国土交通委員会

2024-06-04 参議院 全101発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
令和六年六月四日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     平木 大作君     山本 香苗君
 五月三十一日
    辞任         補欠選任
     山本 香苗君     平木 大作君
 六月三日
    辞任         補欠選任
     藤巻 健史君     浅田  均君
 六月四日
    辞任         補欠選任
     木村 英子君     大島九州男君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         青木  愛君
    理 事
                青木 一彦君
                吉井  章君
                森屋  隆君
                塩田 博昭君
                青島 健太君
    委 員
                石井 浩郎君
                江島  潔君
                こやり隆史君
                鶴保 庸介君
                堂故  茂君
                豊田 俊郎君
                永井  学君
                長谷川 岳君
                宮本 周司君
                山本佐知子君
                小沼  巧君
                三上 えり君
                河野 義博君
                平木 大作君
                浅田  均君
                嘉田由紀子君
                浜口  誠君
                田村 智子君
                大島九州男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        清野 和彦君
   参考人
       一般社団法人建
       設産業専門団体
       連合会会長    岩田 正吾君
       全国建設労働組
       合総連合書記次
       長        小倉 範之君
       全国仮設安全事
       業協同組合副理
       事長
       日本建設職人社
       会振興連盟副理
       事長       小岸 昭義君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化
 の促進に関する法律の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
この発言だけを見る →
青木愛#1
○委員長(青木愛君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、藤巻健史君が委員を辞任され、その補欠として浅田均君が選任されました。
 また、本日、木村英子君が委員を辞任され、その補欠として大島九州男君が選任されました。
    ─────────────
この発言だけを見る →
青木愛#2
○委員長(青木愛君) 建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、一般社団法人建設産業専門団体連合会会長岩田正吾君、全国建設労働組合総連合書記次長小倉範之君及び全国仮設安全事業協同組合副理事長・日本建設職人社会振興連盟副理事長小岸昭義君でございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、岩田参考人、小倉参考人、小岸参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず岩田参考人からお願いいたします。岩田参考人。
この発言だけを見る →
岩田正吾#3
○参考人(岩田正吾君) この度は、発言の機会を与えていただき、誠にありがとうございます。
 建設産業専門団体連合会、略称を建専連と申します、会長の岩田でございます。
 建専連は、建設業における専門工事業団体の連合会組織であり、全国組織三十四団体、五万三千会員を有する、建設現場における主に下請となる業種の連合体組織であります。夏には全国各地を回り、ブロックごとに組織されている各地区建専連とともに地方整備局などとの意見交換会を行っており、地域の抱える問題とも向き合ってまいりました。また、これまでには、民間発注者の方々や役所の方々を始め、いろいろなお立場の方とお話をさせていただきました。そのことを踏まえ、本日は、建設業界の抱えてきた問題を職人の目線で、会を代表し、お話をさせていただきたいと思います。
 初めに、日本の専門工事業界の実態について説明いたします。
 まず、欧米諸国と比較すると日本の技能者の賃金は大幅に安く、日本国内においても全産業平均値より年収では七十七万円安く、労働時間では六十八時間多く働いている状況であり、若い担い手も、両親や先生と相談し、他産業や地場の元請と比較したときに処遇の悪い専門工事企業に目を向けなくなっており、加速している技能者の高齢化と併せて技能者数の減少に歯止めが掛からない状況となっております。さらに、このことは、円安の傾向もあり、外国人労働者を確保していく上でも苦戦する状況に進むのではと危惧しております。
 なぜ専門工事企業が処遇改善に踏み切れないのか、その大きな要因は労務費を含む請負価格が安定しないことにあります。
 建設業はこれまで、発注者と元請はもとより、元請と下請の契約にあっても、総額一式契約により決まった金額、工期で収めていくことを正として進めてまいりました。そのことにより、受注者側である元請、下請が協力し、知恵を絞って何とかその金額で収めようと努力し、新たな工法、技術を開発し、現場の生産性を高めてきたのは周知の事実であります。
 ですので、総額一式契約そのものを否定するわけではありませんが、仕事量が減ったときには、労務費を含んでいるのにもかかわらず、その内訳を気にしていられなくなり、総額のみにこだわり、黙っていれば仕事が欲しいだろうから下げてくるやろうと、また、下げなければ仕事がもらえないんじゃないかというようなマインドが建設業界の上位から下請まで広がり、その契約行為を進めてきた結果、必要な労務費を削って安値競争の原資に組み込まれるようになりました。それがいわゆるダンピングです。ダンピングは元請だけではありません。下請にもあるわけです。
 これまで現場で知恵を出して高めてきた生産性もそのコストに当然のように組み込まれ競争をするわけですから、新たな知恵が出ない限り赤字になります。こうした仕事量の増減に対し赤字にならないようにするために、労務費を固定費ではなく変動費にせざるを得なくなり、直接雇用する職人に対しては固定費を抑えて出せるときに賞与で調整をしたり、下請に外注する場合などは指し値、すなわち自社の経費と利益を差し引いた金額を提示し、それに見合う業者間で競わせるようになり、さらに二次下請も同じように行動することから自然に安値競争へと加速をしていき、結果として重層下請構造を受け入れる体質になりました。これが請負価格の変動に対する我々の知恵であり、生き残るための方策として長年にわたり染み付いてまいりました。
 このような状態なので、先を見込んで賃上げした企業ほど調整弁に余裕がなくなり、倒産の危機に直面することになります。その結果が、働いた日数の給与であること、給与が安く不安定であること、通勤時間は長いのに賃金に反映されないこと、休暇が少ないことなどにつながり、処遇改善に踏み切れない大きな要因となっていることは否定できません。技能者の現状は、まさに国がやろうとしている担い手確保のための賃上げや働き方改革の妨げになっているわけです。
 このような現状を長きにわたり国土交通省とも協議を重ね、持続可能な建設業に向けた環境整備検討会の場で先生方に議論をしていただき、その提言の下、中央建設業審議会で標準労務費を勧告していただく方向となりました。標準労務費という処遇改善に必要な相場観を示し、不当に低い請負代金による請負契約の禁止と連動した取組に対し、画期的でまさに今必要な法律であると、業界を挙げて大変期待をしているところであります。
 このような動きに対し、もらえないから払えないと言ってきた我々建専連会員企業も、もらえたらしっかり払おうやないかということを申し合わせました。そして、CCUSレベルごとの年収を公表いたしました。その目的は、何年働いてこの資格を取れば最低でも年収幾らもらえるんだということをしっかりと見える、キャリアパスを見える化することでした。労務比率の高い職種を中心に、八職種十団体で先行設定いたしました。このことにより、CCUSは入らされていた資格から入りたい資格へと変わり、加入がより加速すると信じております。
 また、技能者の賃金を下支えする仕組みには、欧米にはそれぞれの国に応じたものが構築されておりますが、日本はこれまで述べた理由によりできませんでした。しかし、今回の業法改正により、可能となる兆しが見えてくるわけです。また、標準労務費の制度が導入されることで、政府からの賃上げ要請に対応する環境が整備されることになります。働き方改革への対応についても、標準労務費の行き渡りのベースには、月給制を基本として年収を引き上げていくこと、しっかりと休みを確保することなどが前提なので、休むと手取りが減るという否定的な意見はなくなり、休みを取ろうとする意識へ向かうものと大いに期待をしております。
 払わなければ人は来ない。払うための準備は進んできております。是非とも早期の本制度の実現をお願い申し上げます。
 また、これらの取組をより実効性を持たせるためのお願いを申し上げます。
 一つ目は、これらの取組には、申し訳ありません、一つ目は、公共工事はもとより、民間工事においても標準労務費がしっかりと担保されるよう、チェック体制を強固な形に整備していただくことをお願い申し上げます。
 二つ目は、これらの取組には民間発注者からの理解が最も重要です。
 これまで民間発注者の方々は元下間の問題であると言ってこられましたが、中建審の場において民間発注者委員の方も労務費の価格転嫁はやむなしとおっしゃられました。大変感謝をいたしております。しかし、民間発注者の方も販売価格への転嫁に苦慮されており、既に契約している工事については契約額の範囲内で何とかやり切ってくれという状態にあると聞いております。これでは賃上げに数年掛かってしまいます。
 我々も、元請団体と協力し、しっかりと説明をして理解をしていただけるよう汗をかいてまいる所存ではありますが、国からも、数年後では遅い、賃上げ対応が遅れると、標準労務費の創設はもとより、サプライチェーンが一体となって今価格を上げ賃金を上げるんだと、そのようなマインドになるような働きかけを是非ともお願い申し上げます。
 その上で、建設業法、独禁法、下請法、労働法など関係する法律を総動員して、不適切な行為には関係省庁が連携をして対処していただくことをお願い申し上げます。発注者の方々に労務費の蛇口を開いていただかないことには原資となる水は流れてこないのです。是非ともお願いを申し上げます。
 三つ目ですが、その上で、建設Gメンの立入調査などの指導時に、建設現場の所長や工事長、契約窓口となる方々に対し、プライスを評価する価格のみの競争から、現場での働き方を確認してもらうなど、持続可能性を考えて技能者を雇用、育成する優秀な企業への評価、すなわち質の競争へとマインドを変えていただくような指導内容としていただくことを併せてお願いを申し上げます。我々も、建設業法を身近なものとし、コピーを持って現場と対峙し、交渉の盾として生かして、労務費を競争の原資にしないようお願いしてまいる所存であります。
 以上、三点お願い申し上げます。
 また、これらの政策が実現した暁には、まずは全産業平均への処遇改善を目指し、これから若い方々に選ばれるために欧米並みの賃金を目指して、技能者が安定した未来予想図の描ける業界へ、また、働いてほしいという業界から働きたいと思えるような業界へと変われるよう一層努力をしてまいります。
 最後になりますが、国の賃上げの取組に強く賛同し、深く感謝を申し上げ、また世界に負けない日本づくりをお願い申し上げて、建専連の意見とさせていただきます。
 貴重なお時間をありがとうございました。
この発言だけを見る →
青木愛#4
○委員長(青木愛君) ありがとうございました。
 次に、小倉参考人にお願いいたします。小倉参考人。
この発言だけを見る →
小倉範之#5
○参考人(小倉範之君) 全国建設労働組合総連合、全建総連で書記次長を務めております小倉と申します。
 本日は、このような貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 私どもは、建設技能者、一人親方、事業主などを組織している団体であります。四十七都道府県にある五十三の加盟組合で構成をされ、全国で約六十一万人の組合員が加入をしている産業別の労働組合であります。
 組合員の主な従事先は大きく三つに分類されます。一つは、個人の施主から直に仕事を請け負う町場と呼ばれる現場、もう一つは、ビル、マンション建築や公共土木工事など、ゼネコンなどが元請となっている大規模現場、もう一つは、住宅企業が元請となる現場でありまして、職種は建築大工を始め、配管、電気、とび、内装など、建設業に従事をする方々が幅広く加入をしております。
 今般の建設業法等の改正につきましては、技能者の処遇改善、そして建設業の将来を支える担い手確保や育成に資するものであり、持続可能な建設業の実現に向けて不可欠である、そのように認識をしているところであります。
 こうしたことから、本日は法改正に賛成の立場で意見を申し述べさせていただきます。
 初めに、建設技能労働者をめぐる状況について、基幹統計などに基づいて若干説明をさせていただきます。
 総務省の労働力調査によりますと、建設業の就業者数のピークは一九九七年の六百八十五万人でありましたが、二〇二三年には四百八十三万人と三〇%減少いたしました。技能労働者は一九九七年は四百五十五万人でありましたが、二〇二三年は三百四万人となり、建設業就業者の減少率より高い三七%も減少をしております。
 関連をするところでは、二〇二〇年の国勢調査の抽出詳細集計結果において、二〇一五年調査と比較をして、左官は一八・七%、大工は一五・八%、型枠大工と土木従事者は一一・二%、鉄筋作業従事者は一〇・九%減となり、他の職種を含めて軒並み減少するという結果になっております。
 特に新築住宅やリフォームなどを担う大工については、一九八〇年の九十三・七万人から二〇二〇年には二十九・八万人と、三分の一の規模まで大幅に減少をするなど深刻な状況となっております。平均年齢を見ましても、建設業平均は二〇〇〇年の四十四・五歳から二〇二〇年は四十九・一歳と四・六歳上昇というふうになっておりますが、大工は建設業平均を二・六歳上回る四十七・一歳から五十四・二歳と七・一歳も上昇し、著しい高齢化が進んでおります。
 賃金に関してですが、公共工事設計労務単価は十二年連続で引き上げられ、二〇一二年との比較では七五・三%上昇しましたけれども、建設業の生産労働者の賃金推移では二〇二一年の平均年収は四百十七万円で、同調査の二〇一二年との比較では約一六%の上昇にとどまっております。
 労働時間でありますが、毎月勤労統計調査によりますと、二〇二三年の産業別年間実労働時間は建設業は千九百七十二時間と、全産業平均の千六百三十六時間と比較をして二〇%多く、三百時間以上も長くなっております。企業規模三十人以上を対象とした就労条件総合調査では、建設業における完全週休二日制の導入割合は四一%でありまして、全産業平均の五三%より一二%も低い水準になっております。
 また、新規学卒者の就職状況でありますが、学校基本調査によりますと、二〇二三年の高校、大学等の建設業への就職者は三十九万人で、二〇二一年比で三万人、一〇%減となっております。新規学卒者の職業紹介状況及び新規学卒者の離職状況によりますと、高校の新規学卒者による製造業の求人に対する就職率は五一%、建設業は一四%と低水準になっております。つまり、製造業は求人を出して二社に一社は就職をしてもらえるわけですが、建設業は七社に一社しか決まらないという極めて今厳しい状況になっているということであります。同じく、高校の新規学卒者の三年後の離職率は、製造業は二七%、建設業は四二%でありますので、離職率は製造業の一・五倍ということになります。
 今申し上げました各種統計結果につきましては、この間の施策などにより一部改善傾向は見られるものもありますが、全体としては厳しい状況が続いているということになります。
 なお、建設業における雇用管理現状把握実態調査の従業員調査では、今後建設業で働き続けるために企業に求めることでは、週休二日制の推進が三二・五%と最も多く、次いで、仕事が年間を通じてあることが二七・三%、仕事の内容に対応した賃金が一八・六%となっております。
 こうした中、今回の建設業法の改正案におきましては、労働者の処遇改善、四月から適用された建設業への時間外労働の上限規制、資材価格高騰などに適切に対応するために、適正な請負代金、工期が確保された見積り、請負契約などが規定されました。労働者の処遇改善を建設業者に努力義務化し、中央建設業審議会が労務費の基準として標準労務費を作成、勧告できるようにするほか、著しく低い労務費、著しく短い工期による見積りや見積り依頼の禁止、原価割れ契約の禁止を受発注者の双方に導入することで適切な労務費などの確保や賃金の行き渡りを担保するというふうにしております。
 公共、民間工事のいずれにも適用され、下請契約も含めて対象となり、新しいルールが導入をされることになります。工事請負契約を規制する建設業法の中で、国が勧告をする標準労務費を著しく下回る見積り、契約を禁止し、適切な労務費などを確保、賃金行き渡りの徹底などについて、公共工事だけでなく民間工事を含めてルール化が図られることについては、賃金原資となる労務費の削減によるダンピングを防止をし、適切な現場従事者の賃金単価を確保するために有効な方策であるというふうに認識をしております。
 また、新たな条文として、公正な評価に基づく適正な賃金の支払、労働者の適切な処遇の確保等の労働者の賃金支払、処遇確保が明記をされました。発注者保護から制定をされた建設業法におきまして労働者の賃金支払、処遇確保等が明文化されたことは、建設業法の体系の中で労働政策、社会政策などの実現を図り、建設工事の適正な施工、建設業の健全な発展を目指す具体的な施策として高く評価できるものと考えております。
 そして、労働者が有する知識、技能その他の能力についての公正な評価については、建設業共通の制度インフラである、二〇一九年から官民一体となって取り組んでおります建設キャリアアップシステム、CCUSの更なる活用に向けた具体的な方向性も示されたものと理解をしているところであります。
 CCUSにつきましては、二〇二四年四月現在で技能者登録数は百四十二万人、事業者登録数は二十六万社と着実に前進をし、建設技能者の能力評価基準につきましても四十二分野で策定をされ、今後様々な施策を推進する上での基盤が相当程度整備をされたものと認識をしているところであります。
 一方、建設業法等の改正が行われた場合であっても、実効性が確保されなければ十分な効果は得られないと考えております。著しく低い労務費の基準となる標準労務費の作成については、早期に相当程度の工種、職種を対象とする必要があり、労務単価の水準につきましては、働き方改革関連法の対応を含め、週休二日を基準として、現場従事者の処遇改善が十分に図ることができる金額設定が必要であります。
 著しく低い労務費等による契約禁止の実効性確保については、重層下請構造となっている建設業の元請、下請関係では受注側である下請企業は取引関係上非常に弱い立場に置かれていることを踏まえ、下請現場従事者に不利益やしわ寄せがされないよう特段の配慮が必要であります。
 そして、一番重要な事項は、標準労務費が確保され、それが賃金原資として適切な賃金水準が現場従事者の賃金としてしっかり行き渡る、機能する仕組みづくりであります。そのために改正案では、労働者の処遇確保について、国が建設業者の取組状況を調査、公表、中建審に報告をするということにされておりますので、特に適正な賃金が個々の現場従事者に対してしっかりと支払われているかどうかの調査、公表等の徹底が極めて重要であります。
 既に公共工事におきましては入契法、品確法等で担い手確保、処遇改善の取組が進められており、今回の入契法改正案ではその取組を更に加速化、牽引する内容であると認識をしておりますが、国だけではなく地方自治体においても取組の周知、強化が必要であります。
 今回の改正により、民間工事を含めた建設工事の請負契約における新しいルール化が図られ、標準労務費、適正な工期等が現場施工を担う下請現場従事者まで確保されることは、現場従事者の賃金単価の引上げ、処遇改善、担い手確保、育成、働き方改革対応に必要な施策として極めて画期的なことであり、実効性と迅速性が極めて重要なポイントであると認識をしております。
 特に、建設Gメンの体制につきましては七十二人から百三十五人と倍増されましたが、一方で、法律公布後一年六か月を超えない範囲で全て施行するとしていることに加え、建設業の産業規模を踏まえますと多少心もとない感じもしているところであります。このため、適切な効果的な調査、指導、勧告などを実施するためには、来年度以降更なる拡充が求められるのではないか、そのように思っている次第であります。
 また、建設業法等の改正は五年前にも行われており、様々な成果があったと承知をしておりますが、今回は前回と同等以上となる改正であり、建設業が新たなフェーズに移行すると受け止めているところであります。こうしたことから、より実効性を高めていくためには、五年前の法改正時を超える徹底的な周知が必要であります。
 加えて、若年技能者を始めとした担い手確保においては、処遇改善を図るだけでは必ずしも十分ではなく、建設業への就業の入口部分である教育機関との連携やその意識改革、建設業の魅力を伝えるためのキャリア教育の充実を図るとともに、就業後においては、定着率向上を図るため、資格取得支援や職業訓練の実施など、就業前と就業後の切れ目のない体系的な取組の強化をすべきと考えております。
 こうした様々な取組を展開し、丁寧なフォローアップをしていただいた上で適切な効果が得られないようであれば、五年後の見直し規定に基づき、見直しの際は必要に応じて何らかの規制措置の導入についても選択肢としてしなければならないのではないか、そのように思っているところであります。
 基幹産業である建設業において建設技能者の減少に歯止めが掛からなければ、社会資本の維持管理、更新のみならず、頻発化、激甚化している自然災害の復旧や復興も困難となり、国民生活に甚大な影響を及ぼすことが懸念されます。他産業との人材獲得競争はより一層激化をしており、屋外作業が基本の建設業において、他産業を上回る処遇の実現はまさに待ったなしであります。また、状況が改善されなければ、建設分野における外国人労働者の確保にも悪影響を及ぼしかねない、そのように憂慮をしているところであります。
 今回の法改正を契機として、魅力ある建設産業を実現をするために、私どもとしましても、引き続き先生方の御支援を賜りながら、国土交通省や業界団体とも連携を密に、組織の総力を挙げて取り組んでまいりたい、そのように考えているところであります。
 最後に、改正法案の早期成立、施行を期待するとともに、未来の建設業のためにありとあらゆる施策を総動員していただくことをお願いを申し上げまして、発言を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
この発言だけを見る →
青木愛#6
○委員長(青木愛君) ありがとうございました。
 次に、小岸参考人にお願いいたします。小岸参考人。
この発言だけを見る →
小岸昭義#7
○参考人(小岸昭義君) この度は、このような発言の機会を与えていただき、誠にありがとうございます。
 当組合は、仮設に起因する労働災害撲滅、職人の地位向上、処遇改善を目指すために、二〇〇〇年に設立した団体となっております。
 私の経歴を簡単に申し上げさせていただきますと、十七歳の高校生のときに子供をつくりまして、学校を退学し、職人の世界に入ってきました。私が十七歳のときの建設業、とび工事業は、社会保険、厚生年金もなく、賞与もなく、退職金もなく、もちろん有給休暇なんということもなく、日給で働いてきました。けがと弁当はてめえ持ちとその当時の親方にもずっと言われており、十八歳のときに建設現場で前歯四本を折ったときも、病院代も休みの日当もいただけませんでした。
 そういった業界で働かざるを得ないのは自分のせい、すなわち中学校しか卒業していなかった自分のせいだと当時は思って働いておりました。二十一歳で現在の会社をつくって、自分の会社ではそういった思いを従業員にさせたくないという思いで今日まで頑張ってまいりました。
 建設業の労働災害の実態は、令和五年の労働災害発生状況から見ましても、小規模な会社の従業員が亡くなっていることが多い。これはずっと続いている問題だとは思いますが、逆に、三百人以上の大きな企業様から死亡事故というのは毎年ほとんどの方が亡くなっておらず、実際に建設現場で亡くなるのは我々みたいな小規模な専門工事業者の会社だと私は思っております。毎年毎年減ってきているのは事実ですが、それでも少なくても毎日一人以上の方が建設現場で亡くなっている。そのことは毎日テレビのニュースでは取り上げられずに、仮囲いの中で起こった事故ということで、我々の仲間が一日一人、一人と死んでいるような状況となっております。
 私も、平成三十年から行われた厚生労働省の建設業における墜落・転落防止対策の検討実務者会合の委員として会議に参加させていただきました。
 国交省直轄現場、国交省のガイドラインにのっとった、より安全な足場からの墜転落死亡災害は十数年ないと伺っております。公共工事で足場からの墜落、転落、高所からの墜落、転落の災害を防げるデータが残っているのに、なぜ民間工事ではそれを採用していただけないのかというのを、私はその会議の中でもたくさん申し上げさせていただいたのですが、建設職人が感じていることは、結局僕らは死に駒だったり捨て駒だったり、けがしたりもしようがない。目標値で二百人を下回ろう、死亡者下回ろうという話でも、その二百人にも家族がおり、子供がいて、朝行ってきますと言ったお父さんが家に夜帰ってこれないというような状況は、この机上の話だけではなく、実際に建設現場の働いている人たちの意見だということを重く受け止めていただきたいと私は思っております。
 設計労務単価も国土交通省様が十二年間連続で上げてくださっているというのは、我々専門工事業者の中でも周知の事実ではございます。ただ、私の周り、北海道から沖縄までいる同じ仲間たちに、十二年連続、実際に私たちが手にするお金が上がってきているよねというような話をしている方は一人もいません。逆に、賃金十二年連続上がっているって、私から問い合わせても、そんなわけないじゃん、そんなはずないじゃん、しかし、国の工事で十二年連続設計労務単価を上げていただいて、私たちに届かないお金というのはどこに行っているんだろうという話にいつもなります。高いところから低いところに水を流していただくにも、途中に穴が空いているところがあったらその水が全て漏れてしまうのじゃないかな。今回の業法改正の中で、賃金の底上げという話もありますが、実際に国が民間の発注者が末端の職人たちに行き届くようにと賃金を上げようと考えてくださって発注してくださっても、実際にその中で末端まで届かないというような事実が起きているということもあると思います。
 先月、私は、ベトナムにも自分の会社があるので、ベトナムにも行ってきたのですが、そのときに、日本に外国人技能実習生、今言い方変わりましたが、送り出している派遣先の企業、十数年以上の友人の社長に会ってまいりました。相変わらず日本に行きたい実習生、ベトナムの方は少なくなったという話を聞いたら、いや、ほぼいないですねと、特に建設業は絶対いないです、これお金の問題でもないですと言っていました。それは、日本で高い賃金をもらってでもベトナムの方々は日本に行きたくないと思う理由がある。それがどういったことなのかといいますと、日本の建設業界で行われているような暴力だったり暴言だったり、そういったところで日本で働きたくない人が多い。
 また、今ベトナムの若い子たちが夢を持って目指しているのは韓国ですよと。なぜ韓国なんですかと聞いたら、韓国の建設業に行けば最低でも四十五万円から五十万円ぐらい、日本円に直すと、そういった金額をいただけると。もちろん、海外に技術を覚えに行きたいという建前はあるとは思いますが、実際に彼らの望んでいるものは賃金で、その賃金が隣国と比べて半分に近い水準というのは、日本が選んでもらえるという環境ではないんではないでしょうか。
 働き方改革、私の会社にも特定技能のベトナムの社員がいますが、社長、土曜日休み困ります、働きたいです。私の会社は月給なんですが、土曜日仕事を出ると休日出勤がいただけるので、土曜日仕事あれば出してください、ゴールデンウイーク要らないです、お盆休み長いです、正月休み長いです。これは特定技能の子、海外の人だけでなく、日本全国の仲間からも聞く話です。今の三十歳以下の小中高、土日休みで授業、学校に行っていた若い人たちが土日休みたいというのは当然のことなんですが、我々四十代、五十代、六十代、そういった土曜日も小学校、中学校、高校と学校に行っていた人たちは、社会に出ても土曜日働いているのが当たり前で、今更土曜日休みになっても家にもいづらい、お金もっと稼いでこいって嫁に言われる、そういった仲間もたくさんいます。
 今回、このような機会を与えていただいたときに、全国の仲間に話したら、働きたい人にはせめて働かせてもらえるような環境をつくれないかって言ってきてもらえないかという声を多数いただきました。残業の上限があるからといって、土曜日、日曜日、十代から職人でずっと生きてきた俺がガソリンスタンドで働くわけには、ほかの産業で働くわけにはいかないよ、俺、職人が好きだから職人の仕事やりたいんだと言っている仲間たちがたくさんいることも是非知っていていただきたいと思っております。
 建設業に若い人たちがたくさん入ってきたいと、もちろん私も思っておりますが、それには直さなければいけない建設業のあしき習慣もたくさんあると思います。
 私も、この二十数年間会社を経営してきて、今までたくさん、元請様からの指し値、建設業法で違反となっている指し値、よその会社が幾らだからおまえの会社は幾らでやれと断れない状況で言われてきたことも多々あります。私は足場の施工の会社を営んでおるんですが、足場の資材を自分で持っており、工期が延びたときにも、自分の資材だから払わなくてもいいだろう、延滞費は要らないだろうと言われて、使用していただいた足場のお金もいただけなかったことも多々あります。
 ほかの産業でこういったことが考えられるのでしょうか。レンタカーを借りたとき、一週間借りる、出張が延びてしまい二週間借りたときに、一週間分は想定していなかったから払わないと言って、そのままで過ごされるんでしょうか。でも、建設業は、毎日当たり前のようにそういったことが行われているのも建設業の実態だと思います。その実態直さずに、今の若い人たちがこの産業に入ってきてくれるとは到底思えません。
 我々のそういった声を吸い上げてくれるようなところがあればなという話もいつもしております。それがホットラインだったり、建設Gメンだったり。建設Gメンにおかれましては、今年から多くの人員を増やしていただいたと聞いております。そういった人たちに、我々建設業の中でいう弱者が本当に不当な扱いを受けたときに助けを求めるようなところが、また、なぜそういったときに助けを求められないのかといったら、建設業特有の、今後仕事を出していただけないとか、あそこの会社はもう駄目だと赤札みたいなものを出されるような環境だと思います。
 そういったことが、弱者の声が届いて、そういった不当なことをやった会社が罰せられたり、注意、勧告を受けたりするような環境で、そういったことがしづらいような建設業にしていただければ、我々もやっていないお金をいただこうとしているわけじゃありません、せめて、自分たちが仕事して、動いて、働いて、その分ぐらいのお金は正当に払っていただきたい、そうすれば少しでもこの建設業が良くなるんじゃないかなと思っております。
 建設業の改正、建設業法の改正により賃金が上がり、本当の意味でこの建設業という産業が働きやすく、若い人たちが本当に入りたいと思うような産業になり、また、このような災害の多い国で重要な基幹産業だと思っております、我々が日本を守るような立場になれることを心より祈念申し上げて、私たちからの発言とさせていただきます。
この発言だけを見る →
青木愛#8
○委員長(青木愛君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →
山本佐知子#9
○山本佐知子君 ありがとうございます。
 本日はお忙しい中、三名の参考人の先生方には貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございます。大変現場の切実な声、非常に身につまされるようなお話もたくさんいただきまして、今日は本当に有意義な時間をいただきました。ありがとうございます。
 本法案改正によりまして、建設業界で働く人々の皆さんの労働条件が改善され、人手不足が一刻も早く解消されて、そして若い方も希望の持てる、そうした業界になることを願ってやみませんが、法案成立後も運用面でも現場に実効性があるものにしなきゃいけない、そう考えております。
 今日は賃上げのお話たくさんいただきました。今国会でも、賃上げの実現とまた価格転嫁は、業界にかかわらず、岸田政権の最も重要な、最重要課題として取り組んでいます。今日は、そうした皆様に、それぞれのお立場で本法案の意義又は労働条件の改善に向けた具体的な取組について御意見をいただきたいと思います。
 まず、岩田参考人に伺います。
 事前のこの資料であったり、そして今日のお話の中でも、岩田参考人は、民間工事において標準労務費がしっかり担保されるようチェック体制を強固なものにしてほしいと繰り返し訴えられています。私も全くもって同感です。
 私も一昨年から国土交通委員会所属しているんですが、以前のこの委員会の質問でも、建設業の民民契約の片務性について指摘をしたことがあります。標準契約約款の積極的な採用の後押しなど、やっぱり国が、民間発注者、発注者は必ずしも建設業とも限らないときもありますので、もっと働きかけをしない限り適切な労務単価や適切な工期の実現は難しいということをそのとき申し上げました。
 今国会、今回の法改正では、標準労務費が作成されます。そして、そうした労務費が確保できないような著しく低い労務費での見積りは禁止されます。そして、違反発注者に対しても勧告、公表の対象になります。また、今非常に問題になっておりますが、資材高騰が生じた際には契約内容の変更に応じる努力義務が発注者にも課せられます。
 今回の法改正では、工期ダンピングは受注者にも禁止義務を負うことになるんですけれども、そもそも、工期ダンピング、その不当な工期、もっと短くやれというようなことは今までも発注者には禁止されておりましたが、それでもやっぱり発注者から受注者に対して圧力はあったということは聞きます。
 今回の法改正で、発注者の法的責務あるいは社会的責務に対する考え方が私は一歩進んだんじゃないかなと思うんですけれども、果たしてこれで十分なのか、あるいは現場の御意見も踏まえて岩田参考人のお考えを伺えればと思います。
この発言だけを見る →
岩田正吾#10
○参考人(岩田正吾君) まず、今までは、民間工事においては設計労務単価というものも参考にはされなかったんですね。国が調査をして、これぐらいですよという価格も、結局、総額を決めると、それと総工期を決めるという行為が最優先でしたので、それを決めた後に、業者に、工期については何日という割当てがあって、お金についても、上から順に経費と利益を取って下に、予算を作ってこれなんだと。で、それに見合うようなこれぐらいの金でないと見積り持ってきても話にならないよというようなことで、我々は、その結果、新しい知恵を出して生産性を高めてきたという側面もあるんですけれども、総額でやるということにもう慣れ切ってきたわけですね。今回、それでは、労務費もそこの中に含んでいますので、労務賃金をなかなか上げれないという現状がございますので、一つの相場観を示すということがこの標準労務費の役割だと思いますので、第一歩まず前進をしたと思います。
 その上で、我々が対峙するのは、元請さんはやっぱり発注者、民間発注者の方と対峙をして理解を得るためにアクションを起こしていかれると思うんですが、我々職人は現場の所長なわけですね。その所長に対して、ここの現場、例えば国が標準労務費で歩掛かりがこれぐらいですよというものを示したとしても、この現場は違うじゃないかと、建物が種類が違うというような話になるわけです。ここはやっぱりプロとプロ同士で、生産性を競うというか、これぐらい、ここの現場は、じゃ、これぐらいですねというものが一つの基準が示されるので、国の方から、我々とすると非常に交渉がやりやすいと。
 じゃ、それを全て全部守れということが適用できるかというと、これも一年半後ぐらいでしょうか、施行されるのが、ですので、時間は掛かっていくと思うんですが、もう我々の業界からすると大きな一歩だと思います。歴史的な転換期ぐらいの気持ちでおります。
 これは、我々も汗をかいて、現場の所長と一緒に生きてきましたので、敵ではありません、建設業界のサプライチェーン全体でやっぱりやるべきだと思いますので、そういう意味でマインドを指導していただきたいと。気持ちを変えていって、価格を上げて賃金を上げていく、それを払えるぐらいの価格を、全体国民の所得を上げるという方向に国が向き始めたので、我々は大きな第一歩だというふうに理解をしています。
この発言だけを見る →
山本佐知子#11
○山本佐知子君 ありがとうございます。
 この例えば働き方改革を始め、建設業の中でもこうしたやっぱりその構造変化をしていこうという動きはここ数年前からあったわけですけれども、この発注者もやっぱりそういった動きを理解をしているというか、マインドどうですか、今ちょっとずつ変わりつつはありますか。これから、まだまだ不十分だとは思いますけれども、現時点ではどこまで、どのぐらい変わった意識を発注者は持たれていらっしゃるのか。
 今までだったら、例えば上げてくださいと言っても本当にもう駄目という感じだったと思うんですけれども、そういったところは少しずつ柔軟に対応し始めているんでしょうか。
この発言だけを見る →
岩田正吾#12
○参考人(岩田正吾君) 中央建設業審議会でも、労務の価格転嫁についてはやむなしと、それまでは元下間の問題で、総価一式で決めてきたので、それは元下間の問題だといって問題を切り分けられてこられたんですが、でも、労務の価格転嫁についてはやむなしということをおっしゃられましたので、意識は少しずつ、やはり持続可能性を考えたら変わってきたんだというふうに理解しています。
この発言だけを見る →
山本佐知子#13
○山本佐知子君 どうもありがとうございます。
 次に、小倉参考人には、技能労働者の教育、育成の観点から伺います。
 若い技能労働者が離職する、あるいはなかなか入ってこれない背景には、将来のキャリア展望が描けない、自分の職務内容に対して実際のもらっている給与との乖離があるのではないかという理由も少なからずあると思っています。
 さきの衆議院の参考人質疑では、この建設キャリアアップシステムの普及がまだまだ道半ばなんじゃないかというお話が多かったと思いますが、労働者の知識や経験を公正に評価して、そして適切に賃金に反映させていくという、こうした仕組みの強化がなければ、やっぱり労務費を上げても実際に労働者に恩恵は行き渡りません。
 私の地元の建設労働組合でも、建設キャリアアップシステムの勉強会よく開催されていまして、私も見学に行ったことがあります。皆さんかなり熱心に受講されていましたし、建労さんも積極的に普及推進していただいていることに感謝を申し上げます。こうしたシステムを普及させて各自が持つスキルの見える化を図ることは、建設業界全体の人材育成機能の底上げにもなりますし、若者に就業してもらうためにも必要と考えます。
 こうしたキャリアアップシステムや職業訓練のプログラムの中で、若者層を育てる上で、今の仕組みに足りないことであったり課題などがあればお聞かせください。
この発言だけを見る →
小倉範之#14
○参考人(小倉範之君) 先生から御質問ありがとうございます。
 まず、CCUS自体でありますけれども、大きな柱は、賃金引上げを含めた処遇改善とは担い手確保、育成というところになろうかというふうに思っております。特に賃金の部分で申し上げますと、今、CCUSでは能力評価基準に基づくレベル判定というものが行われておりますが、現状四十二分野でありまして、更なる拡充が更に必要になってくる。さらに、レベル判定率は七%にとどまっているということでありますので、これをしっかり向上させていくということが非常に重要だというふうに思っております。
 現状におきましては、ゼネコンの現場などにおきましてはレベルスリー以上の判定を受けている職長クラスについては日額二千円あるいは三千円という手当が支給をされておりまして、今後こういったものがしっかり、他の分野含めて、町場を含めて浸透させていくというのが非常に重要だというふうに思っております。
 特に、今、建設業界、非常に大きな変化の時代を迎えておりますので、未就業者を含めた学生を中心に、建設業は今どういう変化があるのか、こういったものをキャリア教育含めてしっかり周知を図っていく、それが非常に重要だというふうに思っているところであります。
この発言だけを見る →
山本佐知子#15
○山本佐知子君 ありがとうございます。
 それでは、小岸参考人に伺いたいと思います。
 非常に多くのポイントを御指摘いただきましたが、ちょっと時間がどれだけあるか分かりませんので、まず最初におっしゃられました安全確保の観点から伺います。
 今、建設、建築現場はもちろんですけれども、本当にニュースで、例えば電気工事とか製造業の現場でもたくさんこの命に関わる事故の報道が後を絶ちません。背景には、適切な訓練が十分ではなくて、そして経験も、経験値が不足しているんじゃないか、そういう指摘もあります。また、近年は暑さのための熱中症対策も業界としても大変重要だと思います。こうした痛ましい労災事故を防ぐために、本当に各企業の皆さん大変な努力をされています。
 安全対策は他の法令や省令、ガイドラインでも定められていますので、今回の法改正で直接というわけではないと思いますが、この労働環境改善と安全対策の関係性について御意見があれば伺いたいのと同時に、この安全対策の費用負担ですね、これは発注者、受注者共に考えていくべきだと思います。小岸参考人も資料の中でも御指摘いただいておりますけれども、具体的な、例えばルール作りの必要性など、御意見があれば是非伺えればと思います。
この発言だけを見る →
小岸昭義#16
○参考人(小岸昭義君) 御質問ありがとうございます。
 私の会社でも毎年新卒者が入ってくるんですが、なかなか建設業の今の小規模の事業所であると、未経験者たちになかなか指導する機会が少ない。現場での指導になってしまうとどうしても作業優先になってしまい、安全を確保したまま指導するのが難しい。私としましては、そういった若年者や外国人の経験の浅い方たちには、助成金とかを出してでも教育センターとかで教育していけるような環境づくりも必要なのかと思っております。
 また、先ほど申し上げられていた発注者や元請さんの負担とありますが、それはやっぱり現場現場で元請さんも発注者さんも替わってしまうので、そこを発注者さん、元請さんに負担というのは、今の現場をやっている間はうちが負担してもいいけど、もう翌年になったらうちの仕事をやっていないんだから関係ないんでしょと言われかねないと思うので、そこは少し難しいのかなと思います。
この発言だけを見る →
山本佐知子#17
○山本佐知子君 どうもありがとうございました。終了いたします。
この発言だけを見る →
森屋隆#18
○森屋隆君 立憲民主・社民の森屋隆でございます。
 本日は、岩田参考人、小倉参考人、そして小岸参考人、御説明ありがとうございました。
 説明を聞いていましてまず感じたのが、四月にこの委員会の中で物流の法案、働き方改革関連法の中で物流の法案を審議させていただいたんですけれども、この構図が、下請の構図、あるいはその働き方、賃金の在り方が非常によく似ているなと感じたところでありますし、長年の、何というんですかね、慣行というんですかね、業界のその慣行によって、あるいは、デフレの中で安く、安くということが先行してきた中で、サービスというか、何かいろんな意味で過剰になってきて、それで結果的にはそのしわ寄せが働いているところに及んでいたんだと、こんなふうに感じましたし、さらに、小岸参考人からは、安全面、亡くなる方も実際にいるということで、本当に、建設業ですから、一歩間違えばそれこそ大きなけがや命を落とすような、そういった危険な仕事だと思います。それが、全産業より本当に低い賃金、あるいは休みもなかなか、週休二日もない中で行われていると、これはやっぱり改善しなくてはならないと思います。岩田参考人からも、画期的なある意味法改正ではないかというふうに言われたかと思っています。
 そんな中で、ストレートにお聞きしたいのは、これ三名のまず参考人の方々にそれぞれの立場からちょっとお聞きしたいと思いますけれども、政府もこういった実態があってそれは変えていかなければいけないということなんですけれども、結果的には、その労働力であれば、今まで行われていた労働力が、誰かが週休二日にすれば補わなければならないですし、最終的に働いている労働者の賃金を上げれば、その負担は、お金的な負担は誰かが負担しなきゃならないことに当然なるんですけれども、今回の改正案で、未来に前向きな新3Kというんですかね、政府が呼んでいるんでしょうか、年収は全産業、まずは全産業と肩を並べる、岩田参考人が言うには、七百万以上取れるような産業にしたいということだと思うんですけれども、そして月給制だと、さらには週休二日制の実施をすると、そして、課題でもあります、物流もそうでしたけれども、働いている人が高齢化しているということで、若者が入ってくるような魅力ある産業にするということなんですけど、今回の法案で、先ほどあったように、民間事業がありますから、当然、その民間の理解が当然必要だと思いますし、あるいは、チェック機能を果たしていかなければ、やはりうちは安くやるよということがあると思いますけれども、今回の法案で、お願い事三点ほどあったと思うんですけれども、これ三名の方にお聞きしますけれども、まず全産業と同じ年収になる、あるいは週休二日をこれできるというのは、例えば二年後なのか三年後なのか、いや、このままでは実効性が担保されたとしてもなかなか難しいんだというような感覚がまだあるということなのか、どちらか分かりませんけれども、どちらかだと思うことについての理由をそれぞれお聞きをしたいと思っています。よろしくお願いします。
この発言だけを見る →
岩田正吾#19
○参考人(岩田正吾君) まず、その実効性の部分というのは、我々も多岐にわたるお客様と取引をしておりますので、例えば、このお客様は、じゃ、やろうと、その代わり人を集めてこいよというようなことになったとしても、全体のシェアの何%かということによるわけですよ。こちらのお客様はやってくれないということになると、全体の、例えば五〇、五〇だと半分ぐらいになってしまうという可能性も出てきますので、まず私は、まずこの制度ができたことによって、先ほども申し上げましたけど目安ができると。あとはやはり、これはもう国民全体だと思うんですけど、もう賃金が安過ぎるんだと、だから賃金を上げていこうということのマインドが醸成されてくれば、当然、賃金が上がってきたら価格が上がるのも当然だと、どちらか、鶏か卵だと思うんですけれども、そういうような機運に向かないと非常に難しいと。
 その上で、価格は上がっていくと思うんですが、それで最後申し上げましたけど、我々も汗をかいて努力をして、一生懸命話は、相談はしていくんですが、やっぱりいろんな多方面から、国もそうですし役所もそうですし、いろんな形でそういう方向にマインドを向けていっていただきたいな、そうすることによって全体が上がってくるというふうに理解していますので、我々も腹くくっていますので、一年、二年ですぐにそうなるというふうには思っておりませんので、次世代のことを考えて今やるべきだということでスタートしたばかりだという理解をしております。
この発言だけを見る →
小倉範之#20
○参考人(小倉範之君) 今回の改正によりまして新3K本当に実現できるのかと、こういった御指摘であったというふうに思っております。
 まずは、不確実性がありつつも、実現は十分可能だというふうに思っております。そのためには、先ほど来話をさせていただいていますが、今回の法改正に伴う運用面、その実効性がしっかり担保できるかということと、先生も御指摘ありましたけど、その民間分野ですね、特に例えば住宅分野はそこに該当すると思いますが、サプライチェーン全体の理解と対応、こういったことは不可欠であるというふうに思っております。
 特に民間分野で申し上げますと、そういった賃金あるいはその単価自体の引上げについて、しっかり社会的な機運をしっかり高めていかないと理解が得られないというふうに思っておりますので、そういった施策を含めて今後必要になってくるだろうというふうに思っております。
 それから、若年者の確保という視点の御発言もありましたが、やはり確保していくためにはその収入と、収入の増と休日の確保、これが最重要課題である、そのように思っているところであります。
 今回の法改正の中では、その実現のために必要な施策については盛り込まれているというふうに思っておりますので、様々なその取組を水平展開することで何としても実現をしていかなければいけない、そのように思っているところであります。
この発言だけを見る →
小岸昭義#21
○参考人(小岸昭義君) 私も実効性の部分では可能だと思っています。大きな理由としましては、人手不足が顕著に起きているので、人手が足りないということは何かを変えなきゃいけないという危機感は全ての方の共通認識だと私は認識しております。
 ゼネコンさんや大規模の現場に関しては、どんどん変わっていける、今回の業法の改正で変わっていけるとは思うんですが、毎回、安全衛生規則の改正等の場合でもそうなんですが、やはり町場とか小規模な現場に関しては、施行されてから三年後なのに全く誰もやっていない。何でやっていないんですかと聞いたら、えっ、そんなことあったの、知らない。せっかくいいことが起きてもなかなか、その発信するというのが、国、今の若者に難しいのかと。SNSだったり、ティックトックとかインスタグラム等、今の若者たちが見て、えっ、こういうふうに、えっ、建設業法変わった、えっ、うちの社長知らないんじゃないの、そういったような形等も含めて検討していただければ、もっともっと広がっていくのかなと思っております。
この発言だけを見る →
森屋隆#22
○森屋隆君 ありがとうございます。
 社会的な理解、全体的な理解と、あとは業者も含めた認知度ですかね、その小さいやっぱり事業者さんがそういったルール変わったことがやっぱり分かっていなかったり、そんなことがあるということなのかと思います。ありがとうございます。
 更に三名の方にお聞きしたいと思います。
 一人親方の問題なんですけれども、今回の法改正も、その中でも一人親方のことも触れているんですけども、一人親方のところを、今回のこの法改正にプラス加えるとしたら、今回の法改正で全部網羅されているよということであればいいんですけども、この一人親方の問題で、ここは付け加えた方がいいだろうということがあったら教えてほしいのと、それとあと、この建設業におけるその元請、下請、さらに二次下請とかとあると思うんですけども、この支払方法で、特に小規模事業者に対して完全現金で支払っているところが八一%で、労務費が現金、先ほど言われたように、材料費というのは手形で支払っているというところが一一%ほどあるらしいんですけれども、この手形支払での問題点、なかなか現金化できないということがあるのかもしれませんけども、その実態がもしあればお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。
この発言だけを見る →
岩田正吾#23
○参考人(岩田正吾君) まず、一人親方についてですけども、一人親方の問題については、正直、一人親方でやらされているという方と、一人親方でしかやらないんだという方とがおられます。ですので、ごっちゃにするとちょっとややこしい議論になるかと思うんですが、一人親方も、お金を上からはねられてやらされているという方からすると、今回の法改正で非常に前向きになられているんではないかなと思いますし、一人親方でしかやらないという方については、それはもう個々の、自分の技量で飯を食っているんだからそんなものを決めてもらわなくていいんだという方もおられることも聞いております。
 ですので、一人親方については、一人親方の基準といいますか定義といいますか、そこら辺のところを、既にもう国交省の方も動いておられますけども、あれをもう少し幅広く周知をしていただいて、そういう意味で、業界はこういうふうに向いていっているんだということで、選択する余地をたくさん増やしてあげればなというふうに思います。
 あと、済みません、もう一点、ヤジあっ、手形ですね。
 手形については、相当改善はされてきていると思います。ですので、今が適正かどうかというとなかなか難しい問題もあろうかと思いますけども、これも同じように併せて周知をどんどんどんどんしていって、手形ではなく現金化という形で、これはお客様もそういうふうにしていかないと、お客様だけ手形でもらって下に現金というようなことはリスクになっていくと思いますので、業界全体で取り組むべきだと思います。
この発言だけを見る →
小倉範之#24
○参考人(小倉範之君) 一人親方の関係でありますが、工事請負契約を締結をして事業活動をしているということもありますので、建設業法の適用と当然なってくるということになりますから、法改正による一人親方の適正取引、処遇改善等が推進をされることが期待をされると認識をしているところであります。
 また、この間、国土交通省において、建設業の一人親方問題に関する検討会、こういったものが設置をされておりまして、規制逃れを目的とした一人親方対策及び一人親方の適正取引の推進に向けた取組、こういったものが取りまとめをされております。
 また、先月、政府の規制改革推進会議において、建設業で働く一人親方などを保護するために、労働者性の判断基準の明確化の検討を本年度に開始をすると、こういった報道がされたというふうに承知をしております。今回の業法改正とも間接的に関連をしている部分があるというふうには思いますが、課題解決の効果はあるんではないかというふうに思っているところであります。
 それから、手形の関係でありますが、国交省の通達によりまして、労務費相当分については現金払にすると、こういった指導がされているというふうに承知をしております。手形払いについては少ないと認識をしておりますが、御指摘のとおり、ゼロではないということであろうかというふうに思います。
 一人親方は、工事代金として報酬を受け取る関係から、標準労務費部分の現金払、支払サイトの短縮など、一人親方に配慮をした運用、こういったものも必要になってくるんではないかというふうに思っているところであります。
この発言だけを見る →
小岸昭義#25
○参考人(小岸昭義君) 一人親方問題につきましては、逃げ道になっているような部分も我々の業界だとあります。社員として雇用してしまったときに、残業代の上限だったり、通勤費というのも社員だと払わないといけない。請負という名の下で低賃金で働かせているというようなのも我々の業界だと多数ある。また、夢を持った若い人たちが、今日から君も社長だと、あしたから一人親方宣言すれば社長だということで、その分、労災が適用されなかったり、デメリットは説明されずに一人親方に勧められて入っているような方々が多いのも事実かなと思っております。また、企業の社会保険だったり、そういった費用を軽減させるためにも一人親方を勧めているような会社もあるというのも聞いております。
 手形の件に関しましては、もう年を追うごとにどんどんどんどん減ってきて、昔でいいましたら、本当に労務費すら手形、労務費は基本、原則三十日以内だと思うんですが、それでも九十日の手形の中に労務費も入っていたりもしたのですが、最近はほとんど手形というのはなくなってきている現状だと思います。
この発言だけを見る →
森屋隆#26
○森屋隆君 ありがとうございました。終わります。
この発言だけを見る →
塩田博昭#27
○塩田博昭君 公明党の塩田博昭でございます。
 本日は、三人の参考人の皆様方に大変貴重な御意見を賜りまして、大変にありがとうございました。本当に現場における重要な課題を一つ一つ丁寧に教えていただきまして、ありがとうございました。
 私からは、本年一月に起こった能登半島地震のことを考えましても、地域の建設業者による道路の復旧などの応急対策が実施されているわけでございますけれども、要するに、災害が今頻発、激甚化をする中で、我が国において災害時の対応強化というのはやはり急務であると思っております。やはり地域の守り手として重要なこの建設業、持続可能なものとすることは重要な課題であると、このように思っております。
 そこで、まず建設業における働き方の現状についてお伺いしたいと思うんですね。
 平成三十年に成立をした働き方改革関連法によりまして、全業種に時間外労働の罰則付き上限規制が導入されまして、平成三十一年四月から施行されております。建設業については、長時間労働の背景に業務の特性や取引慣行の課題があることから施行が五年間猶予されたために、今年、令和六年四月からの適用となったわけでございますけれども、猶予されたこの五年間で、令和元年の新担い手三法の改正による措置を始め、工期の適正化や週休二日を確保するなどの取組について様々な対策が取られてきております。
 これらによって建設業における労働時間は減少傾向にあるものの、年間の出勤日数は全産業と比べて十二日多く、年間の総実労働時間は全産業と比べて六十八時間長い状況にございます。また、残業時間についても、令和五年一月の時点で、月当たり平均残業時間が四十五時間を超えているとした建設業者の割合が、技術者については一三%、技能者については五%と、このようになっております。
 本日参考人として御出席いただいた岩田参考人が会長を務める建設産業専門団体連合会が行った調査において、時間外労働の罰則付き上限規制の原則である年三百六十時間を雇用する技術者の平均で超えた企業は一二・九%、技能者の場合は一二・一%であり、上限規制の遵守は困難とした企業は二一・二%とのことでございました。
 そこで、この五年間の猶予期間で取られた対策に対してどのように評価をされておられるのか、また、残業時間の上限規制が適用された本年四月以降、建設工事に従事される技術者また技能者といった方々の働き方は変化してきていると感じていらっしゃるのか、三名の参考人にそれぞれお伺いをしたいと思います。では、岩田参考人からお願いしたいと思います。
この発言だけを見る →
岩田正吾#28
○参考人(岩田正吾君) この五年間の猶予があったんですけど、正直、休みを取るだとか働き方を変えていくということについて、実際に費用が掛かることです、ですので、この標準労務費のこの議論が五年前であればできていたんではないのかなというのが率直な意見です。
 ですので、これまでこの費用について、掛かるお金についていろんな声はあって、それを聞いていただいてどうするかということだったんですが、その集大成がこの標準労務費に懸かっているという理解をしておりますので、これから職種によって、そのデータについてもですね、全体の平均を取るとその一二・何パーになりますけど、特定職種については相当負担が掛かっていくんだろうなと。それもありますし、特殊な工種、例えば生コンクリートですとか揚重機ですとか、移動時間もその労働時間に入るんではないかと言われる業種については、現場の施工サイクルが大きくこれから変わっていくと。
 当然、これ、二年ぐらい前ですか、から建専連も全国を回っておりますので、整備局との意見交換会で、施工サイクルが変わること、また、それによって予算計上、お金が変わっていくということについても声を上げてまいりましたし、大きく施工サイクルが変わらなければいけないというふうに理解していますので、その上で、それに対する費用もまた掛かっていくということですから、そこに向かうんだと、何回も申し上げますけど、向かうんだというマインドをつくっていかざるを得ないなというふうに思っております。
この発言だけを見る →
小倉範之#29
○参考人(小倉範之君) 時間外労働の上限規制の五年間猶予をどう考えるのか、そういった御視点の御質問だったというふうに思います。
 この間、国土交通省あるいは厚生労働省による周知、そこに加えて、私どもの団体としましても、加盟組合や業界団体と連携をして、学習会の開催やパンフレットの作成、頒布など、可能な限り対応は図ってきたというふうに思っているところであります。
 こうしたこともありまして、問題意識のあった事業者については対応が図られてきたものと、そのように認識をしておりますが、当然そうではない事業者の方も一定数、現状においてもあろうかと思いますので、労働関係法令がしっかり遵守をされるよう引き続き取組を強化をしていく必要があるのではないかと、そのように思っているところであります。
 また、四月以降の変化でありますが、現状におきましては、余り月数が変化をしていないということもありまして、その影響についてはまだ声として届いてはおりませんけれども、一方で、日給月払労働者としては収入は減少するという意見がこの間多く寄せられているのは事実でありまして、こういった実態について、七月以降、実態調査をする方向で現状検討しているところであります。
 なお、私どもの調査では、建設技能労働者の給与形態は日給月払が六割、固定月給制が四割という状況であります。二、三十年前は日給月払が七、八割程度占めていると、そういった状況でありましたので、かなり固定月給制が増えてきているという印象であります。
 いずれにしましても、働き方改革の対応をしっかりしなければ担い手確保に対しても支障を来しかねない、そのように思っておりますので、しっかりそういった対応を進めつつ、現場労働者の賃金が結果として減少することがないよう政策的にも是非支援をお願いをしたいと、そのように思っている次第であります。
この発言だけを見る →
← 戻る