問題の構造的な解決は依然として見られておりません。また、北朝鮮は核不拡散条約を締結しているにもかかわらず、同条約上の義務であるIAEAのフルスコープ保障措置を受け入れる協定の締結をいまだ行っておらず、このことが国際社会において北朝鮮の核兵器開発に対する大きな疑念を醸成する結果となっております。極東ソ連軍についても、量的には削減傾向が見られるものの依然として膨大な軍事力が蓄積されており、質的な向上も継続されております。
 以上のように、今日の国際情勢は、新たな国際秩序の構築へ向けての努力が続けられつつもなお多くの不安定性を抱えており、国家関係の安定化のための積極的な外交努力を推進すると同時に、実力に裏づけられた効果的な抑止力を維持することが引き続き重要であることを示しております。
 このような国際情勢の中にあって、我が国の平和と安全を確保するためにまず重要なことは、日米安保体制の堅持であります。
 日米安保体制は、アジア・太平洋地域の安定要因となっている米国のプレゼンスを維持していく上で極めて重要であるのみならず、アジア・太平洋地域の安定と発展のための重要な枠組みとなっております。
 日米安保体制はまた、日米双方において日米関係の基盤として認識されており、日米両国間の強固なきずなとしての役割を果たしております。
 政府としましては、このような意義と重要性を有する日米安保体制の信頼性の向上と効果的な運用を確保していくために、自主的にできる限りの努力を払ってきているところであります。そのよ
うな努力の一環である在日米軍駐留経費特別協定が、先般皆様の御協力により今国会の承認を得て発効の運びとなったところであります。
 我が国の平和と安全を確保するために、日米安保体制の堅持と並んで重要なことは、みずから適切な規模の防衛力を整備することであります。我が国は、平和憲法のもと、専守防衛に徹し他国に脅威を与えるような軍事大国にならないとの基本理念に従い、文民統制、非核三原則を堅持しつつ、効率的で節度ある防衛力の整備に努めてきております。昨年末、安全保障会議及び閣議において決定いたしました新中期防衛力整備計画は、このような基本的な考え方に立ったものであります。
 国際社会が新たな秩序の構築へ向けて動きつつある今日、安全保障政策のもう一つの柱としての外交の重要性はますます高まっております。そして私は、アジア・太平洋地域の長期的安定の確保のための方途についての国際的なコンセンサスを形成するために、我が国が積極的な役割を果たしていくことが重要であると考えております。
 さきの外交演説でも申し上げましたとおり、この地域の長期的安定を確保するための道程が欧州の場合と異なることは当然であります。なぜならば、この地域の地政学的な条件や安全保障上の環境が欧州とは大きく異なっているからです。
 第一に、アジア・太平洋地域では域内の多くの国が開発途上国であることもあって、各国の最大の関心事は経済発展であり、核戦争の脅威を含む軍事的な緊張の緩和を最大の関心事項としてきたこれまでの欧州とは大いに異なっております。
 第二に、従来の欧州ではNATOとワルシャワ条約機構の二極に集約された形での東西関係が存在していたのに対し、アジア・太平洋地域では、中国の存在を含めて東西関係では律し切れないようなさまざまな要因があり、国際政治上の力関係が多極的であります。この地域では同盟関係は二国間のものがほとんどであり、また各国の利害の対立及びこれに伴う脅威認識も多様であることから、全体として安全保障の構図が複雑であります。
 第三に、欧州においては戦後の国境問題等の解決という過程を経た上でいわゆるCSCEの作業が始められたのに対し、アジア・太平洋地域においては依然として朝鮮半島における南北対立、カンボジア問題、日ソ間の北方領土問題などの未解決の紛争や対立が存在します。
 そして第四に、欧州ではEC統合の動きを中心として政治的にも経済的にも統合に向かう大きな流れがあるのに対して、アジア・太平洋地域では、むしろ国家、地域の政治的、社会的、文化的な多様性や経済発展段階の相違を基礎としつつ、経済的な相互依存関係が追求されております。
 このようなアジア・太平洋地域の特徴を踏まえその平和と安定を確保していくためには、まず朝鮮半島における対立、カンボジア問題、北方領土問題等の未解決の紛争や対立の解決を図り、その過程を通じて、北東アジア、東南アジア等の地域ごとにそれぞれの地域の長期的な安定を図るための対話や協力関係を強化していくことが重要であります。
 より広い範囲の地域協力については、域内諸国の安定のために経済発展が重要であることにかんがみ、経済面での協力を中心に進めることが重要であります。具体的には、ASEAN、ASEAN拡大外相会議、アジア・太平洋経済協力閣僚会議、太平洋経済協力会議等の既存の枠組みを十分活用して、この地域の政治、経済両面にわたる諸問題についての対話と協力を拡大していくことがこの地域に最もふさわしい方法であると考えます。
 アジア・太平洋地域の平和と繁栄を確保するためには、日ソ関係の改善も不可欠の重要性を持っております。先般のゴルバチョフ大統領訪日の際、共同声明において歯舞、色丹、国後、択捉の北方四島が平和条約において解決されるべき領土問題の対象であることが明確に確認されたこと等は我が国の一貫した対ソ外交がもたらした成果でありますが、領土問題の解決に向けて今後なお一層の努力が必要であることは言うまでもありません。
 以上、我が国の安全保障政策につき所信を申し述べました。国際社会が変革期を迎えつつある中、我が国は国際関係全般にわたってこれまでにない大きな責任と役割を有しており、世界の平和と安定のため積極的に貢献していかなければなりません。今後も、安全保障問題に精通され多年にわたってこれに真剣に取り組んでこられた本委員会の皆様の御指導と御鞭撻を引き続き賜り、外務大臣の重責を十分果たせますよう、皆様の御協力をお願い申し上げます。
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中山正暉#3
○中山委員長 以上で説明は終わりました。
    ─────────────
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中山正暉#4
○中山委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。増子輝彦君。
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増子輝彦#5
○増子委員 自由民主党の増子輝彦でございます。
 いよいよ本日、掃海艇がペルシャ湾に向けて出航したわけでございますが、今回の決定は、我が国の国際社会において貢献をなすためには大変重要な、意義ある英断であります。隊員の皆さんの航行の安全と、誇りを持ち職務の遂行を立派に果たされることを願いながら、我が国の国際貢献につきまして、改めて日本の安全保障、世界の新たな国際秩序について幾つかの質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 まず最初に、世界が冷戦を乗り越えて新たな国際秩序を模索しつつあることは御案内のとおりでございます。今回、イラクのクウェートに対する侵略に端を発した湾岸危機が訪れましたが、国際社会が国連の権威のもとに一致団結してこの危機を克服したことは、大変喜ばしいことでございます。今回このような平和の破壊に対して国連が成功裏に対処したことによりまして、今後地域紛争の解決に果たす国連の役割というものはますます大きくなっていくことが予想されますし、また、そうなければならないと考えるところでございます。
 地域紛争は、それをまだ芽の出ないうちに摘み取ることが最も望ましいわけでございますし、このための努力を怠ってはならないわけでございます。また、紛争が実際に発生した場合には、国際社会が一致してその平和解決に努力をする必要があるわけでありますが、このような紛争への対処を国連が行うに当たって、我が国といたしましてはさまざまな形で貢献を行い、世界の主要国の一つとしてその責務を果たすべきだと考えているところでございますが、この国際的な責務を果たすという点につきまして、政府の考えを外務大臣にお伺いいたしたいと思います。
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中山太郎#6
○中山国務大臣 今回の湾岸戦争に見られるような地域紛争の対応について、我々が経験いたしましたこの経験から得たものは、地域紛争が発生する前にその緊張の情報をいかに国連が中心となって収集するか、それを関係国に伝達するかという予防外交というものが非常に重要であるということをこの戦争を通じて我々は学んだわけでございまして、そういう意味では、既に日本政府としては国連事務総長に対して、この予防のためのシステムを国連の中につくるべきであるという申し入れをいたしております。
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増子輝彦#7
○増子委員 予防外交、まさしく私もそのように感ずるわけでございます。いずれにいたしましても、今回の中東湾岸戦争におけるものが短期の中に終結して平和に向かったということは大変よかったわけでございますが、問題は、中東湾岸におけるいわゆる戦争の後をどういうふうにしていくのか。
 御案内のとおり、ペルシャ湾沖にはたくさんの機雷があるわけであります。先ほど申し上げましたが、今回の掃海艇の派遣ということにつきましては大変な英断でございます。今回の掃海艇派遣につきまして、ペルシャ湾には大変多くの機雷があると同時に、日本の船舶が大変多く運航しているわけでございます。我が国の原油の七〇%以上
がこれらの周辺諸国から輸入しているという現状を考えても、万が一安全な航行が確保できないという状態が起きれば、日本経済はもちろんのことでございますが、世界経済に及ぼす影響も大なるものがあるわけでございます。しかるゆえに、我が国はペルシャ湾における安全航行の確保を他国に任せるということではなくて、みずからの責任において当然努力すべきであります。今回の掃海艇派遣は、まさにこのような我が国が当然果たさなければならない責任を果たすものであります。また、これは湾岸地域における復興と通商の正常化、あるいはいろいろな形の中でのこれら周辺各国のこれからの方向性についても貢献するものと私は考えているところでございます。
 今回の掃海艇派遣の意義に関しまして、大臣の所見をお伺いいたしたいと思います。
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中山太郎#8
○中山国務大臣 ペルシャ湾にはイラクが敷設いたしました機雷が既に千二百個あったと報告されております。現在、そのうち六百個余りが既に処理されたと報告を聞いておりますが、それらの処理に当たっては、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ等の掃海艇が活躍してきたという実態があろうかと思います。
 なお、この地域におきます残存の機雷をどのように処理するかということが我が国の船舶の航行にとっても極めて重要なことでございますし、クウェートを中心にした戦後の復興にも資材の輸送等について重大な影響を及ぼすもの、このようなことから、今回、日本政府も法律の許すもとで海上自衛隊の掃海艇等を派遣することにいたしたわけでございます。
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増子輝彦#9
○増子委員 あわせまして、我が国の国際化社会に対する責務という観点から、その持てる経済力を今後の経済援助に支出するということも考えていかなければならないことは当然のことでございます。
 先般、実は海部総理がODAの新たな指針として四原則を表明したわけでございます。その中の一つは、核・生物化学兵器の保有、開発状況、これが盛んな国に対しましてはODA供与を見直すというものと理解をいたしているわけでございますが、今後どのような基準を設け実行するかということは、大変重要な点だと私は考えているわけでございます。単に我が国の姿勢を示すだけなのか、軍事費の増減などによってこの基準をどういうふうにつくっていかれるのか、大変重要だと考えているわけでございますが、NPTに加盟しているかどうかは大変重要なことではないのか、そういうこともあるいは総理のこの四原則の中に含まれているのかどうか。この点を含めまして、私は、今後の世界の平和を維持して新たなる紛争を引き起こさせないためにも、また新たな国際秩序をつくっていく上でも我が国の国際社会に対する責務は大変重要だと思いますので、NPT未加盟国にODAを抑えるのかどうか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
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中山太郎#10
○中山国務大臣 核拡散防止条約の未加盟国への加盟の働きかけ、またこの条約に関する義務の実施につきまして、これをやる国家、やっている国家、やらない国家、こういうものにつきましてODAを適用するかどうかということは、政府がODAを決定する際に重要な要素として我々がこれを検討するということでございます。
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増子輝彦#11
○増子委員 ただいま大臣が申されましたとおり、やはり世界の平和をつくっていく、先ほどお話に出ましたとおり予防という観点からいきましてもこれは極めて重要な問題と私自身は認識をいたしておりますので、どうかひとつこの点を慎重に、そしてその基準を今後とも明確にしていただくことが大変重要かと思いますので、ひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。
 また、先ほど申し上げました今後の中東周辺諸国のいろいろな復興の問題も含めてでございますが、今後日本はいろいろな形の中で世界の平和維持という問題にかかわっていかなければならないわけでございます。国連中心主義ということは、これは当然でございます。そういう中におきまして国連の平和維持活動、すなわちPKO、これは、実は今後大変重要な問題になってまいるわけでございますが、これまで多数の国家が参加して発展してきた活動であることは御案内のとおりでありますし、国際の平和と安全の維持に多大の貢献を行っているところでございます。一九八八年にはノーベル平和賞を受賞する等、国際化社会の幅広い支持と評価を得ているわけでございます。このような国連のPKOに我が国が積極的に参加をするということは、まさに我が国の憲法の国際協調主義に合致するとともに、国際化社会において地位の増大した我が国にとっては当然の責務であると私は考えているところでございます。
 かかる国連のPKOにつきましては、その中心的な活動として、平和維持軍、停戦監視団があることは御案内のとおりでございます。いずれにいたしましても、本来的には軍人による活動であって、各国から派遣された軍隊、軍人が中心となって行われているものではありますが、我が国が真に国際的貢献の見地からPKOへの参加を検討するのであれば、かかるPKOの現実を踏まえて、国際的に評価の得られるような対応を行う必要があることは言うまでもないわけでございます。三党合意に基づくというさきの臨時国会のこともございますが、今後このPKO参加に関する政府の取り組み方につきまして、大臣の所信をお伺いいたしたいと思います。
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中山太郎#12
○中山国務大臣 この国連のPKOにどのような形で参加をしていくかということは、国際社会における我が国の評価というものがおのずからそれによっても一定の検討をされる一つの座標軸になろうと考えております。
 御案内のようにPKOの中には、今も委員御指摘のように平和維持軍、停戦監視団、選挙監視団と三つの大きな柱がございますけれども、平和維持軍と停戦監視団は、国連の基準によると原則軍人によって構成される、一部の部門が文民で行われるということでございます。これから日本がどのように対応していくかにつきましては、さきの三党合意も踏まえて各党で御協議をいただき、できれば各党が御協議いただく中で、我が国の憲法のもとでどこまで我々がこのPKOの部隊をどの種類まで構成することができるか、そういうものの御議論をいただくことが極めて重要である、政府は各党間の御協議を踏まえて立法措置に対応してまいりたい、このように考えております。
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増子輝彦#13
○増子委員 ひとつこの点を慎重に、かつ積極的にPKOにつきましては御努力をお願いしたいと同時に、私どももその責務を担っているものと考えているところでございます。
 掃海艇につきまして、防衛庁にひとつお伺いをしたいわけでございます。
 今回の掃海艇派遣につきましては、極めて困難な航海や掃海作業が予想される中で、派遣される隊員の皆さんが安心して使命感と誇りを持って業務に従事できるということが極めて重要だと私は考えておるわけでございます。防衛庁長官、きょう記者会見をされたようでございますが、その中で、この派遣隊員の皆さんに対する諸手当、処遇等につきまして防衛庁の考え方をお伺いしたいわけでございます。これは大変重要なものと私は認識をいたしております。やはり初めての派遣のことでもございますし、先ほども申し上げましたとおり隊員の皆さんが誇りを持って使命感を持ってこの任務に当たるということは、今後の自衛隊員の皆さんの士気高揚の点におきましても極めて重要だと考えておりますので、この件についてお伺いをいたしたいと思います。
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坪井龍文#14
○坪井政府委員 お答え申し上げます。
 ただいまも先生から大変ありがたい御発言ございまして、かねて我が隊員につきましていろいろ御支援、そういった御理解をいただいているところでございますが、御案内のように本日、ペルシャ湾の機雷掃海の作業のために海上自衛隊の掃海艇等が実際に出帆いたしました。派遣される隊員に対しましては、その処遇につきましてかねてより、隊員が誇りを持ち、そして安んじて業務に従事できるようにすることが大変重要であると私ども考えております。このため、今回の業務につ
きましては、処遇の面で特別の措置を講ずる必要があるというふうに考えておりまして、関係省庁の御理解も得まして、今後所要の手続を進めて実施してまいりたいと考えております。
 その具体的な措置としましては、まず手当につきましては、掃海作業の場合日額一万六百円を、また危険海域におけるその他の業務の場合には日額三千七百円を支給するということが一つでございます。
 それから二番目に、賞じゅつ金等でございます。これはもちろん隊員が全員無事に任務を遂行して帰還するということを確信しているわけでございますが、万一不幸な事態があった場合、殉職するとかあるいは傷害が起こるといったような場合には、現在の法律で公務災害補償法がございますが、その中に五割増しの規定がございます。それで、かねてそういった機雷とか不発弾の処理につきましては適用できるようになっておりますので、そういった規定が適用されるというふうに思います。
 また、長官から、特にそういった任務の遂行中に功績があり、そういった大変危険な業務を遂行して殉職するとかあるいは傷害があった場合に、訓令で規定しておりますけれども、現行最高一千七百万円という賞じゅつ金がございますが、今回の場合にはこれに最高一千万をさらに上乗せして支給できるようにするということで関係方面と話がついております。
 さらに、新たに総理からも特別な褒賞という制度で、現在警察官等につきましてそういうのがあるわけでございますが、今回の機雷の掃海という任務につきましてもそういったものをいただけるふうにさせていただくというふうになっております。
 よろしくお願いします。
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増子輝彦#15
○増子委員 内容等につきましてはよくわかりました。ただ御要望申し上げておきたいことは、やはりこれだけの任務につくわけでありますから、掃海作業につきましての一万六百円あるいは危険海域における業務としての三千七百円、今の世の中の状況から考えますと極めて低い額かなというように今お聞きして感じたわけでございます。さらに賞じゅつ金等に関しましても、ちょうど警察官の方々の比較等もございましたが、この辺はひとつ今後検討をより進められて、後顧の憂いなくこういった任務につくということで、先ほど来申し上げておりますとおり隊員の皆さんが誇りと責任を持って任務に当たるということがやはり極めて今後重要なことかと考えておりますので、その辺をさらに今後の課題といたしまして十分御検討いただきますよう、これは要望ということでお話を申し上げておきたいと思います。
 外務大臣に再びお尋ねをさせていただきたいと思います。
 先ほどの大臣の所信表明の中にもございましたが、本当に世界の情勢、大変大きな変化があるわけでありますし、ソビエトの国内問題の深刻化という極めて不安定な要因に直面しているということの認識は、まさしくそのとおりでございます。先ごろ、ゴルバチョフ大統領がソビエトの元首といたしましては我が国に初めておいでになった。いわば新しい日ソ関係ということについては、改めて大きなスタート点に立ったのかなというふうに考えているわけでございます。しかし、ソ連を含む今後のアジアの安全保障という問題につきましては、国家の安全保障、世界の安全保障ということにつきましてやはり極めて重要な問題かと認識をいたしているところでございます。先ごろの国会における演説の中でもゴルバチョフ大統領はアジア・太平洋地域の安全保障に関する一連の提案を行ったわけでございますが、政府の見解はいかがかなということと、またあわせ、ゴルバチョフ大統領は二年前の北京演説と同様のソ連軍の一方的削減に関する措置を反復いたしているわけでございますが、この間むしろ極東ソ連軍は質的に増強されているのではないのかなというような認識をいたしているわけでございます。CFE条約による兵器の破壊義務を介して大量の新型兵器がソ連のアジア部に移転されてきているわけでありますが、こうした事実に基づきまして、ゴルバチョフ大統領より納得のいく説明は果たして得られたのかどうか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
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中山太郎#16
○中山国務大臣 ソ連のアジア・太平洋地域における軍備・軍縮の問題についてはゴルバチョフ大統領から触れられたことはございますけれども、大統領の訪日に先立って日本を訪問されたべススメルトヌイフ外相と私との外相会談では、日本としてソ連のアジア地域における軍事力の問題については、海上艦艇においては隻数は減っている、しかし戦闘能力は向上している、また一方、ヨーロッパにおけるCSCEの結果、ウラル以東に一万両を超える戦車が移動している、こういう問題について政府としては重大な関心を持っているということを指摘しているところでございます。
 いずれにいたしましても、ソ連の軍事情勢というものは軍縮に向かっているという考え方が十分見られますけれども、我々としては現在のソ連の国内政情というものはまだまだ不安定な状況が続いているという認識を持っております。
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増子輝彦#17
○増子委員 この点につきましては、やはり本当によく見きわめていかなければ真の世界の平和というものを確立することにもならないと思いますし、また、我が国の安全保障という観点からも極めて重要な問題だというふうに認識いたしておりますので、引き続きソビエトとの交渉等につきましては大臣の御努力をひとつお願い申し上げるところでございます。
 やはり今後我が国が、経済大国ということだけでなくて、真の世界の、政治も一流、経済も一流と言われることにつきましては、より平和、独立という観点からしっかりと国際的な責務を果たしていかなければならないことは先ほどの大臣の所信と全く同感でございます。その中にあって、東西の冷戦状態というものも大変重要な問題ではございます。これを協調の時代に持っていくということは極めて重要なことではございますが、あわせてアジアの平和というものは、やはり私は、大変重要な、今後の日本の安全保障にとっても必要であろうし、またこの点を我が国はしっかりと考えながら平和、安全保障というものを構築していかなければならないと認識をいたしているところでございます。
 こういう観点から、我が国の掃海艇派遣に対しましてアジア諸国の反応、これは外務大臣のいろいろな御所見をお聞きいたしておりますと、極めて理解をちょうだいしているというようなことも伺っておるわけでございます。これらの点につきまして、今度の掃海艇派遣がアジアの安全保障にどのような影響を与えるのか、と同時にまた、今回理解を得られるためにはどのような努力を引き続きされていかれるのか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
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中山太郎#18
○中山国務大臣 今回の我が国の掃海艇派遣の問題とアジアの各国の反応はどうかというお尋ねでございますが、一部の国を除いてほとんどの国々は、日本の、平和目的のために戦争状態のない地域に掃海作業を行うための出動である、またこれは国際社会への貢献として十分評価できるものという認識を各国が抱いております。けさもフィリピンの官房長官が日本に来られてお目にかかりましたが、フィリピン政府も大変な理解を示しておりますし、昨日行いました韓国の外相会談においても、韓国は十分理解をしている、こういうことでございます。
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増子輝彦#19
○増子委員 ひとつ、このアジアの各国の理解を得るということにつきましても、大臣のより一層の御努力をよろしくお願いをいたしたいと思います。
 さて、最後の質問になりますが、やはり日本の安全保障ということを考えたときに、どうしても忘れることのできないといいますか、最も重要なものは、日米安全保障体制と日米関係ということにあるというふうに私は考えております。先ほどの所信の中にも、「わが国の平和と安全を確保するためにまず重要なことは、日米安保体制の堅持
であります。」ということも大臣は述べられておるわけでありますが、まさしくそのとおりであり、同感でございます。今般のイラクのクウェート侵攻に見られるとおり、アメリカが果たした役割というものは大変すばらしく、また重要なものがあったわけでございますが、今後、国際社会は依然地域紛争などの不安定要因を持っていることはもう御案内のとおりでありますし、我が国といたしましては、引き続き日米安保条約を堅持し、その信頼性の強化に努めるということは極めて大事なことだというふうに考えております。
 先ほどの所信の中にもございましたが、最後にもう一度、日米安保体制の意義、これにつきまして大臣の所信をお伺いいたしたいと思います。
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中山太郎#20
○中山国務大臣 日米関係というものは日本外交の基軸である、そして我が国にとりましては、やはり世界で最強の国家が日本との安全保障条約の締結国である、こういうことによって我が国の国民の生命、財産の安全、これが我が国の防衛力と相まって維持されてきたということは、紛れもない事実でございます。
 なお、この安全保障条約は、単に防衛上の問題だけではなしに、経済的にも大きな関係がございます。そういう中で日米関係が良好である、信頼関係が絶えず維持されているということ、これは安全保障の効率的な運用に極めて重要でございまして、私は経済面においても日米間の関係が良好にあるということが、防衛上も経済上も非常に我が国には有利に機能しているということをここで改めて申し上げておきたいと思います。
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増子輝彦#21
○増子委員 大変雑駁な質問になってしまいましたが、今後、日本の安全保障、そして我が国の国際社会に対する貢献、これはますます重要であり、我々が果たさなければならない責務だと認識をいたしております。大臣にもひとつ、今後十分健康に注意をされまして、何しろお忙しい方でございますから、世界平和のため、日本のために大いに御活躍、御健闘いただきますよう心からお祈りを申し上げまして、質問を終了させていただきます。
 ありがとうございました。
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中山正暉#22
○中山委員長 それでは、引き続き元信堯君から質疑の申し出がありますので、これを許します。元信堯君。
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元信堯#23
○元信委員 社会党の元信です。
 ゴルバチョフ大統領が来日をいたしました。海部総理大臣と数次にわたる首脳会談を行い、共同声明を発して帰国をされたわけでありますが、来日の成果、どういう成果があったのか、各方面から評価が行われているところでありますけれども、北方領土問題が思わしく進展をしなかった、そのゆえをもって失敗じゃないか、意味がなかったんじゃないか、こういう意見も強いわけであります。しかし、ソ連の元首が日本へやってきて、日本の首相あるいは国民と直接交流をしたということは画期的なことでありまして、歴史的にもまた大きな意味があることだと思います。目先の利益だけで失敗あるいは成功を論ずることは誤りであろうと思うわけであります。
 きょうは外務大臣に日ソ関係について、このゴルバチョフ大統領の来日の成果を中心に幾つか質問を申し上げ、あわせて私の見解も申し上げて、これからの日ソ関係をどういうふうに発展させていくか、我が国の外交のあり方を議論してみたいというふうに思います。
 まず外務大臣に伺いますが、今般のゴルバチョフ大統領の訪日の意義とその成果について、総括的な御評価を承りたいと思います。
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中山太郎#24
○中山国務大臣 ソ連は我々の国の隣国でございます。この隣国の国家元首というものが戦後四十五年間、日本をいまだ訪問をされていなかったという状況の中で、今回ゴルバチョフ大統領が日本を訪問された。この意義は、日ソ関係のこれからの発展にとって極めて重要な一つのターニングポイントになるという認識を持っております。現在日ソ間は、輸出、輸入とも昨年あたりで約三十億ドルずつでございます。人の往来は、日本から大体二万四千人、ソ連から一万七千人くらいの人が日本に往来をしております。そういう中で、我々は最恵国待遇を一九五六年にソ連に与えておりますが、やはり政治的な安定が築かれていくということが両国の経済の協力にも大きく反映をしていく。こういうことから考えますと、ゴルバチョフ大統領の訪日を契機にこの領土問題が、従来かつて文書上、領土問題として歯舞、色丹、国後、択捉の四島が二国間に存在しているということが書かれたことはございませんでしたが、そういう意味から考えますと、これからの日ソの二国間の協議の一つの大きな舞台が今回の大統領訪日ででき上がった、このように認識をいたしております。
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元信堯#25
○元信委員 我が国とソ連の関係が、今外務大臣がおっしゃられるように、画期的な一つのエポックを越えた、こういう御見解、御認識でありますけれども、今回のゴルバチョフ訪日について、アメリカからはどのような働きかけがあったのか、あるいはまた評価について、アメリカ、それから中国、韓国、そこら辺からはどういう評価があったか、今の段階で承知されていることを伺いたいと思います。
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中山太郎#26
○中山国務大臣 まだ正式に米国政府からコメントを私あてにいただいているわけではございませんが、アメリカの政府筋の考え方として、今回の訪日というものは領土問題について一定の進展があったというふうな認識を持っていると聞いております。
 一方、中国もこのゴルバチョフ大統領の訪日というものについてはそれなりの、日ソ関係が進展していくことについて大きな関心を持たれていると思っております。
 いずれにいたしましても、周辺国がどういう考えを持っているか。昨日は韓国の李外務大臣が訪日されまして外相会談を行いまして、日本におけるゴルバチョフ大統領の訪日の際のいろんな両国間の話し合いの経過、また済州島における韓ソの首脳会談の経過等も意見の交換を行ったところでございます。
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元信堯#27
○元信委員 全般的に、日本とソ連の関係が改善することについて、今申し上げました諸国から異論がないのはもちろんだと思いますが、歓迎をする空気にある、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
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中山太郎#28
○中山国務大臣 そのとおりでございます。
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元信堯#29
○元信委員 ゴルバチョフ大統領は、国会の演説でも触れられましたけれども、日本とソ連、アメリカ、中国、インドによる五カ国協議、あるいは日本、ソ連、アメリカの三カ国協議、さまざまな協議ですね、それから環日本海安全保障協力の提案をしたと思いますけれども、我が国の政府はこれに対してどのような反応をいたしましたか。
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