国土交通委員会

2022-05-17 参議院 全84発言

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会議録情報#0
令和四年五月十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     杉  久武君     伊藤 孝江君
     芳賀 道也君     榛葉賀津也君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     中西  哲君     鶴保 庸介君
     三浦  靖君     青木 一彦君
     熊谷 裕人君     白  眞勲君
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     白  眞勲君     勝部 賢志君
     伊藤 孝江君     山本 博司君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         斎藤 嘉隆君
    理 事
                足立 敏之君
                大野 泰正君
                長浜 博行君
                塩田 博昭君
                浜口  誠君
    委 員
                青木 一彦君
                朝日健太郎君
                こやり隆史君
                佐藤 信秋君
                鶴保 庸介君
                長峯  誠君
                牧野たかお君
                渡辺 猛之君
                勝部 賢志君
                野田 国義君
                鉢呂 吉雄君
                竹内 真二君
                山本 博司君
                榛葉賀津也君
                浜野 喜史君
                室井 邦彦君
                武田 良介君
                増子 輝彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        清野 和彦君
   参考人
       東京大学大学院
       農学生命科学研
       究科教授     蔵治光一郎君
       神奈川県県土整
       備局長      大島 伸生君
       全日本建設交運
       一般労働組合全
       国ダンプ部会部
       会長       高橋 立顕君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○宅地造成等規制法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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斎藤嘉隆#1
○委員長(斎藤嘉隆君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日までに、杉久武君、芳賀道也君、熊谷裕人君、中西哲君及び三浦靖君が委員を辞任され、その補欠として榛葉賀津也君、鶴保庸介君、青木一彦君、山本博司君及び勝部賢志君が選任されました。
    ─────────────
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斎藤嘉隆#2
○委員長(斎藤嘉隆君) 宅地造成等規制法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、東京大学大学院農学生命科学研究科教授蔵治光一郎君、神奈川県県土整備局長大島伸生君及び全日本建設交運一般労働組合全国ダンプ部会部会長高橋立顕君でございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、蔵治参考人、大島参考人、高橋参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず蔵治参考人からお願いをいたします。蔵治参考人。
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蔵治光一郎#3
○参考人(蔵治光一郎君) そうしましたら、この度、参議院国土交通委員会で意見を述べる機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
 私は、東京大学の大学院農学生命科学研究科で森林と水循環、あるいは森林と災害の研究をしております蔵治と申します。
 宅地造成等規制法の一部を改正する法律案について意見を述べさせていただきます。お手元にホチキス留めの資料がございますので、これに沿って御説明いたします。
 まず、この度の立法案が熱海の災害を契機としているということから、熱海の災害は森林の中に盛られた盛土を原因の一つとして起きたものでございますので、まずその森林の中の盛土というもののイメージを一旦持ってもらうために何枚か写真を用意させていただきました。
 この写真にあるような場所というのは、日本の森林の至る所で見られるものであります。例えば、この写真にあるように、山の中の道を走っていると、こういうような景色が目に飛び込んでくるわけでございます。
 次めくっていただきますと、もう少し近寄るとこのような形になっておりまして、面積的には小規模だとは思いますが、森林の中にあります。こちらの盛土は、後で述べます山地災害危険区域の中でございまして、かつ、この土砂が仮に移動して下流に流れると、そこには土砂災害特別警戒区域、また警戒区域も存在しているというような場所でございました。
 一枚めくっていただきますと、この場所をグーグルの衛星画像で見ますとどんな形になるのかというのを示してございますが、右側に見えている少し太めの道がいわゆる基幹林道といいまして、舗装されていて大きなトラックが通れる道ですけれども、そこから枝線で一歩入った細い道のところにこのように設けられていると。これは、衛星画像で見ると、このような形で確認できるということでございます。
 次に、その下の六、スライド六番の写真でございますが、こちらも盛土の例なんですけれども、こちらについては、一枚めくっていただくと、この盛土の先の方に川が見えまして、その先には町もちょっと見えていると思いますが、このような山の下に町があるようなところの上で行われておりまして、その次の下の写真になりますと、自動車が写っているものでありますが、この盛土は亀裂が既に入っているということが見て取れるかと思います。これは、雨水が集中して流れて削られていっている跡でありまして、このように、一旦盛られたものも自然現象によって徐々に崩れていくということがあるようであります。
 めくっていただいて、次の写真ですと、こちらも右側に、少し曲がりくねっておりますが、太い道がありまして、この道は観光客が山の上に登っていくときに使う道なんですけれども、この道からは盛土は見えないところにあるんですが、少し枝道を入ったところに存在しているというような様子が分かるかと思います。
 続いて、その十番の写真ですけれども、こちらは下に川と自動車が、道路がありますけれども、こちらはかなりきちんと管理された盛土という印象がある例であります。
 めくっていただいて、次の十一ページは、これは、道がぐるっと回っていて谷筋になっているわけですけれども、その谷筋を埋め立てた形の盛土になりますが、こちらは排水設備がちゃんと造ってありまして、谷筋というのは本来水が流れているわけで、その上に盛ってしまっているんですけど、その水を流す排水処理をする設備が付けられております。
 最後に、十二番の写真は、これは林業の現場でして、人工林の皆伐が行われていまして、植林した木を全部切ってそれを運び出しているわけですが、その作業の中で土をこのように盛るケースというのがあるということでございます。
 それでは、十三枚目のスライドをめくっていただいて、十三枚目のスライドから私の意見を申し上げます。
 この度の立法の目的は、住民の生命及び財産の保護ということが目的でありまして、そのためにはいろんな手段があると思いますけれども、この立法はその一つであろうと思います。
 熱海の災害は、市街地や集落から離れていて見えないところですけれども、地形等の条件から人家等に危害を及ぼし得る斜面のエリアに盛土が存在して、それが崩落し、谷筋を流下し、下流の人家等に到達して住民の生命及び財産に被害が発生したわけでありますが、このようなエリアというのは、仮に盛土がなかったとしても土砂災害の危険が元々高いエリアであって、そこにもし盛土や捨て土があれば危険度は更に高まるということであります。また、近年、気候変動等で大雨の規模、頻度、増加しているということもあり、このような災害が更に懸念される状況です。
 そのための手段の一つとしての法改正になっているわけなんですが、基本的には、これまで比較的緩い規制しかされてこなかった森林、農地等のエリアに宅造規制区域に準ずる特定盛土等規制区域というものを設定して全国一律の厳しい規制を掛けようとしているということですが、この特盛区域については、おおむね盛土がなくても土砂災害の危険が高いエリアになるだろうというふうに認識しておりまして、例えば、山地災害危険地区、それから砂防指定地等の区域、それから土砂災害の特別警戒区域及び特別警戒区域に土砂が到達するようなエリアということになりますけれども、もちろんこの中で重複するものはあるわけですが、何十万か所という箇所が既に特定されているということでございます。
 めくっていただいて、まず論点の一として、こういう新しい制度を特に森林のエリアに拡大するということについての実効性ということですけれども、森林の面積というのは国土の三分の二でありまして、非常に広いところで、そういう場所がたくさんあるというところで、これまで既に保安林、林地開発許可、砂防指定地等という制度が運用されてきて規制掛けてきていますが、これはこのまま運用を続けながら並行して新しい制度をつくるということなんですけれども、自治体の立場からすると業務が純増になるということもあり、十分な箇所数を速やかに指定できるのかということが気になるところです。指定の数や面積が絞られてしまっては元も子もないんですけれども、そういうおそれとか、あるいは、そのキー・パフォーマンス・インディケーターについても、指定する自治体数だけではなくて、やはり箇所数がきちんとあるかということが大事になろうと思います。
 それから、既に申し上げた既存の制度を活用するということも必要で、その中で特に、保安林と砂防指定地という制度は私権の制限が掛かる制度で、これは明治三十年に創設されてはいるんですが、現代の防災においても有効に活用すべき制度であると思っていまして、この特盛区域に指定されるであろうエリアというものはこういう制度も活用しながら考えていかなきゃいけない。特に、熱海の災害の教訓では、あそこは保安林や砂防指定地ではなかったと、それから、開発面積が一ヘクタール以下だったので林地開発許可対象外だったということがありますので、活用が必要だというふうに考えます。
 続きまして論点二ですけれども、やはりその専門性ということが非常に気になっておりまして、例えば、森林法で既に林地開発許可制度というのが保安林ではない普通林については適用されるんですけれども、これは一ヘクタールを超える大きな面積のものだけですが、学識者等で構成される審議会の意見を聴くことになっています。
 現在議論されている法律案では、科学的知見に基づいた技術的基準というものを作り、それに適合した安全対策が行われるかどうかを審査するということだと思いますけれども、ここには審議会等の意見を聴く仕組みはないわけなんですけれども、やはりその森林というのは非常に複雑でかつ多様なものでありまして、山地森林での土砂の移動現象というものはとても地域性、個別性が強いものであって、画一的な技術基準にどうしてもならざるを得ないもので個別の現場を一つずつ適切に判断できるかということが危惧されるところです。
 もしそういう学識者の意見を聴かないんであれば、それこそ都道府県、政令市、中核市等に土砂災害を専門とする技術職の公務員を配置するということがどうしても必要ではないかと思うんですけれども、現状なかなかそうもなっていない中で運用ができるかということです。
 その技術基準の例として、現在、宅造法の施行令の中でどういう技術基準が定められているのかを抜粋でお示ししているんですけど、恐らくこのような施行令が特盛区域、おおむね森林のエリアでも作られる、今後作られていくということなんではないかと思いますが、現在の宅造法の施行令でも、必要に応じてとか、その他の措置とか、例えば、著しく傾斜しているとか、支障なく流下させることができるという言葉があるんですけれども、まあこれ、どちらかというと曖昧な言葉でありまして、その裁量の余地みたいなのが残っているんですけれども、こういうものを誰かが判断しなきゃいけないということで、誰がその必要性だとか、著しいのかどうかとか、その他の措置が妥当かとか、その排水施設に流木、土砂が詰まる可能性等を判断できるのかということです。
 今、その排水施設のことを申し上げましたけど、一枚めくっていただくと、その排水施設の例をお示ししているんですが、森林内における盛土あるいは捨て土というものは、沢筋を埋め立てて造るような場合というのがかなりありまして、そういう場合は、その沢、元々大雨のときに水が流れる沢になっていますので、その沢を流れている水を排水しないとその盛土が不安定になりますので、排水施設を造りまして、例えばこれはコンクリートの管を入れているわけなんですけれども、この写真はどういう状況かというと、結局この排水施設がうまく機能しないためにそこが詰まって、それをオーバーフローして水が流れてきたような場所であります。
 オーバーフローしますと、当然そのオーバーフローした水が排水施設を無視して盛土を削り取って下流に流してしまうということになりますので、その排水施設というものが非常に重要なものになるんですけれども、そういうものを審査していかなきゃいけないということが現場では予想されるということであります。
 最後に、論点三として、やはり原点として、この法律の目的は住民の生命及び財産の保護でありますから、それが果たして実現できるのかということが最も重要なことなんですけれども、やはりそれにはたくさんいろんなことをやらなきゃいけなくて、広大な山地森林の中に無数にある危険なエリアというのがあって、それを全て抽出し監視し続けるというのは、いろんな技術の進歩はありますけれども、やはり時間、手間、コストが掛かることにならざるを得ないかなということです。
 それから、これは非常に残念なことであるんですけれども、その上流の土地に規制を掛けても、それをかいくぐろうとする方というのは必ず出てきてしまうということもあります。
 ですので、そこには一定の限度があるということを踏まえた上で、住民の生命、財産を守るためにはやはり住民側の意識というのも高めていただく必要があって、その住民側が自分たちが盛土を上にされてしまうと危険な場所に住んでいるんだよということを知っていただくという、知っていただいた上で大雨、地震が起きたようなときに適切な行動を取っていただくということが命を救うためには必要だというふうに思います。
 現在の法案では、工事主が当該土地に標識するということが雑則の中で、四十九条で書かれておりまして、これはとてもいいことだというふうに思うんですけれども、私が冒頭で示した写真でも標識は一切ないわけで、この盛土はどこの誰がということは分からなかったので、それはとてもいいことなんですが、一方で、それだけではなくて、特盛区域がもし指定されましたらすぐに、その下の住宅に住んでいらっしゃる方が見えるところにも、ここの山の上に特盛区域が指定されましたというのは標識した方がよいのではないのかなというふうに思います。
 最後に、ハザードマップというものが住民の方々の意識の喚起に必要ですが、それ、現時点でも既に災害危険区域であるとか様々な情報が一つのハザードマップ上にまとめられつつあると思いますけれども、更にそこにも特盛区域を重ねていって、全てを一目で分かるようにしていただくということが有効ではないのかなというふうに考えているところです。
 以上です。ありがとうございました。
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斎藤嘉隆#4
○委員長(斎藤嘉隆君) ありがとうございました。
 次に、大島参考人にお願いをいたします。大島参考人。
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大島伸生#5
○参考人(大島伸生君) 神奈川県県土整備局長の大島でございます。
 本日は、このような機会を与えていただき、誠にありがとうございます。
 私からは、神奈川県における盛土等の規制に関する取組について、地方公共団体の立場から意見を述べさせていただきます。
 お手元の資料を御覧ください。
 一ページを御覧ください。
 こちらの写真は、昨年七月三日に静岡県熱海市で発生した土石流災害の崩壊地を撮影したものでございます。熱海市は神奈川県の県境に位置する都市でございまして、神奈川県内にも同じような地形がございますので、決して他人事ではないという、痛感した次第でございます。
 二ページを御覧ください。全国知事会からの要望についてです。
 神奈川県としては毎年国に対して法制化を要望してきたところでありますが、本県の黒岩知事は全国知事会の危機管理・防災特別委員会の委員長として、早急に国に対して緊急要望を行う必要があると判断いたしました。そのため、被災地の復旧を促進するための緊急要望を取りまとめまして、七月二十日になりますが、棚橋内閣府防災担当大臣に対して、八月四日には渡辺国土交通副大臣と堀内環境副大臣に対して、全国知事会を代表して要望を行いました。その後、八月の大雨の際にも知事は同様の緊急要望を取りまとめまして、九月七日には防災担当大臣に対して改めて直接要望を行いました。
 三ページを御覧ください。
 こちらは九月七日に棚橋内閣府防災担当大臣に対して要望した内容ですが、風水害対策等の強化に関する項目の一つとして、建設残土に関して法制化による全国統一の基準、規制を早急に設けることなどを要望させていただきました。このことは、盛土を規制する法律は複数あるものの、区域や規模によって対象とならない盛土が存在することや、建設発生土の処理について直接規制する法律がないことから、各自治体の条例により対応しているのが現状であるため、これらの要望を行ったものでございます。
 四ページを御覧ください。国の検討会での意見発表についてです。
 令和三年十月二十九日に、国が設置されました盛土による災害の防止に関する検討会の第二回会議におきまして関係団体へのヒアリングが行われまして、知事が自治体の立場から意見発表を行いました。ヒアリングの中では、全国知事会として、法制化により全国統一的な基準による盛土の規制を要望いたしました。また、この場で、神奈川県条例による規制の取組や、全国知事会のアンケート結果を基に盛土の規制に関する全国の状況や法制化に関する要望、意見について紹介をさせていただきました。
 五ページを御覧ください。盛土の規制に関する都道府県の意向についてです。
 先ほど御説明いたしました全国知事会のアンケート結果の中から、各都道府県の法制化の意向について御紹介いたします。
 四十七都道府県に対して法制化の希望の有無について聞いたところ、四十六の都道府県が希望すると回答し、一団体がどちらとも言えないとの回答でありました。ただし、どちらとも言えないと回答した一団体も法制化による規制については賛同しており、当時は法律に規定される内容が明らかでなかったことからこのように回答したとのことでした。法制化が必要な理由は、広域的な規制が必要、条例の罰則に限界があり、全国統一の基準が必要、他法令の規制では限界ありなどとなっております。
 このように、ほぼ全ての都道府県が盛土の規制に関する法律が必要と考えております。
 スライド六ですが、ここからは本県の盛土規制に関する取組について御説明いたします。県条例の導入に至った背景についてです。
 神奈川県では、バブル経済を背景に、昭和六十三年頃から建設発生土の不法投棄が多発いたしました。資料にお示しした写真はそれらの中でも特に規模の大きいものでございまして、平成七年頃にかけまして東京ドーム約三杯分に相当する四百万立方メートルを超える大規模な不法投棄が発生いたしました。
 七ページを御覧ください。
 当時は、土砂の処分に関する法的な規制がないため、不法投棄が行われている土地に対し農地法、森林法、河川法などの個別法令で対応いたしました。しかし、個別法令では森林や農地など適用される区域や盛土の規模などの条件が限定されており、また土砂の処分を規制する法体系ではないため、個別法令による対応に限界がありました。そのような背景から、庁内での検討を踏まえ、平成十一年十月になりますが、神奈川県土砂の適正処理に関する条例を施行いたしました。
 八ページを御覧ください。県条例の概要についてです。
 この条例の特徴としましては、対象区域は県内全域とし、許可、届出の対象は、二千平方メートル以上の区域において土砂の埋立てを行う場合は許可が必要となり、また、建設工事の現場から五百立方メートル以上の土砂を搬出する場合は届出が必要となります。違反に対する罰則も定めており、条例で規定できる上限の二年以下の懲役又は百万円以下の罰金としています。
 九ページを御覧ください。県条例の施行、埋立て等の監視についてです。
 県条例に係る許認可事務等については各地域の土木事務所が所管することとしておりますが、これに加えまして、埋立て等の監視を担当する部署を設置いたしました。この部署の体制ですが、人員は六名、うち四名が警察関係者となっており、神奈川県警察との連携も図っております。
 業務内容は、県条例の施行に係る立入検査等や無許可埋立て等の監視パトロールとなっております。監視パトロールの実績ですが、令和四年四月の時点で監視パトロールの対象箇所数は四十一か所、その内訳は記載のとおりでございます。監視パトロールは、土日祝日を除きほぼ毎日実施しておりまして、年間の回数は、令和三年度実績で申し上げますと、延べ二百八十三回、箇所数にして延べ九百五十九か所となります。
 十ページを御覧ください。
 ここでは、神奈川県の地図に先ほどの監視パトロールの対象箇所数四十一か所についておおむねの位置を赤い丸で図示いたしました。監視パトロールを行う部署の、厚木南駐在事務所と申しますが、この事務所は神奈川県のほぼ中央に位置しておりまして、ここから毎日複数箇所の監視パトロールを行っております。
 十一ページを御覧ください。県内市町の取組についてです。
 神奈川県内では、三十三市町村のうち政令指定都市である相模原市一市を含む十九の市町が土砂条例を制定しておりまして、盛土等の規制を行っております。
 十二ページを御覧ください。
 多くの市町では、県条例の対象外となる五百平方メートル以上二千平方メートル未満の埋立てについて、市長や町長の許可を必要とするなどの規制を行っております。また、相模原市では、許可申請の前に、保証金を定期預金により金融機関へ預け入れした上で、市を質権者とする質権設定契約の締結を事業者等に求める独自の取組を行っております。
 十三ページを御覧ください。県条例における主な課題についてです。
 県条例の施行後に問題となった盛土の主な事例について御説明申し上げます。
 一点目は、許可内容と異なる盛土が施工され是正指導を求めてきましたが、是正措置前に行為者が倒産した事例です。従前は土地所有者に是正を求めても対応されませんでしたが、平成二十四年七月に条例を改正いたしまして、土地所有者の義務とし、勧告や命令ができるようにいたしました。それでもなお、条例改正前の案件に対しては適用できないといった課題は残っておりました。
 二点目は、無許可や許可内容と異なる行為等の違反行為に対して行為者が条例に基づく是正指導等に従わない事例です。これについては、条例の罰則には限界があり、違反行為に対する抑止力の効果が弱いために発生することと考えられます。
 十四ページを御覧ください。盛土等対策の法制化についてです。
 県条例の課題に対応する法案のポイントとしては、盛土の工事完了後も土地所有者等が常時安全な状態に維持する責務を有することが明確化され、また、原因行為者等に対しても是正措置等を命令可能、罰則を条例より高い水準に強化となっており、盛土規制法案の成立により、県条例の課題にも対応でき、有効な土砂対策が期待できるものと考えております。また、全国一律の基準、罰則による抑止力の強化など、要望を反映していただいた形で法律案を作成していただいたものと考えております。
 十五ページを御覧ください。最後に、更なる安全対策の推進についてです。
 本県では、法案の内容を踏まえ、更なる安全対策の推進に向けた当面の取組を進めてまいります。具体には三点ありまして、まず一点目は、農地、林地を含め関係法令、部局が多岐にわたるため、庁内及び関係市町村との連携体制を強化いたします。二点目は、規制区域の早期指定に向け、既存の地形データ等々の活用を含め、効率的な調査、調整の進め方について検討を行ってまいります。三点目は、建設関係団体等の関係業界団体を含め、災害の防止に向け普及啓発の推進を図ってまいります。
 これらの取組を進めていく上で、国から地方公共団体への技術的、財政的支援が支えとなりますので、極めて重要であると考えております。
 最後に、県民の安全、安心を確保するため、早期の盛土規制法の施行と国からの技術的、財政的支援をお願いいたしまして、私からの意見発表とさせていただきます。
 ありがとうございました。
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斎藤嘉隆#6
○委員長(斎藤嘉隆君) ありがとうございました。
 次に、高橋参考人にお願いをいたします。高橋参考人。
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高橋立顕#7
○参考人(高橋立顕君) 本法案に対する意見を述べる機会を与えていただいたことに感謝いたします。
 私は、全日本建設交運一般労働組合、略称建交労の全国ダンプ部会の高橋と申します。
 私は、日常的に、愛知県、岐阜県、三重県、静岡県を活動地域としている東海ダンプ支部の書記長として、静岡市の事務所で専従者としての仕事をしています。
 昨年七月の静岡県熱海市の土石流災害については、令和元年から静岡県に残土条例制定の求めていた者として、じくじたる思いに駆られております。亡くなられた方にお悔やみを申し上げるとともに、被災された方々にお見舞い申し上げ、二度とこのような災害が発生しないように、現場実態を知る労働組合として実効性のある法律や条例の整備を求めていきたいと考えているところです。
 建交労全国ダンプ部会は、資料一から五にもありますように、昭和四十一年猿投ダンプ事故を契機に制定された土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法、通称ダンプ規制法で規定されている、大型ダンプカーを自己所有し、元請業者や砕石業者の指揮命令に従って建設発生土や建設骨材を運搬している車持ち労働者を組織しています。
 労働組合として、組合員の単価や労働条件を改善する闘争とともに、国交省も認知しておられる交通安全運動を熱心に取り組んでいるダンプ規制法十二条団体等として、過積載の撲滅を始めとする交通安全運動を推進しています。また、工事現場における違法行為を監視し是正させる運動にも取り組んでおり、今回の残土問題の解決のための要請行動を令和元年から国交省や都道府県へ行ってきました。
 私たちは、危険な盛土をなくしたいと願う立場で、本法案では触れられていない民間ストックヤードのことについて危惧している点を申し上げます。
 首都圏など都市部では、建設現場から発生する土量が多く、民間業者が運営するストックヤードに搬入されるケースが少なくありません。元請業者が施工中に管理するストックヤードと混同されがちですが、私が述べるのは元請業者とは別の民間業者が運営するストックヤードのことです。建設現場から都市部近郊に搬出した方が運搬費込みの処分代を抑えられるという建設業界のニーズによってつくられた業態です。
 私たちが事前に国交省から伺った説明や、五月十一日の本会議や十二日の委員会などの御答弁を伺っていても、様々なストックヤード業者を一くくりにしているのではないかと奇異な感じを受けていましたが、十二日の委員会で国交省としてストックヤードの実態把握をするとの御答弁がありましたので、是非実態を早急に調べていただきたいと思います。
 このストックヤードですが、これを運営する事業者は、自治体の土砂条例の許可を取得し、近隣の工事現場から搬入される土砂をストックしています。しかし、工事現場ごとに仕切られていません。ヤードのスペースは限られていますから、満杯になるのには時間は掛からず、ストックヤード業者は搬出を別の処分業者に依頼することになります。ストックヤード業者は、建設発生土の処分として建設会社から受け取る処分代と搬出する処分業者に支払う費用の差額で利益を得ることになりますので、どんどん土を入れてどんどん土を搬出します。そして、少しでも安く処分してくれる業者に依頼することになります。
 ストックヤード業者と処分業者との間では、土質やダンプの荷台のサイズによって異なりますが、基本はダンプ一台当たりの運搬費と処分代込みの契約になっています。処分業者がその土をどこに処分するかをストックヤード業者が管理するのですが、実際は処分業者に丸投げというケースが少なくありません。処分業者はダンプ業者なのでダンプを保有していますけれども、足らない場合は他社に依頼するという重層下請になる場合もありますので、余計に分からなくなってしまいます。運搬距離は単価に反映されず、処分業者は利益確保のため、運搬コストの掛からない距離にある安い処分代の処分場を探します。この処分場はリスト化されておらず、同業者の口コミで紹介されたりします。その一部が危険な盛土になります。このような処分場は、適正に管理されている処分場に比べて処分代が安いのが一般的です。
 処分代込みで建設発生土を運搬することもある組合員に聞き取りをした、資料七の、処分費、ダンプでいうといわゆる捨て賃、この相場の一覧を御覧ください。
 ここには掲載されていませんが、神奈川県は大体一万七千円から二万円です。ありていに申せば、田舎や残土規制条例のない自治体では捨て賃が安い傾向にあります。具体的に言うと、埼玉県南部地域のストックヤードから栃木県北部の処分場まで運搬する場合、法定積載量の三倍以上の三十五トンの過積載をして、一台五万円程度が処分代込みの単価として支払われているようです。燃料代、高速代など経費を引くと、ほとんど利益は出ません。このため、帰りの空車をなくすために砕石などの運搬を行いながら、一日に十三時間くらいの稼働で仕事をしている実態もあるようです。資料八の公共工事への積算単価とでは比較にならない低い水準だと思っています。
 熱海災害以降、自治体の審査が厳しくなり、新規の許可も出にくい状況が続いて、処分場不足が深刻な状況です。それに伴い処分代が上がっています。
 ストックヤードから運ばれる処分場は自治体の条例の許可を取得していますが、取得していない処分場もあります。処分場の業者が今まで許可を取得していたとしても、別の新しい処分場の申請で許可されないケースが生まれているようです。
 なぜかといえば、許可を申請する際、発生元証明を出します。これは、どこの工事現場からどのくらいの土を搬入するかを発生元の建設業者が証明する書類です。搬入されるべき土とは全く別のところから搬入されているというような実態があるため、解決策として、ある自治体では発生元として証明をした業者に電話で確認をするようになったため、その業者が証明書を発行しなくなり、処分場の業者は申請ができなくなってしまったという事例があります。これは、まずいことをしている証拠にほかならないと思っています。このような建設業者と関連しているストックヤード業者のヤードも、実は公共工事の指定処分先になっています。
 本法案では今後は盛土を都道府県知事の許可制にするようですが、国交省のように専門職の職員数が圧倒的に少ない自治体の状況を考えると、職員の負担が増えるだけになりますし、国交省でも職員数が定員に達しない出張所も多数あり、品質確保法で規定されている国交省が自治体を支援、援助することが十分にできないと思っております。このため、法律どおりに本当に執行できるのか危惧しているところです。
 やはり、建設発生土の発生元である各現場で発注者や元請業者が管理する必要性と同時に、自治体任せではなく国の関与を強めるためにも、国交省の職員の増員や再任用の処遇改善が必要なのではないかと考えています。
 また、衆議院の委員会で、指定処分先の徹底やトレーサビリティーシステムの必要性について議論されていたと思います。しかし、問題はどこに指定するかであり、どこまでトレースするかです。そこの議論が抜けたままでは、法案が成立しても大きな抜け道を残すことになりかねません。
 私たちは、この問題について国交省の見解を聞く機会がありました。職員の説明では、ストックヤードに搬入された土はそのストックヤード業者に所有権が移転するので管理責任もその業者に移転すると考えており、トレースは排出現場からストックヤードまでというものでした。
 しかし、ストックヤード業者は建設業者から土を購入するのではなく処分を依頼される処分業者ですから、ストックヤードから最終処分場までトレースしなければ意味はないと思っています。もし仮にストックヤードまでのトレースで発注者や元請の責任が完了すれば、そこから先の土の行方はより巧妙に闇の中になると思っています。
 五月十二日の委員会において、発注者と元請責任についての議論がありました。斉藤大臣は、民間工事では発注者が個人の場合もあり、専門家でもある元請業者が責任を持つこと、持つべきことが基本としながらも、過度な負担となる可能性があると御答弁されておられました。この過度な負担とは、建設発生土が混じってしまうということ、ストックヤードから最終処分まで長時間を要し、施工後も管理しなければならないという点を挙げられておられました。
 しかし、ストックヤード業者に建設発生土を区分することを義務付けること、そして、先ほども述べましたけれども、ストックヤード業者はヤードが満杯になれば処分業者にすぐ搬出させているということからも、思っているような時間は掛からないと思います。十分に施工期間中に可能になると思っております。この期間に、最終処分業者から元請への受領証明を義務化するなど、そういうような仕組みをつくれば問題は解決するのではないかと思っています。
 また、民間工事の発注者が個人の場合であっても、建設発生土の処分を含めた工事施工を元請業者に依頼するのですから、個人が家電や乗用車を廃棄する場合にリサイクル料を支払うことと同様に、元請業者に適正な処分費を支払うことで発注者個人としての責任は完了するはずですし、適正な処分費を受領した元請業者が最後まで責任を持つのは当然です。
 これがNEXCOやJRなどの民間企業が発注する大規模かつ長期間の工事の場合、公共工事同様に、NEXCOやJRは自分で設計、入札を行いますから、発注者として最後までどういうふうに設計すればいいのかと考えて入札を行えばいいと思っております。この点は、内閣府の盛土による災害の防止に関する検討会の提言の二十五ページに、「公益性の高い事業を行っている会社等は率先して取り組むことが求められる。この旨をガイドライン等で明確化すべきである。」と指摘していることからも明らかだと思います。
 例えば、静岡県での新東名高速道路や中部横断自動車道の建設工事において、各工区で発生した施工中に処分し切れない建設発生土を一時ストックし、道路開通後にその一時ストックした建設発生土を他工区へリサイクルを含む最終処分場に運搬するという工事を発注し、元請も施工している事例があります。この工事を別発注とするのか、道路建設工事に含めて発注するのかはありますけれども、あらかじめ決めておけば、元請若しくは発注者の方も施工を考えていきますので、それほど過度な負担になるとは思えません。
 さらに、処分場については、民間任せにするのではなく、自治体が管理する処分場を各地に設置していただきたいと思います。
 茨城県では県建設技術管理センターがストックヤードを運営管理していますし、京都府の整備公社が最終処分場を運営しています。これは、全国的にも検討してもらいたい事例だと思っています。
 私たちの意見をまとめると、四点になります。
 一、建設発生土の排出者である発注者、元請がその現場から発生した土について最後まで管理すること。二、適正な処分費用が最終処分場までの業者や末端で働くダンプ労働者にまで支払われるようにすること。三、国と自治体の責任で適正に管理されたストックヤードを処分する処分場を確保すること。四、委員会での御答弁にあるように、民間ストックヤードについて、自治体任せではなく、実態把握を国交省が行い、必要な措置を早急に講じること。
 この四点が実現すれば、盛土問題は大きく改善されます。
 最後に、五年以内に必要な場合は法整備を行うとの衆議院での修正案がありますが、五年と言わずに早期に法整備を行ってください。でなければ、資料九のように、違法改造車による不法残土処分が継続されてしまいます。今後も全国で熱海のような災害が生じてしまうのではないかと大変憂慮しているところです。行政や立法の不作為によるこれ以上の犠牲者が出ないように御審議いただきたいと思います。
 以上で意見陳述を終わります。
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斎藤嘉隆#8
○委員長(斎藤嘉隆君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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足立敏之#9
○足立敏之君 三名の参考人の皆様方には貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。
 私は、建設省、国土交通省で長らく勤務をしました土木の技術屋でございまして、身につまされる御発言もありました。こうした御意見を踏まえながら、よりしっかりと今回の盛土対策が的確に行われるように、これは国交省に是非ともしっかりお願いしたいというふうに思っております。
 質問ということで、なかなかイメージがちゃんと私もできていなくて、雑駁な質問になるかと思いますが、お許しをいただきたいと思いますけれども、是非皆さんにお聞きしたいのは、今回のこの法律ができると、例えば熱海の土石流のようなことがどんなふうに抑制されていくのか、どのように期待されているのかというのをまずお三方からちょっとお聞きしたいと思います。大島部長からはもう大体聞いているような気もしますけれども、何か改めておっしゃりたいところがあれば、その点についてもお聞かせいただけたらというふうに思います。お三方から是非お願いします。
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斎藤嘉隆#10
○委員長(斎藤嘉隆君) じゃ、挙手いただいて。
 それでは、蔵治参考人、大島参考人、高橋参考人の順でお願いします。
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蔵治光一郎#11
○参考人(蔵治光一郎君) この度の法律案は、大変短い期間で、災害を受けて、全国一律の形で、この長年懸案となってきた問題に対して国として取り組む姿勢を具体的に示したものだと思いますので、この法律が施行されるということで、これまで危険な状態で放置されていたような盛土というものが減少する、していくというような効果は一定程度はもちろん期待できるというふうに思いますし、そういう意味での意義は非常に高いんだろうというふうに思っているわけなんですけれども、一方で、やはり、実際に山地の森林のエリアというのは大変広うございますし、そこを、それを全て指定するということにも時間が掛かったりする、その間に雨が降ってきた、降ってくるケースというのもあろうかと思います。
 ですので、これは一つの手段として有効だと思うんですけれども、さらに、それに加えて、先ほど私が申し上げたような、その既存の既に存在している法律による規制の運用であるとか、あるいはその危険な地域に居住していらっしゃる住民の方への一段の周知等を併せて行うということがやっぱりどうしても必要なのではないのかなということで、その組合せによって効果を発揮するというふうに考えているところでございます。
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大島伸生#12
○参考人(大島伸生君) 繰り返しになる部分もあるかもしれませんが、全国一律の規制が法で担保されるということでございますので、これまで条例で各都道府県が規制をしていてばらつきがあった実態がございますので、そこが一律の規制で逃げ場がなくなるというような状況になると思いますので、そこは大きな前進だと思っています。それから、罰則が大幅に重くなりましたので、これが大きな抑止効果になると思っていますので、ここも大きな法案のポイントだと思っています。
 神奈川県は、これまでもいろいろ、首都圏にあって結構処分場に困っていて、あるいは不法投棄がたくさんされた実態もございましたので、そういった意味で非常にこの法案に対する期待は大きなものがございます。
 以上です。
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高橋立顕#13
○参考人(高橋立顕君) 現場、建設発生土を運ぶダンプの現場の感覚からいきますと、今法案の中でかなり罰則が厳しくなったという点では、確かに両参考人のおっしゃるように、非常にそこは抑止力にはなると、そこは考えております。
 ただ、先ほども述べましたように、もう、建設発生土が発生する現場、つまり、今までずっと長年、建設業界の中で建設発生土が現場では邪魔者なのです。これをどこかに早く移してほしいというのが一番の願いですから。最近は、建設リサイクル法で他工区に転用だとかということで、徐々にそこは改善されてきているとは思います、そこの点は。しかし、まだまだ本質的には、この土邪魔だよねと、なので、それをどこかに早く搬出してほしい、処分してほしいというのが、発注者でもあり、元請でもあり、そういう考え方を持っています。
 だから、そこの点を縛るような、あなたたちがきちんと最後まで見なさいよというようなことをしない限り、まあいろいろな業者さんはいます、そういった業者さんが、じゃ、私がやりますよということで、不法投棄含めて不法処分というようなことが続いてしまうんではないかというような危惧をしている、その点を是非御審議いただければと思っております。
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足立敏之#14
○足立敏之君 ありがとうございました。
 蔵治さんの方から、ハザードマップのお話がありました、危険区域が分かるように示したらどうかというお話ありました。また、大島部長からも、規制区域の指定に当たって既存の地形データをうまく使ってというようなことをおっしゃられましたので、恐らく同じようなことになるのかなと思うんですけれども。
 私もずっと河川関係の行政やっておりましたけれども、平野部の三次元の地形データというのは比較的あります、浸水区域のハザードマップを作るためにありますけれども、山間部、先ほどおっしゃられたような三次元の地形データというのはなかなか必ずしも十分取れていないところがあると思うんですね。そういったところに、うまく取れていれば、盛土のデータとかをかぶせればすごくハザードマップ的にも分かりやすくなるというふうには思いますけれども、その辺の取組を今後どういうふうに進めていけばいいのか、少しアドバイスを蔵治参考人と大島参考人から伺いたいと思います。
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蔵治光一郎#15
○参考人(蔵治光一郎君) ハザードマップに関しては、これまでそれぞれの森林の部署と例えば防災の部署というような形で縦割りになって、それぞれの指定等が別々になっていたという時代がございましたけれども、最近そこは都道府県さんも大変努力されていて、一つのハザードマップを見るとそれがもう重ねて表示できるようになっているという県が増えてきているかと思います。で、その上に更にこの度の特盛区域というものが重なっていくような形になっていくので、それをやること自体はそんなに難しいことではないのかなと思っています。
 一方で、その既存の制度の中で、例えば保安林であるとか砂防指定地等の規制がありまして、この規制は土地所有者の方の私権を制限するような制度になっていて、地番ごとに定められることになっているんですけれども、そのような地番ごとに細かく指定するような形のものが必ずしもその既存のハザードマップ上では表示されるようにはなっていないのかなというふうに思いまして、それは個人情報の関係とかもあるのかもしれませんけれども、やはり究極的には、保安林、砂防指定地等も含めて、自分の住んでいらっしゃる場所に被害を及ぼすような上流域等にどのような規制が掛かっているのかというのは、やはり全体像を国民に共有した上で、じゃ、仮に保安林指定なりが掛かっていない場合、そこを、じゃ、今後どうしていけばいいのかということをその地域の住民の人たちと行政が一緒になって考えていくということが必要ではないかというふうに思いますので、可能な限りその情報をまずは公表をし共有していくという取組を被災される可能性の方々と進めていくということが求められますので、その中にこの特盛区域の指定というのも含めていくということは重要かというふうに考えております。
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大島伸生#16
○参考人(大島伸生君) 三次元データ等のお尋ねだと思いますが、実は、今回我々も中でよく調べましたら、私どもの県土整備部局はデータ持っていなかったんですが、他部局で山間部の三次元データをしっかり持っていまして、こういったものをこれからこの基礎調査、この新法の基礎調査にもうまく使えればいいなと思っています。逆に、山間部のデータだけしかない実態もあって、町中のデータがなくて、今回の法令で人命を守るというところが主眼でございますので、ですから、私ども県土整備部局の方で、むしろ人家に連檐しているようなエリアについては新たに三次元データ等を取っていかなきゃいけないかなと思っています。
 また、データという観点からは、土砂災害警戒区域の指定がここで終わりましたので、その際に急傾斜ですとか地すべり等々については、沢筋のデータがしっかり取れていますので、そういったものが今回の基礎調査にうまく活用できればかなり労力が省けると思っていますので、これからいろいろガイドラインが出るということでございますが、極力そういう既存のデータが活用できるようなガイドラインになれば有り難いなと思っているところでございます。
 以上です。
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足立敏之#17
○足立敏之君 ありがとうございました。
 私のこれまでの知識ですと、直轄の砂防エリアなんかだとすごく丁寧に三次元のデータで情報が取れていて、いろんなハザードのデータをかぶせるというのはできているというふうに思うんですけれども、いや、神奈川県さんすごく進んでいらっしゃって、いろんなデータがあるというのはお聞きして少し安心したんですけれども。
 ただ、神奈川県さん大分進んでいるかもしれないけど、全国的に見ると、先ほどおっしゃられた三次元のデータまで、山地部まで押さえている自治体って少ないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、仮にそうであれば、例えば国交省とかがしっかり予算付けて、航空写真データはあるわけですから、そういったものをベースにして、三次元のベースマップみたいなものを各県で作っていったらどうかなというふうに思いますけれども、大島参考人、それから蔵治参考人の御意見をお聞きしたいと思います。
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大島伸生#18
○参考人(大島伸生君) まさにおっしゃるとおりだと思いまして、既存の、我々ある意味進んでいる部分はあるかもしれませんが、これからこの新法にしっかり対応していくためには、逆に町中の部分の人家に連檐した部分のデータがありませんので、それをしっかりやっていかなきゃいけないと思いますが、やはりコストが掛かりますもので、ここにつきましては是非国交省さんの方で支援制度をつくっていただければ、そういったものを活用させていただいて速やかに整備していきたいなと思っています。
 以上です。
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蔵治光一郎#19
○参考人(蔵治光一郎君) 大変重要な御指摘かと思います。
 それで、森林に限って言いますと、やはり森林の立場からは、現在の森林の状態がどうであるかということは木材生産の観点からも非常に重要なことなので、最近では航空機レーザー測量という形で、森林域に飛行機を飛ばしてそこの樹木の様子等をデータ化するということが全国では進んでいると理解しています。そのときに実は地形のデータも副産物としては同時に取れているということなんですが、残念ながらそれは森林の樹木としての、木材としての、資源としてのデータと見られてしまって、防災のためのデータというふうに見られていない可能性があるかと思います。
 ですので、この機会に是非その森林部局の方も、そういう航空機で得た測量データ等を危険な地形あるいはその特盛区域のポテンシャルのあるエリアとしてそのデータを活用できるかどうかというような検討もされるのがよいのかなというふうに思っています。
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足立敏之#20
○足立敏之君 ありがとうございました。
 時間も迫ってまいりましたが、蔵治参考人、大島参考人、あっ、いや、高橋参考人か、国交省の人員不足のお話がありました。私も国交省におりましたので身につまされておりますけれども、やはり、特に技術職、砂防職の人間なんというのは非常に少なくて、どんどん人員削減で減らされてきたところがあります。今日のこうした御意見も踏まえて、しっかりと人員増に国交省に取り組んでいただくようにお願いしたいというふうに思います。
 以上で、質問はこの辺にします。今日はどうもありがとうございました。
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野田国義#21
○野田国義君 野田です。よろしくお願いいたします。
 今日は、三人の参考人の皆様方、本当にありがとうございます。
 それで、まず大島参考人に、この間からこの委員会で長浜理事の方から、百条委員会があるという日の質問でございましたので、熱海の百条委員会があるということで、翌日その結果が報道されておったところでございます。
 それで、よく言われるのは、神奈川県が厳しい条例を作ったんでその熱海の方に結局捨てたんじゃないかと、盛土したんじゃないかと、そんなことを言われるわけでありますけれども、しかし、ちょっと余りにもこれ、だから全国の一律の今回法改正をということにつながっているわけでありますけれども。
 ただ、その百条委員会の中身を報道を見てみますと、何か、前所有者は造成への関与を否定と、現所有者が存在を知らぬと主張とか、そういうことが言われたということでございますけれども、本当に何かひどいというか、証人尋問が行われたということでございますけれども、恐らく大島参考人も読まれていると思いますけれども、この結果。
 それからもう一つは、十三日に発表されているんですかね、五月の。県、市の盛土対応が失敗というようなことで、第三者委員会ですか、いろいろと第三委員会の最終報告書が挙げられております。連携が不足したとか、責任認定がなっていないとかですね。そういうことが評価されているわけでありますけれども、このことについてどのような感想をお持ちなのかなとお聞きしたいと思います。
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大島伸生#22
○参考人(大島伸生君) 熱海の百条委員会の件は新聞等々の情報で拝見しているだけなんですが、神奈川県が厳しい規制を置いたから結果的に周辺に流れてしまったというふうな報道もされておりますが、そういった実態は確かにあるのかどうか、ちょっとそこは分かりませんが、神奈川県もかつて、先ほど御説明申し上げましたが、昭和六十三年頃、非常にひどい不法投棄されまして、やはりそこを取り締まるときに何も根拠になる法令ございませんでしたので、どうしようかとしたときに、やっぱり県も、市町村頑張って条例作ってくれみたいな働きかけを一生懸命したときがありました。市町村がそのときに幾つか作ってくれたところもあったんですが、やはりあるところとないところ、条例がある市とない市で差ができますので、やっぱりそのとき神奈川県としても考えましたのは、やはり県として条例を持たないとこれまずいなということで、で、平成十一年頃に条例化に突き進んだという状況ございます。
 そのとき、当時の資料をつぶさに確認はできておりませんが、やはり同じように、県としても県条例作らないと条例ないところに流れるという実態は多分確認できたと思いますので、県条例作るときに周辺の山梨県さん、静岡県さんにお声掛けはしたんだと思いますが、そんな中で神奈川県が少し先行したという形があったのかもしれませんが、そういう状況は少し考えた上で当時も対策は取ったんではないかと、済みません、推測でございますが、考えているところでございます。
 それから、県、市の連携ですが、県、市の連携、静岡県の状況もちょっと分からない中で、神奈川県の状況だけ申し上げますと、やはり県条例が二千平方メートルを超えるものを対象にして、それに下回るものは市町村条例という切り分けしているんですが、やはり二千超えるかどうかという微妙なところが結構ございまして、本県の場合には、そこは県の職員と市町村の職員が一緒に現場確認して、簡単な測量までした上で、ああ、二千平米あるなとかないなとか、そこはしっかり協調した中で対策取っておりまして、決してそこは、お互い条例を持っている中で意思疎通しっかりしながら確認ができていると思っております。
 以上です。
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野田国義#23
○野田国義君 先進地として神奈川県が取り組んでいただいたということ、これ非常に評価をしなくてはいけないと思っているところでございます。
 それで、どうしても今度、全国一律になると、いわゆる、熱海でああいう事故が起こったということでございますけれども、結局イタチごっこみたいな形でなって、それで結局捨場が制限されるような形になってくると、結局、一番の問題はそこなんですよね。先ほどは仮置場、中間施設の話されておりましたけれども、結局どこにその建設発生土を持っていくかということが一番問題なところなんですけれども、大島参考人としてはどういう形でそれを対応していった方がいいのかということはお考えでしょうか、行政マンとして。
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大島伸生#24
○参考人(大島伸生君) 本県の事情を申し上げますと、公共工事等で発生する発生土につきましては一〇〇%指定処分ができておりまして、先ほど指定処分にも問題あるんだという御発言ございましたが、指定処分で行き先が全部確認できているというところがございます。
 ただやはり、問題は、民間工事で出る土砂がどこに流れているかというところは一〇〇%は確認できておりませんで、そこがしっかりと持っていき場が確認できないところにやはり若干の問題は残っていると思いますので、そういったところをこれからしっかりとフォローできるようになれば、捨場という観点から申し上げればかなり問題は減ってくるのではないかと思っております。
 以上です。ヤジ
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斎藤嘉隆#25
○委員長(斎藤嘉隆君) 野田君。
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野田国義#26
○野田国義君 済みません。
 それでは、高橋参考人の方にお伺いします。
 それで、なかなか今の現状の厳しい状況をいろいろと指摘をいただきました。ですから、建交労ですか、が取り組んでいただいておるように、その元請の責任とか適正単価の確保とか、また行政の方で処分場の設置をというようなことを言っていただいているわけでありますけれども。
 それで、私、ちょっと関連の記事を読ませていただきまして、元請事業者に対し搬出時に搬出先から交付される土砂受領書の確認を新たに義務付けるべきではないかということを提案されているようでございますけれども、私、このことが一番必要なことかなと思うんですね。これがうやむやになっているから本当におかしいということ、特に今、民間関係がそうなっているんだと思いますけれども、このことについてもう少し詳しく話していただければと思いますが。
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高橋立顕#27
○参考人(高橋立顕君) 受領書というのが、要は、元請さんが例えば中間ストックヤードに持っていってそこで終わりということであれば、土が混ざってしまって、いろんな現場からの土が混ざってしまってどこにまた再搬出していったか分からなくなってしまうと。ですのでそれを、この工事はこのヤード、この工事はこのヤードというふうに仕切りを作って、満杯になればそれをどんどん排出すればいいだけの話ですから。
 それで、どこに持っていったのか、ヤードから、ストックヤードからどこに持っていったのか、ちゃんとここで処分していますよと、だから問題ありませんよというような一連の仕組みとして、要は、最終処分場の業者さんが、はい、私は確かに何万立米を受領しましたよというようなことをきちんと元請に報告をする、それでようやく完了するというようなことにすれば、それが結局、紙の媒体だったり、それはちょっと煩雑になるねということでトレーサビリティーでスマホを使ってみたりだとかというようなのをいろいろ国交省さんも研究されていますし、試験的に運用もされています。ですので、それを最終処分場のところまで全部やっていただければかなり改善されるんではないかというふうに考えているというところです。
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野田国義#28
○野田国義君 ですから、私、産業廃棄物で非常に苦労したんですね。そうなると、やっぱり最終的にはマニフェストをちゃんと作っていくというか、そういうことが大切なんじゃないのかなと思いますが、いかがでしょうか。
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高橋立顕#29
○参考人(高橋立顕君) 産業廃棄物収集運搬、産業廃棄物の処分の関係でいきますと、リサイクル、建設リサイクルの観点でも一番優秀なのはアスファルト合材だと思います。道路をめくって、それを材料にしてまた新しいアスファルト合材を作ると。それにも全部、産業廃棄物収集運搬の許可もダンプも持っていますしということで、そこは、どこから持ってきて加工して、また更にどこに持っていくのかというのははっきりしています。
 ただ、そういったことを、その産業廃棄物収集運搬のようにするのかどうなのかというのは、一つ、その現場実態からすると、ダンプの人がまた全員その収集運搬の講習会を受けてだとかというふうになってくると非常に煩雑になってしまうと、費用も掛かってしまうということにもなりかねませんので、トレーサビリティーということで、スマホなり又はGPSの装置というのを元請がダンプに貸与するだとか、下請さんでもいいですけれども、そういう形で、どこに持っていっているのか、又は中間ストックヤードから、じゃ、最終処分場までもそういうようなシステムの中に組み込んでしまえば、そこは、どういうふうに持っていったのかというのははっきりするんじゃないかというふうには思います。
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