経済産業委員会
⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。
会
会議録情報#0
令和七年四月十七日(木曜日)
午前十時開会
─────────────
委員の異動
三月二十七日
辞任 補欠選任
村田 享子君 熊谷 裕人君
三月二十八日
辞任 補欠選任
熊谷 裕人君 村田 享子君
三月三十一日
辞任 補欠選任
村田 享子君 斎藤 嘉隆君
四月一日
辞任 補欠選任
斎藤 嘉隆君 村田 享子君
四月九日
辞任 補欠選任
越智 俊之君 牧野たかお君
竹内 真二君 塩田 博昭君
梅村みずほ君 猪瀬 直樹君
四月十日
辞任 補欠選任
牧野たかお君 越智 俊之君
塩田 博昭君 竹内 真二君
猪瀬 直樹君 梅村みずほ君
四月十四日
辞任 補欠選任
越智 俊之君 石井 準一君
北村 経夫君 吉川ゆうみ君
四月十五日
辞任 補欠選任
石井 準一君 越智 俊之君
田中 昌史君 中曽根弘文君
吉川ゆうみ君 北村 経夫君
四月十六日
辞任 補欠選任
中曽根弘文君 田中 昌史君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 牧山ひろえ君
理 事
田中 昌史君
長峯 誠君
森屋 宏君
古賀 之士君
梅村みずほ君
委 員
越智 俊之君
加藤 明良君
北村 経夫君
古賀友一郎君
松村 祥史君
宮本 周司君
辻元 清美君
村田 享子君
石川 博崇君
竹内 真二君
礒崎 哲史君
岩渕 友君
平山佐知子君
国務大臣
経済産業大臣 武藤 容治君
事務局側
常任委員会専門
員 山田 千秀君
政府参考人
内閣官房新しい
地方経済・生活
環境創生本部事
務局審議官 大森 一顕君
内閣府地方創生
推進室次長 松家 新治君
経済産業省大臣
官房審議官 井上誠一郎君
経済産業省大臣
官房審議官 奥家 敏和君
経済産業省商務
情報政策局長 野原 諭君
参考人
熊本県立大学理
事長
東京大学特別教
授 黒田 忠広君
Rapidus
株式会社代表取
締役社長兼CE
O 小池 淳義君
株式会社Gen
esisAI代
表取締役社長 今井 翔太君
─────────────
本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第一一号)(衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
─────────────
この発言だけを見る →午前十時開会
─────────────
委員の異動
三月二十七日
辞任 補欠選任
村田 享子君 熊谷 裕人君
三月二十八日
辞任 補欠選任
熊谷 裕人君 村田 享子君
三月三十一日
辞任 補欠選任
村田 享子君 斎藤 嘉隆君
四月一日
辞任 補欠選任
斎藤 嘉隆君 村田 享子君
四月九日
辞任 補欠選任
越智 俊之君 牧野たかお君
竹内 真二君 塩田 博昭君
梅村みずほ君 猪瀬 直樹君
四月十日
辞任 補欠選任
牧野たかお君 越智 俊之君
塩田 博昭君 竹内 真二君
猪瀬 直樹君 梅村みずほ君
四月十四日
辞任 補欠選任
越智 俊之君 石井 準一君
北村 経夫君 吉川ゆうみ君
四月十五日
辞任 補欠選任
石井 準一君 越智 俊之君
田中 昌史君 中曽根弘文君
吉川ゆうみ君 北村 経夫君
四月十六日
辞任 補欠選任
中曽根弘文君 田中 昌史君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 牧山ひろえ君
理 事
田中 昌史君
長峯 誠君
森屋 宏君
古賀 之士君
梅村みずほ君
委 員
越智 俊之君
加藤 明良君
北村 経夫君
古賀友一郎君
松村 祥史君
宮本 周司君
辻元 清美君
村田 享子君
石川 博崇君
竹内 真二君
礒崎 哲史君
岩渕 友君
平山佐知子君
国務大臣
経済産業大臣 武藤 容治君
事務局側
常任委員会専門
員 山田 千秀君
政府参考人
内閣官房新しい
地方経済・生活
環境創生本部事
務局審議官 大森 一顕君
内閣府地方創生
推進室次長 松家 新治君
経済産業省大臣
官房審議官 井上誠一郎君
経済産業省大臣
官房審議官 奥家 敏和君
経済産業省商務
情報政策局長 野原 諭君
参考人
熊本県立大学理
事長
東京大学特別教
授 黒田 忠広君
Rapidus
株式会社代表取
締役社長兼CE
O 小池 淳義君
株式会社Gen
esisAI代
表取締役社長 今井 翔太君
─────────────
本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第一一号)(衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
─────────────
牧
牧山ひろえ#1
○委員長(牧山ひろえ君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
牧
牧
牧山ひろえ#3
○委員長(牧山ひろえ君) 情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
政府から趣旨説明を聴取いたします。武藤経済産業大臣。
この発言だけを見る →政府から趣旨説明を聴取いたします。武藤経済産業大臣。
武
武藤容治#4
○国務大臣(武藤容治君) おはようございます。
情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
生成AIは、我が国の産業が革新的な製品、サービスを創出し、経済成長を実現するとともに、人口減少による構造的な人手不足等の社会課題を解決するために不可欠な技術であります。また、生成AIの利活用の急速な拡大に伴う計算需要の大幅な増加に対応し、生成AIの社会実装に関する他国への依存を低減するためには、国内において、半導体、データセンター等のハードウェアと生成AI等のソフトウェアが相互に連携の上、高度化していくエコシステムを構築するとともに、生成AI等のデジタル技術の利活用促進を牽引するデジタル人材の育成を進めることが急務であります。
加えて、半導体産業は、世界需要がこの十年で大きく増大する成長産業であり、経済効果も極めて大きく、既に投資、雇用、賃上げを通じた地域経済の大きな牽引役となっております。
諸外国においては、半導体・AI産業を基幹産業とすべく、必要な財源を確保しながら大胆な支援策を展開しているところ、我が国においても半導体・AI分野の大規模な官民投資を誘発することで、その成長需要を取り込むとともに、各産業の国際競争力の強化につなげていくことが必要です。こうした状況を踏まえ、情報処理の高度化を推進するための環境の整備を図るため、本法律案を提出した次第であります。
次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
まず、情報処理の促進に関する法律の一部改正です。
第一に、指定高速情報処理用半導体の生産を安定的に行うために必要な取組について、その実施に必要な資金の出資や施設設備の現物出資、必要な資金の借入れに関する債務の保証等の支援措置を講じます。また、これらの支援措置の対象となる者は公募により選定し、これらの支援措置に関する業務は独立行政法人情報処理推進機構が行います。
第二に、独立行政法人情報処理推進機構の業務に、情報処理サービス業を営む会社が大量の情報につき高速度での処理を行うことができる性能を有する設備の導入を行うために必要な資金に関する債務を保証することを追加します。
第三に、独立行政法人情報処理推進機構の業務に、情報処理に関する業務を行うために必要な専門の知識及び技能を有する者を養成し、及びその資質の向上を図ることを追加します。
第四に、政府は、令和七年度から令和十二年度まで、先端的な半導体の安定的な生産の確保等の施策に関する措置に必要な財源について、エネルギー対策特別会計の負担において公債を発行することができるものとし、その償還等に必要な財源に充てるため、財政投融資特別会計の投資勘定からエネルギー対策特別会計において今般創設する勘定へ繰り入れることができるものとします。
次に、特別会計に関する法律の一部改正です。
第一に、エネルギー対策特別会計に先端半導体・人工知能関連技術対策を追加し、先端半導体・人工知能関連技術勘定を創設した上で、独立行政法人情報処理推進機構に対する出資金等の歳入歳出項目を規定します。
第二に、今般追加する対策に必要な財源に充てるため、エネルギー需給勘定及び一般会計から今般創設する勘定へ繰り入れることができるものとします。
以上が本法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
この発言だけを見る →情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
生成AIは、我が国の産業が革新的な製品、サービスを創出し、経済成長を実現するとともに、人口減少による構造的な人手不足等の社会課題を解決するために不可欠な技術であります。また、生成AIの利活用の急速な拡大に伴う計算需要の大幅な増加に対応し、生成AIの社会実装に関する他国への依存を低減するためには、国内において、半導体、データセンター等のハードウェアと生成AI等のソフトウェアが相互に連携の上、高度化していくエコシステムを構築するとともに、生成AI等のデジタル技術の利活用促進を牽引するデジタル人材の育成を進めることが急務であります。
加えて、半導体産業は、世界需要がこの十年で大きく増大する成長産業であり、経済効果も極めて大きく、既に投資、雇用、賃上げを通じた地域経済の大きな牽引役となっております。
諸外国においては、半導体・AI産業を基幹産業とすべく、必要な財源を確保しながら大胆な支援策を展開しているところ、我が国においても半導体・AI分野の大規模な官民投資を誘発することで、その成長需要を取り込むとともに、各産業の国際競争力の強化につなげていくことが必要です。こうした状況を踏まえ、情報処理の高度化を推進するための環境の整備を図るため、本法律案を提出した次第であります。
次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
まず、情報処理の促進に関する法律の一部改正です。
第一に、指定高速情報処理用半導体の生産を安定的に行うために必要な取組について、その実施に必要な資金の出資や施設設備の現物出資、必要な資金の借入れに関する債務の保証等の支援措置を講じます。また、これらの支援措置の対象となる者は公募により選定し、これらの支援措置に関する業務は独立行政法人情報処理推進機構が行います。
第二に、独立行政法人情報処理推進機構の業務に、情報処理サービス業を営む会社が大量の情報につき高速度での処理を行うことができる性能を有する設備の導入を行うために必要な資金に関する債務を保証することを追加します。
第三に、独立行政法人情報処理推進機構の業務に、情報処理に関する業務を行うために必要な専門の知識及び技能を有する者を養成し、及びその資質の向上を図ることを追加します。
第四に、政府は、令和七年度から令和十二年度まで、先端的な半導体の安定的な生産の確保等の施策に関する措置に必要な財源について、エネルギー対策特別会計の負担において公債を発行することができるものとし、その償還等に必要な財源に充てるため、財政投融資特別会計の投資勘定からエネルギー対策特別会計において今般創設する勘定へ繰り入れることができるものとします。
次に、特別会計に関する法律の一部改正です。
第一に、エネルギー対策特別会計に先端半導体・人工知能関連技術対策を追加し、先端半導体・人工知能関連技術勘定を創設した上で、独立行政法人情報処理推進機構に対する出資金等の歳入歳出項目を規定します。
第二に、今般追加する対策に必要な財源に充てるため、エネルギー需給勘定及び一般会計から今般創設する勘定へ繰り入れることができるものとします。
以上が本法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
牧
牧
牧山ひろえ#6
○委員長(牧山ひろえ君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に熊本県立大学理事長・東京大学特別教授黒田忠広君、Rapidus株式会社代表取締役社長兼CEO小池淳義君及び株式会社GenesisAI代表取締役社長今井翔太君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に熊本県立大学理事長・東京大学特別教授黒田忠広君、Rapidus株式会社代表取締役社長兼CEO小池淳義君及び株式会社GenesisAI代表取締役社長今井翔太君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
牧
牧
牧
牧山ひろえ#9
○委員長(牧山ひろえ君) 情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、参考人の皆様から御意見を伺います。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、黒田参考人、小池参考人、今井参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず黒田参考人からお願いいたします。黒田参考人。
この発言だけを見る →この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、黒田参考人、小池参考人、今井参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず黒田参考人からお願いいたします。黒田参考人。
黒
黒田忠広#10
○参考人(黒田忠広君) おはようございます。このような貴重な機会、今朝いただきまして、誠にありがとうございます。
私は、学者として、あるいは教育者として、この半導体とAIの技術と産業の将来展望について意見を申し上げます。
では、お手元の資料、早速一ページめくって御覧ください。まずは歴史を振り返ります。
この地上に脳が誕生したのは約五億年前、そしてホモサピエンスが誕生したのは七百万年前と言われています。このホモサピエンス、これは非常に弱い生き物ですので、生存のためには助け合いが必要でした。そこで社会が生まれました。次に、社会の中で何をしたいかを思う心が生まれました。心を通わせるために脳は言語を獲得しました。さらに、曖昧な認識やあるいは独り善がりの思考を補う道具として、脳は数学を生み出しました。数学、当初、税金の計算や土地の測量などに使われましたが、やがて計算よりも数学の内部世界が興味の対象となり、数学は道具から思考に進化しました。十五世紀のルネサンスで記号代数が発明され、十七世紀になると微積分が考案されました。そして、数学は物理的制約を受けない普遍的な視座を獲得し、脳の中に宿ったのです。二十世紀に入ると、この数学をする自らの思考について数学をすると、そういった考察までが行われました。
このようにして、物理的直感や主観的感覚などといった曖昧なものを完全に脱ぎ捨てて脳からあふれ出した数学は、ついに計算する機械であるコンピューターを誕生させたのであります。
この初期のコンピューターには三つの技術課題がありました。
一つは、電子デバイスの信頼性が低かったことであります。当初は、電子の流れを気体の中で制御する真空管が用いられていました。熱電子を電極から放出するために電球のように輝き、そしてよく焼き切れました。そこで、固体の中で熱せずに電子を制御する半導体トランジスタが一九四八年に発明されました。デバイスの信頼性が格段に上がったことで、大規模な回路を作る道が開けました。
二つ目の課題は、より複雑な問題を解くためにより大規模な回路が必要になるということでした。数学者のフォン・ノイマンは、コンピューターの基本設計、いわゆる後にノイマン型アーキテクチャーと呼ばれるもの、これにより、プロセッサーとメモリーがあればいかに複雑な問題でも計算できると、こういうふうになりました。
そして、三つ目の課題は、回路が大規模になると人手では配線し切れないという問題でした。この問題を解決したのが一九五八年の半導体集積回路の発明であります。写真の現像技術を応用して、ちょうどコピーを取るように大規模な回路をチップに転写できると、こういうふうになりました。
このコンピューターが半導体にこのように出会って以来、半導体はコンピューターを高性能にし、そして、高性能になったコンピューターは更に複雑な半導体の開発を可能にするという進化の応酬、いわゆる共進化が始まり、ムーアの法則と呼ばれる指数関数的な成長を遂げたのであります。コンピューターはやがてインターネットを生み、インターネットは世界を覆い尽くしました。地上のあらゆるデータが仮想空間に吸い上げられ、ビッグデータが誕生しました。このビッグデータを用いてコンピューターが自ら機械学習できるようになり、加速度的に学習を積み重ねた結果、ついにAIが誕生したのであります。AIは社会と経済に革新をもたらし、第四次産業革命の幕を開こうとしています。現代はまさにそうした時代の大転換期にあるわけであります。
さて、AIと半導体が今後どうなるかについて、一つのシナリオを次のページでお示しします。
二ページを御覧ください。
現在のAIは学習の段階です。データセンターでGPUを用いて学習している神経回路網、これは言わば小学校で勉強している子供の脳のようなものでありまして、つまり全結合した神経網であります。そしてこれが、学習が続きますと、余り使われなかった結合がどんどんと刈り取られていき、効率の良いスマートな神経網が形成されます。これが成人の脳です。
AIの次の段階は、クラウドで学習を終えたスマートな神経回路網を用いて、エッジでエネルギー効率よく推論することです。その際に、ロボットの身体を伴った知能の発展、すなわちフィジカルインテリジェンスを追求することになります。数学が身体をそぎ落として脳に宿り、そこからあふれたコンピューターがAIをつくり、AIが今度は逆に身体を獲得しながらフィジカルインテリジェンスを磨くと。そのために必要になるのは、エネルギー効率の高い最先端の半導体技術で実現されたプロセッサーとメモリーであります。
次に、半導体市場を見てみましょう。
資料の三ページを御覧ください。
半導体の世界市場の大きさが青の棒グラフで示されています。オレンジの折れ線は、世界のこの半導体市場がGDPの何%であるかを示したものであります。かつて半導体市場はGDPの〇・二%程度でした。ところが、一九九五年頃に〇・二ポイントぽんと跳ね上がっています。その理由は、それ以前の家電のように、実空間を快適にする価値に加えて、PCやスマホのように仮想空間を創出し携帯できる、その価値が加わったからであります。そして、近年、更に〇・二ポイントが上積みされて、市場はGDPの〇・六%を目指しています。実空間と仮想空間を高度に融合する価値づくりが始まっています。
例えば、自動運転の例のように、実空間でセンサーが集めたビッグデータを仮想空間のデジタルツインでリアルタイムに解析して幾つかの未来を描き、その中から選択された未来を実現するためのアクチュエーターのパラメーター、例えばモーターの回転数ですね、こういったものを実空間に戻すのであります。さらに、このデジタルツインをお互いにつなぎ合わせることでより大きなシステム、例えばスマートシティー、あるいはスマート工場といったものを実現することができるようになります。
半導体産業は第三期成長期に入りました。これまで四十年掛けて築いた巨大な半導体市場が、もう一つぽんと目の前に現れます。二〇三〇年に市場は一・一兆ドルに拡大し、その七〇%はAI、半導体になると予想されています。
このようにAIは巨大な半導体市場を生み出しますが、同時にAIは危機も招きます。
次の資料、四ページを御覧ください。それはエネルギー危機であります。
AIサーバーの消費電力は従来サーバーに比べて六倍も大きく、世界の電力需給は逼迫します。二十一世紀の安全保障は、電力の供給能力と半導体の省エネ力で決まります。AI、半導体を省エネにする有効な手段は、先端半導体を用いてプロセッサーのエネルギー効率を高めることと、プロセッサーとメモリーを3D実装してデータの移動距離を短くし、エネルギー消費を低減することであります。我が国は、この二点に軸足を置いた半導体戦略を描いています。
次に、半導体事業に世界が公共投資する、その背景について説明いたします。
資料の五ページを御覧ください。
半導体は全ての産業に不可欠であり、経済安全保障上の戦略物資です。コロナ禍での半導体不足が国民生活や経済活動に大きな打撃を与えたように、半導体が欠けると社会が麻痺し、安全保障が危機にさらされます。石油が突然断たれた社会を描くことで、かつて堺屋太一氏はオイルショックへの警鐘を鳴らしました。同様に、今半導体に投資しなかった場合の将来リスクを考えるべきであります。
鉄は国家なりと言われたのは十九世紀、二十世紀は石油をめぐる争いが起こりました。これからは半導体が戦略物資であります。半導体は、天然資源の石油と異なり、人的資源であります。したがって、豊かな人材が鍵となります。日本の豊かな人的資本と地政学的リスクの低さが追い風となって日本に対する国際的な期待が高まり、世界から投資を呼び込んでおります。
さて、私は現在、九州で人材育成と地域創生に取り組んでいます。九州での取組を紹介することは、北海道や他の地域においても参考になるかもしれません。
資料の六ページを御覧ください。
二十一世紀を牽引するのはアジアです。そのアジアの産業拠点の中心に九州は位置します。九州では、産官学金が連携して、世界の優秀な頭脳を引き付ける地域の創生に取り組んでおります。
今から百年ほど前、土木の専門家である八田與一が台湾に赴き、ダムと用水路を建設し、不毛の大地を黄金色の穀倉地帯に変えました。用水路から水が流れ出したとき、地元の農民六十万人は神の水が来たと、こう喜び、感激の余り涙を流したそうであります。あれから百年がたち、社会は農耕社会からデータ駆動型社会へと進化しました。資源は水からデータに変わり、そしてインフラはダムから半導体工場に変わりました。日本と台湾の協力による歴史的な国家事業は、時代を超えてこのようにつながっています。
資料の七ページ御覧ください。
九万年前に阿蘇カルデラが出現し、地下水の受皿となる地下水盆が地中に形成されて、熊本に火の国、水の国が誕生しました。半導体の製造には大量の水が必要です。この地は半導体製造に適した約束の地であったと言えます。
熊本を火の国、水の国、そしてさらに半導体の国にするためには、豊かな知の森をつくることが重要です。キャンパスを造り、サイエンスパークを造り、国際頭脳循環の交差点にすることであります。これは、現代の課題に照らしてみると、火とはすなわち創エネ、再生可能エネルギーを意味します。水とはすなわち環境共生、環境循環を示唆します。そして、半導体は、先ほども議論したように、省エネが課題であります。専門家が一堂に会して議論をすることで世界平和に貢献する、ちょうどダボス会議のような阿蘇会議を創設することを提言します。
教育は国家百年の計です。鉄は国家なりと言われた一九〇〇年初頭に官営八幡製鉄所が九州に建設され、九州工業大学や九州大学の前身が設立されました。半導体は国家なりの時代を迎え、九州では次の百年を担う事業が始まっています。九州に立派なアカデミアとサイエンスパークを造り、次世代にバトンを渡すことがこの時代に生きる私たちの責務であります。
時代はますます不透明です。激動の時代を迎えました。私たちはいかに生き抜けばよいのでしょうか。
資料の八ページを御覧ください。
日本が二百年にわたる鎖国を終え、開花期を迎えた明治時代。それまでの階級社会から、社会の階層や出自を問わず、誰でもが学んで、資格さえ持てば博士や官吏、軍人、教師などになれた。新国民には少年のような希望がありました。作家司馬遼太郎は、そうした明治人の気質である楽天主義を歴史小説「坂の上の雲」で次のように描いています。上っていく坂の上の青い天にもし一朶の白い雲が輝いているとすれば、それのみを見詰めて坂を上っていくであろうと。
明治人のこうした楽天主義の精神的な支柱となったのは、恐らく吉田松陰であります。吉田松陰は次のような言葉を残しています。夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし、ゆえに夢なき者に成功なし。激動の時代を生き抜く力は夢にあると訴えたのであります。
現代風に言えば、この計画なき者に実行なしは次のように解説できます。すなわち、プラン・ドゥー・チェック・アクションのPDCAを回して、計画を修正しながら柔軟に行動せよと。さらに、来るべきAI時代は以下の説明が加わるでしょう。つまり、素早く行動しPDCAを多く回すほど多くのデータが得られると、多くのデータが得られるほどAIの学習は進み、成功する。もう少し一般化して言うならば、データの取得とは知見の蓄積であります。
したがって、計画なき者に実行なしは次のように言い換えることができます。計画なき者に素早い実行なし、素早い実行なき者に知見なし、知見なき者に成功なしと。素早い、つまりラピッドであることが大変重要であります。
そして、結論としてこうなります。夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に素早い実行なし、素早い実行なき者に知見なし、知見なき者に成功なし、ゆえに夢と素早い行動なき者に成功なし。
最後に、資料の九ページを御覧ください。激動の時代を生き抜いた先人の格言を紹介します。
イギリスの元首相のウィンストン・チャーチルは、国難に当たって次のように述べました。目前に迫った困難や大問題にまともにぶつかること、そうすればその困難や問題は思っていたよりずっと小さいことが分かると。しかし、そこで逃げ出すと困難は二倍の大きさになって後で襲ってくる。インテルを創業したロバート・ノイスはこう語っています。安全な場所にとどまっていては成長などできない、革新的なことを成し遂げようとするなら楽観主義で突き進んでいくしかないのだと。チャーチルはまた次のような言葉も残しています。悲観主義者はあらゆる機会の中に問題を見出す、楽観主義者はあらゆる問題の中に機会を見出す。
私たちは、覚悟を決めた以上は楽観主義で夢を追い求め、迅速に行動することが重要であります。
以上の観点により、私は今回の法案に賛同いたします。
以上です。
この発言だけを見る →私は、学者として、あるいは教育者として、この半導体とAIの技術と産業の将来展望について意見を申し上げます。
では、お手元の資料、早速一ページめくって御覧ください。まずは歴史を振り返ります。
この地上に脳が誕生したのは約五億年前、そしてホモサピエンスが誕生したのは七百万年前と言われています。このホモサピエンス、これは非常に弱い生き物ですので、生存のためには助け合いが必要でした。そこで社会が生まれました。次に、社会の中で何をしたいかを思う心が生まれました。心を通わせるために脳は言語を獲得しました。さらに、曖昧な認識やあるいは独り善がりの思考を補う道具として、脳は数学を生み出しました。数学、当初、税金の計算や土地の測量などに使われましたが、やがて計算よりも数学の内部世界が興味の対象となり、数学は道具から思考に進化しました。十五世紀のルネサンスで記号代数が発明され、十七世紀になると微積分が考案されました。そして、数学は物理的制約を受けない普遍的な視座を獲得し、脳の中に宿ったのです。二十世紀に入ると、この数学をする自らの思考について数学をすると、そういった考察までが行われました。
このようにして、物理的直感や主観的感覚などといった曖昧なものを完全に脱ぎ捨てて脳からあふれ出した数学は、ついに計算する機械であるコンピューターを誕生させたのであります。
この初期のコンピューターには三つの技術課題がありました。
一つは、電子デバイスの信頼性が低かったことであります。当初は、電子の流れを気体の中で制御する真空管が用いられていました。熱電子を電極から放出するために電球のように輝き、そしてよく焼き切れました。そこで、固体の中で熱せずに電子を制御する半導体トランジスタが一九四八年に発明されました。デバイスの信頼性が格段に上がったことで、大規模な回路を作る道が開けました。
二つ目の課題は、より複雑な問題を解くためにより大規模な回路が必要になるということでした。数学者のフォン・ノイマンは、コンピューターの基本設計、いわゆる後にノイマン型アーキテクチャーと呼ばれるもの、これにより、プロセッサーとメモリーがあればいかに複雑な問題でも計算できると、こういうふうになりました。
そして、三つ目の課題は、回路が大規模になると人手では配線し切れないという問題でした。この問題を解決したのが一九五八年の半導体集積回路の発明であります。写真の現像技術を応用して、ちょうどコピーを取るように大規模な回路をチップに転写できると、こういうふうになりました。
このコンピューターが半導体にこのように出会って以来、半導体はコンピューターを高性能にし、そして、高性能になったコンピューターは更に複雑な半導体の開発を可能にするという進化の応酬、いわゆる共進化が始まり、ムーアの法則と呼ばれる指数関数的な成長を遂げたのであります。コンピューターはやがてインターネットを生み、インターネットは世界を覆い尽くしました。地上のあらゆるデータが仮想空間に吸い上げられ、ビッグデータが誕生しました。このビッグデータを用いてコンピューターが自ら機械学習できるようになり、加速度的に学習を積み重ねた結果、ついにAIが誕生したのであります。AIは社会と経済に革新をもたらし、第四次産業革命の幕を開こうとしています。現代はまさにそうした時代の大転換期にあるわけであります。
さて、AIと半導体が今後どうなるかについて、一つのシナリオを次のページでお示しします。
二ページを御覧ください。
現在のAIは学習の段階です。データセンターでGPUを用いて学習している神経回路網、これは言わば小学校で勉強している子供の脳のようなものでありまして、つまり全結合した神経網であります。そしてこれが、学習が続きますと、余り使われなかった結合がどんどんと刈り取られていき、効率の良いスマートな神経網が形成されます。これが成人の脳です。
AIの次の段階は、クラウドで学習を終えたスマートな神経回路網を用いて、エッジでエネルギー効率よく推論することです。その際に、ロボットの身体を伴った知能の発展、すなわちフィジカルインテリジェンスを追求することになります。数学が身体をそぎ落として脳に宿り、そこからあふれたコンピューターがAIをつくり、AIが今度は逆に身体を獲得しながらフィジカルインテリジェンスを磨くと。そのために必要になるのは、エネルギー効率の高い最先端の半導体技術で実現されたプロセッサーとメモリーであります。
次に、半導体市場を見てみましょう。
資料の三ページを御覧ください。
半導体の世界市場の大きさが青の棒グラフで示されています。オレンジの折れ線は、世界のこの半導体市場がGDPの何%であるかを示したものであります。かつて半導体市場はGDPの〇・二%程度でした。ところが、一九九五年頃に〇・二ポイントぽんと跳ね上がっています。その理由は、それ以前の家電のように、実空間を快適にする価値に加えて、PCやスマホのように仮想空間を創出し携帯できる、その価値が加わったからであります。そして、近年、更に〇・二ポイントが上積みされて、市場はGDPの〇・六%を目指しています。実空間と仮想空間を高度に融合する価値づくりが始まっています。
例えば、自動運転の例のように、実空間でセンサーが集めたビッグデータを仮想空間のデジタルツインでリアルタイムに解析して幾つかの未来を描き、その中から選択された未来を実現するためのアクチュエーターのパラメーター、例えばモーターの回転数ですね、こういったものを実空間に戻すのであります。さらに、このデジタルツインをお互いにつなぎ合わせることでより大きなシステム、例えばスマートシティー、あるいはスマート工場といったものを実現することができるようになります。
半導体産業は第三期成長期に入りました。これまで四十年掛けて築いた巨大な半導体市場が、もう一つぽんと目の前に現れます。二〇三〇年に市場は一・一兆ドルに拡大し、その七〇%はAI、半導体になると予想されています。
このようにAIは巨大な半導体市場を生み出しますが、同時にAIは危機も招きます。
次の資料、四ページを御覧ください。それはエネルギー危機であります。
AIサーバーの消費電力は従来サーバーに比べて六倍も大きく、世界の電力需給は逼迫します。二十一世紀の安全保障は、電力の供給能力と半導体の省エネ力で決まります。AI、半導体を省エネにする有効な手段は、先端半導体を用いてプロセッサーのエネルギー効率を高めることと、プロセッサーとメモリーを3D実装してデータの移動距離を短くし、エネルギー消費を低減することであります。我が国は、この二点に軸足を置いた半導体戦略を描いています。
次に、半導体事業に世界が公共投資する、その背景について説明いたします。
資料の五ページを御覧ください。
半導体は全ての産業に不可欠であり、経済安全保障上の戦略物資です。コロナ禍での半導体不足が国民生活や経済活動に大きな打撃を与えたように、半導体が欠けると社会が麻痺し、安全保障が危機にさらされます。石油が突然断たれた社会を描くことで、かつて堺屋太一氏はオイルショックへの警鐘を鳴らしました。同様に、今半導体に投資しなかった場合の将来リスクを考えるべきであります。
鉄は国家なりと言われたのは十九世紀、二十世紀は石油をめぐる争いが起こりました。これからは半導体が戦略物資であります。半導体は、天然資源の石油と異なり、人的資源であります。したがって、豊かな人材が鍵となります。日本の豊かな人的資本と地政学的リスクの低さが追い風となって日本に対する国際的な期待が高まり、世界から投資を呼び込んでおります。
さて、私は現在、九州で人材育成と地域創生に取り組んでいます。九州での取組を紹介することは、北海道や他の地域においても参考になるかもしれません。
資料の六ページを御覧ください。
二十一世紀を牽引するのはアジアです。そのアジアの産業拠点の中心に九州は位置します。九州では、産官学金が連携して、世界の優秀な頭脳を引き付ける地域の創生に取り組んでおります。
今から百年ほど前、土木の専門家である八田與一が台湾に赴き、ダムと用水路を建設し、不毛の大地を黄金色の穀倉地帯に変えました。用水路から水が流れ出したとき、地元の農民六十万人は神の水が来たと、こう喜び、感激の余り涙を流したそうであります。あれから百年がたち、社会は農耕社会からデータ駆動型社会へと進化しました。資源は水からデータに変わり、そしてインフラはダムから半導体工場に変わりました。日本と台湾の協力による歴史的な国家事業は、時代を超えてこのようにつながっています。
資料の七ページ御覧ください。
九万年前に阿蘇カルデラが出現し、地下水の受皿となる地下水盆が地中に形成されて、熊本に火の国、水の国が誕生しました。半導体の製造には大量の水が必要です。この地は半導体製造に適した約束の地であったと言えます。
熊本を火の国、水の国、そしてさらに半導体の国にするためには、豊かな知の森をつくることが重要です。キャンパスを造り、サイエンスパークを造り、国際頭脳循環の交差点にすることであります。これは、現代の課題に照らしてみると、火とはすなわち創エネ、再生可能エネルギーを意味します。水とはすなわち環境共生、環境循環を示唆します。そして、半導体は、先ほども議論したように、省エネが課題であります。専門家が一堂に会して議論をすることで世界平和に貢献する、ちょうどダボス会議のような阿蘇会議を創設することを提言します。
教育は国家百年の計です。鉄は国家なりと言われた一九〇〇年初頭に官営八幡製鉄所が九州に建設され、九州工業大学や九州大学の前身が設立されました。半導体は国家なりの時代を迎え、九州では次の百年を担う事業が始まっています。九州に立派なアカデミアとサイエンスパークを造り、次世代にバトンを渡すことがこの時代に生きる私たちの責務であります。
時代はますます不透明です。激動の時代を迎えました。私たちはいかに生き抜けばよいのでしょうか。
資料の八ページを御覧ください。
日本が二百年にわたる鎖国を終え、開花期を迎えた明治時代。それまでの階級社会から、社会の階層や出自を問わず、誰でもが学んで、資格さえ持てば博士や官吏、軍人、教師などになれた。新国民には少年のような希望がありました。作家司馬遼太郎は、そうした明治人の気質である楽天主義を歴史小説「坂の上の雲」で次のように描いています。上っていく坂の上の青い天にもし一朶の白い雲が輝いているとすれば、それのみを見詰めて坂を上っていくであろうと。
明治人のこうした楽天主義の精神的な支柱となったのは、恐らく吉田松陰であります。吉田松陰は次のような言葉を残しています。夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし、ゆえに夢なき者に成功なし。激動の時代を生き抜く力は夢にあると訴えたのであります。
現代風に言えば、この計画なき者に実行なしは次のように解説できます。すなわち、プラン・ドゥー・チェック・アクションのPDCAを回して、計画を修正しながら柔軟に行動せよと。さらに、来るべきAI時代は以下の説明が加わるでしょう。つまり、素早く行動しPDCAを多く回すほど多くのデータが得られると、多くのデータが得られるほどAIの学習は進み、成功する。もう少し一般化して言うならば、データの取得とは知見の蓄積であります。
したがって、計画なき者に実行なしは次のように言い換えることができます。計画なき者に素早い実行なし、素早い実行なき者に知見なし、知見なき者に成功なしと。素早い、つまりラピッドであることが大変重要であります。
そして、結論としてこうなります。夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に素早い実行なし、素早い実行なき者に知見なし、知見なき者に成功なし、ゆえに夢と素早い行動なき者に成功なし。
最後に、資料の九ページを御覧ください。激動の時代を生き抜いた先人の格言を紹介します。
イギリスの元首相のウィンストン・チャーチルは、国難に当たって次のように述べました。目前に迫った困難や大問題にまともにぶつかること、そうすればその困難や問題は思っていたよりずっと小さいことが分かると。しかし、そこで逃げ出すと困難は二倍の大きさになって後で襲ってくる。インテルを創業したロバート・ノイスはこう語っています。安全な場所にとどまっていては成長などできない、革新的なことを成し遂げようとするなら楽観主義で突き進んでいくしかないのだと。チャーチルはまた次のような言葉も残しています。悲観主義者はあらゆる機会の中に問題を見出す、楽観主義者はあらゆる問題の中に機会を見出す。
私たちは、覚悟を決めた以上は楽観主義で夢を追い求め、迅速に行動することが重要であります。
以上の観点により、私は今回の法案に賛同いたします。
以上です。
牧
小
小池淳義#12
○参考人(小池淳義君) ラピダスの小池でございます。
それでは、資料に従って御説明させていただきます。
まず、二ページ目を御覧ください。
最先端半導体ロジックの重要性について御説明したいと思います。左の図と右の図に大きな特徴を示しておりますが、これは、二ナノの半導体、これが重要な役割を示すという形で、特に高性能とそして低消費電力と、二つの大きな分野に分けられます。特に高性能の半導体は、皆さん御存じのサーバー、GPU、CPUとかですね、そういったものに使われてまいります。最近はAIのASIC、これも使われてくるようになってきました。これらは、皆さん御存じのように、データのセンター、データセンターの方に多く入っていくものでございます。
そして、右側の方でございますが、これはエッジコンピューター、エンドポイントと言われている分野です。皆さんよく御存じなのは、例えば自動車であるとかあるいはロボットであるとか、こういったものに広く使われていくものでございます。こちらの方は、どちらかというと低消費電力、こういった分野が必要になってまいります。
いずれにおきましても、二ナノの半導体は両方の用途に優れておりまして、これからどんどん広がってくるAIの需要の増加に対応していくものになります。
続いて、三ページを御覧ください。
こちらの方は世界の時価総額のランキングを示したものでございます。右側に現在の二〇二五年のを示しておりまして、左側に三十六年前のデータを示しております。
こちらを見ますと、日本のメーカーがかなり占めておりまして、何とトップ五十の中には三十二社が入っておりました。その中には、日本において、特に物づくりは半導体、この右側の方にマークがあります、半導体を重要と考えているところの企業が数多くありました。
ただし、右側を御覧ください、これを見ると大変なことが分かります。ほとんどの企業がアメリカである。そして、残念ながら五十社に入っているのはトヨタ一社しかないという形になっております。しかも、もう一つ言いますと、代表的なアメリカの企業であるアップル、エヌビディア、マイクロソフト、アマゾン、こういったところが主要な上の方を全部占めているという形になっておりまして、この右側のマークを御覧いただきますとよくお分かりのように、半導体関連の企業がほとんどであるという形が重要な点でございます。
続きまして、四ページを御覧ください。
こちらラピダスの設立で、もうほとんどの方が御存じだと思いますが、経営株主としては、東哲郎、そして私、小池淳義が経営株主になっております。あと、創業個人株主といたしましては、これは会社が設立する実は三年以上前から、若い学者であるとかあるいは准教授と、ずっとどうしたらいいかということを議論してまいりました。そして、この十二人が集まって、このラピダスをつくろう、今つくらないと日本は危ないという形で会社を設立することになりました。
もちろん我々だけではとても資金が足りませんので、下に書いてあります大手の企業八社の出資をいただいて、一応本格的にスタートができるようになったという形になっております。
続いて、五ページを御覧ください。
こちらの方は、我々のこのマウント・フジ・プロジェクトを使いまして、ずっとどういう会社をつくるべきかということを議論してまいりました。それは、極めて単純なことでありますが、人類の幸せのために半導体を作ろうという形であります。半導体は確かに人々を便利にしました。しかし、本当に幸せにしたのか、これが原点でありました。やっぱり人々を真に豊かに、人生を充実にするような半導体を作らなければならない、こういうことを考えて会社をつくろうというふうに決めたわけであります。
そのために三つの柱を決めました。
それは第一に、新産業、新製品の創設であります。半導体は、ともすると部品屋になってしまうんです。これは駄目でありまして、やっぱり最終製品は何であるか、お客様と一緒になって半導体を有効に使って、あるべき最終製品を共に作ろうというのが第一であります。
続きまして、二つ目は、先ほど黒田先生からありましたが、人材育成であります。半導体の人材は不足しております。これを徹底的に強化するために、日本のみならず世界の大学と連携して人材育成を行っていく、これが大事だと思っております。
三つ目です。これはもう言うまでもなくグリーン化です。地球は病んでおります。やっぱりグリーンイノベーションを起こすという形が極めて重要だというので、この三つの柱でもって進めてまいりました。
続きまして、六ページを御覧ください。
こちらの方は、この一枚でラピダスの進捗と計画を示しております。
先ほども述べましたように、ラピダスの誕生は二〇二二年の八月でした。そして、こちらの方の国の御支援、あるいは技術の検討をさせていただきまして、IBM、下の方にございますが、IBM、これはGAAという難しいトランジスタの、新しいトランジスタを二十年以上前から開発していたわけでありますが、こちらと共同研究をしようという形になりまして、いよいよスタートが始まりました。
ちょうど真ん中の下の方にありますニューヨーク・クリエイツ、こちらの方に約百五十人のラピダスのエンジニアを送り込んでおります。そして、いよいよパイロットが始まりますので、約八十人が千歳に帰ってきて、いよいよいわゆる試作が始まっていく、パイロットが始まってくるという状況になっております。
また、真ん中の上の方を見ていただきたいんですが、実は場所を北海道に決めました。グラウンドブレーキングという工場の出発点、これを二〇二三年の九月に行いました。それから順調に工場を造ってまいりまして、今年の、二〇二四の暮れには工場がほぼ完成いたしました。これはパイロットするための工場でございますが、そのときに装置の搬入を十二月から始めました。二百数十台の装置を入れまして、今年からいよいよ本格的に準備を進めております。
そして、第一クオーターにほとんどの装置を入れましたので、四月一日をもって一応半導体の開始ができるという準備が整ったわけであります。これによりまして、予定どおり四月から半導体のパイロットを始め、そしてこれのいろいろお客様の認定を進めながら、二〇二七年のちょうど真ん中ぐらいから量産を開始すると。これは、我々がビジネス計画を約七年前から作っておりましたけれども、一日も遅れなく計画を進めております。
続いて、七ページを御覧ください。
ラピダスの進捗を約三ページにわたって示しております。
最初に、左側に書いております研究開発でございます。我々、前工程でなく、後工程も含めて全部の生産をしていくというシステムになっております。もちろん、設計はお客様が行います。左下にありますように、前工程、そして後工程、これはパッケージというところですが、それに合わせてお客様の設計を支援する設計ソリューションという部隊を持っております。この三つの部隊をまとめて、世界に最も速い、どこよりも速いというサービスを提供するというのが我々の大きな特徴でございます。
そして、人員でございますが、先ほど、会社をスタートしたときには十四人しかいないと申し述べました。現在、四月時点におきまして七百五十人の従業員を持っております。これはほとんどがエンジニアでございます。優秀なエンジニアを集めることができました。
その下にありますのは、先ほど述べました工場の様子でございます。いよいよパイロットを始め、右側の方でございますが、パイロット部分、そしてこのパイロットを順調に進めて、左側の方に一応量産を進めていくということがほとんど完成していることがお分かりになると思います。
続きまして、八ページを御覧ください。
こちらの方、NEDOのプロジェクトの方について御説明させていただきます。
実はこちらの方に、これNEDO様の方で御準備いただいているものでございますが、二〇二二年度から、順次こちらの方、NEDO様の方の資産という形でこれが提供が始まっておりまして、私どもはこの資産を活用することによって研究開発を進めております。二〇二四年度までには約九千二百億円の資金をこのNEDO様の方に提供していただいて、我々はこの資産を使って研究開発を進めているという状況にございます。
そして、大変有り難いことに、NEDO様の方に、二〇二五年、そしてこの八千二十五億という、これは前工程と後工程を合わせた額でもございますが、これを提供していただくことによって、我々はこの研究の場所をお借りすることによって研究開発を進めているという状況にあります。そして、これを全て併せ持ちまして、我々といたしまして、ラピダスといたしましては、二〇二七年の量産をするということを順調に進めていきたいというふうに考えております。
続きまして、九ページを御覧ください。
九ページにおきましては、ラピダスの進捗の最後のページになります。
顧客の開拓でございますが、ちょうど昨日、ジム・ケラーが北海道に参りまして、我々の工場を見ていただきました。彼は非常に感動して、こんなに速くできる工場はない、こんなに速くプロセスを開発する工場は今まで見たことがないというふうに言っていただきました。非常に力強い、御存じだと思いますが、ジム・ケラーは設計の天才と言われている男ですから、非常に心強く思いました。もう一つは、クエスト・グローバルという、これシンガポールにある会社でございますが、こちらの方との提携も進めております。
こう言いますと、海外のお客様だけだという心配がおありになるかもしれませんが、左下にございますように、これは国内のプリファードネットワーク、こちらの方で設計していただいて、ラピダスが製造し、かつ、さくらインターネットはこれをうまく適用してデータセンターを展開すると、こういう国内のモデルの方も順調に進めております。
右側、御覧ください。
先ほど黒田先生からありましたが、電力の問題です。これは大変な問題であって、今から二〇三〇年まで行きますと、六倍ぐらいの電力が必要になってしまいます。よく御覧いただきますと、ほとんどの電力を使っていくのがAIです。今、これからAIが必要で、AIがますます重要になっていくと言っておりますが、電力の問題は避けられないんです。ですから、この電力を何とか削減するために、少しでも減らすために我々は二ナノの半導体をやるんです。二ナノがどうしても必要なんです。こういった形で世の中に貢献していきたいというふうに考えております。
続きまして、十ページを御覧ください。
これは、地元の貢献という形でございます。北海道の貢献でございますが、国やあるいは北海道のリーダーシップの下、日本版シリコンバレーのことですね、これを、負けないような北海道バレー構想というのを進めていただいております。これは、半導体関連企業並びに周辺産業の進出、そして大事な半導体人材を育成するという形を展開していくという構想でございます。こちらの方は、図で御覧のように、これバレーのようになっているんですね。僅か七十キロぐらいしかない幅でございますから、ここをバレーにして、半導体のみならず、あらゆる産業を活性して、そして北海道全体に広げて、日本を活性化し、世界に貢献すると、こういうふうな展開を考えております。
続きまして、十一ページを御覧ください。
こちらの方、北海道の成長に向けてラピダスが果たす役割、貢献について示したものでございます。こちらの方は、今までにない北海道の過去最大の投資及び経済波及効果をもたらし得るというふうに考えております。
左から御説明します。
まずは、半導体産業に必要なサプライヤー、材料とか装置であるとか、そういったものでございます。そして、我々ラピダスがこれを製造する効果、この二つを併せ持ちまして、民間団体の試算によりますと、これはANICでございますが、こちらの試算でありまして、この二つでもって約十八・八兆円、これは二〇三六年までの累積ですが、これぐらいの効果がある。さらに、この顧客の企業あるいはエンドユーザーを含めますと、更にはるかに大きな額が期待できるものと考えております。
最後のページになります。十二ページを御覧ください。
こちらは北海道におけます具体的な我々の活動について示したものでございます。
こちらの方は、現在、北海道大学の連携協定を進めております。昨年の六月に提携させていただきました。これ非常に、ちょうど左下の図でございますが、学生さんたちと一緒に授業を行って、いろんな悩み、いろんな貢献できることを議論してまいりました。
御存じだと思いますが、北海道は優れた方がおられますが、約七割の方が実は本州の方に帰ってくるんですね。働く場所がないんです。ですから、私どもとして、皆さん、学生さんが非常に喜んでくれたんですが、やっとラピダスができて、私たちが貢献できる場所ができたという形で非常に喜んでいただきました。
次に、真ん中の図でございますが、これは、半導体だけではなくて、北海道の別の産業にも貢献するという形で、ビジネスEXPOでその連携を強化させていただくということも進めてまいりました。北海道セミナーにおきましても、これは北海道庁と連携して進めております。
さらに、この右下にあるものでございますが、これ、皆さん御興味あると思いますが、小学校の出張授業でございます。こちらの方は、小学校に、このクリーンウェアの服を着せたり、右側の方で、一点一点、半導体がどういうものに応用されるのか、こういうことをうちの従業員を通して授業を行っております。数は多くありませんが、徐々に一つ一つやって、やっぱり若いときに夢を持つ、これが非常に重要なことですから、これに貢献すべく、いろいろな小学校をどんどんどんどん増やしていって、夢のある世界をつくっていきたいと考えております。
最後になりますが、先ほど黒田先生が「坂の上の雲」のお話をされました。私、これを聞いてはっと思ったんですが、実は北海道に私、昨日も行っていまして、それで、ボタンを、スイッチを押して、うちの従業員集めて、いよいよこれからパイロットをやるぞというところに、ひとつここで一発、みんなの従業員に一言言ってやろうと思ったんですね。黒田先生の言葉を借りてちょっと思い出したんですけど、そのとき一言言ってやろうと思ったのは、皆さんのおかげでここまで来ました。もうあらゆる支援をいただいてここまで来れたんですね。ですから、私、一言言いたかったのは、全従業員に向かって、私の心境は、天気晴朗なれども波高しという形で一応締めさせていただきました。
今後とも御支援をよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。
この発言だけを見る →それでは、資料に従って御説明させていただきます。
まず、二ページ目を御覧ください。
最先端半導体ロジックの重要性について御説明したいと思います。左の図と右の図に大きな特徴を示しておりますが、これは、二ナノの半導体、これが重要な役割を示すという形で、特に高性能とそして低消費電力と、二つの大きな分野に分けられます。特に高性能の半導体は、皆さん御存じのサーバー、GPU、CPUとかですね、そういったものに使われてまいります。最近はAIのASIC、これも使われてくるようになってきました。これらは、皆さん御存じのように、データのセンター、データセンターの方に多く入っていくものでございます。
そして、右側の方でございますが、これはエッジコンピューター、エンドポイントと言われている分野です。皆さんよく御存じなのは、例えば自動車であるとかあるいはロボットであるとか、こういったものに広く使われていくものでございます。こちらの方は、どちらかというと低消費電力、こういった分野が必要になってまいります。
いずれにおきましても、二ナノの半導体は両方の用途に優れておりまして、これからどんどん広がってくるAIの需要の増加に対応していくものになります。
続いて、三ページを御覧ください。
こちらの方は世界の時価総額のランキングを示したものでございます。右側に現在の二〇二五年のを示しておりまして、左側に三十六年前のデータを示しております。
こちらを見ますと、日本のメーカーがかなり占めておりまして、何とトップ五十の中には三十二社が入っておりました。その中には、日本において、特に物づくりは半導体、この右側の方にマークがあります、半導体を重要と考えているところの企業が数多くありました。
ただし、右側を御覧ください、これを見ると大変なことが分かります。ほとんどの企業がアメリカである。そして、残念ながら五十社に入っているのはトヨタ一社しかないという形になっております。しかも、もう一つ言いますと、代表的なアメリカの企業であるアップル、エヌビディア、マイクロソフト、アマゾン、こういったところが主要な上の方を全部占めているという形になっておりまして、この右側のマークを御覧いただきますとよくお分かりのように、半導体関連の企業がほとんどであるという形が重要な点でございます。
続きまして、四ページを御覧ください。
こちらラピダスの設立で、もうほとんどの方が御存じだと思いますが、経営株主としては、東哲郎、そして私、小池淳義が経営株主になっております。あと、創業個人株主といたしましては、これは会社が設立する実は三年以上前から、若い学者であるとかあるいは准教授と、ずっとどうしたらいいかということを議論してまいりました。そして、この十二人が集まって、このラピダスをつくろう、今つくらないと日本は危ないという形で会社を設立することになりました。
もちろん我々だけではとても資金が足りませんので、下に書いてあります大手の企業八社の出資をいただいて、一応本格的にスタートができるようになったという形になっております。
続いて、五ページを御覧ください。
こちらの方は、我々のこのマウント・フジ・プロジェクトを使いまして、ずっとどういう会社をつくるべきかということを議論してまいりました。それは、極めて単純なことでありますが、人類の幸せのために半導体を作ろうという形であります。半導体は確かに人々を便利にしました。しかし、本当に幸せにしたのか、これが原点でありました。やっぱり人々を真に豊かに、人生を充実にするような半導体を作らなければならない、こういうことを考えて会社をつくろうというふうに決めたわけであります。
そのために三つの柱を決めました。
それは第一に、新産業、新製品の創設であります。半導体は、ともすると部品屋になってしまうんです。これは駄目でありまして、やっぱり最終製品は何であるか、お客様と一緒になって半導体を有効に使って、あるべき最終製品を共に作ろうというのが第一であります。
続きまして、二つ目は、先ほど黒田先生からありましたが、人材育成であります。半導体の人材は不足しております。これを徹底的に強化するために、日本のみならず世界の大学と連携して人材育成を行っていく、これが大事だと思っております。
三つ目です。これはもう言うまでもなくグリーン化です。地球は病んでおります。やっぱりグリーンイノベーションを起こすという形が極めて重要だというので、この三つの柱でもって進めてまいりました。
続きまして、六ページを御覧ください。
こちらの方は、この一枚でラピダスの進捗と計画を示しております。
先ほども述べましたように、ラピダスの誕生は二〇二二年の八月でした。そして、こちらの方の国の御支援、あるいは技術の検討をさせていただきまして、IBM、下の方にございますが、IBM、これはGAAという難しいトランジスタの、新しいトランジスタを二十年以上前から開発していたわけでありますが、こちらと共同研究をしようという形になりまして、いよいよスタートが始まりました。
ちょうど真ん中の下の方にありますニューヨーク・クリエイツ、こちらの方に約百五十人のラピダスのエンジニアを送り込んでおります。そして、いよいよパイロットが始まりますので、約八十人が千歳に帰ってきて、いよいよいわゆる試作が始まっていく、パイロットが始まってくるという状況になっております。
また、真ん中の上の方を見ていただきたいんですが、実は場所を北海道に決めました。グラウンドブレーキングという工場の出発点、これを二〇二三年の九月に行いました。それから順調に工場を造ってまいりまして、今年の、二〇二四の暮れには工場がほぼ完成いたしました。これはパイロットするための工場でございますが、そのときに装置の搬入を十二月から始めました。二百数十台の装置を入れまして、今年からいよいよ本格的に準備を進めております。
そして、第一クオーターにほとんどの装置を入れましたので、四月一日をもって一応半導体の開始ができるという準備が整ったわけであります。これによりまして、予定どおり四月から半導体のパイロットを始め、そしてこれのいろいろお客様の認定を進めながら、二〇二七年のちょうど真ん中ぐらいから量産を開始すると。これは、我々がビジネス計画を約七年前から作っておりましたけれども、一日も遅れなく計画を進めております。
続いて、七ページを御覧ください。
ラピダスの進捗を約三ページにわたって示しております。
最初に、左側に書いております研究開発でございます。我々、前工程でなく、後工程も含めて全部の生産をしていくというシステムになっております。もちろん、設計はお客様が行います。左下にありますように、前工程、そして後工程、これはパッケージというところですが、それに合わせてお客様の設計を支援する設計ソリューションという部隊を持っております。この三つの部隊をまとめて、世界に最も速い、どこよりも速いというサービスを提供するというのが我々の大きな特徴でございます。
そして、人員でございますが、先ほど、会社をスタートしたときには十四人しかいないと申し述べました。現在、四月時点におきまして七百五十人の従業員を持っております。これはほとんどがエンジニアでございます。優秀なエンジニアを集めることができました。
その下にありますのは、先ほど述べました工場の様子でございます。いよいよパイロットを始め、右側の方でございますが、パイロット部分、そしてこのパイロットを順調に進めて、左側の方に一応量産を進めていくということがほとんど完成していることがお分かりになると思います。
続きまして、八ページを御覧ください。
こちらの方、NEDOのプロジェクトの方について御説明させていただきます。
実はこちらの方に、これNEDO様の方で御準備いただいているものでございますが、二〇二二年度から、順次こちらの方、NEDO様の方の資産という形でこれが提供が始まっておりまして、私どもはこの資産を活用することによって研究開発を進めております。二〇二四年度までには約九千二百億円の資金をこのNEDO様の方に提供していただいて、我々はこの資産を使って研究開発を進めているという状況にございます。
そして、大変有り難いことに、NEDO様の方に、二〇二五年、そしてこの八千二十五億という、これは前工程と後工程を合わせた額でもございますが、これを提供していただくことによって、我々はこの研究の場所をお借りすることによって研究開発を進めているという状況にあります。そして、これを全て併せ持ちまして、我々といたしまして、ラピダスといたしましては、二〇二七年の量産をするということを順調に進めていきたいというふうに考えております。
続きまして、九ページを御覧ください。
九ページにおきましては、ラピダスの進捗の最後のページになります。
顧客の開拓でございますが、ちょうど昨日、ジム・ケラーが北海道に参りまして、我々の工場を見ていただきました。彼は非常に感動して、こんなに速くできる工場はない、こんなに速くプロセスを開発する工場は今まで見たことがないというふうに言っていただきました。非常に力強い、御存じだと思いますが、ジム・ケラーは設計の天才と言われている男ですから、非常に心強く思いました。もう一つは、クエスト・グローバルという、これシンガポールにある会社でございますが、こちらの方との提携も進めております。
こう言いますと、海外のお客様だけだという心配がおありになるかもしれませんが、左下にございますように、これは国内のプリファードネットワーク、こちらの方で設計していただいて、ラピダスが製造し、かつ、さくらインターネットはこれをうまく適用してデータセンターを展開すると、こういう国内のモデルの方も順調に進めております。
右側、御覧ください。
先ほど黒田先生からありましたが、電力の問題です。これは大変な問題であって、今から二〇三〇年まで行きますと、六倍ぐらいの電力が必要になってしまいます。よく御覧いただきますと、ほとんどの電力を使っていくのがAIです。今、これからAIが必要で、AIがますます重要になっていくと言っておりますが、電力の問題は避けられないんです。ですから、この電力を何とか削減するために、少しでも減らすために我々は二ナノの半導体をやるんです。二ナノがどうしても必要なんです。こういった形で世の中に貢献していきたいというふうに考えております。
続きまして、十ページを御覧ください。
これは、地元の貢献という形でございます。北海道の貢献でございますが、国やあるいは北海道のリーダーシップの下、日本版シリコンバレーのことですね、これを、負けないような北海道バレー構想というのを進めていただいております。これは、半導体関連企業並びに周辺産業の進出、そして大事な半導体人材を育成するという形を展開していくという構想でございます。こちらの方は、図で御覧のように、これバレーのようになっているんですね。僅か七十キロぐらいしかない幅でございますから、ここをバレーにして、半導体のみならず、あらゆる産業を活性して、そして北海道全体に広げて、日本を活性化し、世界に貢献すると、こういうふうな展開を考えております。
続きまして、十一ページを御覧ください。
こちらの方、北海道の成長に向けてラピダスが果たす役割、貢献について示したものでございます。こちらの方は、今までにない北海道の過去最大の投資及び経済波及効果をもたらし得るというふうに考えております。
左から御説明します。
まずは、半導体産業に必要なサプライヤー、材料とか装置であるとか、そういったものでございます。そして、我々ラピダスがこれを製造する効果、この二つを併せ持ちまして、民間団体の試算によりますと、これはANICでございますが、こちらの試算でありまして、この二つでもって約十八・八兆円、これは二〇三六年までの累積ですが、これぐらいの効果がある。さらに、この顧客の企業あるいはエンドユーザーを含めますと、更にはるかに大きな額が期待できるものと考えております。
最後のページになります。十二ページを御覧ください。
こちらは北海道におけます具体的な我々の活動について示したものでございます。
こちらの方は、現在、北海道大学の連携協定を進めております。昨年の六月に提携させていただきました。これ非常に、ちょうど左下の図でございますが、学生さんたちと一緒に授業を行って、いろんな悩み、いろんな貢献できることを議論してまいりました。
御存じだと思いますが、北海道は優れた方がおられますが、約七割の方が実は本州の方に帰ってくるんですね。働く場所がないんです。ですから、私どもとして、皆さん、学生さんが非常に喜んでくれたんですが、やっとラピダスができて、私たちが貢献できる場所ができたという形で非常に喜んでいただきました。
次に、真ん中の図でございますが、これは、半導体だけではなくて、北海道の別の産業にも貢献するという形で、ビジネスEXPOでその連携を強化させていただくということも進めてまいりました。北海道セミナーにおきましても、これは北海道庁と連携して進めております。
さらに、この右下にあるものでございますが、これ、皆さん御興味あると思いますが、小学校の出張授業でございます。こちらの方は、小学校に、このクリーンウェアの服を着せたり、右側の方で、一点一点、半導体がどういうものに応用されるのか、こういうことをうちの従業員を通して授業を行っております。数は多くありませんが、徐々に一つ一つやって、やっぱり若いときに夢を持つ、これが非常に重要なことですから、これに貢献すべく、いろいろな小学校をどんどんどんどん増やしていって、夢のある世界をつくっていきたいと考えております。
最後になりますが、先ほど黒田先生が「坂の上の雲」のお話をされました。私、これを聞いてはっと思ったんですが、実は北海道に私、昨日も行っていまして、それで、ボタンを、スイッチを押して、うちの従業員集めて、いよいよこれからパイロットをやるぞというところに、ひとつここで一発、みんなの従業員に一言言ってやろうと思ったんですね。黒田先生の言葉を借りてちょっと思い出したんですけど、そのとき一言言ってやろうと思ったのは、皆さんのおかげでここまで来ました。もうあらゆる支援をいただいてここまで来れたんですね。ですから、私、一言言いたかったのは、全従業員に向かって、私の心境は、天気晴朗なれども波高しという形で一応締めさせていただきました。
今後とも御支援をよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。
牧
今
今井翔太#14
○参考人(今井翔太君) ジェネシスAIの今井です。
本日、私の方からは、まさに半導体を使わせていただいている立場のAI研究者の立場から、AI研究と半導体の関係についてお話しさせていただきます。よろしくお願いします。
二ページ御覧ください。まず簡単に自己紹介させていただきます。
私は、二〇二四年まで東京大学松尾研究室、松尾豊先生の下でAIの研究をしておりまして、そこで博士号を取得しました。そして、去年、自分の会社のジェネシスAIを創業しまして、現在、そちらの方のCEO、社長をしております。そして、今年から、今年の春からは国内国立大学の客員教授を拝命すると内定しております。そして、研究分野としましては、まさにAI、昨今は生成AIは非常に有名ですけれども、こちらの研究を行っております。そして、右下にございますのが私の著書になっておりまして、「生成AIで世界はこう変わる」というタイトルの本ですが、こちらは東大で一番売れた本、ベストセラーとなっております。
ということで、本題入っていきたいと思います。三ページ御覧ください。
本日、一応事業者のトップとして来ておりますけれども、完全に研究者としての、なぜそもそもAI研究に半導体が必要かというお話をさせていただきます。
まず、今のAIの進化に関するキーワード、これを押さえておけば現在のAIがなぜ半導体必要なのか分かるといった、そういうものをお話しさせていただきたいと思いますけれども、このキーワードはスケーリングです。スケーリングというものは規模を拡大するということを意味しますけれども、まさにこの規模を拡大するということが現在AI研究の一番重要な事項となっております。
AI研究のスケーリングとは、まさに巨大なAIですね、現在のAI、ニューラルネットワークというものを使っておりますけれども、人間の脳に相当するものです。人間の脳をコンピューター上で再現したこのAIというものを大規模に学習する、まさにこれ一つ目のスケーリングです。これが重要です。
もう一つ、これは最近出てきた研究の話でありますけれども、AIに考えさせる時間を長くする、こちらの方もまさに規模を拡大するということでスケーリング、非常に重要な内容となっております。
四ページ御覧ください。
こちらから少し研究のお話なので、ちょっと余り見慣れないような研究的な図が出てきますけれども、簡単にお話しさせていただきます。
スケーリング則というものがあります。二〇二〇年に出てきた人工知能の学習に関する説でして、まさにこのスケーリング則というものが現在の人工知能進化の根本になっております。そして、このスケーリング則があるから半導体が非常に必要とされているという状況です。
そして、このスケーリング則、何を意味するのかといいますと、AIの、特に昨今の生成AIの学習において重要な三つの要素、学習に使うデータ、そして計算量、そしてAI自体の大きさ。我々研究者は、パラメーター数とかニューラルネットワーク結び付きの多さを表す数でその大きさを表していますけれども、この三つの要素を増やしていくと人工知能の性能というのは無限に向上していくと。これがスケーリング則という説です。
そして、AI研究というものは、歴史的には、AI研究者というものは非常に難しい理論を組み立てたりとか、あるいは理論同士を組み合わせたりといった、いわゆるスマートな方法で発展してきました。ただ、現在の人工知能の発展というのは、先ほど申し上げたスケーリング則によって支えられているということで、つまり、先ほど言った三つの要素にどれだけお金を払えるかという問題になっております。実は難しい理論とかアルゴリズムは必要でないかもしれない、そういう説が主流になっています。
そしてもう一つ、これは昨年の後半に有名になった説ですけれども、推論時スケーリングという名前の付いたもう一つのスケーリング則があります。こちらは、AIに考えさせる時間を増やせば増やすほど性能が無限に上昇していくという説になります。
要点まとめると、現在のAIの性能というのは、それほど難しい、錬金術とかSFとかみたいな理論を必要としなくても、先ほど言った三つの要素に投資をして成長していけば物すごく性能上がると、そういうものがスケーリング則にて裏付けられているという状況になります。
五ページ御覧ください。
そして、スケーリング、先ほど言ったスケーリングにおいて、学習データ、計算量、AIの大きさ、このうち二つ、学習データとAIの大きさに関しては、我々研究者がある程度任意に大きくすることができます。ただ、最後の一つ、計算量、学習に使う計算量、要するにスーパーコンピューターということをどれだけ動かすかと。この点につきましては、まさにラピダスなどで生産される、これから生産されるであろうGPUと呼ばれている半導体の処理装置が必要になります。そして、現在のAI開発競争というのは、この半導体の保有数に左右されるという状況になっております。
真ん中に表が、アメリカの研究機関と日本の研究機関のこのGPUの保有数まとめた表がありますけれども、現在の最先端のGPUというのは一個大体日本円にして五百万円ぐらいします。そして、ちょっと順番前後しますけれども、日本の研究機関というのは、これを大体数千個から、もしかしたら現在公開されていない情報だと一万個とか持っている機関があるかもしれません。一個五百万ですから、これでも十分多い数です。
ただ、今アメリカの研究機関というのは、このGPUを何十万個と持っています。メタ社は六十万個、イーロン・マスクが経営するxAIは十万個から恐らく現在それ以上持っていると推定されますけれども、この半導体の保有数において、そもそもAI研究においてアメリカと日本というのは勝負になっていない、僕の師匠の松尾豊先生の言葉を借りると、戦闘機相手に竹やりで挑んでいると、そういう状況です。
そして、少しここから本質的なお話になりますけれども、我々研究者、人工知能の研究者は機械上で知能というものをつくっています。人間の知能というものを機械で再現しようとしているわけですけれども、人間の知能、非常に神秘的なものとして考えていらっしゃる方結構多いんですけれども、研究的な視点からすると、知能の本質というのは計算です。計算による情報処理こそが知能の本質だと現在は考えられています。
そして、現在、研究によって明らかになっている知見を踏まえると、人間レベルの知能を実現する、あるいは人間を超えた知能を実現するには膨大な計算力が必要です。つまり、先ほどから話題に出ている半導体による計算力が必要です。一応、計算というのは物質に非依存です。人間の脳でも計算できますし、半導体でももちろん計算できる。そして、昨今非常に注目されている量子コンピューターというものももちろん計算、AIの計算とかできますけれども、現時点では量子コンピューターなどの計算は汎用性に欠けます。ですので、少なくとも当分はAIの計算に適した装置というのは半導体のままだろうと、そういう状況です。
そして、このページの最後になりますけれども、この人工知能の開発、知能の実現において要求される計算量というのは極めて膨大です。そして、現時点では、研究者の視点から見ると、世界にはこの計算力というものは全く足りておりません。つまり、半導体が全く足りていないという状況です。
六ページ御覧ください。
ここまで、AIには計算力が必要だと、そしてその計算力によるスケーリングが必要だというお話をしてきました。
では、そのスケーリングによって現在のAI、特に生成AIが何をできるようになったのかというところですけれども、これはいろんなところで報道されているので御存じの方も結構いらっしゃるかと思いますけれども、もう三十近い言語を使用可能、医師国家試験合格、司法試験合格、そして一千万文字、日経新聞にして大体朝刊五十個ぐらいですけれども、これを瞬時に全て読むことができる、そしていろんな学問分野で博士号取得者レベルの能力を持っているというのが言語の生成AI。そして、動画像、音声だと、数秒ぐらいの音声データで、もうその人の声を全て人工知能で再現可能だと。そして、もう現実世界と見分けの付かない動画を生成可能。そして、そのほか、昨今は単なる生成ではなくてもっと複雑な作業をするAIエージェントというものが技術の主流になっていますけれども、このようなものになると、もう人間が指示をしたら自動的にソフトウェア設計を行うとか、あと自動研究を行うなどといったこともできます。
そして、これから詳しくお話ししますけれども、AIによって科学的発見をするだとか、あるいはもうロボットを制御すると、こういうこともできます。そして、今挙げた人工知能のこのすごい性能というのはまさにここ数年で急にできてきたというもので、これは先ほど説明したスケーリング、膨大な半導体を使用して学習して実現されている、そういう成果ということになります。
七ページ御覧ください。
そして、生成AIでスケーリングが重要だといっても、所詮今できているのはただしゃべるだけのAIではないかと、そんなものをこれ以上大きくしてどうなるんだと、そういう意見もございます。
ただ、この先ほどから言ってきたスケーリング則というものは、いろんなAIで確認されております。まず、左側、これは科学的発見ができるAIのスケーリングになりますけれども、一旦これ図の内容は無視していただいて構いません。これは何を示しているのかというと、人工知能が科学的発見をするときの間違える確率がどれだけ減っていくか、それが計算量、つまりGPUに任せた計算、学習によってどれだけ間違える量が減っていくかというのを表した図です。
そして、これは生物DNAのモデリング、設計みたいなものですけれども、そのほかにも、昨今、創薬の支援ができるたんぱく質の立体構造予測、あるいは半導体そのものの設計の最適化、無機結晶素材の発見、気象予測などもAIによってできるようになっています。そして、このスケーリングが進むと、将来的には指定難病の治療薬の発見などにもAIが応用できるかと思います。
そして、右側、こちら生成AIとは少し異なる、先ほど申し上げた複雑な作業ができるAIエージェントというものになりますけれども、こちらは割と最近まではそこまで複雑な作業できるというわけではありませんでした。人間が数分程度でできる作業をAIがようやくできるかという感じでしたけれども、こちら、つい最近ですね、ここ一か月ぐらいで出てきた研究によって、七か月でAIが達成できる作業時間二倍になっていると、そういう試算が出ています。
そして、この傾向が続くと、二〇二八年から三一年ぐらいには、人間が一か月でようやくできるような作業を完全に全てAIができるだろうというふうに言われております。こうなると、恐らく社内の事務の大半が自動化できると思いますし、ノーベル賞級の研究も一部はできるかと思います。また、安全保障、そのような分野においても非常に大きなあるいは脅威となる作業ができるかと思います。
八ページ御覧ください。
一月に中国企業が、型落ちの半導体で高性能の生成AI、ディープシークを開発したということで、エヌビディアの株価などが下がるいわゆるディープ・ショックというものが起きました。そして、これは僕も、私自身も非常にメディアとかに出て発言させていただいた内容ですけれども、現在のAI開発にディープシークというものができたのであれば大量の半導体要らないのではないか、そういう議論がありました。そして、これは部分的には正しいです。
これ、ディープシーク・ショックの後に実は最先端の生成AIいろいろ出てきていまして、オープンAI社が出したGPT4・5、そして、つい一週間前にメタ社が出したラマ4というものがあります。こちらは、少なくとも大きさ、AI自体の大きさでいうと過去最大のものです。過去最大のもので、先ほどから私が申し上げたようなスケーリング則に従えば問答無用で性能高いはずだと。ただ、これはそうなってはいません。研究者の観点からすると、そこまで性能高いわけではなかったと。
このことも踏まえると、確かに、実は言語を生成するAIに関して言うと、恐らくこのスケーリングのゴールというものは見えてきていまして、半導体というものをそこまで必要としないんではないかというお話は一応成立します。
ただ、下の方を御覧いただきたいんですけれども、AIという分野は非常に広大です。AIの未解決問題、曲がりなりにも人間の知能を再現しようとしているわけですから、いろんな分野が存在しまして、そちらの方は未解決です。先ほど言った科学的発見できるAIもそうですし、ロボット操作、識別をするAI、自動運転とかも入ってきますし、あるいは仮想的な物理空間を生成するようなAIもそうだと思いますけれども、こういう問題に関してはまだまだ全然学習が足りていません。スケーリングが足りていない、半導体が足りていないという状況です。
九ページ御覧ください。
人工知能研究者の究極目標は、汎用人工知能、略してAGIと言われているものを実現することです。これは、人間ができる全ての知的作業を同等かそれ以上に実行できるAIということで、恐らくこれが実現されれば人間の活動は全て代替できることから、科学、経済、政治、あるいは安全保障などの分野で大きな革命が起こることが予想されます。
そして、これは今まではSF的な出来事でした。人工知能研究者が議論をしても、我々が生きている間に実現できるのかという、そういうお話でした。ただ、チャットGPTが出てきて以降は、これは現実的な話となっております。
これは、日本の一研究者である私の意見などを参照するまでもなく、去年ノーベル賞を受賞したジェフリー・ヒントン教授、あるいは二〇一八年にチューリング賞を受賞したほかの二名の人工知能最先端の研究者も数年から十年以内に汎用人工知能が出てくるだろうと言っています。そして、それは恐らく、今のAIというものをスケーリング、つまり半導体などの計算資源を用いて大規模な学習することで実現するだろうということをオープンAIの共同創業者、元主任研究者のイリヤ・サツキバーも言っております。
十ページ御覧ください。こちら、まとめになります。
AIというのは人類最後の発明とも言われています。そして、究極目標は人間がやっていることを全てできるAIだと。歴史上、基本的には科学、政治、経済、安全保障なども人間が行ってきたわけですけれども、AIのこの目標達成されれば、恐らく相当程度のものをAIが代替するだろうと考えられます。
つまり、この近い将来にAIという技術を握った国がこのような分野で強大な力を得る、裏を返すと、これを握れなかった場合はこれらの分野で挽回不能な後れを取るということは、研究者視点でもそこまで飛躍した議論ではありません。
そして、そのAIの実現というのは、ここまでの研究の蓄積を踏まえると膨大な計算力に懸かっている。そして、この計算力の基となるのは半導体です。ただ、現在、半導体は世界的に不足しています。そして、サプライチェーンは非常に脆弱、台湾TSMCなどに依存している状況です。日本はこれをコントロールできる立場にありません。
今後の人類の歴史を左右する技術の基盤となる半導体に関して、日本の大きな挑戦、懸ける価値があるのではないかと思います。
私からの話、以上になります。
この発言だけを見る →本日、私の方からは、まさに半導体を使わせていただいている立場のAI研究者の立場から、AI研究と半導体の関係についてお話しさせていただきます。よろしくお願いします。
二ページ御覧ください。まず簡単に自己紹介させていただきます。
私は、二〇二四年まで東京大学松尾研究室、松尾豊先生の下でAIの研究をしておりまして、そこで博士号を取得しました。そして、去年、自分の会社のジェネシスAIを創業しまして、現在、そちらの方のCEO、社長をしております。そして、今年から、今年の春からは国内国立大学の客員教授を拝命すると内定しております。そして、研究分野としましては、まさにAI、昨今は生成AIは非常に有名ですけれども、こちらの研究を行っております。そして、右下にございますのが私の著書になっておりまして、「生成AIで世界はこう変わる」というタイトルの本ですが、こちらは東大で一番売れた本、ベストセラーとなっております。
ということで、本題入っていきたいと思います。三ページ御覧ください。
本日、一応事業者のトップとして来ておりますけれども、完全に研究者としての、なぜそもそもAI研究に半導体が必要かというお話をさせていただきます。
まず、今のAIの進化に関するキーワード、これを押さえておけば現在のAIがなぜ半導体必要なのか分かるといった、そういうものをお話しさせていただきたいと思いますけれども、このキーワードはスケーリングです。スケーリングというものは規模を拡大するということを意味しますけれども、まさにこの規模を拡大するということが現在AI研究の一番重要な事項となっております。
AI研究のスケーリングとは、まさに巨大なAIですね、現在のAI、ニューラルネットワークというものを使っておりますけれども、人間の脳に相当するものです。人間の脳をコンピューター上で再現したこのAIというものを大規模に学習する、まさにこれ一つ目のスケーリングです。これが重要です。
もう一つ、これは最近出てきた研究の話でありますけれども、AIに考えさせる時間を長くする、こちらの方もまさに規模を拡大するということでスケーリング、非常に重要な内容となっております。
四ページ御覧ください。
こちらから少し研究のお話なので、ちょっと余り見慣れないような研究的な図が出てきますけれども、簡単にお話しさせていただきます。
スケーリング則というものがあります。二〇二〇年に出てきた人工知能の学習に関する説でして、まさにこのスケーリング則というものが現在の人工知能進化の根本になっております。そして、このスケーリング則があるから半導体が非常に必要とされているという状況です。
そして、このスケーリング則、何を意味するのかといいますと、AIの、特に昨今の生成AIの学習において重要な三つの要素、学習に使うデータ、そして計算量、そしてAI自体の大きさ。我々研究者は、パラメーター数とかニューラルネットワーク結び付きの多さを表す数でその大きさを表していますけれども、この三つの要素を増やしていくと人工知能の性能というのは無限に向上していくと。これがスケーリング則という説です。
そして、AI研究というものは、歴史的には、AI研究者というものは非常に難しい理論を組み立てたりとか、あるいは理論同士を組み合わせたりといった、いわゆるスマートな方法で発展してきました。ただ、現在の人工知能の発展というのは、先ほど申し上げたスケーリング則によって支えられているということで、つまり、先ほど言った三つの要素にどれだけお金を払えるかという問題になっております。実は難しい理論とかアルゴリズムは必要でないかもしれない、そういう説が主流になっています。
そしてもう一つ、これは昨年の後半に有名になった説ですけれども、推論時スケーリングという名前の付いたもう一つのスケーリング則があります。こちらは、AIに考えさせる時間を増やせば増やすほど性能が無限に上昇していくという説になります。
要点まとめると、現在のAIの性能というのは、それほど難しい、錬金術とかSFとかみたいな理論を必要としなくても、先ほど言った三つの要素に投資をして成長していけば物すごく性能上がると、そういうものがスケーリング則にて裏付けられているという状況になります。
五ページ御覧ください。
そして、スケーリング、先ほど言ったスケーリングにおいて、学習データ、計算量、AIの大きさ、このうち二つ、学習データとAIの大きさに関しては、我々研究者がある程度任意に大きくすることができます。ただ、最後の一つ、計算量、学習に使う計算量、要するにスーパーコンピューターということをどれだけ動かすかと。この点につきましては、まさにラピダスなどで生産される、これから生産されるであろうGPUと呼ばれている半導体の処理装置が必要になります。そして、現在のAI開発競争というのは、この半導体の保有数に左右されるという状況になっております。
真ん中に表が、アメリカの研究機関と日本の研究機関のこのGPUの保有数まとめた表がありますけれども、現在の最先端のGPUというのは一個大体日本円にして五百万円ぐらいします。そして、ちょっと順番前後しますけれども、日本の研究機関というのは、これを大体数千個から、もしかしたら現在公開されていない情報だと一万個とか持っている機関があるかもしれません。一個五百万ですから、これでも十分多い数です。
ただ、今アメリカの研究機関というのは、このGPUを何十万個と持っています。メタ社は六十万個、イーロン・マスクが経営するxAIは十万個から恐らく現在それ以上持っていると推定されますけれども、この半導体の保有数において、そもそもAI研究においてアメリカと日本というのは勝負になっていない、僕の師匠の松尾豊先生の言葉を借りると、戦闘機相手に竹やりで挑んでいると、そういう状況です。
そして、少しここから本質的なお話になりますけれども、我々研究者、人工知能の研究者は機械上で知能というものをつくっています。人間の知能というものを機械で再現しようとしているわけですけれども、人間の知能、非常に神秘的なものとして考えていらっしゃる方結構多いんですけれども、研究的な視点からすると、知能の本質というのは計算です。計算による情報処理こそが知能の本質だと現在は考えられています。
そして、現在、研究によって明らかになっている知見を踏まえると、人間レベルの知能を実現する、あるいは人間を超えた知能を実現するには膨大な計算力が必要です。つまり、先ほどから話題に出ている半導体による計算力が必要です。一応、計算というのは物質に非依存です。人間の脳でも計算できますし、半導体でももちろん計算できる。そして、昨今非常に注目されている量子コンピューターというものももちろん計算、AIの計算とかできますけれども、現時点では量子コンピューターなどの計算は汎用性に欠けます。ですので、少なくとも当分はAIの計算に適した装置というのは半導体のままだろうと、そういう状況です。
そして、このページの最後になりますけれども、この人工知能の開発、知能の実現において要求される計算量というのは極めて膨大です。そして、現時点では、研究者の視点から見ると、世界にはこの計算力というものは全く足りておりません。つまり、半導体が全く足りていないという状況です。
六ページ御覧ください。
ここまで、AIには計算力が必要だと、そしてその計算力によるスケーリングが必要だというお話をしてきました。
では、そのスケーリングによって現在のAI、特に生成AIが何をできるようになったのかというところですけれども、これはいろんなところで報道されているので御存じの方も結構いらっしゃるかと思いますけれども、もう三十近い言語を使用可能、医師国家試験合格、司法試験合格、そして一千万文字、日経新聞にして大体朝刊五十個ぐらいですけれども、これを瞬時に全て読むことができる、そしていろんな学問分野で博士号取得者レベルの能力を持っているというのが言語の生成AI。そして、動画像、音声だと、数秒ぐらいの音声データで、もうその人の声を全て人工知能で再現可能だと。そして、もう現実世界と見分けの付かない動画を生成可能。そして、そのほか、昨今は単なる生成ではなくてもっと複雑な作業をするAIエージェントというものが技術の主流になっていますけれども、このようなものになると、もう人間が指示をしたら自動的にソフトウェア設計を行うとか、あと自動研究を行うなどといったこともできます。
そして、これから詳しくお話ししますけれども、AIによって科学的発見をするだとか、あるいはもうロボットを制御すると、こういうこともできます。そして、今挙げた人工知能のこのすごい性能というのはまさにここ数年で急にできてきたというもので、これは先ほど説明したスケーリング、膨大な半導体を使用して学習して実現されている、そういう成果ということになります。
七ページ御覧ください。
そして、生成AIでスケーリングが重要だといっても、所詮今できているのはただしゃべるだけのAIではないかと、そんなものをこれ以上大きくしてどうなるんだと、そういう意見もございます。
ただ、この先ほどから言ってきたスケーリング則というものは、いろんなAIで確認されております。まず、左側、これは科学的発見ができるAIのスケーリングになりますけれども、一旦これ図の内容は無視していただいて構いません。これは何を示しているのかというと、人工知能が科学的発見をするときの間違える確率がどれだけ減っていくか、それが計算量、つまりGPUに任せた計算、学習によってどれだけ間違える量が減っていくかというのを表した図です。
そして、これは生物DNAのモデリング、設計みたいなものですけれども、そのほかにも、昨今、創薬の支援ができるたんぱく質の立体構造予測、あるいは半導体そのものの設計の最適化、無機結晶素材の発見、気象予測などもAIによってできるようになっています。そして、このスケーリングが進むと、将来的には指定難病の治療薬の発見などにもAIが応用できるかと思います。
そして、右側、こちら生成AIとは少し異なる、先ほど申し上げた複雑な作業ができるAIエージェントというものになりますけれども、こちらは割と最近まではそこまで複雑な作業できるというわけではありませんでした。人間が数分程度でできる作業をAIがようやくできるかという感じでしたけれども、こちら、つい最近ですね、ここ一か月ぐらいで出てきた研究によって、七か月でAIが達成できる作業時間二倍になっていると、そういう試算が出ています。
そして、この傾向が続くと、二〇二八年から三一年ぐらいには、人間が一か月でようやくできるような作業を完全に全てAIができるだろうというふうに言われております。こうなると、恐らく社内の事務の大半が自動化できると思いますし、ノーベル賞級の研究も一部はできるかと思います。また、安全保障、そのような分野においても非常に大きなあるいは脅威となる作業ができるかと思います。
八ページ御覧ください。
一月に中国企業が、型落ちの半導体で高性能の生成AI、ディープシークを開発したということで、エヌビディアの株価などが下がるいわゆるディープ・ショックというものが起きました。そして、これは僕も、私自身も非常にメディアとかに出て発言させていただいた内容ですけれども、現在のAI開発にディープシークというものができたのであれば大量の半導体要らないのではないか、そういう議論がありました。そして、これは部分的には正しいです。
これ、ディープシーク・ショックの後に実は最先端の生成AIいろいろ出てきていまして、オープンAI社が出したGPT4・5、そして、つい一週間前にメタ社が出したラマ4というものがあります。こちらは、少なくとも大きさ、AI自体の大きさでいうと過去最大のものです。過去最大のもので、先ほどから私が申し上げたようなスケーリング則に従えば問答無用で性能高いはずだと。ただ、これはそうなってはいません。研究者の観点からすると、そこまで性能高いわけではなかったと。
このことも踏まえると、確かに、実は言語を生成するAIに関して言うと、恐らくこのスケーリングのゴールというものは見えてきていまして、半導体というものをそこまで必要としないんではないかというお話は一応成立します。
ただ、下の方を御覧いただきたいんですけれども、AIという分野は非常に広大です。AIの未解決問題、曲がりなりにも人間の知能を再現しようとしているわけですから、いろんな分野が存在しまして、そちらの方は未解決です。先ほど言った科学的発見できるAIもそうですし、ロボット操作、識別をするAI、自動運転とかも入ってきますし、あるいは仮想的な物理空間を生成するようなAIもそうだと思いますけれども、こういう問題に関してはまだまだ全然学習が足りていません。スケーリングが足りていない、半導体が足りていないという状況です。
九ページ御覧ください。
人工知能研究者の究極目標は、汎用人工知能、略してAGIと言われているものを実現することです。これは、人間ができる全ての知的作業を同等かそれ以上に実行できるAIということで、恐らくこれが実現されれば人間の活動は全て代替できることから、科学、経済、政治、あるいは安全保障などの分野で大きな革命が起こることが予想されます。
そして、これは今まではSF的な出来事でした。人工知能研究者が議論をしても、我々が生きている間に実現できるのかという、そういうお話でした。ただ、チャットGPTが出てきて以降は、これは現実的な話となっております。
これは、日本の一研究者である私の意見などを参照するまでもなく、去年ノーベル賞を受賞したジェフリー・ヒントン教授、あるいは二〇一八年にチューリング賞を受賞したほかの二名の人工知能最先端の研究者も数年から十年以内に汎用人工知能が出てくるだろうと言っています。そして、それは恐らく、今のAIというものをスケーリング、つまり半導体などの計算資源を用いて大規模な学習することで実現するだろうということをオープンAIの共同創業者、元主任研究者のイリヤ・サツキバーも言っております。
十ページ御覧ください。こちら、まとめになります。
AIというのは人類最後の発明とも言われています。そして、究極目標は人間がやっていることを全てできるAIだと。歴史上、基本的には科学、政治、経済、安全保障なども人間が行ってきたわけですけれども、AIのこの目標達成されれば、恐らく相当程度のものをAIが代替するだろうと考えられます。
つまり、この近い将来にAIという技術を握った国がこのような分野で強大な力を得る、裏を返すと、これを握れなかった場合はこれらの分野で挽回不能な後れを取るということは、研究者視点でもそこまで飛躍した議論ではありません。
そして、そのAIの実現というのは、ここまでの研究の蓄積を踏まえると膨大な計算力に懸かっている。そして、この計算力の基となるのは半導体です。ただ、現在、半導体は世界的に不足しています。そして、サプライチェーンは非常に脆弱、台湾TSMCなどに依存している状況です。日本はこれをコントロールできる立場にありません。
今後の人類の歴史を左右する技術の基盤となる半導体に関して、日本の大きな挑戦、懸ける価値があるのではないかと思います。
私からの話、以上になります。
牧
牧山ひろえ#15
○委員長(牧山ひろえ君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。
長
長峯誠#16
○長峯誠君 自由民主党の長峯誠でございます。
今日は大変貴重なお話をいただきまして、誠にありがとうございました。
まず、小池社長、小池参考人に、今日まさに日本とアメリカの交渉があって、まだ中身がつまびらかになっておりませんし、恐らくこの結果が出てくるのにはしばらく時間、そしてさらにそれが反映されるにはまた更に時間が掛かると思うんですが、まさに天気晴朗なれど波高しで、バルチック艦隊じゃなくてトランプ関税が襲ってきているわけでございますが、今時点の情報の中で、このラピダスが、例えばIBMとの協業であるとか、あるいは今の建設とか、あと販売先、こういったことでどんな懸念を持っていらっしゃって、どんな対応をされようとされているのかというのをお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →今日は大変貴重なお話をいただきまして、誠にありがとうございました。
まず、小池社長、小池参考人に、今日まさに日本とアメリカの交渉があって、まだ中身がつまびらかになっておりませんし、恐らくこの結果が出てくるのにはしばらく時間、そしてさらにそれが反映されるにはまた更に時間が掛かると思うんですが、まさに天気晴朗なれど波高しで、バルチック艦隊じゃなくてトランプ関税が襲ってきているわけでございますが、今時点の情報の中で、このラピダスが、例えばIBMとの協業であるとか、あるいは今の建設とか、あと販売先、こういったことでどんな懸念を持っていらっしゃって、どんな対応をされようとされているのかというのをお伺いしたいと思います。
小
小池淳義#17
○参考人(小池淳義君) 長峯先生、御質問ありがとうございます。
おっしゃるとおり、私どもとしましては、やっぱりこの関税の問題は非常に重要だと考えております。私も先週アメリカにおりましたので、まさにトランプ大統領が発言されたことがアメリカ中で大パニックになっておりました。
私ども、あらゆる情報を通じて、当然、米国IBMも通じましてあらゆる情報を探っているところでございます。ただ、御存じのように明確なまだ方針が出ておりませんので、これからいろんな角度から検討していきたいというふうに考えております。
大事なことは、我々、最終目的は、いわゆる友好国の、連携している友好国のエコシステムをつくっていくことが大事だと思っておりますので、本質的には、長い目で見ていくとある程度落ち着くところに落ち着くというふうに考えております。
我々、製造するのは二〇二七年で、あと二年ありますので、それまでに十分な情報を集めて、先生方とも御相談しながら、きちんとした管理、そして、そのメリットとデメリットを分離しながら対応を取っていきたいというふうに考えております。
この発言だけを見る →おっしゃるとおり、私どもとしましては、やっぱりこの関税の問題は非常に重要だと考えております。私も先週アメリカにおりましたので、まさにトランプ大統領が発言されたことがアメリカ中で大パニックになっておりました。
私ども、あらゆる情報を通じて、当然、米国IBMも通じましてあらゆる情報を探っているところでございます。ただ、御存じのように明確なまだ方針が出ておりませんので、これからいろんな角度から検討していきたいというふうに考えております。
大事なことは、我々、最終目的は、いわゆる友好国の、連携している友好国のエコシステムをつくっていくことが大事だと思っておりますので、本質的には、長い目で見ていくとある程度落ち着くところに落ち着くというふうに考えております。
我々、製造するのは二〇二七年で、あと二年ありますので、それまでに十分な情報を集めて、先生方とも御相談しながら、きちんとした管理、そして、そのメリットとデメリットを分離しながら対応を取っていきたいというふうに考えております。
長
長峯誠#18
○長峯誠君 ありがとうございます。
まだまだ様子がはっきり見えているわけではございませんので、ビジネスとしてしっかり対応していっていただくことをお願い申し上げたいと思います。
それで、黒田参考人と、これは小池参考人にもお伺いしたいんですが、先ほど今井参考人が御指摘されましたディープシークですね、ディープシークの出現によりまして、そんなにレベルの高い最新型の半導体ではなくてもAIは実装できるのではないかというお話がありまして、もう一つはEVですね、EVに対して逆風が吹いているという中で、そのハイスペックな半導体というのが評価されなくなるのではないかということで、株価等にも多少、エヌビディアの株価等にも影響いたしました。
この最先端半導体の将来の需要の予測といいますか、そういったものについての御見解というのを両参考人にお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →まだまだ様子がはっきり見えているわけではございませんので、ビジネスとしてしっかり対応していっていただくことをお願い申し上げたいと思います。
それで、黒田参考人と、これは小池参考人にもお伺いしたいんですが、先ほど今井参考人が御指摘されましたディープシークですね、ディープシークの出現によりまして、そんなにレベルの高い最新型の半導体ではなくてもAIは実装できるのではないかというお話がありまして、もう一つはEVですね、EVに対して逆風が吹いているという中で、そのハイスペックな半導体というのが評価されなくなるのではないかということで、株価等にも多少、エヌビディアの株価等にも影響いたしました。
この最先端半導体の将来の需要の予測といいますか、そういったものについての御見解というのを両参考人にお伺いしたいと思います。
黒
黒田忠広#19
○参考人(黒田忠広君) この最先端という言葉は時代とともに移っていきます。そのときで切り取りますと、今のような新しい革新が起こって、そんなに要らないんじゃないかという話はいつも出ます。しかしながら、それからやがて様々な更に需要が生まれてきたというのがこれまでの半導体の五十年の歴史であります。
したがって、十年後に今日を振り返ったときには、あのときにそういう議論もあったけれども、あのときから比べると更に高精度な大容量、大規模な半導体が必要になって、それが今社会の隅々に使われているねと、必ずこうなっているというふうに私は思います。
以上です。
この発言だけを見る →したがって、十年後に今日を振り返ったときには、あのときにそういう議論もあったけれども、あのときから比べると更に高精度な大容量、大規模な半導体が必要になって、それが今社会の隅々に使われているねと、必ずこうなっているというふうに私は思います。
以上です。
小
小池淳義#20
○参考人(小池淳義君) 長峯先生、ありがとうございます。
これは極めて重要な問題だと思います。ディープシーク・ショックは、与えた影響は、世界に物すごい大きなインパクトがございました。
これは、私が見るに二つのポイントがあると思っておりまして、一つは、やっぱりディープシークが中国において、オープン化という名の下に、あそこであのようなアイデアと、それからオープン化に成功したということですね、これは非常に気を付けなきゃいけないことだと思います。ただし、先ほど今井様もおっしゃっておりましたが、必ずしも最先端の半導体を使っていなかったということではないんですね。これはある程度業界では分かっておりますが、五ナノであるとか、その辺含めたような商品は使っております、半導体は使っております。
さらに、これからやっぱり幾らディープシークがオープンな展開をしたとしても、この先端の半導体は必ず必要になってきますし、これの要求に対しては猛烈な需要がございます。我々が類推いたしましても、今いろんな世界で爆発的なAIの需要が来ると言われておりますが、我々がビジネス計画を作ったときの計画に対して、実は数倍の需要がございました。このディープシークの新しい展開を見たときに、それを併せ持って計算しましても、ほとんど前、我々が推測した需要は十分にあるというふうに見ておりまして、このAI、あるいはこの先端半導体の必要な量は変わっていないというふうに考えておりますので、ディープシークによる影響によりまして元の線に戻った、今まで気違いのようなデマンドがあるというふうに言われていたのが元の線の需要に戻ったという形でありますから、全体のAIに対する需要に対して供給できる会社は極めて少ないというふうに考えております。
この発言だけを見る →これは極めて重要な問題だと思います。ディープシーク・ショックは、与えた影響は、世界に物すごい大きなインパクトがございました。
これは、私が見るに二つのポイントがあると思っておりまして、一つは、やっぱりディープシークが中国において、オープン化という名の下に、あそこであのようなアイデアと、それからオープン化に成功したということですね、これは非常に気を付けなきゃいけないことだと思います。ただし、先ほど今井様もおっしゃっておりましたが、必ずしも最先端の半導体を使っていなかったということではないんですね。これはある程度業界では分かっておりますが、五ナノであるとか、その辺含めたような商品は使っております、半導体は使っております。
さらに、これからやっぱり幾らディープシークがオープンな展開をしたとしても、この先端の半導体は必ず必要になってきますし、これの要求に対しては猛烈な需要がございます。我々が類推いたしましても、今いろんな世界で爆発的なAIの需要が来ると言われておりますが、我々がビジネス計画を作ったときの計画に対して、実は数倍の需要がございました。このディープシークの新しい展開を見たときに、それを併せ持って計算しましても、ほとんど前、我々が推測した需要は十分にあるというふうに見ておりまして、このAI、あるいはこの先端半導体の必要な量は変わっていないというふうに考えておりますので、ディープシークによる影響によりまして元の線に戻った、今まで気違いのようなデマンドがあるというふうに言われていたのが元の線の需要に戻ったという形でありますから、全体のAIに対する需要に対して供給できる会社は極めて少ないというふうに考えております。
長
長峯誠#21
○長峯誠君 ありがとうございます。
おおむね今井参考人の見方と一緒というような感じで、これからもしっかりそういう需要は伸びていくということを伺ったところでございます。
続きまして、黒田参考人に、半導体の前工程と後工程というふうに分けますと、前工程の微細化というのは限界を迎えつつあるのではないかというような御意見もございます。これに対してどのように思われるか。また、後工程につきましては日本がある程度強みを持っているということでございますので、ここの今後の見通しについてお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →おおむね今井参考人の見方と一緒というような感じで、これからもしっかりそういう需要は伸びていくということを伺ったところでございます。
続きまして、黒田参考人に、半導体の前工程と後工程というふうに分けますと、前工程の微細化というのは限界を迎えつつあるのではないかというような御意見もございます。これに対してどのように思われるか。また、後工程につきましては日本がある程度強みを持っているということでございますので、ここの今後の見通しについてお伺いしたいと思います。
黒
黒田忠広#22
○参考人(黒田忠広君) ありがとうございます。大変重要な御質問いただきました。
確かに前工程は微細化がますます難しくなっている、もう少し言うと、微細化に必要な投資が巨額になっている、経済的に難しくなっているという状況でございます。しかしながら、先ほども議論にありましたように、このエネルギー危機を乗り越えるためにこれはどうしても乗り越えなければいけないところでございますので、ここに投資をする価値は引き続きあると思います。
一方、ここでエネルギーが節約されるのは、計算をしているところのエネルギーであります。計算するためには、実は頻繁にデータをメモリーから持ってきて、またメモリーに戻すという操作が要るわけですね。これはメモリーとプロセッサーの協調作業になるので、プロセッサーだけが微細化されてもメモリーだけが微細化されても、その間を行き来する大量のデータが、その移動に伴うエネルギー損失があるというところ、そこは先ほど御指摘いただいた後工程のところがまさに重要になるわけであります。
ここには日本に優れた技術が点在しておりますので、これを集積して、かつ、先ほどの前工程に比べると投資効果が比較的、相対的に高いというか、前工程ほど大きな投資がなくても十分に大きな効果が期待できるという観点から、ここに投資をするというのは我が国の戦略としては極めて重要だと、こう考えております。
以上です。
この発言だけを見る →確かに前工程は微細化がますます難しくなっている、もう少し言うと、微細化に必要な投資が巨額になっている、経済的に難しくなっているという状況でございます。しかしながら、先ほども議論にありましたように、このエネルギー危機を乗り越えるためにこれはどうしても乗り越えなければいけないところでございますので、ここに投資をする価値は引き続きあると思います。
一方、ここでエネルギーが節約されるのは、計算をしているところのエネルギーであります。計算するためには、実は頻繁にデータをメモリーから持ってきて、またメモリーに戻すという操作が要るわけですね。これはメモリーとプロセッサーの協調作業になるので、プロセッサーだけが微細化されてもメモリーだけが微細化されても、その間を行き来する大量のデータが、その移動に伴うエネルギー損失があるというところ、そこは先ほど御指摘いただいた後工程のところがまさに重要になるわけであります。
ここには日本に優れた技術が点在しておりますので、これを集積して、かつ、先ほどの前工程に比べると投資効果が比較的、相対的に高いというか、前工程ほど大きな投資がなくても十分に大きな効果が期待できるという観点から、ここに投資をするというのは我が国の戦略としては極めて重要だと、こう考えております。
以上です。
長
長峯誠#23
○長峯誠君 それと関連しまして、先ほど小池参考人の方から、前工程と後工程を一貫するというのが非常に大きな強みだというお話がございました。それによって世界一速い対応ができるというお話でした。
この前工程と後工程を一貫してやっているというのは同業他社ではないことなのか、ないとすれば、なぜ同業他社はそれをしてこなかったのか、その辺をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →この前工程と後工程を一貫してやっているというのは同業他社ではないことなのか、ないとすれば、なぜ同業他社はそれをしてこなかったのか、その辺をお伺いしたいと思います。
小
小池淳義#24
○参考人(小池淳義君) 長峯先生、ありがとうございます。
極めて重要なことだと思います。私どもの大事なビジネスモデルの一つの核を成す形になっておりまして、今まで、やっぱりこのファブレス、ファウンダリー、OSATモデルという、三つ分割して、分業作業で最高のパフォーマンス出すというのが今主流のビジネスモデルであります。ですから、ほとんどの企業は前工程、日本もよく、御存じのように、後工程を海外に出すというような形でやっておりまして、こちらの方は人件費がコストのほとんどを占めておりましたので、そういう時代もあったわけでございます。
ところが、先ほど黒田先生からございましたように、ここが重要な部分になってきたわけです。自動化も進んでおります。そういう形からしまして、私どもは、このスピードを速くする、そういった観点から、このIIM、我々の工場の方に世界で初めて前工程と後工程を一貫で行う、こういうようなシステムを考えたわけであります。
これで一つの大きなメリットがありましたのは、前工程と後工程は実は全然違う分野であって、エンジニアもほとんど交流がないんです。ですから、もうまさに、日本人であっても違う言語でしゃべっているということもよく言われています。我々がこれを一体化することによりまして、前工程のエンジニアと後工程のエンジニアがいつもコミュニケーションを取って、また、人員もシャッフルすることによって新しい技術が生まれようとしております。
これによりまして、単なる後工程、前工程を一貫にするだけじゃなくて、今までになかったような技術を、イノベーションを起こすということが大きなポイントになっておりまして、我々はこれを先陣を切って、この新しい工場、極端に言うと、今後は前工程、後工程ということを区別することさえなくなるんじゃないかということを私自身は考えております。
この発言だけを見る →極めて重要なことだと思います。私どもの大事なビジネスモデルの一つの核を成す形になっておりまして、今まで、やっぱりこのファブレス、ファウンダリー、OSATモデルという、三つ分割して、分業作業で最高のパフォーマンス出すというのが今主流のビジネスモデルであります。ですから、ほとんどの企業は前工程、日本もよく、御存じのように、後工程を海外に出すというような形でやっておりまして、こちらの方は人件費がコストのほとんどを占めておりましたので、そういう時代もあったわけでございます。
ところが、先ほど黒田先生からございましたように、ここが重要な部分になってきたわけです。自動化も進んでおります。そういう形からしまして、私どもは、このスピードを速くする、そういった観点から、このIIM、我々の工場の方に世界で初めて前工程と後工程を一貫で行う、こういうようなシステムを考えたわけであります。
これで一つの大きなメリットがありましたのは、前工程と後工程は実は全然違う分野であって、エンジニアもほとんど交流がないんです。ですから、もうまさに、日本人であっても違う言語でしゃべっているということもよく言われています。我々がこれを一体化することによりまして、前工程のエンジニアと後工程のエンジニアがいつもコミュニケーションを取って、また、人員もシャッフルすることによって新しい技術が生まれようとしております。
これによりまして、単なる後工程、前工程を一貫にするだけじゃなくて、今までになかったような技術を、イノベーションを起こすということが大きなポイントになっておりまして、我々はこれを先陣を切って、この新しい工場、極端に言うと、今後は前工程、後工程ということを区別することさえなくなるんじゃないかということを私自身は考えております。
長
長峯誠#25
○長峯誠君 大変興味深いお話でございました。ありがとうございます。
続きまして、今井参考人にお伺いしたいんですが、先ほどのAIに対する投資額を見ますと、GAFAとの差は余りにも大き過ぎて、これってこれからどんどん開いていく一方なのではないかという気がするんですが、それを例えば国費で賄っていくというのはなかなか難しいんだろうというふうに思っています。そういう中で、どういったことをしていけばいいのかというのをちょっとお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →続きまして、今井参考人にお伺いしたいんですが、先ほどのAIに対する投資額を見ますと、GAFAとの差は余りにも大き過ぎて、これってこれからどんどん開いていく一方なのではないかという気がするんですが、それを例えば国費で賄っていくというのはなかなか難しいんだろうというふうに思っています。そういう中で、どういったことをしていけばいいのかというのをちょっとお伺いしたいと思います。
今
今井翔太#26
○参考人(今井翔太君) 御質問ありがとうございます。
それはおっしゃるとおりでして、実際研究している身としても、GAFAなどのビッグテックとの差は非常に大きいというのを痛感しております。
ただ、これは少し歴史を振り返っていただく必要があるんですけれども、技術というのは、コモディティー化、小型化、オープン化など、サイクルがあります。最初、技術というものが登場したときは大体非常に大きくて、普通の人から見ても、これ何が有り難いのか分からない、使いにくいという、そんな感じになっています。これ昔、インターネットがそうでした。一九〇〇年代の中盤に出てきて、一般家庭に普及していなかったと。これが結局普及するのは一九九〇年代頃ですけれども、ようやくその時期にパーソナルコンピューターというものが一般家庭にも普及して、その時期にようやく、先ほど言ったGAFAという企業群、アマゾンとかグーグルとかの企業がその技術をもってして天下を取ったという状況です。
ですので、技術というのは大体出現したときは誰も扱えない、普及しない。ただ、それが普及期になるとみんな使うようになる。この普及期に何らかその技術を加工して工夫した企業とか、あるいは研究とかが言わば天下を取ると、そういうものが歴史的に見られます。
そして、これは恐らく人工知能も同じです。先ほど私の発表の中で、ディープシークは非常に型落ちの半導体でできる、実は半導体はそんなに必要じゃないかもしれないというお話をしました。これは、つまり言語生成とかの部分に関しては、先ほど申し上げた小型化、オープン化、コモディティー化のサイクルに一部入っているという状況です。この状況で何かアクションをした、すばらしい工夫をした国、研究機関、企業というものは、恐らくそこで覇権を握るということになると思います。
ですので、必ずしも日米とかの差が開いてピークのときに勝負を仕掛けるというのではなくて、このように、日本とかも使えるようになったところでアクションを仕掛けたところが勝つわけですね。
ここで勝つためにはやはり投資が、そもそもそのときにアクションをするための地力が必要です。技術者であったり、あるいは今回、ラピダスの半導体をしっかり作れるかということであったり。ということで、勝負を仕掛けるときは、実はビッグテックと我々の差が恐らく縮まっているときなんですね。そのときに、アクションをするときに必要なのはまさにその国の地力ということですので、今回のようなことは非常にやる価値があるのではないかと私は思います。
この発言だけを見る →それはおっしゃるとおりでして、実際研究している身としても、GAFAなどのビッグテックとの差は非常に大きいというのを痛感しております。
ただ、これは少し歴史を振り返っていただく必要があるんですけれども、技術というのは、コモディティー化、小型化、オープン化など、サイクルがあります。最初、技術というものが登場したときは大体非常に大きくて、普通の人から見ても、これ何が有り難いのか分からない、使いにくいという、そんな感じになっています。これ昔、インターネットがそうでした。一九〇〇年代の中盤に出てきて、一般家庭に普及していなかったと。これが結局普及するのは一九九〇年代頃ですけれども、ようやくその時期にパーソナルコンピューターというものが一般家庭にも普及して、その時期にようやく、先ほど言ったGAFAという企業群、アマゾンとかグーグルとかの企業がその技術をもってして天下を取ったという状況です。
ですので、技術というのは大体出現したときは誰も扱えない、普及しない。ただ、それが普及期になるとみんな使うようになる。この普及期に何らかその技術を加工して工夫した企業とか、あるいは研究とかが言わば天下を取ると、そういうものが歴史的に見られます。
そして、これは恐らく人工知能も同じです。先ほど私の発表の中で、ディープシークは非常に型落ちの半導体でできる、実は半導体はそんなに必要じゃないかもしれないというお話をしました。これは、つまり言語生成とかの部分に関しては、先ほど申し上げた小型化、オープン化、コモディティー化のサイクルに一部入っているという状況です。この状況で何かアクションをした、すばらしい工夫をした国、研究機関、企業というものは、恐らくそこで覇権を握るということになると思います。
ですので、必ずしも日米とかの差が開いてピークのときに勝負を仕掛けるというのではなくて、このように、日本とかも使えるようになったところでアクションを仕掛けたところが勝つわけですね。
ここで勝つためにはやはり投資が、そもそもそのときにアクションをするための地力が必要です。技術者であったり、あるいは今回、ラピダスの半導体をしっかり作れるかということであったり。ということで、勝負を仕掛けるときは、実はビッグテックと我々の差が恐らく縮まっているときなんですね。そのときに、アクションをするときに必要なのはまさにその国の地力ということですので、今回のようなことは非常にやる価値があるのではないかと私は思います。
長
長峯誠#27
○長峯誠君 最後の質問になりますが、今井参考人、そうなったときに、やっぱりAI人材というののボリュームがある程度ないといけないと思うんですね。今、日本の現状がどうなっているのか、そして、これから政策として、国が政策としてやるとしたら何をやっていくべきなのかをお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →今
今井翔太#28
○参考人(今井翔太君) 日本の人材は優秀です。私自身はこれまで一万人ぐらいのAI教育に関わってきましたけれども、皆さん非常に研究できますし、別に私は教育関わっていない、いろんな機関の研究者はもちろん私よりも優秀な人も非常に多くいらっしゃいます。
基本的に研究者は、これは私だけではなくて共通のせりふですけれども、必要なだけのお金を投資すれば、研究者は非常に、私はともかくとして、優秀ですので、お金を与えて、あとは放っておくという言い方はちょっとどうかと思いますけれども、前提となるものさえ与えていただく、あるいは、もう少し踏み込んだ発言をすると、海外、まさに研究の最先端が行われている海外、シリコンバレーとかとの交流を増やす。これは、日本で学会を開くだけの予算が必要とか、そういうお話になると思いますけれども、そういうところをやっていただければ、日本の人材は非常にAIに関して良いものになっていくのではないかなというふうに思います。
この発言だけを見る →基本的に研究者は、これは私だけではなくて共通のせりふですけれども、必要なだけのお金を投資すれば、研究者は非常に、私はともかくとして、優秀ですので、お金を与えて、あとは放っておくという言い方はちょっとどうかと思いますけれども、前提となるものさえ与えていただく、あるいは、もう少し踏み込んだ発言をすると、海外、まさに研究の最先端が行われている海外、シリコンバレーとかとの交流を増やす。これは、日本で学会を開くだけの予算が必要とか、そういうお話になると思いますけれども、そういうところをやっていただければ、日本の人材は非常にAIに関して良いものになっていくのではないかなというふうに思います。
長