財政金融委員会

2025-05-27 参議院 全104発言

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会議録情報#0
令和七年五月二十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     岩本 剛人君    三原じゅん子君
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     小池  晃君     倉林 明子君
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     倉林 明子君     小池  晃君
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     古川 俊治君     小野田紀美君
     松山 政司君     吉川ゆうみ君
     勝部 賢志君     三上 えり君
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     小野田紀美君     古川 俊治君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         三宅 伸吾君
    理 事
                白坂 亜紀君
                西田 昌司君
                船橋 利実君
                柴  愼一君
                杉  久武君
    委 員
                小野田紀美君
                大家 敏志君
                櫻井  充君
                野上浩太郎君
                古川 俊治君
                牧野たかお君
                宮沢 洋一君
                吉川ゆうみ君
                熊谷 裕人君
                三上 えり君
                上田  勇君
                浅田  均君
                上田 清司君
                堂込麻紀子君
                小池  晃君
                梅村みずほ君
                大野 泰正君
                神谷 宗幣君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        加藤 勝信君
   副大臣
       内閣府副大臣   瀬戸 隆一君
       財務副大臣    斎藤 洋明君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        西野 太亮君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村田 和彦君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       藤野  克君
       警察庁長官官房
       審議官      阿部 文彦君
       金融庁総合政策
       局長       屋敷 利紀君
       金融庁企画市場
       局長       油布 志行君
       金融庁監督局長  伊藤  豊君
       総務省大臣官房
       総括審議官    山碕 良志君
       総務省大臣官房
       審議官      赤阪 晋介君
       法務省大臣官房
       サイバーセキュ
       リティ・情報化
       審議官      中村 功一君
       法務省大臣官房
       審議官      吉田 雅之君
       財務省理財局長  窪田  修君
       財務省国際局長  土谷 晃浩君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件)
 (G7財務大臣・中央銀行総裁会議に関する件)
 (いわき信用組合の不正事案に関する件)
 (金融犯罪への対応に関する件)
 (消費税の減税に関する件)
 (学校法人森友学園に係る文書開示に関する件)
 (郵政民営化に関する件)
○保険業法の一部を改正する法律案(閣法第三七号)(衆議院送付)
    ─────────────
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三宅伸吾#1
○委員長(三宅伸吾君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、岩本剛人君、勝部賢志君、松山政司君及び古川俊治君が委員を辞任され、その補欠として三原じゅん子君、三上えり君、吉川ゆうみ君及び小野田紀美君が選任されました。
    ─────────────
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三宅伸吾#2
○委員長(三宅伸吾君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官藤野克君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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三宅伸吾#3
○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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三宅伸吾#4
○委員長(三宅伸吾君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。
 まず、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。加藤内閣府特命担当大臣。
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加藤勝信#5
○国務大臣(加藤勝信君) 令和六年十二月十三日に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出いたしました。
 報告対象期間は、令和六年四月一日以降令和六年九月三十日までとなっております。
 御審議に先立ちまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、今回の報告対象期間中に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は行われておりません。
 次に、預金保険機構による資金援助のうち、救済金融機関等に対する金銭の贈与は、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十九兆三百十九億円となっております。
 また、預金保険機構による破綻金融機関等からの資産の買取りは、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆五千百九十二億円となっております。
 なお、預金保険機構の政府保証付借入れ等の残高は、令和六年九月三十日現在、各勘定合計で五千九十億円となっております。
 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところであります。
 金融庁といたしましては、今後とも、各金融機関の健全性にも配慮しつつ、金融システムの安定確保に向けて、万全を期してまいる所存でございます。
 御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
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三宅伸吾#6
○委員長(三宅伸吾君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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熊谷裕人#7
○熊谷裕人君 立憲民主・社民・無所属の熊谷裕人です。
 加藤財務大臣に質問させていただきたいと思いますが、最初は、先般行われましたG7財務大臣・中央銀行総裁会議と、それから日米財務大臣会議について幾つか御質問させていただきたいというふうに思います。
 二十日から二十二日まで行われていましたカナダでのG7で、アメリカのこのトランプ関税の措置というものについては明言はされていませんけれど、世界の経済にとっての不確実性が高まっているのではないかと。それから、金融政策についても世界の金融安定化に影響があるのではないかなという認識で一致をして、そして共同声明が取りまとめられたというふうに報道されております。
 財務大臣が御出席をされて、各国の財務大臣と認識を共有をされているんだと思いますけれど、各国がどのような認識でこの共同声明の取りまとめに至ったのか、そして、とりわけこのアメリカの今回のトランプ関税と言われている関税政策については各国はどんなような感想を持っていたのか、これ、詳細は多分言えないと思いますが、財務大臣として、各国はどんなような感じでいたのかということをお示しできる範囲でお示しをいただければと思います。
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加藤勝信#8
○国務大臣(加藤勝信君) まずは、先日のG7財務大臣・中央銀行総裁会議出席に当たりまして、いろいろ御配慮いただきましたことに心から感謝申し上げます。
 同会議においては、世界経済、経済安全保障、ウクライナ支援、金融犯罪対策などについて議論を行いました。
 お尋ねの米国の関税措置については、多くの国から言及がなされたところでございます。中身については言及は差し控えさせていただきますが、その上で、私からは、米国による一連の関税措置がもたらす不確実性を減らしていく必要があり、日本としては関税措置の早期見直しに向け米国との協議を継続していくこと、貿易収支の不均衡の背景には持続不可能な各国のマクロ経済の不均衡があり、こうした問題を解決するために我々が行うべきは各国経済及び国際経済システムの改善に取り組むことであって、関税措置は必ずしも適切な手段ではないことなどを指摘をさせていただきました。
 また、今回発出されました共同声明では、四月にワシントンで開催された会合において、国際機関より、貿易政策と経済政策の不確実性が高く、世界の成長の重荷となっているとの指摘があったことを紹介した上で、G7として、経済政策の不確実性はピーク時から低下したことを認識しつつ、更なる進捗を達成するために協働していくことで一致をしたところでございます。
 このように、G7が結束して世界経済の諸課題の解決に向けて協働していくメッセージを発出できたこと、また足下の経済政策の不確実性についてG7間で共通認識が得られたことは非常に意義深いものと考えているところでございます。
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熊谷裕人#9
○熊谷裕人君 アメリカのトランプ関税は保護主義的な関税だと私も思っておりますけれど、自由貿易体制を守っていくんだという認識で一致したということで理解をさせていただきたいなというふうに思います。
 その後、加藤大臣は二十一日にアメリカのベッセント財務長官との会談を行っております。ベッセント長官との会談はこれで四月に続いて二回目になるというふうに思っておりますが、大臣の方から一方的なその関税措置の見直しをしてくれと強く申し入れたというふうに認識はさせていただいておりますけれど、今回の協議、このベッセント長官との協議でどのような成果が得られたのか、大臣の認識というか感想をお聞かせをいただければと思います。こんなところがしっかりと協議ができたんではないかという点について確認させていただければと思います。
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加藤勝信#10
○国務大臣(加藤勝信君) 五月二十一日にベッセント財務長官との会談を行いました。中では、今委員から御指摘いただきましたように、米国による一連の関税措置は極めて遺憾であり、日米貿易協定との整合性に深刻な懸念があると考えていると述べ、一連の関税措置の見直しを強く申し入れたところでございます。
 為替については、前回も確認をいたしましたが、為替レートは市場において決定されるべきこと、為替レートの過度な変動や無秩序な動きは経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得ることなどについて認識を改めて再確認をいたしました。
 現在進行中の日米の貿易協議に関連しては、これまでの共通認識、今申し上げた点の上に、為替政策の基本的な考え方について議論を更に深めることができたと考えております。生産的な議論を行うことができたことは大変有意義であったと考えております。
 同長官とは、引き続き二国間の諸問題について緊密かつ建設的な協議を続けていきたいと考えているところでございます。
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熊谷裕人#11
○熊谷裕人君 今、大臣の方から為替については基本的なところを確認をさせていただいたというふうに御答弁をいただきましたが、本当に為替の水準については全然話をしなかったのかなというふうに思っておりまして、貿易収支の不均衡を是正をしていくんだというふうに共同声明にも書かれておりますし、日本とアメリカの間での貿易収支は日本の大幅な黒字というようなことで、そこがトランプ関税の標的に私はなっているんだというふうに思っております。ここで日米の貿易収支の改善を求めていくためには、私はやはり為替というものをある程度意識をしていかなければいけないなというふうに思っておりますけれど、急激な是正というものはアメリカも望んでいないようですし、私も、急激な是正をすると日本の経済にも影響があるというふうに思っておりますが。
 最近の報道によりますと、日本は、韓国と台湾も含めてアメリカの為替の慣行に関する監視リストに入っていて、この監視リストに入っている国のうちで、日本でいえば円水準については本当にもう少し高く切り上げるべきじゃないかというようなことも要求が出てくるんではないかなというふうに思っておりまして、本当に、二回、ベッセント長官と財務大臣は協議をされておりますけれど、具体的な水準というものが、御答弁いただけないと思いますが、本当に協議をされなかったのかということに私はちょっと疑念を持っておりまして、二回とも基本的な考え方で一致をしたということではなく、もう少し突っ込んだ話があったんではないかなというふうに思っておりますが、御答弁できる範囲でその点について御答弁いただければと思います。
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加藤勝信#12
○国務大臣(加藤勝信君) 為替については先ほど申し上げた基本認識について再確認をいたしましたが、為替の水準については前回会談と同様、全く議論を行っておりません。為替の水準については議論していないという点については、米国財務省が会談後に発表したプレスリリースにおいても記述をされているところではございます。
 そうした御疑念というか、そういった見方はマスコミ等からもいろいろ我々も聞かれるところでありますけれども、今申し上げたところが全てでございます。
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熊谷裕人#13
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 あったとしても言えないというふうには私も思いますが、私、ずっとこの財政金融委員会で、行き過ぎた円安はやっぱり是正をしなければ物価高は止まらないというふうにずっと質疑でもさせていただいておりました。トランプ関税が世界経済に影響を与えるというようなことで今少し円高水準になってきて、先ほど確認をしましたけど、本日のレート、十時ぐらいのレートは百四十二円三十三銭、一ドルという形でありました。
 私自身はもう少し円高水準でもいいかなというふうに実は個人的には思っておりまして、前々から言っているように、過度な円安は日本の物価にとって余りよろしくない、物価高を招くというふうに思っておりますが、加藤財務大臣としては、この円安というもの、円水準というものが物価にどのように影響していくのかと認識しているか、そこをお尋ねをしたいと思います。
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加藤勝信#14
○国務大臣(加藤勝信君) 委員からあったとしても言えないとお話がありましたが、なかったということでございますので、そこはあえて申し上げさせていただきたいと思います。
 その上で、足下の為替の動向、見通しについては予測を持ってコメントすることは従来から差し控えさせていただいておりますが、為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要と考えております。
 その上で、一般論として申し上げれば、輸出入物価を通じた企業業績への影響などもございますが、為替による物価への影響のみを取り出して申し上げれば、為替水準が円高方向に推移すれば輸入物価を下押しすると考えられることから、結果として国内物価を下押しする方向に作用するということは考えられるところでありますが、ただ、最終的に物価がどうなるかに関しては、マクロ的な需要と供給の関係、企業のインフレに対する予想等々様々な要因によって決まるものと認識しており、一概に最終的な物価動向がどうなるかということまではなかなか言い難いということは御理解いただきたいと思います。
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熊谷裕人#15
○熊谷裕人君 なかなか予想が言い難いということでありましたけれど、私はやはりこれまでの一ドル百七十円だったり百六十円台という円水準というのは行き過ぎていると思っておりまして、その間、ちょうど、原油も一ドル九十ドルとか百ドルとかという時代がありました。今はかなり、あっ、一ドルじゃありませんね、一バレル、一バレル九十ドルとか百ドルとかということもあって日本のガソリン価格が急上昇して、それで補助金なんかも入れているわけでありますけれど、この円水準がやはりもう少し高めにというか、私自身は百四十円前後のところで安定させるのがいいというふうにかねてから言っておりますけど、その辺を目指して、しっかりと金融政策だったり為替政策だったりといったところも実施をしていっていただきたいなというふうに思っております。
 次に、米国債の売却についての発言が五月二日、ゴールデンウイーク中でございましたけれど、テレビの番組で財務大臣からありました。日本は米国債の保有率は世界一であります。これを売るということで、かなりアメリカにとってもそこが売られると困ってしまうということになるので、私はある程度、そこは牽制という意味ではすごく良かったのかなというふうに思っておりますけど、財務大臣、二日後には記者会見で軌道修正をされましたが、この軌道修正をされたのは、アメリカからそこはという話があったのか、それとも大臣としてちょっと言い過ぎたという形で改めて考え方を示したのか、その辺についてお聞かせをいただければと思います。
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加藤勝信#16
○国務大臣(加藤勝信君) まず、五月二日の私の発言は、米国債を安易に売らないことをあえてコメントすることが日米協議の一つの手段になるのかという御質問にお答えをしたものであって、保有する米国債を売却するということに言及したものでは全くございません。
 その上で、五月四日の記者会見でその点を改めて指摘した上で、外為特会が、保有外貨資産については、我が国通貨の安定を実現するために必要な外国為替等の売買等に備え十分な流動性を確保するという目的に基づいて保有、運用しているものであり、今後ともその方針にのっとって適切に対応していくことであり、米国債の売却を日米交渉の手段とすることは全く考えていないと申し上げたところでありますので、五月二日の発言の趣旨を改めて明確化したものであって、この点、趣旨は一貫しているものと認識をしております。
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熊谷裕人#17
○熊谷裕人君 私、先ほども言いましたけれど、ある程度、アメリカ国債、世界一の保有国なんだということを言うこと、必要に応じて売却もあるんだという姿勢を出すことについては、アメリカと交渉の中でも牽制という意味合いはあるんではないかなというふうに思っておりますが、その点は財務大臣はどのように、その牽制ということについての意味合いというものをもし、御答弁いただけないかもしれませんが、御発言をいただければと思います。
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加藤勝信#18
○国務大臣(加藤勝信君) 牽制というか、本件ということではなくて一般論として言えば、やっぱり交渉である以上、我々が交渉上使えるカードというのは全部持ってというのは、これは従前から総理がおっしゃっているところでございます。
 ただ、今申し上げた我が国の有する、外為特会で有する外貨資産についての考え方は先ほど申し上げたことに尽きるというふうに考えています。
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熊谷裕人#19
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 次に、アメリカの米国債が、長期信用格付が民間の格付会社から引き下げられたという報道がありました。アメリカの国債というのは優良な格付でありましたので、安全資産とされておったと思います。
 今回の格下げに、一ランク格下げになって国際金融市場にかなりの影響があるのかなというふうに思っておりましたし、実際、報道によりますとかなりの衝撃があったというふうに言われております。
 今言ったように、世界一の米国債保有国である日本、この格下げの影響というものをどのように受け止めるか、お尋ねしたいと思います。
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加藤勝信#20
○国務大臣(加藤勝信君) 十六日に、ムーディーズ社が米国の長期債格付を最上位のトリプルAから一段低いダブルA1に引き下げたことは承知をしておりますが、民間格付会社による他国の国債の格付について政府としてのコメントは差し控えさせていただいております。
 その上で、米国政府からは、ベッセント財務長官が、米国の財政状況については既に市場に反映されていること、米国政府は歳出削減と経済成長による歳入増の両面に取り組んでいくことといった発言をされていると承知をしております。
 今後とも、米国の政策、経済、物価、金融情勢の動向、また、それらが世界経済、日本経済に与える影響、これらについてはしっかり注意していきたいと考えています。
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熊谷裕人#21
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 引き続き戦略的に取組を進めていただきたいなというふうに思います。
 次は、総理の発言についての受け止めを財務大臣にもちょっとお尋ねをしたいと思います。
 石破総理、五月十九日の参議院の予算委員会で、我が国の財政状況は間違いなく極めてよろしくないと、ギリシャよりもよろしくないという状況でございますというふうに答弁をされております。
 恐らく、債務残高のGDP比較を、単純にそこを見て発言をされたのかなというふうに思っておりますけれど、日本とギリシャではその経済状況や政治状況というのは全く違う状況でもありますし、財務状況も、そういった中で比較できるようなものは私は適当ではないというふうに思っておりますが、その点については財務大臣は認識どのようにお持ちなのか、お尋ねしたいと思います。
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加藤勝信#22
○国務大臣(加藤勝信君) まず申し上げなきゃいけないのは、我が国、厳しい財政状況にあることはそのとおりではありますけれども、毎月の国債発行について、安定的な消化について支障が生じているわけでもなく、現在、計画を踏まえながら国債発行を進めているというのが現状でございます。
 その上で、他国とどう財政状況を比較するかということでございますけれども、様々な指標から多角的に評価する必要があると思いますが、先日の発言は、債務残高対GDP比がギリシャを含め他国と比べて高い水準にあるということを念頭に置いて日本の財政が厳しい状況にあることを言及したものと承知をしております。
 日本の財政が厳しいという状況についての認識、これは私と全く同じものと承知をしております。
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熊谷裕人#23
○熊谷裕人君 私も日本の財政状況というのは厳しい状況が続いているというふうに認識をさせていただいておりますけれど、私は、総理のこのギリシャよりもよろしくないという発言は、本当に不適切な発言で、失言ではないかなというふうに私自身は思っております。
 この発言が基に長期金利が上がったり、これを誘発したりすると、今でも悪い日本の財政状況にかなりな悪影響があるんではないかなというふうに思っておりますが、その点については財務大臣として認識どうお持ちなのか、お尋ねしたいと思います。
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加藤勝信#24
○国務大臣(加藤勝信君) 国債の金利ということについて申し上げれば、国内の経済・物価情勢、金融政策の動向に加え、財政状況、国債の需給、海外も含めた金融市場の動向など、様々な要因を背景に市場において決まるものでございますので、その動向について政府として逐一コメントするのは差し控えているところでございます。
 石破総理の発言は、先ほど申し上げましたように、債務残高対GDP比をもって日本の財政が厳しい状況にあることについて言及されたものと承知をしております。財政規律の重要性を議論する中で発言されたもので、この答弁が我が国の財政状況の悪化を加速させる等といったことにはつながらないのではないかと考えているところでございます。
 いずれにしても、大事なことは財政への信認を維持していくということでございます。引き続き、経済あって財政の考え方の下で、潜在成長率の引上げに重点を置いた政策運営を行うとともに、歳出歳入両面の改革を継続することで力強く経済再生を進め、財政健全化を実現し、経済再生と財政健全化の両立を図っていく。これらを通じて市場からの信認を引き続き受けていけるように努力をしていきたいというふうに考えております。
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熊谷裕人#25
○熊谷裕人君 そうですね、総理の発言というのは、IMFの債務残高のGDP比、日本は二五〇%だという数字が出ていて、ギリシャは一二五%、だから、ギリシャの倍あるから財政状況はそれだけ厳しいんだという数字に基づいて言われたんだと思いますけれど、安易にこの数字だけ言うということで、かなりな影響というものが市場にも出ているということは、より一層、その悪い方向への流れを加速をしてしまうんではないかなというふうに懸念をしておりまして、もう一度この点についてはきちんとした説明が必要なのではないかなというふうに思っておりますので、どこかでお考えをいただければ有り難いなというふうに思っております。
 長期金利の急騰の影響というのもここのところございます。五月の二十一日に、日銀は、機関投資家を対象にして債券市場参加者の会合を開いております。報道によれば、その会合に参加をした大手の生命保険会社さんや年金投資家さんの方から、最近の超長金利債の利回りの上昇、急上昇過ぎるということで懸念が示されているようでございます。
 その点については、超長期の金利の急騰にどのように財務省として、大臣として御対応していくつもりなのか、その認識についてお尋ねをしたいと思います。
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加藤勝信#26
○国務大臣(加藤勝信君) 国債の金利については先ほど申し上げましたので、その動向等については政府として逐一コメントすることは差し控えたいと思いますが、その上で、足下において超長期金利が他の年限に比して大きく上昇する動きが見られております。
 その背景については、現下の金融環境における投資家の動向、また我が国の財政を取り巻く状況などを反映しているのではないかといった市場関係者からの見方があることは承知をしております。また、債券市場参加者会合において超長期の上昇に関する意見があったことも承知をしております。
 政府としては、超長期債市場を含めた市場の動向をよく注視し、市場参加者や投資家との丁寧な対話を行いながら適切な国債管理政策に取り組んでいきたいと考えております。
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熊谷裕人#27
○熊谷裕人君 その点についてはまた別の機会にもう少し深掘りをさせていただきたいなというふうに思っておりますけれど、日銀がやはり国債の買う分量というか、国債を買うことについて手控えをしている、そうしたら誰が国債を買っていくのかということになろうかと思います。
 これまで買っていた生命保険会社、中期の国債だったりというところもなかなか最近は手を出さないような状況になっておりますし、この超長期のものについては、日本の将来の経済状況、財務状況というのも見通せない中で、なかなか買手がいないということになっているんではないかなというふうに思っております。
 金利というところだけ見れば、預けておけばということも考えられますが、これ次回に質問させていただく予定にしておりますけれど、国債の買手というところをどう考えていくかというところにつながってくるものというふうに思っておりますので、またそれは次回に議論させていただければなというふうに思っております。
 最後の質問になろうかと思います。新しい資本主義実現会議で示された実質賃金を一%増やすんだということについてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 実質賃金については三年連続マイナスの状況が続いているという状況でもありますし、ここ最近の実質賃金も、昨年の秋から暮れにかけてほんのちょっとはプラスに転じましたけれど、マイナスが続いている状況でございます。それだけ賃上げをしてもそれを上回る物価高が進行しているんだというふうに私は思っておりますので、その物価高を止めるために、私は円安を是正をしていかなければいけないというふうにずっと言わせていただいております。
 この政府の目標、五年間で実質賃金一%増の賃上げノルムを実現をさせていくんだというふうに言っておりますけれど、この点について、大手さんは五%を超える賃上げが実現されたというふうに報道がありましたが、中小の賃上げはまだ四%台というようなことでもありました。ここのトランプ関税の影響もあって、今年の今の現状からいうと、中小企業の賃上げというものは息切れをしているというふうに私は思っております。
 その目標を達成をしていくために一%増、プラスの実質賃金を目指すということであれば、余計物価をしっかりと抑え込んでいかなければいけないというふうに私は思っておりますが、その点について、物価高の抑制をどのように取り組んで、そして賃上げについて、目標達成のために財務大臣としてどのように取り組んでいくのか、その取組についてお尋ねをしたいと思います。
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加藤勝信#28
○国務大臣(加藤勝信君) 御指摘のありました、先日開催された新しい資本主義実現会議で、石破総理から、二〇二九年度までの五年間で、実質賃金で一%程度の上昇を賃上げの新たな水準であるとの社会的通念の規範として定着させるため、賃金向上推進五か年計画を取りまとめ、中小企業の経営変革の後押しと賃上げ環境の整備に政策資源を総動員するとの方針が示されたところでございます。
 その上で、足下では、中小企業の成長を促す観点から、税制面では、令和七年度税制改正において、成長意欲の高い中小企業の設備投資を後押しをするため、中小企業経営強化税制の延長、拡充等の措置を講じたほか、価格転嫁の円滑化の推進や中小企業の省力化、デジタル化投資の促進、中堅・中小企業の経営基盤の強化、成長の支援などに取り組んでいるところでございます。
 引き続き、あらゆる施策を総動員し、中小企業の稼ぐ力を向上させ、そして賃上げが力強く進んでいくよう後押しをしていきたいと考えておりますし、現下、今年の春闘についても、これから更に中小企業、地方においても妥結がだんだん進むということだと思います。流れとしてはいい流れが出ていると思います。その辺はしっかり注視していきたいと考えております。
 その上で、物価高については、令和六年度補正予算や令和七年度予算、税制改正に盛り込んだ一人二万円から四万円の所得税減税や世帯当たり三万円の低所得者世帯向けの給付金に加え、ガソリン価格の定額引下げや電気・ガス料金支援といった施策を随時追加しております。
 こうした政策を総動員し、家計や事業活動に与える影響に細心の注意を払いつつ、物価対策に取り組んでまいりたいと考えております。
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熊谷裕人#29
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 本当に政策総動員をして実質賃金プラスを目指していただきたいと思いますし、そのようになるように我々も応援をしていきたいなというふうに思っておりますが、今、財務大臣の方から御答弁の中に価格転嫁というお話がありました。中小企業、特に下請さんのところは価格転嫁ができなくて、なかなかそこのコストを吸収できない、だから賃上げはできないというような状況もありますので、ここは所管ではないと思いますが、価格転嫁については、しっかり財務省、財務大臣としても、経産省だったり、公取だったりというところと連携をして、価格転嫁がスムースに進むようにしっかりとお取組をしていただきたいなというふうに思っております。
 時間ちょっと残りますけれど、私の質問はこれにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
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