予算委員会

2002-11-25 参議院 全157発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成十四年十一月二十五日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十五日
    辞任         補欠選任
     月原 茂皓君     泉  信也君
     林  芳正君     谷川 秀善君
     風間  昶君     松 あきら君
     西岡 武夫君     平野 達男君
 十月二十八日
    辞任         補欠選任
     池田 幹幸君     宮本 岳志君
 十一月八日
    辞任         補欠選任
     藤原 正司君     岩本  司君
     若林 秀樹君     鈴木  寛君
 十一月十一日
    辞任         補欠選任
     岩本  司君     藤原 正司君
     鈴木  寛君     若林 秀樹君
 十一月十五日
    辞任         補欠選任
     藤原 正司君     浅尾慶一郎君
 十一月十八日
    辞任         補欠選任
     浅尾慶一郎君     藤原 正司君
 十一月二十二日
    辞任         補欠選任
     福本 潤一君     山下 栄一君
     森本 晃司君     沢 たまき君
     高橋紀世子君     田名部匡省君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         陣内 孝雄君
    理 事
                木村  仁君
                田村 公平君
                保坂 三蔵君
                松谷蒼一郎君
                郡司  彰君
                齋藤  勁君
                山本  保君
                小池  晃君
                平野 貞夫君
    委 員
                泉  信也君
                市川 一朗君
                大島 慶久君
                国井 正幸君
                山東 昭子君
                世耕 弘成君
                田中 直紀君
                伊達 忠一君
                武見 敬三君
                谷川 秀善君
                段本 幸男君
                中川 義雄君
                仲道 俊哉君
                山下 英利君
                山下 善彦君
                朝日 俊弘君
                佐藤 道夫君
                櫻井  充君
                辻  泰弘君
                福山 哲郎君
                藤原 正司君
                円 より子君
                峰崎 直樹君
                若林 秀樹君
                沢 たまき君
                松 あきら君
                山下 栄一君
                紙  智子君
                大門実紀史君
                宮本 岳志君
                田名部匡省君
                平野 達男君
                大脇 雅子君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小泉純一郎君
       総務大臣     片山虎之助君
       法務大臣     森山 眞弓君
       財務大臣     塩川正十郎君
       厚生労働大臣   坂口  力君
       農林水産大臣   大島 理森君
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
       国土交通大臣   扇  千景君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (産業再生機構
       (仮称)担当大
       臣)       谷垣 禎一君
       国務大臣
       (金融担当大臣)
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  上野 公成君
   副大臣
       内閣府副大臣   伊藤 達也君
       内閣府副大臣   根本  匠君
       財務副大臣    小林 興起君
       農林水産副大臣  太田 豊秋君
       経済産業副大臣  高市 早苗君
       国土交通副大臣  吉村剛太郎君
       環境副大臣    弘友 和夫君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       桜田 義孝君
       国土交通大臣政
       務官       鶴保 庸介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   政府参考人
       総務大臣官房審
       議官       衞藤 英達君
       総務省自治行政
       局選挙部長    高部 正男君
       法務省刑事局長  樋渡 利秋君
       国税庁課税部長  村上 喜堂君
       国土交通省総合
       政策局長     三沢  真君
   参考人
       日本銀行総裁   速水  優君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○予算の執行状況に関する調査
 (経済問題を中心とする諸問題に関する件)

    ─────────────
この発言だけを見る →
陣内孝雄#1
○委員長(陣内孝雄君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁速水優君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
陣内孝雄#2
○委員長(陣内孝雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
この発言だけを見る →
陣内孝雄#3
○委員長(陣内孝雄君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、経済問題を中心とする集中審議を行います。
 質疑者はお手元の質疑通告表のとおりでございます。
 それでは、質疑を行います。木村仁君。
この発言だけを見る →
木村仁#4
○木村仁君 自由民主党の木村仁でございます。
 自民党・保守党を代表して、当面の経済政策について御質問をいたします。
 総理は、二十二日の夕刻、補正予算の指示を出されました。公共事業一兆五千億、セーフティーネット一兆五千億、合計三兆円、これが補正予算のコアであろうと思いますが、全体として六兆円、地域に下りたときの全体の事業量はほぼ七兆とか八兆とか、そういう金額になるものと思われますが、この補正予算は緊迫する現代、今日の経済情勢を反映して編成されるものと考えております。
 まず、総理にお尋ねしたいのでございますが、この不況、極めて厳しい状況になってきておりまして、私が一々数字を申し上げる必要はないと思います。極めて緩やかに、しかし執拗に迫り寄ってくるデフレでありましたので、国民一般も余り危機感を感じないまま今日に至っているように思います。
 経済論調等を見ておりましても、政府にもそのような緊張感が欠けていたのではないかという論評を時々見受けますが、総理は、現在のこの不況の状況、経済状況についてどのような御認識をお持ちでいらっしゃいましょうか、まずお教えいただきたいと思います。
この発言だけを見る →
小泉純一郎#5
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現在の経済状況ですが、失業率も五・四%程度でなかなか改善しない厳しい状況もございます。また、物価下落も続いておりますし、不良債権処理に絡んで様々な御意見がありますが、中小企業対策、雇用対策、そして構造改革等、いろいろな手だてを講じてこの厳しい経済状況を脱却していかなきゃならないと認識しております。
 こういう状況の中にあって、景気対策が先か構造改革が先か、いろいろな議論がありますが、私は一貫して改革なくして成長なしと。鶏が先か卵が先かと。景気が回復すれば不良債権処理なんていうのはなくなるよという意見もあります。逆に、不良債権処理を進めない限り景気回復は実現できないよという意見もあります。それは、与党の中でも野党の中でもそうです。両方意見があるんです。
 しかし、私はこの十年来の状況を見まして、じゃ、景気対策というのは何かと。景気対策しろしろと言っている人の中にも相反することを言っている、中身が一貫していないんですよ。景気対策、公共事業もっとしたらいいと、国債もっと増発しろと、減税しろと。じゃ、財政どうなるのかと。財政というのは国民の税負担で成り立っているわけです。打ち出の小づちなんかないんですよ。
 そういう点を考えて、現在の状況も、景気対策やれという主張の最も強い一つは、国債を増発して、公共事業をもっと積み増ししろということでしょう。過去十年間やってきたことですよ。どうなったのかと。持続的な景気回復、経済成長になっていない。だからこそ、私は改革なくして成長なしと。国債を増発して、公共事業を増やして景気回復するんだったら、私すぐやりますよ。そういう状況じゃないから、まず歳出も徹底的に見直しましょうと。民間がリストラ一生懸命やっている、特殊法人始め。税金の無駄遣いあるんじゃないか、あるいは今は負担ないかもしれないけれども、後々税金でツケがどっと返ってくる。今、負担ないから、もっと財政拡大しようという人がある。将来どうなるのか、そういうことも考えなきゃならない。目先のことだけじゃない、将来も考えながらやっていかなきゃならないと。
 実に狭い道なんです。財政拡大して、財政出動して、公共事業積み増しして、財政の規律も考えないで減税して景気だけ回復するんだったら、もう十年前にとっくに回復していますよ。数年前にも回復しているはずだ。だからこそ、改革なくして成長なしと言っているんです。そういう点をやっぱりよく考えなきゃいかぬと。
この発言だけを見る →
木村仁#6
○木村仁君 私の質問の結論をおっしゃっていただけたように思いますが、にもかかわらず、引き続き質問をさせていただきます。
 総理がこの補正予算の指示を出されましたときに、新聞は一斉に政策の転換であるという論評をいたしました。特に、国債発行枠三十兆円が破られたという形で政策転換だということを申しました。
 私は、少しもそうは考えておりませんけれども、総理は極めて明確に改革なくして成長なし、その方針は変わらないということをおっしゃっておりますが、これは新聞とかテレビでお伺いしたことでありまして、この予算委員会の席上で、特にこの予算委員会における経済問題の集中審議は大変珍しく、参議院が衆議院よりも先に行いますので、どうかひとつ、もう一つ、もう一度政策に転換なしということを総理のお言葉でここで発表していただきたいと存じます。
この発言だけを見る →
小泉純一郎#7
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、最近一部の人から、私の掲げている政策、転換したんじゃないかという意見がありますけれども、実際、あきれているんですよ、どこ見て政策転換かと。私は改革なくして成長なしという路線は一向も変わっていないと。
 構造改革を進めているでしょう。官の部門の無駄、将来、このまま官の部門を現状維持のままほっておいたらどういうことになるのか。官の無駄は排除されない、税金の垂れ流し、今は負担しないけれども後になってどっとツケが回ってくる。この官の構造を見直ししない限り、税金の垂れ流しどんどん続いていくということで、官から民へ、民間でできることは民間に任せなさいと、いろいろな役所の特殊法人等、廃止できるものは廃止しなさいと、どうしても国でやらなきゃならないことは国でやろうという方針、実際の政策、着々と進めております。
 現に、特殊法人改革あるいは道路公団の民営化、郵政改革、将来の郵政事業の民営化、いずれも私の総理就任以来、こういうことはなし得ないとあきらめていたことでしょう。それから、公共事業についても、この厳しい状況に公共事業を削減するとは何事かと。しかし、このままほっておいたらいつまでたっても財政の規模は膨脹するということがあって、私は改革を進めていかなきゃならない。現在、行財政改革のほかに税制改革、金融改革、これは不良債権処理も含めてであります。それから、規制改革、歳出改革、この路線、どこに変更があったんですか。これは金融改革の中で健全にする一環です。枝葉を見て本を見ていない。大体見てごらんなさい、木だって季節に応じて葉っぱの色は変わるんです。その葉っぱの色が変わる……ヤジ
この発言だけを見る →
陣内孝雄#8
○委員長(陣内孝雄君) 御静粛にお願いします。
この発言だけを見る →
小泉純一郎#9
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それを見て、幹が変わった、これはどこを見ているのか、節穴じゃないかと言っているんです。ああ言えばこう言う、批判だったらだれだってできます。そういうことを見て、私の改革路線は全く変更ない、微動だにしない。
この発言だけを見る →
木村仁#10
○木村仁君 私も少しだけああ言えばこう言うを言わせていただきたいと考えておりますが、ちょっと私の認識を一分だけ申させていただきたいと思います。
 かつて、小渕内閣が成立したときに、総理は二羽のウサギがいると。一匹は行財政改革、構造改革ウサギである、一匹は不況ウサギである。その前の内閣は構造改革ウサギを一生懸命追いまくったわけでありますが、そのために不況ウサギの方が跳梁ばっこいたしまして、経済がおかしくなって、ついに内閣自身が瓦解してしまいました。そこで、小渕さんは、小渕総理は、二兎を追う者は一兎をも得ずと言って、専ら景気対策に自分はささげると言って、こういうことに徹したのでございます。そして、世界一の借金王になってしまったと自嘲しながら、しかし二〇〇〇年には二・四%の経済成長を実現をいたしました。
 なぜこれが可能だったかというと、当時としては、国民一般の考え方の中で、財政構造改革、行政改革は二、三年ほっておいても何ということはないという意識があったからだろうと思います。しかしながら、小泉内閣になった現時点では、その構造改革ウサギの方に不良債権という大きな病気がくっ付いておりまして、これをやっぱり捕まえないことにはどうしても健全な成長はないと、私もそう思います。
 そこで、構造改革なくして成長なし、これが政策の基本で、したがって構造改革を最重点事項にするということでありますが、ところがそういうことにいたしますと、今度はデフレウサギの方がどうしてもまた動き出すおそれがある。したがって、どうしてもこの構造改革、現時点における構造改革を選んだ内閣は二兎を追う形にならざるを得ない、これはしかられるかもしれませんが、二兎を追う形にならざるを得ない。それが昨年、セーフティーネットの補正をやった後に、今年になって経済再生の景気対策予算を組んで、十五か月予算を組んで粛々と実施しているということであろうと思います。
 ですから、結局、この中心を構造改革に置きながら、時と場合によってそのウサギの追い方のエネルギーを変えていくということはこの内閣において必要だと、こういうふうに私は認識しておりますが、まるっきり勘違いでございましょうか。
この発言だけを見る →
小泉純一郎#11
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、経済は生き物だと、変化を見極めながら、その際には大胆かつ柔軟に対応すると就任以来発言しているんですよ。
 そして、確かに小渕内閣のときには景気重視で、国債増発思い切ってやりました。しかし、それが本当に持続的回復につながっているかということをよく見てみると、必ずしもそうじゃないんです。
 私が、十四年度予算、三十兆円枠、国債増発、以下にとどめようというのも、これは財政規律というものを考えなきゃいかぬということでやってきたわけであります。もし、それでは、あの景気対策がうまく成功したらもっと税収が増えているはずですよ。持続的回復に導いているはずですよ。
 ところが、十四年度予算どうですか。私は、五十兆円の税収があるという前提で十四年度予算組んでいるんです。十三年度予算。十三年度におきましても、五十兆円税収なかったんですよ。これは、国債を増発して景気対策すれば持続的に成長するということじゃなかった一つの表れなんです。
 そういうことを考えると、私は、五十兆円程度の税収の中で三十兆円枠というのは決して緊縮財政じゃない。しかも、当時は二十八兆円で、二兆円程度は余裕があるんですから。私は、国債発行を減らすというんじゃなくて、増やす中でも三十兆円以下の中でいろいろ歳出の見直しはしなきゃいかぬということでやってきたわけです。だからこそ十四年度予算でも歳出削減できたんでしょう。かなり厳しい見直ししてきたわけでしょう。そういう中でマイナス成長じゃないんです。歳出を削減しながら十四年度マイナス成長になると思いませんよ。
 そういう点を考えると、私は、一つの規律を設けながら、経済は生き物ですから、その変化に応じて、税収とか財政とかあるいは国際情勢、世界経済の変化を見ながら大胆かつ柔軟に対応する、これは当然ではないかと思っております。
 議員の意見を全く否定するものでもありませんが、改革なくして成長なしというのは、これは全く変わらない。
この発言だけを見る →
木村仁#12
○木村仁君 おおむね思いは、私ごときが御一緒と言うと失礼かもしれませんが、食い違っていないと私は認識をして、勇気を持って次の質問に入らせていただきます。
 とはいうものの、これまでの経験を踏まえて見れば、大変景気が厳しいときには、やはり全体のバランスをもちろん考えながら、構造改革の努力も続けながら、やはりある意味では財政出動ということが必要ではないかと考えます。
 この補正予算で指示されました一兆五千億という金額も実はそうだと思いますし、私は、セーフティーネットの一兆五千億の予算そのものも相当需要創出の効果を持っているというふうに考えておりますから、三兆円が全部景気対策だと考えてもあながち間違いではないと。そういう意味で、私は、全体の大きな政策の脈絡の中で総理は財政出動の一部をお認めになったと、こういうふうに考えております。
 小渕内閣が続いていたら景気が良くなっただろうなどということは全く言えないことでございまして、ただし、小渕内閣が二・四%を実現したとき、翌年、財務省は、当時の大蔵省は直ちに緊縮財政に転換しております。一九九六年に日本の経済がバブル後の不況を何とか克服して三%の高い成長率を確保した、その翌年に大蔵省は直ちに緊縮財政に入っております。そのためにもうどっと景気が悪くなったということは、これは学者がそう言うことでありますから、本当かうそか知りませんが、そういうことは言われますし、レーガンが歳出削減をしたのに対して、クリントンは歳出拡大をして好況を導いたということもあります。
 ケインジアンの考え方がどういう状況の下でどんな効果があるか、どの程度が限度であるかということは異論はありますけれども、そういう意味では、私はやっぱり、総理はどういうふうに言われるか知りませんが、一つの財政出動を高く評価したいと思うわけでありますが、そうしますと、それでは足りないではないかという声がたくさん聞こえてまいります。そういう面はいかがでございましょうか。この時点で、総理の大きな政策の脈絡の中で、一部財政出動をして、需要ギャップ、三十兆円あるという需給ギャップの一部を埋める手だてにしたいと、こういうことをもう少し続けてみたいというお考えはおありになりませんでしょうか。
この発言だけを見る →
小泉純一郎#13
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) もっと国債を発行して需要を喚起しろ、公共事業をやれ、今のじゃ足りないという意見はあります。しかし、それは今までのやり方であって、小泉内閣になればそういう手法は取らないということは一貫しているんです。いろいろ不満はあるでしょう。批判もあります。
 しかし、私、分かっているんですよ。じゃ、その不満にこたえて、ではもっと国債を増発して公共事業をたくさんやりますよと言ったら、また大批判ですよ、別の観点から。国債そんな増大したら後のツケはどうするんだとか、今までのように公共事業をやって需要は回復するものじゃないと。今出ていない表面の批判が、この批判にこたえると、また別の角度、全然違う人が、一貫性のない人から批判があるんです。何やっても批判というのは分かっていますよ。批判の方はもう責任ないからね。
 もう報道なんかでもそうですよ。一つのことをやると、例えば不良債権処理、遅い遅い、進めると危ない危ない、危ない、手当てをすると骨抜きだ。もうあきれちゃっているんですよ、批判ばっかりで。批判ならだれでもできる。言っている批判は、もう左右あっちこっち、一貫性のない批判ばっかり取り上げる。
 そういう一貫性のない一方の批判にぐらぐらする小泉内閣じゃない。今の足りない足りないという声に耳を傾けて景気回復するという状況じゃないんです。その厳しい財政状況の中で、財政規律なんかどうでもいいという考えは取らない。五十兆円も税収がないのに三十兆円以上国債を発行して何が緊縮予算かと。あきれちゃいますよ、そんな批判は。
 やるべきことはやる、そういう中で歳出改革とか構造改革、徹底的に将来の持続可能な成長に結び付けるような改革をしていくという点において、私は、もっと国債を増発して、もっと公共事業をやれという声はいかがなものかと。そういう声には同調できません。
この発言だけを見る →
木村仁#14
○木村仁君 総理の御意思は大変よく分かりました。
 私自身は、もう少しやるならばこの際やってはどうかと考えておりますので、なおさら申し上げますが、総理も御存じのように、兵力の逐次投入ということが、小出しに出しても意味がない、だから一挙に出すなら一遍ばんと出して小泉内閣らしい対処を取られたらどうだろうかと、そう思います。
 補正予算はもう大体形が決まりました。来年の当初で審議させていただきたいと思っております。十五年度の予算、これに若干可能性があることを私は考えております。これは、前年度予算からまず三%削れ、削った金額から二〇%増しで要求していいと。したがって、概算要求はそのまま認められるならば大変な拡大予算になるようにできております。
 財務省は、これを内示のときまでにはまた三角三%まで削ってやると、こういう確固たる信念でございますが、もし総理がこの補正予算と次の予算だけは少し財政出動を思い切りやって、一挙に、一挙にとはいきませんけれども、少しでも経済回復の、景気回復の助けにしようとおっしゃるのであれば、その三%減掛ける二〇%増のその部分が非常に準備された財政出動の種ではないかと、こう考えておりますので、これは御答弁を求めると元のもくあみでございますから、財務大臣、いかがでございましょうか。
この発言だけを見る →
塩川正十郎#15
○国務大臣(塩川正十郎君) 木村先生のおっしゃることも一つの理屈はあると思いますけれども、私たちはこういう考えで現在おるんです。
 今度の補正予算では、できるだけセーフティーネットを中心としたもので補正をして、それと同時に税の減収分を補うということにすると。十五年度分については、やはり国債発行三十兆円の精神にのっとって、このとおりの、言わば八月に概算要求の基準をセットして、これを党での、与党三党で承認してもらったその線は微動だに動かさないようにやっていこうと、こう思っております。
 それじゃ、何で十五年度予算で二〇%それぞれ要求を上げて、それで削減は、公共で三%、義務的で二%したのかと、こうおっしゃるんですけれども、これ二〇%余分に要求するということは、各省が新しい政策を選択する幅を広げたい、いろんなことをもう要求の中に持ち込みたいと、こういうことでございましたので、そのいわゆる多様性を生かしたいということと、創造性をその二〇%の中に入れて、その代わり既存のやつは削っていきますよと、こういう意味において二〇%にしたんです。
 ですから、この二〇%というものは、言わば各省の知恵を、出しどころを出してもらったんでございますけれども、最終的に予算を決定いたします場合は、公共事業関係で三%の減で、義務的経費で、いや、選択的経費で二%削って義務的経費はできるだけ尊重しようと、こういう枠組みで進めておるというところであります。
この発言だけを見る →
木村仁#16
○木村仁君 私は、かねがね旧大蔵省、現在の財務省のシーリング方式というのに強い反感を持っております。それでは政策の入替えも資源配分の再検討もできないということでございますから、今回の予算概算要求方式は私は非常に評価をしておりますから、財務大臣におかれては、その観念を貫かれるのが本当だろうと思いますが、先ほど私が申しましたことも頭の隅に置いておいていただければ大変幸いでございます。
 そこで、もう国債はこれ以上出せないということでありますが、この春、ムーディーズが国債、ソブリン債の評価を引き下げたときに、財務省はムーディーズその他の会社に対して、格付会社に対して抗議文を送っております。その中で、日本の国債は大丈夫だ、日本の財政は大丈夫だということを、例えば、国債の九五%は国民が引き受けてくれている、外貨準備は十分に、四千億ドルとは書いていませんが、十分にある、経常収支も常にプラスである、だからまだまだ大丈夫だということを言っているんです。私もまだまだ大丈夫だと思います。
 よく、七百兆という観念がもう国民全体に染み付いて、大変国民が閉塞感を感じているということも事実でありますから、よく考えてみれば、七百兆債務を持っているけれども、日本政府は四百三十兆の金融資産を持っているんです。年金基金、外貨準備その他であります。使えない金ですけれども、財産には違いない。それを差っ引くと、純債務で比較すればちょうどGDPの五〇%、これはアメリカ、イギリス、EUの同じベースで比べたのと同じであります。だから、まだまだこれが、GDPの二倍を超えるようだとインフレになって利率が五%以上になってたちまちつぶれてしまいますけれども、まだまだここ一回や二回の国債発行をする手だてはあると。
 それから、国債を発行をしなくても、国庫債務負担行為とか、PFIというんですか、プライベート・フィナンシャル・イニシアチブ、PFI等を十分に活用する。あるいは、今朝電話が掛かってきて、小泉ファンドというのを作って、わきにファンドを作ってそれで財政出動をしなさいと、そうすると国債を出したことにはならないと、若干インチキ臭い面もありますけれども、そういう知恵も出してもいいではないかという議論があります。
 ともかく、私が申し上げたいのは、いろんな技術を作ったり使ったり、日本のファンダメンタルズを考えれば、もうここでもう一回財政出動をする機会はないことはないと思うんですが、簡単に、ないとか、まあそうかもしれないとかいう御返事をお願いしたいと思います。
この発言だけを見る →
小泉純一郎#17
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、十四年度の予算についてはできるだけ三十兆円以下に国債の発行を抑えようと言っているので、十五年度はそういうことを言っていないんですよ。
 なぜか。先ほども言ったように、十四年度は税収が五十兆円程度だと見込まれているんです。なおかつ、国債発行は前年度二十八兆円で済んでいるんですよ。だから、増やす、減らすんじゃない、増やすと。三十兆円。どんどんどんどん増やして、財政規律も考えんで増やせばいいというものじゃないと。だから、三十兆円で十分収まるだろう。
 ところが、税収も減った、そして世界経済情勢も変わってきた。そこで、変化に応じて大胆かつ柔軟に対応するということで今回十四年度補正予算を組むことになった。十五年度というのは、元々三十兆円枠なんか収まらないのは分かっていますよ、全体の状況から見て。だから、十五年度は私は三十兆円以下に抑えるなんか全然言っていない。その代わり、一般歳出は前年度に比べてゼロ以下に抑えますよと。そうしないと、将来この財政膨脹するとますます負担が増えるから、一般歳出を前年度以下に抑制するということは、これは将来の無駄な歳出構造を見直すということにつながりますから、これは大事だということを言っているのであって、当然十五年度予算におきましては三十兆円の枠を突破します。それは今後の経済情勢をよく見ていかなきゃならない。
この発言だけを見る →
木村仁#18
○木村仁君 私は、十五年度予算でも総理は三十兆の枠をしっかり主張された方がよろしいと思うんです。それは、税収のいかんによって年度間でプラスになったりマイナスになったりというのは当たり前のことでありまして、やっぱり二〇一〇年までに基礎的収支を、プライマリーバランスという言葉は使ってはいかぬと言われておりますので、基礎的収支をバランス取るためにはやっぱり三十兆という枠を守りながら財政運営をしていくことが必要であろうと考えております。
 それから、竹中大臣に一言だけ御質問しておきたいと思いますが、竹中大臣が金融担当大臣になられましたときに、実は株が売られました。そして、アメリカで、大銀行といえども破綻あるべしということを言われたという、これは誤った報道でしたけれども、したときにまた暴落しました。そして、金融再生プロジェクトを単独にお出しになろうとしたときに財界は非常な反発を加え、十月三十日の総合対策と一緒に出すということになったんです。
 財界、金融界の中には、もう非常に、竹中大臣及びそのチームはまず国有化ありきではないかという疑心暗鬼があって、言うなればハードランディングの不良債権処理に拒否をずっと発信しているのではないかと私には思えて仕方がないんです。私は、ハードランディングでも何でも、時期を見て適切にやることに反対はもちろんないわけでありますけれども、大臣はどのようなお考えでしょうか。少し柔軟に柔軟に市場と対応していこうというお考えはおありになりませんでしょうか。
この発言だけを見る →
竹中平蔵#19
○国務大臣(竹中平蔵君) よくそのハードランディングという言葉が使われております。私は、まず一番避けなければならないのは、言わばネバーランディングというか、いつまでたっても解決しないような状況は絶対避けなければいけない。だから、ランディングといいますか着地点を見いださなければいけない。私たちが今考えております金融再生プログラムというのは、その意味では決してハードランディングではないと思っています。あえて名付ければグッドランディングであるというふうに思っておりますが、これは、資産査定をきっちりと行う、このことについて私は産業界を含めて異論はないと思います。
 企業の、特に銀行の収益力を高めていただくためにガバナンスを強化しなければいけない。これについても、やはり銀行しっかりしていただきたいという思いは国民広くあると思いますし、それについてもそこの再生プログラムに書かれているということは、私はやはり非常に、何といいますか、穏当なといいますか、順当なことなのではないかと思っております。
 委員御指摘のように、これはやはり、実際に不良債権を処理するのは銀行自身でありますから、銀行の意見はよく聞いて、しかし監督当局としては、そこはやはりしっかりやっていただきたいという意思をしっかりと表示することによって、この我々が直面している問題を社会全体が共有する中で、着実なその問題解決を図りたいというふうに思っております。
この発言だけを見る →
木村仁#20
○木村仁君 繰延税務資産の資本金算入の処理でも分かりますが、大臣は市場の反応に対しては敏感に反応しながら施策を続けていていただいていると思いますので、心配しているわけではございませんけれども、経済の現在の情勢とよく対応しながらお進めいただければ大変有り難いと思っております。
 それから、そういった三兆円の今度仕事が出てまいりますと、当然、地方公共団体にまた財政の負担が掛かっていくわけです。地元負担もあります。今、地方公共団体は国と違って、借金イコール一〇〇%借金で、それが増えたら人口一人当たり借金五十万と言われると、それだけで落選してしまうというのが現実でございます、首長さんが。ですから、非常に財政運営についてはティミッドというんですか、憶病になっておりまして、恐らくこの規模の、みんなが足りない足りないと言っているこの規模の補正でも地方はかなり心配すると思います。そこで、総務大臣としてはそのお立場で強力に地方財政措置というものも考えていかなければならないと、こういうふうに思います。
 ついでながら、最近考えておりますのは、例えば五千億円、教育費国庫負担金を削減すると、それは改革の一部ですから検討されるのは結構でありますけれども、新聞等で拝見する限りは何らその後の財政の考慮というのがない。やはりそういうときは、五千億、国が指示してやらせる、こういう基準でやりなさいと指示しながら五千億切っちゃって、そして財政措置、税源移譲等は全く考えませんというのでは、もう地方公共団体は反乱を起こして、例えばもう介護保険は投げ出すとか、言い出しても投げ出すことはありませんけれども、そういう反発になるであろうと私は思うんです。これは総務大臣及び財務大臣、御答弁をいただきたいと思います。
この発言だけを見る →
片山虎之助#21
○国務大臣(片山虎之助君) 二点御質問がございまして、最初はこの補正予算に絡む問題ですね。今の三兆円は国費ベースですから、それに義務的なものが一兆二千億あるそうですからね。
 そこで、この内容が今後各省庁が財務省に要求をして、事業の中身及び地方負担が詰まってきますから、地方負担が出てきたら、それについてはもう全部面倒見ると、地方団体の財政運営に支障がないような面倒見ると。今までの例だと、特に投資的な経費については全部地方債を認めて、地方債の元利償還は基準財政需要額に算入すると、まあ面倒見るということですね。私は基本的には、そういう今までのルールを踏まえて、しっかりと関係のところと相談いたしたいと。
 ついでに言いますと、この状況で地方税の方は一兆円を相当上回る一兆二、三千億円の減収になる、地方税は。それから地方交付税が、国税が減りますとこれは自動的に減りますから、これが八、九千億になるでしょう。ということは二兆を超えるんですね。そういうことに対する対応もしっかり考えていきたいと、こう思います。
 それから、義務教育の給与費の国庫負担金五千億ね。文部科学省としては清水の舞台から飛び降りたようなつもりなんでしょうけれども、その中が良くないですよ。それは退職手当と共済組合の負担金の補助金を削るというんです。これをやめちゃって一般財源にしてくれと。財源の手当てについてはまだはっきりしていないんですね、自分の方の所管でないということはあるいはあるのかもしれぬけれども。
 我々は、今、総理の指示で三位一体の改革というのをやっているんですよ。国から地方に税源を移譲する方向でやろう、その代わりに国庫補助負担金の整理合理化をやろう、地方交付税を見直そう、三つ一緒にやろうと。しかも、その改革は地方の自主性、裁量権を増加すると、こういう方向ですからね。しかも、総理の強い指示で来年度の予算から芽を出そう、緒に就けようと。こういうときに、単に、自主性に何の関係もない、自動的に払わにゃいかぬのですから、退職手当も共済組合負担金も。それを地方にどうぞ負担してくださいと、しかし財源のあれはこれからの議論ですと、これじゃ通りません。
 だから、今、関係のところで相談しておりますが、仮にその全部ないし一部をやるときは財源の手当てはちゃんとやると、税源でやるのか交付税でやるのかはともかくとして、ちゃんとやると。こういうことでないといけませんし、やる際には地方の自主性、自律性をしっかりと強化すると、こういうことでございますので、御理解賜りたいと思います。
この発言だけを見る →
塩川正十郎#22
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、国の財政困窮と地方の財政困窮とは大分、ちょっとベースが違うと思うんです。国の方は経済対策に金をつぎ込んできて、これが非常に財政を圧迫してきておるわけでありますが、地方の方はそれよりも、やはり行政需要を余り欲張り過ぎて、多くなり過ぎた。ですから、地方行政で本当にシビルミニマムと必要なもの、あるいはナショナルミニマムで必要なものを行政需要を絞ってこられないと永久に財政困難は続く、ここが僕は非常に大事なところだと思っております。ついては、国も地方も円満にやっぱり行政を推進しなきゃいけませんので、困ったことはお互いに助け合わにゃいかぬ。けれども、今、国民は、国が非常に困っておるときだから地方も節約してくれというのが私の精神。
 そして同時に、もう一つありますのは、各省とも自分らの特色あるものをめり張りを利かせてくれということをやれと、新しい事業を入れる代わりに、そちらの方で要求する代わりに慣習としてやっておるもので節減できるものを削ってくれ、こういうことを言った。
 文部省の中でも、義務教育の中で削れるものはできるだけ削って一般財源にしようと。その代わりに科学振興であるとか、そっちの方で新しく見てくれと、こう言ってきておるんです。私は、その権衡を取って、バランスを取って文部科学省の言うことも聞いていかにゃいかぬと、この中に現在あるわけ。そうしますと、義務教育のようなことは、先ほど片山大臣言ったように財源が不足してくると、こういうことでございますので、実施ができるようにやっぱり協議してやっていかなきゃいかぬと、これは思っております。
この発言だけを見る →
木村仁#23
○木村仁君 私の持ち時間が終わりましたので、三大臣お呼びしながらお聞きしないのは大変失礼でございますが、セーフティーネットの中小企業、特に信用保証の問題、それから新たな地域の需要創造を生む雇用、特別雇用の問題、それから新しいタイプの公共事業ということを模索していく問題、極めて重要でありますので、よろしくお願いを申し上げて、同僚と替わらせていただきます。
この発言だけを見る →
陣内孝雄#24
○委員長(陣内孝雄君) 関連質疑を許します。山下英利君。
この発言だけを見る →
山下英利#25
○山下英利君 自由民主党の山下でございます。
 木村委員に引き続きまして、関連の質問をさせていただきます。
 私は、今大変問題になっている金融機関の不良債権の処理問題について、政府に御質問をさせていただきたいと思っております。
 構造改革を進める中で金融改革というのが一つの大きな要素になっているわけですけれども、言ってみれば、病人の体を手術する場合に、不良債権という病気を取り除こうとする、しかし病人の体が大変弱っていると。病人の体、体力を付けさせながら、かつこの病気を根治させなければいけない、大変難しいかじ取りをしなければいけないというのが現状だと思います。
 竹中金融担当大臣におかれましては経済担当大臣と兼務ということで、マクロ経済の側面から、そしてミクロというか現場の金融の問題と両面を進めていかなきゃいけないというところで大変な御苦労をされていること、私も心から感謝を申し上げる次第でありますが、昨今伺っておりますと、どうも従来のいわゆる金融行政といいますか、金融界といわゆる行政との連携というのが違ってきているように私も感じているところがあります。と申しますのも、十月の末に金融再生プランということで竹中大臣が一応プランをおまとめになるといったときに、策定時においての金融界の反応というのが報道で伝え聞きますと、どちらかというと政府に対して大変批判的であったというふうに受け取られると。
 これはもう要するに、私も報道で聞く限りでございますので、中身がどうだったかということは分からない部分があります。しかし、自分自身でこれまでの金融行政、これを見てまいりましたときに、いわゆる通常言われるのは護送船団方式と言われて、行政と金融界一枚岩でこの金融システムを支えてきたと。そして、金融界にとってみれば、現状、個別の企業であると同時に、また一端では金融行政の一翼を担っているという思いがあってこれまでやってきた部分があります。
 しかし、その段階で、昨今の動きを見ておりますと、金融界が今回不良債権処理を加速させるといったところで、急激な対応というものに対してどうも対応が十分できていないのではないかなと、そのように私も感じられてならないんですけれども、竹中大臣の御意見をお聞かせください。
この発言だけを見る →
竹中平蔵#26
○国務大臣(竹中平蔵君) 金融に限りませず、恐らく監督当局とそして現実の産業、業界との関係をどのように保っていくかというのは非常に、どの国においても、どの時代においても難しい問題の一つであろうかと思います。
 私は、かねてから思っておりますが、特に金融等々に関しては、当局と業界の間で建設的な緊張関係のようなものが常に必要ではないかというふうに思います。これはもう対立していたらもちろん何もできないわけでありますし、良い結果を生み出さないわけでありますが、言わば完全な一枚岩というのもその中で逆に国民の利益が失われてしまう可能性もある。その意味で、建設的な緊張関係をいかに作っていくかということが、行政の中身に加えまして、やはり関係構築という意味では大変重要であると思います。
 十月三十日の金融再生プログラム発表の過程で銀行界が反対したという御指摘ありましたけれども、もちろんこれはガバナンスの強化とか資産査定の強化でありますから、そうした強化という観点からすると、強化される方は当然何も批判がないというわけではこれは常にないと思います。しかし、基本的には、総理が御指示になった十六年度にはこの問題を終結させるということについては、これは業界も問題意識を共有してくださっているというふうに思いますし、そういう意味では、建設的な関係が徐々に築かれつつあるというふうに思っております。
 ただ、委員の御指摘は、これまで、何といいますか、これはまあ随分以前のことでありますけれども、護送船団という言葉が使われて、そうした中でリスク管理とかが十分に定着していない業界において若干の戸惑いがあるのではないかという御認識かと思われますが、そうした点についても私は業界は次第に変わってきているというふうに思いますし、そういう点が徐々に結果として現れるような形で、今日も決算の、中間決算の発表がなされますけれども、そうした中に新しい金融界の姿が少しずつでありますけれども、出てくることを期待をしております。
この発言だけを見る →
山下英利#27
○山下英利君 ありがとうございます。
 その緊張感のある関係というふうに今、大臣おっしゃったんですけれども、正にそこは一つの形ではないかというふうには私は思うんですけれども、じゃ今この環境の中でデフレ経済で大変景気も停滞している、そして取引先である中小企業、実に四大銀行といいますか、主要銀行の六割の不良債権というのは、これは中小企業であります。そういった中で緊張関係を作るというインパクトが取引先まで及んでいるということも我々はしっかりと受け止めなければいけないというふうに思います。その件については後ほど質問をさせていただきたいと思いますけれども。
 そんな中で、一枚岩でないというお考え、分かるんですけれども、じゃ現場で何が起きているか、現場としてはどうしたら一番この不良債権の処理が進むのか、そういった意見をやっぱり聞く必要があろうかと思います。
 私も銀行の関係者に聞きますと、最終的な着地、これは不良債権をできるだけ早く処理をして、そして身軽になって本来の銀行の業務である融資、信用創造、これをやりたいという強い声を私は聞いております。本来、銀行の業務というのは信用創造によってやはり経済を活性化していく、企業を育てていくと、そういったところが自分たちの生きがいであるということで今まで歩んできたわけですけれども、これがこのデフレの中にあってどんどん信用収縮が進んで実際に今、貸しはがし、貸し渋りという形で大変な批判を受けていますけれども、それもBISの規制であるとか、あるいはやはり企業自体が体力を失っている、銀行も体力を失っている、そんな中で生まれてきている総合的な問題であると、そういうふうに思います。
 したがって、この金融機関の不良債権の処理に当たって、ただ単に政府がやる、あるいは民間がやるということではなくて、これは国家プロジェクトとしてこの二年間で決着を付けるというふうな体制に持っていく必要があろうかと、私は本当にそう思っております。
 したがって、竹中大臣に改めてお聞きをいたしますけれども、今回、大臣が、金融分野緊急対応戦略プロジェクト、これをお作りになって、一応このプランの下案をおまとめになったと。この段階において、いわゆる金融界といいますか、現場がこのプロジェクトチームに参加をしていなかったというふうなことも聞き及んでおるんですけれども、この辺の理由についてお聞かせをください。
この発言だけを見る →
竹中平蔵#28
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員御指摘になったように、総合的な観点からこの正に国家的な難局といいますか、難しい問題にこたえていかなければいけない。負の遺産、これは御指摘のとおり、不良債権というのは言わば負の遺産でありますから、本来、前向きの信用創造ができるようになりたい、銀行自身も、銀行員の方々もそのように本当に願っているのだというふうに思います。
 そこで、この新しい総合的な戦略を考える上で、御指摘のように、私自身に知的なインプットをしてくださるプロジェクトチームを作ったわけでありますが、改めて申し上げるまでもありませんが、これは、プロジェクトチームが金融再生プログラムを作ったわけではありません。言わばフリートーキングの場としてそういうものを設けたということであります。
 これはすべての審議会等々について当てはまることでありますけれども、言わば当事者にどのような形で参加していただくのが一番よいのかというのはなかなか難しい問題だと思います。当事者で当事者のことを決めるということになるとバイアスが掛かるかもしれない、しかしながら当事者の意見を聞かなければいけない、これはまた一方でそういうことだと思います。
 例えば、金融庁にあります金融審議会の中には、そういったことも意識して、メンバーはいわゆる金融機関の方ではない方で、専門委員として金融機関に入っていただくというような方法も考えられている。今回、プロジェクトチームは短期間でいろいろ議論をしなければいけませんでしたので、極めて少人数にさせていただいて、一定の利害からは独立した専門家に集まっていただこう、当事者といいますか、産業の方にはヒアリング等々を通じていろいろ議論に参加していただこうと。これは全銀協の会長にも来ていただきましたし、RCCの方にも来ていただいたし、そういう形で議論を進めて、結果的にはそういった方々の意見を聞く機会というのを相当に設けたつもりでございます。
この発言だけを見る →
山下英利#29
○山下英利君 ありがとうございます。
 今の大臣の御説明なんですけれども、言ってみれば、金融界が緊張感が足りないとよく言われているわけです。メガバンクにしても、合併をしましたけれども、なかなかその整理統合も進んでいないと、そういった御批判もあるわけです。ただ、中にいる人間にとっては外で何を言われているかというのはぴんとこないわけですね。
 ですから、例えばそういったたたき台の段階であっても、もしそのプロジェクトチームに参加をさせていただいて、そういった厳しい話が出るということは、これは金融界がもう一丸となってこの不良債権処理に全力を挙げて頑張ると。要は、個別の企業の問題としてのリストラという話だけでなくて、不良債権をどういうふうにして対応していくかというそういう大きな目標に向かって進める大切な一歩ではないかなと、私はそのように思っておりますので、たたき台ができるところから、たたき台を作るところから参加をすることによって余計更に気持ちの入り方も違ってくるということを私は申し添えさせていただきたいと思います。
 それで、今の言葉で、それに追加をするわけではないんですけれども、したがって、この不良債権の処理を加速させることについて、企業金融取引、実際に現場でやっている金融界が今後これに全力で邁進するというか、邁進させるというか、踏み込んでいくためには、やはり金融仲介機能の回復、そして企業再生等のこれから言われている施策に対して官民協力という形がこれは本当に不可欠ではないかなと。もちろん、金融界だけでなく、企業再生の問題につきましては、他の業界の考え方、これも取り入れなきゃいけないという部分はありますけれども、竹中大臣、これからの不良債権処理、金融庁としての金融機関との官民協力体制、これについてはどうお考えになっていらっしゃいますか。
 一つ申し上げたいのは、民間がやるべきこととそれから政府がやっていく、国が後押しをしていく、そういった役割分担というのはやっぱりきちんと決めて各々にベストを尽くすというのが一丸となったプロジェクトの成功の要因ではないかなと思いますけれども、いかがでございましょうか。
この発言だけを見る →
← 戻る