本会議

2024-03-26 衆議院 全48発言

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会議録情報#0
令和六年三月二十六日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第八号
  令和六年三月二十六日
    午後一時開議
 第一 特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件
 第三 二千二十七年国際園芸博覧会政府委員の設置に関する臨時措置法案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 人事官任命につき同意を求めるの件
 国家公務員倫理審査会委員任命につき同意を求めるの件
 食品安全委員会委員任命につき同意を求めるの件
 衆議院議員選挙区画定審議会委員任命につき同意を求めるの件
 国地方係争処理委員会委員任命につき同意を求めるの件
 公害等調整委員会委員任命につき同意を求めるの件
 労働保険審査会委員任命につき同意を求めるの件
 中央社会保険医療協議会公益委員任命につき同意を求めるの件
 中央労働委員会公益委員任命につき同意を求めるの件
 運輸審議会委員任命につき同意を求めるの件
 原子力規制委員会委員任命につき同意を求めるの件
 日程第一 特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件
 日程第三 二千二十七年国際園芸博覧会政府委員の設置に関する臨時措置法案(内閣提出)
 食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時二分開議
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額賀福志郎#1
○議長(額賀福志郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 人事官任命につき同意を求めるの件
 国家公務員倫理審査会委員任命につき同意を求めるの件
 食品安全委員会委員任命につき同意を求めるの件
 衆議院議員選挙区画定審議会委員任命につき同意を求めるの件
 国地方係争処理委員会委員任命につき同意を求めるの件
 公害等調整委員会委員任命につき同意を求めるの件
 労働保険審査会委員任命につき同意を求めるの件
 中央社会保険医療協議会公益委員任命につき同意を求めるの件
 中央労働委員会公益委員任命につき同意を求めるの件
 運輸審議会委員任命につき同意を求めるの件
 原子力規制委員会委員任命につき同意を求めるの件
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額賀福志郎#2
○議長(額賀福志郎君) お諮りいたします。
 内閣から、
 人事官
 国家公務員倫理審査会委員
 食品安全委員会委員
 衆議院議員選挙区画定審議会委員
 国地方係争処理委員会委員
 公害等調整委員会委員
 労働保険審査会委員
 中央社会保険医療協議会公益委員
 中央労働委員会公益委員
 運輸審議会委員
及び
 原子力規制委員会委員に
次の諸君を任命することについて、それぞれ本院の同意を得たいとの申出があります。
 内閣からの申出中、
 まず、
 人事官に土生栄二君を、
 食品安全委員会委員に浅野哲君及び祖父江友孝君を、
 衆議院議員選挙区画定審議会委員に加藤淳子君、宍戸常寿君及び高橋滋君を、
 国地方係争処理委員会委員に菊池洋一君、辻琢也君、小高咲君、勢一智子君及び山田俊雄君を、
 原子力規制委員会委員に山岡耕春君を
任命することについて、申出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
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額賀福志郎#3
○議長(額賀福志郎君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
 次に、
 国家公務員倫理審査会委員に岩井康子君を
任命することについて、申出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
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額賀福志郎#4
○議長(額賀福志郎君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。
 次に、
 食品安全委員会委員に頭金正博君、小島登貴子君及び杉山久仁子君を、
 衆議院議員選挙区画定審議会委員に品田裕君及び飯島淳子君を、
 中央労働委員会公益委員に安西明子君を
任命することについて、申出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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額賀福志郎#5
○議長(額賀福志郎君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
 次に、
 食品安全委員会委員に高原和紀君を、
 原子力規制委員会委員に長崎晋也君を
任命することについて、申出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
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額賀福志郎#6
○議長(額賀福志郎君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
 次に、
 衆議院議員選挙区画定審議会委員に林崎理君を
任命することについて、申出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
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額賀福志郎#7
○議長(額賀福志郎君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。
 次に、
 衆議院議員選挙区画定審議会委員に谷口尚子君を、
 公害等調整委員会委員に北窓隆子君を、
 労働保険審査会委員に植木敬介君を、
 中央社会保険医療協議会公益委員に永瀬伸子君を
任命することについて、申出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
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額賀福志郎#8
○議長(額賀福志郎君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
 次に、
 運輸審議会委員に白石敏男君を
任命することについて、申出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
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額賀福志郎#9
○議長(額賀福志郎君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。
     ――――◇―――――
 日程第一 特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
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額賀福志郎#10
○議長(額賀福志郎君) 日程第一、特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。農林水産委員長野中厚君。
    ―――――――――――――
 特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔野中厚君登壇〕
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野中厚#11
○野中厚君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、経済連携協定の締結等により農産加工品等の輸入に係る事情の著しい変化による影響が継続している状況を踏まえ、特定農産加工業者の経営の改善を引き続き促進するため、現行法の有効期限を五年延長するとともに、輸入原材料の価格水準の上昇等により、その調達が困難となっている状況を踏まえ、原材料の調達の安定化を図るための措置に関する計画の承認制度を設け、当該承認を受けた特定農産加工業者に対する株式会社日本政策金融公庫による貸付けの特例の措置等を講ずるものであります。
 本案は、去る三月十二日本委員会に付託され、翌十三日坂本農林水産大臣から趣旨の説明を聴取し、二十一日質疑を行いました。質疑終局後、採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。拍手
    ―――――――――――――
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額賀福志郎#12
○議長(額賀福志郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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額賀福志郎#13
○議長(額賀福志郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件
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額賀福志郎#14
○議長(額賀福志郎君) 日程第二、放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。総務委員長古屋範子君。
    ―――――――――――――
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔古屋範子君登壇〕
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古屋範子#15
○古屋範子君 ただいま議題となりました承認案件につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本件は、日本放送協会の令和六年度収支予算、事業計画及び資金計画について、国会の承認を求めるものであります。
 まず、収支予算は、一般勘定において、事業収入六千二十一億円、事業支出六千五百九十一億円となっており、事業収支における不足五百七十億円については、還元目的積立金の一部をもって補填することとしております。
 次に、事業計画は、多様で質の高いコンテンツの提供、受信料の公平負担の徹底、ガバナンスの強化等に取り組むこととしております。
 なお、この収支予算等について、総務大臣から、放送番組の質の維持と事業経費の合理化、効率化、受信料の公平負担の徹底、令和六年能登半島地震において再認識された災害時における放送の役割の重要性を踏まえ将来の災害に備えること、放送に加え、インターネットを通じた国民・視聴者への放送番組の提供、放送コンテンツのプラットフォームとして放送番組の流通を支え、放送の二元体制を基本とする放送全体の発展に貢献していくこと等を求める旨の意見が付されております。
 本件は、去る三月十三日本委員会に付託され、翌十四日、松本総務大臣から趣旨の説明を、また、日本放送協会会長から補足説明をそれぞれ聴取した後、質疑に入り、去る二十一日質疑を終局いたしました。次いで、採決いたしましたところ、本件は全会一致をもって承認すべきものと決しました。
 なお、本件に対し附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。拍手
    ―――――――――――――
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額賀福志郎#16
○議長(額賀福志郎君) 採決いたします。
 本件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
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額賀福志郎#17
○議長(額賀福志郎君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。
     ――――◇―――――
 日程第三 二千二十七年国際園芸博覧会政府委員の設置に関する臨時措置法案(内閣提出)
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額賀福志郎#18
○議長(額賀福志郎君) 日程第三、二千二十七年国際園芸博覧会政府委員の設置に関する臨時措置法案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。外務委員長勝俣孝明君。
    ―――――――――――――
 二千二十七年国際園芸博覧会政府委員の設置に関する臨時措置法案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔勝俣孝明君登壇〕
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勝俣孝明#19
○勝俣孝明君 ただいま議題となりました法律案につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、令和九年に開催される二千二十七年国際園芸博覧会に関し、国際博覧会条約の規定に基づく政府委員の設置及びその任務、給与等について定めるものであります。
 本案は、去る三月十四日外務委員会に付託され、翌十五日上川外務大臣から趣旨の説明を聴取いたしました。二十二日に質疑を行い、質疑終局後、引き続き採決を行いました結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。拍手
    ―――――――――――――
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額賀福志郎#20
○議長(額賀福志郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
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額賀福志郎#21
○議長(額賀福志郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
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額賀福志郎#22
○議長(額賀福志郎君) この際、内閣提出、食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。農林水産大臣坂本哲志君。
    〔国務大臣坂本哲志君登壇〕
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坂本哲志#23
○国務大臣(坂本哲志君) 食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 我が国の食料、農業、農村施策の基本的な方針を定める食料・農業・農村基本法については、制定から四半世紀が経過する中で、世界的な食料需給の変動、地球温暖化の進行、我が国の人口の減少などの食料、農業、農村をめぐる情勢の変化が生じ、その制定時の前提が大きく変化しております。
 このため、こうした変化を踏まえて食料、農業、農村施策を講ずることができるよう、基本理念を見直すとともに、関連する基本的施策等を定める必要があることから、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、食料安全保障の抜本的強化についてであります。
 食料安全保障について、食料の安定供給に加えて、国民一人一人の食料の入手の観点を含むものとして定義し、その確保を基本理念に位置付けます。この考え方に基づき、国内農業生産の増大を基本とし、農業生産の基盤等の食料供給能力の確保の重要性、生産から加工、流通、消費に至る食料システムの関係者の連携などを位置付けます。その上で、国内農産物、農業資材の安定的な輸入の確保、食料の円滑な入手の確保、輸出の促進、価格形成における合理的な費用の考慮などの基本的施策を講ずることとしております。
 第二に、環境と調和のとれた産業への転換についてであります。
 食料供給が環境に負荷を与えている側面があることに着目し、環境と調和のとれた食料システムの確立が図られなければならない旨を基本理念に位置付け、この考え方に基づき、農業生産活動、食品産業の事業活動等における環境への負荷の低減の促進などの基本的施策を講ずることとしております。
 第三に、生産水準の維持発展と地域コミュニティーの維持についてであります。
 我が国全体の人口減少に伴い、農業者、農村人口が減少することが見込まれる中においても、農業の持続的な発展と農村の振興を図っていくことができるよう、農業法人の経営基盤の強化、先端的な技術を活用した生産性の向上、農業経営の支援を行う事業者の事業活動の促進、農村関係人口の増加に資する産業振興、農地の保全に資する共同活動の促進などの基本的施策を充実しております。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。拍手
     ――――◇―――――
 食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
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額賀福志郎#24
○議長(額賀福志郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。江藤拓君。
    〔江藤拓君登壇〕
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江藤拓#25
○江藤拓君 自由民主党・無所属の会の江藤拓でございます。
 ただいま議題となりました食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案につきまして、会派を代表して質問させていただきます。拍手
 まず冒頭に、本年一月に発災いたしました能登半島地震におきまして犠牲になられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆様方に心よりお見舞いを申し上げます。
 さて、この度、制定されてから二十五年が経過した食料・農業・農村基本法を改正することとなりました。
 坂本大臣から、なぜ、今、食料・農業・農村基本法の改正が必要かということについては御説明をいただきました。
 これに加えて、私からも、近年激変する日本を取り巻く食料安全保障の環境の変化について申し上げれば、ロシアのウクライナ侵略の際には、小麦や肥料、飼料などの価格が高騰し、国民は多大な影響を受け、生産現場も窮地に追い込まれました。また、中国では、習近平国家主席の下で、中国十四億人のための茶わんは常に私たちの手でしっかりと握られているようにする、そう高らかに宣言されました。これは、今や世界一の農林水産物の純輸入国となった中国が食料自給率一〇〇%を目指すということを意味しているのであります。
 先月行われましたWTO閣僚会議でも、農業分野では、各国の意見が激しく対立をし、しかも、多くの国で保護主義的な姿勢が目立ち、全く合意に至りませんでした。まさに、今や食料が戦略物資になったということが明確になったわけであります。
 こうした現状を踏まえ、私が会長を務める自民党総合農林政策調査会の下に、食料安全保障に関する検討委員会を設置し、党総務会長であられる森山裕先生に委員長をお願いし、さらに、三つの分科会を設け、主要テーマについて徹底的に議論を行い、現場の皆様の御意見もしっかりと聞かせていただいた上で、約一年半かけて作り上げたのが今回の改正基本法案であります。
 ただいま坂本大臣からは、基本法改正のポイントは大きく三つあると御説明をいただきました。
 まず第一に、食料安全保障の抜本的な強化を図る。これは、今回の改正の中でも最も重要な点であります。
 これまで不測時の対応でしか規定されていなかった食料安全保障という言葉を、基本法の基本理念としてしっかりと位置づけ、国内で生産できるものはできる限り国内で生産する、そういう方針を明確にしています。
 さらに、国民の皆様に持続的な食料供給を可能とするためには、再生産を可能とする合理的な価格の形成がどうしても必要となってまいります。
 この点において、消費者の役割として、食料の持続的な供給に資するものの選択を通じて食料の持続的な供給に寄与する旨もしっかりと条文に書き込まれていることは、高く評価することができます。しかしながら、合理的な価格形成を基本法の条文に書いたからといって、直ちにそれが実現できるわけではもちろんありません。
 そこで、総理と農林水産大臣にお伺いをいたします。
 まずは、食料安全保障の確立の必要性への御認識、そのためには欠かせない合理的な価格の形成についての御見解を伺わせていただきます。
 第二に、環境と調和の取れた産業への転換を挙げられました。
 世界に目を向ければ、カーボンニュートラル、生物多様性など、農業分野においても例外ではなく、環境への対応が求められています。
 環境と調和を図っていく必要性について、基本法における基本理念にしっかりと位置づけられました。環境との両立を図る上で、新たな技術の開発や、施策の更なる充実強化が課題となってまいりますが、坂本農林水産大臣の御見解をお伺いいたします。
 第三に、生産水準の維持発展と地域コミュニティーの維持を挙げられました。
 二〇〇八年をピークに我が国の人口は減少の局面に転じ、各産業において人材の獲得競争が激化いたしております。
 こうした中で、より多くの若者に農業の魅力を感じてもらえるよう、省力化に資するスマート技術の導入や地域の特産品のブランド化、拡大する海外市場も視野に入れた輸出の促進なども更に進める必要があります。そして、生産者の方々がやりがいと希望、夢を持って働ける農業、農村を実現していく必要があると考えております。
 基本法、これはあくまでも理念法であります。この理念を実現するためには、次に食料・農業・農村基本計画をしっかりと策定し、それに基づく制度設計、そしてそれに必要な予算、これを確保することが不可欠と考えておりますが、総理の御見解を伺います。
 今まさに、日本の農政は大転換が求められているのであります。
 岸田内閣においては、国を守るための安全保障、経済安全保障などに力を注いでおられますが、食料の安全保障も極めて大きな柱であります。
 一方で、基幹的農業従事者は、現在百十六万人でありますが、平均年齢は六十八歳を超え、二十年後には約三十万人にまで減少してしまうのではないか、そういうおそれが指摘されております。極めて厳しい現状です。
 この現状を踏まえて、重ねて申し上げますが、食料自給率の向上や食料安全保障の実現のためには、しっかりとした予算、これを確保して、強い生産基盤を確立し、そして人材を確保することが欠かせないのであります。
 私ごとではありますが、私の次男は、六月には農業生産法人での修業を終え、地域の担い手となるべく、今、就農に向けて準備を進めております。
 更に申し上げれば、ようやくデフレからの完全脱却も視野に入ってまいりました。先週、日銀も金融政策を転換いたしましたし、春闘第一次回答でも、五・二八%の賃上げという回答を得るに至りました。
 しかし、これは従業員千人以上の大企業に限ったものであり、七割の方々は中小企業に勤めておられるわけでありますから、まさにこれからが景気回復に向けた正念場であります。
 国民の皆様が物価高を超える賃上げを実感することができなければ、先ほど来申し上げている食料の持続的な供給のために必要な合理的な価格の形成、これはなかなか難しいと言わざるを得ません。国民の皆様が、国産の農産物を買って農家を応援しよう、そう思っていただいても、家計にゆとりがなければ、輸入品など、より安いものを選択せざるを得ないというのが現実であります。
 総理は、先週、日本商工会議所の通常総会で、中小企業の持続的な賃上げについて、政策を総動員して後押しをする、そう述べられました。ここで改めて、物価上昇を上回る賃上げの実現に向けての総理の御決意を伺います。
 食料・農業・農村基本法は、我が国の食料、農業、農村施策の基本的な方針を定めるものであります。いわば、農政の憲法であります。激動する国際情勢、国内の変化を踏まえた、時代にふさわしい基本法とせねばなりません。
 我々自由民主党は、時代の変化を踏まえた責任ある農政の実現にこれからも全力で取り組んでまいることをお約束し、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。拍手
    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕
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岸田文雄#26
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 江藤拓議員の御質問にお答えいたします。
 食料安全保障の確立の必要性への認識と、合理的な価格の形成についてお尋ねがありました。
 我が国の食料安全保障上のリスクが高まる中、平時から食料安全保障を確立することが必要であると認識しており、食料・農業・農村基本法の改正案において、新たに基本理念として位置づけているところです。
 また、食料安全保障を確立するためには、議員御指摘のとおり、食料の持続的な供給が行われるよう、生産から消費までの各段階の関係者の合意の下、国内外の資材費、人件費の恒常的なコストが考慮された価格形成が行われること、これが重要です。こうした価格形成の仕組みについて、法制化も視野に検討してまいります。
 食料・農業・農村基本計画の策定と、それに基づく制度設計、予算の確保についてお尋ねがありました。
 基本法の改正案が成立を見れば、政府として、これに基づく食料・農業・農村基本計画を策定し、その中で、基本法に定める各般の施策の具体化を行います。
 その上で、基本計画に定める施策を的確かつ着実に進めていくために必要な制度や予算を措置することにより、食料安全保障の確保を始め、農政の再構築を図ってまいります。
 賃上げについてお尋ねがありました。
 今年の春季労使交渉では、五%を超える賃上げ率など、昨年を上回る力強い賃上げの流れができてきています。
 日本全国にこうした流れを広げていくためには、中小企業の賃上げ実現が重要であり、先日開催した政労使の意見交換でも、労使の皆さんに協力をお願いしたところです。
 政府としても、食料供給に関わる産業を含めて、あらゆる産業において賃上げと成長の好循環が実現できるよう、物価高に負けない賃上げの実現に向け、労務費転嫁の指針の活用など価格転嫁の促進や、賃上げ促進税制の拡充、省力化投資支援などの生産性向上支援を通じ、強力に後押しをしてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。拍手
    〔国務大臣坂本哲志君登壇〕
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坂本哲志#27
○国務大臣(坂本哲志君) 江藤拓議員の御質問にお答えいたします。
 食料安全保障の確立の必要性の認識と合理的な価格の形成についてのお尋ねがありました。
 世界の食料需給が不安定化し、我が国の食料安全保障のリスクが高まる中、平時から食料安全保障を確立することが重要です。
 また、食料については、生産者から加工、流通、小売を経て消費者に販売されるものであることから、将来にわたって持続的に食料を供給するためには、食料システムの各段階の事業者が取引を通じて収益を確保することによって、食料システム全体を持続可能なものとしていく必要があると考えています。
 特に、資材費や人件費が長期的に上昇傾向にある中でも、持続的な食料供給を確保し、平時からの食料安全保障を確立するために、食料システムの関係者の合意の下、こうした恒常的なコスト増などが考慮された価格形成が行われることが重要となってきているところです。
 このため、合理的な価格の形成に向け、令和五年八月から、生産から消費までの各段階の関係者が一堂に集まる、適正な価格形成に関する協議会を開催し、コスト指標の検討やコスト指標を活用した価格形成方法の具体化や、国民の理解の醸成に努めていくこととしています。
 こうした協議会等での議論も踏まえつつ、食料システムの関係者の合意の下で価格形成が行われる仕組みについて、法制化も視野に検討してまいります。拍手
    ―――――――――――――
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額賀福志郎#28
○議長(額賀福志郎君) 神谷裕君。
    〔神谷裕君登壇〕
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神谷裕#29
○神谷裕君 立憲民主党の神谷裕でございます。
 私は、ただいま議題となりました食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案に対し、立憲民主党・無所属を代表し、質問をいたします。拍手
 この法案は、一九九九年に制定された農業の憲法ともいうべき大切な法律の四半世紀ぶりの大改正です。この四半世紀の間、我が国農業、農村を取り巻く様々な状況の変化があり、それが今回の法改正のゆえんとなったところでありますが、何より情けないのは、この農業の憲法というべき大切な法律を、政治の信頼が大いに揺らいでいる中で審議しなければいけないことです。
 総理、言うまでもなく、政治の信頼を取り戻すには実態の解明が何よりです。
 先般は裏金議員の処分についてもお話しになりましたが、実態が分からずに処分などできるはずもありません。よもや、処分を行うことでこの問題は終わったと幕引きをされるとは思いませんが、重要なのは、裏金問題によって地に落ちた政治への信頼の回復です。政倫審によっても、多くの国民の皆さんは実態の解明はできていないとお感じのようです。処分をお急ぎのようでございますから、なるべく早く、予算委員会での証人喚問や政倫審等、あらゆる場での説明をお願いいたします。党内での更なる調査とも聞きますが、お手盛りでは国民の納得を得るのは困難です。
 与党の一角である公明党の山口代表は、昨年十二月十七日にティックトックで、同じ穴のムジナとは見られたくないと発言をされました。しかしながら、公明党は、政倫審への裏金議員の出席申立てについて、昨日行われた立憲民主党との協議において、政倫審に説明に来てほしい議員はもういないと反対したため、政倫審での申立てができなくなりました。
 山口代表は、同じムジナではないと言いましたけれども、これでは結果的に同じムジナではないですか。これでは、公明党は言行不一致と言わざるを得ません。
 さて、食料・農業・農村基本法の改正です。
 今回は二十五年ぶりの初めての改正となります。今回の基本法改正に当たり、立憲民主党においては、充実した議論に向けて、有識者、団体、農業者など、現場にも出向き広く意見を伺い、議論を重ねてまいりました。基本法となれば、当然にして、国民の理解、わけても農業者の理解と合意が不可欠です。そのためにも、法案審議において、広く地域に出向き、また与野党の総意による合意形成に向けて精いっぱい御尽力いただくように、政府・与党には求めていきたいと思います。
 そのような中で、現行基本法を制定した一九九九年において、旧基本法を廃止し、現行基本法を新たに立てることになりました。我が国内外をめぐる様々な状況の変化が今回の改正のゆえんと言われますが、一部改正でお茶を濁し、既存の施策をこれまで同様続けていくだけでは、今の農業、農村の情勢は改善するとは思えません。前回は新法を立て、今回は法改正で対応することとした理由について、まずは総理にお伺いをしたいと思います。
 さて、今般の改正に当たり、現行基本法が求める様々な目標が達成できなかった失敗は、やはり総括するべきであると考えます。特に、基本法が求める食料安定供給の確保に対する食料自給率の低下という失敗、農業の有する多面的機能の発揮に対する耕作放棄地の拡大という失敗、農村の振興に対する農家経営の減少と農村人口の減少という失敗などについては、真剣な分析と評価、そして、言い訳のような答弁ではなく政策の大胆な変更が必要だと考えます。
 既存の政策の延長では、今の下向きのトレンドを変えることができないのは明白です。今回の基本法の見直しを契機として、これらの課題を実現するために抜本的に政策を見直す考えがあるのか、総理の見解を伺います。
 食料安全保障について伺います。
 食料の安定供給の確保と不測時の食料安全保障について、今般新たに法律を立てると提案されています。非常時の際の行動を平時に準備しておくことは理解するものの、一足飛びに、計画を出さなければ罰金ということには、農村現場からも怒りと反発の声が上がっております。非常時に、流通などの売惜しみ、在庫状況の確認をしたいとの思いもあるようでございますが、全ての生産者に罰金を科すのか、あえて生産者にまで罰金を科すことについて総理はどのようにお考えなのか、これを伺いたいと思います。
 不測時ばかりでなく、平時において国民が安心して食生活を送れるよう、国内農業生産の増大を図ることは極めて重要です。これに輸出輸入及び備蓄を適切に組み合わせて食料安全保障を実効ならしめると政府もお考えのようですが、国際環境の変化や為替リスク、いざというときの自国優先の考え方など、食料の確保を輸入など海外に過度に依存していくことは厳に慎むべきであることと考えます。総理のお考えを伺います。
 食料安全保障を実効ならしめるには、まずは国内農業生産の増大が必要であり、そのためには、基盤となるべき農地の確保、農業者の経営を維持発展させる必要があります。
 いかにしてこれを実効ならしめるかが極めて重要となってまいりますが、既存の施策に加え、適正価格の実現が、この度、打ち出されています。資材等の高騰で価格の上昇が必要な生産者の適正価格と、家計の厳しい中で安価な食料品を求めている消費者の適正価格を、市場原理だけで解決することは極めて困難です。だからこそ、価格は市場で、所得は政策でという切り分ける考え方が生まれ、戸別所得補償政策が必要だと私たちは提案をしています。
 よしんば、今回の施策を通じ、市場における適正な価格形成が実現したとしても、再生産を可能とする所得水準に見合う価格が実現する保証はありません。先行例であるフランスにおけるエガリム法などは、農業支援策としては不十分との評価もあり、直接所得補償が加わって農業、農村の維持が実現されているとの評価があることを率直に受け止めるべきであると考えます。
 再生産可能な価格の実現は当然に追い求めるにしても、農業者戸別所得補償などの直接支払いも併せて実施するべきであると考えますが、総理のお考えを伺います。
 また、農業の基盤が農地、農業者であることに鑑み、新たに農地を維持し、農地として活用することを念頭に、面積に着目した直接支払いなどを食料安全保障支払いとして実施すべきであると提案をいたします。総理のお考えを伺います。
 非常時の食料確保に加え、貧困などの経済的な事情や過疎地での買物難民など、平時でも健康的で十分な食料へのアクセスが困難な事象に対応していくことは重要なことです。国民の健康な食生活を保障するため、フードバンクや子供食堂などの活動を積極的に位置づけ、支援を強化していくべきであると考えます。また、重要な食育の場である学校給食の無償化を実現、給食での地域の農産物の活用、有機食品の活用を積極的に進めるべきであると考えますが、総理のお考えを伺います。
 これまでの基本法では、効率的かつ安定的な農業経営が農地の大部分を保有する望ましい農業構造を実現することを目標に、大規模専業経営、労働生産性の向上、農業の成長産業化を目指すことに政策の重点を置いてきました。しかし、大規模化が進んだ北海道を見ても、規模に応じた機械投資や資材への投資、さらには人的投資などが応分に必要になり、一方では作物価格が伸びない中で、これらのモデルでは持続可能な経営が実現できているとは直ちに言えないようなことが明確になってきていると考えます。
 農地の集積を進めた結果、農村集落での営みが維持できなくなりつつあり、また、大規模農家の離農に際して、農地の大きさゆえに近隣農家が残った農地を引き受けることも難しくなっております。中小・家族経営など、農村集落において多様な経営体が存在することが重要であって、成長産業化という文脈から離れた農業経営の安定化策の構築、強化を図るべきであると考えますが、総理のお考えをお聞きします。
 国内農産物に対する消費者ニーズが堅調であり、輸入品から国産への転換が求められる小麦、大豆、飼料作物について、国内生産の増大を積極的に図っていくことは重要です。しかし、だからといって、優れた生産装置である水田の畑地化をいたずらに進めるのは問題があると考えています。アジア・モンスーン地帯に位置する我が国にとって、水田という生産装置を維持することの食料安全保障上の意味は極めて重要であります。
 一方で、米の消費が年々減少する中で、ほかのニーズのある作物に切り替えていくことも必要なことでありますが、このために重要な役割を果たしてきた水田活用直接支払い交付金は、その見直し以降、いまだに農村現場には農地の売買や土地改良など、多くの混乱が見られ、特に中山間地などの条件不利地においては、畑地化支援を手切れ金代わりに離農するような兆しも見えております。
 水田活用直接支払い交付金は、主食用米以外の作物を作り、主食用米並みの所得を確保し、農業経営を維持していくという上で重要な役割を果たしており、農家からも支持されている政策です。まずは、見直しによる混乱の収拾、併せて、この制度を安定させるためにも法制化すべきであると考えますが、総理のお考えを伺います。
 現行基本法にも、自給率の向上、農地の維持、確保、農業者の維持と経営の安定がうたわれております。ただ法律に目標を書けばそれでよいというわけではありません。当然、法に書かれた目的を本気で実現していただかなければなりません。
 同じ安全保障でも、防衛予算は大きく伸びているのに対し、食料安全保障に対する予算が伸び悩むようでは、政府の本気が問われることになると思います。残念ながら、農林水産省予算は伸びているとは申せません。農林水産業は地方の基幹産業であり、農林水産予算は、地方経済にとっても極めて重要な意味があると思っています。
 二十五年ぶりの初めての改正となる今回の改正を経て、今から二十五年後、我が国農業、農村が今よりも疲弊することとなれば、今回の改正が失敗であったことを意味します。二十五年後、総理は、この基本法の改正を経て、自給率は向上し、農地は維持をされ、農業者も維持、増大するとお約束いただけるのかお伺いして、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。拍手
    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕
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