厚生労働委員会

2016-05-26 参議院 全269発言

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会議録情報#0
平成二十八年五月二十六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     井原  巧君     太田 房江君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     三木  亨君     藤井 基之君
     三宅 伸吾君     石井みどり君
     浜野 喜史君     小西 洋之君
     牧山ひろえ君     石橋 通宏君
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     有村 治子君     石井 正弘君
     足立 信也君     長浜 博行君
     石橋 通宏君     吉川 沙織君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長        三原じゅん子君
    理 事
                島村  大君
                高階恵美子君
                羽生田 俊君
                津田弥太郎君
               佐々木さやか君
    委 員
                赤石 清美君
                有村 治子君
                石井 正弘君
                石井みどり君
                太田 房江君
                木村 義雄君
                武見 敬三君
                藤井 基之君
                古川 俊治君
                足立 信也君
                川田 龍平君
                小西 洋之君
                長浜 博行君
                西村まさみ君
                森本 真治君
                吉川 沙織君
                長沢 広明君
                小池  晃君
                東   徹君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣とかしきなおみ君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       堂故  茂君
       厚生労働大臣政
       務官       三ッ林裕巳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       審議官      河合  潔君
       法務大臣官房審
       議官       金子  修君
       外務大臣官房審
       議官       水嶋 光一君
       文部科学大臣官
       房審議官     藤原 章夫君
       スポーツ庁スポ
       ーツ総括官    平井 明成君
       厚生労働省職業
       安定局長     生田 正之君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       香取 照幸君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    藤井 康弘君
       厚生労働省保険
       局長       唐澤  剛君
   参考人
       弁護士      磯谷 文明君
       東京都八王子児
       童相談所所長   辰田 雄一君
       公益財団法人全
       国里親会副会長  木ノ内博道君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○児童福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
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三原じゅん子#1
○委員長(三原じゅん子君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、井原巧君、牧山ひろえ君、浜野喜史君、三宅伸吾君及び三木亨君が委員を辞任され、その補欠として太田房江君、石橋通宏君、小西洋之君、石井みどり君及び藤井基之君が選任されました。
    ─────────────
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三原じゅん子#2
○委員長(三原じゅん子君) 児童福祉法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、弁護士磯谷文明君、東京都八王子児童相談所所長辰田雄一君及び公益財団法人全国里親会副会長木ノ内博道君でございます。
 この際、参考人の皆様方に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様から忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からお一人十五分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、参考人、質疑者共に発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず磯谷参考人にお願いいたします。磯谷参考人。
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磯谷文明#3
○参考人(磯谷文明君) 磯谷でございます。
 本日は、発言の機会を与えていただきまして誠にありがとうございます。
 最初に少しだけ自己紹介をさせていただきますと、私は二十三年目の弁護士でございまして、都内で開業をしております。長く児童虐待問題に取り組んでまいりまして、主に児童相談所の法的な支援をしてまいりました。今回の法改正に関しましては、基礎となる報告書を作成した専門委員会の委員を務めさせていただきました。
 本日は、改正案の評価とその運用、とりわけ児童相談所と弁護士の関わり、さらに残された課題について所見を述べさせていただきます。
 最初に、改正案の中で最も評価している点は、児童福祉法の理念として子供の権利が盛り込まれた点です。理念は私たちに即効性のある武器を与えてくれるわけではありませんが、法解釈や実務にじわじわと影響してくるものと考えております。
 一方、専門委員会の報告書には体罰禁止も盛り込むべきと述べていましたが、端的な形でそれが盛り込まれなかったことは残念であります。
 私としては、懲戒権は民法事項ではありますけれども、民法とは別に、児童福祉の観点から体罰を禁止するということは法制度上何ら問題ないのではないかと考えておりますし、仮に、児童福祉法にストレートに体罰を禁止する規定を置かなくても、例えば国や地方公共団体に対し体罰に頼らない子育てを推進することを義務付ける規定を置くという方法もあったのではないかと思います。いずれにしましても、一歩一歩で結構ですので、家庭での体罰がなくなる方向で進んでいければと思っております。
 子供の権利に関する新しい展開として、児童福祉審議会に子供の権利擁護の役割を持たせることになった点も重要だと思います。
 条文だけ読んでもぴんとこないんですけれども、法律施行後は、児童福祉審議会は子供たちからの苦情を受け付けるようになると伺っております。児童福祉に限定はされますが、いわゆるオンブズマン的な役割も担えるとしたらとてもすばらしいことだと思います。この点、各地の弁護士会には子供の権利擁護に取り組んできた実績があります。児童福祉審議会がこの分野で弁護士会と連携することも考えていただければと思います。
 弁護士との関わりについて申し上げますと、今回、児童相談所における弁護士の配置又はそれに準ずる措置が定められたということは画期的だと考えております。
 児童相談所は、児童福祉法二十八条の申立てなどの裁判のほか、様々な法律問題に直面しており、弁護士によるサポートが欠かせないと言えると思います。実は、厚生労働省の調査によれば、全ての児童相談所は既に弁護士と何らかの形で連携をしています。ですから、今回の弁護士配置の定めは、現在ある児童相談所と弁護士との関わりを一層深めることが期待されます。
 この画期的な弁護士配置ですが、運用に当たっては二点お願いしたいということがございます。
 第一点は、地域の実情に照らして柔軟な運用をしていただきたいという点です。
 先ほど述べましたとおり、既に全ての児童相談所は何らかの形で弁護士と連携をしています。例えば、私が関わっております東京都を例に挙げますと、制度的な弁護士の関与は平成十三年頃に始まり、平成十六年から非常勤弁護士制度を導入しています。これは、都内十一の児童相談所に非常勤弁護士を一人ずつ配置をするというものです。
 しかし、特徴的なのはそれだけではありません。この非常勤弁護士に加え、各児童相談所に原則二名の副担当を配置しています。副担当のうち、一名はベテランの弁護士、もう一名は若手の弁護士です。ベテランの弁護士は非常勤弁護士をサポートしまして、若手の弁護士は非常勤弁護士と一緒に会議に出るなどして、いずれ非常勤弁護士を担っていくことになります。非常勤弁護士はおおむね三年から四年で交代をしてもらっています。ですから、非常勤弁護士の仕組みの中で次の担い手を育てているということになり、児童相談所をサポートできる弁護士の層を厚くしているのです。
 また、もう一つ御紹介したいのは、非常勤弁護士や副担当が定期的に会合を持ち、また、クローズドのメーリングリストを活用するなどしてお互いに相談し合える仕組みを持っているということです。一人の経験というのは所詮知れています。また、一人でやっていると悩むこともあります。そういったことを総勢四十名弱の仲間たちが共有して助け合うということになります。
 このように、弁護士と児童相談所との連携の歴史を持っているのはほかの地域にもあり、活発なところとしては大阪や愛知、神奈川などがあります。
 私がお願いしたい一つ目は、こういう地域の取組を否定するのではなく、それぞれの地域の育んできた関係を尊重して、実情に合わせて発展させていただきたいということです。全国一律こうあるべきというのはちょっと違うのではないかなというふうに思っております。
 二つ目のお願いは、児童相談所に配置された弁護士を独りぼっちにしないということです。つまり、児童相談所に配置された弁護士が地域の弁護士会や虐待問題に取り組む弁護士のグループとの関わりが十分に持てるようにしていただきたいということです。
 特に、常勤弁護士を採用するということになりますと、ほとんどは若手で経験の乏しい弁護士になると思われます。そういう弁護士に対しては、やはりほかの弁護士によるサポートが欠かせません。そして、常勤弁護士が業務に慣れてほかの弁護士によるサポートが要らなくなった場合には、今度は逆にほかの弁護士たちを教えてほしいのです。そうでないと、常勤弁護士の輩出は単発で終わってしまい、後が育ちません。
 このように、児童相談所に配置された常勤弁護士が地域の弁護士会などとの関わりを維持できるかどうかは、実は児童相談所の所長さんなど管理職の方の考え方に大きく依存します。所長さんが常勤弁護士が外の会合に出ていくことに良い顔をしなかったり、児童相談所の現場で生じている問題を外の弁護士に話すことについて消極的であれば、若い常勤の弁護士はほかの弁護士たちと関わり続けることは難しいでしょう。児童相談所の方々には、是非、配置された弁護士が外の弁護士とも関わり続けることができるように配慮をしてほしいということを思っております。
 弁護士配置については、私は、まず、まだ非常勤弁護士を配置していない児童相談所については非常勤弁護士を配置すること、既に非常勤弁護士を配置している児童相談所については、出勤日数を増やしたり非常勤弁護士の人数を増やすなどして、より関与の度合いを深めることを第一段階の目標として考えるべきではないかと思っています。
 今後の課題のお話に移ってまいりたいと思いますが、以前から主張しておりましたが、今回もまた盛り込まれなかったものに児童相談所の調査権限の問題があります。
 現在、児童相談所が第三者に情報提供を求めても、第三者には応答義務がありません。現行の児童虐待防止法十三条の三には地方公共団体の機関に対して情報提供を求める規定はありますが、あくまでも情報提供ができるとされているにすぎません。今回、十三条の三が改正されて、情報提供できるものが地方公共団体の機関から児童の医療、福祉、教育に関係する機関や者に拡大されますが、本質的にできる規定であることは変わりがありません。また、例えばアパートの管理会社などは医療にも福祉にも教育にも関係がありませんので、改正後の十三条の四の対象にもならないものと思われます。
 今後、司法関与についても議論がなされるようですが、仮に児童相談所が裁判所に申立てをする機会が増えるのであれば、児童相談所が裁判所を納得させられるだけの証拠を集めることが不可欠になります。刑事訴訟法百九十七条二項は公務所又は公私の団体に対する照会を定めており、報告を求められた公務所や団体には報告義務があると解されています。是非、児童相談所の調査権限に関して更なる議論がなされることを期待しております。
 これも以前から強調させていただいているところですが、児童相談所の介入機能と支援機能の分化についても引き続き検討していただきたい論点です。
 モデル的には、児童虐待が発見されて通告を受け、介入し、その後に支援をしていくという流れで語られるんですが、実際の現場は、長く支援をしていく中で、これ以上子供を家庭に置いておけないということで介入を決断するということも少なくありません。
 そういった場合に特に問題になるんですが、担当する児童福祉司が心理的に巻き込まれてしまっていて適切な判断ができないということであります。一人の児童福祉司が介入も支援もするというのは無理があると感じておりますが、単に児童相談所の中で担当を分ければ済むのか、それとも介入と支援を別の組織とした方がよいのかという問題もあって、この点、更なる議論が必要だとは思っております。
 児童福祉法改正案の三十三条の九の二では、「国は、要保護児童の保護に係る事例の分析その他要保護児童の健全な育成に資する調査及び研究を推進するもの」とされています。この調査研究に関して是非実施をしていただきたいのは、子供の死の全数調査であります。外国ではチャイルド・デス・レビューと呼ばれているもので、虐待かどうかを問わず子供の死を残らず調査して、予防できたはずの死を見付け出し、今後の対応に生かすというものです。
 日本小児科学会の調査によれば、年間、全国で推計約三百五十人の子供たちが虐待で亡くなった可能性があるということでした。私は、国の死亡事例等の検証を行う専門委員会の委員も務めておりますが、そこでは、親子心中を含めて、虐待死はこのところ年間百名を下回っています。とすると、二倍以上の子供たちの死が虐待の疑いが残るまま放置されているということになります。
 日本子ども虐待防止学会では、平成二十五年の信州大会において、五年以内に子供の死の全数調査を制度化することを目指して取り組むと宣言をいたしました。法改正が成立しましたら、この点につきましても是非一歩を踏み出していただきたいと考えております。
 最後に、児童虐待防止対策の要は人材であります。特に、法的権限を持つ児童相談所の児童福祉司さんたちの数を増やし、専門性を向上することです。専門委員会でもこの点は一致して最重要課題と考えておりました。
 そのための一つのアイデアが児童福祉司の国家資格化でした。国家資格化は容易だとは思っておりません。しかし、現場を見ていますと、例えば保健師さんは、同じ公務員とはいっても、自分たちは保健の専門家であるという自負をお持ちです。だからこそ、保健師はどうあるべきとか、地域保健はどうあるべきというような問題意識を持ちやすいように思います。これに対し、児童福祉司さんは、人事異動でその職を離れてしまうと全く別の仕事をするジェネラリストであるように思います。しかし、子供の幸せを専門とする者としてそれではいけません。困難はあっても、是非国家資格化を目指すべきだと考えております。
 今回の改正法案が速やかに成立し施行されることを期待しつつ、私の意見陳述を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
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三原じゅん子#4
○委員長(三原じゅん子君) ありがとうございました。
 次に、辰田参考人にお願いいたします。辰田参考人。
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辰田雄一#5
○参考人(辰田雄一君) 東京都八王子児童相談所所長の辰田でございます。よろしくお願いいたします。
 本日、私は、一児童相談所の所長として、また一部都の立場を代表して参考意見を述べさせていただきます。
 まず、東京都における児童相談所の現状について申し上げます。
 都内十一か所の児童相談所において平成二十六年度に相談対応いたしました件数は三万一千二百六十八件であり、そのうち児童虐待の相談件数は過去最高の七千八百十四件でした。この件数は、二年前の平成二十四年度と比較して一・六倍の件数となっております。件数増の主な要因としては、平成二十五年八月にあった国の子ども虐待対応手引の改正に伴う虐待定義の広がり、また警察からの通告件数の増加が挙げられます。
 児童虐待の通告がありますと、児童相談所では緊急受理会議を開催いたします。そして、児童の養育状況について学校や医療機関等の関係機関に調査し、原則として四十八時間以内に児童の安全確認をいたします。児童の最善の利益の確保のため、保護者の意に反してでも児童を速やかに一時保護することも多くあり、夜間、休日も関係なく対応しております。
 また、何度も家庭訪問や面接、関係機関への調査を行わなければ援助方針を決定できないケースがほとんどでございます。通常、児童相談所における対応は児童虐待の初期対応や一時保護までがクローズアップされますが、その後も継続して援助が必要なケースについては、在宅での指導や里親への委託、児童養護施設等への措置を行っております。この過程の中で、必要により、施設等への措置に保護者が同意しない場合の家庭裁判所への審判申立てなどの法的対応を行っております。
 さらに、里親への委託や施設等への措置を行った児童については、本来家庭において養育されることが望ましいことから、家族再統合に取り組んでおります。この家族再統合に向けては、児童と保護者との面会から始まり、外出での交流、短期の外泊、長期の外泊へと計画的に段階を踏みながら取り組んでいきます。また、家庭復帰の際には、地域の関係機関と支援体制を確認する会議を複数回開催し、児童虐待の再発防止に努めております。
 こうした一連の虐待対応だけではなく、児童相談所は非行や傷害等、十八歳未満の児童に関するあらゆる相談に対応しており、虐待の相談対応件数の増加と相まって、児童相談所業務は非常に逼迫した厳しい状況にあります。全国的にも各児童相談所は同様の状況にあり、児童の最善の利益を確保するために児童福祉法等を改正し、児童虐待に関わる一連の対策の更なる強化を図っていくことは非常に重要だということをまず申し上げたいと思います。
 次に、児童相談所の体制強化について申し上げます。
 まず、児童相談所のケースワークの中心となる児童福祉司、子供や保護者等にアセスメントや心理ケア等を行う児童心理司についてですが、先ほど申し上げた厳しい状況を踏まえ、都においてはこれまで大幅な増員を図っております。十年前の平成十八年度と現在を比較しますと、児童福祉司は百五十九人から二百二十七人へ、児童心理司は四十一人から九十一人へと職員定数を増やしております。改正案では、児童福祉司については標準となる基準を政令で定めることになっており、また児童心理司については配置について規定されており、前進が図られたと考えております。各都道府県にとってこうした規定は児童相談所の体制強化の後押しになるものであり、今後、規定にのっとり体制強化を着実に進めていくことが必要と考えております。
 また、国は今年の四月二十五日に児童相談所強化プランを作成しております。児童相談所の体制強化に当たっては財政面の裏付けが不可欠であります。国におかれましては、このプランの実現を図るため、児童相談所設置自治体への財政面の支援をよろしくお願いいたします。
 さらに、児童心理司については、今回の改正案により配置については規定されたものの、児童福祉司と異なり、配置の具体的な基準については設定されておりません。今後、必要な配置を進めていくために、児童福祉司と同様に配置基準を明確にしていただきたいと思っております。都としては、児童福祉法の改正を踏まえ、今後とも児童相談所の体制強化に努めてまいりたいと思います。
 次に、児童相談所は、一時保護を始め立入調査、家庭裁判所の審判による施設入所、親権停止等様々な法的対応を行っており、これらの対応には法律の専門家である弁護士の助言が不可欠であります。
 都においては、十一か所ある児童相談所の各所に一名ずつ非常勤の弁護士を配置し、定期的に児童相談所職員への法的な助言を行える体制を取るとともに、緊急案件等への対応のために、この十一名の非常勤の弁護士に加えて二十六名の弁護士を協力弁護士として登録し、随時相談に応じる体制を取っております。こうした柔軟な体制の中で、複数の弁護士から法的対応に必要な助言を適時適切に受けることができ、また弁護士にとっても児童相談分野の専門性の向上が図られ、双方にとって非常に有用な制度と考えております。
 こうした中で、この度、改正案に弁護士の配置又はこれに準ずる措置について規定されたことは、都としてこれまで取り組んできたことが制度的にも担保されることとなり、今後とも弁護士の方々の協力を得て効果的かつ円滑に制度を運用していきたいと考えております。
 次に、区市町村の体制強化、児童相談所と区市町村との連携について申し上げます。
 御案内のとおり、平成十六年の児童福祉法の改正に伴い、区市町村は児童家庭相談の第一義的窓口となっております。都はこれに先駆け、平成七年度より区市町村に子ども家庭支援センターを設置するとともに、虐待対応力の向上を図るため、センターに虐待対応の専門職員の配置、また職員増員も行えるよう区市町村を支援してきました。
 子ども家庭支援センターは、子供と家庭に関する相談に対応するとともに、ショートステイや一時預かりなどの在宅サービスの提供や調整の役割、そして要保護児童対策地域協議会の調整機関としての役割を担うなど、地域の児童家庭相談の拠点として機能しております。また、児童相談所と子ども家庭支援センターの役割分担を明確にした上で緊密な連携を図り、両者の支援に隙間ができることのないよう、都では両者の連絡調整のルールそして共有ガイドラインを策定しており、これに基づき日々の円滑な連携を図っています。さらに、児童相談所は、子ども家庭支援センターの受理会議に参加し様々な助言を行うほか、同行訪問を行うなど、日頃から支援を行っております。
 今回の法改正では、国、都道府県と併せて区市町村の役割、責任の明確化が図られるとともに、区市町村における支援の拠点の整備、児童相談所から区市町村への事案の送致などについて規定されました。
 これは、児童相談所と区市町村がそれぞれの役割を踏まえながら相談対応を行っていく上で非常に重要なことと考えております。支援拠点の整備については都の子ども家庭支援センターが法的に位置付けられたと受け止めており、都としては、引き続き、この制度の円滑な運用を図るとともに、児童相談所として子ども家庭支援センターとの緊密な連携を図りながら、適切な役割分担の下、児童虐待等に対応していきたいと考えております。また、改正案に規定されている区市町村への事案送致については、身近な地域での支援を区市町村がより主体的に担えるようにしたものと理解しております。
 次に、里親委託の推進について申し上げます。
 都内には、虐待等の理由により社会的養護を必要とする児童が約四千人おり、里親、児童養護施設、乳児院などで暮らしております。本来、子供は家庭的環境の下で愛情に包まれながら健やかに養育されることが望ましいため、都においては、昭和四十八年から、養子縁組を前提としないで児童の養育を委託する養育家庭制度を独自に創設し、児童の委託を推進してきました。
 都の児童相談所では、児童の措置委託先の決定に当たり、児童の一人一人の状況を総合的に勘案した上で、まず最初に養育家庭の委託を検討しております。また、委託後も児童相談所と里親支援機関等が連携し、養育家庭をきめ細かく支援しております。
 今回の改正案では、里親の開拓から児童の自立支援までの一貫した里親支援が児童相談所の業務として位置付けられました。児童相談所としましては、引き続き養育家庭委託をより一層推進していきたいと考えております。
 最後に、養子縁組について申し上げます。
 都の児童相談所においては、特別養子縁組を希望する相談があった場合、面接などを通じて実親の意向や養育力等を十分に確認し、その必要性を判断しております。その上で、養子縁組が必要と判断した場合には、適切な家庭を選定し、交流、委託、養子縁組成立に至るまできめ細かく支援をしております。
 今回の改正案では、養子縁組に関する相談や支援が児童相談所の業務として位置付けられました。児童相談所としましては、引き続き、できるだけ早い段階から交流に努め委託につながるよう、子供の福祉を第一に考えながら、養子縁組を含め、社会的養護を必要とする児童への支援を行っていきます。
 私からの参考意見は以上でございます。
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三原じゅん子#6
○委員長(三原じゅん子君) ありがとうございました。
 次に、木ノ内参考人にお願いいたします。木ノ内参考人。
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木ノ内博道#7
○参考人(木ノ内博道君) 公益財団法人全国里親会で副会長をしております木ノ内博道と申します。私自身も里親をしております。
 全国里親会は、各地で活動する地域里親会の全国組織になっております。里親制度の進展のために、国に要望を行ったり、実態を調査したり、里親の養育スキルを高めるための研修を行ったりしております。
 本日、参考人として私から、家庭養護の重要性、それから特別養子縁組について、また里親支援の在り方について、もう一つ、子供たちの自立支援について述べたいと思います。
 まず、家庭養護の重要性についてお話をさせていただきます。
 里親は、様々な理由から家庭で養育をできない子供たち、あるいは虐待など家庭で養育することがふさわしくない子供たち、こうした子供たちを家庭に迎え入れて養育を行うものです。一見何の変哲もない普通の暮らしの中に子供を迎え入れて行うわけですから、特別なことをしているわけではありません。しかし、保護を必要とする子供にとっては、家庭環境で養育されることはとても重要なことであります。
 欧米では里親や養子縁組が普及しております。施設養護はその必要がある子供についてのみ行われております。国連の子どもの権利条約については、代替的養護は家庭で行うということが原則になっております。特に乳幼児は家庭養護ということで、ガイドラインでも強調されております。乳幼児の施設養護の弊害については近年の脳生理学や心理学の発達が明らかにしており、欧米では乳児院の存在は療育、治療の療育などに姿を変えて僅かに存在するだけです。
 乳児が特定の養育者に継続的に養育される、愛着を形成することによって、人を信頼し、社会を信頼し、ひいては自分を信頼する、そういうことにつながります。言い換えれば、乳児のときにうまく愛着を形成する経験がない子供たち、一生の生きづらさにつながっていくというようなことであります。
 こうした国際的な動きの中で、日本は要保護児童の八五%が施設養護であります。家庭養護は一五%程度でございます。また、乳児院では約三千人の赤ちゃんが暮らしております。しかも、施設養護では長期入所が一般化しております。施設の入所期間を調べてみましたら、イギリスでは五年以上の入所期間を持つ子供は一%でした。日本では約四〇%に当たります。乳児院から児童養護施設へ措置変更になって、満年齢で施設から措置解除になるといった子供たちも少なくありません。
 施設養護と家庭養護の違い、なかなか分かっていただけないかと思いますので、その辺を少し具体的に御説明したいと思います。
 最近は居心地の良い立派な施設も多いのですが、快適かどうかということではありません。具体的にお話ししますと、施設から里親家庭に来た子供たちの反応、例えばお風呂に入る時間はどうして決まっていないのかというふうに聞きます。そのためにずっと悩んでいたんだというようなことでした。それから、今夜何を食べようかと言うとけげんな顔をする。特に自分の食べたいものを食べるという経験がないんですね。それから、夕飯で食べた残りを翌日出すと、なぜ捨てないんだというようなことがあったりします。それから、みんなと一緒に御飯を食べると、おかずをどうやって食べたらいいんだか分からない、団らんというものをなかなか知らない、そういう子供もいました。
 いわゆる集団生活にはルールがありますけれども、そのために自分で選んでいくという能力が育っていない、そういうふうな気がします。いわゆる自己選択の能力が育まれていないというふうに思っております。社会に出れば自分で物事を決めていく、そういったことの連続です。とても重要な能力だろうと思うんですが、なかなかそれが難しいだろうというふうに思っております。
 一方、里親家庭、いわゆる家庭生活には様々な人間関係があります。仕事で来るわけではありませんので、里親の親戚であるとかあるいは友人であるとか、そういった様々な人間関係を学びます。それからもう一つは、家庭の中にあるライフサイクルというんでしょうか、人が生まれたり、死んだり、介護されたり、そういうときにどうするのか、そういったことも学ぶ必要があります。何より、将来独立したときの生活や生き方のモデルとして子供たちに家庭のイメージが必要だと思っております。成人して子供が生まれても、施設に入れればいいんだというような考えを持っている社会的養護の出身者についても聞いたことがあります。
 今回の児童福祉法の改正では、理念として子どもの権利条約を基本とする一条がありますし、三条では家庭養護を原則とするということがうたわれております。是非、家庭養護の推進をお願いしたいところであります。
 次に、養子縁組について述べさせていただきます。
 家庭養護は必ずしも里親やファミリーホームに限ってはおりません。国際的にはむしろ養子縁組が推奨されております。パーマネンシーという考え方でございます。長期安定的な養育環境を提供する、そのために養子縁組が里親以上に望ましいとされております。国によっては、実親の方に課題の解決を迫り、それが解決しないようであれば、短期間のうちに子供の処遇を里親から養子縁組に切り替えるというようなところもあります。
 今回の児童福祉法改正案でも、特別養子縁組に関する業務を児童相談所の役割として明確に位置付け、これまで六歳までであった特別養子縁組の年齢制限を十八歳までとしております。さらに、これまで私的養護として、養子縁組の場合、支援の対象にもなっておりませんでしたけれども、里親同様支援対象というふうになっております。養親、いわゆる養子を受け入れる候補者の欠格事項、ふさわしくないと思われることであるとか、あるいは研修の義務化であるとか、そういったことにも踏み込んでおります。
 次に、里親支援の在り方についてお話をさせていただきます。
 これまで家庭養護のいい面のみをお話ししてきましたけれども、しかし弱点も多いのでございます。地域の中で孤立しがちなことであるとか、あるいは専門的な養育スキルを必要とする子供たちが近年は増えてきております。そういう中で支援が様々な形で必要になります。里親家庭では、子供も里親も多くの出会いや別れを経験しております。非常に全体としては喪失感にあふれているといいましょうか、そういう中でこれらのケアが十分になされているとは思えません。
 今回、里親家庭への支援が、力を入れていくというようなことですが、なかなかこれまでは実感がなかった、里親の家庭側に実感がなかったのですが、今回の児童福祉法の改正では、もっと一体型の支援、総合的な支援の在り方が提案されています。日本にも一部事例はあるんですけれども、先進国で行われているいわゆるフォスタリングエージェンシー、丸ごと、里親の開拓から研修、マッチング、養育支援、実親の支援までを含む一括した業務を児童相談所から民間に外部化できる仕組みというようなことで提案されております。
 また、里親が子供の再統合のお手伝いをできるようにということにもなっております。これまで子供に関する情報は余り知らされずに、子供の今の養育に携わるだけということでしたけれども、子供の養育には連続性が重要です。そういう意味で、実親の支援をしながら、里親がそこに関わりながら、本来であれば一人の子供を中心にしたチーム養育の形が望ましく、そういった形になるようにというふうに思っております。
 次に、自立に向けた支援をお話しさせていただきます。
 要保護児童が十八歳になったら機械的に措置解除というのがこれまででしたけれども、実際にはホームレスや犯罪者をつくり出している。事実、そうした社会的養護出身者が多いという声を聞いております。ある年齢が来れば自立の能力がなくても役割は終わったということがこれまでの社会的養護の仕組みだったということだと思います。大人の方の考え方であって、きちんと自立をしてもらうことが社会的養護の目的であるはずです。次代を担う、税金を納める若者になっていただきたいというふうに思います。それにはもう一押しの支援が必要かと思っております。
 里親家庭では、子供たちの進学を支援している家庭も少なくありませんけれども、経済的にも限界があります。二十歳までの措置延長、また進学したとしても卒業ができる二十二歳まで、二十二歳でも誕生日ではなくて年度末まで支援を続ける仕組みが必要です。今回の改正でその部分にも配慮をいただいております。
 こうしたことを述べさせていただき、終わりに一言述べさせていただきますけれども、国連の子どもの権利条約、日本が批准して二十数年がたっております。やっとそれが国内法に取り入れられまして、子供が権利の主体者であるということがうたわれました。要保護児童の処遇についても家庭養護を優先すべきであるという段階が来ております。子供の声を代弁する形でお願いをしますけれども、是非今国会で成立をさせていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
 以上です。
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三原じゅん子#8
○委員長(三原じゅん子君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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古川俊治#9
○古川俊治君 参考人の皆様方、ありがとうございました。
 最初に磯谷先生に伺いますけれども、この改正案の附則には、今後、裁判所がどのように関わっていくか、これを検討するという検討規定が置かれることになりました。今までも、児相にしても、児童に対する保護措置をとる場合に、ある意味そこに、家庭にいるわけですから、なかなか、実質的に保護措置をとるかどうか、この判断がやはりどうしてもちゅうちょされるという場合が多かったというふうに伺っておりますけれども、ある意味で、裁判所がそれを実質的に決定してくれるということになると多分児相のそういった負担は少し減るんだろうというふうに思っているんですが、ちょっと私も弁護士なのでそれを思いますと、今までも裁判官と話しても、家庭の細かい事情まで全部自分たちに押し付けられても困るというのが、それが本音だと思うんですね。行政と司法、この役割分担について、適切な要保護児童の保護措置ということについて、先生が、今後どうすれば一番いいか、お考えを教えてください。
 それからもう一つ、確かに弁護士が常勤になって専門家が育つということは多分いいと思うんですけれども、ちょっと私もこの児童虐待の保護ということでは全く専門性がないので分からないんですが、一般的に弁護士の職務からすれば、やっぱりそれを専門にやっている人というのはかなり少ないと思うんですよね。そうすると、一人でやっていると確かになかなか難しいと、これはよく分かることで、いろんな人に相談したいんだけれども、一方では守秘義務は持っているわけですから、情報交換にトラブル、そういう意味での問題点はどうお考えかと。
 それから、各先生方もやっぱり自分の仕事をふだん持っているわけですから、勝手に相談されてもなかなか対応できないというふうに思うんですね。先生なんかはずっと専門にやられていて、自分の仕事とのバランスを、その相談を受けるという、それをどう今調整されているのか、ちょっと伺いたいと思います。
 それから、辰田参考人、ありがとうございました。
 今までも実は、今回の法案でもかなり虐待の防止のために児相の機能強化ということをやってきたんですけれども、前の改正からもずっと、例えば市町村の要対協の機能強化とか、今回もその調整機関の専門性を高めるということもやっています。今後、市町村の関係機関と児相がどういうふうに役割分担をしながら要保護児童を保護していくか、これどう進めていけばいいか。今ずっとおやりになっていた業務から、その役割分担について御示唆をいただければというふうに思います。
 それから、木ノ内参考人、どうもありがとうございました。
 里親家庭、多分それはいろいろな支援が恐らく必要なんだろうというふうに思っておりますが、それは児相が主なものでよろしいのか、児相以外にも何らかのやはり支援が必要だというふうにお考えになるのか。
 それから、里親家庭に対して、やっぱり里親として養育を始めてから時間的な経過によって出てくる問題点というのは違うと思うんですよね。全体の例でいうと何年ぐらい、問題点がいろんなところに出てくる、その経過というのは必要なのかということですね、フォローアップというか、その支援が。その辺をちょっと教えていただきたいと思います。
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磯谷文明#10
○参考人(磯谷文明君) 御質問ありがとうございます。
 まず、一つ目の一時保護を特に挙げていただきまして、司法審査のことをおっしゃっていただきました。まず、そもそもやはり一時保護というのは権利制限になりますので、司法審査があるというのは望ましいと思っておりまして、日弁連としても以前から必要性を主張していたところです。ただ、平成二十三年のときにやはりこの点問題になりまして、そのときに、まだやはり解決しなきゃいけない問題がかなりあるだろうということになりました。
 まず一つは、やはり、先ほど裁判所がやってくれれば少し児童相談所が楽になるんじゃないかというような話がありましたが、もちろん裁判所に持っていく、申立てをするのは児童相談所になるわけで、そうすると、児童相談所が何もやらなくても裁判所がやってくれるのではなく、申立てをしなきゃいけない。さらには、裁判所は当然司法機関ですから、資料をしっかり集めて主張しないと納得をしてくれないわけなんですね。かつ、申立てして認めてくれればそれはそれでいいんでしょうけれども、もし却下された場合には親との関係はもう目も当てられなくなるという形になると思います。
 ほかにもやはり、一時保護については要件をどうするとか、きちんとカバーできるだけの要件を整えなきゃいけないとか、いろいろ考えなきゃいけない問題がたくさんあると思っておりますので、これからまさに本当に議論しなきゃいけない重要なテーマだというふうに思っております。
 それから二つ目の、この手の問題について専門の弁護士が少ないというふうにおっしゃるのはもうまさにそのとおりでございまして、その辺りはいつも頭の痛いところなんですが、先ほど先生がおっしゃっていただいた、ほかの弁護士たちと相談をするときの守秘義務の問題ですけれども、例えば東京都を考えると、東京都の非常勤弁護士それから協力弁護士はみんな一つのグループをつくっておりまして、そこでいろいろと情報を交換するという形になる、言わばクローズドなんですね。そういうふうな形で、外に漏れない形で共有をしていくというのがこれだけ人数がいますとやることができるわけです。
 もしこれが常勤一名とか二名とかというふうになってしまうと、ちょっとなかなか難しいんではないかなというふうに思いますので、先ほども申し上げたように、それぞれの現場の工夫を是非御考慮いただきながら進めていただけると有り難いというふうに思っています。
 それから、多分最後の御質問は、私の一般的な仕事とのバランスの話で、これはもう弁護士としては本当に悩むところなんですけれども、非常にやりがいがある仕事です。ですから、もう当初は本当に手弁当で、児童相談所にある意味押しかけ女房じゃないですけれども行って、そして相談に乗って、全然もう費用もいただかないでというふうにやりました。
 ただ、率直に言って、やはり続けていくためにはそれなりの費用、経費が必要になってきます。今はもちろん東京都の方からは非常勤弁護士それから協力弁護士についても費用を出していただいていますけれども、やはり一般的に例えば労働の対価としていただけるものとしては相当であったとしても、弁護士って事務所があるんですよね。その事務所の維持というところも考えると、やはり、申し訳ないですけれども、必ずしも十分とは言えないのではないか。
 ですから、そういった意味で、今回、弁護士の配置ということがうたわれましたので、そういった経済的な面も含めてもっと話が進んでいくといいなというふうに思っております。
 どうもありがとうございました。
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辰田雄一#11
○参考人(辰田雄一君) 御質問いただいた児童相談所と区市町村の役割の分担のところについてでございます。
 児童相談所と区市町村の相談機関というのは、私は両輪というふうに考えております。児童相談所は一時保護、また施設入所、里親委託の措置、そういった介入の部分、また、区市町村は在宅のサービスメニューをいろいろ展開しながら要保護家庭についての支援を入れていくということとなります。ですので、それぞれのやっぱり専門性、そういった人員の体制の強化というのは今後もますます続けていかなければならないと思います。
 区市町村と児童相談所は、子供と子育て家庭の援助を担う機関として互いの事業と機能を理解して、その立場を時に尊重し、要保護児童に係る援助の体制の連携の強化をますます努めていかなければならないと思います。
 あと、気を付けなければいけないことは、区市町村と児童相談所は、ケースが関係機関の隙間に落ちたり、責任の所在が曖昧になることを防ぐために、必ず主担当機関を定め、緊密な連携の下、相談援助活動に取り組んでいかなければならないと考えております。
 以上です。
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木ノ内博道#12
○参考人(木ノ内博道君) 里親の支援の在り方ですけれども、一つ、一番大事なのはやっぱり地域からの支援。実は、市町村、地域の中で里親は暮らしておりますので、地域の中で正しい認識を里親について持っていただく。これはなかなか、里親って何みたいなことが非常に多いので、正しい理解を求めたいということがあります。
 それからもう一つは、やはり子供の状態によっては専門家の支援ということもまだまだ施設ほどではないんですね。そういった部分があります。
 それからもう一つ、里親支援といったときに里親にとって違和感があるのは、里親の支援ではなくて子供の支援のために、実は里親も支援者であるし、支援者も里親とパートナーを結ぶといいますか、同じ目的でやっていく。上から目線で支援を受けるというのではなくて、子供に対してチーム養育的な取組が支援としては必要なのではないかなというふうに思っております。今チーム養育と言いましたけれども、例えば要対協だとかと組みまして、関係者と会合をしながら養育している場合があります。
 もう一つ、養育時間の経過でどういった問題が起きるかということですけれども、特に起きやすいのは一年以内ですね。そういう意味では、一年以内の委託を受けた里親が集まって里親サロンをやっているような、これは埼玉県の里親会、県の方が運営していますけれども、やっておりまして、そういったポイントをつかまえて。もう一つは、発達段階、成長段階によるところもあるんですね。例えば思春期だとかに難しい問題が起きてくる、そういう場合がありますので、例えば虐待を受けた子供たちというのは体力が付いてくると今度は暴力の方に回っていくとか、そういうことがありますので、その発達段階による対応ということも支援としては必要かと思います。
 それからもう一つは、やっぱり近年は高齢児童の委託が増えているんですね。私たちのイメージというのはどうしても乳幼児あるいは学童からということでしょうけれども、イメージとしてはですね。最近は、高校生あるいは中学生になって委託を受けるということになると、なかなか家庭適応そのものが難しいという場合がありますので、こういったことについても若干支援ということが考えられていかなければいけないのかなというふうに思っております。
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古川俊治#13
○古川俊治君 ありがとうございました。
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西
西村まさみ#14
○西村まさみ君 民進党・新緑風会の西村まさみでございます。
 三人の参考人の皆様、本当に今日はお忙しい中ありがとうございました。
 時間が大変短いので、いろいろお尋ねしたいんですが、お一人一問ずつお尋ねをしたいと思います。
 まず、磯谷弁護士には、私は弁護士の資料を読ませていただきまして、どの親も子供を愛して、そして一番好ましい環境の中で育てていく、こういったことから親権というものが守られてきたと思うんです。しかし、残念ながら、昨今では御承知のように我が子を実親が虐待するといったようなこともあり、これから親権というものを真剣に考えていかなければいけないと思っています。
 ところが、現在でも、例えば特別養子縁組とか里親とかやっていく中で、親権というものがかなりの負担というか、逆に排除される要素に近づいていると思うんですが、どこかで親権というものをしっかり考えていく中で打ち切るということ。例えば、一年も二年も全く面会交流もなければ子供の様子を知る様子もないとか、そういったところで、何か親権というものを新しい方向へ子供の将来のために移していくところでは打ち切るということも必要じゃないかと思いますので、その辺のお考えをお一つお聞かせいただきたいと思います。
 また次、辰田所長には、私も六年前、八王子児童相談所を視察させていただきました。あのときでさえも大変大きな負担を児童相談所の皆さん持っており、そして業務が非常に煩雑であったと記憶しています。
 今回の法改正で大分明確化されたり、しっかりと明記されることによって、児童相談所の役割というものがこれからの子供たちのために確立されていくことと思いますが、そのために業務が拡大することによって懸念されること、例えば先ほどおっしゃっていました児童心理司なんかは配置はありますけれども基準が全く明確でないとか、もし懸念されることがありましたらお知らせいただきたいということ。
 そして最後に、木ノ内副会長には、私も家庭的な中で子供を育てる中で里親制度を非常に重要だと思っています。私のところでずっと勤めてくれていた歯科衛生士は、四十後半になって、三歳の子供を二年前より里親としてお預かりして大切に育てていると。
 ただ、里親になるためには余りに、先ほど副会長おっしゃっていましたように、周知がされていないということ。それから、例えば二回のいわゆる研修、基礎研修とか認定前研修を受けるのに、大変遠いけれども、県の中央に行かなければその研修が受けられない。二人で働いている里親になろうという人にとって、平日その時間を休んで行くということに子供を預かるんだから当たり前と思いながらも、なかなかそのハードルが高くて、一年先、二年先となって、二年前という現実があったり、里子の名前で通帳を作れないという、里親の開拓をする上で非常に現実としてクリアしなければいけない問題があると思います。
 その点について具体的な策がありましたら是非お知らせいただきたいと思うのと、お三人に聞きたいと思います。私は、やはり子供に関わることは一つの省庁をつくってしっかりそこで見ていくことが大切なんじゃないかということを度々申し上げてまいりました。おなかの中にいるときからその子がある程度自立するまで、子供家庭省なのか子供省なのか子供庁なのかは分かりませんが、そういったことの必要性ももしお感じになるところがあれば、お尋ねしたいと思います。
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磯谷文明#15
○参考人(磯谷文明君) 御質問ありがとうございます。
 親権のお話を御質問いただきました。
 やはり親権というのは家庭の多様性を保つという意味でもとても重要なものでありますし、また、恐縮ながら、政治からのも含めて介入の防波堤になるという意味でもやはり親権というのは大切なものです。一方で、やはり今の虐待の問題などあるように、これは止めるべきときは止めなきゃいけないということになっているわけです。
 現在、親権を止める制度については、既に平成二十三年の法改正で親権停止というこれまでの親権喪失よりはやや柔軟な方法も導入をされたというふうなことで、一応制度としてはある程度できてはいると思うのですけれども、問題はそれをやはりどう使っていくのかというところです。
 一例を挙げますと、今でも子供を施設に入れていわゆる親子分離をするときに使われるのが児童福祉法二十八条。これは要するに、施設入所をさせるには親権者の意思に反しないことが必要だと、ところが親権者が反対する場合には二十八条を使うわけですね、裁判所が承認をすれば施設に入れると。ところが、二十八条というのは親権については基本的に何も言っていないんですね。そうすると、施設に行った後、やはりいろんなトラブルが出てくるということになります。
 この点も二十三年の法改正である程度改善はいたしましたけれども、私としては、やはりもう親子分離して施設に入れるのであれば、基本的に親権を止めるということも考えるべきではないかと。ちょっと極論と言われるかもしれませんが、二十八条よりもむしろ親権停止を使うべきではないかというふうにも考えております。
 それから、親権のところでもう一つやはり問題になるのは、これは厳密には実は親権の話ではないのですけれども、特別養子のところで、もちろん父母が同意をして特別養子ということもありますけれども、一方で、虐待などの場合には同意がなくても特別養子ができるという規定には一応なっているんですね。
 ところが、恐らく親権あるいは実父母との関わりというのに非常に大きな、やっぱり重要だというふうな認識の下、なかなかそこが、特別養子がクリアできない、特別養子が認められにくい、そこ辺りはそれでいいのかという問題ですね。先ほどどなたかが永続性というふうなお話がありましたけれども、永続的な親子関係を与えてあげる、そういう制度を使うときに余りにハードルが高いというのはどうなのかという、そこの議論はやっぱりこれからしていかなきゃいけないというふうに思っています。
 最後に、子供省のお話で大変共感をさせていただきました。私も日本の縦割り行政にはやはりああと思うこともございますので、やはりこういうふうな一つの省庁で子供のことをきちんと見ていけるというのはよろしいのではないかなというふうに思います。
 どうもありがとうございます。
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辰田雄一#16
○参考人(辰田雄一君) 御質問ありがとうございます。
 児童相談所の業務のところについてですが、虐待の急増というのはこれで止まったわけではありません。今後まだまだ右肩上がりで上がっていく傾向があります。ですので、やっぱり児童福祉司、児童心理司の質また量についてはまだまだ今後検討していかなければならないと思っておりますし、心理司の配置基準についても今後明確に示していただきたいと思います。
 そして、重複しますが、あと、調査権の話です。磯谷参考人の方からもありましたとおりに、調査を求める、その拡大ができたことは評価をしております。でも、まだまだ、やっぱり公私の団体に拡大していただきたいと思いますし、今は、資料などを提供できるものとすると、あくまでもお願いベースでしかありません。結局、今もそれで断られたりされています。
 ですので、そこについては報告を求めることができる応答義務にしていただきたいと思っています。そうしないと、やっぱり子供の情報だけではなくそれを育てる親の情報もなければ、この子を今一時保護しなければいけないのかどうなのか、そういったやっぱり判断、アセスメントができません。そこを是非お願いしたいと思っております。
 最後に、あと、児童相談所は相談部門だけではありません。虐待を受けた子、またいろんな子供を一時保護しております。そういった一時保護した子供たちについての職員配置についても現行の児童養護施設準拠を改め、学習機会を保障する、保障を含めた一時保護所独自の最低基準を制定するとともに、傷ついた多くの子供たちのケアを含めた施設整備の経費、また一時保護委託等に伴う改善も講じていただきたいというふうに思っております。
 以上です。
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木ノ内博道#17
○参考人(木ノ内博道君) 里親開拓の課題といいますか、問題ということなんですけれども、一つ目は、やはり認定会議そのものが、これは地域によっても違うんですけれども、年に二回であるとかということですので、思い立ってすぐ里親になれるというものではなくて、大体研修も含めてやりますと一年、二年掛かってしまうというのはちょっと残念かなというふうに思っております。
 それからもう一つは、やっぱり里親というとボランティア意識が里親の方にもあるんですけれども、例えば研修に行くとかあるいは認定に行く、非常に県の中で遠い場合もあるんですね。さらに、もっとひどいのはマッチングでしょうか。施設に何度も里親が通って、子供を受託するに際して毎週土曜日に行く、そういった交通費も出るわけではないので、私は、少なくともこういったことが里親の善意に寄りかかるだけではなくて、もっと交通費ぐらいは出していただきたいなというふうに思っております。これは、東京都が初めて今年度、そういった里親委託する前提になった家庭を候補家庭というふうに呼んで初めて取り組んでいただきました。そういうことが全国に広まっていただければいいかなというふうに思っております。
 以上です。
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西
西村まさみ#18
○西村まさみ君 三人の参考人の皆様、本当にありがとうございました。
 私たちも、多分共有した認識の下で、日本の宝である子供たちが親の環境に左右されることなく家庭的な雰囲気、本当は家庭が一番いいのは誰もが分かっていますが、それがかなわなかった子供たちに対してこれからも是非ともお力をお貸しいただきますことをお願いを申し上げまして、質問を終えたいと思います。
 ありがとうございました。
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佐々木さやか#19
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。
 今日は三人の参考人の皆様、大変貴重な御意見をいただきまして、心から感謝を申し上げます。
 磯谷参考人にお聞きをしたいと思います。
 御意見の中にありました児童相談所と弁護士の関わりについては、私はおっしゃるとおりだというふうに思います。
 今回、この弁護士配置、児童相談所における弁護士配置を定めるということは私も画期的だというふうに思っておりますけれども、お話にもありましたとおり、これがもし、じゃ必ず常勤と、そういうことになりました場合には、常勤でいていただくわけですから、子供の問題に精通した経験のある弁護士の先生に来ていただきたいわけですよね。しかしながら、そういう先生というのは、事務所を御自分で持っていらっしゃって、ほかの仕事も当然やっていますから、そうした事務所を全部例えばやめて、常勤で一定期間児童相談所にだけ勤めるということはなかなか難しいわけであります。ですから、そうなると、やはり比較的若手の先生ということになるわけですけれども、そうなると、じゃ、経験が十分かという問題も出てくると。
 ですから、やはりこの人材の確保というのが非常に課題だなと思いますし、おっしゃるとおり、仮に比較的若手の常勤弁護士の先生をいていただくということになった場合には、一人じゃ分からないこともたくさんあると思いますので、弁護士会の先生方と地域の先生方とよく連携をしていただくということが非常に重要であると思います。
 地域の実情に合わせてというところも全くそのとおりだというふうに思います。私は神奈川なんですけれども、神奈川でも全ての児童相談所に複数の弁護士の先生が担当で付いていただいています。実際に相談所に行って会議をするのは月に何回かかもしれませんけれども、何かあればすぐに電話とかファクスとかで連携を取って相談ができるようになっていると。
 そうした連携が取れるようになるまでには、弁護士の先生たちのそれまでの御苦労がいろいろあって、試行錯誤もあって、だんだんと児童相談所と信頼関係を築いてきて、そういう歴史があるわけですから、それがそれぞれの地域にあると。そういったことが今回のせっかく弁護士配置を位置付けるということで何か阻害されたりするようなことがあってはもう本末転倒ですので、そうした地域の実情に配慮をした、そういう運用にしていかなければならないと思っております。
 そういったことを思うわけですけれども、児童相談所と参考人の方でも資料に書いていただきましたとおり、今回の法改正に伴って、これを契機にして児童相談所と弁護士との連携を更に深めていくということが期待されるという御指摘でした。今までも連携はあるわけですけれども、じゃ、具体的にどのように深化をさせていくことが重要かという点をまずお聞きしたいと思います。
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磯谷文明#20
○参考人(磯谷文明君) どうもありがとうございます。
 本当に今、先生に大変私の申し上げたいことを理解していただいたということがよく分かりまして、大変心強く思いました。
 連携をこれから深めていくということですけれども、先ほども少し申し上げましたが、やはり東京とか先生の神奈川とか非常に既に連携が深まっているところもありますけれども、率直に申し上げて、全国を見渡しますと、まだそこまで行っていないところがむしろ大多数だというふうに思っております。
 そういう意味からしますと、まず非常勤でいいのでとにかく弁護士を各児相に配置しましょうというふうなところからスタートするというのは現実的でもあるし、また関係を全体的に深めていくという意味でとてもいいことだと思っております。
 この点、今日は私、日弁連代表して来ているわけではございませんけれども、日弁連の方もできるだけそういったことに対して応じられるように、弁護士の育成とか、あるいは非常勤でも何でもなった弁護士のサポートをするとか、もう実は、この十月一日が施行というふうに伺っておりますので、もし成立しますと、本当に時間がないんですけれども、今急ピッチでその辺りどうするかという議論をもう既に始めているところでございます。できる限りそういう意味ではいい形を我々もつくっていきたいと思っております。
 ありがとうございます。
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佐々木さやか#21
○佐々木さやか君 ありがとうございました。
 もう一問磯谷先生にお聞きをして、ちょっとそれで時間がいっぱいになるかなと思いますけれども、最初の方に体罰禁止について端的な形では盛り込まれなかったというところについて指摘をいただきましたが、民法との関係についてはどういうふうに考えていったらいいのかなと思いながら、今後も引き続き議論を深めていくということが重要ではないかと思っております。
 参考人は、民法とは別に、児童福祉の観点から体罰を禁止するということは法制上も問題ないというふうに考えていらっしゃるということですけれども、この点についてもう少しお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
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磯谷文明#22
○参考人(磯谷文明君) 引き続き御質問ありがとうございます。
 体罰につきましては、やはり悪いことをやった子供だから叱られて当然だというふうな従来の考え方がある一方で、しかし、その体罰で実質的な虐待を肯定してしまうというふうなことがもう現場ではよく見えるものですから、私どもは、やはりこの体罰というのが望ましくないんだということをきちんと国民の皆様に御理解いただくということがとても重要だというふうに思っているわけです。
 ですから、例えば体罰をしたからそのことだけで何か処罰をするとか、そういうことではなく、少なくとも体罰というのはよくないんだということをきちっと御理解いただく、これが物すごく重要だというふうに思っております。
 そういう意味で、ある考え方からすれば、体罰というのは懲戒権の一環なわけだから、懲戒権は民法のことだと。今回、児童虐待防止法、児童福祉法の改正だから、民法とは別なんだから、そこまで踏み込むのはどうかというお話も何か聞くことがあるわけですけれども、私としてはむしろ、民法ではそれはできるのかもしれないけれども、児童福祉の価値観といいますか、児童福祉の考え方から体罰というのはよろしくないんだということを打ち出すということは、やっぱり一般の家庭にとってとても重要だというふうに思っております。
 具体的には、今回事務局の方で関連資料として配付をしていただいております通し番号十五ページのところ、これは私が専門委員会の中で作成をいたしましたもので、条文イメージというものをちょっと作っておりますけれども、第一条の四項のところで、何人も児童に体罰その他児童の心身に害悪を及ぼすおそれのある罰を与えてはならない、こういうふうなことを設けることは十分可能ではないかなというふうに思った次第であります。
 ありがとうございます。
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佐々木さやか#23
○佐々木さやか君 以上で終わります。ありがとうございました。
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小池晃#24
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 三人の参考人の皆さん、ありがとうございます。
 まず、磯谷参考人にお伺いしたいと思うんですが、本改正案の一条に子どもの権利条約の精神ということが明記されたことの意義なんですが、これはやはり保護の対象から権利の主体という点では非常に画期的ではないか、非常に大きな役割があると思うんですね。先ほど参考人もこれからこれはじわじわ効いてくるというようなお話をされましたけれども、このことでどのようなことを期待されているか、その意義も併せてお聞かせください。
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磯谷文明#25
○参考人(磯谷文明君) 御質問ありがとうございます。
 日本は御承知のとおり子どもの権利条約は締結をしているわけですけれども、なかなか実際の法制度に浸透してこなかったというふうに思っておりますが、今回、この児童福祉法にそのことが、しかもその一番最初に明記されたというのはとても画期的だと思いますし、この点は、私の理解では大臣が随分この子供の権利ということをお考えになったと伺っております。そういったところも反映されたものというふうに理解をしております。
 これがどういうふうに効いてくるかというところはなかなか容易に予測は難しいのですけれども、やはり子どもの権利条約の一つの大きな目玉というのが意見表明権で、やはり子供が自分のことについて意見をきちんと述べて、かつ、年齢や成熟度等には応じますけれども、尊重されるということになっています。
 児童福祉の現場でも、もちろん実際上は子供の話も聞きながら援助方針を決めてはいますけれども、それをもう少し明確に意識付けをしてやるというふうなこともこれから考えていくことになるのかなというふうに思っています。児童福祉というのはやっぱりどうしても子供を助けてあげるというふうな形の発想になりがちですけれども、そこで一体、でも子供はどう考えているだろうか、もちろん子供が考えていることが全て正しいわけでないのはこれは残念ながらそうなんですけれども、やっぱりそこをきちんと受け止めるやり方というのをこれから具体的に考えていけるんじゃないかなというふうに期待をしているところであります。
 以上です。
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小池晃#26
○小池晃君 ありがとうございます。
 辰田参考人にお伺いしたいと思うんですが、家族統合というのは本当に今大変になってきているんじゃないかなと。特に、阻害しているものは一体何なのかという辺りで、虐待の要因の一つにやっぱり子供の貧困ということが指摘をされていると思うんですね。現場でお仕事されていて、この貧困という問題が家族統合にどのような影響を与えているというふうにお感じか、お聞かせください。
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辰田雄一#27
○参考人(辰田雄一君) 御質問ありがとうございます。
 虐待の発生している家庭について、イコールではありませんが貧困の家庭が多くあることは事実であります。当然そういった経済的な基盤の弱さ、またそういった家庭において、いらいらだとかそういったものがやっぱり力の弱い子供に向かってしまうというところで虐待が発生している家庭が数多くあります。
 そして、まず、家族再統合に向けてというところでは、当然虐待したことを親にきっちり認識してもらい、そのためにどうしたアプローチ、子供への関わり方だとか、そういったところをまたペアレントトレーニングなどいろんなケアを入れながらやっていきます。ただ、当然、でも経済的な貧困が解決しているわけではありませんので、やっぱりそういったところにどのように親に対しての支援をどう入れていくか、そこもやっぱり並行して考えていかなければなかなか厳しい状況にあろうかと思います。
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小池晃#28
○小池晃君 ありがとうございます。
 重ねて、一時保護所の実態なんですけれども、非常に、非行、虐待、混合処遇となっているということで、そこに過密という問題が加わって非常に困難が生じているというふうに聞いているんですが、その点どのようにお考えでしょうか。
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辰田雄一#29
○参考人(辰田雄一君) 御質問ありがとうございます。
 今、一時保護所の方も、本当に保護されている子供の種別は様々です。そこで必要な保護ということは、やはり保護所がいっぱいだから保護しないということでは当然ありません。必要な保護は児童相談所長はしっかり判断して保護所に入れなければならないと思っていますし、当然保護先は一時保護所だけで対応するものではなく、また保護する子供の中で養育困難だとかそういったものがあれば、例えば里親さんの方に一時保護委託を掛けたり、そしてまた学校の方に通学できる体制を取ったりだとか、そこはいろいろ考え方はあろうかと思っております。
 ただ、混合処遇は、そこは賛否、正直あります。そこへ虐待の子、また非行の子も入ってくる。そういう中で、じゃ、一律的にはどういった支援をしていったら、一律ではないところもありますし、個別的なところをしていかなければならない。やっぱり学校の教育の保障もどうしていってあげたらいけないか。
 先ほど質問の方で回答させていただいたとおり、そこの今配置の基準というのが児童養護施設に準じてなんですね。そこは一時保護所独自の職員配置だとか、そういったこともやっぱり考えて、個別のニーズに応えられる体制を整えていかなければならないと考えております。
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