財政金融委員会

2019-12-03 参議院 全134発言

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会議録情報#0
令和元年十二月三日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十二日
    辞任         補欠選任
     朝日健太郎君     森 まさこ君
 十一月二十五日
    辞任         補欠選任
     藤末 健三君     山本 順三君
     勝部 賢志君     蓮   舫君
 十一月二十六日
    辞任         補欠選任
     山本 順三君     藤末 健三君
     蓮   舫君     勝部 賢志君
     杉  久武君     谷合 正明君
 十一月二十七日
    辞任         補欠選任
     長峯  誠君     世耕 弘成君
     宮島 喜文君     羽生田 俊君
     谷合 正明君     杉  久武君
 十一月二十八日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     長峯  誠君
     勝部 賢志君     塩村あやか君
 十一月二十九日
    辞任         補欠選任
     羽生田 俊君     宮島 喜文君
     塩村あやか君     勝部 賢志君
 十二月三日
    辞任         補欠選任
     林  芳正君     羽生田 俊君
     宮沢 洋一君     本田 顕子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中西 祐介君
    理 事
                有村 治子君
                中西 健治君
                藤末 健三君
                那谷屋正義君
                熊野 正士君
    委 員
                大家 敏志君
                長峯  誠君
                西田 昌司君
                羽生田 俊君
                林  芳正君
                藤川 政人君
                本田 顕子君
                宮沢 洋一君
                宮島 喜文君
                大塚 耕平君
                勝部 賢志君
                川合 孝典君
                熊谷 裕人君
                古賀 之士君
                杉  久武君
                音喜多 駿君
                小池  晃君
                大門実紀史君
                浜田  聡君
                渡辺 喜美君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   宮下 一郎君
       財務副大臣    藤川 政人君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        神田 憲次君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        前山 秀夫君
   政府参考人
       金融庁総合政策
       局長       森田 宗男君
       金融庁企画市場
       局長       中島 淳一君
       金融庁監督局長  栗田 照久君
       財務省主税局長  矢野 康治君
       財務省理財局長  可部 哲生君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    奈尾 基弘君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    度山  徹君
       国土交通省大臣
       官房技術審議官  東川 直正君
   参考人
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (金融機能の再生のための緊急措置に関する法
 律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理の
 ために講じた措置の内容等に関する報告に関す
 る件)
 (長期計画に基づく財政出動の必要性に関する
 件)
 (バブル経済崩壊後の政策対応の検証に関する
 件)
 (中小企業金融の円滑化に関する件)
 (高齢者の金融資産の活用に関する件)
 (地域金融機関のデジタル化支援に関する件)
 (富裕層向け課税の在り方に関する件)
 (財政融資資金の貸付金利に関する件)
    ─────────────
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中西祐介#1
○委員長(中西祐介君) ただいまから財政金融委員会を開会をいたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日までに、朝日健太郎君が委員を辞任され、その補欠として森まさこ君が選任されました。
    ─────────────
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中西祐介#2
○委員長(中西祐介君) 理事の補欠選任についてお諮りをいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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中西祐介#3
○委員長(中西祐介君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に藤末健三君を指名をいたします。
    ─────────────
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中西祐介#4
○委員長(中西祐介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁総合政策局長森田宗男君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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中西祐介#5
○委員長(中西祐介君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
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中西祐介#6
○委員長(中西祐介君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁黒田東彦君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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中西祐介#7
○委員長(中西祐介君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
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中西祐介#8
○委員長(中西祐介君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。
 まず、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。麻生太郎内閣府特命担当大臣。
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麻生太郎#9
○国務大臣(麻生太郎君) 一昨年六月二十日に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出いたしております。
 報告対象期間は、平成二十八年十月一日以降平成二十九年三月三十一日までとなっております。
 御審議に先立ちまして、その概要を御説明を申し上げさせていただきます。
 まず、今回の報告対象期間中に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は行われておりません。
 次に、預金保険機構による資金援助のうち、救済金融機関等に対する金銭の贈与は、今回の報告対象期間中に日本振興銀行の清算法人である日本振興清算に対する七十億円の減額が生じたこと等により、これまでの累計で十九兆三百十億円となっております。
 また、預金保険機構による破綻金融機関等からの資産の買取りは、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆五千百九十二億円となっております。
 なお、預金保険機構の政府保証付借入れ等の残高は、平成二十九年三月三十一日現在、各勘定合計で二兆八百九十七億円となっております。
 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講ずることと努めてきたところであります。
 金融庁といたしましては、今後とも、各金融機関の健全性にも配慮しつつ、金融システムの安定確保に向けて、万全を期してまいる所存であります。
 御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
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中西祐介#10
○委員長(中西祐介君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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西
西田昌司#11
○西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。
 今ちょっと資料を皆さん方に配っていただいていますが、この資料は国債発行残高と民間借入金、これの推移をグラフにしたやつなんです。これを見ていただくと、非常にいろんなことが見えてくるんですね。
 まず、元々日本は、国債は戦後、いわゆる敗戦のときに全部一旦清算してというか、全部償還したんですね。国債を、紙切れになってしまったという話がありますが、そうじゃなくて、全部これは償還をしております。で、実質残高がゼロになって、そしてオリンピックの年までは国債を発行することなくやってきたと。その翌年から国債発行が出てきたんですが、太い方の線がその国債発行残高の推移でありますね。上の方の線というのは民間の金融機関からの借入れ。要するに、これ信用創造によって貸付けを、銀行がお金を出してきた金額なんですね。
 これから分かりますことは、要するに、ずっとこのお金を貸し付けることによって、民間市場に預金通貨が出ていきますから、通貨供給量の推移と見てもいいわけなんです。そうすると、通貨供給をしてきたのは、民間がどんどん旺盛な借入れ意欲がありますから、やってきたと。最後にどんとこれ上がっていますね。これがまさにバブルのときなんですね。いきなり大きな山になって貸付けを出したと。しかし、これが不良債権化して、その後一挙に減っております。そして、今、アベノミクスということで、この貸付けを増えるように、信用創造が増えるように、日銀がいわゆるこの量的・質的異次元の緩和をしていただいているわけでありますが、だんだん増えるようになってきたとはいうものの、まだまだこのバブルのときのピークには遠く及ばない状態が続いているということであります。
 そして、一方、国債の方はどうかというと、民間よりもずっと下の方を走っていたわけですね。つまり、資金供給しているのは、民間の旺盛な借入れ意欲が資金供給をしていたと。
 ところが、一挙に、ここで分かりますように、この民間の貸付金の、借入金の残高、つまり、これが減るということは預金量が減るということなんですね。一挙に減ります。減ってしまったから景気が悪くなっている。景気が悪くなっている分を補填するために国債がどんどん増えていっているわけですね。
 こういうことを見ますと、これから見えるのは、まずはバブルのときから、このバブルのときに民間のお金はたくさん出るようになったんだけど、その後の不良債権処理から一挙に減ってしまって、その差額を埋めるような形で国債がどんどん増えてきていると。この関係って非常に大事なことでありまして、ということは今どういうことかというと、民間の預金量、この貸付金と国債のグラフの合計額が市場に出ているお金だと、こういうことなんですね。市場に出ているお金が、バブルのときは物すごく高かったわけですね。民間もあるし、国債はそこそこあると。
 ところが、今民間がこれだけ減っていますから、結局、何を意味しているかというと、民間の方は今借入れをしていないということなんですね、これは。そして、それ以上に国債はどんどん出している。つまり、国債をどんどん出すことによって通貨供給をしているんですが、それが民間の預金になってしまっているんですよ、借入金が増えず。まさに、お金出しているんですけれども、ある意味でいうと死に金といいますか、豚積み状態、これが今の経済の状態だということを示していると思うんですね。
 ということで、今、私が一応このグラフから読み取れるところのことをお話しさせていただきました。要するに、バブル後、民間借入金は激減して国債の発行残高が増加したのは、それを補填したものであったと。そういうことからすると、今現在、経済がまだ本調子になっていない、民間の方は借入金がどんどん増えずに、そして政府の借入金だけ増えて、増えた分が民間の方は今度、預金超過という形で残ってきているというのがここから読み取れると思うんですけれども、このグラフの今の私の解説なんですけれども、これは財務大臣そして日銀総裁に、それぞれ御感想といいましょうか、御意見を聞かせていただきたいと思います。
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黒田東彦#12
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のように、一九九〇年代のバブル崩壊後、我が国では深刻な景気後退が続き、金融危機も発生いたしました。そうした下で、設備投資などの経済活動が停滞し、民間部門の資金需要は減少した、その結果、民間部門の借入れが減少したというふうに思われます。
 この間、政府は、経済活動を支えるため景気対策などの目的から財政支出を拡大した一方で、税収が減少したため財政赤字が拡大したと思います。こうした経済情勢と政策対応の結果として、国債発行残高が増加したものというふうに認識しております。
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麻生太郎#13
○国務大臣(麻生太郎君) バブル崩壊後、いわゆる日本経済の中で景気の下支え策としては、これは公共工事の追加というのを実施してきたというのが大きな理由の一つだったと思いますが、これが国債残高の増加の一因となったことは、これは委員の御指摘のとおりだと思います。
 しかしながら、長期にわたって国債残高が累積してきた主な主因、要因というものについては、これはもう急速な高齢化というものを背景にする社会保障費を賄うという財源が確保できていないという構造的なものがあるというのが大きな理由だったと思っております。
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西
西田昌司#14
○西田昌司君 ちょっと私の質問の意図とかみ合っていない答弁になっているんですが、そこをかみ合えるようにちょっと後で詰めていきたいと思いますが。
 要するに、民間経済が良いときは、良いときは借入金がどんどん、民間の借入金はどんどん増えていくと、これが普通ですよね。今現在、借入金の額が増えていない、そして政府だけ増えているというのは、それは、お金をため込んでしまって民間がお金を使っていないということを示しているわけなんですよ。
 逆に、そういうことで経済を良くしていかなければならないということを示しているわけですが、ということは、ということは、いわゆる財政再建、財政再建にもいろいろ私異論があるんですけれども、財務省が取りあえずプライマリーバランスを黒字化しなきゃならぬというように、思いでされているんですが、もしもプライマリーバランスを黒字化、要するに財政の赤字額を少なくしていこうと思うと、そのためには、結局はこの民間の、民間の借入金がどんどん増えていく、国債残高よりも増えていくというような状況にならないとプライマリーバランスの黒字化はできないんじゃないか、民間の借入金を増加させることが必要じゃないかと思うんですけれども、総裁と大臣、どうお考えですか。
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麻生太郎#15
○国務大臣(麻生太郎君) これは一つの国の部門の収支の話ですけれども、海外部門というのに絞って考えますと、これは政府部門が黒字と、貯蓄超過ということですけれども、そのときに民間の部門がいわゆる投資超過という関係が成り立っているということは御指摘のとおりなんだと思いますが、ただし、実際には日本の経済はこれはもう世界に開かれておりますので、海外部門の収支次第ではこうした関係が常に成り立っているわけではないということだと思いますね。
 民間経済活動と財政というのは相互に影響を与えておりますので、一方だけの因果関係があるというわけではないということには留意する必要があると思いますが、いずれにしても、政府としては、経済再生というものと財政健全化というものの両立を目指していきませんと今後ともマーケットの信用を得にくいということになろうと思いますので、これを両立させるということを目指すということがこれは重要だと考えておりますので、民間部門が自律的に成長する中で資金需要が高まっていくというようなことが財政健全化が達成をされていくというのに対しての一つの目標というか、そういうものを目指していかねばならぬところだと思っております。
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黒田東彦#16
○参考人(黒田東彦君) 確かに、経済活動が活発化して民間の資金需要が大きく増加するような経済情勢であれば、税収の増加などによって財政収支の改善がより容易になることは確かであります。
 もっとも、民間経済活動と財政は相互に影響を与える関係にありまして、一方方向の因果関係があるわけではないと認識をしております。民間の経済活動が活発になれば財政健全化に資する一方で、財政健全化に対する信認が失われますと、金利上昇や国民の将来負担の高まりなどを通じて民間の経済活動を下押しするおそれがあります。
 中長期的な財政健全化への信認確保と経済成長とのバランスを取っていくことが大事ではないかというふうに考えております。
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西
西田昌司#17
○西田昌司君 今、麻生大臣から言われましたマクロ恒等式の話で、要するに、国内の民間と政府、そして海外部門と足すとゼロになると、収支はゼロになると、こういうことであります。ですから、そこは大事な事実なんですね。
 そこからいきますと、要するに、財政赤字とか黒字とかいうのは、経済全体で考えると私は余り意味がないと思っています。といいますのは、要するに、ここにありますように、政府の借入金というのは何かというと、要するに民間にお金を供給しているわけですね。同じく民間の借入金も何かというと、これは市場にお金を供給しているわけですよ。民間がたくさん使っている状態のときは、ありましたように、バブルの以前のように、政府がそんなにたくさんお金を供給する必要はないと。
 ところが、民間の方が景気が悪くなって、一挙に不良債権処理も含めて債務残高を減らしていった。同時にそれは、資産の方の預金残高も減っているんですよ。ここが大事なポイントなんですね、債務が減るということは預金残高も減っているわけですから。
 そうすると、経済は当然悪くなるんですよ。悪くなったときに政府が下支えをして、つまり出していくのは当然の話です。当然の話なんだけれども、当然の話をされたわけですよ。ですから、政府の債務残高が増えてきたわけです。本当でしたら、そこで民間がお金を借りて次の投資をしてくれれば、この下がってしまったこの民間の借入金もどんどん増えてくるわけですね。そうすると、政府の方が資金供給をそんなにしなくてもいいようになってくるわけなんです。
 つまり、大事なことは、まず民間経済を立て直すという話なんですよ。これはもう麻生大臣も一番ずっと持論で言われていたはずなんです。まず経済を直さなきゃならない。ところが、財政再建という言葉に引っ張られて、何か債務残高、政府の方が、増えているのがまずいんだというようなところから、ここを抑制する余りに、要するにこの民間の方が増えないわけですよ。
 それで、改めて質問いたしますが、こういうふうに異次元緩和をしてもなかなか増えないのは、実は、政府の方が国債もちろん出しているんですけれども、この国債というのはもういわゆる財政再建ということを言い出してから建設国債、つまりは長期投資ですね、長期投資に係るような国債の残高は余り増えていないんですよ。むしろ、長期投資じゃなくて、毎年毎年、単年度単年度の社会保障費などの足らない分を国債でやっているわけです。それはもちろん必要なことでいいんですけど、問題は長期計画というのを示してこなかった。
 かつては、バブルのときまではいわゆる全国総合開発計画という形で、四全総というのまでありましたね。十年ごとの、十年後に日本はこういう形の社会構造をつくっていきましょう、インフラを整備しましょうというのを示してきた。その結果、当然、建設国債でその予算を作っていかなきゃならないし、同時に、その予算を示して、そしてそれをやっていく中で、民間の方もそうするとそれに呼応したように借入金も増えるわけですよ。投資が増えるわけですよ。
 ところが、このグラフの一番大事なポイントは、そういう四全総のような長期投資、それから社会保障でも、余りにも借入金、赤字国債でやっているということに気を取られ過ぎて、私は赤字国債でやっていても全く問題ないと思っていますが、要は、長期的にこの社会保障の給付があたかもこのままでは行き詰まってしまうかのような印象を与えるような議論がされてきてしまった。
 要するに、税負担、社会保険料負担、そういうものでやらなきゃならないという話になって、長期投資をしなくなってきた、その結果が、実はせっかく国債残高を増やしていっても民間の方の債務残高が増えない、つまり投資が増えないということになっていると思うんですが、財務大臣、いかがですか。
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麻生太郎#18
○国務大臣(麻生太郎君) 確かに、日銀の当座預金、マネタリーベースの話ですけど、に比べりゃ、マネーストック、いわゆるマネーサプライの方の投資がというか、増加が緩やか、これだったらもう間違いないですよ、確かだと思いますが。
 他方で、これよく見ていただくと、安倍内閣が発足をした当時に、日銀による量的・質的金融緩和の効果のおかげで、当時、間違いなくマネーサプライは増えていなかったんですから、あの頃は、ゼロですよ。ゼロとは言いませんが、ほとんどゼロ。それに比べて、少なくともこの結果、今見ますと、安倍内閣発足当時の話に比べて今の状況は、法人に貸してから二%とか四%マネーサプライ増えていますから、そういった意味ではプラスの基調になっているということも事実なんだと思いますので、これは個々の企業にとっては、少なくとも債務超過を食らったあのときに比べて、債務超過を消して今の状況まで持ち込んでくることによって、やっと資金の、金が借りられるような状況、まあ債務超過では金貸してもらえませんから、そういったことになってきたということだと思いますので、規制、金融の緩和というのは資金調達環境というものの改善という意味では好影響を与えているのだと考えております。
 なお、中長期的な観点を踏まえつつ計画的に財政運営を行うということの重要性は、これ、西田先生おっしゃるとおりなんですけれども、その際には、財政に対する市場の、いわゆるクレディビリティーなどの信頼、信認というものを維持しておくことが必要なんだと思っておりますので、こうした考えをちゃんと頭に入れておきませんと、今はどんどんどんどん、行け行けどんどんでも大丈夫だという御指摘なんですけれども、私どもは、少なくとも今はマーケットの信頼があるからこそ、少なくとも一九九二年、二百五十兆、今の借入金の四分の一程度だった時代の金利が五%少々、今が四倍の借金に増えて、資産がほとんど増えていないにもかかわらず、金利は逆に下がって〇%なんというような、我々が習った経済学では全く付いていけない話が今起きておるんですけれども。
 こうした状況を見ますと、政府としては、これは引き続き、いつそういったものが普通の話に戻るということも考えておかなければいけませんので、我々といたしましては、この新経済・財政再生計画に基づいて、いわゆる民間部門というものが自律的に成長するというような、資金需要が高まっていくというようなことを考えて、財政健全化が達成されるということを目的としていかないかぬところだと、我々としてはそう考えております。
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西
西田昌司#19
○西田昌司君 財政の信認ということをおっしゃるんですけれども、これは黒田総裁が昔、財務省のときに自ら財務官のときに言われていたんですけれども、要するに、国債がデフォルトするようなことはないと。そもそも、仕組みとしてデフォルトできないんであります。ですから、信認もくそも、そこはもう動かない事実であります。
 そしてさらに、今金利の話されましたけれども、金利は市場によってつくられていると。もちろん、市場によってつくられますよ、これ、短期金利とかやる場合とかですね。しかし、それは政策的に誘導できるんですよ。だから、それがまさに黒田総裁の力で、アベノミクス、この黒田バズーカと言われましたけれども、長短金利、イールドカーブコントロールという、私たちも初めて聞きましたけれども、見事に下に、幾ら国債残高が増えても、どんどんゼロ金利と言われるぐらいに低くしているわけです。
 つまり、金融政策でできることは、金融ではかなりのことができます。できますが、問題は、金利を下げたからといって、この信用創造額が増えない、マネーサプライはなかなか思ったように増えないということなんですよ。なぜかというと、要するに、無理やり口開けてお金を放り込むわけにいかないんですよ、これは。要は、自分で借りたいということを申出しない限り、幾ら金融政策でやっても、最後の借入金、信用創造というのは増えないわけですね。
 そのときに、その問題は、需要というものがないと借りない。需要をつくるのは誰かというと、金融環境をつくるのは日銀の仕事ですけれども、需要をつくるのは実は政府の仕事なんですよ。政府が長期計画を示していけば、当然それに伴って、お金は貸したい、借りたいというふうに思ってくれると思うんですが、黒田総裁、いかがですか。
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黒田東彦#20
○参考人(黒田東彦君) 足下、まず最近の企業の設備投資を見ますと、またそれらの資金調達を見ましても、かなり長い期間のデフレあるいはリーマン・ショックの経験などから、かつては慎重さが見られておりましたけれども、ここ数年、企業収益は高水準を維持して、企業の投資スタンスが徐々に積極化する下で、設備投資は増加傾向にあり、企業の資金需要も増加を続けております。貸出しも、二〇一〇年代の前半から前年比プラスに転じまして、このところ二%台前半の伸びを続けております。
 その上で、この先も企業の投資が一段と活発化し資金需要が更に高まる、委員がおっしゃっているような形に経済がなっていくためには、もちろん緩和的な金融環境が必要なことはそのとおりでありますけれども、さらに、我が国のやはり長期的な成長力、いわゆる潜在成長力を高めていくことで企業の成長期待が高まるということも重要ではないかというふうに考えております。
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西
西田昌司#21
○西田昌司君 それをやるためにも、政府側が長期計画を立てなきゃならないということをお伺いしているんですよ、いかがですか。
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黒田東彦#22
○参考人(黒田東彦君) 私、相当昔のことですけれども、経済計画、経済企画庁に計画局があって、五年ごととか、あるいは内閣替わるごとに経済計画というものを立ててやっていたわけですが、その大蔵省側の窓口のような仕事をしておったことがあったんですが、結局、御承知のように、四全総その他ずっと戦後やってきたんですけれども、中曽根総理のときに、我が国は市場経済であって計画経済でないので経済計画を作るのはもうやめようということで、最終的に経済企画庁の計画局というのも不要だということになって。
 恐らく、戦後ずっと続いてきた間に、英語で言うインディカティブプランニングというか、政府がこういう方向で経済を運営しますと、そういうことを示すということが非常に意味があったと思うんですけれども、それが成熟経済になっていくに従って、もちろん民間部門は政府が何をするかというものを注目していることは事実なんですけれども、経済計画のように政府の方針によってそちらに引っ張っていくということがなかなか難しくなってきた、あるいは適当でなくなったということで、恐らく経済計画もなくなり、経済計画の中の一部がまさに公共事業の五年計画とかそういうのが一緒にセットであったんですね、それはもうすっかりなくなってしまったということだと思いますが。
 他方で、政府としては、私が政府のことを御説明する立場にありませんが、一定の財政の方向性を示して、その中で、それぞれの例えば社会保障の長期的な展望であるとか、あるいはインフラ整備の展望であるとか、そういうものは示しておられると思うんですけれども、かつてのような経済計画、その一部である公共事業の多年度計画というものは少なくとも中曽根内閣の下で廃止になって、その後はそういうことが日本経済にとって必要不可欠というものではなくなったということではないかと思うんです。ただ、これは私の個人的な経験でして、日本銀行総裁としての立場ではございません。
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中西祐介#23
○委員長(中西祐介君) 時間が参りましたので、おまとめください。
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西
西田昌司#24
○西田昌司君 率直ないいお話を聞かせていただきました。
 まさにそこが転換点なんですね。それで、その後バブルをつくっちゃって民間に、市場に任せると。そして、その後デフレをつくっちゃっていると。ですから、もう一度、麻生大臣の下でしっかりそういうことを、長期計画を作っていただきたいと、そのことをお願いしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
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勝部賢志#25
○勝部賢志君 立憲・国民.新緑風会・社民の勝部賢志です。
 まず初めに、FRC報告等についてお伺いいたします。
 今ほど西田委員からもバブルの話がございましたけれども、平成三十年間を振り返ってみますと、当初はバブルの絶頂に始まり、そしてすぐにその崩壊を迎えました。その後は、長期にわたる後始末に追われ、失われた三十年とも言われています。バブルの崩壊後延々と続いた破綻金融機関処理で、大きなものとしては、一九九六年には住専処理で六千八百五十億円公的資金が投入されましたし、一九九七年には長銀、日債銀の破綻処理で六兆円が国民の負担で贈与されました。世論は大きく揺れ、金融行政への批判や不信を招いたのも事実であります。しかし、その金融機関を支えていくというのも、また一方で必要なことでありました。
 そんな中で、今年は令和元年を迎え、八月に報告されたFRC報告の預金保険機構による主な資金援助等の実施状況によれば、資金援助等実施累計額は、金銭の贈与で十九兆三百十九億円、資産の買取りで六兆五千百九十二億円、優先株式等の引受け等で十一兆二千四百六十一億円と、計三十六兆七千九百七十二億円に上っています。これら国民負担のうち今後回収できる可能性のある金額はどれくらいあるのか、まずお伺いいたします。
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栗田照久#26
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 預金保険機構における平成三十一年三月末までの資金援助等実施累計額約三十七兆円のうち、回収等を除きました残余の資産は約〇・六兆円となってございます。
 内訳として申し上げれば、約十九兆円の金銭贈与を実施しておりますけれども、このうちペイオフコスト内の金銭贈与約七・六兆円につきましては、金融機関が納付する預金保険料で既に回収されております。また、ペイオフコスト超の金銭贈与約十一・四兆円のうち約一兆円は金融機関が納付する特別保険料で回収されておりまして、残る約十・四兆円は既に国民負担として確定をしているところでございます。
 資産の買取りにつきましては、破綻金融機関等から約六・五兆円の買取りを実施しておりますけれども、大半の資産は回収が既になされておりまして、回収益約一・三兆円を含めました回収等累計額は約七・七兆円となっておりまして、残余の資産は約三百二十億円となってございます。
 資本増強、資本参加につきましては、金融システム安定化等のため約十一・二兆円の優先株式の引受けなどを実施しておりまして、回収益が約一・六兆円、それを含めました回収等累計額は約十二・二兆円となっておりまして、残余の株式等は約〇・六兆円となってございます。
 この残された資産につきましては、預金保険機構及び整理回収機構とも緊密に連携しつつ、引き続き、国民負担の極小化の観点から最大限の回収に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
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勝部賢志#27
○勝部賢志君 かつて大蔵省銀行局は、バブル崩壊当初、一九九二年当時においても公的資金の投入には慎重であったというふうに思います。私は北海道の出身でありますので、バブル崩壊後、北海道拓殖銀行が破綻をしました。地域経済に非常に大きな影響を与えましたし、銀行が倒産して職を失った方もたくさんいらっしゃいました。
 このような流れの中で、今年の通常国会で審議され可決、成立した金融早期健全化改正法により今後の金融不安時における対応において資金面での影響が生じないのか、御説明をいただきたいと思います。
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栗田照久#28
○政府参考人(栗田照久君) 預金保険機構の早期健全化勘定の利益剰余金約一・六兆円につきましては、先般の金融機能早期健全化法の改正を踏まえまして、約八千億円を今後も同勘定に留保することとしたところでございまして、その内訳といたしましては、早期健全化勘定の業務のために留保する必要がある金額といたしまして、東日本大震災を受けて国が資本参加した六つの協同組織金融機関に将来損失が発生した場合に備えるため、過去の協同組織金融機関の破綻事例などを参考に試算した資金など約一千八百億円、それから、金融再生勘定の業務のために留保する必要がある金額といたしまして、旧長銀、旧日債銀から買い取った簿価約一兆五千億円の株式につきまして、金融資本市場の動向や個別銘柄の状況などにより予測困難な損失が発生する可能性が否定できないことから、日経平均株価が過去十年間における平均的な水準である約一万四千円まで下落したとの仮定を置いた上で、保有する上場株式の含み損を試算するなどして計算いたしました約六千二百億円となってございまして、このように、早期健全化勘定に留保することとした金額は、過去の実績等も参考にいたしまして将来の損失リスクを十分に勘案したものとなっているというふうに考えているところでございます。
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勝部賢志#29
○勝部賢志君 ジョン・ケネス・ガルブレイスという人の書いた本に「バブルの物語」という本があるんですけれど、その中で、人間の仕事の諸分野のうちで金融の世界くらい歴史というものがひどく無視されているものはないと語っています。バブル崩壊の悪影響が少しでも小さく、あるいは悲劇を回避するためにも、私たちが経験したこの教訓を生かしていかなければいけないのではないかというふうに考えています。
 バブルの崩壊というのは、非常に大きな経済にもあるいは生活にも影響を与えました。この政策的な対応については、福島原発事故と同様、政府と国会がそれぞれ調査会を設け、検証を行っていくべきくらいの課題ではないかと考えますけれども、金融大臣としての御認識をお伺いいたします。
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