財政金融委員会

2025-03-31 参議院 全109発言

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会議録情報#0
令和七年三月三十一日(月曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     熊谷 裕人君     村田 享子君
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
    三原じゅん子君     古庄 玄知君
     村田 享子君     熊谷 裕人君
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     勝部 賢志君     小沼  巧君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         三宅 伸吾君
    理 事
                白坂 亜紀君
                西田 昌司君
                船橋 利実君
                柴  愼一君
                杉  久武君
    委 員
                大家 敏志君
                古庄 玄知君
                櫻井  充君
                野上浩太郎君
                古川 俊治君
                牧野たかお君
                松山 政司君
                宮沢 洋一君
                小沼  巧君
                熊谷 裕人君
                上田  勇君
                横山 信一君
                浅田  均君
                藤巻 健史君
                上田 清司君
                堂込麻紀子君
                小池  晃君
                大野 泰正君
                神谷 宗幣君
   国務大臣
       財務大臣     加藤 勝信君
   副大臣
       財務副大臣    横山 信一君
       農林水産副大臣  滝波 宏文君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       山本佐知子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村田 和彦君
   政府参考人
       外務省大臣官房
       審議官      林   誠君
       財務省関税局長  高村 泰夫君
       農林水産省農産
       局農産政策部長  山口潤一郎君
       経済産業省大臣
       官房審議官    浦田 秀行君
       経済産業省大臣
       官房審議官    田中 一成君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        和久田 肇君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○所得税法等の一部を改正する法律案(閣法第一号)(衆議院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
○関税定率法等の一部を改正する法律案(閣法第六号)(衆議院送付)
    ─────────────
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三宅伸吾#1
○委員長(三宅伸吾君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、三原じゅん子君が委員を辞任され、その補欠として古庄玄知君が選任されました。
 また、本日、勝部賢志君が委員を辞任され、その補欠として小沼巧君が選任されました。
    ─────────────
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三宅伸吾#2
○委員長(三宅伸吾君) 所得税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は既に終局しておりますので、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
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柴愼一#3
○柴愼一君 私は、会派を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案について反対の立場から討論いたします。
 反対する第一の理由は、所得税の年収の壁対策に関わる一連の改正内容です。
 基礎控除に年収に応じた四区分が設けられ、かつ時限措置となるなど、複雑極まる制度となりました。各企業の給与会計実務に携わる方々の事務負担やシステム改修などのコストが増大する観点からも、大きな問題が生じる懸念があります。
 与党修正による年収二百万円を超えるラインを境に新たな壁が生じます。高所得層の減税額が大きくならないようおおむね二万円の減税額とするなら、二万円の定額減税とすればよかっただけです。税制の基本原則である公平、中立、簡素が大きくゆがめられた結果である本改正案を容認することはできません。
 反対する第二の理由は、物価高に苦しむ国民生活に対して税制による支援が不十分な点です。
 三党合意によっていわゆるガソリンの暫定税率を廃止することが決定されているにもかかわらず、今日までの衆参における予算質疑で、委員会質疑でその具体策が示されることは一切ありませんでした。また、石破総理が予算成立後に燃料費高騰対策の検討について触れたとする報道は、委員会での真剣な審議をないがしろにするものであり、厳しく指摘したいと思います。
 反対する第三の理由は、法人課税の見直しが不十分な点です。
 巨額の租税特別措置が、明確な効果が見られないまま惰性で続けられています。賃上げ促進税制に関しては、今次春闘交渉における大手の満額回答が相次ぐ中、価格転嫁が進まず、経営に苦しむ中小企業の賃上げに今こそ実効ある支援策を講じるべきです。
 反対する第四の理由は、規模ありき、四十三兆円の防衛費確保のための税制措置は到底認められないからです。たばこ増税を含め、防衛増税は撤回するべきです。
 政治と金の問題で政治への信頼回復に向けた様々な取組が進められていますが、そのような中、石破首相による十万円の商品券配付問題が発覚し、国民との金銭感覚の大きなギャップが明らかになりました。派閥裏金問題では、裏金を受け取った議員に対して納税を求めない税務当局に対する厳しい批判が沸き起こりました。国民は、一円たりとも徴税逃れ、申告漏れを許されません。このような状況の中で、政府・与党が税制を担い、国民に税の負担をお願いする資格はないと言わざるを得ません。
 以上から、本改正案には明確に反対することを表明し、私の討論とさせていただきます。
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浅田均#4
○浅田均君 日本維新の会、浅田均です。
 私は、会派を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案に賛成の立場から討論いたします。
 改正案の全ての項目に賛同するものではありませんが、以下の理由から賛成いたします。
 まず、消費者物価の上昇率が日銀目標の二%を大きく上回る水準にある今、年収二百万円前後のいわゆる相対的貧困層にとって減税と社会保険料の引下げは不可欠であるところ、百三万円の壁を引き上げるべきという国民の声に応え、いわゆる相対的貧困層を含む納税者に対し総額一・三兆円の減税を実現した点です。
 次に、大学生特定親族特別控除の創設により、アルバイトをしなければ生活できない学生が扶養者に気を遣わず働ける制度となった点です。
 また、ガソリン税の暫定税率撤廃に向け、自民党、公明党、日本維新の会で協議の場が設けられた点です。
 我々日本維新の会は、暫定税率の廃止をマニフェストに掲げ、何度も法案を提出してまいりました。物価高騰の中でのガソリン価格の高止まりは、特に車が必需の家計、物流、地方の暮らしを直撃しています。もちろん、廃止に向けては地方自治体への影響に配慮して関係者と調整するとともに、必要な安定財源の確保などの課題に対しては責任を持って対応していくことが求められています。私たちは迅速に準備を進め、可能な限り早期の暫定税率の廃止を目指してまいります。
 財源を生み出さず、行政改革をせず、赤字国債の発行を財源とすることとなれば物価上昇というしっぺ返しを受けると米国の経済学者らが警告していることを無視してはなりません。二月に交わされた自民、公明、維新の三党による合意文書には、各施策の実現に当たっては、政府全体で徹底した行財政改革を行うことなどにより安定財源を確保すると記載されています。
 財政の健全化に向けた行財政改革の実施と、そのために協議の場が開かれ、政策において切磋琢磨すること、そしてその政策は確実に実施されていくことを前提に、賛成の討論といたします。
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上田清司#5
○上田清司君 国民民主党・新緑風会の上田清司です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案並びに修正案について反対の立場から討論いたします。
 基礎控除は、憲法二十五条の生存権に基づき最低限の生計費には税金を掛けないことから設けられた控除です。衆議院において創設された基礎控除の特例措置は、給与収入二百万円相当以下の方に対して、政府案から基礎控除額三十七万円の上乗せ、また給与収入二百万円相当超八百五十万円相当以下の方については、令和七年、八年限りの措置として給与収入に応じて四段階で基礎控除額を上乗せすることとされています。段階的に上乗せ金額が変わることに加えて、恒久的な措置と時限的な措置が混在しており、見直し後の特例付きの基礎控除ということが大変分かりづらいといった仕組みであり、税の三原則、公平、中立、簡素の点からも大きく逸脱しているものと言わざるを得ず、賛成できません。
 二〇二五年春闘も明るい兆しはあるものの、中小企業の賃上げについては厳しいものがあり、米や野菜を始めとする食料品、電気、ガス、ガソリン代などの高騰により国民の暮らしは厳しさを増しています。そのことはエンゲル係数が四十三年ぶりに二八・三%と高水準になったことからも明らかです。
 今こそ、前回の控除を見直した際の最低賃金から現在までの最低賃金の伸び率を基に、最低課税ラインを百七十八万円まで引き上げることによって手取りを増やし、昨年来の国民の実質所得減をカバーできるものであったことを指摘し、反対討論といたします。
 以上です。
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小池晃#6
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 会派を代表して、所得税法等改正案に対する反対討論を行います。
 反対理由の第一は、大企業や富裕層への優遇税制に切り込んでいないからです。
 この間の法人税減税が賃上げや下請支援に回っていないことを石破総理も認め、深い反省を口にしました。しかし、法人税率の引上げや租税特別措置の見直しはされず、最大の政策減税である研究開発減税にも全くメスが入っていません。証券優遇税制による所得税の一億円の壁も、見直すという約束はほごにされました。大企業や富裕層に対する優遇をそのままにしておいて消費税やインボイスを押し付けるから、多くの国民の中に税制の不公平に対する怒りがマグマのようにたまっているのです。政府は深く受け止め、抜本的に見直すべきです。
 反対理由の第二は、強力な物価高対策が必要だといいながら、最も効果的な対策である消費税の減税に背を向けているからです。
 消費税を五%に減税すれば、二人以上世帯で年間約十二万円の減税となり、所得税や住民税非課税世帯にも、家計を温め、消費を活性化する効果が及びます。消費税減税とインボイスの廃止は、中小零細企業やフリーランスの仕事と暮らしへの力強い応援にもなります。貧困と格差を広げる消費税は直ちに減税し、廃止を目指すべきです。
 なお、本案は所得税の課税最低限を引き上げるものですが、収入階層ごとに基礎控除を四段階とする点は、税制を複雑化させ、公平性の観点からも問題があります。日本の基礎控除は他国を大きく下回る状態にあり、我が党は大幅な引上げを求めてきました。その障害となっているのが、課税最低限は最低生計費とともに公的サービスの費用を広く分かち合う観点から設定するという応益負担に基づく政府の立場です。これを改め、生計費非課税と応能負担の原則に立ち返った抜本的な改革が必要です。
 反対理由の第三は、安保三文書に基づく五年間で四十三兆円もの大軍拡の財源確保のため、防衛特別法人税を新設し、たばこ税増税と合わせ約一兆円の増税を盛り込んでいることです。憲法違反の敵基地攻撃能力を保有し、日米同盟の強化、戦争国家づくりを進める軍拡増税には断固反対します。
 本案には、中小企業の法人税軽減税率の延長など、当然の措置もありますが、以上の理由から反対するものです。
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三宅伸吾#7
○委員長(三宅伸吾君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 所得税法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
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三宅伸吾#8
○委員長(三宅伸吾君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、柴君から発言を求められておりますので、これを許します。柴愼一君。
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柴愼一#9
○柴愼一君 私は、ただいま可決されました所得税法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民・無所属、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派並びに各派に属しない議員大野泰正君及び神谷宗幣君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    所得税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 物価の高騰に賃金が追いつかない状況下、所得格差と資産格差も拡大しており、最低限の生活保障、税負担の公平性確保や再分配機能を強化する観点から所得税の人的控除等や課税の在り方について検討を行い、その結果をもって必要な改革を実行するよう努めること。
 二 「貯蓄から投資へ」の推進が資本逃避による円安を招くことがないよう、民間企業の賃上げや設備投資等を費用対効果にも十分配慮しながら引き続き支援し、国内企業の生産性を向上することによって企業価値を高め、投資資金が国内企業へ十分に供給されるよう努めること。
 三 揮発油税及び地方揮発油税の「当分の間税率」は廃止に向けた検討を速やかに行うとともに、その廃止に当たっては、流通への影響や関係事業者の事務負担等に配慮するとともに、国及び地方公共団体の財政に悪影響を及ぼすことがないよう、安定的な財源を確保するなど必要な措置を講ずるものとすること。
 四 輸出物品販売場における輸出物品の譲渡に係る免税に関する制度については、いわゆるリファンド方式への変更の効果を見極めるとともに、免税とすることの妥当性について検討を行い、その結果に基づきその縮減その他の必要な措置を講ずるよう努めること。
 五 適格請求書等保存方式(インボイス制度)が実施されたことにより、事業者間取引において不当な扱いが生じているといった意見があることを踏まえ、中小・小規模事業者に対する不当な扱いを防止するための取引環境の整備への取組を強化すること。
 六 金融所得課税について、一定以上の高額所得を有する者の実効税率が低位である問題を解決するため、中低所得者層の金融資産形成に配慮しつつ、課税方法の変更も含めた金融所得課税の在り方について検討を進め、その結果に基づき必要な措置を講ずるよう努めること。
 七 物価上昇局面における税負担調整の一環として、食事の現物支給の場合の非課税限度額引上げに向けた検討を行い、その実現に努めること。
 八 災害による担税力の喪失を勘案し、被災者の負担軽減及び実額控除の機会を拡大する観点から、個人の有する住宅、家財等につき災害により損失が生じた場合における控除の在り方について、当該損失を当該個人の所得から人的控除の後に控除することができる、独立した所得控除の制度の創設等の対応を含め必要な検討を行い、その実現に努めること。
 九 奨学金の返済その他の教育に関する経済的負担を軽減するための税制上の施策について検討を行い、その実現に努めること。
 十 各種の企業関係租税特別措置については、企業等の行動変容を促すインセンティブ措置として機能しているか否か等の観点から、政策効果や必要性をよく見極めた上で、一部の企業等に対する過度の優遇にならないよう、各措置の適用実態のより一層の透明化に向け必要な措置を講ずるよう努めること。
 十一 給与等の支給額が増加した場合の所得税額及び法人税額の特別控除に関する制度については、その効果の検証を継続的に行い、その結果や賃金を巡る状況を踏まえ、同制度の廃止を含む見直しについて検討を進め、必要な措置を講ずるよう努めること。
 十二 相続税及び贈与税について、資産に係る格差が拡大し、固定化している現状に鑑み、再分配機能の適切な確保の観点から、税率構造、非課税措置等の見直しについて検討を行い、その結果に基づき必要な措置を講ずるよう努めること。
 十三 税務行政において納税者の権利利益の保護を図り、税務行政に対する国民の信頼醸成や適正を確保するため、納税者権利憲章の策定を含め納税環境整備について検討を行い、その実現に努めること。
 十四 政治資金を巡る問題を踏まえ、税制は国民の理解と信頼の上に成り立っているとの認識の下、国民からの税に対する信頼を損なわないよう、課税上問題があると認められる場合には適時・適切に税務調査を行うなど、適正、公平な課税の実現に努めること。
 十五 高水準で推移する申告件数及び滞納税額、経済取引のデジタル化・グローバル化に伴う調査・徴収事務等の複雑・困難化、新たな経済活動の拡大、インボイス制度の実施への対応、大阪・関西万博開催に伴うインバウンド観光客増大などに対応しての消費税の不正還付事案への厳正な対応など、社会情勢の変化による事務量が増大していることに鑑み、適正かつ公平な賦課及び徴収の実現を図り、国の財政基盤である税の歳入を確保するため、国税職員の定員確保、職務の困難性・特殊性を適正に評価した給与水準の確保など処遇の改善、機構の充実及び職場環境の整備に特段の努力を払い、従来にも増した税務執行体制の強化に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
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三宅伸吾#10
○委員長(三宅伸吾君) ただいま柴君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
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三宅伸吾#11
○委員長(三宅伸吾君) 全会一致と認めます。よって、柴君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、加藤財務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。加藤財務大臣。
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加藤勝信#12
○国務大臣(加藤勝信君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。
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三宅伸吾#13
○委員長(三宅伸吾君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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三宅伸吾#14
○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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三宅伸吾#15
○委員長(三宅伸吾君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 関税定率法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務省関税局長高村泰夫君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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三宅伸吾#16
○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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三宅伸吾#17
○委員長(三宅伸吾君) 関税定率法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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熊谷裕人#18
○熊谷裕人君 立憲民主・社民・無所属の熊谷裕人です。
 関税定率法改正案につきまして質疑をさせていただきたいと思います。
 最初に、特別特恵関税の適用期限の延長について、財務大臣に幾つかお伺いさせていただきたいと思います。
 この税制につきましては、開発途上国の経済発展を我が国が支援をするという観点から、輸入物品に、これらの国からの輸入物品に対して一般の関税率よりも低い税率を適用して特別待遇するというような制度であると承知をしております。
 この税制度が適用されている国々の中ででも特に支援の必要性が高い後発発展途上国、LDC四十四か国に対しては、特別特恵受益国としてより一層の待遇をしているということを承知をしておりますが、今回の法律改正でこれらの国の受ける期間を延長していこうということになっておりまして、そこから卒業した国への特別待遇を一年から三年に延長するということは承知しておりますけれど、これを延長することによって、それら発展途上国と申しましょうか、そのLDCの国が卒業したのになぜこの延長がまだ必要なのか。我が国にとってもこの延長するということで減収になるという状況であろうかというふうに思っておりますので、これらの国内産業への影響なども延長することによって当然出てくると思いますので、これらの点を踏まえて、延長をする改正がなぜ必要なのかという必要性について、まず財務大臣にお伺いしたいと思います。
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加藤勝信#19
○国務大臣(加藤勝信君) 今の委員の御指摘の中にもございましたが、今般の改正については、二〇二三年のWTO理事会決定で、LDC卒業国の持続可能な発展を促す観点から卒業後の円滑な移行のための期間の提供が奨励され、我が国もその考えに賛同しているところであります。また、G7広島サミット等で開発途上国との連帯の重要性を訴えてきた我が国として、諸外国の適用状況を踏まえ、早急に措置することが適当と判断し、今回の措置を提案しているところでございます。
 御指摘の減収については、本措置はLDC諸国に対して新たな関税引下げを行うものではなく、現在適用されている関税の引下げについて、現行卒業国に対しては一年間でありますが、それを更に二年間に限って延長するというもので、影響も短期間に限定されているものであります。また、国内産業への影響についても、LDCからの輸入状況、国内産業との競合性等について関係省庁において分析が行われており、影響は限定的と承知をしているところでございます。
 この措置によりLDC諸国側はLDC卒業後の移行期間もほとんどの品目を無税で我が国に輸出することが可能となり、卒業後の自立期に大きな助けとなる、また、我が国としても、グローバルサウスとの関係がより緊密になるという外交上の効果も考えられるものと認識をしております。
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熊谷裕人#20
○熊谷裕人君 それぞれの国、それぞれの品目について、各省庁が具体的にこれについてはどうかということを検討した上に、この関税の延長、特別待遇を延長するというふうに要望されて、それを財務省の方でしっかりと検討した上で決めているというふうに聞いておりますけれど、党の部門会議でその点どういう理由で明確なものがあるのかどうかというふうにお尋ねしたところ、何となく同じような、全ての項目に同じような言葉が並んでいて、ほとんど中身というか、ほぼ全ての中身が同じようなことで必要だというような記載があったので、本当にそれでいいのかなという議論が党の中でありまして、突っ込んだやり取りということになって、衆議院でもそのようなやり取りがあったというふうに承知をしております。
 我が国として、発展途上にあるLDCの国々、卒業してもまだいろんなことがあって成長を助けていかなきゃいけないということも分かりますけれど、もうちょっと精緻に、後ほどまた質問させていただきますが、精緻な検討というのも必要なのではないのかなというふうに思っております。また後ほどの質問でやらせていただきたいと思います。
 この制度は、長い歴史がある制度だというふうに承知をしております。導入以降十年ごとに五回か、五回延長されてきておりますけれど、このLDCの国々が持続的発展可能な国として卒業後もずっと発展を続けていくという考え方については賛同するものでありますけれど、ヨーロッパの国なんかは、そういった国々に対して、人権だとか環境だとか、こういったところに関して国際条約を批准しているかどうかというようなところも、この特別特恵措置を付与するためにGSPプラスなんという考え方で検討をしているというEUの国々もあります。
 我が国の関税、外国為替等の審議会の議論の中にでも、委員の中からこのようなEUの制度も我が国でも導入するべきではないかというような意見が出ておりますけれど、この国々がLDC卒業した後に世界の国々と価値観の共有だったり公正な貿易体制をつくっていくために、我が国もこのGSPプラスというEUで取り入れているような制度を導入するべきではないかと私も思いますが、財務大臣の所見をお伺いしたいと思います。
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加藤勝信#21
○国務大臣(加藤勝信君) GSPプラス、GSPは一般特恵関税ということでありますが、それにプラスをするということでありますが、この制度は、人権や環境等に関する国際約束を批准、遵守している国について、通常の一般特恵以上の関税率の引下げを行うというものと承知をしております。今回提案をし、先ほど御質問いただきました特別特恵関税の適用期限の延長とは、ちょっと、何といいますかね、フェーズが違うものではございます。
 その上で、昨年の関税・外国為替等審議会関税分科会においては、特別特恵関税制度について御審議をいただいた際、EUにおいて措置されているGSPプラスについての御指摘をいただいたところであります。
 私どもとして、今後、目的にかなう効果的な関税制度の在り方について検討を進める際には、関税分科会における答申において、特恵関税制度全体として開発途上国の成長に一層寄与するとともに、必要とする国に恩恵が行き渡るものとなるよう、諸外国の制度も参考にしつつ、不断の見直しを図ることが必要とされていることも踏まえ、関係省庁等ともそうした方向で考えていきたいというふうに認識をしております。
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熊谷裕人#22
○熊谷裕人君 是非、私自身はやっぱりEUと同じような形で日本もそういった考え方を適用させていくべきだというふうに思っておりますので、その点については今後も検討を続けていただきたいなと思っております。
 続いて、金の密輸に関してちょっと幾つか質問させていただきたいと思います。
 昨年、現場を当委員会で視察をさせていただいたときも、金の密輸がすごく増えているんだと、そして手口もすごく巧妙化をしているというようなことを現場の皆さんからお聞きをしました。金だけではなく、禁止薬物だったり大麻の関係だったりと、いろんなものが密輸をするのに手口が巧妙化をして、本当に大変なんだというような話を聞きました。
 そして、大変なんだなというふうに思っておりましたところ、また、金の密輸は、昨年、今年にかけてまた相当金の価格の高騰ということもありますし、増えているようでございまして、外国人、インバウンドが日本へ押し寄せている中で、こういった金の密輸が、案件が増えていて、摘発案件も、令和六年度は金の密輸の摘発案件だけで四百九十三件で、その前の年に比べると二・三倍になっているというような話だったり、押収量は千二百十八キロで前年比四倍になっているというような報道もございました。金を密輸して消費税の分もうけようなんていうこともありますし、これだけ短期間に金の価格が高騰しているので相当なもうけがあるんじゃないのかなというふうに思っております。
 これに対して、昨年の十一月に金の密輸対策のために臨時の税関長会議を開催したというふうに聞いておりまして、この会議で検討された金密輸対策についての検討の内容、お示しをいただければ、是非お示しをいただければと思っております。よろしくお願いいたします。
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高村泰夫#23
○政府参考人(高村泰夫君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、コロナ禍後の訪日外国人旅行者数の急回復や金価格の高騰等を背景として、足下で金密輸の摘発件数及び押収量が急激に増加しております。二〇二四年の全国の税関における金密輸の摘発件数は四百九十三件で前年比約二・三倍、押収量は約千二百十八キログラムで前年比約四倍となっております。
 このような状況に鑑み、昨年十一月二十八日、臨時の税関長会議を開催し、私から各税関長に対して、旅客や輸入貨物に対してより一層深度ある検査等を実施するよう指示をいたしました。各税関においては、昨年末の年末特別警戒を皮切りに、金の摘発に効果が期待される検査機器の積極的な活用等により厳格な水際取締りを行っております。
 財務省、税関としては、今後とも、金密輸防止のため、水際での取締りに万全を期してまいります。
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熊谷裕人#24
○熊谷裕人君 前回の質問でも、AIの活用、いい方での活用という話もさせていただきました。本当に、現場を見させていただいたときに、こんなやり方で金を隠しているんだなんていうようなことも現場の職員の皆さんから御説明をいただきました。そういったところを、密輸者の挙動なんていうところは多分AIでいろいろと察知ができるようなことになろうかと思いますけれど、最終的には、長年の経験、現場の皆さんの経験、人というところがすごく大切だというふうに思っておりますので、これだけ巧妙化、複雑化する密輸の手口を防いでいくために、やっぱりその現場の皆さんの増員をした方がいいんじゃないかなというふうに私なんかは考えておりますので、是非財務省、増員のところはなかなか難しいのかもしれませんけれど、これだけ外国からのインバウンド増えている中での密輸の手口の巧妙化ということを考えて、職員の皆さん、AIの導入等含めて職員の増員というところも考えていただければなというふうに思っておりますので、これは要望とさせていただきたいというふうに思います。
 続いて、経産大臣がアメリカに行って、鉄鋼、アルミの輸入の一律関税二五%の関係だったり、自動車に対する関税の話だったり、相互関税の話なんてことを三月に訪米をして、してきていただいたと、そして成果を上げて帰ってきていただきたいなというふうに思っておったんですけど、なかなか色よい返事をいただけなかったというふうに聞いております。
 自動車に関しても日本時間の四月三日には二五%の関税が掛けられてしまうというようなことが今報道されておりますし、五月には自動車部品についても二五%やはり掛けられてしまうと、米国以外の生産物品については掛けられてしまうというようなことが言われておりまして、これ、アメリカの会社も、アメリカの自動車メーカーも周辺諸国から部品を輸入したりしておりますので、アメリカ経済自体にもこれは影響が出るのではないかというような報道もありますし、私も幾つかのレポート、見させていただきました。エコノミストのレポートを見させていただきましたけれど、アメリカのGDPも〇・三%ぐらい押し下げてしまうんじゃないかなんていう話もあります。そういった中で大臣行かれて、その後も事務レベルでいろんな折衝が続いているというふうに思っております。
 私は、今回の二五%は第一次トランプ政権のときにあった日米貿易交渉の合意事項の違反だというふうに思っておりますけれど、二国間の交渉事ではありますが、二国間だけではなくて、同じような形で周辺諸国、韓国なんかも同じような状況だと思います。他国との連携を模索をしながら、二国間交渉しながら他国との連携というものを一層図って、この対抗措置をどうするかという結論はまだ出ていないと思いますけれど、その結論へ至っていくべきだというふうに思っておりますが、その点につきまして、経産省は今どのような、二国間交渉とともに他国との連携という点も含めてどのような交渉を行っているか、御答弁できる範囲でお願いしたいと思います。
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田中一成#25
○政府参考人(田中一成君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、トランプ大統領就任後、立て続けに関税措置に関する様々な発表を行ってきております。米国政府には、我が国からこれまで様々なレベルで我が国の懸念を説明しますとともに、我が国がこれらの関税措置の対象となるべきではない旨申し入れてまいりました。
 このような中、現地時間の三月二十七日には、米国ワシントンDCにおいて、松尾経済産業審議官及び赤堀外務審議官が米商務省を始めとする米国政府高官と協議を行いました。協議の詳細については、外交上のやり取りでもございますし、お答えを差し控えさせていただきますけれども、先日の自動車関税に関する発表を受けまして、改めて日本側から米側に対し、今般の措置が日本も対象に含める形で発表されることは極めて遺憾であり、措置の対象から日本を除外するよう強く申入れを行いました。
 引き続き、米国に対して措置の対象からの我が国の除外を強く求めてまいりたいと考えております。
 また、委員御指摘のとおり、米国の他国に対する関税措置、これもございます。その内容やそれを受けた各国の動向も注視しまして、他国とも情報交換、連携を行うなど、必要な対応を行ってまいりたいと考えております。
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熊谷裕人#26
○熊谷裕人君 是非経産省にも頑張っていただきたいなというふうに思いますが、財務省としてもいろいろできることがあるのではないかなというふうに思っておりますので、次の質問に移りたいと思います。
 このトランプ大統領の掲げる経済政策というのは、私は、今言ったようにアメリカの物価も引き上げてしまうのではないのかなというふうに思っておりまして、アメリカの物価がまた高くなってインフレ懸念が高くなってくれば、それに釣られて世界経済、特に我が国の経済にも影響があると思っておりますし、日本の輸出品の動向にもかなりの影響が出てくるんではないかなというふうに思っております。アメリカが物価が高くなれば、今せっかくFRBが利下げに動いて、我が国も金利のある世界、日銀が利上げに動いて、この金利差が為替を少し円高に振っている要因だというふうに私自身は思っておりまして、かねてから過度な円安は是正するべきというふうに私は主張させていただいておりますので、今徐々に、先ほど見たら百四十九円に円水準なっておりました。そこの水準もちょっと円高の方が私自身はいいのかなと思っておりますけれど、そういったところに影響があります。
 こういった為替の影響につきまして、トランプ大統領が就任をしてから財務大臣も、アメリカの新政権でベッセント、アメリカの財務長官と一月二十九日にオンラインでいろいろ意見交換をしたというふうに承知をしておりまして、その後、財務大臣もカウンターパートとは緊密な連携を取るというふうにおっしゃっております。
 まさに、今このアメリカのトランプ大統領の経済政策は、日米の貿易赤字、アメリカの方の貿易赤字が課題であるというところで、こういう関税でそこを解消していこうというような考え方もあるんだというふうに思っておりまして、そこに為替というものもかなり影響してくるんではないかなというふうに思っております。
 一度電話で会談をしていただいたその後、緊密な連携というものが必要だと思っておりまして、為替についてもその日米貿易赤字、お互いの赤字、黒字というところにかなりの影響があるものというふうに思っておりますが、財務当局同士として、どのような姿勢でこれから財務大臣はカウンターパートのベッセント長官と接していくおつもりなのか、その心意気というか考え方をお聞かせいただければと思います。
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加藤勝信#27
○国務大臣(加藤勝信君) まず、為替については、経済、金融全体を見る立場の大臣、要するに財務省の大臣間で意思疎通、緊密に意思疎通を図っていくことが重要ということを考えております。
 為替については、これまで米国との間では、為替レートは市場において決定されること、為替レートの過度な変動や無秩序な動きは経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得ること等についての認識の共有を図ってきたところであります。
 私と、先般、ベッセント財務長官との間の電話会談というんですかね、ビデオ会談においても、両財務大臣間の間で緊密に協議していくことを確認をしたところでございますので、今後、先ほど申し上げた共通の認識に基づいて日米間での意思疎通、これを積極的に図っていきたいと考えています。
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熊谷裕人#28
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 一度やられたとは承知をしているんですけれど、それ以降は、通告はしていませんけれど、電話会談、ビデオ会談等やっておられるのか。それから、顔を合わせてというような会談も必要かなというふうに思っております。予算委員会やっていましたから、財務大臣、アメリカに行くようなことはできませんでしたけれど、これからまさに経済産業省、経産大臣の方も一生懸命やられる、それをサポートするような形で財務大臣も、より緊密というんであれば、何回も何回も話をしてサポートをするということが必要だというふうに思っておりますけれど、その点については、財務大臣として、アメリカに行くなり、またビデオ会談をするなりといったところはどうお考えか、お聞かせいただければと思いますが。
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加藤勝信#29
○国務大臣(加藤勝信君) バイではありませんけれども、先般、G7の財務大臣会合をオンラインでもやらせていただきまして、私どもの立場もそんなところ、そういう中においても申し上げたところでございますし、また、大臣間ではありませんけれども、財務当局の間において、様々なレベルにおいて意思疎通、また意見交換も図らせていただいているところであります。また、バイについて、またいろんなタイミングがございます。これまでの例を言えば、G7、G20の会合等々も定期的にございます。そうしたタイミングなども踏まえながら、先方との意思疎通、よく図っていきたいというふうに考えております。
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