農林水産委員会

2016-04-05 参議院 全184発言

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会議録情報#0
平成二十八年四月五日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     堀内 恒夫君     熊谷  大君
 四月一日
    辞任         補欠選任
     渡邉 美樹君     長谷川 岳君
     浜野 喜史君     徳永 エリ君
 四月五日
    辞任         補欠選任
     熊谷  大君     柘植 芳文君
     徳永 エリ君     野田 国義君
     山口那津男君     新妻 秀規君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         若林 健太君
    理 事
                山田 修路君
                山田 俊男君
                小川 勝也君
                紙  智子君
    委 員
                高橋 克法君
                柘植 芳文君
                中泉 松司君
                野村 哲郎君
                長谷川 岳君
                馬場 成志君
                舞立 昇治君
                山崎  力君
                郡司  彰君
                田中 直紀君
                野田 国義君
                柳田  稔君
                新妻 秀規君
                平木 大作君
                山口那津男君
                儀間 光男君
   国務大臣
       農林水産大臣   森山  裕君
   副大臣
       農林水産副大臣  伊東 良孝君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       佐藤 英道君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       農林水産大臣官
       房検査・監察部
       長        大浦 久宜君
       農林水産省経営
       局長       奥原 正明君
       水産庁長官    佐藤 一雄君
       海上保安庁警備
       救難部長     秋本 茂雄君
       海上保安庁交通
       部長       尾関 良夫君
       環境大臣官房審
       議官       早水 輝好君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○漁業経営に関する補償制度の改善のための漁船
 損害等補償法及び漁業災害補償法の一部を改正
 する等の法律案(内閣提出)
    ─────────────
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若林健太#1
○委員長(若林健太君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る一日までに、堀内恒夫君、浜野喜史君及び渡邉美樹君が委員を辞任され、その補欠として熊谷大君、徳永エリ君及び長谷川岳君が選任されました。
    ─────────────
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若林健太#2
○委員長(若林健太君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 漁業経営に関する補償制度の改善のための漁船損害等補償法及び漁業災害補償法の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、農林水産大臣官房検査・監察部長大浦久宜君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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若林健太#3
○委員長(若林健太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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若林健太#4
○委員長(若林健太君) 漁業経営に関する補償制度の改善のための漁船損害等補償法及び漁業災害補償法の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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高橋克法#5
○高橋克法君 自由民主党の高橋克法です。
 私のふるさと栃木県に海はありません。ただ、豊かな川の恵みがあります。湖の恵みもあります。もう春を迎えていますけれども、もうすぐ、地方によって言い方は違いますが、我々の方は婚姻色でおなかが真っ赤になったハヤのことをアイソと言います。そして、そのアイソの産卵の習性を利用して投網を打って、もうすぐアイソ漁が始まります。これを焼いてサンショウみそで食べると大変おいしい。そして、その後はアユ。初夏から夏にかけては、近くの小川に夕方筌を掛けておくと、翌朝ドジョウが掛かっていて、時にはウナギなんかも入っていて、ナスとドジョウのみそ汁、丸のまま太いドジョウを食べるんですが、小さいときに頭から骨ごと食べないとおやじにげんこつを食らいながら食べた記憶があります。おかげさまで骨太に育ちましたけれども。そして、秋になると、那珂川にサケが遡上してきます。冬になると、三陸、北海道から塩でしっかり味がしみた、塩引きと言いますが、塩引きがやってきて、毎日のようにその塩引きの切り身を食べていました。弁当鉢に塩引きの切り身が一個入って梅干しが一個付いているだけで、もうそれでどか弁一個食べられる、そんな中で育ってきました。
 ですから、海の恵み、川の恵みは私たちのおなかを満たしてくれていただけじゃなくて、私たちの心も精神も満たしてくれた。そんな感謝の思いを抱きながら、今日は質問をさせていただきます。
 今国会に漁船損害等補償法及び漁業災害補償法の改正案が提出をされましたが、これまで漁船損害等補償制度及び漁業災害補償制度が果たしてきた役割、そして今回の法律改正の意義、またこの改正によって期待される効果についてどのようにお考えなのか、大臣にお伺いいたします。
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森山裕#6
○国務大臣(森山裕君) 高橋委員にお答えをいたします。
 今の話を聞きながら、やはり日本の食文化はすばらしいなと改めて思いましたし、漁業問題というのはしっかり取り組んでいくことが大事なことだなというふうに強く感じたところであります。
 ところで、漁船損害等補償制度及び漁業災害補償制度は、いずれも漁業や漁船に生じた不慮の事故等による損害を填補する制度であります。漁業の再生産の確保及び漁業経営の安定に重要な役割を果たしていると考えております。
 一方、漁船損害等補償制度は、東日本大震災の際、一部の組合では準備金だけでは補償金全額の支払ができなかったという教訓を生かし、南海トラフ地震等に備える必要があると考えております。漁業災害補償制度は、タイ、ハマチ等の養殖共済において地域漁協内の全員が加入しないと共済に加入できない等の課題がありますので、今般、大災害時の補償の充実、安定及び意欲ある漁業者の経営の安定を図るため、所要の法律改正を行うこととしたところであります。これによりまして、漁業者のセーフティーネットの充実が図られ、安心して漁業に従事していただけるようになるものと考えております。
 以上でございます。
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高橋克法#7
○高橋克法君 それでは次に、各制度ごとに水産庁に質問をさせていただきます。
 まずは、漁船損害等補償制度についてです。
 今回、漁船保険団体においては、現行四十五団体を新たな一組合に統合させるということですが、今回の統合一元化は、先ほど大臣のお話にもありましたように、東日本大震災のような大規模な災害が起こった場合であっても保険金の支払に支障が出ないようにする、そのために財政基盤を強化することを目的としております。しかしながら、現在、各地域ごとに漁船保険組合が設立をされ、それぞれ独立して漁船保険に関する業務を行っております。
 これに関しまして、今回の組織統合一元化の主目的ではありませんけれども、組織統合一元化により組織の合理化は図られるのか、水産庁にお聞きしたいと思います。
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佐藤一雄#8
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 まず、組織統合一元化の主目的でございますが、先ほど森山大臣の方から御答弁ありましたように、大規模災害が発生した場合であっても保険金支払が可能となるよう財政基盤を強化して、将来にわたってこの事業基盤を安定させる必要がございます。他方、この組織体制の見直しが行われる中で業務の効率化が図られまして、これによりまして、経費の削減など必要とされる合理化は当然ながら行われるものと考えているところでございます。
 なお、現在の漁船保険組合につきましては、統合後の組合の支所として存続いたしまして、現状どおり職員が配置される見込みとなっておりますので、これにより組織統合後も円滑に事業実施が可能と、こんなふうに考えているところでございます。
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高橋克法#9
○高橋克法君 組織統合一元化についてもう一つお聞きします。
 今回の組織統合一元化は、さきの東日本大震災において漁船保険の支払に支障が出たことからというふうにお話を聞きましたけれども、既にもう東日本大震災から五年が経過しています。少し遅いのかなという気がするんですが、なぜもっと早くこの組織統合一元化に着手できなかったのか、その説明を求めたいと思います。
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佐藤一雄#10
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 漁船保険団体におきましては、年々厳しくなる経営環境というものを憂慮いたしまして、組織の統合一元化ということを検討してきたところでございます。
 また、東日本大震災の際に、岩手県と宮城県の漁船保険組合におきましては、当該組合の準備金だけでは保険金金額の支払ができないという事態となりまして、組織統合による事業基盤強化の必要性が改めて認識されたところであります。他方、東日本大震災の発生後しばらくはその被害の査定、支払を最優先の業務としてきておりまして、組織統合一元化の準備作業を本格的に進めるまでに時間を要したところでございます。
 また、その際、やはり関係者との調整、そして丁寧な合意形成を図るために、全ての組合、四十五組合あるわけでございますが、この組合について統合一元化のための決議を経ることとしたところでございまして、これが平成二十七年六月に全ての組合におきまして決議がそろいまして、組織統合一元化に向けた体制が整ったところでございます。
 また、この間、水産庁といたしましても、制度改正につきまして有識者検討会を開催し、検討を進めまして、本法案の準備を行ってきたところでございます。本法案が成立した場合には、漁船保険団体の統合一元化が円滑になされるよう、指導、助言を行っていきたいと、このように考えているところでございます。
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高橋克法#11
○高橋克法君 組織統合一元化についての経緯、丁寧にきちっと積み上げてきたというのは分かりました。
 次は、漁船保険による填補範囲の拡大についてお聞きしたいと思います。
 今回の改正におきましては、これまで填補の対象としてこなかった拿捕、抑留等による損害の填補対象を拡大するということでありますが、通常、保険というのは、ある程度の母集団があって、それで保険設計を行うんだと思っています。拿捕、抑留等による損害等は通常の漁船保険事故と比較してそれほど頻度は高くないと思いますが、この拿捕、抑留等を填補する部分だけで保険として成立するのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
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佐藤一雄#12
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 本法案におきまして拿捕、抑留等によります損害を新たに填補対象とするわけでございますが、この拿捕、抑留等による事故によって生じる損害というのは、遠洋で漁業を行う漁船など特定の水域で操業する漁船のみに生じ得るものであります。また、このように特定の漁業者に限定して生じ得る事故に対する填補を、これを全ての保険加入者の負担とすることはやはり不公平であるといったようなことから、拿捕、抑留等によります事故によって生じた損害につきましては、既存の保険制度の特約として、特約の中で保険料と保険金支払が均衡するよう設計することとしているところでございます。
 他方、あくまで既存の保険の特約でありますことから、仮に大規模な事故が発生した場合も、事業基盤の強固な既存の保険の会計内で一時的に資金を融通して危険分散を図ることが可能な仕組みとなっているところでございます。
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高橋克法#13
○高橋克法君 よく理解できました。
 次に、漁業災害補償制度についてお聞きします。
 今回、養殖共済において全員加入制度を撤廃するということでありますが、その撤廃する理由としては、共済に入りたい人が入れないということが問題とされていると聞いています。確かに、共済への加入を希望する漁業者が共済に入れないというのは問題でありまして、この改正は必要であると考えています。
 ただ、しかしながら、この全員加入制度は、良くも悪くも地域でのつながり、同じ地域で一緒に共済に入って同じく頑張っていこうという地域のつながりについて役立っていたというのもこれも事実であります。また、この結果、共済加入者がある程度維持確保されて共済基盤の安定に資することになっていたことも事実だと思います。
 今回、この全員加入制度を廃止すると加入離脱者が現れて共済基盤の安定に逆行するのではないか、そういう心配がありますけれども、この点につきまして見解を伺いたいと思います。
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佐藤一雄#14
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 今先生の方から御指摘ございました漁業共済制度の全員加入制度の撤廃によりまして、言葉の使い方としては表現が適当かどうか分かりませんが、現在お付き合いで加入している漁業者が脱退する可能性といったものは、これは否めないところでございますが、ただ、現在約七割の漁業者が漁業災害補償制度を基盤とした漁業収入安定対策事業、これ積立ぷらすと呼んでおりますが、これに加入しているところでございまして、こういうことから鑑みますと、脱退者が非常に多く出るといったようなことはなかなか想定し難いのではないかと、こんなふうに考えているところでございます。
 また、集落との関係がございましてお付き合いで加入している方といった方につきましては、一般的に掛金負担を低く抑えるために共済の契約金額を低く設定しておりますことから、たとえ脱退したといたしましても、保険事業の安定性に与える影響はこれは限定的ではないかと、こんなふうに考えているところでございます。
 なお、全員で加入する場合には共済掛金の国庫補助が適用されるという仕組みは今般の制度改正後も引き続き残すこととしておりまして、このような仕組みによって漁業者の共済加入へのインセンティブの確保に努めていきたいと、こんなふうに考えているところでございます。
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高橋克法#15
○高橋克法君 次に、特定養殖共済における掛金補助制度の改正について質問いたします。
 今回の改正によって、特定養殖共済では掛金補助制度による高率の国庫補助を得やすくなるということでありますが、そのために特定養殖業者から漁業依存度の低い者を除くこととするというふうに聞いています。
 確かに、今回の改正については、本来ならば高率の国庫補助を受けるべき意欲ある漁業者がその制度を十分利用できていないのが問題とされてきたところでありますので、この改正は必要だと思いますが、逆に、特定養殖業者から漁業依存度の低い者を除くということは、小規模漁業者の切捨てにつながるのではないかという心配をしています。この点についてどのようにお考えか、お伺いします。
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佐藤一雄#16
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 今回の改正法案におきましては、地域漁協内の特定養殖業者のうち、漁業依存度の低い養殖業者を除く全員が共済に加入すれば、高率ということで二分の一の掛金補助がもらえるよう措置することとしているところでございます。他方、今回の改正案におきましては、あくまでもこの二分の一の高率の掛金補助の要件を見直すものでございまして、漁業依存度の低い方でありましても共済に加入する意思がある場合には、引き続きこの共済加入自体、加入することは可能となっておるところでございます。
 また、今後、この二分の一、高率の掛金補助の要件を満たす地域漁協におきましては、漁業依存度の低い共済加入者に対しましても同様に掛金補助を措置する方向で政令等の整備を行っていく考えでございまして、小規模漁業者の切捨てといったような指摘は当たらないと、こんなふうに考えているところでございます。
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高橋克法#17
○高橋克法君 くれぐれも小規模漁業者切捨てなどというように後になって言われないように、しっかりと制度設計をやっていただきたいと思います。
 次に、ウナギ養殖業の共済への追加に関連して質問させていただきます。
 今回の法律改正によって、これまで養殖共済の対象としてきませんでした内水面養殖業、これを新たに共済の対象とすると聞いております。また、今回はまずウナギ養殖業を共済の対象とするということでありますが、我が国にはウナギ以外にもアユ、ニジマス、陸上ヒラメといった様々な内水面養殖業があります。
 なぜ今回ウナギだけを養殖業に追加をしてウナギ以外の内水面養殖を共済対象としないのか、その理由をお答えいただきたいと思います。
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佐藤一雄#18
○政府参考人(佐藤一雄君) 養殖共済への魚種の追加に当たりましては、まずやはり現場に共済ニーズがあるといったようなこと、また妥当な掛金水準で保険設計ができるといったこと、また損害の現場確認といった漁協の協力体制が確保され、そして客観的な損害査定といったことができるといったような要件を満たして初めて保険設計が可能となるものと考えておりまして、こうした保険設計が可能となったものから順次追加することとしているところでございます。
 今回追加を予定しておりますウナギでございますが、まず、ウナギにつきましては、稚魚でございますシラスウナギの高騰、そして供給量の減少によりまして、事故が起きた場合の経営への影響というものが非常に大きくなっておりまして、共済創設の要望が特に強くなっているところでございます。また、近年のウナギの生産金額が約五百億円ということになっておりまして、十分な保険母集団を確保できておりまして、妥当な掛金水準での保険設計が可能となっているといったこと、また共済団体と養鰻漁協との間で協力体制が確保されることとなったことから、今回追加することとなったところでございます。
 また、先ほど先生の方からお話ございましたウナギ以外の内水面の養殖の魚種でございますが、やはり死亡リスクが高く妥当な掛金水準で保険設計を行えないものがあるといった状況のほか、やはり各漁協と共済団体との協力体制が必ずしも確保されていませんで客観的な損害査定に課題を有しているといったようなことから、魚種追加の対象とはしていないところでございます。
 なお、今後、ウナギ以外の魚種がこれらの要件を満たした場合には順次追加に向けた検討を行うこととしたいと、こんなふうに考えているところでございます。
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高橋克法#19
○高橋克法君 ウナギ以外の魚種についても、それぞれの事業者の方々がどういう意識でどう協力体制を取れるか、もろもろの条件はあると思いますけれども、そういうニーズが高まったときにはできれば積極的に指導をし、そしてこの魚種の追加に入れるように、そんなことを常に念頭に置きながらやっていっていただきたいと、そのように要望いたしたいと思います。
 次に、内水面漁業、いよいよ栃木県でございます。
 まず、東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、栃木県においても遊漁者が激減をいたしました。その後、出荷制限等が解除されるなどして遊漁者が戻ってきつつありますけれども、内水面漁協の収入、これはもう遊漁料の収入がメーンでありますから、それが原発事故前まで届いていません。東電による賠償を加えても、まだそれでも事故前の収入には届いていないという状況で、厳しい状況が今続いています。風評被害のために、内水面漁協の経営を大変私自身も憂慮をしているところなんです。
 例えば、四月一日にマス釣りの聖地と呼ばれている中禅寺湖で岸釣りが解禁になりました。この中禅寺湖のマス釣りなんですが、原発事故の翌年の二〇一二年には百六十人、激減をいたしました。四月一日の解禁日です。幸いなことに、今年は四百十二人の釣り人の方が来てくれました。昨年と比べると一〇%ぐらい増えています。でも、まだまだ事故前の水準には達していない、そういう状況が続いているという現実があります。
 そこで、原発事故による内水面での風評被害について、国がどのような対策を取っているか、水産庁長官にお伺いしたいと思います。
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佐藤一雄#20
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 まず、水産物の放射性セシウムのモニタリングというのをやっておるわけでございますが、現在の状況でございますが、震災以降、約八万七千検体、平成二十八年二月末でございますが、この検査を実施したところでございますが、その結果、平成二十七年四月以降でございますが、国の基準値である百ベクレルを超えるものは、海面では検出されておりませんが、残念ながら内水面では十四検体から検出されたと、こういうような結果になっているところでございます。
 農林水産省といたしましては、風評被害を防ぐといったようなことから、地方自治体が行います水産物モニタリング調査、これについてはなかなか地方公共団体だけでは難しゅうございますので、この調査をまず支援するといったこと、また、このモニタリング調査の結果につきましては、ホームページへの随時掲載、あるいは国内外に向けた説明資料の作成や説明会の実施等によりまして消費者への情報提供を行ってきたところでございます。
 また、国立研究開発法人水産研究・教育機構というところがございますが、ここにおきましては、放射能と魚について分かりやすく説明した冊子の作成、配布を行っているところでございまして、今後とも、消費者等に対しまして正確で分かりやすい情報提供を行っていきたいと、このように考えているところでございます。
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高橋克法#21
○高橋克法君 風評被害に苦しんでいる漁業者の方々、息長く、地道に着実にできればサポートしていっていただきたい。これは、漁業者の努力というのは限界がありますから、是非ともよろしくお願いしたいと思うんです。
 次に、その内水面漁協の経営状況についてお尋ねしたいと思います。
 私の地元の栃木県には二十二の内水面漁協がありますが、その大多数が非常に規模が小さい漁協でありまして、経営基盤が非常に弱い状況にあります。中にはいろいろな、先ほどの原因も含めて、遊漁者の減少などによって経営難に直面しているという漁協もあります。
 内水面漁協については、河川の清掃活動、稚魚の放流、遊漁者の指導などを通じて河川環境を維持してくださっており、人と自然が共生するために必要な組織であるというふうに認識をしているんです。このため、内水面漁協の存続が非常に重要であると考えているんですけれども、このような内水面漁協の経営状況について、国としてどのように認識をされているのか、水産庁長官にお伺いします。
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佐藤一雄#22
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 内水面漁協でありますが、組合員の生産した水産物の販売事業あるいは組合員に対する資材の購買事業を主な収入源とする沿海漁協と異なりまして、この内水面漁協につきましては、その収入の多くを遊漁料収入と組合員からの賦課金に依存しているというふうに認識しているところでございます。
 内水面漁協の経営につきましては、近年この遊漁料収入の減少によりまして厳しい状況にあると認識しておりまして、経営改善のためには、その収入源でございます遊漁料収入の確保が、これが重要と、このように考えているところでございます。
 この遊漁料収入を確保するためには、やはり遊漁者を増やすことが重要でございまして、そのために体験学習等の普及啓発活動や、やはり魅力ある川づくりのための漁場環境改善、あるいはカワウあるいは外来魚の被害対策等をしっかり進めることが重要と、このように考えているところでございます。
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高橋克法#23
○高橋克法君 水産庁長官の答弁のとおり、いかに魅力ある川をつくっていって遊漁者を増やしていくか、これに尽きるんですけれども、全国のいろいろな漁協で数々のいろんな創意工夫をされている、そして中には成功している事例もある、そういった情報をほかの漁協も共有をして、それぞれの地域のそれぞれの漁協が先進事例を学習しながら自らの漁協に反映していく。そのためには情報が必要であるということにもなりますので、そういった役割も水産庁でしっかり担っていただきたい、そんな思いがあるんです。
 もちろん、内水面漁協自身が創意工夫してそういう努力をしていくということがこれ大前提なんですけれども、実は、内水面漁協自体の努力を超えてしまう現実がある。それは先ほど水産庁長官がおっしゃられた、実はカワウや外来魚による被害というもの、これ非常に深刻です。これらの問題については、内水面漁協だけの努力ではなかなか対応し切れる問題ではないというふうに自分自身は現場を見て感じています。
 これも地元の下野新聞に先日出ていましたけれども、今年、那珂川の天然アユの遡上が例年よりも五日ほど早く始まりました。昨年からは二十一日も早く始まって、しかもその形も平均で九・五センチという非常に良い天然のアユの稚魚が今遡上してきているんです。遡上が早い、そして形が良いという年は、これはもう豊漁と言われているんです、過去の経験値からいって。ただ、この豊漁は、実はカワウや外来魚にとっての豊漁になりかねない。那珂川に長く滞留するということは、それだけもうカワウにとっては毎日ごちそうになるわけでありますし、外来魚にとっても非常に餌が豊富になるということになるんですね。
 でありますので、これらカワウや外来魚による漁業被害の現状についての水産庁の今の認識と、それに対する国の支援についてお伺いしたいと思います。
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佐藤一雄#24
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 まず、カワウでございますが、このカワウの一日当たりの捕食量といいますか摂取量で、約五百グラムの捕食量があると言われておりまして、先ほど先生がおっしゃいましたが、今アユや何かを食べちゃうというようなことで、養殖場の魚が食べられるなどの養殖業の直接的な被害が出ているわけでございますが、放流をしたばかりの稚アユ等が大量に食されまして漁獲量が減少するといったような被害が生じておるところでございます。
 また、外来魚につきましても、湖沼においてオオクチバスやブルーギル、これによりまして在来魚が食害される被害が出ておりますほか、近年では、河川におきましてコクチバス等によりまして生態系や内水面漁業への悪影響を及ぼしているといったようなことが指摘されているところでございます。
 水産庁といたしましては、健全な内水面生態系復元等推進事業というものによりまして、カワウや外来魚の駆除活動への支援のほか、河川におけますコクチバス等の駆除技術開発を行っているところであり、今後とも必要な施策をしっかり講じてまいりたいと、このように考えているところでございます。
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高橋克法#25
○高橋克法君 カワウ、外来魚駆除に対する国からの補助金を活用して駆除作業をこれまでもやってきましたけれども、なかなか劇的な効果というのはないという現実があります。これ、どこかでこの連鎖を断ち切らなきゃならない、そういう意味で、今後とも積極的な支援をお願いしたいと思うんです。
 参考までに、また、これ地元の下野新聞、地方紙の記事ですけれども、くらし文化部というところの高松さんという記者が囲み記事で書いていました。この人、釣りが趣味なんだと思うんですが、栃木県と茨城県との境の農業用ため池、ここは二年前までは釣り人がたくさんいたそうです。今年行ったところ、誰もいないと。嫌な予感がして釣り糸を垂れたら、実はブルーギルの入れ食い状態というような状況で、本来この用水、ため池に生息していた在来魚がもういなくなってしまった、もう生態系が全く破壊されてしまった、そういうような現実を自ら体験して記事に書いていらっしゃいました。もう本当にゆゆしき問題だと思うんです。私たちの心、精神を育んでくれたふるさとの風景というものはなくなってしまうんではないか、そんな思いがありますので、参考までにお伝えをしておきます。
 また海に戻ります。
 我が国漁業者が安心して操業を継続していくために、我が国の排他的経済水域における操業秩序の確保というのが重要と考えています。特に、東シナ海においては中国漁船や台湾漁船が多数操業していると聞いておりますけれども、まず、その操業状況について水産庁長官に伺いたいと思います。
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佐藤一雄#26
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 東シナ海でございますが、ここにおきましては、我が国の排他的経済水域、いわゆる二百海里のほか、中国及び台湾の主張する排他的経済水域が存在しておりまして、多数の中国漁船そして台湾漁船が操業を行っておるところでございます。
 具体的に申し上げますと、中国漁船につきましては、二〇一四年の実績で申し上げますと、約百四十隻の中国漁船が東シナ海におきまして日本政府の許可を得まして操業したほか、約一万四千五百隻の中国漁船が日中暫定措置水域というところで操業したと、このように把握しているところでございます。
 また、台湾漁船につきましては、二〇一五年のクロマグロ漁期におきまして、約二百隻の漁船が日台民間漁業取決めの適用水域のうち、いわゆる特別協力水域及び八重山北方三角水域において操業したと、このように把握しているところでございます。
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高橋克法#27
○高橋克法君 これだけ多数の中国漁船や台湾漁船が我が国排他的経済水域で操業している実態というものを踏まえれば、漁業取締りというものがますます重要になってくると思います。水産庁の取締り体制の整備が不可欠と考えますけれども、水産庁長官の御認識を伺いたいと思います。
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佐藤一雄#28
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 今の取締りの関係でございますが、水産庁といたしましては、近年の我が国周辺水域で操業する外国漁船の違反が巧妙あるいは悪質化するとともに広域化しているといったようなことに鑑みまして、平成二十三年度で、この取締り船、官船六隻、用船三十二隻、合計三十八隻であったわけでございますが、これから平成二十六年度以降は官船七隻、用船三十七隻の合計四十四隻といったようなことで取締り船の体制強化を図ってきているところでございます。さらに、東シナ海等におきまして操業する我が国漁船が外国漁船を調査、監視する経費に対しまして国が支援を行いまして、その情報を漁業取締り船と共有しているということを行っているところでございます。
 限られた体制の中で漁業取締り船を違反操業が頻発する海域、期間に集中派遣することによりまして効率的かつ効果的に重点的な取締りを実施しているところでございますが、更に海上保安庁との連携を密にするなど、引き続き我が国漁業者が安心して操業できるよう最大限の努力を傾注してまいりたいと、こんなふうに考えているところでございます。
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高橋克法#29
○高橋克法君 是非、海上保安庁とも連携を取って、水産庁自体の漁業取締りというものにも力を入れていっていただきたいと思います。
 先ほど海上保安庁のお話が出ましたけれども、国境離島や我が国排他的経済水域における漁業の実態について質問した中で、大変な数の中国、台湾漁船が操業している。そんな中でも、特にマスコミ等でも報道されていますが、尖閣諸島周辺海域では中国公船、公船ですね、漁船じゃなくて中国公船の徘回、繰り返される領海侵入や昨年の小笠原でのサンゴ密漁問題、そういったものを始めとした活発化する外国漁船の活動、また外国海洋調査船の活動の増加など、これ海上保安庁の体制強化を図らなければ対応できない事案というのが多数発生していると思うんです。
 そこで、海上保安庁にお伺いをしますけれども、それに、今申し上げたことに加えて、当然、本来の業務である遠方海域で海難に遭遇した日本漁船の救助もしなきゃならない。そういったことを考えると、海上保安庁の業務ニーズというのはもう大変な量になる、日々増大しているという現状にあると思うんです。そのような中で、私自身もいろいろお話を聞かせていただいて調べさせていただきましたが、現場の第一線の海上保安官の皆さんは、非常に厳しい生活環境や勤務環境、そういった中で士気高く職務を遂行されておられるんです。ただ、士気高く職務は遂行されていらっしゃるんだけれども、いかんせん巡視船艇の老朽化といった問題があります。これらの代替更新というのも重要な課題だと私自身は認識しております。
 海上保安庁においては今後の体制強化についてどのようにお考えになっているのか、それを聞かせていただきたいと思います。
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