決算行政監視委員会

1998-04-22 衆議院 全252発言

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会議録情報#0
平成十年四月二十二日(水曜日)
   午前九時一分開議
出席委員
  委員長 原田昇左右君
   理事 佐藤 静雄君 理事 高市 早苗君
   理事 穂積 良行君 理事 村田 吉隆君
   理事 上田 清司君 理事 海江田万里君
   理事 大口 善徳君 理事 石垣 一夫君
      石崎  岳君    臼井日出男君
      大村 秀章君    奥山 茂彦君
      粕谷  茂君    久野統一郎君
      倉成 正和君    栗原 裕康君
      桜田 義孝君    下村 博文君
      田中 昭一君    田邉 國男君
      滝   実君    東家 嘉幸君
      中野 正志君    萩山 教嚴君
      堀之内久男君    宮島 大典君
      矢上 雅義君    山口 泰明君
     吉田六左エ門君    石井 紘基君
      古賀 一成君    島津 尚純君
      末松 義規君    前田 武志君
      山本 譲司君    漆原 良夫君
      山中 燁子君    若松 謙維君
      青木 宏之君    米津 等史君
      佐々木憲昭君    中林よし子君
      保坂 展人君
 出席政府委員
       内閣官房副長官  額賀福志郎君
       内閣参事官
       兼内閣総理大臣
       官房人事課長   洞   駿君
       人事院総裁    中島 忠能君
       人事院事務総局
       管理局長     尾木  雄君
       人事院事務総局
       任用局長     森田  衞君
       人事院事務総局
       職員局長     佐藤  信君
       警察庁長官官房
       長        野田  健君
       警察庁交通局長  玉造 敏夫君
       総務政務次官   熊代 昭彦君
       総務庁人事局長  中川 良一君
       総務庁行政管理  河野  昭君
       法務省刑事局長  原田 明夫君
       大蔵大臣官房長  武藤 敏郎君
       大蔵大臣官房審
       議官       中井  省君
       大蔵省主計局次
       長        寺澤 辰麿君
       大蔵省証券局長  長野 厖士君
       厚生省生活衛生
       局長       小野 昭雄君
       自治政務次官   佐藤 静雄君
       自治省行政局公
       務員部長     芳山 達郎君
 委員外の出席者
       法務省刑事局刑
       事課長      藤田 昇三君
       大蔵省主計局司
       計課長      田頭 基典君
       会計検査院事務
       総局次長     森下 伸昭君
       会計検査院事務
       総長官房総務課
       長        船渡 亨向君
       会計検査院事務
       総局第一局長   深田 烝治君
       参  考  人
       (日本銀行副総
        裁)      藤原 作弥君
       参  考  人
       (日本銀行総裁) 速水  優君
       参  考  人
       (日本銀行副総
       裁)       山口  泰君
       参  考  人
       (日本銀行理事) 鴨志田孝之君
       決算行政監視委
       員会専門員    天野  進君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十四日
 辞任         補欠選任
  村山 富市君     畠山健治郎君
同日
 辞任         補欠選任
  畠山健治郎君     村山 富市君
同月二十二日
 辞任         補欠選任
  粕谷  茂君     栗原 裕康君
  熊谷 市雄君     田中 昭一君
  滝   実君     奥山 茂彦君
  三塚  博君     下村 博文君
  山口 泰明君     大村 秀章君
  田端 正広君     漆原 良夫君
  村山 富市君     保坂 展人君
 同日
 辞任         補欠選任
  大村 秀章君     山口 泰明君
  奥山 茂彦君     滝   実君
  栗原 裕康君     粕谷  茂君
  下村 博文君    吉田六左エ門君
  田中 昭一君     石崎  岳君
  漆原 良夫君     田端 正広君
  保坂 展人君     村山 富市君
 同日
 辞任         補欠選任
  石崎  岳君     熊谷 市雄君
  吉田六左エ門君    中野 正志君
同日
 辞任         補欠選任
  中野 正志君     三塚  博君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 会計検査及びその結果の報告要請に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関す
 る件(公務員等の倫理問題)
     ――――◇―――――
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原田昇左右#1
○原田委員長 これより会議を開きます。
 この際、国会法第百五条による会計検査及びその結果の報告要請に関する件についてお諮りいたします。
 歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関する件の調査に関し、公的宿泊施設の運営について、会計検査院に対し、会計検査を行いその結果を報告するよう求めることとし、その事項は、厚生省(社会保険庁)、郵政省、雇用促進事業団、簡易保険福祉事業団及び年金福祉事業団が設置運営する宿泊施設(運営を委託しているものを含む)に関し
 一、施設の設置状況
 二、施設の運営状況
 三、運営のあり方についての調査検討といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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原田昇左右#2
○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
 衆議院規則第五十六条の四により、その手続をとることといたします。
     ――――◇―――――
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原田昇左右#3
○原田委員長 歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関する件、特に、公務員等の倫理問題について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁速水優君、同副総裁藤原作弥君、同副総裁山口泰君及び同理事鴨志田孝之君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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原田昇左右#4
○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    ―――――――――――――
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原田昇左右#5
○原田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤静雄君。
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佐藤静雄#6
○佐藤(静)委員 最初に、きょうは日銀の総裁もお見えでありますから、日銀にお聞きいたしたいと思います。
 最近の報道で、日銀が、大蔵省や会計検査院に対して、職員の数を実態より多く報告したり、男女の比率を意図的に変えたりして、そして予算の認可をとった、そういうことが報道されました。こういう水増しというのは、八〇年代の半ばから始まりまして、今までずっと続いていたということであります。そして、水増しの額は、多い年で年間数十億円にも達していた、過去十数年の合計が五百億円程度にもなっているということであります。こうしたものを上乗せ支給、調整給という形で潜り込ませて大多数の職員に分配されていた、そういうことが報道されたわけでありますけれども、もしもそうだとしたら旧日銀法第三十七条に違反しているわけであります。そういう事実はあるのかどうなのか、お答えいただきたいと思います。
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速水優#7
○速水参考人 速水でございます。
 私、ちょうど一月前に任命を受けまして日銀総裁を拝命したわけでございますけれども、その後、新法が四月一日から実施されたり、その間に不祥事の処分があったり、先週はずっとG7でワシントンへ行っておりましたりして、言いわけのようで申しわけございませんが、余り内部管理のことをまだ詳しく勉強しておりませんので、細かいことは担当の理事に答えてもらいたいと思います。
 今佐藤委員からの御質問にありました、給与の水増しが報道されているけれども事実かという御質問に対しましては、私どもでは、予算要求に際して人員を多く報告して予算を獲得し、その差額分を水増し支給していたというような事実はございません。
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佐藤静雄#8
○佐藤(静)委員 私ども、これは報道で知ったわけでありますからまだ詳しいことはよくわかりませんから、ぜひとも関係資料を私どもの委員会に提出していただきたいと思います。
 日銀として、過去にいろいろと問題もたくさんあったわけでありますから、すべてのことを公開してもらうのが一番いいわけでありますから、国民から見てみんなが日銀はすっきりしていると、これは見てもらうのが一番いいわけでありますから、大至急委員会に提出していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
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速水優#9
○速水参考人 現在、過去のことにつきましては内部で点検し調べておるところでございまして、近いうちに何らかの形で公にさせていただきたいと考えております。そんなに時間はかからないと思っております。
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佐藤静雄#10
○佐藤(静)委員 ぜひともお願いいたしたいと思います。
 そこで、会計検査院にお伺いしますけれども、こういう日銀の給与関係の検査を過去に行ってきたのかどうなのか、また、今それを行っているのかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。
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深田烝治#11
○深田会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 私どもの日本銀行の検査につきましては、近年は、信用秩序の維持などの金融システムに関する業務につきまして重点を置いて検査してきているところでございます。
 お尋ねの給与問題につきましては、一般的に給与につきましては、支給規程等のルールに従って支給されるものであることもありまして、検査上重点を置いてこなかったというのが実態でございます。
 今回の報道もございますので、今後、実地検査等におきまして、給与の支給は適正に行われたかどうかを検査いたしたいと考えております。
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佐藤静雄#12
○佐藤(静)委員 なるべく早く調査をいたしまして報告していただきたい、そう思います。ひとつ大至急やっていただきたいと思います。
 日銀の質問はこれまでです。
 そこで、人事院総裁と、きょうは総務政務次官がお見えでありますからお聞きしたいですけれども、最近の公務員の倫理の問題に対しまして、今、与党では公務員倫理法が議論をされておるわけであります。過去にいろいろな不祥事があって、各省庁で倫理規程が制定されたり、いろいろなことが今まで国会でもなされてきました。しかし、依然としてこういうことがずっと続いてきた、効果がなかったと言ってもいいぐらいのことであります。
 なぜこうなってしまったのか、公務員倫理の問題は一体何に原因があってこうなってしまったのか、質問に入る前に、人事院総裁と政務次官にひとつ感想をお伺いしたいと思います。
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中島忠能#13
○中島政府委員 なかなか難しい分析が必要だと思いますが、短時間に申し上げますと、基本は公務員に倫理観が欠けておったというところにあると思います。
 ただ、それに加えまして、これは民間サイドから見た場合にどうだろうか。なぜ民間企業が、時によれば企業ぐるみで刑法犯に触れるようなことまでして官庁に近づいてくるのか、そこの要因は何かということを考えてみたいと思います。
 一つは、やはり情報をできるだけ早く入手したい。二番目は、許可とか認可とかあるいは検査等について有利な取り扱いを受けたい。三番目は、補助金とか融資等についてやはりこれまた特別な便宜を図っていただきたいというところにあるのだと思います。したがいまして、こういう民間サイドからの誘因というものをできるだけなくするようにしなければならない。例えていいますと、情報公開を進めていくとか、あるいは規制緩和をするとか、あるいはまた補助金等の整理合理化を進めていくとか、そういうことをできるだけ速やかに、かつ徹底的にやっていかなければならないだろうというふうに思います。
 片一方、官の側から申し上げましてどういうところにその原因があるのだろうかということを考えてみますと、やはり公務員の世界というのが民間側から少し遠くなり過ぎておる、国民から遠くなり過ぎておると。よく言われますように、公務員の世界というのが開かれていない。したがって、公務員の世界は国民の常識とは少し異なった常識を持ちつつあるのじゃないかというふうに言われております。したがいまして、それに対応した施策というものを講じていかなければならないだろう。
 もう一つは、公務員というものが情報を独占し、あるいはまた許認可権というような大きな行政権限を持っておる、そのことによって特権意識というものを持って、その特権意識というものの作用としてそういう収賄というものが出てきておるのではないかというふうにも考えられます。
 いろいろ原因というものがあるだろうと思いますが、その原因というものを突きとめながら、それに対する対応策というものを講ずることによって、この不祥事に対する対応というものをやっていかなければならないだろうというふうに思います。少し時間はかかるでしょうけれども、根気強い取り組みというものが必要ではないかというふうに思います。
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熊代昭彦#14
○熊代政府委員 ただいま人事院総裁からも御答弁がありましたように、何が原因かというのは一概に申し上げられないことでございまして、いろいろな原因があるというふうに思います。
 一つは、本人の自覚の問題でございましょうし、ちゃんとした使命が与えられているのですけれどもそれを悪用してやるという本人の自覚の問題もございましょうし、体制の問題もあるというふうに思います。それから、政治、行政の枠組み全体の話もございます。国会議員が国民から選ばれて公務員を監督する。貴委員会でも監督をいただいているわけでございますが、議院内閣制でございますから、大臣、政務次官を送り込んで、それも監督している。この監督機能が弱かったのでこれを強化しようという観点もございます。それから、みずからの倫理に任せていて、倫理規程というようなこともございましたけれども十分に守られなかったということでございますから、これを法律にしまして、法的強制力でこれを担保したいというようなこともございます。
 そういう観点から、政府及び与党におきまして公務員倫理法の検討を今行っているところでございますけれども、腐敗問題というのは古くて新しい、新しくて古い問題でございますので、あらゆる方策を通じてこの公務員の腐敗問題というものを解決していかないといけないということでございますけれども、政府及び与党でつくりました法律ができました暁には、公務員の服務管理は総務庁の使命でございますので、厳正にこれに対処してまいりたいというふうに考えているところでございます。
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佐藤静雄#15
○佐藤(静)委員 きょうは時間がありませんから、私は、こういう問題を解決していく方法を、人事の登用とかそういう面から少し見てみたいと思うのであります。
 公務員の採用試験というのは、一度試験で受かったらもうずっと一生何も途中に試験がない、こういうことであります。それをやはり、敗者が復活するというか、一生懸命頑張ったら途中から自分も相当な上に上がれる、そういうようなこともやはり必要でしょうし、また、キャリアといえどもやはりますいなと思ったときには敗者になっていく、そういうように能力によって、何というか競争主義みたいなものも入れないと、やはりだめなような気がしているのですね。そうして職員の士気を上げていく、緊張感をいつも持っていかせる、そういうことが必要だと思うのです。
 そこで、そういう公務員が上に上がることを決めるのに、今は減点方式でやっているわけですけれども、減点方式となると、やはり上役のその人間の見る見方によって随分変わってきますでしょうし、ですから、点数を加えていくといいますか、加点評価方式というか、私はそういうものに変えた方がいいような気がしておりますけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
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中島忠能#16
○中島政府委員 公務員というのが、Ⅰ種試験で入ってくるのか、Ⅱ種、Ⅲ種試験で入ってくるのかということによる扱いの違いというのは、いろいろな方面から現在問題が指摘されております。今先生がおっしゃいますように、実力、能力に従った昇進昇格というものが実施されなければならないというふうに思います。そして、そのための施策というものをどのようにとにかくシステム化していくかということについて、我々は関係省庁と力を合わせながら本当に真剣に考えていかなければならない。これは組織内の活性化のために、また組織内の民主化のために必要だというふうに思います。したがいまして、そういうようなことを通じまして組織の中というものが明るくなる、あるいは活性化する、そのことによって、先ほど先生がおっしゃいますような倫理の問題についても、基本的なところで解決に向かっていくというふうに思います。
 今先生がおっしゃいましたそういう問題意識、そういう問題提示というものを私たちも真剣に受けとめまして、組織の中で実力を発揮した者がどのようにそれ相応な昇進昇格を受けられるかということについて、これからの私たちの重要な検討課題とさせていただきたいというふうに思います。
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佐藤静雄#17
○佐藤(静)委員 先ほど申し上げましたとおり、一回試験を受けたらもうずっと試験がないということでなく、途中で試験をする。これは警察官だとか自衛官なんかは、試験があってだんだん上っていくわけですね。自衛官なんか見ますと、中学を出た方が物すごく上の立場になったりしますね、非常な努力をして。そういうようなシステムというものがやはり必要なんだろうと思います。国家公務員法第三十七条では職員の昇任を競争試験で行うという原則が示されておりますけれども、中央省庁ではこの原則が適用されていないと思うのです。この基本原則に戻ってすべきだと思いますけれども、どうでしょうか。
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中島忠能#18
○中島政府委員 国家公務員法に、今先生がおっしゃいましたように、競争試験というものが第一項に書いてございます。そして第二項に、選考というのが書いてございます。
 そこで、その第一項にどうして競争試験が書かれるようになったのかという経緯というものを少し考えてみますと、新しい公務員制度のもとにおける職階制、そのもとにおける、猟官制というものを排除した、情実人事というものを排除したもとにおける公正な人事というものの考え方からそういう制度が導入されたのだと思います。しかし、戦後、日本の公務員制度というものをスタートさせてみたところが、政党側の自制といいますか、政党側の良識というものが働きまして、恐らく情実人事とかあるいは政治任用の話というものが出てこなかった。
 また片一方、経済社会というものが変わることによりまして、その変わった経済社会に対応するための公務員の能力というものが、各ポストによってそれぞれ、高度な複雑性、高度性において異なる能力が要求されるようになったということによりまして、競争試験という公開、公募による試験というものによって昇任昇格者を決めていくのがいいのかどうかということが議論されたというふうに思います。
 そこで、やはりそれぞれのポストにふさわしい人間というものをどのように選んでいくかということにつきましては、実務を通じた能力の発揮、そのことによって適任者を選んでいくのがいいだろうということで、二項の選考採用というのが現在用いられているわけでございます。
 ただ、二項の選考採用というものを用いることによりまして、先ほど先生がお話しになりましたように、組織の中で実力とかあるいはまた能力を発揮した人間が適正に昇任昇格を受けないということになってはいけませんので、この際、私たちは、新たな問題提起があった、新たな問題が発生したという意識を持ちまして、より適正に、能力、実績に応じた選考採用が行われるようなことを考えていかなければならないだろうというふうに思います。
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佐藤静雄#19
○佐藤(静)委員 総裁、非常に前向きな答弁をしていただきましたけれども、やはりこれは、面接だとか論文ですとかいろいろなものを組み合わせながら節目節目で試験をしていくということも私は非常に大切だと思うのです。せっかく、昇任はこれを競争試験で行うということが決められておるのでありますから、試験を入れながら、さらに、今総裁がおっしゃったように、いろいろな面からその人物を見ながらやっていくということが大切なんだろう、私はそう思っています。
 そしてまた、さらに、国家公務員法三十七条は職階制を前提としてつくられているわけですね。ところが、現在までその職階制が制定されていない。ですから、過渡的な方法として、今おっしゃった選考方法をとっているわけだと思うのですけれども、この点はどうお考えですか。
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中島忠能#20
○中島政府委員 職階制が日本でどうして定着しなかったのかということについては詳しい御説明が必要でございますし、また専門家からその説明というものをさせなければならない機会があるかと思いますけれども、いずれにいたしましても、アメリカでは定着しておるけれども、日本では定着しなかった。日本の実情に合わなかったということなんだと思います。
 ただ、それによりまして、先ほどから御議論いただいておりますような、公務員の能力、実績に応じた昇任昇格が行われない、あるいはそれぞれのポストにふさわしい人物が適正に選ばれないということになっては困りますので、私たちはそういう競争試験というものを採用しない、実施しないがために片一方の方の欠点が露呈してはいけないというふうに思います。
 いろいろな面で能力を実証していくということが必要なんですが、地方団体の中では、途中で昇任試験を行っているところもございます。ただ、そういう地方団体の話を聞きますと、その昇任試験というものに合格するために、ややもすれば勤務時間中にその勉強をしておるというようなことも見られるようでございますので、やはりこの問題につきましてはなかなか難しい対応が必要だというふうに思います。
 一律の試験によってあらゆるポストについての適任者が得られるかということにつきましては、よく検討しなければならない問題でございますので、差し当たっては、この選考採用、選考任用というものをいかに充実していくかということが必要ではないかというふうに思います。
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佐藤静雄#21
○佐藤(静)委員 やはり法律で決まっているんですね、それは。選考試験をするだとか、職階制を設けるとか、決まっているわけですね。決まっているものをそのままにしてある、そこに私は一つの問題点があると思っています。
 やはり公務員が、今、いろいろな規律をつくったりいろいろなものをつくるけれども、それを守っていない。守っていないところに問題がある。こういう選考方法なども、上へ上がっていくときのいろいろな手法も、やはり法に決まっているのにそれを守っていない。自分たちで全体を見て都合のいいことをやっておると思われてもしようがない。もしもだめならだめなりに、この法ではだめだとなったら、やはり法を改正して、法を直して、そしてその法に従ってやるのが私は一番正しい方法だと思うのですが、その辺はどうでしょう。
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中島忠能#22
○中島政府委員 法律に基づいて仕事をしなさいというその原理原則論につきましては、何ら私がとやかく申し上げる立場にございません。おっしゃるとおりてございます。
 ただ、法律に書かれましたことを今の日本の公務員制度というものの実態に合わせて実施することが、公務員の世界で、本当に活気を失わずに、そして各公務員が生き生きとして仕事をするようになるのかどうかということについては考えさせていただきたいというふうに思いますし、この問題につきましてはしばらく私たちの方でもよく検討しなければならないと思いますけれども、戦後五十年間いろいろな方が検討して今日の状況というものがあるわけでございますから、この問題については今の状況というものを御認識いただければというふうに思います。
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佐藤静雄#23
○佐藤(静)委員 いや、先ほど申し上げましたとおり、法律がだめなら法律を変えて、そして最もいい方法をすべきだと私は思っているんですよ。法律にあるのに、そのままにしておいて別の方法をやるのはよくないと私は言っているんです。一番いい方法をやはりみんなで考えていくということです。
 それともう一つ、公務員の中途採用、これも制度上は可能なんですね。ところが、ほとんどそういうことが行われていないわけです。これだけ国際化されて、いろいろな専門家も必要でしょう。また、外部から入ってきてもらって、公務員という立場で能力を思い切り発揮してもらった方が国家のためになるという面もあるでしょう。そして、閉鎖的な役人の中において新しい風を吹き込んでいくということがやはり必要だと思うんです。この中途採用ということを私はぜひともすべきだと思うのですけれども、総裁、いかがでしょうか。
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中島忠能#24
○中島政府委員 おっしゃるとおりだと思います。
 公務員の世界にいろいろな血が入ってくる。そのことによりまして、公務員の世界の常識が国民の常識に近づいていく、また同質化していく、そしてまた経済社会というものが変わる。その変わった経済社会のニーズに対応するような行政というものを実施してしくためにも外部の専門家が必要だということは、もうおっしゃるとおりで、私たちは何の異論もございません。
 そこで、そういう認識を持ちまして、私たちの方は、この四月から、中途採用のための特別な規則というものをつくりまして施行いたしました。これによりまして、外部の人たちが公務員の世界に非常に入ってきやすくなったといいますか、オープンになったというふうにお考えいただいていいんじゃないかと思います。この規則というものを各方面によく御理解いただいて、また、私たちの方からもPRいたしまして、公務員の世界に中途採用がこれからふえていくように努力しなければならないというふうに思います。この四月から、そういう制度というものを統一的に整備しまして施行したところでございます。
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佐藤静雄#25
○佐藤(静)委員 もう時間がだんだん迫ってしまったものですから、もっとお聞きしたいことがあるのですけれども、最後に天下りについてちょっとお聞きしたいのです。
 総裁、民間では、上の会社から下請会社とかへ行くのは天下りなんて言いませんね。なぜこれ、公務員だけが天下りと言うのでしょうね。天下りとはどういう意味があるのでしょう。一般の会社の子会社に行くのは再就職と言いますけれども、なぜ再就職と言わないで天下りと言うのでしょうか。率直にちょっと感想を聞かせてください。
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中島忠能#26
○中島政府委員 私たちは公務員の再就職という言葉を使っておりますが、主としてジャーナリズムの世界でそういう言葉をお使いになっておるのだと思います。これは推測でしかございませんけれども、戦前の官吏制度というものが天皇の官吏というもとにおいてできていたものですから、その思想的な流れというものをうまくお使いになりまして、天下りという言葉をお使いになっておるのじゃないかというふうに思います。
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佐藤静雄#27
○佐藤(静)委員 そうですね。天下りというのは、自分たちの持っておる権限を下まで広げていくというか、勢力を広げていくというか、昔、日本が国づくりが出来たときにどんどん自分の勢力を広げていった。そこから、役人をどんどん投入していって全国を制覇していくという形をとったわけですね、それが天下り。結局、天下りという言葉をそのままにしておきますと、それぞれの省庁が自分の権益を広げていくのだ、そういうふうにやはりとられますね。とられかねない言葉ですね。
 そこで、やはり再就職の方法というものをしっかりと位置づけないと天下りという言葉はなくならないと私は思うのですよ。依然として民間の人たちは、お役人OB、まあOBではなくて途中で採るわけですが、役人を採るときには、役所の持っている権限だとかそういうものをやはり利用したいと思うでしょうし、ですから、せっかく就職しましても何かいつも役所とのパイプ役みたいになっている、そんな実態が見られるわけですね。やはり公務員は、現役時代に非常にいい勉強もし、国民の税金を使って人材としてどんどんすばらしい人材になっていくわけですね、専門職になって。そういうことをやはり民間で生かして初めて、OBとしての能力が非常に発揮されると思うのですよ。ただ役所との間のパイプ役になって、何か権限を利用するというか、それではせっかくの人材が日本の国で生かされないと思うのですね。
 そのためには、再就職の方法というものをしっかりと考えなくてはだめだと思います。何かそういうシステムをつくるということが私は必要だと思うのですね。ぜひともそういうような方法をつくって、役所の権限やそういう背景を押しつけた人事ではなくて、その能力が思い切り全体のために反映されるような仕組みをつくって再就職するべきだと思うのです。そういうシステムをぜひともつくってほしいと思いますけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
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中島忠能#28
○中島政府委員 おっしゃることはよくわかります。そしてまた、私たちも基本的にそういう考え方を持っております。
 そこで、各企業とそれぞれの所管官庁との接触というものをできるだけ少なくしていかなければならない、避けていかなければならない。そして、おっしゃるように、公務員の世界には、事務屋さんも技術屋さんも民間から見ればかなり能力のある方がおります。そういう能力のある方が民間企業に就職をして、それぞれの場でまたその能力というものを発揮していただくというのが、大きな意味において日本の経済社会の発展にとってプラスになるだろうというふうに考えます。
 そこで、私たちの方は、この四月から新しい制度をスタートさせました。それは、各企業が欲しいという人材をまず日経連の方に連絡していただく、日経連の方が私たちの方にその連絡を中継ぎしていただく、そして私たちの方で本当にその方が能力的にすぐれた方かどうかということを判断いたしまして民間企業の方にあっせんするということによりまして、各企業と各事業官庁との直接的な接触を避ける。本当に能力によって再就職というものが行われるのかどうかということを審査しようじゃないかということで、新しい制度をこの四月からスタートいたしまして、経済団体の方もそういう方向で協力いたしましょうということになっております。その方向というものをさらに充実していくようにこれから努めてまいりたいと思います。
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佐藤静雄#29
○佐藤(静)委員 終わります。
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