安全保障特別委員会

1991-03-13 衆議院 全241発言

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会議録情報#0
平成三年三月十三日(水曜日)
    午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 中山 正暉君
   理事 瓦   力君 理事 中川 昭一君
   理事 増子 輝彦君 理事 三原 朝彦君
   理事 宮下 創平君 理事 上田  哲君
   理事 元信  堯君
      伊藤宗一郎君    柿澤 弘治君
      中谷  元君    山崎  拓君
      山下 元利君    渡瀬 憲明君
      沖田 正人君    加藤 繁秋君
      左近 正男君    関  晴正君
      冬柴 鐵三君    東中 光雄君
      神田  厚君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 池田 行彦君
 出席政府委員
        内閣法制局第一
        部長      大森 政輔君
        防衛庁参事官  内田 勝久君
        防衛庁参事官  宝珠山 昇君
        防衛庁長官官房
        長       日吉  章君
        防衛庁防衛局長 畠山  蕃君
        防衛庁教育訓練
        局長      小池 清彦君
        防衛庁人事局長 坪井 龍文君
        防衛庁経理局長 村田 直昭君
        防衛庁装備局長 関   收君
        防衛施設庁長官 児玉 良雄君
        防衛施設庁総務
        部長      箭内慶次郎君
        防衛施設庁施設
        部長      大原 重信君
        防衛施設庁建設
        部長      黒目 元雄君
        外務大臣官房審
        議官      川島  裕君
        大蔵省主計局次
        長       小村  武君
        大蔵省理財局次
        長       藤原 和人君
 委員外の出席者
        外務大臣官房外
        務参事官    小西 正樹君
        外務省北米局安
        全保障課長   森  敏光君
        外務省中近東ア
        フリカ局中近東
        第二課長    大木 正充君
        外務省経済協力
        局政策課長   林   梓君
        外務省条約局法
        規課長     小松 一郎君
        外務省国際連合
        局国連政策課長 高須 幸雄君
        外務省国際連合
        局軍縮課長   神余 隆博君
        通商産業省貿易
        局輸出課長   鹿島幾三郎君
        特別委員会第三
        調査室長    下野 一則君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 国の安全保障に関する件
     ────◇─────
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中山正暉#1
○中山委員長 これより会議を開きます。
 国の安全保障に関する件について調査を進めます。
 防衛庁長官から防衛政策の基本に関し説明を求めます。池田防衛庁長官。
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池田行彦#2
○池田国務大臣 平素から我が国の安全保障に深い関心を持たれ、御指導を賜っております衆議院安全保障特別委員会の皆様に、私の所信の一端を申し述べさせていただきます。
 今日、世界は、歴史的な変革期を迎えており、東西関係は、欧州を中心として本格的な対話と協調の時代に移行しつつあります。また、このような変革の波は、我が国周辺地域にも及びつつあり、韓ソ国交樹立といったこの地域の緊張緩和に向けた注目すべき動きも見られます。
 しかしながら、アジア地域の情勢は、欧州に比べて複雑であり、また、極東ソ連軍の膨大な軍事力の存在がこの地域の軍事情勢を厳しいものにしていることに変わりはありません。さらに、深刻な経済不振が続く中で民族問題が一段と激化しているソ連の動向についても、引き続き注目していく必要があります。
 また、東西関係の急激な変化は、いわゆる第三世界において、民族、宗教、領土等の紛争要因を顕在化させ、武力紛争が生起しやすくなるのではないかとの懸念を生じさせています。
 このような中で、昨年八月、イラクがクウェートを侵略、併合するという事態が生じたことは極めて遺憾であります。この明白なる平和の破壊に対し、国際社会は、戦後初めて国連を中心に一致結束して事態の解決に努め、先般、イラクの侵略の排除とクウェートの解放が達成されたことはまことに喜ばしい限りであります。これを契機として、湾岸地域における真の平和と安定が一日も早く実現されることを切望しております。
 最近における国際情勢の動向については、今後とも注目する必要がありますが、総じて見れば、防衛計画の大綱策定の際に前提とした国際関係安定化の流れがより進んだ形であらわれつつあると言うことができます。我が国としては、引き続き日米安全保障体制を堅持するとともに、我が国が保有すべき防衛力の水準を定めた防衛計画の大綱の基本的考え方のもと、効率的で節度ある防衛力の整備に努め、我が国の平和と安全を確固たるものとしていかなければならないものと考えております。そして、このような努力は、我が国に対する侵略の未然防止に大きな役割を果たすばかりでなく、我が国周辺地域の平和と安定の維持に貢献することになると考えております。
 政府は、このような考え方に基づき、昨年末、新中期防衛力整備計画を策定したところであります。この新中期防につきましては、さきの本委員会において御報告申し上げたところであります。
 また、防衛力の整備と並ぶ国の防衛の柱である日米安全保障体制の信頼性の維持向上のため、我が国は、不断の努力を行っていく必要があると考えております。このため、日米防衛首脳の会談を初めとして日米間で間断のない対話を行うとともに、日米装備・技術交流、在日米軍駐留経費負担等の各分野において、日米防衛協力関係の緊密化に尽力してまいりたいと考えております。
 さらに、我が国の防衛にとって必要不可欠な自衛隊や在日米軍の施設を確保するとともに、その安定的使用のため、防衛施設と周辺地域との調和を図るべく、防衛施設周辺の生活環境の整備等の諸施策につきましても、引き続き積極的に推進してまいる所存であります。
 以上、防衛政策に関する私の所信を申し上げましたが、私は、国民の理解と支持を得ながら、我が国の安全確保のために全力を尽くしてまいりますので、委員長を初め委員各位の一層の御指導と御鞭撻をお願い申し上げる次第であります。
    ─────────────
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中山正暉#3
○中山委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中谷元君。
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中谷元#4
○中谷委員 中谷元でございます。本日は、自由民主党を代表さしていただきまして、湾岸戦争終了後の我が国の防衛政策等につきまして御質問をさしていただきます。
 昨年の八月二日にイラクがクウェートを侵攻したことに端を発する湾岸戦争は、さまざまな面で我が国の有事における安全保障のあり方について多くのことを教えてくれておりますけれども、経済大国として国際的な貢献を求められている日本の処置が、責任ある国家として湾岸戦争でどの程度の評価を今世界から受けているのか、これは諸外国の首脳の動きを見ればよくわかるわけでございます。それで、この戦争が終了した今、日本人は米ソ冷戦が終了したこれからの日本のあり方と世界の安全保障について考えていかなければなりませんが、我々国会議員も一連の流れをよく今分析して、新しい対策について講じておかなければなりません。
 そこでお伺いしたいわけでございますけれども、まず、現在の中東地域における和平の状況並びに今後イラクのフセイン大統領のフセイン政権というのがどのようになっていくのか、この見通しについてお伺いをさしていただきます。
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大木正充#5
○大木説明員 お答えさしていただきます。
 二月二十八日に多国籍軍の武力行使が停止された後に、三月三日に国連安保理は、イラクに対してそれまで採択された十二の安保理決議すべての受諾を実行すること等を要求する決議六百八十六を採択いたしました。その後、三月三日の多国籍軍、イラク軍双方の司令官会議の開催、四日の戦争捕虜の釈放開始等の措置がとられてきておりますが、まだ多国籍軍側とイラク軍側との間で正式な停戦が合意されるに至ってはおりません。米国は、一連の国連決議が満たされた後に停戦文書に署名、この署名の後に多国籍軍は直ちに現在占領中のイラク領土から撤退開始をするという立場を表明いたしております。
 他方、イラクにつきましては、今月初めから、バスラ、カルバラ、ナジャフ等イラク南部のシーア派地域、スレイマニヤ、アルビル等北部のクルド人地域において反政府活動が活発化して政情の不安定化をもたらしております。元来イラクに内在するこれらの宗派的あるいは民族的不安定要因は、現下の情勢下でイラク政府の将来についての見通しを極めて困難なものにしております。加えて、中東地域にはパレスチナ問題、レバノン問題等中東情勢に影響を及ぼす不安定な要因が存在しており、今後の情勢は極めて流動的と言わざるを得ないと考えております。
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中谷元#6
○中谷委員 まだまだ戦争の影響が多分に残っているという状況でございますけれども、それでは防衛庁の方にお伺いしたいわけでございます。
 今回の戦争によって防衛庁が日本の防衛システムのこれからのあり方という点でいろいろと教訓を得たのじゃないかと思いますけれども、どんな教訓を得たのか、また防衛庁として、このような事態を受けて今後我が国の国防の方針をどのような方向で進められるのか、この点についてお伺いをさせていただきます。
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池田行彦#7
○池田国務大臣 お答え申し上げます。
 まず、防衛庁としてという前に、今回の情勢というものを我々日本の国全体としてやはり十分に考え、将来に向かっていろいろな対応を考えてまいらなくちゃいけないんだ、こう思います。
 先ほど、私の所信の中でも申し上げさせていただきましたけれども、世界はいわゆる冷戦構造を超えた対話と協調の時代に進みつつある。これは大きな流れとしてはそのとおりでございますけれども、しかし、当面の動きといたしましては、やはり地域的な紛争がむしろ惹起する可能性が多くなった、こういうところもあるわけでございます。それが不幸にして今回湾岸であんなことになったわけでございますけれども、こういったことをも踏まえながら、我々日本の防衛のあり方も考えていかなくちゃいけない、それからまた国際社会の中でのあり方も考えていかなくちゃいけない、こう思うわけでございます。
 さて、今具体的に御質問の、今回の湾岸での動き、これを通じて防衛のあり方についてどのような教訓を学び取ったかということでございます。
 一つは、今回の湾岸での武力衝突が、俗にハイテク戦争、こういった言葉で呼ばれたことでございます。そのように今回は技術の進歩の要素がますます大切になってきた、このことは、専守防衛をその趣旨としております日本の防衛においてもやはり技術の要素というものを大切にしなくちゃいけない、こういう教訓を一つ得られたと思うのでございます。
 御承知のとおり我が国におきましては、大綱におきましても、諸外国の技術的水準の動向に対応し得るように質的な充実、向上を図っていく、こういう方針が掲げられておるわけでございますが、今回の事態を見ましても引き続きそういった質の高い防衛力整備に努力していかなくちゃならないんじゃないか、こういうことを感じておる次第でございます。これも具体的に申しますならば、今回も脚光を浴びました例のペトリオットでございますね、これにつきましては既に昭和六十年度から調達を行っておるわけでございますし、また、今後MLRS、いわゆる新多連装ロケットシステムでございますね、それから早期警戒管制機などについても新中期防の中で織り込んでまいりたい、こう考えている次第でございます。
 それから、そういった技術面の問題がございますし、さらにやはり指揮命令系統が通信の面も含めていかにスムーズに動くかというようなこと。そうして何よりも兵員の士気でございますね、これが大きな要素になったなということ、これは今回の湾岸の状況に限らないと思いますけれども、これも一つの教訓だと存じます。
 いずれにいたしましても、今回のいろいろな動きを見まして我が国の防衛力の整備上参考にしなくちゃいけない点は多々あると思いますけれども、今後とも情報の収集に努め、さらに調査研究を行ってまいりたい、このように考えている次第でございます。
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中谷元#8
○中谷委員 ただいま長官の方から教訓についてお話を聞かしていただきました。私として感じた教訓を三つ、今挙げさしていただきます。
 まず一つは、平時における防衛力というものはやはりきちっと整備しておかないと、クウェートのように侵略を受けてしまうということであります。
 第二点は、やはり日本は日米安全保障条約という条約を結んでアメリカとの同盟関係を確約しているわけでありますので、友好国やまた国際連合との協調とか協力姿勢、これにはもっと力を入れて正々堂々と取り組んでいかなければならないということ。
 それから三番目には、今回政府が政治判断をするに際しても、やはり世界各国の軍事情報というものをもっとしっかりと入手しておかないと的確にまた迅速に判断ができないわけでありますので、この点の整備をしてもらいたいというふうな、大きな三つの点について指摘をさしていただきます。
 最初の、防衛力はきちっと整備してもらいたいということにつきましては、先ほど長官もお述べになられたように、今戦闘が電子戦化、ハイテク化されておりまして、その点についての日本の防衛について質的な向上を図ってもらいたいということでございます。今回の戦闘の様相を我が国が侵攻されたケースに当てはめてみますと、果たして日本は大丈夫かということを考えさせられるわけであります。
 具体的に申しますと、今回航空機からのピンポイント攻撃ということによる誘導弾の実効性が実証されているわけでありますけれども、このピンポイント攻撃から日本の重要施設を守る手段を考えているのか。第二に、ステルス化された航空機やミサイルに対する探知システムはちゃんと整備をされているのか。第三は、弾道ミサイルや巡航ミサイルに対する防御システム、防衛システムは十分に整備をされているのか。第四は、上陸、着陸侵攻に対する防衛システムの問題点はどうか。第五に、核や生物化学兵器に対する防護システムのシェルター等の整備は十分にされているのか、防護マスクが非常時に民間人に渡るほどの準備または余裕があるのか。それから、情報戦でありますから近代化されたC3Ⅰシステム等どこまで今整備をされておられるのか。それから、偵察とか監視とか人工衛星が今回非常に大きな役割を果たしたわけでありますけれども、日本の防衛につきましても、これからの時代を考えるとこういったものを大いに利用すべきであると考えます。
 考えれば考えるほど日本の防衛はまだ整備をしていかなければならない点が多いわけでありますけれども、これらの項目に対する姿勢はいかがであるのか、簡単にお答えいただきたいと思います。
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畠山蕃#9
○畠山(蕃)政府委員 ただいまいろいろな点の御指摘がございました。
 第一点のピンポイント攻撃、空からの攻撃という点でございますけれども、これにつきましては対空防空システムということで、後の三番目か何かに述べられましたミサイル攻撃に対する対処ということも含めてでございますけれども、航空自衛隊で、ナイキあるいはそれを換装しておりますペトリオットというようなことで重要地域に対する防護ということは考えられているわけでございます。それから、当然ながら、それに至るまでに航空機等による侵攻を防ぐためには、まず地上の二十八カ所のレーダーサイトによってそれを見つけ、あるいは北方に配置されることになっておりますE2C、さらに新中期防におきまして予定されておりますAWACSといったもので侵攻機に対する早期警戒というようなシステムを検討しているところでございます。
 それから、着上陸侵攻に対する措置ということでございますけれども、これにつきましては、御承知のとおり陸上自衛隊におきまして着上陸侵攻に対する対処ということで現在着々と進めておりますが、特に新中期防におきましては新多連装ロケットシステムというようなことで有効にこれに対処するということでございますし、また、もろもろの従来から整備しております着上陸侵攻の船に対する対艦ミサイルというものも新中期防において本格的に整備を図る、あるいはまた対地支援攻撃機によります対処ということが考えられているわけでございます。
 それから、防護マスクの点でございますけれども、これは現在防衛庁でもかなりのものを持っているわけでございますけれども、これを民間にという形には現在十分にはなっていないと承知しております。
 それから偵察衛星につきましては、これは御承知のとおり、衛星の問題につきましては民間においてもその利用が一般化されているものについては防衛目的にも使うことができるということになっているわけでございますけれども、偵察衛星については今後の検討課題というふうに思っております。
 なお、C3Ⅰについて御質問もございましたが、これについても従来から重点を置きまして着々と進めているところでございまして、特に情報につきまして情報本部というようなものを新中期防の過程においてつくるということで、これについて本格的な体制を整えるというふうに考えているところでございます。
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中谷元#10
○中谷委員 今回大いに準備をしなければならないものが多々あるということは教訓として得られたんじゃないかと思います。その中で一番顕著だったのがやはり何といってもスカッドミサイルに対するパトリオットの効果というか、あれがあるおかげで都市の建物や人命の損失が防げたということで、非常に効果があったわけでありますけれども、現在我が国が保有しておりますパトリオットの規模について、何台あるかということと、それから、現在日本の都市にスカッドミサイル等が、諸外国からICBM等が撃ち込まれる可能性があるのかどうか、その能力を実際外国は持っているかどうか、このことについて教えていただきたいと思います。
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畠山蕃#11
○畠山(蕃)政府委員 ペトリオットミサイルの装備状況でございますけれども、これは現在この時点においてオンハンドされております、整備されておりますのが、一個群につきましてナイキからペトリオットに換装された分がございます。なお、平成二年度末におきましては二個群目が整備されるという形になります。さらに、予算的措置からいいますと、平成三年度予算をもって六個群のすべてについてナイキからペトリオットに換装されるという形に予算的手当てとしてはなるわけでございます。
 それから、スカッドミサイルに対する対処能力という点にお触れになりましたが、現在我が国で導入ないし導入予定とされておりますペトリオットにつきましては、これはその詳しい具体的な能力について明らかにするのは差し控えさせていただきたいと思いますが、アメリカにおきましては現在、ミサイル対処能力あるいはECM能力等につきまして改善型のものを導入しているところでございまして、我が国はその改善型ではない、一歩前のところという状況でございます。したがいまして、高入射角で侵入してきますスカッドミサイルというものについて、必ずしも詳しいデータを持っているわけではございませんけれども、なかなか今の段階のペトリオットでは十分な対処能力が必ずしもあるとは言えないのではなかろうかということで、新中期防におきましてこのペトリオットのさらに改善、改革というものを予定させていただいておるところでございます。
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中谷元#12
○中谷委員 まだ一個群、来年度でもまだ一個群ふえるくらいしかないということで、防空面についての防衛というのがまだ進んでいないようでありますので、大いにこれからも進めていただきたいと思います。
 いずれにしましても、これからの我が国の防衛力の整備を考えてみますと、日本は憲法の制約がありますからその方策が限定されるのはやむを得ないわけでありますけれども、やはりアメリカとか諸外国との安全保障の体制の強化のためには、日本の技術大国という、日本が持っている先端技術を大いに活用して安全保障体制の強化に貢献するべきだというのが一番の最善の策だと思いますので、今後とも大いにそういった技術面での研究を進められて、我が国の果たせる分野でこの技術の発展に協力すべきだと思います。
 さて、このような状況の中で、今回湾岸貢献策の九十億ドルの拠出をめぐって政府はこのたび防衛費の一千億円の削減を決定し、実施されたわけでありますけれども、この一千億円の削減はどういう見地から決定をされたのか、また、今後中期防衛力整備計画等の推進について果たして影響があるかどうか、このことについて御説明をいただきたいと思います。
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池田行彦#13
○池田国務大臣 お答え申し上げます。
 御承知のとおり、平成三年度の防衛関係費につきましては、新中期防のもとで大綱に定める防衛力の水準を勘案しながら、そしてまた厳しい財政事情ということも十分念頭に置きまして、いわば必要最小限の経費を計上しておったわけでございます。そのことは、経費の中をごらんいただきましても、人件あるいは糧食といった関係、あるいは義務的経費でございます過去の契約に基づく歳出化経費、こういうところを除く一般物件費というところでは、若干の特殊要因を除きますと実質的にはマイナスになっておるというふうな姿であったということでも御理解いただけるわけでございます。そういったぎりぎりの予算計上額から御承知のとおり平成三年度の歳出額で十億円、それから国庫債務負担行為を含めますと千二億円の防衛費の削減を余儀なくされたわけでございます。
 今回の九十億ドルの処出という問題と日本の国を守る防衛費とは必ずしも直接の牽連関係があるわけではない。そちらの湾岸の方に協力すれば国内の防衛費を削っていいという話にはならないと思うのでございますけれども、それは先生もご承知のとおり、いろいろな議論がございました。やはり、こういった九十億ドルの貢献はどうしても日本としてはやらなければいけないけれども、それをすべて国民の皆様方にいわば新しい税の形で御負担いただくのはどうなのか、その前に政府としてさらに一段の節減努力をすべきではないか、こういう議論があったわけでございます。そういった背景にはもちろん国民世論があるわけでございますけれども、具体的には国会でのいろいろな御論議を踏まえまして、先ほど申しましたように数字として、直接関係しなければいけない問題ではございませんけれども、我々といたしましては万やむを得ざる措置として、いわば断腸の思いでその千二億円の国庫債務負担行為を含めての減額をのんだということでございます。
 そして、こういったことがこれからの防衛力整備に悪影響を及ぼすのじゃないのかという御質問でございますが、私どもも必要最小限のことを計上しておったのでございますから、これはやはりこれからの防衛力整備に影響を与えるということは避けられないと思うのでございます。しかしながら、何とかそういった悪影響を少なくできないか、最小限にとどめられないかということでいろいろ工夫をしてまいりましたし、これからもしてまいります。具体的には、これから整備を予定しております装備の中でも本当に基幹になるようなものについては手を触れないで何とかやれないか、それから部隊編成の面でも何とか影響を少なくできないかといろいろ工夫をしておるところでございますし、またこれからもそのようにしてまいりたいと考えておる次第でございます。
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中谷元#14
○中谷委員 大いに今後とも防衛力の整備のために頑張っていただきたいと存じます。
 それから、これから第二の教訓として人的貢献のあり方について御質問をさせていただきます。
 今回、人的貢献の面で日本は何もしなかったのじゃないかという海外からの声が非常に寄せられておりますけれども、その中でも特に人道的な見地によります避難民の救済、また医療活動、また多国籍軍の後方支援もできないようでは、率直な話、大きな犠牲を払って平和回復に取り組んでおる世界各国から、日本は金だけ出して人は出さないという批判を受けるのは当然のことであります。今後のことにつきましては、この地域におけるPKOの活動、またカンボジア等でこういった状況が想像されるわけでございますが、政党間でこのPKOの参加問題についてこれから話し合っていくわけであります。
 法制局に確認をさせていただきますけれども、このPKO活動に自衛隊が参加できるかどうかについて、現在の見解をお述べいただきたいと存じます。
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大森政輔#15
○大森(政)政府委員 委員ただいまお尋ねの問題につきましては、既に昭和五十五年十月二十八日付の政府答弁書におきましてその基本的な考え方はるる述べられているわけでございます。その内容は、いわゆる平和維持活動、PKOのために編成されたいわゆる国連軍についてでございますが、これは「個々の事例によりその目的・任務が異なるので、それへの参加の可否を一律に論ずることはできない」と前置きしまして、一般的に言えば、「当該「国連軍」の目的・任務が武力行使を伴うものであれば、」この「目的」じゃなくて「武力行使を伴う」というところを注目いただきたいと思いますが、「武力行使を伴うものであれば、自衛隊がこれに参加することは憲法上許されないと考えている。これに対し、当該「国連軍」の目的・任務が武力行使を伴わないものであれば、自衛隊がこれに参加することは憲法上許されないわけではないが、現行自衛隊法上は自衛隊にそのような任務を与えていないので、これに参加することは許されないと考えている。」政府答弁書では概略このように述べております。現在もこの考え方をとっているわけでございます。
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中谷元#16
○中谷委員 現在の解釈から、ここでちょっと現実にPKOと照らし合わせてみたいと思いますけれども、国連における平和維持活動の中で監視団と平和維持軍というのがあるそうでありますけれども、その性格、目的、根拠はどうなっているのか。それから、各国における参加される人員の身分、組織、年齢等はどうなっているのか、行動原則はどうなっているのかという点について、今の解釈と照らして御説明をいただきたいと思います。
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高須幸雄#17
○高須説明員 お答え申し上げます。
 まず、国連の平和維持活動と言われますものは、具体的には国連憲章では規定がございませんで、戦後四十五年間の国連の歴史を通じまして、実際の慣行を通じまして発展、確立してきたものということが申し上げられます。そういうことで、平和維持活動には種々の形態がございます。
 まず、先生御指摘の平和維持軍でございますが、これは一般的には、各国の部隊等を紛争地域に派遣いたしまして、停戦あるいは兵力引き離し、外国部隊の撤退等を確保したり、あるいは国内治安の回復、維持等の任務に当たるものでございます。停戦監視団と申しますのは、停戦監視、外国部隊の撤退の監視等の任務に当たるものということで、それ以外には最近選挙監視団というものも出てまいりました。一言だけ申し上げさせていただければ、最近はさらにもう少し発展いたしまして、今申し上げた三つの形態を全部含むような総合的な、例えばナミビアの活動とか、非常に総合的な活動が出てきていると申し上げられると思います。
 武器の話でございますが、武器の使用につきましては、停戦監視団等については武器を携行いたしません。平和維持軍につきましては、国連の説明におきましては、例外的状況下で自衛のためのみに使用が認められる、武器を持たせるということになっております。
 各国からの参加状況でございますけれども、現在、当方の数えたところでは一万一千人に上る各国から提供された要員が活躍しております。出身国数は我々の計算では四十三カ国となっておりますけれども、相当多数の国が参加しているということが申せると思います。
 具体的な身分ですけれども、平和維持軍それから停戦監視要員につきましては、これまでは各国の国内の軍人が派遣されてきております。一番いい例は北欧待機軍と言われている北欧諸国の例でございますけれども、国内に待機軍組織というものを持っておりまして、組織的に派遣しているということでございます。
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中谷元#18
○中谷委員 ただいま御説明をいただきましたけれども、私もやはり、PKOへの参加につきましては今後積極的に参加、貢献すべき方向で考えていくと思いますけれども、形だけの参加ではかえって諸外国から不信を招くし、信頼ある組織でやってしかるべきであります。そういう面からいいますと、やはりPKOは軍事知識に裏づけられた、また訓練された人でなくてはならないわけでございまして、これから話し合いが行われるわけでありますけれども、組織をつくる予算的な資金の面からいっても、また現在の自衛隊の士気を低下させないためにも、第二自衛隊のような組織ではなくて、胸を張って出られる日本の自衛隊が参加できるようにすべきじゃないかというふうに思います。政府、外務省としても、大いに海外の事情とか常識を国民にPRされまして、世界の流れに乗りおくれないような努力をすべきではないかと、お願いをしているわけでございます。それで、特に日本の場合は法的な問題もありますけれども、自衛隊法を理由として憲法の要請たる国際協調主義の実現への対応を阻害しては国益にかなわないわけでございますので、この際、大いに自衛隊法の中にそういった任務規定を盛り込む等の検討も含めましてこの問題に対応していただきたいと思っております。
 最後に長官に御質問をさせていただきたいわけであります。
 現在日本の置かれている立場は非常に不安定な要素がございまして、今後、対米及び中東関係、またアジアにおける近隣諸国への信頼性等も回復してまいらなければなりませんけれども、現在の日本の政府の姿勢や防衛庁の考え方等を大いに諸外国にPRすべき時期に来ているのではないかと思いまして、対米及び対東南アジア等の歴訪等を検討されているのかどうか、私はやるべきであると思いますけれども、このお考えについてお聞かせいただきたいと思います。
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池田行彦#19
○池田国務大臣 お答え申し上げます。
 我が国のあり方、とりわけ安全保障についての考え方、それからまた国際社会の中でどのように責務を果たしていくか、こういった点につきまして、世界の各国の十分なる理解をちょうだいしていくということは本当に大切なことだと存じます。そういった意味合いにおきまして、私どもといたしましても、各レベルにおきます各国との情報の交換なり接触、とりわけ今御指摘の米国、これは日米安全保障体制のパートナーでございますのでその関係、そしてまたアジアの近隣諸国との関係は、特に重要視しておるわけでございます。そういった中で、防衛首脳のレベルでの接触というのも大変大切だと思っております。そういった意味で私自身も、国会の方のお許しがちょうだいできるならば、なるべく早い時期に米国なりその他の国々に場合によってはお伺いいたしまして、密接な関係をつくってまいりたい、そして日本の将来に資してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
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中谷元#20
○中谷委員 大いに貢献をしていただきたいと思います。
 そして、最後になりますけれども、今回得られた教訓のもう一つとしては、軍事情勢、軍事情報が入りにくいという状況でございますので、今後、外務省、防衛庁はこの筋の情報を入手するために、例えば制服の海外における駐在武官の数とか体制、身分等をもうちょっとしっかりするとか、こういった世界に開かれた日本の安全保障を考えて整備していただきたいということをお願いして、質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
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中山正暉#21
○中山委員長 次に、三原朝彦君から質疑の通告があります。これを許します。三原朝彦君。
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三原朝彦#22
○三原委員 中谷委員に引き続いて、私もまずは長官に御質問させていただきたいと思います。
 中谷委員も少しそのことに関して話しておられまして、湾岸以後の問題あたりについて聞かれましたが、つまり私は、大きく言えば湾岸戦争が起こって日本が、国民一人一人として、また国家としていろいろなことを体験し、なおかつ対応してきたのですが、そのことに関していろいろ考えがおありになると思いますからお尋ねしたいのですけれども、例えば国内的には、海外派遣ということに関して去年の秋から大いに国連平和協力法で、これは廃案になりましたが、我々ディスカッションしてきましたし、また危機管理、つまり向こうにおられる、現地の人の安全をどうすればより国家として守れるのか、危機管理の問題あたりもクローズアップされました。さらには、私はこれは最も大切なものの一つだと思いますが、国民一人一人の意識ですね。私たちは平和を何だか空気や水のような感じで思っているのじゃないかということに、そこに大いに鉄槌を食らわされたという気もするわけでありまして、特にふるさとあたりへ帰りますと、我々のこの戦後四十六年の今日の繁栄あたりも、何だかのんびりしていても、何もしなくてもなったのじゃないかというような感じがあるようなこと、私は、それに対して強いインパクトを今回の湾岸戦争が与えたのじゃないか、国民一人一人に考えさせる時間を与えたと思うわけであります。
 また、対外的に見ましても、我々の一国平和主義の、他の国家を全然納得せしめ得ないもろい論理ですね、特にまたこの三月に入って、アメリカのどこか有名な新聞あたりが世論調査しましたら、日本に対する不信感というのが信用よりも上回ったというような、そういう結果もありまして、日米協調などと我々は口では言いながら、実はアメリカの国民一人一人は、日本というものに対して一番頼りがないのじゃないかというような状況にある。これはまさに国家と国家というよりも、国民一人一人がそういうことになれば大変なことじゃないかと私は思うわけであります。
 しかしながら、ともかく我々は自由主義陣営の一員として、四十億ドル出して九十億ドル出してという、そういう貢献といいますか、余り大きな声で言えないですけれども、資金的な貢献だけはしたわけであります。しかし、諸外国から日本のこの貢献に対して、資金的な貢献以外の人的貢献あたりも求める場面もあったのですが、逆に、この前我が党の高官の方が東南アジア、中国あたりを回られたら、それに対する懸念もあったというようなこともありました。中国あたりから大いに懸念する場面もあったというふうに聞きましたけれども、そういうことをもろもろ含めて、長官の考え方なり御意見、感想を聞かせていただきたいと思う次第であります。
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池田行彦#23
○池田国務大臣 お答え申し上げます。
 三原委員御指摘のとおり、我々の今日の繁栄あるいは平和というもの、これは何となく、黙っておっても手に入るものだ、当たり前のものだ、こういうふうな受け取り方が従来かなり一般的であったという、それはそのとおりだと思います。しかしながら、本当を申しますと、この平和というものも、日々本当に平和を守るために努力をしなければ維持できないものである、そうしてまた繁栄についても当然の話でございます。今回のいろいろな世界の動き、その中でも日本のあり方をめぐって国民の皆様方に改めてそういった事実が突きつけられ、関心が深まってきたということは、これはある意味では将来に向かって大変いいことではないかな、日本のこれからのあり方を考える契機になったのじゃないかな、こんな感じがするわけでございます。
 そうしてまた、一国平和主義という御指摘もございましたけれども、私どもは今日、本当に相互依存関係の強まった世界の中で生きておるわけでございますし、しかもその中でいろいろな意味で大きな役割というか地位を占めてくる日本でございますから、これはいやが応でも世界全体の平和、そうして世界全体の繁栄を考える中でしか我々の存立も繁栄もあり得ないのだ、このことは御指摘のとおりだと思うのでございます。そういったことを基本にして私どもも考えてまいらなくてはいけないと思います。
 さて、そういった中で、私どもとしましては、昨年来いろいろな論議をこの国会の場でも進めまして、そういった中から四十億ドル、さらに九十億ドルという資金的な貢献もしたわけでございますし、また人的な面でも、具体化したのは非常に少のうございましたけれども、民間機による避難民の輸送なんということもできたわけでございます。こういった我々の対応が必ずしも国際的に評価されていないところは残念ではございますけれども、我々としてはこれからも、憲法その他いろいろな制約もある、それから国民世論の動向というものも十分注視しなければいけませんけれども、そういった制約の中でぎりぎりどこまでできるのか、そういうことを考えながら国際的な役割を果たしていくということが我々自身の存立のためにも不可欠なことではないか、こう考えている次第でございます。
 したがいまして、今回の状態というのは必ずしも十分ではなかったかもしれないけれども、将来に向かってこれを生かしていくということが国民全体としても、またとりわけ政治の世界にございます我々お互いの大きな責務ではないか、こう考える次第でございます。
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三原朝彦#24
○三原委員 池田長官から示唆に富んだ御意見を承って、ありがたく感激いたしておりますけれども、私ども地元に帰りまして言うんですね、今日我が国GNP一人当たりが二万一千ドル以上にもなったような時代に、それは享受したい、そのかわりほかのことは何もやりませんよ、そんなことはできませんと。それなら私が小学校へ行っていたときぐらい、昭和三十年代ぐらいのように貧困になろう、貧困になって今の生活から四分の一にも五分の一にもなって、そして世界経済に与える影響もないような小国、人間だけ多いけれども小国だ、そんなことなら日本だってよその国が、もっとしっかりしなさい、何だというようなことを言わないだろう。やはり世界の自由経済の中でこれほど繁栄を享受しておるならということを私たち本当に国民一人一人に訴えなきゃいけない、それが我々国民の代弁者、代表として出ておる人間としての責務でもあると私は思いますから、長官もその上に立ってリードしておられるので、大いにその方面をよろしくお願いしたいと思う次第であります。
 ところで、湾岸の停戦が成りまして、そしてこれから先、再建、復興になるのですが、日本はこういうときには抜け駆けしないように、じっと我慢していよう、今までは何もなかったんだからというようなことで自重もしておるようですけれども、その中で私が一つだけ、我々日本国民として、胸を張ると言うとちょっと言い過ぎかもしれませんが、他国に向かって言えることは、我々は死の商人ではなかった、マーチャント・オブ・デスではなかったということなんであります。
 イラクが使った武器の五割ぐらいはソビエト製なんだそうです。しかしソビエトは、いやまだお金をもらっておりませんがと言っておるなんて話を聞きますが。あとはフランスだとか中国だ。そういう三国が死の商人の役割を演じたわけで、まことにけしからぬと思いますが――アメリカは違うのでありますが。八二年以降のイラン・イラク戦争以来まことにけしからぬ存在の国家群でありますけれども、その中にあって、我が国は武器輸出の三原則がありまして、そのもとでやっておる。そういうことをこれから先、きょうは外務省、通産省の方いらっしゃっておられますので、これをもうちょっと世界の中で影響を持つような行動もすべきじゃないか。国連の軍縮会議などありますが、その中で軍縮とともに兵器の拡散防止あたりも大いにやらなきゃいけない。そのリーダーシップ、日本は、我々は手を汚してないのですから、そしてなおかつ武器の輸出をしないでこれだけの繁栄を行っておるといういい例でもありますから、その面をやらなきゃいけないと思うわけであります。もちろん日米協調下での、民主主義国家である、そしてまた我々の一番信頼するアメリカに対しての協調的なつき合いというのはございますけれども、特に第三世界、つまり開発途上国に対して、国家がまだかちっと固まっておらぬような、民主主義国家でないようなところに武器などを輸出する、それによって死の商人の役割をするようなことはまことに言語道断だと私は思う次第であります。
 そのことに関して再度通産省からの御意見も承りたいし、また外務省あたりからは、武器輸出に関してもっとリーダーシップをとって、第三世界に対しては慎むような、そういう方向で考えができないだろうかということをちょっとお尋ねしたいと思います。
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鹿
鹿島幾三郎#25
○鹿島説明員 お答え申し上げます。
 ただいま先生から御指摘ございましたように、今回の湾岸戦争を契機といたしまして問題とされております武器の輸出でございますけれども、二つあろうかと思います。一つは、特定国、イラク等に対する大量の通常兵器の輸出の問題、もう一つは、核兵器あるいは化学生物兵器といった非人道的な大量破壊兵器の使用の懸念でございます。
 先生も御指摘ございましたように、武器の輸出に関しましては、私どもとしましては平和国家としての理念に立ちまして我が国独自の立場から国際紛争等を助長することを回避するという目的のもとに、従来から武器輸出三原則に従いまして厳格に対処してきております。こうした我が国の政策というものは、国際的な平和と安全の維持に大きく貢献してきているものというふうに思っております。
 ただいま申し上げました二つの点でございますが、まず通常兵器の輸出規制を今後どうしていくかという点でございます。これにつきましては、各国が自衛あるいは自国の安全保障のために武器を調達するといった問題、あるいは各地域におきます軍事バランスを確保するため武器を購入するといったいろいろな複雑な要素が絡んでおりまして、多くの国が非常に慎重な対応をとっていることが実情でございます。私どもといたしましては、厳格な武器輸出規制を実施している我が国の考え方につきまして諸外国の理解を今後とも求めてまいりたいと思っておりますし、透明性、公開性の増大、あるいは各国による適切な管理の強化、こういったことにつきまして各国の理解を求めてまいりたいと思っている次第でございます。
 次に、大量殺りく兵器関係でございますが、今回の湾岸におきます事態を通じまして非常にその重要性が改めて認識されております核兵器あるいは化学生物兵器、ミサイルといった大量殺りく兵器の拡散防止に関しましては、既に国際的な枠組みが存在しておりまして、従来からそれぞれの国際的な合意に基づきまして、例えば原子力関連の貨物でございますとか、あるいは化学兵器の原材料でございますとか、ミサイルの関連機材等につきまして外為法に基づきまして輸出規制を行ってまいっております。今後、これらの分野におきます拡散防止の徹底を図るために、関係国間で規制対象貨物の拡大といったような問題について検討が行われる予定でございますが、かかる規制強化を行うことにつきましては、正当な貿易活動を阻害しないように十分留意しながら、我が国といたしましても国際的な合意の形成に資するように国際的な検討に積極的に貢献してまいりたいと考えておる次第でございます。
 以上でございます。
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神余隆博#26
○神余説明員 御説明申し上げます。
 ただいま通産省の方から説明がありました点、そのとおりでございます。
 それに加えまして御説明申し上げますと、通常兵器の移転の問題あるいは通常兵器の、特に開発途上国あるいは第三世界への輸出の問題に関しましては、先般海部総理の施政方針演説や、あるいは外務大臣の外交演説の中でも述べられておりますとおり、核兵器、生物兵器、化学兵器それからミサイルの拡散防止、こういった問題につきましては徹底的に拡散防止を強化するということと、通常兵器の移転につきましても透明性、公開性を増大し、日本がやっておるのと同じ程度になるかどうかは別といたしましても、各国による適切な管理の強化が必要であるということを強く御説明されたというふうに承知しております。
 私どもといたしましては、これらの問題に関する国際的な取り組みの強化が必要であるというふうに考えております。この問題につきましては、なかんずく通常兵器の問題につきましては、昨年の国連総会におきまして中山外務大臣が問題の重要性を指摘いたしまして、一九八八年以降国連総会の決議に基づいて設置されております国際兵器の移転の専門家スタディーグループに我が国の方からも専門家を派遣して、既にもう三度ほど検討に参加しておる、こういう状況でございます。
 従来からいろいろとつとに努力をしておりますけれども、今後とも、国連の動きあるいは日本の国連に対する協力といったようなことも勘案しながら、先生の御指摘の趣旨も踏まえながら、日本としてどのようなイニシアチブを今後とっていけるのか、さらに検討してまいるつもりです。
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三原朝彦#27
○三原委員 確かに今課長さんがおっしゃった透明性、公開性というのは、それがやはり武器輸出を勝手気ままにさせないための一つの方法かもわかりません。
 それと、武器輸出のことに関して今度はODAと絡めて政府の方から何か話があったことがありましたけれども、例えば日本は隣国の中国とやはり外交的に上手にやっていかなければいけないのですが、中国は武器輸出の中ではかなりの上位にランクされた国家でありますよね。そこのところはお互いに大人にならなければいけないのでしょうが、じゃ武器を出しておるからといってすぐ我々のODAをそれによってとめたりやめたりというわけにも簡単にいかないでしょう。といって一方では、我々のタックスペイヤーのお金でODAをしておって、ある国のいろいろな意味での経済発展、開発に資するようなODAの援助がある、しかし国内で本当に必要とした資金をそこで使わなかったら、よその国からお金が来たからそれをほかに使って武器を買ってしまうという、万々が一ですよ、そういうことがあれば、これこそまことに我々が意図するODAと反することになるわけです。そこのところも、そう簡単に基準を決めたりとか――是々非々、その場その場で適切であるということをやっていかなければいけないということを私どもも重々承知しておるところであります。
 実は去年の秋に、世界で最貧国の一つのエチオピアに私は行きまして、エチオピアのメンギスツ大統領に会うチャンスがありまして、生意気ですけれども言ったのですね。あなた、日本国にいろいろな援助を要請すると言われますが、したところで、あなたのところは三十年間も内戦をやっておるからそっちの方に何もかも使われたんじゃたまりません、医療援助も昨年、一昨年あたりからかなりのものを病院に差し上げておるのですが、それも内戦をやった兵士ばかり来てというようなことでは何も前進的、積極的なことになりませんねと言いましたら、彼は、そういうことはわかっておる、わかっておるけれども人道的立場で何とか応援してくれ、それにつけても、我々はもう三十年も内戦をやっておるからそれが日常のことで、そう目くじらを立てて言うようなことではないじゃないかということを言っておったので、我々も戦争というのも人間がなれるとそうなってしまうのかなと思ったのです。
 しかしながら、実際エチオピアあたりを見ますと本当に塗炭の苦しみを国民はしておる。我々は何とかしてODAの援助をしてやらなければいかぬなと本当に心の底から思うのですけれども、そこのところでちょっと、このクローズアップされておるODAとODAを受ける援助国の武器輸出の関係について、何か示唆がありましたら意見を承りたいと思う次第であります。
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林梓#28
○林説明員 お答えいたします。
 御指摘のように、今回の事変にもかんがみまして、軍事費、武器移転といったようなものが国際社会の平和と安定の絡みで非常に重要な問題になってきておりまして、我が国としてもいろいろ基本姿勢を明らかにしていくことが必要だということでございます。
 今御指摘ありましたように、それぞれの国が自分の国を防衛する権利というのはもちろんあるわけでございます。それで、その国の軍事費というのは、その国が置かれておる隣国との関係とか、いろいろございます。それから歴史的な関係もございます。しかしながら一般的に、確かに過大な、膨大な軍事費を使って軍事力を高め、あるいは武器を使っているというようなことであれば、そういうお金を本来の、非常に貧しいわけですから経済開発とか福祉、医療に向けてもらいたいという我々の希望はまたはっきりしております。実際これを、我が国の情報のあれもあるわけでございますが、相手国が一体どの程度の軍事費を持っているのか、あるいは武器輸出をどのくらいしているのかを我々が立証するすべというものは実はないわけで、どこかの国のそういう資料といいますか、情報に依存せざるを得ないという制約が実はあるわけでございますけれども、しかし、そうは申しましても非常に重要な問題でございますので、我が国の援助を実施していきます場合に、今先生御指摘のようなものをいかに反映させていくかということについて今検討を進めております。
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三原朝彦#29
○三原委員 やはり今外務省、通産省さんが言われたように透明度、公開度といいますか、それができるように少しでもすることが、私は、貧困でありながら武器を買ってみたりとか、貧困でありながら自分のところで武器を売ってみたりするようなことを抑えるもとにもなるのかなと思う次第ですが、そう簡単になかなかいかないことは重々承知しております。国家的に民主的でない国家あたりですと、やはり今度のイラクはいい例でありまして、武器を持てば隣国をみずからの意思で抑え込んでしまおうというようなことになることは火を見るよりも明らかでありますから、我々は大いにそれを監視しなければいけないと思うところであります。
 ところで、今度の質問はもう何度も質問されておることですけれども、例の国連の敵国条項ですね。五十三条と百七条ですね。これですが、まあいろいろな見解があるそうでありまして、もうそんな寝た子を起こすようなことをしなくても、実際問題として国連に加盟すればそういうことは事実として適用されないのですよという意見もあるらしいのですが、それでもやはり、あれはいつですか、ソビエトが敵国条項を持ち出して日本の四島と絡めて何か言ったことがありましたよね。そういうことから考えると、やはり国連憲章を改革するために我々は怠りなくやらなければいけないと私は思うのです。もちろん外交上いろいろ駆け引きがあるでしょうから、だからこそ今日までこれは存続してきたのでしょうけれども、ドイツあたりも、まあドイツに対して五十三条を使ってソビエトは二国条約をずっとつくっていったような経緯がありますよね。しかし、東ヨーロッパは今日のようにああいう状況になってしまったでしょう。そうするともう二国間で防衛協定を結ぶような状況もなくなってくるのではないか。そうなったときには、ドイツやイタリーとかルーマニアですか、数カ国ありましたが、ああいうところと話合いでもして、やはり何だか私は嫌な条項ですから、あっても現実問題としては何もそうなっていないと言われますけれども、他の旧敵国に入るような国家といろいろ連携でもとって、何か変えるような方針とかなんとかないのですか。それともドイツとかイタリーとかはこのことに関して何とも、現実は問題ないからいいやということになっているのでしょうか。ちょっとお尋ねしたいと思います。
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