厚生労働委員会

2025-05-27 衆議院 全107発言

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会議録情報#0
令和七年五月二十七日(火曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 藤丸  敏君
   理事 上野賢一郎君 理事 古賀  篤君
   理事 長坂 康正君 理事 井坂 信彦君
   理事 岡本 充功君 理事 早稲田ゆき君
   理事 梅村  聡君 理事 浅野  哲君
      安藤たかお君    五十嵐 清君
      草間  剛君    後藤 茂之君
      小森 卓郎君    佐々木 紀君
      塩崎 彰久君    鈴木 隼人君
      田畑 裕明君    田村 憲久君
      根本  拓君    長谷川淳二君
      平口  洋君    平沼正二郎君
      深澤 陽一君    福田かおる君
      森下 千里君    山本 大地君
      吉田 真次君    若山 慎司君
      池田 真紀君    大塚小百合君
      大西 健介君    酒井なつみ君
      宗野  創君    堤 かなめ君
      中島 克仁君    長妻  昭君
      長谷川嘉一君    松尾 明弘君
      宮川  伸君    山井 和則君
      柚木 道義君    阿部 圭史君
      池下  卓君    猪口 幸子君
      福田  徹君    森ようすけ君
      沼崎 満子君    浜地 雅一君
      八幡  愛君    田村 貴昭君
    …………………………………
   厚生労働大臣政務官    安藤たかお君
   厚生労働大臣政務官    吉田 真次君
   参考人
   (大妻女子大学短期大学部教授)          玉木 伸介君
   参考人
   (慶應義塾大学教授)   駒村 康平君
   参考人
   (昭和女子大学特命教授) 八代 尚宏君
   参考人
   (株式会社笑下村塾代表取締役)         たかまつなな君
   参考人
   (一般社団法人日本経済団体連合会専務理事)    井上  隆君
   厚生労働委員会専門員   森  恭子君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十七日
 辞任         補欠選任
  塩崎 彰久君     若山 慎司君
  深澤 陽一君     五十嵐 清君
  福田かおる君     山本 大地君
  吉田 真次君     小森 卓郎君
  長妻  昭君     松尾 明弘君
同日
 辞任         補欠選任
  五十嵐 清君     平沼正二郎君
  小森 卓郎君     吉田 真次君
  山本 大地君     福田かおる君
  若山 慎司君     塩崎 彰久君
  松尾 明弘君     長妻  昭君
同日
 辞任         補欠選任
  平沼正二郎君     深澤 陽一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出第五九号)
     ――――◇―――――
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藤丸敏#1
○藤丸委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
 本日は、本案審査のため、参考人として、大妻女子大学短期大学部教授玉木伸介君、慶應義塾大学教授駒村康平君、昭和女子大学特命教授八代尚宏君、株式会社笑下村塾代表取締役たかまつなな君、一般社団法人日本経済団体連合会専務理事井上隆君、以上五名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 最初に、参考人の方々から御意見をそれぞれ十分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、発言する際はその都度委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑することができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
 それでは、まず玉木参考人にお願いいたします。
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玉木伸介#2
○玉木参考人 大妻女子大学短期大学部の玉木でございます。
 本日は、このような機会を与えていただき、誠にありがとうございます。
 まず、出だしから申し上げます。まず、我が国の年金制度として、私としてこうあってほしいなと思う属性は数多くございますけれども、そのうちの三つをお話の出だしとして申し上げたいと思います。
 第一は、労働市場に中立的であること。第二は、厚生年金保険制度が再分配機能を果たすこと。第三は、国民の常識と整合的であって、国民に信認されやすい制度であること。これらと関連づけながら、御審議中の法案に関して若干のコメントを申し上げようと思います。
 まず、お手元に資料一枚紙がございますけれども、一の、労働市場に中立的という点について申し上げます。
 労働市場に中立的とはどういうことでしょうか。労働市場は、労働者が、この仕事でこの賃金なら働こう、企業が、この人をこの賃金で雇えるなら働いてもらおうという意思決定を行う場です。その意思決定に当たって、年金制度が有利にも不利にも作用しないので、年金を気にして働き方、雇い方を変えることがない、したがって、年金制度が労働市場をゆがめることがない、これが中立ということでございます。
 現実はどうでしょうか。決して中立ではありません。年収の壁の手前での就業調整と呼ばれる現象は、その一例です。労働市場のゆがみと言ってよいでしょう。
 ある二人の方が同じように雇われて働いているのに、片方は、勤務先の企業規模が大きいために厚生年金保険などの被用者保険に入って給付が手厚く、もう一人の方は、勤務先の企業規模が小さいために被用者保険に入らず給付が手厚くないということが、今はあります。おかしなことです。
 雇う側が支払う労働の対価については、同じ労働なのに、被用者保険の事業主負担分だけ異なっています。一物二価です。これもゆがみです。
 今回の法案では、こうしたゆがみが減るよう、雇われて働く方々がより多く被用者保険に入るようにする適用拡大の措置が盛り込まれています。これは正しい方向です。可能な限り推進していただきたいと思います。
 中立でないことのもう一つの事例は、在職老齢年金です。
 経験知の豊かなベテラン技術者などの中には、高齢者になっても、企業が相応の処遇をしてでも雇いたくなるような方が少なからずおられるでしょう。
 ところが、現行制度では、賞与込みの月当たりの勤労収入と年金の報酬比例部分の合計が五十万円を超えると、報酬比例部分が部分的に、又は全面的にカットされます。
 ある程度の技術やマネジメント経験などがあれば、月当たりの勤労報酬が五十万円前後ということは十分にあり得ます。また、特に恵まれた超高所得者ということでもありません。しかし、年金カットが起き得るのです。
 人によっては、カットされるぐらいなら勤労収入はほどほどでいいから、フルタイムで働くことはやめておこうという傾向が生じます。高齢者の勤労の意欲の抑圧でございます。これもゆがみです。
 法案には部分的な対処が盛り込まれていますが、今後、在職老齢年金の廃止を含めた更なる検討が進むことを期待します。
 次いで、お手元の資料、二の、厚生年金保険制度の再分配機能について申し上げます。
 厚生年金の保険料が報酬に比例する一方、給付には基礎年金という定額の部分があります。この結果、大きな所得再分配が生じます。
 例えば、月収十五万の方と六十万の方を比べると、払う保険料は月収と同じく一対四ですけれども、定額の基礎年金があるために、高齢者になってからの給付の差は一対四よりかなり小さくなります。十五万の方は、六十万の方と同額の基礎年金を、四分の一の保険料支払いで受給できるようになっているのです。
 年金で暮らす高齢者の生活水準の格差が余り広がらないようにすべきという価値観を我々が持つとすれば、厚生年金の所得再分配機能は貴重です。
 生活保護も所得再分配のルートの一つですが、どうしても施しというイメージがつきまとい、スティグマと言われる現象が生じてしまいます。再分配の受け手の方々が、肩身の狭い思いをなさってしまいます。
 しかし、年金給付は、現役期の保険料支払いの結果ですから、先ほどの十五万の方は、自分は若い頃に保険料を払ったからこそ、この給付を受けていると胸を張っておられるでしょう。スティグマなどありません。
 この意味で、基礎年金による所得再分配は貴重であり、それだけに、基礎年金にはある程度の大きさが必要です。
 二〇二四年度のモデル年金の所得代替率は六一・二%で、そのうちの二五・〇%が報酬比例部分、残る三六・二%が再分配効果を有する基礎年金です。
 今後はどうなるでしょうか。
 現行制度が続くと、基礎年金の所得代替率は、二〇二四年度の三六・二%から、成長型経済移行・継続ケースでは三二・六%、過去三十年投影ケースでは二五・五%と、それぞれ少なからず低下します。基礎年金の再分配効果の後退は、現行制度のままでは避けられません。
 しかし、再分配の縮小など、誰も意図していません。意図せざる再分配の縮小を止めるべく、何らかの適切なアクションが必要です。
 今後、基礎年金の大きさを確保するための更なる検討、例えば、今、基礎年金は四十年加入で満額給付になるところ、四十五年加入として、満額が従来の四十分の四十五倍になるというように、拠出と給付が相似形を保ったまま制度を拡張するとか、マクロ経済スライドによる給付調整の早期終了を導入するとか、そういった施策について、国庫負担の増加を賄う安定財源の確保を含めて、議論していただきたいです。
 最後に、お手元の資料の三の、国民の常識との整合性や国民の年金制度に対する信認について申し上げます。
 人々の生活には常識というものがあり、これは時代とともに大きく変化します。僅か半世紀前、日本社会には、人は結婚し、男性が一家の大黒柱として働き、女性は家庭に入って生活を支えるという常識がありました。しかし、今の若者の間に、そんな常識は影も形もありません。
 年金制度は、日々変化する国民の常識と整合的であり続けるよう、永久に適合を繰り返さねばなりません。その適合の一つが、法案に含まれる遺族年金の制度改正です。
 かつては社会における男女の役割が大きく異なっていたために、現行の遺族年金には男女差があります。こういうものは、国民の常識と整合的でないので、国民は違和感を抱きます。人々が違和感を抱く制度は、国民の信認を得られません。これは困ったことです。今回の法案に男女差の解消が盛り込まれていることは適切と思います。
 先ほど、在職老齢年金についてお話ししましたが、この制度も、恐らくは国民の常識と整合的でなく、また、人々の年金制度への信認にマイナスの影響を及ぼしていると思います。
 年金制度の各分野において、将来にわたって人々の腹にすとんと落ちるものであるよう、国民の常識の変化への適合を繰り返していくべきと思います。
 もう一点大事なことは、広報でございます。広報につきましては、皆様、大変御尽力いただいてございます。政府の姿勢が国民にとっては大事でございますので、是非継続していただきたいと思います。広報に対します私の希望を表明いたしまして、私の陳述を終えることといたします。
 御清聴、誠にありがとうございました。拍手
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藤丸敏#3
○藤丸委員長 ありがとうございました。
 次に、駒村参考人にお願いいたします。
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駒村康平#4
○駒村参考人 慶應義塾大学の駒村康平でございます。
 こういう機会をいただきまして、大変ありがとうございます。
 お手元に、少し厚い資料でございますが、用意させていただきました。後半の方では、少し私の論考も補足のためにつけておりますが、おおむね最初の十四ページで御説明したいと思います。
 今日お話ししたい内容はこの「構成」というところで、年金制度を評価するに当たっての評価基準、改革の評価基準、それから、現行の年金制度改革で大きな課題になっている基礎年金の給付水準の問題、この底上げをめぐる政策の選択肢、それに関わる三つの壁というものをお話しさせていただきたいと思います。本体資料と参考資料もつけさせていただきました。
 では、三ページを見ていただければと思います。年金制度の評価軸というのは、まず、持続可能であるのかどうかということでございます。財政的に持続可能かどうか。さらに、給付水準が年金としてふさわしいレベルを保障しているのかどうか。それから、働き方や家族はその時代とともに変化をしていきますので、社会経済等の変化に対する対応力、こういったものが重要かと思います。
 高齢化が進む中で、この一番と二番のバランスはかなり際どい状態になってきていることは事実でありますが、しかしながら、まだ破綻をするとか若い人が年金をもらえないとかというような緊急事態になっているわけではなく、調整をしながら何とか維持できるというふうに考えております。三番は、不断の改革が必要になってくるということでございます。
 では、四ページの方に移りたいと思います。今回の年金財政検証で大きな課題になったのが、当初、二〇〇四年にこの改革、現行年金制度ができたときには、二〇二三年にはマクロ経済スライドが停止して、厚生年金の報酬比例部分と基礎年金は、相似形で、同じ比率で下がっていくということが想定されていました。基礎年金のウェートが六で報酬比例部分の方が四、四対六のバランスのまま小さくなってくる。
 ところが、現行を財政検証をしたところ、マクロ経済スライドが非常に長期に利いて、特に基礎年金については長期に利いていって、このバランスが五対五まで変化してしまう。要するに、基礎年金の方がいびつになって小さくなるということが判明した。これは年金の、特に国民年金のデフレ調整能力に課題があったということになります。
 そこで、このまま放置しておくと、二〇四〇年にリタイアをする氷河期世代を直撃するルートに入ってきていますので、この直撃を回避するために、積立金を活用して早めに基礎年金へのマクロ経済スライドを終了させるということで、それで四対六のバランスを確保できるということになります。
 エッセンスを言うと、報酬比例部分を少し薄くして、基礎年金という下の方に渡す。上半身のエネルギーを少し下半身に、栄養の方に回す、こういうことでございます。
 さて、五ページの方に行きますと、基礎年金が仮に放置して下がるとどうなるかということになりますけれども、生活保護が最低生活保障を握る要石だということになれば、基礎年金というのは、それを支える、その上に立つ心柱のような状態になっているということで、生活保護の前で、ほとんどの方が基礎年金を持っていますねと、障害、遺族、老齢、全て基礎年金でまず押さえた上でセーフティーネットが出てくるということになりますが、基礎年金の給付水準三割低下を放置すると、障害基礎年金、遺族基礎年金、共に全て下がってしまうということになってしまうわけです。
 また、基礎年金が、あるいは年金が地域にどういう影響を与えているのかというのを見ますと、六ページの方の下段に出ていますけれども、高齢化が進む地域であればあるほど、地域経済に占める年金のウェートが大きいということで、地方であればあるほど、年金の給付引下げは大きな影響を受けるということも確認できるということです。
 七ページ目の方に入りたいと思います。これは、基礎年金を縦に取って、横に年齢を取って、六十五歳から以前にもらうと繰上げ受給、遅くもらうと繰下げ受給ということになりまして、現行水準が三六・二%、所得代替率がある。これが何もしなければ二五・五まで下がるということで、三割下がることになりますけれども、この一〇・七%ポイントの下がり方をどう補っていくのかということで、四十五年加入だとこれは四%回復できる、二百万人適用だと一・七%回復できる、二百万人プラス四十五年加入で五・七%の回復ができるということで、部分的な回復しかできないわけですけれども、マクロ経済スライドの短期化によって七・七%まで回復できるということで、短縮と二百万人の適用拡大で合計九・四%まで回復できるので、おおむね、一〇・七%のかなりの低下分は回復できる、こういうふうに思います。
 ただ、これについて三つの壁があります。一つは、積立金の流用ではないかという誤解であります。これは、国民年金は徴収の口座でありまして、国民年金の中で一号、二号、三号という形で徴収される。給付の口座が基礎年金でありますので、この案は、徴収の口座である国民年金に厚生年金からお金を入れるという話ではなくて、給付の口座である基礎年金に、国民共通の基礎年金に積立金を一部入れるということでございますので、流用には当たらないと判断をしております。それから、切替えの時期に一時期、氷河期世代よりも上の世代がやや年金が沈む時期がある、これをどういうふうに対応するか。それから、年金の給付水準を引き上げると国庫負担が必要になってくるということをどう解いていくのかということがあろうかと思います。
 九ページ目には、この誤解というところを少し詳しく書いておるところでございますけれども、国民年金イコール基礎年金イコール自営業年金という誤解がどうもあるようでございますけれども、下の方の十ページにありますように、基礎年金というのは、人生の様々なキャリアの中でためてきた年金の口座にお金を入れるということを今回意図していますので、一〇〇%一号の人がいるわけでもないし、一〇〇%二号の人がたくさんいるわけでもない。それぞれ極端な自営業と極端なサラリーマンというのは少数派で、ほとんどの方が、厚生年金と国民年金の時代があった、組み合わされたキャリアを持っている。このキャリアを持った人たちがつくった束が基礎年金という勘定になって、そこにお金を入れるということでございますので、決して流用には当たらないと思います。
 それから、十一ページでございますけれども、氷河期世代のことを世代ガチャとも言うこともございますけれども、意図せずに、あと、御本人たちの御責任でもないにもかかわらず、非常に厳しい現役時代を過ごして、恐らく年金もかなり厳しいものになってくるのではないか。これが三割下がってくるということは、生活保護の増加も含めて厳しいことが予想される。そうなるならば、やはり、上の世代で余裕のある世代が、氷河期世代より以降の世代のために、少し我慢をしていくというのも社会のあるべき姿ではないか、不幸な世代を、社会でそのリスクを分散するということも年金の役割ではないか、こういうふうに思っておりますので、非常に下がる方がいればケアをした方がいいだろうとは思います。
 最後に、十三ページでございますけれども、年金制度改革というのは、手堅い前提で、タイミングを逸しない改革が必要である。政治的な理由で改革の重要な部分が延期される、対応できないということになりましたら、世代間の負担と調整が失敗して、年金への信頼を失ってくる。これこそが高齢化以上に賦課方式の年金の危機ということでございますので、この辺を私は、先生、皆様ですね、この適切な議論をやっていただきたいなと思っております。
 短期的な、情動的な方にどうしてもSNSなどを見ていると話が行ってしまう傾向もありますけれども、先生方におかれましては、長期的な視点から、根拠に基づいて、論理的で実行可能な選択肢を議論していただきたいと思います。
 まとめて言いますと、やはりこの底上げというのは必要かつ早急に対応すべき政策テーマだと思っております。
 以上で、私の最初の説明とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。拍手
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藤丸敏#5
○藤丸委員長 ありがとうございました。
 次に、八代参考人にお願いいたします。
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八代尚宏#6
○八代参考人 昭和女子大学の八代尚宏と申します。
 本日は、このような貴重な機会を与えていただきまして、ありがとうございました。
 私は、以前、第一次安倍内閣、福田内閣のときの経済財政諮問会議の委員をやっておりまして、社会保障、年金問題も担当しておりました。そのときには本当に年金の改革、民主党の御意見も入れて大改革をやろうとしていたわけですが、そのときと比べて今回の年金改革案というのは、はっきり言って大きな問題を全部逃げている、非常に年金技術的な問題ばかりを議論されている、これがまず一番大きな問題だと思います。
 一ページめくっていただきまして、なぜ年金給付が減額されなければならないのかということであります。
 今、基礎年金がほっておけば三割減ってしまう、それをどうしようかということを議論しているんですが、そもそもなぜ基礎年金のような大事なものが三割も減らなければいけないのか、これが実は最大の問題なわけなんですね。
 なぜかといいますと、日本は高齢者の寿命が世界一長いわけです。寿命が長いというのはいいことなんですね。日本はいろいろな問題を抱えていますが、少なくとも国民生活というのは最も世界でいい国なんです。ただ、この寿命が長いということに今の年金制度が対応していないということが非常に大きな問題です。
 寿命が長いということは、高齢者の寿命が一年延びるということは一年分の年金給付が増えるということ。これをどう対応するか。
 高齢者の方で年金を調整するためには、二つの手段があるんですね。一つは、世界標準のやり方。つまり、寿命が一年延びたら一年遅く年金をもらい始める、それによって生涯の年金を受け取る期間を固定化する。これが十分な給付の下で年金財政を安定させるグローバルスタンダードのやり方なんですね。
 ところが、なぜか日本はこのやり方を取っていない。六十五歳に年金支給開始年齢を固定して、専ら年金を減額することで対応するという極めてひどいやり方を取っているわけですよね。
 日本の年金水準というのは、私が以前勤めておりましたOECDの資料によりますと、G7の中で最も低い。この低い年金を更に減らそうというのがこの国民窮乏化案なわけですね。マクロ経済スライドという意味不明の名前を使っておりますが、これは年金減額スライド方式なんです。これをどこまで国民が理解されているかということです。
 それからもう一つは、基礎年金なんですが、基礎年金の財政が極めて不安定である。第一号被保険者のうちで保険料を払っている人は半分にも満たないわけです。第三号は全く払っておりません。そういう形で、専ら被用者年金に負担がしわ寄せされているというのが現状なわけです。
 もう一枚見ていただきたいと思います。そういう今の大きな問題を解決するためにどういう制度改革が必要かということなんですが、そういう議論を避けるために、今回の年金財政計算というのは極めて楽観的な推計をしているわけですね。
 右のグラフを見ていただきますと、これは積立金の見通しなんですが、この場合、四つのシナリオがありますが、最初の二つは極めて楽観的です。なぜ楽観的かというと、何と、積立金が今後どんどん膨らんで、発散しそうな勢いなわけですよね。こんなに積立金が増えるのなら、何の改革も要らないわけです。
 何で積立金が増えるかというと、これは足下で増えているからで、前回の財政検証時よりも、株高とかいろいろな状況によって、予想以上に年金が積み上がっている。それは結構なことです。それが今後五十年、百年続くと思うのか、これは誰が考えたっておかしいわけですよね。
 それから、高齢者や女性の就業率が予想以上に上がっている。これも結構なことです。だけれども、高齢者の就業率が上がっているのは、六十五歳に年金が引き上げられるから、それに対応して上がっているわけですが、もう六十五歳以上は上げないと言っているわけで、何でそれにもかかわらず高齢者の就業率が同じペースで上がるのか。
 それから、ひどいのは女性の就業率です。この前提では、子育て期の女性の就業率が男子並みに上がる、九〇%にまで上がるというすさまじい前提をしています。どういうケースで女性の就業率がそんなに上がるのか。これは未婚の場合ですよね。現に、未婚化が進んでいるから女性の就業率が上がっているんですが、もし子育て期の女性がみんな未婚になったら、何が起こると思われますか。子供が生まれません。それにもかかわらず、出生率の方はどんどん上がるという前提。こんな非論理的な、矛盾した前提に基づいた年金財政というのは本当にいいんでしょうかということです。
 もう一枚めくっていただきたいと思います。
 最も矛盾が起こっているのは、出生率なんですよね。私も昔、人口問題審議会に入れていただいていましたが、ここでは物すごく精緻な人口推計をしている。ただ、前提が問題で、出生率というのは推計じゃなくて前提なんですよね。過去六回の人口推計で五回、過大推計になっている。今回の出生率だって、今、どんどん子供の数が減っているわけで、むしろ加速しているのに、二三年を底にして、二四年は急速に上がって、今後は上がり続ける、上がって安定する、どこからこんな結論が出てくるのか。
 間もなく、六月に二〇二四年の合計特殊出生率が出る予定ですが、これが多分一・一五と言われている。一・一五というのは、実は低位推計に非常に近い水準なんですよね。そこで止まるならいいんですが、本当に止まる保証もない。韓国では〇・八ぐらいまで下がっている。
 そういう状況の下で、仮に、今中心となっている中位値を低位値に置き換えたらどうなるか。それが次のページでありますが、そうなると、厚労省が言っている前提が全部狂うわけです。所得代替率、これは厚労省の定義した所得代替率、専業主婦の基礎年金を含めた、水増しした代替率ですが、それが五〇%を切るわけです。
 そうしたときには、要するに、財政再計算を見直さなきゃいけないというのが前回の附則にも書いてあるわけで、これを無視していいのかどうか。先日の国会の討議を聞きましたら、それは五年後に考えればいいということですが、足下で低位の水準まで出生率が下がっているときに、そんな悠長なことでいいんでしょうかということです。
 もう一枚めくってください。これまで日本の財政をやってきたマクロ経済スライドというのは破綻しているんです。そんなことを誰も知りません。
 右のグラフを見ていただきたいと思います。マクロ経済スライドというのは、二〇〇四年から始まったわけですが、本当はもう終わっていなきゃいけない。五〇・二%、二四年ですよね。それが六一・二%にまで上がっている。むしろ、二〇〇四年の水準よりも高い。この二十年間、マクロ経済スライドは全く機能していないんですよね。こんな大事なことがほとんど議論されていない。ですから、今後はこの積み残し分も含めて大幅な減額が必要だから、基礎年金が三割も減額されることになるわけです。
 だから、それを厚生年金からどうするとか、そんな技術的な話じゃなくて、こういう状態にもかかわらず、今後ともマクロ経済スライドを続けるのか。支給開始年齢の引上げと併用することで、少なくとも減額のスピードを緩める、あるいは減額しないということを、本当は国会で議論していただきたいわけです。
 次のページを見ていただきますと、年金支給開始年齢の高い国ほど高い給付水準で、これも私が昔勤めておりましたOECDの資料でありますが、個人単位で見ると、日本は何と三八・八%と最も低い水準で、この低い水準の年金を更に下げようというのが今回のやり方なわけです。
 日本は世界一の寿命にもかかわらず、支給開始年齢が六十五のままになっている。なぜ、人の国並みに、アメリカやイギリスのように六十七まで上げられないのか。今年が六十五まで到達した年なわけです、男性について。このままのペースで六十六、六十七と上がるということがなぜできないのかということです。
 最後になりますが、そういうことも踏まえまして、本来の年金改正案というのは、国民に負担を求める以上、多様な選択肢の情報開示をしていただきたい。支給開始年齢の議論は、年金審議会でも全く議論されませんでした。基礎年金の税方式も全く議論されませんでした。我々は厚労省の手の中で踊っているわけで、本来大事な年金改革案は全く議論されていない。こういうことも含めて、是非国会では議論していただきたい。
 それから、福田内閣でやったときのように、厚労省じゃなくて内閣の下に、当時は社会保障国民会議というのを設けましたが、今でも全世代社会保障会議というのがありますので、そういうところで雇用制度も含めて議論していただかないとまずいわけです。やはり、高齢者がもっと働けるような状況にする、そのためには、いろいろな労働市場の整備が必要です。そういうことを踏まえて、一体的に年金問題を議論する。
 先ほどの税方式になりますと、第三号の問題もなくなりますし、第一号の未納問題もなくなります、年金財政も安定化します。なぜ、この抜本的な議論、福田内閣のときには、これがあと一歩まで、できるところまで行ったわけですね。それが残念ながら潰されてしまった。今からでも遅くないわけで、是非、福田内閣のときに議論した社会保障国民会議の議論をもう一度やっていただきたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。拍手
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藤丸敏#7
○藤丸委員長 ありがとうございました。
 次に、たかまつ参考人にお願いいたします。
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たかまつなな#8
○たかまつ参考人 株式会社笑下村塾のたかまつななと申します。
 本日は、貴重な機会をありがとうございます。
 私は、若者の政治参加を推進する活動をしています。年金部会の委員では最年少でした。若者世代の声を本日は届けたいと思います。
 年金部会での取りまとめの後、SNS等で情報発信をしたところ、大きな反響があり、いわば炎上をしました。現役世代の声を十分受け止められていないのではないかというふうに考え、インターネットを通してアンケートを実施しました。若者、現役世代を中心に、五百十三名の方から回答をいただきました。
 その声をまとめて、見えてくるポイントは三つです。
 一つ目、現役世代の負担軽減の必要性です。
 現役世代は、現状の年金制度に不安を覚えています。本来、利益のある制度にもかかわらず、強制加入はやめてほしいという声すらありました。世代間の格差を強く感じており、子育て世代の負担は重過ぎるとの声が多く見受けられました。
 二つ目、政策検討プロセスへの若者の参加の必要性です。
 年金制度には、若者世代も負担者、将来の受給者として大きく関わっているにもかかわらず、年金部会の議論に当事者たる自分たち若者世代はほとんど参加していません。もっと政策検討プロセスに若者の声を反映する仕組みが必要だと思います。そのほかに、専業主婦などの三号被保険者の当事者、障害者、遺族、貧困の高齢者、子供なども政策検討プロセスの会議に入るべきだと思います。
 三つ目、政府、政治による情報発信の必要性です。
 納得感のある説明がなされていないことが社会保障制度への不信感につながり、先ほどのような強制加入反対といった声にもつながっています。同じ改革でも、理解、納得感を高めることが必要です。国民目線での情報発信に取り組むべきだと考えています。部会、党、国会の意思決定の透明化、情報の積極的な発信に努めるべきだと考えています。
 続いて、法案についてですが、基本的に私は法案に賛成です。男女の格差を解消し、働き方に中立的な制度へと転換している点は大きく評価できると思います。
 その上で、今大きく議論になっている点について述べたいと思います。三つほど述べます。
 一つ目は、調整期間の一致についてです。
 今、国会やメディアの中で議論となっている国民年金、厚生年金のマクロ経済スライドの調整期間の一致を通した基礎年金の底上げについて意見を述べたいと思います。
 調整期間の一致により、マクロ経済スライドを早期に終了することで、将来の給付水準が上がり、給付水準の世代間格差をなくすことにつながります。そのため、調整期間の一致について私は賛成です。しかし、若者世代の負担感や将来不安に寄り添うための施策が更に必要だと考えます。
 調整期間の一致に関しては、将来、一から二兆円単位で増えていく国庫負担の財源にめどをつける必要があります。現役世代の間では、社会保険料の負担の重さから、不安や不満が広がっています。今の現役世代の給付水準を上げるためであっても、現役世代に更なる負担を求めることは望ましいことではないと思います。将来の給付水準を引き上げるためには、国庫負担の財源を確保することが必要です。そのためには、年金課税の見直しや、高所得者への年金給付の在り方を見直し、例えば在職老齢年金の見直しやクローバックの導入などを行い、負担能力がある高齢者の方に負担をお願いするなどということも一案として検討するべきだと考えています。高齢者の方についても負担をお願いするのは、世代間格差や世代内格差をなくすということにつながっていくと思います。
 また、調整期間の一致は、一階部分を厚くすることで年金の給付水準全体を上げていくことに狙いがあります。しかし、加入期間が短いために低年金となってしまった人には別途対策が必要です。元々加入期間が短い方は、給付額が底上げされても、その影響は大きくありません。そのため、住居、福祉、医療、介護などの側面においても、低年金の人をどのように支えるのかということについては議論する必要があると思います。
 二つ目は、適用拡大、企業規模要件撤廃に十年もかけて本当にいいのかということです。
 適用拡大は、年金部会で議論されていた時期よりも遅れていると思います。年金部会では、次の財政検証の二〇二九年頃までに企業規模要件を撤廃すべきとの意見もありました。働き方改革関連法でも、中小企業への導入を遅らせましたが、そのことによってかえって大企業との差を生み出してしまいました。適用拡大についても、企業規模要件撤廃を遅くすればするほど、中小企業の人材獲得において大企業よりも不利にしてしまうことが予測されます。二〇三五年には、非正規雇用の人が多かった氷河期世代の先頭が既に六十代に入ってしまいます。いち早く適用拡大を進めることで、中小企業に勤める非正規の氷河期世代の人を救うことにつながると思います。
 三つ目は、三号被保険者制度についてです。
 今回、法案の附則に、今後、第三号被保険者制度の調査、検討をするという規定が入りました。改正案は働き方に中立な年金制度を目指しているにもかかわらず、第三号被保険者制度は時代にそぐわない制度となっています。しかし、審議会においても、廃止する方向性ではまとまりませんでした。三号被保険者にとどまるように、年収を百三十万円以内に抑えようと働き控えをする方がいます。こういった就業調整は女性の社会進出にとっても足かせになります。就業調整しなければ将来の給付水準の向上が見込まれるため、高齢女性の貧困対策にもつながります。
 しかし、第三号被保険者から外れてしまうと保険料を自分で払わなければならないというふうに考え、就業調整する人がいまだにたくさんいるのが現実です。そこで、廃止の方向性を示し、段階的になくす見通しをつけるだけでも、女性の就労を後押しすることができると思います。
 他方で、三号制度を廃止する上でも、十分に働くことができない人への配慮というのは当然必要です。例えば病気、障害、育児、介護、不妊治療など、様々な理由から十分に働くことができない人がいます。そのため、そのような事情がある人に対する給付や支援は別途考える必要があります。
 所得や結婚しているかというところでしか実態が分からず、育児や介護などで困っている人がいるかもしれないからということで残すというのは、本質的ではないのではないかと私は考えます。今後、マイナンバー等を利用することで、資産やその他、支援する必要があるかどうかを判断できると、より支援が手厚く、より困った方に政策が届くと思います。
 続いては、法案に盛り込まれていない点について、五つほど述べたいと思います。
 一つ目、若者世代の声についてです。
 若者世代の不満や不信の声が高まり、心理的な安心という観点では、セーフティーネットがうまく機能していません。審議会の透明性を上げる、当事者の声を入れるというのはもちろんのこと、広報に力を入れるということなどをするべきです。また、子育て政策や女性のライフスタイルの中で、年金政策をセットで論じる必要があるというふうに考えています。
 二つ目、学生の納付率についてです。
 学生納付特例については、追納率が一割以下ととても低く、抜本的な見直しが必要です。年金の加入年齢を一般的な大学卒業年齢である二十二歳にすることなども含めて、検討していただきたいです。
 三つ目、家族の多様化についてです。
 LGBTQプラスカップルについて年金がどのように権利保障していくのかというところは、部会でも余り議論されなかった点です。この点についてもしっかりと議論を進めていただきたいです。
 四つ目、障害年金についてです。
 障害年金の論点整理は複雑で、今回は部会でも取りまとめることができませんでした。なので、五年に一度の改正の時期にこだわらずに、別途進めるべきだと思います。当事者、医師、実務家などを交えた会議を設けたり、見直したりすることなどを附則に追加できないか、検討していただきたいです。
 五つ目、委員の誹謗中傷対策についてです。
 私が年金について情報発信したところ、殺害予告が届き、事務所の郵便受けが壊されるなど、事務的にも、精神的にも、金銭的にも相当の負担が生じました。これから、こども基本法により、子供の意見表明の機会を確保するということが必要となってきます。子供たちが政策的な議論に関わっていく中で、子供たちの安全を守る必要があります。これを機に、子供たちに限らず、審議会の委員を安全にしっかり守っていくことについても検討していただきたいと思っています。
 今回、厚生労働省の担当課の方とも密に連携し対応しましたが、やはり、担当課は法案の折衝もありますので、誹謗中傷や暴力に対して毅然とした態度を示すことができるような支援体制を政府の中で設けてほしいと思います。開示請求の予算をプールする、相談できる窓口を別途独立して設立するなど、検討をお願いします。
 最後に、私から伝えたいことです。
 若者の漠然とした将来不安や年金不安、それらを知識不足や誤解だと決めつけるのではなく、若者世代の不安に寄り添って制度改正を進めることが重要だと考えています。年金制度があるのに将来の不安が大きいと、今使えるお金が使えないというふうに考えてしまい、そのことから、結婚や出産をしたいのにためらうことにもつながります。高齢者の中での支え合いがもう少しできないのか、子育て支援を充実させることはできないのか、例えば、子供を持つ世帯に向けて社会保険料を軽減したり、更に広報を強化するなど、いろいろな考え方ができると思います。是非、若者世代の不安に寄り添っていただきたいです。
 以上で私の意見を終了します。ありがとうございました。拍手
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藤丸敏#9
○藤丸委員長 ありがとうございました。
 次に、井上参考人にお願いいたします。
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井上隆#10
○井上参考人 経団連の専務理事の井上でございます。
 本日は、年金制度改正法案の審議に際しまして、意見を申し述べる機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 本法案は、政府の社会保障審議会年金部会における検討を踏まえつつ、これを修正して提出をされた法案と理解をしております。審議会での検討の段階でも私どもから種々御意見を申し上げたところでありますが、本法案が目指す改正の方向性に賛同する立場から、総論、各論、そして残された課題などにつきまして、意見を申し述べさせていただきます。
 まず、総論を申し述べます。
 ここ数年、成長と分配の好循環の実現、継続を目指しまして、官民が連携をして、投資の拡大、賃金の引上げに取り組んでおります。私ども経団連といたしましても、賃金引上げのモメンタムの継続は企業の社会的な責務と位置づけまして、会員企業に強く呼びかけを続けた結果、一昨年を起点といたしまして、昨年加速をさせ、そして本年と、大手企業では二年連続で五%を上回る賃金引上げが実現をしております。
 この賃金の引上げが手取りの増大に結びつき、そして、安心して消費に回り、更なる成長へ循環していくことが不可欠と考えております。そのためには、年金制度を始めとする持続可能な全世代型な社会保障制度の構築が不可欠であり、繰り返し訴えてきたところでございます。
 私どもは、企業として従業員の社会保険料の半分を支払う立場であると同時に、社会保障制度を成長と分配の好循環の基盤としていくという立場で意見発信に努めております。老後の生活と若年層の将来に対する不安を払拭するために、今回の改正を着実に前に進めると同時に、更なる改正も検討を継続すべきと考えております。このような観点から、今回の制度改正に当たり、私どもは、年齢にかかわらず、働き方に中立で労働参加促進型の制度、そして、公正公平で予見可能性のある仕組みの実現を訴えてまいりました。
 次に、各論といたしまして、改正法案に盛り込まれている主要項目について申し述べます。
 第一に、被用者保険の適用拡大でございます。働き方が多様化する中で、中立な制度を構築するという観点、また、被用者保険に加入することで老後の生活基盤をより充実させる観点から、企業要件や賃金要件の撤廃については妥当であるというふうに考えております。また、適用拡大の進め方につきましては、中小零細企業等の負担に配慮された結果と認識をしております。
 第二に、在職老齢年金の見直しでございます。年齢に関わりなく高齢者が就労できる環境の整備という観点から、支給停止となる収入基準額を引き上げ、対象者を縮小することは妥当であるというふうに考えております。
 第三が、標準報酬月額の上限の段階的な引上げでございます。改正案では、負担能力に応じた負担を求めることを基本としながら、今後の引上げに関しても、予見可能性を高めるルールを創設するものであります。また、これによる個人及び我々事業主に対する保険料負担増についても、段階的に引き上げることで激変緩和が図られており、合理的な内容と受け止めております。
 第四といたしまして、法案には含まれておりませんが、将来の基礎年金の給付水準の確保につきまして申し上げます。現役世代の老後への不安を低減する観点から、基礎年金の給付水準の確保は極めて重要であると考えております。
 これにつきましては、政府審議会の検討段階では改正項目として盛り込まれていた。その段階で、私どもとしては、その必要性を主張しつつ、一方で、厚生年金と基礎年金の関係が一般的には極めて理解が困難であり、丁寧な説明が必要であると申し上げてまいりました。
 年金は、長期間にわたり国民や企業が巨額の保険料を納め、老後に長期間にわたり受給を受けるものでございます。現在、政党間で法案の修正の議論が行われていると認識をしておりますが、是非、国民一般に分かりやすい説明、納得が得られる協議をお願いしたいというふうに思います。
 最後に、今回の制度改正を着実に成立をさせていただいた後、更に次の改正で実現をお願いしたい事項を申し添えます。
 第一に、適用拡大につきましては、引き続き、働き方の多様化や今回の適用拡大の影響を検証しつつ、労働時間要件についても見直しを進めるべきと考えます。
 第二に、在職老齢年金につきましては、廃止すべきと考えております。
 第三に、高齢者の就業の状況、年金の充実を考えますと、基礎年金の拠出期間の四十五年化をできるだけ早く実現すべきと考えております。
 第四に、第三号被保険者につきまして、既に専業主婦世帯が三割を切るという状況の下、私どもとしては、まずは適用拡大を進めつつ、残された第三号被保険者の個々の状況を速やかに精査の上、制度の見直しを図るべきと考えております。
 最後となりますが、経団連では、フューチャーデザイン二〇四〇という提言の中で、成長と分配の好循環を回し続けるためには、年金のみならず、医療や介護などを含む全世代型社会保障制度改革が不可欠と指摘をしております。現役世代に負担が偏っている社会保険料のバランスを是正して、持続可能な社会保障制度を確立するためには、税制も含めた見直しが欠かせません。
 税、財政、社会保障制度の一体改革を推進するための会議を設置をし、また、複雑な社会保障制度について国民全体に分かりやすい説明を行い、納得性のある、公正公平で持続可能な全世代型社会保障制度改革を実現するよう切にお願いを申し上げまして、私からの意見を終わります。
 ありがとうございました。拍手
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藤丸敏#11
○藤丸委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
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藤丸敏#12
○藤丸委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。草間剛君。
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草間剛#13
○草間委員 おはようございます。自民党の草間剛と申します。
 先生方、今日は、大変お忙しい中、貴重なお話を本当にありがとうございました。大変参考になりました。年金制度改革の議論も本委員会では中盤に差しかかっておりまして、先生方の御意見を参考に、今後とも議論を深めていきたいと思います。
 そして、今日は、私からまず初めに質問させていただきたいんですけれども、私、実は、昨年当選した一期生でございまして、今四十三歳でございます。
 就職氷河期では最後の方だと思うんですけれども、多くの先輩方や仲間も就職難にあえいで、私自身も、大学院を出てそのまま早稲田大学に就職をしたんですけれども、その研究所で非正規で五年間勤めておりまして、マニフェスト研究所というところなんですけれども、ボーナスもなくて、お金がないから、年末年始とかはコンサート会場でアルバイトをしながら何とかやっていたということで、当時の仲間たちと話しても、やはり年金不信という言葉を同世代はよく使っております。
 玉木先生には、長年、年金制度に携わられておりまして、特に年金不信という言葉に対して、事態に対して、長年これに真正面から取り組んでこられたと思います。この年金不信というのは、まさに政治が解決しなければいけないというのはもちろんなんですけれども、じゃ、今の状況下で、具体的に、この年金不信、どのように解消していけばいいのかという御示唆を玉木先生からまずいただきたいと思います。
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玉木伸介#14
○玉木参考人 御質問ありがとうございます。
 年金不信、多分、我が国が直面する最大の課題のうちの一つではないかと思います。
 この点につきましては、私、短期大学部の教員でございますので、十八歳あるいは二十歳ぐらいの女性たちと毎日接しておりますけれども、若い方々というのは、やはり目先の数年間を見ながら生きております。私は六十九歳でございますので、そろそろ自分が認知症になることを考えながら生きているわけでございますけれども。
 人間というのは、やはり目先の数年間の短い期間しか、なかなかタイムホライズンに入れて行動できないんだろうと思いますので、私は、十八とか二十歳とかといった若い方々に年金について細かく理解するようなことを求めるというのは、コストパフォーマンスがよろしくないやり方だろうかと思います。
 むしろ、社会としてこの世の中は割と合理的にできているとか、割とうまくいっていることがよくあるんだといったことについて気づいてもらえるようなことをやっていくということが、恐らく、回り回って年金不信の軽減又は信認の増大に達していくんだろうと思います。
 過去二十年、三十年を振り返りますと、いろいろな問題がありましたけれども、なるべく年金については、先生方、委員の皆様に御尽力をいただいて、長期的な観点から大人たちはしっかり考えているんだといったメッセージをいろいろな場で発していただきたいと思うところでございます。
 以上です。
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草間剛#15
○草間委員 先生、ありがとうございます。
 重ねて、玉木先生、先生には、年金リテラシーというものにもお詳しくいらっしゃると思いまして、十年前ですかね、年金リテラシー研究会というものの主査もされていらっしゃったとお聞きしまして、私も報告書を拝読をさせていただきました。
 この委員会では、与野党共に、年金報道の難しさについて議論が多くございました。私は自民党なんですけれども、例えば、先日の委員会では立憲民主党さんからも、ネットでぼこぼこにされているというような事実が山井先生からもございまして、様々な、やはり、先ほど、たかまつななさんからもネットでいろいろな意見があるということがあって、このリテラシーといいますか、報道の難しさというのに今直面していると思います。
 先生から見た今回の年金改革における報道の難しさと、議論する側はどのように伝えていけばいいのかということも教えていただきたいと思います。
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玉木伸介#16
○玉木参考人 年金リテラシー研究会の報告書を読んでいただきまして、誠にありがとうございます。
 実は、あの報告書は、百ページぐらいありますでしょうか、私ども、研究会で議論し、また執筆しております中で、是非、この報告書は高校の先生方に読んでいただきたい、高校の社会科あるいは家庭科の先生方に読んでいただいて授業に役立てていただきたいなと思いつつ書きました。実際、その目的の下、各チャプターの後ろに、先生と生徒とか、あるいは、ある教員と別の教員の高校の職員室の会話といったものを想定しながら、各章の同じ内容を、対話形式、対談形式で書いたりもいたしました。様々な方法はございます。
 今回の法案、特に調整期間の一致という点は、非常に難しいところではございますけれども、先ほど駒村教授から御指摘のあった流用という誤解については、まずこれは一丁目一番地、排除していかなければいけないなと思うところでございます。
 流用というのは非常に情緒に訴える言葉でございまして、これは生産的な言葉ではないと思います。したがって、なるべく冷静な、情緒に動かされない、中長期的な観点からの合理的な議論が行われているということを是非国民の皆さんに知っていただくようにお努めいただきたいと思うところでございます。
 以上です。
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草間剛#17
○草間委員 ありがとうございました。
 本当にこれは難しいといいますか、今日、恐らく、先生方からそういった御発言があることも、もしかしたら報道されるかどうかも分からないというところがあると思うんですけれども、本当にこの積み重ねをしっかりしていかなければいけないなと思いました。
 各論に少し入らせていただいて、経団連の井上参考人にもお聞きしたいんですけれども、先ほどおっしゃられたように、経団連としては、昨年ですか、九月三十日に、年金制度改正に向けた見解を公表されて、高齢者が一定以上の賃金を得ている場合に年金額が減る在職老齢年金制度について、将来的に廃止すべきだと打ち出された。先ほども御発言がございました。
 井上参考人には、その背景といいますか、もうちょっと詳細をお話をいただきたいと思います。
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井上隆#18
○井上参考人 一つは、やはり今、非常に厳しい人手不足の中で高齢者の就労も拡大しつつあるわけなんですけれども、やはり高齢者の中にも、在職老齢年金の金額を気にして就業調整をする方もいらっしゃるというのは事実であります。
 したがいまして、人手不足の中、また、本人が働きたいという意思を持つ方、こういう方にとって中立な制度ということであれば、やはり在職老齢年金自体は廃止をして、自由に働いて、それで、年金は、納めた者としても年金の権利はあるわけですから、それはそれでもらう、いただくということで、高齢者の就労促進型の制度という面からして、この在老の廃止が重要であるというふうに考えております。
 以上でございます。
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草間剛#19
○草間委員 同じく、先ほどの御説明の中に玉木先生も、この点については強く、在老の廃止、見直しですか、御発言されておりましたので、もうちょっと補足をして、なぜ廃止なのかということをお伝えいただきたいと思います。
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玉木伸介#20
○玉木参考人 まず、在職老齢年金という制度は、六十五歳を境にして生ずる制度でございますけれども、今の世の中、能力があって、意欲があって、世の中にとって大変貴重という方が、六十五歳を超えてたくさんおられるということでございます。特に、六十五歳以上の、あるいは六十代後半の就業率というのは、大体十年から十五年ぐらい前から劇的に上昇しておりまして、世の中におけます六十代後半の方々の働く人としてのポジションというのは様変わりをしてございます。
 また、三十年前ぐらいですと、例えば六十代後半で日本人の平均並みの給与が得られるということは余りなくて、そういった方々は、例えば会社の役員とか、特に恵まれた方というイメージで捉えることができたかと思いますけれども、今では、ごく普通の方でございます。そういった方に何かペナルティーみたいなものが加わるというのは、ちょっといかがなものかと。
 確かに年金財政は大変ですし、若者の負担を軽減するというのもございますけれども、この点については、先ほど、たかまつさんからも幾つも御提案があったように、ほかに幾らでもやりようはあるだろうと思いますので、在職老齢年金を支給停止にすることによって何か財源をつくるという発想はおかしいなと。むしろ、これがあることによって人々が違和感を持ってしまうという点のマイナスを是非お考えいただきたいと思うところでございます。
 以上です。
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草間剛#21
○草間委員 ありがとうございました。
 実は、私、自民党の中では青年局の学生部副部長というものを務めておりまして、日曜日には自民党の学生部の全国大会がございまして、党本部でやらせていただいて、マスコミフルオープンで、自民党の小野寺政調会長と学生が五十分間ぐらい議論をするという機会がございました。学生が二百人ぐらいですか、集まって、二十人、三十人の学生が質問をしていたんですけれども、安全保障とか選挙権の引下げとか、そういった質問はあったんですけれども、年金のネの字も出ませんでした。小野寺政調会長がわざわざ、今、国会では年金法案が山場になっていましてみたいな話もしているんですけれども、質問はゼロだった。
 これはやはり、先ほど玉木先生からありましたけれども、私もそうでしたけれども、学生時代に年金に関心を持つというのは、なかなか難しさがあるかもしれません。
 駒村先生は慶應大学で御教授をされているということでございまして、ゼミや授業、まあ、授業ではなかなか難しいかもしれないです、先生のお近くの、まさに大家である先生の周りの学生たちは一体どのように考えているのかというのと、どうやって学生たちにアプローチしていけばいいかというのもちょっと教えていただきたいと思います。
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駒村康平#22
○駒村参考人 ありがとうございます。
 うちのゼミは年金を主要テーマとしてやっておりますが、ほかにもやる研究を認めているんですけれども、やはり、私も若いときはそうでしたけれども、四十年も先のことを考えて生活するのはなかなか難しいかなと思っています。
 したがって、まず二十歳になれば払います、何がもらえるのかということで、先ほどもリテラシーをちゃんとつけるということで、やはり市民として年金制度をどう考えていくのかということを勉強する機会を、実は学生版の年金学会がありまして、そこにエントリーする形で、とにかく報告書を書かせるという中で、自分たちの頭で考えさせるという機会を与えていますが、正直なところ、なかなか一般的には、はるか先のことを考えるのは人間としては難しいと思います。
 だから、ある種、強制加入、先ほども、たかまつさんから、どうかという話もありましたけれども、だからこそ、四十になって後悔しないように、強制加入の制度とさせていただいているんだと思っております。
 ありがとうございます。
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草間剛#23
○草間委員 たかまつさん、先ほど、誹謗中傷があるというのは、もう絶対にこれはあってはならないことなので、対策を進めなければいけないと私も思いました。
 その中で、広報ということにたかまつさんは触れていただいたんですけれども、前回も委員会で森下千里議員の方から、これをしっかりやらなくちゃいけないということはあったんです。でも、年金の広報って一体どうやればいいのかなというのがずっと考えていたことなんですけれども、たかまつさん、何かアイデアがありましたら、最後にお願いしたいと思います。
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たかまつなな#24
○たかまつ参考人 ありがとうございます。
 年金の広報について私が一番有力だなと思うのは、やはりSNSでデマが広がっているので、SNS上に年金不信の若者がたくさんいるということなので、そこに直接呼びかけていただきたいなと。広報をやるというと、何か新しいパンフレットを作るとか動画を作るとか、そういうことで、見てくださいという構えなんですが、そうじゃなくて、年金不信の若者に直接アプローチしていただきたいなと思っています。
 厚生労働省は、年金の中で広報を独立して持っている、それは非常に珍しいことなので、それをしっかりと生かしていただきたいなと。私は、SNSで誹謗中傷とかデマの方が物すごく広がるスピードが速いので、それに対して打ち返す、言い返す人というのは、社会保障とか年金の分野においてはフォロワーの方が多くて、そのデマを打ち返す人はそんなにいないなと思うので、なので、厚生労働省の年金局の広報がしっかりとそれを担うべきではないかなと。ちょっと難しいところもあると思うんですけれども、やっていただきたいなと思います。
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草間剛#25
○草間委員 ありがとうございました。
 そうですね。僕の質問調整をいただいた厚労省の方々がこれができるかというところはあるかもしれないんですけれども、どうもありがとうございました。これは大変重要なポイントだと思いますし、先生方の御意見を参考に今後とも議論させていただきます。
 今日はどうもありがとうございました。
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藤丸敏#26
○藤丸委員長 次に、井坂信彦君。
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井坂信彦#27
○井坂委員 立憲民主党の井坂信彦です。
 参考人の皆様には、本当に多様な知見を授けていただき、ありがとうございました。
 まず、駒村参考人に伺います。
 いただいた資料は大変気づきが多かったです。例えば、この五ページの二番のところで、基礎年金の給付水準は、このままいくとどんどん、いわゆる基礎年金、全員の基礎年金が、厚生年金の人も三割下がってしまう。これは普通の老齢基礎年金のみならず、障害基礎年金とか遺族基礎年金も同様に低下する。あっ、確かにそうだなと気づきがありました。
 これについて、本当に、これも同じように、今回修正しなかったら、障害基礎年金、遺族基礎年金も今後三割減ってしまうということなのかということをお伺いしたいと思います。
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駒村康平#28
○駒村参考人 基礎年金、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族年金、共にマクロ経済スライドの対象になりますので、同じような下がり方になるという認識です。
 日本の所得保障制度は、基礎年金をベースに、障害があっても基礎年金があるはずだ、主たる働き手が亡くなっても遺族年金があるはずだ、ここがまず基盤になっていますので、ここが崩れていく。老齢年金は確かに働く期間を延ばせれば何とかなりますけれども、基礎年金はなかなかそうはいかない部分がある。障害年金、遺族年金はそういう弱い部分があるだろうと思いますので、共に下がるのは大きな問題だと思っております。
 以上です。
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井坂信彦#29
○井坂委員 ありがとうございます。
 確かに、本当にこれは大問題だというふうに思います。
 もう一つ、この五ページで、三番で書いておられる生活保護受給。放っておくと、やはり生活保護受給が増える可能性が高まると。現在は、マクロ経済スライドで、副作用として、貧困の上昇とか生活保護給付の増加というのが十分考慮されていないというふうに書かれております。
 財源の問題のときも我々考えるんですけれども、国庫負担、新規財源かどうかは別にして、仮に必要だとしても、じゃ、このまま放っておいたら、やはり生活保護に行く人が間違いなく増えて、そっちの方で国庫負担が増えるだろう。この辺りの将来見通しをやはりしっかりすべきだと思うんですが、駒村参考人も、生活保護の、あるいは老後の貧困の将来見通しというのを、やはり年金を考えるときは後々までしっかり推計をすべきかどうなのかということをお聞きをしたいと思います。
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