財務金融委員会

2016-02-26 衆議院 全239発言

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会議録情報#0
平成二十八年二月二十六日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 宮下 一郎君
   理事 うえの賢一郎君 理事 神田 憲次君
   理事 藤井比早之君 理事 古川 禎久君
   理事 松本 洋平君 理事 木内 孝胤君
   理事 古川 元久君 理事 伊藤  渉君
      井上 貴博君    井林 辰憲君
      越智 隆雄君    大岡 敏孝君
      大野敬太郎君    勝俣 孝明君
      國場幸之助君    笹川 博義君
      白須賀貴樹君    新谷 正義君
      助田 重義君    鈴木 隼人君
      田野瀬太道君    竹本 直一君
      中山 展宏君    長尾  敬君
      根本 幸典君    野中  厚君
      橋本 英教君    福田 達夫君
      宮路 拓馬君    務台 俊介君
      山田 賢司君    落合 貴之君
      玄葉光一郎君    鈴木 克昌君
      前原 誠司君    宮崎 岳志君
      鷲尾英一郎君    上田  勇君
      斉藤 鉄夫君    宮本 岳志君
      宮本  徹君    丸山 穂高君
      小泉 龍司君
    …………………………………
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)       麻生 太郎君
   財務副大臣        坂井  学君
   厚生労働副大臣      竹内  譲君
   財務大臣政務官      大岡 敏孝君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 井野 靖久君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 籠宮 信雄君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 増島  稔君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   美並 義人君
   政府参考人
   (財務省主税局長)    佐藤 慎一君
   政府参考人
   (財務省理財局長)    迫田 英典君
   政府参考人
   (財務省国際局長)    門間 大吉君
   政府参考人
   (国税庁次長)      星野 次彦君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           梅田 珠実君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           樽見 英樹君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           森  和彦君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           堀江  裕君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           谷内  繁君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           伊原 和人君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           保坂  伸君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房建設流通政策審議官)     海堀 安喜君
   参考人
   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君
   財務金融委員会専門員   駒田 秀樹君
    —————————————
委員の異動
二月二十六日
 辞任         補欠選任
  國場幸之助君     新谷 正義君
  助田 重義君     笹川 博義君
  根本 幸典君     橋本 英教君
  福田 達夫君     白須賀貴樹君
  宗清 皇一君     宮路 拓馬君
同日
 辞任         補欠選任
  笹川 博義君     助田 重義君
  白須賀貴樹君     福田 達夫君
  新谷 正義君     國場幸之助君
  橋本 英教君     根本 幸典君
  宮路 拓馬君     長尾  敬君
同日
 辞任         補欠選任
  長尾  敬君     宗清 皇一君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第七号)
 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一六号)
     ————◇—————
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宮下一郎#1
○宮下委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 来る二十九日月曜日午前九時、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案審査のため、SMBC日興証券株式会社金融経済調査部部長・金融財政アナリスト末澤豪謙君、三菱UFJリサーチ&コンサルティング経済・社会政策部主任研究員片岡剛士君、静岡大学名誉教授安藤実君、及び、同日午後一時、所得税法等の一部を改正する法律案審査のため、慶應義塾大学経済学部教授竹森俊平君、中央大学法科大学院教授森信茂樹君、全国商工団体連合会副会長太田義郎君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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宮下一郎#2
○宮下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、参考人として日本銀行総裁黒田東彦君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣府大臣官房審議官井野靖久君、大臣官房審議官籠宮信雄君、大臣官房審議官増島稔君、財務省主計局次長美並義人君、主税局長佐藤慎一君、理財局長迫田英典君、国際局長門間大吉君、国税庁次長星野次彦君、厚生労働省大臣官房審議官梅田珠実君、大臣官房審議官樽見英樹君、大臣官房審議官森和彦君、大臣官房審議官堀江裕君、大臣官房審議官谷内繁君、大臣官房審議官伊原和人君、経済産業省大臣官房審議官保坂伸君、国土交通省大臣官房建設流通政策審議官海堀安喜君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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宮下一郎#3
○宮下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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宮下一郎#4
○宮下委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鷲尾英一郎君。
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鷲尾英一郎#5
○鷲尾委員 民主党の鷲尾でございます。
 まず、黒田総裁に質問をさせていただいて、その後、半分ぐらいの時間を使って、きょうは厚労省に来ていただいていますので、スイッチOTCの関連について質問したいと思います。そういう順序でやらせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 黒田総裁にお聞きしますけれども、インフレ率を上げるために銀行の信用創造を促す、基本中の基本でございますが。マネタリーベースの増加がマネーストックの増加につながらなきゃいけない、基本中の基本でございますけれども。マイナス金利の導入以降、株式市場で、特に収益懸念から銀行株が下落しております。銀行の信用スプレッドも拡大をしておるんですね。このことについてどうお考えになっておりますか。
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黒田東彦#6
○黒田参考人 今回導入いたしましたマイナス金利つき量的・質的金融緩和は、量的・質的金融緩和の基本的な枠組みを維持しつつ、それを一段と強化するものであります。
 具体的には、さまざまな措置によって実質金利を低下させるということを通じて、企業や家計の経済活動を刺激し、企業収益の改善や雇用、賃金の増加を伴いながら物価が高まっていくという経済の好循環をつくり出すということを目的としております。
 委員御指摘のとおり、その過程で当然、銀行の貸し出し増、あるいはマネーストックの増加というのが起こってくるわけでございます。
 マイナス金利に限らず、金融緩和を進めますと、企業や家計にとって、今申し上げたような実質金利の低下等、金融環境を緩和しようとしますと、仲介者である金融機関の収益に影響するということは避けられないわけですけれども、今回のマイナス金利導入に伴う直接的な収益への影響につきましては、今回導入したスキームでは、御承知のとおり、日銀当座預金について三段階の階層構造を採用いたしまして、その一部についてのみマイナス金利を適用するという形になっております。
 なお、委員御指摘のとおり、銀行の株価の下落や信用スプレッドの拡大が生じているわけですが、これは御案内のとおり、本年入り後、世界的に投資家のリスク回避姿勢が過度に広まるもとで、実は日本だけではなく、欧州や米国においても、銀行株価の下落とか信用スプレッドの拡大が生じております。
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鷲尾英一郎#7
○鷲尾委員 世界的な要因があるんじゃないかという総裁の御指摘でありますけれども、少なくとも、マイナス金利を導入したことによる収益懸念というのは市場関係者には広く共有されているところでありますし、そのことがもたらす信用スプレッドの拡大ということもあるであろう。それが銀行の資金調達コストを上げて、いわゆる信用創造活動に負の影響を与えるというのは自明の理であります。
 つまり、インフレ率の上昇という目的にとってネガティブであろうということも指摘できるわけでありまして、このネガティブな効果ということを、またうまく緩和するというか、そういう意味において、例えば量的緩和の枠組みの中で、金融機関発行の債券を同時に買うといったことを考えるということはあり得るのかということもぜひコメントいただきたいと思います。
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黒田東彦#8
○黒田参考人 先ほど申し上げたとおり、銀行の株価の下落というのは世界的に起こっているわけでございますが、他方で、日本の金融機関は、特に欧州の金融機関と異なりまして、リーマン・ショックや欧州債務危機による損失は極めて少なくて、資本基盤が充実しているということから、高い健全性を保っております。
 金融機関の収益につきましても、景気回復を背景に、貸し倒れ等に伴う信用コストが大幅に低下しているということなどから、低金利環境にもかかわらず高い水準を確保しておりまして、二〇一四年度の大手行、地域行の当期純利益は過去最高に迫る水準となっております。
 こうしたことを踏まえますと、我が国において、このところの銀行株価の下落などが金融仲介機能の低下につながるといったことは考えられません。そういう状況のもとで、委員の御示唆のような、金融機関発行の債券を同時に買うといったことは全く考えておりません。
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鷲尾英一郎#9
○鷲尾委員 それでは、総裁も御承知のように、マイナス金利のいわゆる負の側面でございます保管コストを考慮しても、現金にかえて持たれる、預金を引き出される、そういうリスクを考えると、マイナス金利ですけれども、どれぐらいまで引き下げられるということをお考えになっていますか。
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黒田東彦#10
○黒田参考人 一般的に、中央銀行の当座預金にマイナス金利を適用する場合の問題点としては、一つは、委員御指摘のような、金融機関の収益を過度に圧迫して、かえって金融仲介機能を弱める懸念はないかという点と、もう一つは、金融機関が現金保有を増加させることによって、マイナス金利の効果が減殺されるのではないかといったようなことが指摘されております。
 この点、今回導入いたしましたスキームでは、先ほど申し上げたように、当座預金について三段階の階層構造を採用して、金融機関の収益への影響に配慮しております。
 また、仮に金融機関の現金保有額が大きく増加した場合には、その増加額に見合う形で、当該金融機関の当座預金残高のうちマイナス金利が適用される部分を増加させるということにしておりまして、先ほど申し上げた二つの問題点に対する対応ができております。
 したがいまして、技術的にはより大きいマイナス金利を適用することは可能になりますけれども、具体的にどの程度のマイナスの水準まで引き下げられるかという点につきましては、今申し上げたような金融機関収益への影響度合いあるいは現金保有コストのレベルに依存するために、確たることは申し上げられないわけでございます。
 いずれにいたしましても、現時点においては、今回決定したマイナス〇・一%のマイナス金利の政策効果の浸透度合いをしっかりと見きわめてまいりたいというふうに思っております。
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鷲尾英一郎#11
○鷲尾委員 今総裁がおっしゃった、その浸透度合いというところでございます。
 今の日銀の政策の少なからぬ部分というのは、市場の期待に訴えかけるというところでございまして、そういう意味では、黒田総裁は、かつてないほど市場の期待の一歩先を行くサプライズで、ある意味うまく市場をコントロールしてきたんじゃないか、こういうふうに考えているわけであります。
 今総裁がおっしゃったような、浸透度合いを見てというコメントがございましたけれども、マイナス金利導入後の浸透度合い、市場の動きについてはどのようにお考えになっていますか。
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黒田東彦#12
○黒田参考人 マイナス金利導入を決定して以来、国債のイールドカーブ全体が低下しておりまして、それに応じて、企業に対する基準貸出金利であるとか住宅ローンの金利などもかなり低下をしております。これが実体経済に波及していくということを期待いたしております。
 他方で、国際金融市場では、確かに、マイナス金利つき量的・質的金融緩和の導入決定後も、引き続き主要国の株価が軟調に推移しているほか、ドル安傾向が続いております。
 その背景としては、御案内のとおり、原油価格の下落あるいは中国経済の先行き不透明感に加えまして、欧州の銀行セクターに関する懸念あるいは米国の金融政策の先行きに対する不透明感が強まるという中で、世界的に投資家のリスク回避姿勢が過度に広まっていることがあると認識をいたしております。
 ただ、市場は市場でございますので、日本銀行としては、こうした国際金融市場の動きが我が国の経済、物価にどのような影響を与えるかについて、しっかりと注視していく所存でございます。
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鷲尾英一郎#13
○鷲尾委員 総裁が今、市場は市場でございますとおっしゃっておられましたが、総裁は総裁でいろいろな、今の中国経済の見方とか、さまざまなところで発言されておられます。その市場の見方をこちらからリーダーシップをとってどううまくコントロールしていくかという観点で、総裁はこれまで成功しておられるわけでありますが、ちょっと今の状況を考えますと、これはなかなか、今、少し岐路に立っているんじゃないかという気もいたしておるところでございます。
 というのは、純粋に量的緩和などという、量をふやすという今までの延長線上の政策ということでいきますとサプライズはきいたのかもしれませんけれども、マイナス金利というのはいわば新しいフレームワークですから、これは、それこそ十分に市場関係者と対話を積み重ねた後に、効果を判断しながら行うことを決めた方がよかったんじゃないかなというふうには思っております。
 ちょっとサプライズをきかせ過ぎたんじゃないかというふうに私も思いますけれども、総裁のお考えをお聞かせください。
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黒田東彦#14
○黒田参考人 内外の金融市場の動向につきましては、平素から丹念にモニタリングを行っておりますし、市場関係者とも緊密な意見交換を行っております。
 その上で、金融政策につきましては、金融市場の動向あるいは経済・物価情勢、そのリスク要因などを政策委員会において丹念に検討した上で、政策委員会の判断と責任において決定するべきものと考えております。
 なお、委員御指摘の市場関係者との対話の重要性というのはよく認識しておりまして、マイナス金利つき量的・質的金融緩和の導入後も、引き続き市場関係者とは対話を重ねております。
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鷲尾英一郎#15
○鷲尾委員 やはり、金融機関の信用スプレッドの拡大の状況でありますとか、あるいは中国経済に対する総裁の見方でありますとか、そこのところの市場関係者との対話、もちろんそれだけではありませんけれども、ちょっとうまくいっているのかどうなのかなと思う節もございますので、そこは、今後とも、不測の事態に陥らないように御留意願いたいというふうに思うところであります。
 それから、次の質問ですけれども、労働市場について質問したいというふうに思いますけれども、労働市場のスラックの低下のことでございます。
 これは、通常、経済原理に基づいた賃金上昇を生む、こういう話でございますけれども、そのメカニズムは失業率からいって何%くらいから起こるかというところでございまして、黒田総裁、一年半ほど前には三・六%が自然失業率とおっしゃっていたんですね。しかし、今の失業率ということでいきますと、足元三・三%まで下がっているという状況です。
 賃金上昇の加速が、いわば経済原理に基づいた通常の考え方からすると、自然失業率、総裁が言っていた水準を下回っている状況ですから、賃金上昇が加速してもおかしくないというふうに、普通は総裁の発言を聞けばそうなってくるだろうというふうに考えますけれども、現状、賃金上昇の加速が見られていないわけでございまして、総裁の自然失業率に対する認識について、どうなのか、この間、その見方の変更があったのかということもあわせてお答えいただきたいと思います。
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黒田東彦#16
○黒田参考人 委員御指摘のとおり、労働市場がタイト化すれば賃金に上昇圧力をもたらすということは、まさに御指摘のとおりでございます。
 その上で申し上げますと、最近の労働市場については、有効求人倍率が一・二倍台後半まで上昇しておりますし、御指摘のように、失業率は三%台前半まで低下するなど、労働需給の引き締まりが続いております。
 自然失業率あるいは構造失業率といったものにつきましては、いわゆる求人と求職のミスマッチによる失業だけが残っているという状況を、実際の失業率と構造失業率がほぼ同じであれば、完全雇用であると言ってよいと思います。
 そういう意味では、従来の考え方を変えているわけではございませんけれども、労働市場がどのくらいタイトになったときにどのように賃金上昇が起こっていくかということにつきましては、御案内のとおり、いわゆるフィリップス・カーブにつきまして、その傾きとか切片がどのように動いているかということで、米国においても我が国においてもいろいろな議論があるところでございまして、必ずしも一様ではないというふうに言われております。
 ただ、こうした労働需給が引き締まっているということは事実でありまして、それを反映して、名目賃金は既に緩やかに上昇しておりまして、一昨年の労使間の賃金交渉で約二十年ぶりにベースアップが実現して、昨年も多くの企業で一昨年を上回る賃上げが実現しております。
 こうした労働市場の引き締まりぐあい、あるいは過去最高水準にある企業収益を踏まえますと、賃金が今後も上昇していく環境は十分整っているというふうに考えております。
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鷲尾英一郎#17
○鷲尾委員 インフレ目標を達成するということでいけば、賃金の上昇というのは当然一番の問題だと思っておりますので、その予想の中で機動的に政策を打っていただきたいなというふうに思いますが、ちょっと今のところ、今総裁がおっしゃったような認識の状況の中にあっても、緩やかな上昇ではあっても、なかなか賃金上昇が加速化していない、これも現状認識の一つでありますから、そこも注視をしていただきたいなというふうに思っております。
 それでは、きょうは厚労省さんに来ていただいておりますので、今般の法改正によりまして、日本再興戦略では、健康寿命の延伸を図る、そういう観点で、効果的な予防サービスとか健康管理の充実によって、健やかに生活し、老いることができる社会を目指すということを目的としたセルフメディケーションを推進していくということでございます。これは、適切な健康管理のもとで医療用医薬品からの代替を進めるということで、年間一万二千円を超える金額で八万八千円を限度として、スイッチOTC薬ですね、税額控除が導入されることとなったわけであります。
 このスイッチOTCにつきまして、今の普及状況等に関連して質問をさせていただきたいというふうに思いますけれども、控除対象医薬品としてスイッチOTC薬も含められているということでございますけれども、現在の普及状況につきまして、スイッチOTCがどの程度実施されているかというところについてお聞かせをいただきたいというふうに思います。
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森和彦#18
○森政府参考人 お答えいたします。
 いわゆるスイッチOTC医薬品というものは、医療用の医薬品から転用されたものでございまして、医療用としての使用実績、副作用の発生状況などから、消費者の選択により使用される要指導一般用医薬品として取り扱うことが適当である旨、薬事・食品衛生審議会の意見を聞いて、承認を行った医薬品でございます。
 具体的には、風邪薬、胃腸薬、水虫のお薬、花粉症などのアレルギーのお薬などがございまして、企業が、医療用医薬品の用法、用量、使用上の注意、包装など、消費者の選択に適するように見直した上で承認申請することになってございます。
 現時点で、スイッチOTC医薬品として承認しておりますのは八十二成分ございます。
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鷲尾英一郎#19
○鷲尾委員 このスイッチの種類とか適応症の分野というのはどうなっているのかなということもお聞きしたいなというふうに思いますけれども、その八十二件のうちの最近はということでいくと、外用薬とかアレルギー系が多いんじゃないかという印象を私は持っているわけでありますけれども、外用薬とかアレルギー系ばかりなのは何でなのかなというふうに思います。
 国民総医療費をできる限り抑制していく、そういうことでいきますと、増加傾向にあるのは生活習慣病であります。そういう意味では、民主党政権時代で出たきりでそれっきりなんじゃないかなという認識を持っているんですけれども、いかがでございましょうか。
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森和彦#20
○森政府参考人 どのようなものがスイッチ化されているかということについて、八十二成分というふうにお答え申し上げました。
 その中で、最近の承認されている成分で申しますと、委員御指摘のように、アレルギーに関係するお薬あるいは水虫に関するお薬あるいは痛みどめのお薬、こういったものが比較的多うございますが、二〇一二年には、中性脂肪の改善薬というようなことで、イコサペント酸エチルという成分もスイッチ化されております。
 数的にはまだ少のうございますが、こうしたものについてもスイッチ化される候補の一つとしては考えられているところでございます。
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鷲尾英一郎#21
○鷲尾委員 先ほども申し上げましたけれども、やはり医療費を抑制していくという観点で政府全体で取り組まれているというふうに思いますけれども、そこでいけば、やはり生活習慣病というのは、医療費を抑制するという意味においても、そのお薬というのは効果が非常に高いというふうに思うんです。
 今、なかなかスイッチが進んでいないというコメントもありましたけれども、もっと政府からどんどん働きかけて、スイッチした方がいいんじゃないかということをやっていった方が総医療費の抑制にもつながっていくというふうに思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
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森和彦#22
○森政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のような医療用医薬品から一般用医薬品への移行、スイッチ化におきましては、これまで、スイッチOTC医薬品の候補となる成分について関係学会の意見を聞いて選定する、その上、医療用としての使用実績、副作用の発生状況などから、消費者の選択により使用される要指導・一般用医薬品として取り扱うことが適当である旨、薬事・食品衛生審議会の意見を聞くというふうにされております。
 しかし、産業競争力会議におきまして、スイッチOTC化を促進するに当たって、関係学会等だけではなく、産業界、消費者等のより多様な主体からの意見が反映される仕組みの構築を求めるという声が上がっておりました。
 このことから、平成二十六年六月の日本再興戦略二〇一四において、セルフメディケーションの推進や医療用から一般用へのスイッチOTC化を加速するために、米国など海外の事例も参考にしまして、産業界、消費者等のより多様な主体からの意見が反映される仕組みを構築することなどが閣議決定されているところでございます。
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鷲尾英一郎#23
○鷲尾委員 いろいろな主体から意見を聞くということをより熱心にやっていく、そういうことだと思うんですね。
 そういうことだと思うんですけれども、それでは、あくまでも現場での意見ですけれども、そもそも薬局で売られているのかとか、そういう指摘もやはりありますね、買いにくいとか。あるいは薬局からは、売れないから置きたくないとか、こういうことも聞きますね。卸さんから少量の発注だったら販売しないよなんて言われて困っている薬局さんだってあるわけで、そういったことを厚労省として、いろいろな意見を聞くという話でありますけれども、そういうことは聞いているのでしょうか。認識としてどうか。
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森和彦#24
○森政府参考人 委員御指摘の、一般用の医薬品の流通に関して、一般論としてでございますが、小規模の取引の場合には薬局と卸売販売業者との間で価格交渉の折り合いなどがつきにくいというような実情があるということでは理解してございます。そのような実情というのを私どもも一定程度認識はしてございます。
 このようなスイッチOTCの販売におきましては、薬剤師等が必要に応じて適切な受診勧奨を行うことも含めまして、副作用防止の観点から、医薬品の選択や使用方法等必要な情報提供を的確に行うことも必要だというふうに考えてございます。
 このような中で、地域住民による主体的な健康の維持増進を支援する健康サポート薬局という制度を四月から施行することにしておりまして、こうした取り組みを通じまして、薬局における適切な供給と情報提供を推進してまいりたいというふうに考えてございます。
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鷲尾英一郎#25
○鷲尾委員 一般的にというか、私が消費者の立場に立って聞く声としては、スイッチ医薬品というのはなかなか薬局で取り扱ってはいない、いないとは言いません、まれでありまして、ドラッグストアに行ってみると、しかし、そこでは今度は薬剤師さんがいないから買えないとか、そういうことになっていまして、スイッチですから、むしろ逆に、実質三割負担の医療用医薬品の方が割安感もあるし、せっかくスイッチしても、国民が買いたいと思わなければ、これは制度としていかがなものかというふうに思っているわけです。
 そういうたてつけになっている現状を少し改善していかなきゃいけないというふうに思っていますが、具体的にどれだけのOTC医薬品が上市されているか、過去から最近の状況をざっと御説明いただけたらありがたいんですけれども。
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梅田珠実#26
○梅田政府参考人 お答えいたします。
 薬事工業生産動態統計によりますと、平成二十五年におきますスイッチOTC薬の生産額は約千四百億円でございます。
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鷲尾英一郎#27
○鷲尾委員 もうちょっと詳しく御答弁いただきたかったんですけれども、ちょっと時間もないので、これはもうしようがない、これぐらいにさせていただいて。
 そうしたら、少し切り口を変えまして、処方箋を受け付けてくれるような薬局には、このスイッチOTCはなかなか置いていないんじゃないか。仮に置いてあったとしても、我々が選ぶようなバリエーションがそろっているかというと、そういうことでもないんじゃないか、今の現況は。
 ですから、OTC医薬品の取り扱い、特にスイッチOTCですけれども、今の薬局の取り扱い状況について御説明いただけますか。
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森和彦#28
○森政府参考人 現状におきまして、薬局で全てどのような状況であるかというところまでの正確な把握はできてございません。
 現状で販売されているスイッチOTC医薬品の製品の数という意味でいいますと、七百四十品目程度の製品が販売されているということは承知してございます。
 個々の薬局におきまして、どのような製品を配置するのかということにつきましては、消費者の方の需要に応じて、それぞれそろえておられるというふうに承知してございます。
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鷲尾英一郎#29
○鷲尾委員 今、七百四十品目という御指摘がありましたけれども、では、それを我々がすぐに手に入れられる状況にあるかというと、そういうことではないというのが現状でありまして、それこそ、医療費抑制であるとか、セルフメディケーションの推進ということでいくならば、やはりこの状況は改善していかなければいけないんじゃないかというふうに思っております。
 医師側の問題点や患者さん側の問題点とか、あるいは取り扱う薬剤師さんの視点から、これはいろいろな問題があると思っておりまして、今、推進されているとは全く言えないような状況だと思っています。そこはどうお考えになっていますか。
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