予算委員会

2024-12-05 衆議院 全302発言

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会議録情報#0
本国会召集日(令和六年十一月二十八日)(木曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。
   委員長 安住  淳君
   理事 井上 信治君 理事 牧島かれん君
   理事 岡本あき子君 理事 奥野総一郎君
   理事 山井 和則君 理事 三木 圭恵君
   理事 浅野  哲君
      伊藤 達也君    稲田 朋美君
      鬼木  誠君    国光あやの君
      河野 太郎君    後藤 茂之君
      小林 茂樹君    齋藤  健君
      高木  啓君    田中 和徳君
      谷  公一君    土屋 品子君
      寺田  稔君    西銘恒三郎君
      平沢 勝栄君    深澤 陽一君
      古屋 圭司君    山下 貴司君
      山田 賢司君    今井 雅人君
      大島  敦君    大西 健介君
      神谷  裕君    川内 博史君
      黒岩 宇洋君    近藤 和也君
      酒井なつみ君    階   猛君
      本庄 知史君    米山 隆一君
      早稲田ゆき君    青柳 仁士君
      空本 誠喜君    前原 誠司君
      長友 慎治君    橋本 幹彦君
      赤羽 一嘉君    大森江里子君
      河西 宏一君    櫛渕 万里君
      田村 貴昭君    緒方林太郎君
令和六年十二月五日(木曜日)
    午前八時五十五分開議
 出席委員
   委員長 安住  淳君
   理事 井上 信治君 理事 齋藤  健君
   理事 牧島かれん君 理事 山下 貴司君
   理事 岡本あき子君 理事 奥野総一郎君
   理事 山井 和則君 理事 三木 圭恵君
   理事 浅野  哲君
      伊藤 達也君    稲田 朋美君
      鬼木  誠君    小野寺五典君
      国光あやの君    河野 太郎君
      後藤 茂之君    小林 茂樹君
      高木  啓君    田中 和徳君
      谷  公一君    土田  慎君
      土屋 品子君    寺田  稔君
      中曽根康隆君    西銘恒三郎君
      平沢 勝栄君    深澤 陽一君
      古屋 圭司君    向山  淳君
      森下 千里君    山田 賢司君
      今井 雅人君    大島  敦君
      大西 健介君    神谷  裕君
      川内 博史君    黒岩 宇洋君
      近藤 和也君    酒井なつみ君
      階   猛君    下野 幸助君
      辻  英之君    西川 将人君
      野田 佳彦君    本庄 知史君
      松下 玲子君    米山 隆一君
      早稲田ゆき君    青柳 仁士君
      阿部 圭史君    岩谷 良平君
      空本 誠喜君    萩原  佳君
      前原 誠司君    村上 智信君
      長友 慎治君    橋本 幹彦君
      古川 元久君    赤羽 一嘉君
      大森江里子君    河西 宏一君
      福重 隆浩君    山崎 正恭君
      櫛渕 万里君    田村 貴昭君
      田村 智子君    緒方林太郎君
    …………………………………
   内閣総理大臣       石破  茂君
   総務大臣         村上誠一郎君
   法務大臣         鈴木 馨祐君
   外務大臣         岩屋  毅君
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)       加藤 勝信君
   文部科学大臣       あべ 俊子君
   厚生労働大臣       福岡 資麿君
   農林水産大臣       江藤  拓君
   経済産業大臣
   国務大臣
   (原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当)      武藤 容治君
   国土交通大臣       中野 洋昌君
   環境大臣
   国務大臣
   (原子力防災担当)    浅尾慶一郎君
   防衛大臣         中谷  元君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     林  芳正君
   国務大臣
   (デジタル大臣)
   (規制改革担当)     平  将明君
   国務大臣
   (復興大臣)       伊藤 忠彦君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長)
   (防災担当)
   (海洋政策担当)     坂井  学君
   国務大臣
   (こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画担当)
   (共生・共助担当)   三原じゅん子君
   国務大臣
   (経済財政政策担当)   赤澤 亮正君
   国務大臣
   (クールジャパン戦略担当)
   (知的財産戦略担当)
   (科学技術政策担当)
   (宇宙政策担当)
   (経済安全保障担当)   城内  実君
   国務大臣
   (沖縄及び北方対策担当)
   (消費者及び食品安全担当)
   (地方創生担当)
   (アイヌ施策担当)    伊東 良孝君
   財務副大臣        斎藤 洋明君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    岩尾 信行君
   政府参考人
   (内閣官房防災庁設置準備室次長)
   (内閣府政策統括官)   高橋 謙司君
   政府参考人
   (内閣府男女共同参画局長)            岡田 恵子君
   政府参考人
   (こども家庭庁成育局長) 藤原 朋子君
   政府参考人
   (総務省自治行政局長)  阿部 知明君
   政府参考人
   (総務省自治行政局選挙部長)           笠置 隆範君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    竹内  努君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 大河内昭博君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    有馬  裕君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  鹿沼  均君
   政府参考人
   (厚生労働省年金局長)  間 隆一郎君
   政府参考人
   (厚生労働省政策統括官) 朝川 知昭君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         宮浦 浩司君
   政府参考人
   (農林水産省農産局長)  松尾 浩則君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           河野 太志君
   政府参考人
   (中小企業庁事業環境部長)            山本 和徳君
   政府参考人
   (国土交通省都市局長)  内田 欽也君
   予算委員会専門員     中村  実君
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月五日
 辞任         補欠選任
  田中 和徳君     向山  淳君
  谷  公一君     中曽根康隆君
  深澤 陽一君     小野寺五典君
  酒井なつみ君     野田 佳彦君
  本庄 知史君     下野 幸助君
  米山 隆一君     松下 玲子君
  青柳 仁士君     村上 智信君
  空本 誠喜君     岩谷 良平君
  前原 誠司君     阿部 圭史君
  長友 慎治君     古川 元久君
  赤羽 一嘉君     山崎 正恭君
  田村 貴昭君     田村 智子君
同日
 辞任         補欠選任
  小野寺五典君     森下 千里君
  中曽根康隆君     谷  公一君
  向山  淳君     土田  慎君
  下野 幸助君     辻  英之君
  野田 佳彦君     酒井なつみ君
  松下 玲子君     西川 将人君
  阿部 圭史君     前原 誠司君
  岩谷 良平君     萩原  佳君
  村上 智信君     青柳 仁士君
  古川 元久君     長友 慎治君
  山崎 正恭君     福重 隆浩君
  田村 智子君     田村 貴昭君
同日
 辞任         補欠選任
  土田  慎君     田中 和徳君
  森下 千里君     深澤 陽一君
  辻  英之君     本庄 知史君
  西川 将人君     米山 隆一君
  萩原  佳君     空本 誠喜君
  福重 隆浩君     赤羽 一嘉君
同日
 理事上野賢一郎君及び島尻安伊子君十一月二十七日委員辞任につき、その補欠として齋藤健君及び山下貴司君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 国政調査承認要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 予算の実施状況に関する件
 予算の実施状況に関する件(石破内閣の基本姿勢)
 派遣委員からの報告聴取
     ――――◇―――――
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安住淳#1
○安住委員長 これより会議を開きます。
 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い、現在理事が二名欠員となっております。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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安住淳#2
○安住委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、理事に
      齋藤  健君 及び 山下 貴司君
を指名いたします。
     ――――◇―――――
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安住淳#3
○安住委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の実施状況に関する事項について、議長に対し、国政調査の承認を求めることとし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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安住淳#4
○安住委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
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安住淳#5
○安住委員長 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。
 去る十一月十九日、予算の実施状況に関する実情調査、令和六年能登半島地震及び奥能登豪雨による被害・復旧状況等調査のため、石川県に委員派遣を行いましたので、派遣委員を代表いたしまして、私から調査の概要について御報告申し上げます。
 派遣委員は、私を団長として、理事井上信治君、奥野総一郎君、山井和則君、三木圭恵さん、浅野哲君、委員齋藤健君、西田昭二君、山下貴司君、近藤和也君、河西宏一君、櫛渕万里さん、田村貴昭君の十三名であります。
 報告に先立ちまして、改めて、今般の地震及び豪雨によりお亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に衷心よりお見舞いを申し上げます。
 それでは、調査の概要について御報告申し上げます。
 まず、輪島市において、馳石川県知事から、堆積土砂撤去に係る支援、奥能登豪雨に係る住宅の応急修理の期間延長、復旧復興に向けた財政支援等十一項目の要望を受けた後、復興の進捗状況、復興計画の策定状況などについて意見交換を行いました。
 次に、輪島市町野町及び久手川地区において、国土交通省から、河川周辺の被害状況及び復旧状況について説明を聴取した後、被害現場を視察しました。
 最後に、輪島市山岸町にある仮設住宅において、坂口輪島市長から、被害状況、被災家屋の解体状況、復興に向けた予算規模等について説明を聴取した後、仮設住宅に避難された住民の方々と、仮設住宅における生活環境、なりわい再建に向けた取組、集落の集団移転等に係る財政措置の必要性などについて意見交換を行いました。
 以上が調査の概要であります。
 今回の調査では、地震と豪雨といういわば二重災害の甚大な被害を目の当たりにし、被災地の復興に向けては、長期間にわたる国の切れ目のない支援が必要であることを改めて認識いたしました。
 当委員会といたしましても、充実した予算審議を通じて、被災地に対する支援を速やかに進めていく必要があると痛感した次第であります。
 最後になりましたが、今回の調査に御協力をいただきました皆様に心から御礼を申し上げまして、報告とさせていただきます。
 この際、お諮りいたします。
 派遣地からの要望事項につきましては、これを本日の委員会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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安住淳#6
○安住委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔要望事項は本号末尾に掲載〕
     ――――◇―――――
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安住淳#7
○安住委員長 引き続き、予算の実施状況に関する件について調査を進めます。
 本日は、石破内閣の基本姿勢についての集中審議を行います。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房防災庁設置準備室次長、内閣府政策統括官高橋謙司君、内閣府男女共同参画局長岡田恵子君、こども家庭庁成育局長藤原朋子君、総務省自治行政局長阿部知明君、総務省自治行政局選挙部長笠置隆範君、法務省民事局長竹内努君、外務省大臣官房審議官大河内昭博君、外務省北米局長有馬裕君、厚生労働省保険局長鹿沼均君、厚生労働省年金局長間隆一郎君、厚生労働省政策統括官朝川知昭君、農林水産省大臣官房総括審議官宮浦浩司君、農林水産省農産局長松尾浩則君、経済産業省大臣官房審議官河野太志君、中小企業庁事業環境部長山本和徳君、国土交通省都市局長内田欽也君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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安住淳#8
○安住委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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安住淳#9
○安住委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。小野寺五典君。
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小野寺五典#10
○小野寺委員 自由民主党の小野寺五典です。
 さきの総選挙におきまして、我が党は与党で過半数にも満たないという大変厳しい結果となりました。今まで、私ども自民党、公明党で過半数を得るということで、例えば政策をつくるにしても、自公で取りまとめ、国会の御審議をいただくということで済んでおりましたが、今回のこの結果は、私ども、野党の皆さんとも協力をしていく、そのような熟議の議論が必要だと改めて感じております。
 まず、総理にお伺いいたします。
 今回の結果を受け、少数与党として、政策協議はどのようにあるべきかということ、そして、この選挙結果、その多くの原因となりましたいわゆる政治資金、政治不信の問題、このことについて総理としてどのように受け止め、そして、特に政治改革の中で、企業・団体献金を含めた改革についてのお考えをお伺いしたいと思います。
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石破茂#11
○石破内閣総理大臣 自由民主党の小野寺政調会長にお答えを申し上げます。
 やはり、今度の選挙結果というものは、国民の率直な、なかんずく自由民主党に対する厳しい御叱正であったというふうに考えております。
 そのことを本当に我々は謙虚に厳粛に受け止めながら、別に多数を持っているとか持っていないとかそういうことではなくて、やはり、議会の場というのは、最終的に、いろいろな方々の御意見を承って、最もいい結論を出すということ、そして、この場だけで決めればいいのではなくて、主権者である有権者の皆様、あるいは有権者ではなくても国民の皆様方に、いかにして御納得をいただくかということが極めて大事なのだということを改めて思っておるところでございます。
 私どもといたしまして、答弁に当たっては本当に誠心誠意、変な言い方かもしれませんが、お願いですから分かってくださいなという、そういう姿勢が必要なのだと思っております。
 なかんずく、今回が、政治と金、あるいは政治のインフラそのものに関わる議論が多いんだろうと思っています。ということは、要は、政治のインフラに与党も野党もないわけで、民主主義のコストとは何だろうか、それは一体誰がどのように負担するのが正しいのだろうか。
 私も議員になって三十八年になりますが、当選一回のときに、リクルートで、ずっと政治改革の議論を当選一回、二回としてまいりました。そこにおいて、本当に、民主主義とは何か、そのコストとは何か、それは誰が負担をするのがあるべき姿なのかということを随分議論しましたが、それがまた同じような形で戻ってきているんだろうと思っています。
 与党も野党もなく、民主主義の健全な発展のために、私どもも謙虚に承りながら議論をしてまいりたいと思っておる次第でございます。
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小野寺五典#12
○小野寺委員 まず、政治改革、信頼を取り戻すということが何よりも大切であります。是非、たとえ政治を志す人たちがお金がなくても、縁故に政治家がいなくても、それでも志でしっかり政治に参加できる、そのような体制を是非与野党で考えていただきたい。そして何より、やはり政治と金の問題、特に企業・団体献金の問題については、国民の皆さんが納得いく形の結論を得ていただきたい、そのように思っています。
 政治改革の議論については、この後の山下議員の質問の中に譲りたいと思っていますので、私は主に経済対策についてお話をしたいと思います。
 今総理からお話がありましたが、今回、私ども、少数与党として、実は政調会長として、各党に今回の経済対策についての様々な協議をお願いいたしました。立憲民主党さんとも行いましたし、維新の会さんとも行いました。そして国民民主党さんとも行いました。その中で、繰り返し議論をしていく中で、例えば国民民主党さん、あれ、よくよくお話を聞いてみると、これは私たちと同じ考えを持っているんじゃないか。
 実は、自民党は今までずっと、賃金と所得を上げるということ、これをずっと一貫してやってまいりました。国民民主党さんは、手取りを増やす、そういうことをやってまいりました。よく考えてみると、私どもがやってきたのは、とにかく賃金を上げていくということ。賃金を上げるということで、結果としてこの間の手取りが増えていくという、これが私たちが考えてきたことです。
 今回、国民民主党さんも手取りを増やすと言っていますが、ちょっと私たちと違うのは、同じ手取りを増やすのでも、所得が上がらないんだったら、むしろ税金や社会保険料を下げていって、これで手取りを増やしていくというお話だったと考えます。ただ、これをもしやっていくと、ずっと税金は減っていくし、社会保険料、年金も将来不安になるということで、やはり手取りを増やすためには、私どもは、所得を上げていくということ、最終的にはこれを上げていくということが一番大切だと思っています。
 そして、手取りを上げる、所得や賃金を上げるということで私どもが議論する中で、ちょっと衝撃なことが分かりました。
 先月、十一月の下旬ですが、政府から出された統計です。実は、これは企業別に見た労働分配率という表ですが、この図の二を見ていただきたいと思います。
 二〇〇一年と二〇二三年を比較して、日本の大企業、営業利益は、二〇〇一年は十七・一兆円、そして二〇二三年は四十三・五兆円と、相当上がっています。また、その下の5にあります経常利益、これも二〇〇一年は十五・三兆円、そして二〇二三年は六十四兆円になっているんです。すごく増えているんです。
 ところが、人件費、2を見てください。二〇〇一年は五十二兆円、二〇二三年は五十三・七兆円、この二十二年間でほとんど増えていない。では、このもうけはどこに行っているのか。恐らく、海外投資に行っているかもしれないし、企業の内部留保かもしれません。
 そしてもう一つ、一番下の6、配当です。配当が、三・一兆円が二十五・七兆円になっています。
 私は、今まで日本の経営者というのは、社員を大切にする風土がずっとあったと思っていました。ところが、今この表を見て、残念ながら、そのもうけが働いている人に行くのではなくて、むしろ株主や、あるいは内部留保、海外投資に行っているのではないか。これをしっかり直さなければ、私は、本当の意味で賃金も所得も上がっていかない、そう思っています。
 そして、こちらの図の一を見ていただきたいんですが、実はその性格は大企業ほどあるんです。大企業ほど、どんどんどんどん、もうけを賃金に使っていない。そして中小零細は、やはり、もうかったものはしっかり人件費として還元をしている。これをしっかり回していくことが私は大事だと思っています。
 考えてみると、例えば、自動車王と言われたフォードさん、この方は日当を二ドルから五ドルに当時上げたそうなんです。何でいきなりこんなに給料を上げたか。自分たちが造っているT型フォード、この自動車を、造っている社員が、給料をしっかりもらって買えるようにする。実は、車を買えるようになって、車がまた売れる。そして、車がたくさん売れるから、どんどんコストが下がって、また買いやすくなる。これで実は自動車王国ができていったわけです。
 そして、私たち日本でも、例えば経営の神様と言われる松下幸之助さん、この人は、賃金を上げて社員の待遇をよくする。そして、その社員が冷蔵庫や洗濯機やテレビを買えるようにする。これでぐるぐる回っていったんです。
 実は、賃金を上げることは、結果として自分の会社のプラスになる。これを今まで日本の経営者や世界の経営のリーダーはやっていました。もうけが出たとき、誰のおかげでしっかりもうかったか。当然、投資家も必要です。そして、優秀な経営者も必要です。ですが、何より必要なのは、懸命に働いている労働者なんです。この人たちの賃金と所得を上げていないから、今の好循環がまだ回り切っていない。私は、是非このことをしっかりお願いしたい。
 とともに、実は、大企業だけで支えられているわけじゃないんです。総理も私も大好きな一〇式戦車。戦車は、千の会社が集まってその部品や素材を提供しているからセンシャなんです。関連企業は千あるんです。この人たちの、例えば、素材費が上がった、人件費が上がった。発注した分も、この値上がり分を想定して上げていかなければ、最終的には中小零細企業の賃上げにもつながらない。
 是非、この好循環を回すために、どのような政策で、大企業がある面では抱えている多くの利益や、そして、今まで海外にしか向いていなかった投資を国内に向けるか。そして、何より賃金を上げていくか。その考え方について、石破総理にお伺いいたします。
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石破茂#13
○石破内閣総理大臣 今から四十年近く前のことですが、もう覚えていらっしゃらない方、御存じない方もおられると思いますが、バブル経済というのがあって、これは一体何だろうと思いましたね。私は当選一回、二回でした。世の中が浮かれに浮かれて、盛り場からタクシーを止めるのに、一万円札をひらひらさせても止まらなかったなんという、そういう極めて不思議な時代がありました。
 バブルが崩壊をした、その後、経済は少し持ち直すのですが、リーマン・ショックというのがあった。それで物すごく自己防衛的になっていったんだろうと、私自身、体験として思っております。給料は上がらないんだけれども、雇用は守るから皆さん我慢してねということがあったのではないだろうか。そして、下請の皆さん、孫請の皆さん、あえてそういう言葉を使いますが、十分なお支払いはできないけれども、一緒に頑張っていこうねということがあったのではないか。
 新しい商品、新しいサービス、お金を出してもこの商品を買いたいな、お金を出してもこのサービスを受けたいな、そういうものに対する投資が余り行われなくて、結果として、魅力的な商品、魅力的なサービスが生み出されなかったのではないか。GDPというのは、結局、付加価値の総和でございますので、それが余り伸びないということが起こったんだろうと思っております。
 一時的にそういうことがあったとしても、それがずっと長く続いてきた。委員御指摘のように、そこにおいて労働分配率が決して上がらなかったということだろうと思っておって、それはそれで、我々として反省をしなければいけないことではないかと思っております。中小企業は一生懸命頑張って上げるんだけれども、大企業においてそうではない。中小企業は一生懸命上げたんだけれども、それは、防衛的な賃上げというのがあって、結構、中小企業の皆様方は、ここまで上げないと誰も来てくれないよということが起こっておったのではないか。
 私どもは、今までの経済政策で、そのときはよかったけれども、それをずっと続けてきたことはどうだったんだろうねということに対して、これから先、コストカット型の経済から、付加価値をつけていく形の付加価値創出型の経済というものを日本中に広げていく。
 そしてまた、製造拠点というものを、サプライチェーンの維持ということから考えても、どれだけ国内に戻ってくるか、そして、国内においてどれだけ投資を増やすかということを全般において考えていかねばならないというふうに私自身考えておるところでございます。
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小野寺五典#14
○小野寺委員 今回の賃上げに関しては、資本金百億以上の企業の例を取ると、その企業がもうかった分の一部、例えば一億円を給料のアップに使うということになれば、法人税、本来払う税金のうち三千五百万が控除になるということがあります。この賃金に回す部分、法人税を控除する中で、是非、少しでも給料に回るということにお力をいただきたい、そう思っています。
 そしてもう一つ、こういう企業は確かに賃金が上がっていくんですが、例えば、地域で私どもが日頃お世話になっている医療機関の看護師さんや薬剤師さん、あるいは介護でお世話になっている介護士さん、子供たちがお世話になっている保育士さんや幼稚園の先生、こういう方々の給料、賃金というのは、実はこういう経済で決まるのではなくて、私どもが医療の報酬や介護の報酬、そして保育所その他に出す公的なお金をしっかり積まないと、この方々の賃金は上がっていかないんです。是非こういうところにもしっかり目を配るということ。
 そして、今回、重点支援交付金の中でこの支援ができるというふうに聞いていますし、保育士さんは今回、去年と比べて一〇%以上の賃上げになると聞いています。是非、今回の補正予算をしっかり後押しする中で、このような皆さんにも給料を上げる体制を取っていただきたい、そう思っています。
 そしてもう一つ、安住委員長も私もそうでありますが、宮城の地方の出身であります。ですから、農林漁村の人たちの所得、経済がよくなることが実は地方経済の最も重要なポイントになります。
 ところが今、現場を見ると、例えば農業、ようやく今年は米価がある程度安定した価格になりました。でも、来年、しっかりこのような米価が維持できるのか。確かに、一時、米不足、米高というお話がありましたが、農家の方々の所得は、実は米や農産物を売って得るわけです。やはり一定の価格がないと、農家の方々も仕事を続けられない。
 そしてまた、今、問題は畜産です。枝肉価格ががくっと下がった。そのために子牛の値段ががくっと下がった。今、農家の皆さんは赤字覚悟で出荷するんです。工業用品であれば、こんなに物価が上がった、原材料が上がった、だから値段はこのぐらい、これ以上安かったらもう作らないし、売りませんと言えるんです。でも、一次産品、農産品は、作ってしまったら、育ててしまったら、後は競りで売るしかない、赤字でも売るしかない。これが私は一次産業が抱える大きな課題だと思っています。
 今、米や畜産の問題、これにしっかり手当てすることも私は農家や漁業者、農業者の大事な賃上げになると思いますが、農林水産大臣にこの政策についてお伺いしたいと思います。
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江藤拓#15
○江藤国務大臣 小野寺先生にお答えをいたします。
 先生におかれましては、自民党の農林インナーでずっと一緒に苦労してまいりましたし、米政策におきましては米の責任者を務めていただいておりましたので、本当に畜産のことについても米についても一緒に苦労してきた仲でありまして、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
 まず、畜産について申し上げますが、非常に厳しいです。非常に厳しいです。昨年、保証基準価格を五十六万四千円まで上げました。大変喜ばれました。しかし、それでもまだまだ足りないということで、いわゆる六十万円事業、この隙間の六十万円については、今、法的な根拠はありませんが、農家の方々にはお配りをさせていただいております。しかし、それで十分なのかということを考えなければなりません。
 ですから、私も、たまたまこういう立場になりましたので、畜産県でありますから、保証基準価格は今の水準で十分なのか、それから六十万円事業もこの水準で十分足りているのか検討したいというふうに考えております。
 そして、何よりも大事なのは、やはり出口。これはあらゆる農業政策にとって大事ですが、出口政策、米もそうですし、畜産もそうです。やはり売らなければなりません。ですから、今回の補正予算におきましては、昨年度の補正の三倍以上の百七十億円を用意させていただきました。
 今までは、いわゆるロイン系、サーロインだけ支援をしていました、ホールに対しても支援はしていましたけれども。しかし、肉というのはサーロインだけではありませんから、ほかの部位についても支援の対象にする。卸のお金を上げて、それで店頭の価格を下げていただいて、そして消費者の方々が手に取りやすい価格で売っていただく、買っていただく。
 私、テレビを見ていて、今ちょうどブラックフライデーじゃないですか。そうしたら、消費者の方々は、安ければ和牛を買うわけですよ。テレビではサシの入っている肉は人気がないんだとか言う人もいますが、そうではなくて、手に取れる範囲の価格になれば、やはり買いたい方はたくさんおられる。
 そして、石破総理がこの間、習近平国家主席とお会いになったときに、日本の和牛の輸入の再開を、是非再開してほしいということを言っていただきました。すばらしい御提案だったと思います。これができれば、今、日本の和牛の輸出量というのは大体九千トンぐらいしかないものですから、和牛全体で十七万トンですから、もし、十四億人のあのでかい国が日本の和牛を買ってくれる、五万トンでも十万トンでも買ってくれるなんということになれば、ちょっと想像がつかないような価格帯になる。
 やはり、出口政策として、国内で消費を拡大することももちろん大事ですが、海外のマーケットも積極的に開拓していかなきゃいけないと思っています。
 米政策について若干申し上げれば、先生が一番御苦労された水活ですね。水活については、私も一緒に苦労した立場として、やはり根本的に見直そうと思っています。根本的に見直します。しかし、その結果は、農家の方々にとっても納得のいくもの、そして、税金を使うわけですから、納税者である国民の方々が、なるほどね、食料安全保障を確立するためにはこれは必要だねと、やはり納得のいくものにしなきゃいけないと思っています。
 なかなか難しい作業ですので、大臣になって次の日からずっとこの作業に取りかかっておりますが、まだしばらく省内で時間がかかります。自民党にもまだお示しをしておりません、内容については。そして、お示しした後は、熟議の国会ですから、国会でしっかり皆様の御意見を伺って、いいものにしていきたいというふうに考えております。
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小野寺五典#16
○小野寺委員 私ども、やはり農家の皆さんの所得も増やすということ、これもとても大事です。是非、応援してまいりますので、よろしくお願いいたします。
 そして、先ほど石破総理が、四十年前はバブルだったというお話がありました。私は、四十年前、初めて社会人として、県の職員として仕事をスタートしました。当時は自治労の組合員でもありました。そういう意味では、あのとき、実は給料は毎年上がっていたんです。多いときにはボーナスが年三回出たんです、公務員であっても。それだけやはり経済が、民間がいい、そうすれば人事院勧告で公務員の給料も上がっていく。公務員の給料が上がると、商工会や商工会議所、農協や漁協の皆さんの給料もそれに合わせて上がっていくわけです。
 全て好循環で回していくことが大事なんですが、ただ、その中で、今回、例えば、賃金の上昇に恩恵を受けない方、低所得者の方、年金だけで生活をされている方。ただ、こういう方々は、むしろ物価高の影響だけを直撃を受けています。ここにしっかり手当てをするということが、私ども、大変大事だと思います。
 そのために必要な額を積み上げた中で、今回、交付金や様々な重点支援金等があると思いますが、この重点金を設けた目的について、総理に伺いたいと思います。
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石破茂#17
○石破内閣総理大臣 それは、委員御指摘のとおり、賃上げの恩恵に浴さない方はおられるわけですよね。そういう方々に物価上昇の影響を少なくするということがもう究極的な目的だと思っております。
 そういう、世の中、物価が上がったね、でも給料も上がっていく、よく言われるように、物価上昇を上回る賃金上昇というのを実現しようと思って我々はやっているわけですが、賃金で暮らしておられない方々は物価だけ上がっていくわけで、そういう方々に暮らしが苦しくなったねというような思いをさせてはならないということが主な視点だと私は考えておるところでございます。
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小野寺五典#18
○小野寺委員 今回は、低所得者の方々に一世帯三万円、子供は二万円ずつ加算とか、あるいは重点支援交付金で、地方自治体がしっかり使って、私ども国がしっかり手当てできないところは地方自治体が手当てをしていく、そのような対応の交付金が入っていますので、是非これをしっかり使っていただきたいと思います。
 そしてもう一つ、今、経済、景気をぐるっと回そうという中で、現場で聞こえている声が人手不足です。
 例えば、慢性的な人手不足の分野、飲食業や小売業、ここで、例えば都市部を見れば、多くの学生さんがアルバイトとして仕事をしっかり担っていただいています。ところが、いわゆる百三万円の壁、これがあるので、親の扶養との関係で働くことを控えてしまう、こんな例があります。
 あるいは、主婦の皆さんは百六万円、百三十万円、むしろ社会保険料の壁があって、それがあるために抑制して、働かない、働けない、そういう状況があります。
 さらに、現役世代と同じようにしっかり働ける高齢者の方々は、在職老齢年金という、いわば一生懸命働けば働くほど一緒にもらっている年金が減らされる、こういう制約があるので、では、これ以上働いても手取りが増えないからやめておこう、こういう制度もあります。
 私どもは、もし働けるのであれば、働きたいのであれば、この方々がしっかり働けるような環境、それが百三万の壁や百六万、百三十万の壁でありますし、また、全世代、働ける人に是非働いていただきたいと思えば、在職老齢年金の改正もあると思います。
 是非、みんなが働ける、働きたい人がしっかり働ける、この体制を取るための、いわゆる百三万円の壁、このことについて、総理のお考えをお伺いいたします。
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石破茂#19
○石破内閣総理大臣 これは、我々与党あるいは国民民主党さんと、この百三万円の壁については、水準をどうするかという議論はまだこれからになるんだと思いますが、これはとにかく変えていくんだということで合意をしているというふうに承知をいたしております。
 委員御指摘のように、この政策の目的というのは一体何なのよということであって、もう年末になります、いろいろな学生の方々のアルバイトというものも、壁にいっちゃうからもう働くのをやめようということになりますと、さあ、この忙しい年末どうするんだいというお話になるわけで、これによってどれだけの労働力が労働市場に出てくるのか、あるいはどれだけ所得が増えていくのか。
 そして、それが税金の問題なの、社会保険料なのと。税金の問題と社会保険料の問題というのはそもそも本質が違うので、社会保険料を取られちゃうからもう働くのをやめようかなということになると、でも、社会保険料を払って、それが将来社会保険として返ってくるわけで、それは、税金を取られちゃうという言い方は私は余り好きではないが、それとは違うんじゃないのということだと思っております。
 改めて、今回、百三万円だの百六万円だの、こんなに壁があるのよね、あるいは崖もあるのよねということであって、相当に複雑で分かりにくいということなんだろうと思っております。
 委員が冒頭御指摘になったように、今最大の問題は人手不足なのであって、いかにしてこの人手不足を解消し、働く意欲あるいは働く力、そういうものをお持ちの方々は年齢、性別に関わりなく目いっぱい働くようにしていくという社会をつくるということがまず第一の目的でなければならないのではないか。それによって手取りが増え、そしてまた将来の不安が解消される。
 やはり、個人消費が伸びていかないのは、今消費しちゃうと将来どうなるか分からないから、手元に持っておこうと。むしろ、個人消費が伸びないのは、高齢者の方よりも若い方々が伸びないのは、それは今使っちゃうと将来が不安だよねということがあるわけで、そういうものを総合的に考えていきながら、分かりやすい、何のための制度なのかということを構築してまいりたいと考えております。
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小野寺五典#20
○小野寺委員 おっしゃるとおり、まず、今、経済成長のためには労働力が必要だ。そして、それを阻害している壁がある、これをまず突破するということ。そしてもう一つ、やはり、そうはいっても、手取りを増やして、収入を増やして経済を回していくということも大切になります。
 今回、今いろいろな議論を、国民民主党さん、公明党さん、三党でやっている中で、例えば、今の百三万円を百七十八万円にすると、中央、地方合わせた税収が七、八兆円減ってしまう、そういう懸念もある。だけれども、やはりどこかで手取りを増やしてあげたい。でも、どの層に手取りを増やすべきか。
 それは、手取りが増えたら、これはすぐに必要だからと使っていただく、こういう子育てや若い世代の人たちは、もらったお金はすぐに使うので、それがぐるぐる回って経済の乗数効果につながり、税収に戻ってきます。片や、たくさんもらっている方が、税金が下がって多少手取りが増えたとしても、どちらかというと、それはそのまま貯蓄に回ってしまう。
 私は、同じような政策を打つのであれば、重要な人たちに、そして経済につながる、そういう人たちにしっかり手を打っていただきたい。その精緻な議論を私どもも各党と協力してやってまいりますし、政府としてもしっかりとした方針を出していただきたい、そのように思います。
 さて、次に、地方創生の考え方に移っていきたいと思います。
 実は、地方創生一・〇というのは、私思うのは、中央から地方に、東京にあるものを地方に分散する、東京にあるような形で地方にもそういうものがある、どうもそんな考えを私自身は持っておりました。ただ、今回、石破総理は地方創生二・〇というお話をしています。実は、地方創生、その一つのポイントになる事例、それを少し、今日、御紹介をしたいと思います。
 実は、岸田政権になってから、サプライチェーンの強化のために、半導体や蓄電池、DX、GX、バイオなど、様々な国内投資の支援策の強化をしております。
 このパネル、一例でありますが、令和五年の補正予算により既に動き出している国内の投資案件の一覧です。国の支援により、半導体を始め、蓄電池、省力化投資など、実はこんなに全国に広がっています。
 例えば、TSMCも出資したJASM熊本工場、いよいよ今月にも本格的な生産が開始すると聞いていますし、九州には半導体関連企業が集積し、その経済効果は二〇二二年から十年間で約十一兆円以上と言われています。実際に人手不足も起きています。熊本以外にも、北海道のラピダス、広島のマイクロンなどで半導体投資が進んでいますし、蓄電池は群馬や福岡、データセンターは北海道や香川など、各地で計画があります。
 私は、地方創生の一つの考え方として、地域の特性を生かして、日本全体として勝ち筋を見定め、稼ぐ力を高めていく、それが地方から出ていく、これが大切だと考えています。そのためにも、今回の補正予算の中には、投資を促進するAI・半導体産業基盤フレームなど、様々な支援策があります。
 では、これだけ日本全国で、今、経済成長の芽が地方から出ていく、この先どういうふうになるんだ。実は、その未来を考える上で参考になるのが、私は、アメリカの企業進出の例だと思います。
 今回、世界的に活躍している米国の企業の本社がどこにあるかというのを調べてみました。世界に名立たるアマゾン、あるいはフェイスブックのメタ、テスラ、モデルナなど、大企業が実は全米各地の都市から育っています。決してワシントンやニューヨークに一極集中しているわけじゃないんです。これ以外にも、本当に小さな町でも、例えば、世界で小売のトップを占めるウォルマート、これはアーカンソー州のベントンビル、人口六万です、ここに本社があります。アフラックはジョージア州のコロンバス、人口二十万。キャタピラーはイリノイ州ピオリア、人口十一万。マイクロンはアイダホ州ボイシ、人口二十三万。
 実は、世界的なアメリカの企業は、地方に展開し、数万から数十万の都市に本社があって、それに伴う産業が集積しています。このアメリカの多様性は、今後の地方創生を考える上で、私は大変参考になると思います。
 私も実は実体験があります。三十年ほど前、大学の教員をしていました。そのとき、アメリカの地方自治の研修のために、ミシガン州のバトルクリークという市、この市役所で研修をしました。人口五万の市です。ですが、そこには実はケロッグ、私どもがコーンフレークでお世話になっている世界的企業の本社があります。
 市長に聞いたんです、何で世界企業のケロッグがここに本社があるんですかと。そこで言われたのは、企業にとって一番大切なのは、大切な優秀な人材を集めること、いかに集めるか、そのためのヒントは住みやすくすることだ、教育や文化、福祉を充実させる、住みやすいところに企業が逆に言うと育ち、そこで集積していくんだと。
 私は、今、地方創生二・〇の一つの大きなヒントがここにあると思います。是非、私ども、今回の地方創生の様々な交付金、これを使って、将来、日本の経済を引っ張ってくれる世界企業、それが各地から出ること、それをしっかり後押しさせていただきたい、そう思っています。
 総理は地方創生の初代大臣もされました。是非、この地方創生二・〇、そのお考えについてお伺いしたいと思います。
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石破茂#21
○石破内閣総理大臣 十年前、私、初代の地方創生担当大臣を拝命をいたしました。二年務めました。そのときに、今委員御指摘の、別に本社じゃなくてもいいんだけれども、東京でなくてもいい機能はなるべく地方に移しましょうねということをやってみたんです。
 それで、隗より始めよという言葉がいいかどうか分からないけれども、中央政府がやらないと、それを民間にだけお願いしても難しいよねということで、中央省庁の地方移転というのもやろうとしました。成果として、確かに、文化庁の京都移転でありますとか、工芸館の金沢移転でありますとか、幾つかはできました。でも、その後が続かない。
 本社の地方移転も、有名なお話は、コマツの、小松市に移転した。行ってみると分かりますよね。本当に小松に、発祥の地ですから、溜池にもありますが、それが小松に移転しました。
 出生率も上がりました、婚姻率も上がりました、女性の方々の幹部登用も非常に増えました、いい例なんだよねということがあるんだけれども、何で後が続かないんだろうかということを考えてみたときに、東京に来た方が格好いいからということはないと思うんです。やはり国会が近いから、いろいろなお役所、霞が関が近くにあるから。ほかに何か合理的な理由があるかというと、余り合理的な理由はないのですね。
 私、地方にいろいろなものを移転したいと言っているのは、自分のノスタルジックな感情で言っているわけではなくて、例えば、出生率も地方の方が高いですということがある。でも、婚姻率が一番高いのは東京なのです。そこが出生率が一番低いです、よって、人口がどんどん減りますみたいなことが起こっておって、いろいろなものを地方に移転をするということは、委員御指摘のようないろいろな状況が整っているからなのですが、それが全国的に広がっていかないということは、やはり何か構造的に問題があるんだろうというふうに思っております。地方に移転した方が経済合理性があるというふうに納得していただけるような、そういう仕組みが必要なんだろうというふうに思っております。
 明治維新のとき、そしてまた敗戦後、いろいろなものを東京に集めた方が手っ取り早かったということがあると思うんです。これから先、その限界が来たのが平成という時代だったと思っておりますので、皆様方のいろいろなお知恵もいただきながら、日本の在り方そのものを変えていく、そういうようなプロジェクトが地方創生二・〇だというふうに私は考えておるところでございます。
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小野寺五典#22
○小野寺委員 私の持っているイメージは、東京にあるものを地方に移すということではなく、東京にある企業が地方に分散するのではなく、地方発の企業、様々な国の支援で、地方から今、どんどん世界に出ようとする企業を更に押し上げて、東京を見なくて、地方からそのまま世界を見る、そういう会社、企業、これがどんどん出ていくことを今回の地方創生の交付金で後押しする、それを是非お願いしたいと思っています。
 さて、もう一つ大切なことは、やはり能登への支援であります。
 私も、先月十三日、石川県を訪問しまして、馳知事から、地震、豪雨被害の復興の進捗状況を聞いてまいりました。先ほど、安住委員長が行かれたときに伺った知事からのお話、それも私どももしっかり受け止めております。
 復興支援につきましては、予備費も合わせて約一兆円を既に積み上げていますので、ある程度十分な予算はあるとは思うんですが、ただ、現地に行って聞いてみますと、堆積土砂の撤去の問題、あるいは復旧復興に関わる人員不足、対応すべき課題はたくさんあります。
 やはり今回は、地震に加えて豪雨という二重の被害があった、過去にない事例であります。安住さんも私も東日本大震災の経験をしています。そのときにも、石川県の皆さん、能登の皆さんにも助けていただきました。少しでもお役に立てるように頑張っていきたいと思いますが、是非、石破総理、この能登の復興に寄せる思いについてお伺いしたいと思います。
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石破茂#23
○石破内閣総理大臣 コロナがようやっと収束に向かって、何年ぶりかに親戚が帰ってきたね、家族が帰ってきたね、久しぶりにいいお正月だったねという最中にあれは起こったわけですよね。みんな本当に大変な衝撃を受けたと思う。そして、ようやっと立ち直るかなというきっかけが見えたらあの大雨で、私、地震のときも大雨のときも現場へ行きましたけれども、何で自分たちだけがこんな目に遭わなきゃいかぬのだという話があるわけで、そこは、二つのやり方があるんだろうと思っています。
 大雨も地震も防ぐことはできないんだけれども、予知、予測の体制を上げていくことは可能なのではないだろうか。そして、災害を防ぐことはできないんだけれども、その後に起こることは全て人災なのだというのは、かつて阪神・淡路大震災のときに後藤田正晴先生がおっしゃったことですが、避難所の体制だって、正直言えば、百一年前の関東大震災のときとほとんど何にも変わっていない。本当にこれでいいのかということでございます。
 事前にいろいろなものを予報する、予知をする、そういう体制を上げていく。そして、防げないんだけれども、その後、一番困難な中にいる人たちに一番温かい手を差し伸べなくて何がそれが国家だというふうに私は思っておって、そういうことを今までも内閣府防災担当はいろいろな省庁の皆様方と協力してやってきましたが、やはりそれを、専任の大臣を置いて、防災庁というものをつくってそういう体制をつくっていくのが、災害大国というのは変な言い方ですが、被災大国と言った方がいいのでしょうか、そういう日本の、世界に対して、そして国民に対して果たすべき使命だと考えております。
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小野寺五典#24
○小野寺委員 まずは今目の前にある能登の被災を受けた人たち、そしてまたそれを復興しなきゃいけない人たち、ここに寄り添って最大限の支援をしていただきたい。そして、私どもはそのための予算を今回この補正予算の中にしっかり入れていますので、まずは今の対応をしっかりしていただきたい、そう思っています。
 その上で、今総理が言及されました防災庁について、少しお話をしたいと思います。
 もう東日本大震災から十三年九か月が過ぎました。私ども、そうはいっても、あのときの経験、今でもしっかり覚えています。そして、復興庁を始め多くの皆さんに支援をいただきましたが、実はこの復興庁という役所、本当にお世話になっておりますが、各省庁から、ある面では出向で成り立っています。数年すると元の役所に戻る、あるいは退職をしてしまう。復興庁や防災関係の部署には、確かに震災や様々な災害の記録は残っているんです。記録は残っているけれども、職員として、そのときの体験や経験、これは残念ながら引き継がれていない。
 私は、何よりも大切なのは、災害が起きたら、速やかに初動で、何が必要だ、次はこれだ、あれが足りなくなる、これは一々記録を見て何だっけでは間に合わないんです。やはり記憶と体験が受け継がれる、そういう役所が必要だ。そういう意味で、私は、この防災庁という役所は重要だと思っています。
 とても残念なのは、今回の能登のあの災害の状況、避難している方の姿を見て、十三年前に私たちが経験したときと何も変わっていない。体育館の中に皆さんビニールシートを敷き、段ボールを敷き詰めて、そこで避難をされている。それが長期間にわたっている。一体あの震災の教訓は何だったんだ。その後、熊本の震災もありました。いつも災害のたびに私たちが見る光景は同じです。もうこんなことを二度と繰り返してほしくない。
 そして、この国は数年に一回災害がある国になりました。是非、今回、防災庁をしっかりつくって、記録だけじゃなくて、体験や様々な記憶を職員が受け継ぐ、そういう体制にしていただきたいと思いますが、総理のお考えを伺います。
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石破茂#25
○石破内閣総理大臣 十三年前の思いは、小野寺委員も私も一緒です。
 私、あのときは野党の政調会長でございました。無理を頼んで、女川の避難所に一晩泊めていただいたんです、一時間、二時間見ただけじゃ分からないから。朝、結構日が上がるのが早い時間だったな、とにかく、何で私たちがこんな目に遭わなきゃいけないの、お願いに行って、国交省に行ったら農水省に行ってくれ、農水省に行ったら経産省に行ってくれ、何なんだこれは。一つの役所で全部ワンストップで済むような、そういう体制が何でつくれないんだと罵声を浴びましたよ。だから、あのときに小野寺委員にも大変お世話になった、復興庁の設置法案というのを一生懸命みんなで書きましたよね。それは自分たちの手柄とか、そんなことを申し上げるつもりはありません。
 内閣府防災担当の方々は本当に一生懸命やっているんだけれども、二年たったら元の役所に帰っていくわけで、やはり災害とか防災とかいうものは、御指摘のように、経験の蓄積がなければ駄目だ、知識の蓄積がなければ駄目だ、伝承がなければ駄目だということだとするならば、日本国中どこで何が起こっても、条件が悪くて財政が悪ければひどい目に遭っても仕方がないなんて、それは国家のやることではないのであって、それを国家としてきちんと対応する体制をつくるために、専任の大臣を置き、専門のスタッフがあり、それで、そこでずっと経験と知識を蓄積していく。
 そういうような、強大な権限を振るうつもりはございません、その防災庁というものを、また皆様方の御意見も賜りながら、よりよいものにしていくことが私どもの責任だと思っております。
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小野寺五典#26
○小野寺委員 まず、目の前の能登の復興を手がけ、そして、その際、しっかり防災庁を組み上げていく。私ども、しっかりその協力をさせていただきたい、そう思っています。
 次に、外交、安全保障についてお伺いしたいと思います。
 アメリカ、トランプ政権に再びなることになりました。私は、前トランプ政権のときの防衛大臣として、アメリカと直接向き合った経験もございます。大変手ごわい人だと思っています。しっかりとした備えをお願いしたい。
 そしてまた、アジアの周辺を見れば、北朝鮮、私どもは拉致問題を何としても解決したい、その課題でありますが、その北朝鮮は、今度はロシアと組んで、事もあろうにウクライナでロシアの味方として戦うなんという状況になっている。本当に、アジアの安全保障環境は大変厳しい。
 この中で何より大切なのは、日米同盟をしっかり結んでいくこと。実は、安全保障戦略を、私ども、特に私は自民党の安全保障調査会長でありましたから、皆と一緒に作り上げた立場でもあります。そのとき、一番衝撃を受けたのが、ゲストにお招きしたアメリカの元情報機関のトップの方が、日米同盟の最大のウィークポイントは日本のサイバー能力の低さだということ。そして、これは残念ながら今でも続いております。
 今回、私ども、能動的サイバー防御ということで、政府にいち早くこの整備を、法整備も含めてやっていただきたい、これをお願いしていますが、現在のサイバー防御の進捗状況について、総理に伺います。
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石破茂#27
○石破内閣総理大臣 その問題はもうずっと昔からあるお話でございます、サイバーなんて言葉がはやる前から。ですから、これは法整備をきちんとしなければならないというふうに思っております。
 状況は今委員御指摘のとおりであって、日本が一番弱いのはこの分野である、そのためには法整備もしなければならない。これは、平大臣を担当大臣といたしまして、法整備のために、早急に法案を取りまとめて、国会における御審議を賜るようにいたしたいと思っております。
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小野寺五典#28
○小野寺委員 実は、このサイバーの問題、私ども、大変深刻に受け止めております。
 例えば、ロシアがウクライナに侵略をするとき、私どもは、こんな時代にロシアがウクライナに侵略するはずがないと思っていた中で、なぜかアメリカやイギリスは、確実に、いつ侵略をする、こういう情報をつかんでいました。後から見たらこれが正しかった。この情報はどこからもたらされたか。実はサイバーでの情報収集と報告を受けております。
 また、今の戦争は、初めからミサイルや攻撃機が来るんじゃないんです。それに先立ってサイバーでの様々な攻撃がある。これを受けて、実はその後に武力行使があります。確実にサイバーでの予兆を探知しないと、相手の攻撃、相手の武力行使を未然に防げない。この分野の能力を大変高めることは重要です。
 そして、サイバーの分野の情報を進めるということになると、憲法二十一条、ここにも配慮する必要があります。非常に難しい法整備となりますが、私は、是非これを一日も早くしっかり進めていただきたい、そのように思っています。
 もう質問時間があと僅かとなりましたから、最後の締めくくりにさせていただきますが、私どもは、やはり今回は熟議の国会です。少数与党として、これから補正予算もあります。その先の本予算もあります。また、各法案もあります。この法案の審議に当たっては、私どももしっかり案を作ってまいります。そして、それを野党の各党とも協議をし、取り入れられるところはしっかり取り入れ、だけれども、やはり難しいところは、ここは考えが違う、最終的に、これは国会の場で、公開の場で議論をして、そしていいものを作っていく、この姿勢を貫いていきたいと思います。
 そして、何よりも、賃金を上げる、所得を上げる、全ての世代、そして年金世代の皆さんにもしっかりと手を差し伸べる、これが最大の私たちの仕事だと思っています。
 そして、石破総理にお願いしたいことがあります。
 私は、長い間、石破総理をずっと見てまいりました。国民の皆さんの人気がある姿も見てまいりました。なぜ石破総理が人気なのか。私は、人の話をよく聞く、そして、じっくり相手と向き合う。さらに、ちょっとオタクなところもある。何か身近な存在、この人だったら私たちの意見を聞いてくれる、この人だったら同じ目線、近くにいるおじさんとよく似ている。これが実は、私は国民の皆さんから親しまれる石破さんの姿だと思います。ですが、総理、今総理になって約二か月がたちます。残念ながら、そのよさが出ていないと思います。
 私がお願いしたいのは、原点の石破茂に戻って、SPの方が怒るかもしれないけれども、地方に行って、車座でじっくり話を聞いて、酒を酌み交わして、お叱りをしっかり受けて、そして、それを腹にずっと据えて、この国の形をしっかり考えていく。
 チャーチルは、難しい問題に直面したとき、チャーチルの伝説映画で見たら、一人で地下鉄に乗る。そして、そこにいる地下鉄の人からいろいろな声を聞いた、お叱りもいただいた、でも、それで私は大きな決断ができたと。
 今やるべきことは、この国会の議論も必要です、役所の意見を聞くことも大事でしょう。ですが、石破茂本来の、地方を回って、車座でいろいろな声を聞いて、その思いを共有して、是非いい日本の政治にしていただきたいと思います。
 質問を終わります。
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安住淳#29
○安住委員長 この際、山下貴司君から関連質疑の申出があります。小野寺君の持ち時間の範囲内でこれを許します。山下貴司君。
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