財務金融委員会

2002-05-22 衆議院 全207発言

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会議録情報#0
平成十四年五月二十二日(水曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 坂本 剛二君
   理事 中野  清君 理事 根本  匠君
   理事 山口 俊一君 理事 山本 幸三君
   理事 海江田万里君 理事 古川 元久君
   理事 石井 啓一君 理事 中塚 一宏君
      岩倉 博文君    金子 一義君
      金子 恭之君    倉田 雅年君
      小泉 龍司君    七条  明君
      砂田 圭佑君    竹下  亘君
      竹本 直一君    谷田 武彦君
      中村正三郎君    林田  彪君
      増原 義剛君    松島みどり君
      山本 明彦君    吉田 幸弘君
      渡辺 喜美君    生方 幸夫君
      江崎洋一郎君    小泉 俊明君
      小林 憲司君    佐藤 観樹君
      中川 正春君    永田 寿康君
      長妻  昭君    上田  勇君
      遠藤 和良君    藤島 正之君
      佐々木憲昭君    吉井 英勝君
      阿部 知子君    植田 至紀君
    …………………………………
   財務大臣         塩川正十郎君
   国務大臣
   (金融担当大臣)     柳澤 伯夫君
   内閣府副大臣       村田 吉隆君
   財務副大臣        尾辻 秀久君
   財務大臣政務官      砂田 圭佑君
   財務大臣政務官      吉田 幸弘君
   政府参考人
   (金融庁監督局長)    高木 祥吉君
   政府参考人
   (総務省自治税務局長)  瀧野 欣彌君
   政府参考人
   (財務省主税局長)    大武健一郎君
   政府参考人
   (国税庁課税部長)    村上 喜堂君
   政府参考人
   (中小企業庁次長)    小脇 一朗君
   政府参考人
   (国土交通省都市・地域整
   備局長)         澤井 英一君
   政府参考人
   (住宅金融公庫理事)   井上  順君
   政府参考人
   (日本政策投資銀行理事) 乾  文男君
   財務金融委員会専門員   白須 光美君
    —————————————
委員の異動
五月二十二日
 辞任         補欠選任
  倉田 雅年君     谷田 武彦君
  山本 明彦君     松島みどり君
同日
 辞任         補欠選任
  谷田 武彦君     倉田 雅年君
  松島みどり君     山本 明彦君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 法人税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第九八号)

     ————◇—————
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坂本剛二#1
○坂本委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、法人税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として財務省主税局長大武健一郎君、国税庁課税部長村上喜堂君、金融庁監督局長高木祥吉君、総務省自治税務局長瀧野欣彌君、中小企業庁次長小脇一朗君、国土交通省都市・地域整備局長澤井英一君、住宅金融公庫理事井上順君及び日本政策投資銀行理事乾文男君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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坂本剛二#2
○坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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坂本剛二#3
○坂本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。植田至紀君。
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植田至紀#4
○植田委員 社会民主党・市民連合の植田至紀です。
 きょうは、法人税法等の一部を改正する法律案、できるだけ法案に即して、疑問点等、逐一御質問していきたいと思います。
 まず、入り口からの話でございますけれども、私自身、個人的には、連結納税自体今やグローバルスタンダードになっているわけですし、イタリア、カナダではまだ導入されていないと伺っていますけれどもかなり浸透している、そういう意味で、日本においても連結納税の制度を導入することを前提とした政策論議を進めていくということについては、当然ながら必要であろうし、意義あるものだと考えております。
 それは前提になるわけですが、OECDの二十九カ国の中で、おおむね、取引相殺の本格連結型、赤字振りかえの簡易連結型、これが大体半々で採用されているということで、特にいわゆる本格連結と言われるものの代表的な例が、アメリカであるとかフランスであるとか、そういうところでございます。
 そういうことを聞いているわけですが、ただ、当初、もう五、六年前になりますけれども経団連が提案していたときは、税額合算、欠損振替のむしろ簡易連結方式というふうに理解した方がいいのかなと思うわけですが、今回、いわばアメリカ、フランス型ともいうべき本格連結型の制度を採用されたということについては、どういう問題意識、理由によるのかというところからお伺いをしたいと思います。
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尾辻秀久#5
○尾辻副大臣 昨日来、この連結納税制度の創設の目的につきましては、繰り返しお答え申し上げておるところでございます。
 その中で申し上げておりますように、今度のこの制度の導入によって、日本の企業に、大変今厳しい経済状況でもございますけれども、国際競争力を身につけてほしい、こういうこともございますので、今お話しのように、この際でございますから、本格的な連結納税制度、そういうものを導入した次第でございます。また同時に、国際的にも遜色のない制度を構築すべく努力をいたしたところでございます。
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植田至紀#6
○植田委員 入り口ですので、繰り返し御答弁いただいているところ申しわけなかったわけですが。
 もちろん、連結納税制度というものが、今おっしゃいましたように、我が国、日本の企業の競争力の維持強化という点で不可欠の制度だということで、特にこの間、経済界を中心に熱心に訴えられてきたという背景は十分理解しております。
 そこで、実はことしの三月に大和総研で、「連結納税制度の導入に伴う企業動向の調査結果」というものが発表されておりますので、何点か、この調査結果を整理させていただいて、御見解等々お伺いしたいわけでございます。
 これは、経済団体連合会の協力のもとに経団連の税制委員会構成企業を中心に百四十八社に質問用紙を送付して、それを回収、集計する形式でアンケートをとったということです。これによれば、連結納税制度を二〇〇二年度から適用するとはっきりと回答した企業は二社、全体の二・二%にとどまっている。また、未定だけれども適用の可能性が高いと言っているのが一七・二%、十六社。導入あるいは導入を前向きに検討と答えた企業が一九・四パー、十八社と、非常に寂しい数なわけでございます。
 これは、そもそもの発端といいますか、財界、経済界からの要請があったことを考えたときに、こうしたアンケートの結果というのは、非常に少ないなというのはこれは当然そういう御感想をお持ちだろうと思いますが、特に、導入を望む企業が多かったにもかかわらず、実際に導入が日程に上ったところでこんなふうに消極的な企業がふえてしまったというのは、わかり切ったことかもしれませんけれども、まずその理由をお聞かせ願えますか。
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尾辻秀久#7
○尾辻副大臣 御指摘のとおりに、大和総研初めとして民間の調査結果がこのところございます。いずれも、検討中の企業が多いという結果であったことは、私どもも承知をいたしております。
 そこで、今後でありますけれども、今検討中でございますから、それぞれグループ各社の収益の見通しなどを踏まえて、今後のまさに検討だろうというふうに考えます。したがいまして、今その理由が、私どもがこういうふうな理由でしょうというふうにお答えできるものではございませんので、御理解いただきたいと思います。
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植田至紀#8
○植田委員 まあ、そうなんでしょうけれども。
 そこで、特に仕組みと機能にかかわるところのお話もお伺いしたいわけですが、この調査結果ではっきりしているわけですよね、それは事実として恐らく御認識なんでしょうけれども。そこは、事実認識は私の方から聞いた方がいいんであれば申し上げますと、この調査結果では、連結納税を適用する予定はないと答えている企業のほとんど、六十六社、全体で八八パーになるわけですが、要はこれ、連結納税の仕組みに問題があると答えているわけですね。税負担増となるということです。そして、複数回答になるわけですが、ありていに言えば、連結付加税が上乗せされるということをはっきり言っているのが六十一社、あと、子会社欠損金を否認しているということが五十一社。この辺に対する不満が圧倒的に多いわけですよね、実際のデータは。これはもう見ておられるから十分御承知だろうと思いますけれども。
 それは企業の側からしてみれば、そもそも競争力を高めるために導入してくれというて要求してきたものが、さあ、ふたをあけたら、制度のメリットを言ってみれば削ってしまうような措置になっているじゃないかといったら、私が企業の側であれば、それはちょっと堪忍してやという話になるやろうというのは当然あるだろうと思います。
 結局そこで、こういう設問もあれなんですが、連結付加税が撤廃されれば連結納税を適用するか、こういう露骨な問いもこの大和総研の調査ではありますよね。そうしたら、これ適用が、そもそも二〇〇二年度から適用すると回答した企業は二社しかなかったのが、連結付加税が撤廃されたらやりまっせというのは七社になるわけですよね、これは御承知だと思いますけれども。また、ほかの要因とかかわりなしに付加税さえなければ一一・七%の会社が採用する、これはこれで虫のええ話といえば虫のええ話なんですけれども。
 結局、こういう調査結果からすれば、今回の制度設計の中で連結付加税があることが企業が二の足を踏んでいる最大の要因だということはデータの上では明らかですよね。その点どうですか。
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尾辻秀久#9
○尾辻副大臣 この制度を直ちに導入しないその理由の大きなものが付加税にあるということは、私もそのとおりだろうというふうに思います。
 今先生がお触れになっておりますアンケートでも、私自身もよくわからない部分は、導入しない理由が付加税にありますと答えている企業の数は、割合は先生が仰せのとおりなんです。ただ、じゃ付加税がなくなったら導入しますかと逆に聞くと、今の先生の設問の話でありますが、付加税を理由に導入しないと言っている企業が全部、じゃ導入しますと言うかというと、この数字は全然また違う数字が出ていると思います。細かな数字を今ここへ持っておりませんが、先日見たときに、その差がかなり大きいなと私も思ったのです。
 この理由は何なんだろうということもまた解明しなきゃなりませんし、おっしゃったように、この制度のその他の部分に対する御不満もまたいろいろおありなのかなと思ったりしますので、先ほど理由を直ちにお答えすることができませんと申し上げたところでありまして、今の御質問に対しても、その辺は検討しなきゃなりませんけれども、そして、お答えとして申し上げれば、大きな理由になっていることはそのとおりだと思いますけれども、それも一部のものであって全部ではない、こういう答えをさせていただきたいと存じます。
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植田至紀#10
○植田委員 私は連結付加税が唯一にして最大の障害だということじゃなしに、最初に御答弁なされなかったものですから、それはいろいろな御不満がおありだということを認識されているわけですから、それを列挙して答えていただけばよかったわけなんですよね。実際データを見れば、今おっしゃったことも私は十分承知しておりますが、同じ基礎データをもとに今やりとりしているわけですから。
 ただ、いずれにしても、この連結付加税というのは一つ大きな障害になっているという、事実認識としてはある。だから、ほかにもいろいろと不満を持たれている法案であるということも、いみじくもお認めになったということだろうと思うんです。
 そこでもう一つ。今は連結付加税の話でしたが、法人間の寄附金の取り扱いについてなんですけれども、これは理由はわかるんです。これが全額損金不算入となっていることの理由は、適正な課税を確保する、租税回避を防止するということは私は理屈として十分わかっております。
 ただ、ここで私自身、今回の法案については非常にニュートラルな立場でお伺いしていますので、こういう意見もあるけれどもどうかという聞き方になるわけですけれども、いずれにしても連結納税制度というのは、連結グループというのは一つの経済主体になるわけですから、そういう発想から出発している以上、グループ内の寄附金というのも、素朴に考えれば一つの経済主体の中における資金移動にすぎないという考え方も成り立つわけでございますよね。そうすると、実際、これを寄附金ととらえて全額損金不算入とする考え方は、ちょっとそれはおかしいのと違うかという意見が出てくることも決して奇異なことではないと思うわけです。
 例えば、この調査結果の中ではこういう意見が多かったように思うわけです。ほかにもあるだろうと思うんですが、一つ代表的な例を挙げれば、企業グループを一つの法人とみなして納税額を算出する制度が連結納税とされているにもかかわらず、グループ内での寄附金が損金算入されないのは制度として整合性がとれてへんのと違うかという意見は、調査結果で結構ありましたですよね。この意見についてはどんな感想をお持ちでしょうか。
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大武健一郎#11
○大武政府参考人 お答えさせていただきます。
 今まさに先生が申されましたとおり、連結納税制度自体、連結グループを一体として課税する仕組みですから、その税額はグループ内の個別の法人の所得に実は今回は左右されないことになる。その意味では、課税上、グループ内の法人間の寄附を損金として認める必要性は低いというふうに思われるわけです。そもそも、黒字であれ赤字であれ、その所得を合算するという意味でございますから。
 また、現行の一般の寄附金制度というのがありますけれども、これは個々の寄附金の業務関連性を判定することが困難であるために一定の限度内で損金算入を認める制度でございまして、まさに先生も言われたとおり、租税回避行為に利用される懸念があります。
 こうした観点から、連結納税制度という制度におきまして、グループ法人間の寄附金についてはその全額をやはり損金不算入にするということ、もちろんそこから出る場合には別でございますが、グループはグループとして把握するという意味では損金不算入にさせていただいている、こういうことでございます。
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植田至紀#12
○植田委員 今、寄附金の取り扱いについてお伺いいたしました。
 今の御説明で、私はそこは十分だろうと思うわけですが、私自身、仮にこの制度の制度設計の中で、全額損金不算入がけしからぬというふうに考えているわけでも別に決してここはないわけなんです。ただ問題になるのは、むしろ、実際こういう制度設計をするのであれば、その前提でやっておく作業があるんじゃないかなということをちょっと疑問に思っているわけです。
 というのは、今回のこの連結納税法人制度を採用する場合と採用しない場合で、法人間の寄附についての取り扱いが異なってくるわけですよね。連結納税の制度の基本的な仕組みとすれば、当然、連結グループ内の法人間取引が時価により行うとされるわけですけれども、後で時価の話はまた簡単に聞きますけれども、へ理屈をこねるようですけれども、時価によらないグループ内の取引は時価との差額分がみなし寄附金ということで損金不算入になるおそれも、理屈上はあり得るだろうと思うわけです。
 そして、日本の場合、時価をどう見積もるかということ自体がまだあいまいな部分が残されていると思うわけなんです。というのは、アメリカの場合、移転価格税制というのが整備されていますので、いわゆる国内グループ間の取引についても公正価格での取引が義務づけられている。日本の場合は、国際間取引に係る税制は八六年に導入されているわけですけれども、国内関連者との取引価格についての制度がまだ存在していなかったと思いますよね。
 とすれば、やはり今回のこの寄附金の取り扱いにかかわって、仮にこの法案で書き込まれているようにするのであれば、その前提として移転価格税制の整備、特に、とりわけ国内関連者との取引価格に対する制度設計というものをやっておくことが先決なのではないのかなと私は思っているわけです。
 ですから、損金不算入自体けしからぬということではなしに、その前提となる制度がまだ日本においては未整備じゃないですかと。そのことをまず交通整理をするということをしておかないことには、さっき質問で取り上げましたような、損金不算入のことにかかわって整合性がとれてへんやないかとかいろいろな不満が出てくるということも、あながち唐突なことではないだろうと思うわけです。今の移転価格税制の整備にかかわってはいかがですか。
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大武健一郎#13
○大武政府参考人 お答えさせていただきます。
 ただいま植田先生が申されました移転価格税制というのは、海外の関連企業との間で取引をする場合に、国内所得が海外へ移転してしまう、言ってみれば日本に入ってくるべき税金が海外へ流れてしまう、それを防ぐために、独立企業間価格と呼んでいるわけですけれども、その価格で課税する制度でございます。
 その意味では、アメリカはむしろ国内でもこの移転価格税制的ないわば独立企業間価格のようなものを基準にしているというふうに言われておりますけれども、ただ、一方で日本の場合も、先生御存じのとおり、時価を基準にして、そこはいわゆる国内もその取引は見ているわけでございます。そこをどこまで厳格にやるかという、言ってみれば一つの運用の話も絡んでくる話だと思います。
 先生が言われましたように、移転価格税制を国内企業間の取引にも適用したらどうだという御意見は、一部の先生からあることはございますが、ただ、その場合にはかなり厳密な、いわば即応しなければならなくて、執行面においてもかなりの困難を伴う部分もあるだろうと思っております。
 ただ、先生が言われますとおり、今後とも、時価の基準というところは適正に、これは連結納税をとろうがとるまいが、やはりそこは適正に行われていくべきものだというふうに考えているところでございます。
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植田至紀#14
○植田委員 そうだと思うんですが、後でも伺いますが、だから実際、時価の明確化というものがやはり厳密に行われない限り、昨年も別の法案で質問しましたら、時価というのはそれこそ売り手と買い手が一致したところが時価でございますということになるわけでございます。
 そうした場合、では今度ちょっと話題を変えますけれども、実際、時価評価といった場合、法案の六十一条の十一の連結納税開始時の時価評価であるとか、法案の八十一条の十の連結法人間の取引の時価評価等があるわけですけれども、こうした状況からすれば、連結グループ各社で判断が難しい局面というのが出てくるだろうというのは推察できるわけです。その場合、やはり税務当局に対してもいろいろと、問い合わせなり照会なり相談があるということは想像できるわけです。
 まず、実際これでやられる場合、そうした連結法人からのさまざまなそういう問い合わせ、照会等に対して的確に対応できる相談体制の充実の措置というものをやはり講じておかないことには、要するに、時価というのをどう明確化していくのかというのは、最後に聞きますけれども、厳密な作業であるけれども随時やはりそれは個々の連結法人の事情に応じて、相談に対して応じなきゃならないわけですから、やはりその体制の整備というのが必要になってくるだろうと思います。
 特にそのところが気になりますのは、今回の連結納税制度、初めての試みでありますから、やはりそこは、税務執行に当たる税務職員もこのことについて十分な理解を持っておく必要があるという点では、相談体制の整備と、もう一つは国税職員の研修の充実ということもやっておかないことにはいかぬかなと思うんですが、その二点はいかがでございますでしょうか。
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村上喜堂#15
○村上政府参考人 お答えいたします。
 時価評価に限らず、連結納税制度は法人税法全般にわたる大幅な改正となっておりますので、納税者等から事前に広範な相談が寄せられることが予想されるところであります。
 したがいまして、この法案が成立しました場合には、納税者等からの事前相談等に対応するための相談窓口を全国の国税局及び税務署に設置し、的確に対応したいと思っております。また、こうした事前相談に対応するために、職員研修も充実したいと思っております。
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植田至紀#16
○植田委員 いずれにしても、今、時価のところでぐるぐる回っているわけですが、ここにこだわるのは、そもそもの時価の定義があいまいであるということに尽きるだろうと思うわけです。仮に今のように税務職員による相談体制が整備されたとしても、また研修が充実されたとしても、そもそも、時価の定義があいまいな限り、問題が生じることはやはり避けられない局面があるんじゃないかということを想像するにはかたくないだろうと思うわけです。
 その意味で、先ほどもおっしゃったとは思いますが、少なくとも今回の連結納税制度で時価取引が書き込まれている以上、時価の定義にかかわって、それを明確にする、時価の定義の明確化というものが新たな課題として設定されているんだということは当然言えるだろうと思います。そういう理解でいいでしょうか。そして、その課題をではどう解決していくのか、どうやっていくのかということも含めて、展望を含めてお聞かせいただければ幸いです。
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大武健一郎#17
○大武政府参考人 今御質問のございました時価でございますが、現在も、連結納税の有無にかかわらず、その意味では、企業間の取引は時価によって行われてきているわけで、適切に行われていると思っています。
 ただ、先生の御質問にありますように、今まではどちらかというと、一般寄附金枠というのがあるので、そこで一定の、言ってみますと、低廉譲渡があってもその中で吸収されるんじゃないかというような解釈があって、弾力的運用の部分があったというふうにお思いなのかもしれません。
 ただ、いずれにしましても、今後とも時価というのは、連結であるなしにかかわらず、適正に運用していく必要があると思っておりまして、その意味では、連結納税制度の創設に伴って御指摘のような問題が生じるか否かについては、制度導入後における我が国企業のグループ間の取引の実態等も踏まえまして、必要があればさらに検討していきたいというふうに思っているところでございます。
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植田至紀#18
○植田委員 さて、連結納税の適用法人にかかわってですけれども、連結の対象となる子会社の株式保有割合が一〇〇%になっているわけですが、これも私は、これがあかん、このことがあかんと言っているわけじゃなくて、一応参考までに聞いておきたいんですが、当然、子会社の繰越欠損金であるとか子会社資産の時価評価等々の問題がありますから、対象子会社の範囲は狭く設定する方がよいとお考えなのであれば、私もそれはそうだろうと思っています。
 ですから、そこで因縁をつけるわけではないんですが、ただ、アメリカ、フランス等、恐らく今回の制度設計で一番参考になったであろう制度を見ていますと、例えばフランスの場合、連結の範囲が九五パー、アメリカが八〇パー以上という、所得通算型を採用しているところでもそういう水準に置いているわけですし、また、我が国とは制度は異なるわけですが、イギリスでは七五パー以上というふうになっているわけなんです。それぞれの国情の違いもあるかとは思いますけれども、今回、子会社の株式保有の割合を一〇〇%としたということについての理由、考え方ということを参考までにお聞かせいただけますか。
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大武健一郎#19
○大武政府参考人 お答えさせていただきます。
 先ほど尾辻副大臣がお答えになられましたように、連結納税制度そのものの意義が、一体性を持って経営され、実態に一つの法人と見ることができる企業ということを、グループ全体で見ていく、それを納税単位とするというところに、国際競争力といいますか、そういうところの意味があるということでございまして、その意味では、グループ全体を一つの課税単位として課税して、実態に即した適正な課税を実現していこう、こういうわけでございます。
 こういたしますと、連結納税制度の対象となるグループ法人の範囲というのは、経営が一つの法人に支配されるとともに、利益がその一つの法人に帰属するというような意味で完全に一体と認められる親会社及び保有割合一〇〇%の子会社から成る企業グループとするというのが適当ではないかと考えたわけでございます。
 また、先生の言われますとおり、確かに、アメリカなどには八〇%のところを対象とするというような例もございますけれども、その場合には、子会社のいわば少数株主が子会社の欠損金の繰越控除のメリットを享受できないといったような問題もございまして、もしそれを解消しようといたしますと、またさらに、この少数株主の利益を考慮した制度設計という意味で、より複雑な実は連結納税制度になってしまう。そういう意味でも、現時点では一〇〇%子会社を対象とするのが適当ではないか、こういうことでやらせていただいているところでございます。
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植田至紀#20
○植田委員 ありがとうございます。
 ここで幾つか、いわば今回の制度導入に伴う税収の減収に対応した措置のあり方にかかわってお伺いするわけですが、今回の制度導入に伴って減収額が約八千億見込まれているということで、税収の減収を抑えるための財源措置を講じるということで御説明いただいているわけですが、ここで一点伺いたいのは、当然その中で租税特別措置について見直しを考えておられるようですけれども、この租税特別措置については、見直すというてもその余地が限られているのが実態だと思います。
 その点、今の話の入り口のところで、具体的にどんなお考えなのかということをざくっとまず聞かせていただけますでしょうか。
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尾辻秀久#21
○尾辻副大臣 まず、基本的な考え方から申し上げたいと存じます。
 お話のとおりに、八千億という減収になります。そこで、これを増減ゼロにしたい、このようにいたしました。では、八千億をどこから負担してもらうのかということでありますけれども、それを、全体としては法人税の中で行う。そして、それをまた、一つは、この制度を導入したところに負担していただく分が一つ。先ほど来お触れになっております付加税などがそれであります。それからもう一つ、これは導入されていない会社も含めて、法人税全体で負担していただく分をもう一つ。この大きな仕組みの中で考えたところでございます。
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植田至紀#22
○植田委員 あと、他の財源措置の中で、ちょっとこだわって聞きたいところがあるんです。
 退職給与引当金の廃止にかかわってですけれども、これは、連結納税を採用した、選択した企業、そうでない企業、それぞれ適用されるわけですが、この退職給与引当金の利用割合というのは、中小企業、資本金一千万以上一億円未満の中小企業でも三〇%近く利用されているわけですね。しかも、実際に、いわば労働集約型の産業、例えば、ホテルとか百貨店とか、流通、サービス、そうした分野では、企業規模に比べて従業員が多いわけですから、負担は重くなるわけですから、当然、これは廃止の影響というのは決して小さいとは言えないだろうと思うわけです。しかも、この退職給与引当金制度自体がこの数年、四年前ですか、九八年の改正で累積限度額が期末要支給額の四〇パーから二〇パーに引き下げられていますし、要するに、現在、経過措置によって段階的な引き下げの過程に、最中にあるわけですね。
 にもかかわらず、今回、この八千億の減収への対応の措置として、なぜ一挙に廃止なんでしょうか。これは、与える影響は決して小さくはないということはお認めになっておられるでしょうから、なぜ今回一挙に廃止する必要があるのか、その見解についてお答えいただけますか。
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大武健一郎#23
○大武政府参考人 お答えさせていただきます。
 先生御存じのとおり、退職給与引当金制度は、中小企業も導入はしておりますけれども、やはり大企業を中心に利用されている。しかも、利用している企業と使用していない企業とのアンバランスが生じているということ。それからさらに、この退職給与引当金自体が、外部拠出じゃありませんで単に会計上の引当金でございますから、ある意味でいうと、最近施行されましたいわゆる確定拠出年金とか、あるいは確定給付年金の方が、労働者の受給権保全という意味でも寄与する制度であるということから、やはり法人税制改正の基本的な方向としては、こうした退職給与引当金制度などは見直していく、廃止していくというのが筋であって、そういう意味では、この連結納税制度導入に伴う税収減を補てんするために廃止をやらせていただこうと考えたものでございます。
 なお、この退職給与引当金の廃止に当たりましては、確かに先生の言われますとおり、企業によってなお大量にまだ積んでいるところもあるというようなことも考慮いたしまして、一挙というわけにはいきませんから、段階的に四年間で取り崩す。なお、中小企業に対しては、特に経営の影響を考えて十年間という期間で取り崩していく。その間には、むしろ制度設計としては、そういう確定拠出型年金なり給付型年金制度という外部拠出の方へ移っていっていただきたい。そういう趣旨も、制度として、仕組みの上ではあるということでございます。
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植田至紀#24
○植田委員 そもそもの、この退職給与引当金の問題点が指摘されておること、それはよくわかっていますし、そういうことがあるから段階的に引き下げてきたことも十分理解はしているわけです。ただし、前段で言ったみたいに、では影響がありませんとは言えないでしょうというところを私は申し上げているわけです。
 というのは、例えば、中小企業家同友会等も、当初は政策要望の中で連結納税の導入にも反対というお立場でありましたが、この退職給与引当金の廃止というものの甚大な影響について指摘をされておられることは十分御承知だろうと思うんです。そんな中で実際、もう一つは、その廃止という措置が、連結納税を選択した企業だけではなくて、しないところも適用されるわけですから、あるデータによれば、大体廃止だけで三千億ぐらいの企業の負担がふえるという指摘もあるわけでございます。
 ですから、今回、確かに中小企業に対する経営への影響の配慮というものは、やっていないとは言いません、それはやっているわけですけれども、ただ、企業が、会社が、事業所が退職金という制度を設けている限りにおいて、何らの形でやはり企業は必要な支払いに備えて積む必要性はあるわけです。そうなると、中小企業の立場からすれば、これは増税やないか、こういう意見があっても当然だろうと思いますね。これはどうですか。
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大武健一郎#25
○大武政府参考人 お答えさせていただきます。
 個々の企業にとっては、一定期間ではあるにしても、その退職給与引当金を取り崩していくというところで、そこに税金がかかってくるという意味では、確かに増税になるということかと思います。
 ただ、先ほど来申し上げますように、その意味でももっと早くに、一挙に、流れとしては退職給与制度というのはむしろ見直すべき制度だから、もっと短期間にこれを実施してはどうだという御意見もいろいろ御議論の中には出たわけですが、我々としては、むしろ決定の段階までの間に四年間、そして中小企業は十年間というタイムスパンで、一時的な負担増、増税というのを少しでも緩和したいという思いでやらせていただいているということでございます。
 そういう意味でも、逆に言えば付加税のようなものを連結納税を採用できた企業の方にもお願いせざるを得ない、そうしたバランスも考慮させていただいて、この財源措置をとらせていただいているということでございます。
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植田至紀#26
○植田委員 だから私も、中小企業等に対する影響に対して配慮はされているということは認めた上でお伺いをしているわけです。ですからここは、結局中小企業の側からすりゃ増税やないかと言われりゃ、そうですと答えざるを得ない部分ですね。
 そこで、もう一つちょっと理屈だけ言えば、実務として、中小企業、法人等の引当金を取り崩す、廃止ということは、当然従業員のための内部留保の引当金というのはなくなることになりますね。そうなると、例えば私がそこの従業員であれば、当然ながら、労働組合の側からすれば、要支給額の退職金支給の要求というものをやはり強くさせますね、ないわけですから。
 さあ、そうなったときに、では、従業員全員に退職金の要支給額の全額を支払うことができる、そんな中小企業があるなんということは到底思えないわけです。この事実認識はどうですか。
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大武健一郎#27
○大武政府参考人 今御質問になられた件に関して言えば、先ほども申しましたように、やはり内部拠出、いわば内部で蓄えるような退職金というのは、ある意味では労働債権、労働者の受給権保全という意味では、資金繰りの中に消えてしまっておりますから、むしろ流れとしては外部拠出へその額を持っていくというのが筋であろう。そういう意味で、言ってみれば、多くの企業でもそうなってきているやに聞いておりますけれども、むしろ確定拠出年金制度あるいは給付年金制度という方向へ行くということを、いわば流れとしてはとらえているということでございます。
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植田至紀#28
○植田委員 そのことはわかって聞いているんです。だから、質問の冒頭、理屈だけ言わせてもらえばと言ったでしょう。
 だから、今言うた質問をストレートに聞いてもらったら、要するに、では、そのときに要支給額の全額を払えるような中小企業がありますか、どうですかという話だけを聞いているんですよ。そのお話はわかった上で聞いているわけだから、そこだけ答えてくれりゃいいんです。
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大武健一郎#29
○大武政府参考人 お答えさせていただきます。
 いわゆる退職給与引当金制度というのは、やはりある一定の契約に基づいてつくっている制度でございますから、これをこういう十年間という間に、言ってみれば、この契約の内容を変えていくということが裏側にはあるということだと思います。したがいまして、その間をチャラにするということでは多分なくて、言ってみれば少しずつそれを変える形で、その退職される方にはもう既に払わざるを得ませんでしょうから、そうでない方のはそちらへいわば財源を移すという形で、経過的に移していくということになるのかと存じております。
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