財務金融委員会

2015-06-10 衆議院 全238発言

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会議録情報#0
平成二十七年六月十日(水曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 古川 禎久君
   理事 神田 憲次君 理事 土屋 正忠君
   理事 藤井比早之君 理事 御法川信英君
   理事 山田 美樹君 理事 鈴木 克昌君
   理事 丸山 穂高君 理事 伊藤  渉君
      井上 貴博君    井林 辰憲君
      鬼木  誠君    勝俣 孝明君
      金子万寿夫君    神山 佐市君
      黄川田仁志君    工藤 彰三君
      國場幸之助君    佐々木 紀君
      柴山 昌彦君    鈴木 隼人君
      田野瀬太道君    竹本 直一君
      谷川 とむ君    津島  淳君
      中村 裕之君    中山 展宏君
      根本 幸典君    福田 達夫君
      藤丸  敏君    前田 一男君
      牧島かれん君    宮内 秀樹君
      宮路 拓馬君    務台 俊介君
      宗清 皇一君    大島  敦君
      玄葉光一郎君    古川 元久君
      前原 誠司君    鷲尾英一郎君
      伊東 信久君    吉田 豊史君
      岡本 三成君    宮本 岳志君
      宮本  徹君    小泉 龍司君
    …………………………………
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)       麻生 太郎君
   内閣府副大臣       西村 康稔君
   財務副大臣        菅原 一秀君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 増島  稔君
   政府参考人
   (内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官)    道上 浩也君
   政府参考人
   (金融庁総務企画局総括審議官)          三井 秀範君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           福島 靖正君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           武田 俊彦君
   参考人
   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君
   参考人
   (日本銀行理事)     雨宮 正佳君
   参考人
   (日本銀行理事)     櫛田 誠希君
   参考人
   (日本銀行理事)     武田 知久君
   財務金融委員会専門員   関根  弘君
    —————————————
委員の異動
六月十日
 辞任         補欠選任
  鬼木  誠君     黄川田仁志君
  田野瀬太道君     金子万寿夫君
  中山 展宏君     宮路 拓馬君
  牧島かれん君     中村 裕之君
  宗清 皇一君     谷川 とむ君
  山田 賢司君     工藤 彰三君
同日
 辞任         補欠選任
  金子万寿夫君     宮内 秀樹君
  黄川田仁志君     鬼木  誠君
  工藤 彰三君     前田 一男君
  谷川 とむ君     宗清 皇一君
  中村 裕之君     佐々木 紀君
  宮路 拓馬君     中山 展宏君
同日
 辞任         補欠選任
  佐々木 紀君     牧島かれん君
  前田 一男君     神山 佐市君
  宮内 秀樹君     田野瀬太道君
同日
 辞任         補欠選任
  神山 佐市君     山田 賢司君
    —————————————
五月二十一日
 消費税の増税反対に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一〇一九号)
 同(斉藤和子君紹介)(第一〇七七号)
同月二十八日
 消費税率を五%に戻し、増税中止を求めることに関する請願(穀田恵二君紹介)(第一二三二号)
六月八日
 消費税の増税の中止に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一五八五号)
 同(池内さおり君紹介)(第一五八六号)
 同(梅村さえこ君紹介)(第一五八七号)
 同(大平喜信君紹介)(第一五八八号)
 同(笠井亮君紹介)(第一五八九号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一五九〇号)
 同(斉藤和子君紹介)(第一五九一号)
 同(志位和夫君紹介)(第一五九二号)
 同(清水忠史君紹介)(第一五九三号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一五九四号)
 同(島津幸広君紹介)(第一五九五号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一五九六号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一五九七号)
 同(畑野君枝君紹介)(第一五九八号)
 同(畠山和也君紹介)(第一五九九号)
 同(藤野保史君紹介)(第一六〇〇号)
 同(堀内照文君紹介)(第一六〇一号)
 同(真島省三君紹介)(第一六〇二号)
 同(宮本岳志君紹介)(第一六〇三号)
 同(宮本徹君紹介)(第一六〇四号)
 同(本村伸子君紹介)(第一六〇五号)
 消費税率を五%に戻し、増税中止を求めることに関する請願(池内さおり君紹介)(第一六〇六号)
 同(梅村さえこ君紹介)(第一六〇七号)
 同(笠井亮君紹介)(第一六〇八号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一六〇九号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一六一〇号)
 同(畑野君枝君紹介)(第一六一一号)
 同(畠山和也君紹介)(第一六一二号)
 同(堀内照文君紹介)(第一六一三号)
 同(真島省三君紹介)(第一六一四号)
 同(宮本徹君紹介)(第一六一五号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 金融に関する件(通貨及び金融の調節に関する報告書)
     ————◇—————
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古川禎久#1
○古川委員長 これより会議を開きます。
 金融に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁黒田東彦君、理事雨宮正佳君、理事櫛田誠希君、理事武田知久君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣府大臣官房審議官増島稔君、経済社会総合研究所総括政策研究官道上浩也君、金融庁総務企画局総括審議官三井秀範君、厚生労働省大臣官房審議官福島靖正君、大臣官房審議官武田俊彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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古川禎久#2
○古川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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古川禎久#3
○古川委員長 去る平成二十五年十二月十三日及び平成二十六年六月十三日、日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づき、それぞれ国会に提出されました通貨及び金融の調節に関する報告書につきまして、概要の説明を求めます。日本銀行総裁黒田東彦君。
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黒田東彦#4
○黒田参考人 日本銀行は、毎年六月と十二月に、通貨及び金融の調節に関する報告書を国会に提出しております。本日、我が国経済の動向と日本銀行の金融政策運営について詳しく御説明申し上げる機会をいただき、厚く御礼申し上げます。
 最初に、我が国の経済金融情勢について御説明申し上げます。
 我が国の景気は、緩やかな回復を続けています。企業部門では、輸出、生産が持ち直すとともに、収益は過去最高水準まで増加しています。そのもとで、前向きな投資スタンスが維持されており、設備投資は緩やかな増加基調にあります。家計部門については、今春の賃金改定交渉において、多くの企業で昨年を上回るベースアップを含む賃上げが実現する見通しとなるなど、雇用・所得環境の着実な改善が続いています。昨年秋以降慎重化していた消費者マインドも、このところ持ち直しの動きが明確になっています。これらを背景に、個人消費は底がたく推移しており、住宅投資にも持ち直しに向けた動きが見られています。このように、企業・家計部門ともに、所得から支出への前向きな循環メカニズムは、しっかりと作用し続けています。先行きについても、景気は緩やかな回復を続けていくと考えられます。
 こうした経済活動を支える我が国の金融環境は、緩和した状態にあります。企業の資金調達コストは低水準で推移し、企業から見た金融機関の貸し出し態度は改善傾向が続いています。銀行貸出残高は、中小企業向けも含めて、緩やかに増加しています。
 物価面を見ると、消費者物価、除く生鮮食品の前年比は、消費税率引き上げの直接的な影響を除いたベースで見て、ゼロ%程度となっています。先行きは、エネルギー価格下落の影響から、当面ゼロ%程度で推移すると見ていますが、需給ギャップの改善や中長期的な予想物価上昇率の上昇を背景に物価の基調が着実に高まり、原油価格下落の影響が剥落するに伴って、物価安定の目標である二%に向けて上昇率を高めていくと考えています。二%程度に達する時期は、原油価格の動向によって左右されますが、現状程度の水準から緩やかに上昇していくとの前提に立てば、二〇一六年度前半ころになると予想しています。その後は、平均的に見て、二%程度で推移すると見ています。
 次に、日本銀行の金融政策運営について御説明申し上げます。
 日本銀行は、一昨年四月、二%の物価安定の目標を、二年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現するために、量的・質的金融緩和を導入しました。さらに、昨年十月には、量的・質的金融緩和の拡大を決定しました。量的・質的金融緩和は所期の効果を発揮しており、デフレマインドの転換は着実に進んでいます。
 日本銀行は、二%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで量的・質的金融緩和を継続します。その際、経済・物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し、必要な調整を行う方針です。
 ありがとうございました。
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古川禎久#5
○古川委員長 これにて概要の説明は終わりました。
    —————————————
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古川禎久#6
○古川委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鷲尾英一郎君。
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鷲尾英一郎#7
○鷲尾委員 民主党の鷲尾でございます。
 先般の日本銀行視察の際には、いろいろと御配慮いただきまして、ありがとうございました。
 早速でありますけれども、質問に移らせていただきたいと思います。
 アメリカの五月の雇用統計、これは非常によい数字であったとされておりまして、非農業部門の雇用者数が市場の予想を大きく上回っております。失業率も五・五%ということでありまして、また平均時給並びに労働参加率もともに伸びているということもありまして、この傾向は持続すると見られているということであります。
 一方で、九月にアメリカFRBは利上げを開始するという見通しが高まっておりまして、少なくとも年内には必ず利上げをするということがコンセンサスになっております。
 この効果につきましては、今から随分と、利上げされればまたかなりアメリカの経済に対して悪影響があるんじゃないかとされてもおりますけれども、そのコンセンサスはあるということでありまして、これは、景気が非常によくなって、失業率が十分に下がっているからこの出口戦略の話がされているというところでございます。
 一方で、我が国の足元の景気の状況でありますけれども、一—三月期のGDPは前期比一%増ですから、年率換算で見ても、これがこのほど上方修正されて、非常に高いレベルであるということ。失業率も三・三%まで下がっておりまして、ほぼ完全雇用に近い状態であるということ。それは、人手不足が経済成長のボトルネックになっているということもコンセンサスになっているというところであります。日銀の分析でも潜在成長率というのはゼロ%台であるとされておりまして、現在のGDPの成長率というのが大幅にこれを上回っている、需要超過であるとされております。
 それにもかかわらず、異次元の金融緩和とまで自称されている量的緩和を継続されている、この理由は何なのかということについて、改めて問いたいと思います。
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黒田東彦#8
○黒田参考人 御案内のとおり、日本銀行は、できるだけ早期に二%の物価安定の目標を実現するということを明確に約束いたしておりまして、そのために必要な施策として量的・質的金融緩和を導入したわけでございます。そして、この政策は、従来から申し上げておりますとおり、二%を安定的に持続するために必要な時点まで継続するという方針でございます。
 これまでのところ、先ほど申し上げたとおり、量的・質的金融緩和は所期の効果を発揮しておりまして、景気が緩やかな回復を続けるというもとで、御指摘のように需給ギャップも改善しておりますし、中長期的な予想物価上昇率も全体として上昇してきておりまして、これらに規定される物価の基調は確かに着実に改善してきているというふうに言えると思います。
 もっとも、この二%の物価安定の目標への道筋は、まだ道半ばであると言わざるを得ないと思います。消費者物価の前年比が、エネルギー価格下落の影響からとはいえ、消費税率引き上げの直接的な影響を除いたベースで見てもゼロ%程度となっているわけでございまして、こうした状況を踏まえますと、今後とも、二%の物価安定の目標の実現を目指して、量的・質的金融緩和を着実に推進していくことが必要ではないかというふうに思っております。
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鷲尾英一郎#9
○鷲尾委員 今の経済の状況が非常に好調であるということの上に二%の物価安定の目標を達成しようということでありますが、当然、アブ蜂取らずといいましょうか、二%の物価安定目標に向かって今この政策を持続していくという足元で、恐らくはさまざまな副作用が生まれているであろうかと想像するわけであります。
 やはり、景気を回復させるための金融政策、景気が回復して需要超過にある状態で、なお物価安定目標を達成するために今の政策を続けるということでありますので、かなり今ほど申し上げたような副作用が存在、副作用といっても、私が想定しておりますのは、実体経済とはかけ離れたバブルが生じかねない、あるいはもう生じているのではないか、こう見ているわけです。
 この点につきまして、総裁の御見解を問いたいと思います。
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黒田東彦#10
○黒田参考人 日本銀行は、この量的・質的金融緩和を進めるに当たりましては、経済・物価見通しに加えまして、上下双方向のさまざまなリスク要因を点検しており、半年に一回の展望レポートあるいは金融システムレポートなどの形で公表いたしております。
 こうした枠組みのもとで資産価格などの動向を幅広く点検しておりますけれども、現時点で、資産市場や金融機関行動において過度な期待の強気化を示す、委員御指摘のいわばバブルといった動きは観察されておりません。
 十五年にわたってデフレに苦しんできた日本経済の状況を踏まえますと、金融緩和のもたらすさまざまな影響に目配りしつつも、二%の物価安定の目標の実現に向けて量的・質的金融緩和を継続していくことが重要であるというふうに考えております。
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鷲尾英一郎#11
○鷲尾委員 今ほど、その発生はしておらないというところでありますけれども、バブル自体は終わってから結果として観測されることが多うございますし、そこは、総裁も先ほど報告の中でおっしゃったように、うまい言い方をするものだなと思いましたけれども、「経済・物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し、必要な調整を行う」と。なかなか突っ込みどころがないというか、何を言ってもこれで切り返されてしまうんじゃないか、そんな御発言でありますけれども、しっかりとそこは点検をしていただく。
 思った以上に期待が高い、あるいは少子高齢化の日本の社会の実体経済の実力からいくとかけ離れた価格形成がされているんじゃないかというところは、必要以上に注視をしていただきたいと思います。その後の後遺症が怖いので、そこはぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
 続きまして、円・ドル為替相場についてお聞きしたいと思います。
 短期間で円安に加速をしております。短期間というのは、もちろん五月後半で非常に円安にぐっと振れたというのもありますけれども、そもそも、二〇一二年のころから今の二〇一五年の水準を比べますと、約四十円から五十円、円が減価しているわけでありまして、円安に加速をしているということは、総裁がおやりになっている異次元の金融緩和の政策の影響が結果としてかなりの程度あるのではないかというふうに思っております。
 結果として、どの程度この政策の影響があったと思っておられるのかというところと、あわせて、今後、当然この金融政策を持続していくということですから、その影響がどのような形で出てくると思われるかということもあわせてお示しをいただけたらと思います。
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黒田東彦#12
○黒田参考人 為替相場の水準あるいは日々の動きについて私の立場から具体的にコメントすることは差し控えたいと思いますが、その上で、一般論として申し上げますと、委員御指摘のとおりさまざまな要因が為替相場に影響するわけですが、その中には、もちろん金融政策の違いの影響というものがあり得ることは事実であります。
 日本は大規模な金融緩和を推進しているわけですし、米国では、景気の回復が続くもとで、FRBは資産買い入れを終了して利上げの開始を展望しているわけでございます。
 そういう意味で、このところの為替市場でこうした日米の金融政策の方向性の違いが意識されているようにもうかがわれるわけでございますが、先ほど申し上げたように、為替レートはいろいろな要因で動きます。そういった中で、為替相場が何といっても経済のファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが望ましいというふうに私も考えております。
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鷲尾英一郎#13
○鷲尾委員 もうちょっとストレートにお聞かせいただきたかったなというところもあるんですが、当然、金融緩和の影響がかなりあるんだろう、それが持続する、そして日米の金利差がまた開いていくという中で、また円安方向に振れていくんだろうなということを私自身感じておるわけであります。
 どの水準がいいというところは総裁も御発言はなかなかできないと思うんですけれども、そういう方向に進んでいくだろうという予測は総裁は十分にされているんじゃないかと思いますが、いかがですか。
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黒田東彦#14
○黒田参考人 為替の先行きの予測を申し上げる立場にはございませんが、確かに、御指摘のように、金融政策の違いが為替相場に影響し得る、あるいは最近の為替市場でそういった方向性の違いが意識されているようには見えるわけでございますけれども、御承知のように、そういうことが既に市場に織り込まれておれば、実際に米国が金利を引き上げ始めたからといって、さらにドル高・円安になる必要はないわけであります。市場がどの程度織り込んでいるかということにもよりますし、それから、先ほど来申し上げているように、他のいろいろな要素によっても為替相場は動きますので、今後、米国が金利を正常化していく、徐々に金利を引き上げていくということがあると必ずドル高・円安になるということも言えないのではないかというふうに思います。
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鷲尾英一郎#15
○鷲尾委員 国際経済に何がしか大きな変動があればまたちょっと違う方向感もあるのかなと思いますが、方向感としては、今ほど総裁がおっしゃったように、政策の差がやはり為替相場にも反映されるような、先ほど総裁は見えるとおっしゃっておりましたけれども、そういう方向感なのかなと感じているところでございます。
 それで、先ほどの総裁の答弁の中でもありましたが、やはり急激な為替相場というのはかなり実体経済にも悪影響を与えるのではないかなというふうに思います。急激な為替相場の変動につきまして、中央銀行総裁として何がしか対策が必要だと思われますか。
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黒田東彦#16
○黒田参考人 この点、御指摘のような懸念があり得るということはそのとおりだと思いますが、我が国においても、これは米国等と同じでございますけれども、為替の安定を図る責任と権限は財務省にございますので、中央銀行が具体的に為替の安定を図るために何かをするということは考えておりません。基本的に、中央銀行は、これは米国の場合も日本の場合も同じでございますけれども、あくまでも物価の安定ということが最大の目的、目標であり、それに沿って金融政策を運営するということに尽きると思います。
 為替の安定が重要であるということはそのとおりでありますけれども、具体的に為替の安定のために何らかのアクションをとるということになりますと、これは財務省のマターではないかと思います。
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鷲尾英一郎#17
○鷲尾委員 総裁がおっしゃるとおりだと思います。
 私としては、経済・物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検する中にもそういうところも入ってくるのかなというふうに思っておりますが、総裁のお答えとしては当然そういうお答えになろうかと思っております。
 続いての質問でありますけれども、ECBが、年初、初めて量的緩和を行ったわけであります。六月に入りまして、債券価格が急落をいたしています。いろいろな要因があると思いますけれども、ドイツ国債も米国債も大幅な下落をしておりまして、それに引きずられる形と見ておりますけれども、日本国債も同様に下落をしております。
 この日本国債の下落の理由というのは、どういう要因だと総裁はごらんになっておりますか。
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黒田東彦#18
○黒田参考人 確かに、御指摘のとおり、海外の長期金利の動向を見ますと、ドイツなど欧州コア国の長期金利が四月央にかけてかなり低水準まで低下して、その後、やや大き目に上昇するなど振れの大きい展開となっておりまして、こうした動きが米国などにも波及しております。
 その背景としては、いろいろなことが言われておりますが、まず、ドイツ等の欧州コア国でやや行き過ぎた金利低下が起こって、その巻き戻しがあったのではないかという点に加えまして、ECBが大規模な金融緩和を進めるもとで、ひところのデフレ懸念がやや後退しつつあるといったことなども影響しているのではないかというふうに言われております。
 我が国の長期金利も、こうした海外市場の動向の影響を受けてはおりますけれども、総じて低い水準で落ちついた動きとなっているというふうに思います。
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鷲尾英一郎#19
○鷲尾委員 総じてという、全体から見たら確かにごくわずかなんですけれども、やはり市場関係者から見ますとかなり大幅な下落であることも事実でありまして、この国債価格の下落に対しては、当然金利が上がるわけですよね。その金利が上がるということに対してのインフレ期待、あるいは財政に対する懸念、こういった問題については、これまでとは何も変わっていないけれども、金利水準が上がるということは当然あると思います。
 そのことについて、総裁、対応が何か必要になるということは考えられませんか。
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黒田東彦#20
○黒田参考人 御案内のとおり、一般的には、名目の長期金利というものは、御指摘のような先行きの経済・物価情勢に関する見通しと国債保有に伴うリスクプレミアムというものが合わさって形成されているというふうに考えられます。
 量的・質的金融緩和のもとで巨額の国債買い入れをしておりますけれども、これは、リスクプレミアムを圧縮させるということで金利に低下圧力を及ぼしているわけでございます。
 日本銀行は、二%の目標を早期に実現するために量的・質的金融緩和を実施しておりますので、当然、先行きの金融政策運営については、経済・物価情勢について点検して、こうした目的に沿って適切に判断していくということになると思います。
 具体的には、二%の目標の実現を目指して、これを安定的に持続するために必要な時点まで量的・質的基金緩和を継続するということでありまして、その際に、従来から申し上げているとおり、上下双方向のリスクを点検して、必要があれば調整するということでありまして、当然、経済の実態に合わないような金利の変動というのはできるだけならしていかなければならないというふうに思っております。
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鷲尾英一郎#21
○鷲尾委員 今月中に政府が財政健全化計画をまとめるということになっております。今も財政審が、経済が好調なときにこそ歳出改革を柱としてそれを加速化させるべきだという、そんな建議を行っているわけでありまして、民間議員の提言もありますが、総裁として、この政府の財政健全化計画への期待についてお聞かせいただけますか。
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黒田東彦#22
○黒田参考人 もとより、財政運営については政府、国会の責任において行われるものでありまして、具体的にコメントするということは差し控えたいと思いますが、その上で、一般論として申し上げますと、国全体として財政運営に対する信認をしっかりと確保するということは極めて重要であると考えております。
 この点、現在、政府は、基礎的財政収支を二〇二〇年度までに黒字化するという財政健全化目標の達成に向けた計画の策定を進めておられます。こうした政府による財政健全化に向けた取り組みが着実に実行されるということを強く期待しております。
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鷲尾英一郎#23
○鷲尾委員 総裁、ということは、相当期待されていますね。どうですか、相当期待されていますか。
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黒田東彦#24
○黒田参考人 相当という形容詞をどういうふうに捉えるかわかりませんが、私としては相当期待しております。
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鷲尾英一郎#25
○鷲尾委員 率直な答弁、ありがとうございました。
 やはり私も期待したいと思いますし、そうでなければ、財政政策と金融政策一体として、やはり日本社会、今後のリスクも含めて考えますと、非常に危機的な状況に陥りかねないと思っております。
 それでは次の質問ですけれども、国債の市場価格についてちょっと論を進めたいと思います。
 インフレ期待が一定であるとして、一方で、国債の需給などによって当然、市場として国債価格というのは決まってくると思います。それが市場として自然に決まっていて問題がないということであれば、金利水準自体が大幅に上昇したとしても、日銀の金融政策には変更がないんだとしてもよろしいんでしょうか、総裁。
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黒田東彦#26
○黒田参考人 必ずしも御質問の趣旨に合っているかどうかわかりませんけれども、従来から申し上げておりますとおり、量的・質的金融緩和ということで行っております国債買い入れというのは、あくまでも物価安定の目標を早期に実現するという金融政策目的でやっておりまして、それによって、先ほど申し上げたように、国債保有に伴うリスクプレミアムを圧縮して、国債金利をイールドカーブ全般にわたって引き下げているということであります。
 これはあくまでも物価安定の目標を早期に達成するという金融政策目的で行っておりまして、その限りで、先ほど来申し上げておりますとおり、二%の目標を実現し、それを安定的に持続できるようになるまで継続するというものでございます。
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鷲尾英一郎#27
○鷲尾委員 なかなか同じ答えばかりで、そういう答えにしかならないと言われたら、それまでなのかもしれませんけれども。
 基本的に、二%の物価安定目標を達成する、その物価安定に向けて、いろいろなリスク要因を点検しながら必要な調整を行うということなんだと思うんですけれども、せっかく国会で質問しておりますので、もう少し具体的にお聞かせいただきたいなというふうに思います。
 もう少し具体的に申し上げます。例えば、十年物の国債の利回りが二%を超えていきます。超えてもその水準自体は当然問題ないと考えていいものなのでしょうか。そこはどうですか。
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黒田東彦#28
○黒田参考人 先ほど来申し上げておりますとおり、国債の金利は大きく分けて二つの要素によって影響されると思いますが、一つは経済、物価の動向、その先行きの予想、もう一つはリスクプレミアムであります。
 そうしたことの結果として、今後、例えば経済、物価の予想が逐次改善していって、国債の金利が緩やかに上昇していくということはあり得るとは思いますけれども、いずれにいたしましても、二%の物価安定の目標の実現を目指し、これを持続できるようになるまで量的・質的金融緩和を続ける、この政策スタンスには変化はございません。
 なお、そういった物価安定の目標、目的を超えて、例えば財政を支えるために買い入れを行うというようなことは考えておりません。これは、量的・質的金融緩和を導入した際の公表文でも明確に示しているところでございます。
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鷲尾英一郎#29
○鷲尾委員 今ほどおっしゃっていただいたところをまた確認するような質問になるかもしれませんが、インフレ期待並びに政府の財政の健全性に変化がないという場合であっても、長期金利の上昇というのは、BIS規制で、今、バーゼル銀行監督委員会でも、金融商品に追加で自己資本を積み増せというような議論をされていると聞いておりますので、金融機関にかなり大きな影響を与えるんじゃないか。つまり、金利の水準がかなり上がってくる状況もあるのではないか。そこで、言ってみたら金利の低下を促すような金融政策をとる可能性があるのではないかと思うわけですけれども、総裁、いかがですか。
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