文教委員会

1981-10-23 衆議院 全272発言

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会議録情報#0
昭和五十六年十月二十三日(金曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 三ツ林弥太郎君
   理事 谷川 和穗君 理事 中村喜四郎君
   理事 森  喜朗君 理事 嶋崎  譲君
   理事 馬場  昇君 理事 有島 重武君
   理事 和田 耕作君
      臼井日出男君    浦野 烋興君
      狩野 明男君    久保田円次君
      高村 正彦君    近藤 鉄雄君
      西岡 武夫君    船田  元君
      宮下 創平君    木島喜兵衞君
      長谷川正三君    鍛冶  清君
      栗田  翠君    山原健二郎君
      河野 洋平君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 田中 龍夫君
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)      中山 太郎君
 出席政府委員
        総理府総務副長
        官       佐藤 信二君
        日本学術会議事
        務局長     大濱 忠志君
        文部政務次官  石橋 一弥君
        文部大臣官房長 鈴木  勲君
        文部省初等中等
        教育局長    三角 哲生君
        文部省大学局長 宮地 貫一君
        文部省学術国際
        局長      松浦泰次郎君
        文部省社会教育
        局長      別府  哲君
        文部省体育局長 高石 邦男君
        文部省管理局長 柳川 覺治君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局保
        安部少年課長  石瀬  博君
        行政管理庁行政
        管理局管理官  山下 正秀君
        行政管理庁行政
        監察局監察官  塩路 耕次君
        外務大臣官房外
        務参事官    渡辺 泰造君
        大蔵省主計局主
        計官      浜本 英輔君
        国税庁間税部酒
        税課長     岩瀬多喜造君
        文部大臣官房人
        事課長     齋藤 尚夫君
        日本専売公社営
        業本部部長   小畑  弘君
        参  考  人
        (日本育英会会
        長)      小林 行雄君
        文教委員会調査
        室長      中嶋 米夫君
    ―――――――――――――
十月二十日
 私学助成の増額に関する請願(横山利秋君紹
 介)(第六号)
 同外一件(横山利秋君紹介)(第一五号)
 同(和田耕作君紹介)(第二八号)
 教科書の改定に関する請願外一件(新村勝雄君
 紹介)(第四二号)
 私学に対する公費助成の増額等に関する請願(
 田中伊三次君紹介)(第一一五号)
同月二十二日
 私学助成の増額に関する請願外三件(石田幸四
 郎君紹介)(第二〇一号)
 私学に対する公費助成の増額等に関する請願(
 嶋崎譲君紹介)(第二四二号)
は本委員会に付託された。
十月二十日
 私立幼稚園就園奨励費の補助率改定に関する陳
 情書
 (第三一号)
 校内暴力の防止に関する陳情書
 (第三二号)
 高等学校建設に対する国庫補助制度の整備拡充
 に関する陳情書
 (第三三号)
 文教施設の整備促進等に関する陳情書
 (第三四号)
 公立文教施設整備補助事業等に関する陳情書
 (第三五号)
 小学校学習指導要領における森林・林業教育の
 復活に関する陳情書
 (第三六号)
 小、中、高校及び障害児学校の早期改善に関す
 る陳情書
 (第三七号)
 義務教育施設等の整備充実に関する陳情書
 (第三八号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 文教行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
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三ツ林弥太郎#1
○三ツ林委員長 これより会議を開きます。
 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 すなわち、本件調査のため、本日、日本育英会会長小林行雄君に参考人として御出席を願い、御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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三ツ林弥太郎#2
○三ツ林委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、参考人からの御意見は質疑応答の形式でお聞きすることにいたしたいと存じますので、さよう御了承願います。
    —————————————
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三ツ林弥太郎#3
○三ツ林委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。嶋崎譲君。
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嶋崎譲#4
○嶋崎委員 今国会は、行革法案の関係が一括審議の形をとっておるために、多くの問題についてまだ審議をする機会を失っている委員が多いと思いますが、私もその一人でありまして、本来ならば文教委員会に総務長官など御出席願うような御無礼なことはないのが常識とは存じますが、ただ、今国会の法案審議が限られた枠の中で行われておりますだけに、学術国際局とも関係があり、文部大臣の直接所管ではございませんが、学術体制の問題と関係があるだけに、この文教委員会で最初に長官に時間をおとりいただきまして、三十分だけ学術会議の最近の諸問題と今後の対応などについて質問をさしていただきたいと思います。
 今年の五月ごろからだと思いますが、国際学術会議に出席する出席者の資格問題について学術会議の事務局の方から一つの動きが始まりまして、その後日本学術会議の改革をめぐっていろいろな動きがあったことは、新聞報道で伝えられているとおりでございます。その後、中山総務長官と学術会議会長との間に調整工作が行われたようでありましたが、まだ多くの問題を残したままになっているように思います。十月九日の閣議で正式にこの問題がいろいろ議論されたやに報道されておりますが、十月九日の閣議で、田中文部大臣が中山総務長官に、学術会議改革問題についての経過について報告を求めて、その上で中山長官から説明あり、また各大臣からのいろいろな意見があった末、その日の閣議では、新聞の報道によれば、臨時行政調査会に検討を依頼し、その結果を待って政府として対応を考えることが適切だというふうに総理は議論を締めくくられて、去る五日の参議院の予算委員会で中曽根行管長官が、行革には聖域がないという発言をされたことなどとも関連づけまして、臨調に学術会議の改革をゆだねることになったと新聞では報道されております。この十月九日の閣議、いまのような経過と理解してよろしいでしょうか。
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中山太郎#5
○中山国務大臣 おおよそそのとおりでございます。
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嶋崎譲#6
○嶋崎委員 それに続きまして、このような閣議での方向に対して臨調側は、この問題が議題に上ったことはないし、つまり、学術会議の改革問題を臨調の対象にするというようなことは議題に上ったことはないし、どういういきさつかわからない、調査会で話題に上るのは、いまの時点ではわからないというような反応などもこれあり、十月十三日の閣議で改めてまた議論が行われたと報道されております。その十三日の閣議の結果、決定ではございませんが、閣議の中で総理府に学術問題の諮問委員会を設けるということを中山総務長官が御発言になり、同時に、中曽根行政管理庁長官が特別行政監察を学術会議にやることを指示したと述べて、その行政監察の結果を見た上で臨調にお願いするかどうか検討したい、こういうふうに十三日の閣議の内容が報道されておりますが、こう理解してよろしいでしょうか。
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中山太郎#7
○中山国務大臣 少し内容と報道とは私は違うと思います。それは藤尾労働大臣の御発言で、いろいろと議論が出ておる、しかし、いろいろな、たとえば臨調における調査も当然のことであろうと思うけれども、総理府自身に研究会か懇談会をつくったらどうか、つくるべきであるというふうな御発言がございまして、私は、その日の閣議では貴重な御意見として総理府で検討いたすというふうに申し上げてまいったわけであります。また、中曽根行管長官は、特別行政監察を行う、こういうことをはっきりと明言をされたと記憶をしております。
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嶋崎譲#8
○嶋崎委員 そうしますと、学術会議の改革問題について総理府に、新聞では諮問機関のような名前でしたが、懇談会というものを設けるという意見があっただけで、懇談会を今後設けるということをまだ長官としては方向づけていらっしゃらないわけですか。
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中山太郎#9
○中山国務大臣 先生も御案内のように、学術会議は過去十数年、数年という言葉はどうか知りませんが、八期からですから、一期三年としていま十二期ですから四期、恐らく十年以上学術会議の中に改革委員会をつくって改革をすべきであるという論議がやられてきたのですが、結論が出ないのです。いつも選挙間際になったら話が消えていく、こういう経過をたどってきて、一年間に七億数千万の国民の税金を使っている。私に、今年は、来年度の概算要求八億よこせということの御意見がすでに来ておりまして、大蔵に話をしておりますが、その中身が、しっかりと国民にこたえられるような、法律に明文化された理想と現実をちゃんと踏まえているか、そういうことを所管の大臣としては当然国民に対する責任上考えるべき筋合いのものであろうと思っておりますし、先般の労働大臣の提言を受けて、総理府の中にも懇談会を設置して、その学術会議の型にこだわらずに、日本の最高級に近い学者の先生方からこれがいかなるものか、どういう学術の組織が最もこれからの日本に必要なのかという御論議をいただくことはきわめて必要なことであろう、私は、そのような考え方を固めて、目下その方向に向かって作業を進めている段階でございます。
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嶋崎譲#10
○嶋崎委員 行政管理庁の監察局来ていますね。——中曽根長官からこの学術会議の問題について特別行政監察、特別というのはいつもつく名前の監察なのですか。特別監察と言っている意味はどういう意味ですか。
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塩路耕次#11
○塩路説明員 お答え申し上げます。
 長官は、特別監察という用語を用いられましたが、事務的に特に特別監察という用語があるわけではございません。恐らく私の個人的な推測でございますが、本件に関して特に監察を実施いたすというような意味合いかな、実はこれは私自身の憶測でございまして、特別の用語が事務的にあるということではございません。通常の行政監察のパターンでございます。
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嶋崎譲#12
○嶋崎委員 この学術団体並びに大学行政などに対する行政管理庁の監察というのは、普通の行政組織の運営などに関する査察と違う特殊性を持っておりますから、その点の配慮などについてはまた後で長官のいない段階で質問させていただきたいと思います。
 そういういままでの、十三日の閣議決定で一応の方向のような、対策のようなものが出つつあるわけでありますが、この問題の発端を見てみますと、昨日学術会議の総会で、中山総務長官と会ってこじれている両者の関係を今後修復する方針であるというようなことを新聞は報道しております。学術会議がどのような声明を出し、どういうふうにしたかは私、まだ聞き及んでおりませんが、いままでの報道で伝えられた対立が一定の方向に向かって動き出し始めているという認識になるのだろうと思います。
 そこで、先ほどのことで、この問題が出ましたきっかけについて長官に二、三お聞きしたいと思います。
 この学術会議改革提案の動きの一つのきっかけに、中山長官のいろいろな御発言が関係していると思います。これも報道によりますと、一つは、日本の学術会議という学術的な機関が国際的評価が低いということをスウェーデンの科学アカデミーやロンドンの王立協会などの御訪問でお聞きになったことを素材にして御発言なさっておりますが、その発言は真実でしょうか。
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中山太郎#13
○中山国務大臣 昨年私が総務長官に就任をいたしました直後でございましたが、ちょうど概算要求の時期でございまして、学術会議の事務局長から、また伏見学術会議会長から、学術会議の予算をもっとふやしてくれ、こういうふうな御要望が公式に参りまして、その中に国際交流のための金をふやしてほしい、こういうふうな要望書が文書で参ったわけでございます。それで、予算審査の最中に学術会議の事務局長を呼びまして、この海外出張の実態はどうなっておるか、予算は本当に足らないのかという質問を私はいたしたわけであります。
 すでに新聞等で報道されておりますように、学術会議の海外派遣は、最近は会員が二〇%、臨時いわゆる研究連絡委員が三〇%、一般の有権者の中から五〇%近く海外に出している。それも国民の税金で行っているということでございます。(嶋崎委員「簡潔に頼みます」と呼ぶ)しかし、事実を申し上げないとわからないですから……(嶋崎委員「私はみんな知っております」と呼ぶ)それで問題は、スウェーデンの科学アカデミーにも参りまして、ちょうど学術会議の調査課長を連れてまいったわけでありますが、学術会議の調査課長ということを紹介しようとしても、学術会議とは一体何かということを両所で尋ねられるほど学術会議の認識はされていない、こういうことが事実でございます。
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嶋崎譲#14
○嶋崎委員 いまの御発言で二つの点をおっしゃられました。一つは、国際的評価に関連してスウェーデンの科学アカデミーの例を挙げられましたが、スウェーデンの場合でもどなたにお会いになったのかわかりませんが、学術会議とスウェーデンの科学アカデミー、ロンドン王立協会の学術代表団と学術会議との交流、それからドイツの場合は、ボンにかつていらっしゃった有名な歴史家の松田智雄さんが学術会議の窓口になっていることは御承知のとおりであります。したがいまして、長官がお会いになった方はどなたであったかは知りませんが、学術会議の機関としては、今日までかなり組織的な国際交流が行われております。その点、御存じですか。
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中山太郎#15
○中山国務大臣 交流は確かに行われておりますけれども、五〇%近い人が学術会議の研究委員の臨時委員ということで国際会議に出ていきまして、そうして、そこで学術会議から来たということを発言されているかどうか知りませんけれども、帰ってこられると、臨時委員ですから、おやめになって学術会議と全然関係がなくなる、ただの有権者になる、これが事実でございます。
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嶋崎譲#16
○嶋崎委員 時間も余りありませんから事実だけ申し上げておきます。
 ロンドン王立協会の学術代表団が日本に来て学術会議との連日にわたるセミナーか行われております。そのロンドン王立協会の学術代表団は、協会の副会長、外務担当のオックスフォード大学の教授、そういう一連のデービッド賞などをもらった教授などがわが国にあらわれて、学術会議との間に学士院会員とともどもこういう学術的な交流のシンポジウムが行われております。
 したがいまして、ここで、たとえばスウェーデンの科学アカデミー、ロンドン、どこかでは西ドイツもお挙げになっているように報道では伝えられておりますが、学術会議側の資料やいままでの月報を読んでみますと、かなり密接な交流がありますだけに、長官のその判断にはそういう材料も踏まえて今後慎重な御発言を願いたいというのが私の希望でございます。
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中山太郎#17
○中山国務大臣 ちょっと一音だけ事実を申し上げておきます。
 日本学士院との会議が開かれておりまして、学術会議ではございません、いま先生の御指摘のは。(嶋崎委員「共催なんですか」と呼ぶ)学術会議が表敬訪問を受けただけでございます。
 私は、ロンドンの王立協会のハックスレー会長以下幹部全員と会いましたけれども、その節は、学術振興会はよく知っている、これは活発にやっている、しかし、日本学術会議は知らない、これは公式会議での意見でございます。
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嶋崎譲#18
○嶋崎委員 もう一つデータですが、それならば学術会議の方で、長官が挙げられている中に、会員以外の出張問題というのは御承知のように数字もはっきり出ております。実際に会員以外の参加者が四二%、それで委員と会員の出席がそれぞれ二二%、三四%ぐらいですから、非常にたくさんの会員以外の方が国際学術会議の交流に臨んでおられます。これにはこれなりの一定の根拠がありますが、この交流に関連して、四十三の学術団体の分担金を負担しているところに出席をしていないということから、学術会議の活動か怠けているというような御発言がありましたが、その事実はその後確かめられましたか。
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中山太郎#19
○中山国務大臣 確かめました。当初七と私が申し上げたのは、事務局の報告ミスでございまして、それはその中に日本における国際会議が開かれておった、だから、国際旅費を出していない、ただし、三つの団体の中では十年近く会費をかげながらだれも代表を派遣していないという事実は確かにございます。
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嶋崎譲#20
○嶋崎委員 その中にも、正確には一つだと私の調査では思います。これは参加するかどうかいま検討中の国際法律家関係のものでございます。ですから、これには送っていない理由はそれなりの根拠があるようでありますが、それ以外のものについては、わが国で行われていたとかそういう意味で欠けていた点があると思います。したがって、この表を最初に七つというふうに事務局が報告したのは、学術会議の事務局長が報告されたのですか。
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大濱忠志#21
○大濱政府委員 事実関係でございますので、答弁させていただきます。
 当初、私どもの方でつくったいきさつと申しますのは、昨年社会党の先生から学術会議の海外代表派遣の問題についていろいろ御注意をいただきましたので、そういう認識の上に立って私どもの方も、かねがねから事務局といたしましても、この際に直すべきものは直すべきじゃないかということで一応三点、先生御存じかもわかりませんけれども、会議体の方へわれわれの意見として申し上げたわけです。その中の一つに、せっかく国際学術団体に分担金を払って加入しておきながら五年間、中には十年以上もございますけれども、かなりあるというようなこともありましたので、われわれ一応調べてみましたところ、いま先生御指摘のような数で、必ずしも正確でなかったという点もございます。しかし、中には年間約百六十万円の分担金を払いながらも全然対応をしていないとか、あるいはほとんど交流かないとかそういうものもあることは事実でございますので、私どもは、その数を、もちろん数を間違えたことについては、内部の委員会あるいは総会等でも御報告申し上げ、訂正申し上げて了解をいただいておりますが、問題は、数というより、むしろ私どもが申し上げたいのは、この趣旨でございまして、貴重な学術会議の予算の中でできるだけ効率的に予算をお使いいただければどうだろうかということの事務局としての意見と申しますか、そういうものを申し上げたわけでございます。
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嶋崎譲#22
○嶋崎委員 学術会議の事務局長は総理府から派遣されておりますから、学術団体の性格、学術団体の取り扱いなどについて少しぎしつきがあるような気がいたします。この最初の五月の段階に、会員でない人間の出張問題についての提案が事務局から出てきておることが一つのきっかけである経過から見ても気になるわけであります。いまの場合でもこの四十三の団体の中で、確かにミスであったというふうに言ってしまえばそれだけですけれども、最初九つと言い、そのうちに七つと言い、そのうちに三つになっていくようなことが問題になるような報告を長官にするような扱い方は、それ自体大変問題だということだけを注意しておきたいと思います。
 そこで、長官にお聞きしますが、この学術会議が国際学術団体に派遣することについての派遣の基準についての申し合わせがあることは御存じですね。
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中山太郎#23
○中山国務大臣 存じております。
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嶋崎譲#24
○嶋崎委員 この代表派遣の申し合わせといいますか、基準案などによりますと、こういう考え方だと思うのです、簡単に言ってしまって。学術会議の会員ないし委員以外の方で学術会議でないメンバーの方がいらっしゃる。たとえば湯川秀樹さんだってそうだったかもしれません。それからまた、他の学術団体の会長、副会長というような地位について、会員でないというような場合もあり得ると思います。また同時に、若い研究者でまだ学術会員ではないけれども、わが国のある学術的問題に関してすぐれた業績や研究という方向性を持っている人もいるでしょう。そういうところから学術会議の学術代表派遣の基準というのは、何も個人が行って学会で発表するということじゃなくて、学術会議の運営に必要な、ないしは学術会議の今後のあり方に必要な問題として、それに適任の人間を送るという判断に基づいて、その会員以外の人間について派遣が行われております。
 したがいまして、割合が四割超しているのがいいかどうかということについては、おっしゃるような問題点もあろうと思います。これは長官と学術会議の伏見さんとの間でもそういう一応の話し合いがあったように聞き及んでおりますから、内部的にももし問題が幾つかあるとすれば今後の改革すべき課題だと思いますが、会員でなければ学術交流団体に派遣できないという形で、出かけようとしているのをチェックするということになりますと、学術会議の独立性とその持っている学術団体としての特殊性から見て、少し行き過ぎていたのではないかと判断をするわけであります。
 したがいまして、こういう問題を処理するに当たっても、いまのような学術会議の性格というものを御判断の上対処していただきたいということを申し上げておくわけでありますが、その点については、いまの段階ではどういうふうに長官は御判断をなさっておられますか。
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中山太郎#25
○中山国務大臣 私も、昔学者の端くれでございましたし、先生も大学で教えていらした。りっぱな湯川博士のような方は、当然、往復旅費つきで招聘されて皆行っているわけですね。それから各学会の権威のある学者は、大体外国の国際学会の大会には旅費つきで招聘されています。これはもう先生御案内のとおりです。
 その他どうしてもその組織から行こうという人が会の会費で行く。去年私が指摘しましたのは、国会議員でも国民の税金を使って海外視察に行った場合には、報告書を出すのが当然だ、ところが学術会議の先生方は、海外視察に行くか会議に行っても報告書を出さない人がたくさんいる、それは国民にとっても悲しむべきことだ、そこらもきっしりしないと、私は、国民の税金を大蔵省にこれだけよこせと言うわけにはまいらない、こういう指摘をしたのは事実でございます。
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嶋崎譲#26
○嶋崎委員 国会の調査が全部報告書を出しているかどうか、これを点検してみたら大問題だと思います。そんな簡単ではないと思う。
 学術団体でそういうレポートを出さないというのは一つの問題でしょう。しかし、いまの国会のものにひっかけて説明なさるような説明は論証にはならぬと私は思います。したがいまして、学術会議内部で改革すべき課題について、そういう御意見や何かを申し上げることはいいにしても、年次の予算で、出かけようとしている人たちの出張をチェックするというような、強行手段に出るかのごとき印象を与えるような行動は、学術会議の持っている独立性からして少し行き過ぎだと私は判断をします。そういう意味で今後とも慎重な配慮を賜りたいと思います。
 そこで、学術会議というものは、確かに停滞しているという議論がたくさんございます。イデオロギー的に偏向しているという議論すらあります。しかし、学術会議をめぐる状況は、長官も御承知のように科学技術会議が昭和三十八年の段階に一方でできた、このいきさつについても、学術会議との間にいろいろ問題点があります。その後昭和四十二年に文部省が学術審議会というものを設けました。たとえば予算を一つ見ますと、学術会議の海外に出張するいわば旅費と学術審議会などの出張旅費の数字を比較してみますと、学術会議の方は最高だったピーク時が十五年ほど前であります。それからずっと下がっておるわけです。率では上がっておりますけれども、その日本学術会議の学術国際交流に使われている予算と、それから学術審議会のそれを比較してみても、学術会議には大変にハンディキャップが出てきております。全体的な傾向で申しますと、学術会議の運営に必要な経費というのを見ますと、もはや今日は人件費が半分になっています。これは昔は大体二五%ぐらいでした。そして、その国際学術交流の資金は、戦後これが発足してから恐らく最低であります。率の上でも最低であります。しかも運営費は全体的にずっと低いのです。
 ですから、こういう学術会議の資料はお読みになっていると思いますが、たとえば旅費について、すでに幾つかの学術団体があるために、学術会議に対して政府がとってきた対応の中に、学術会議を軽視すると言うと言い過ぎかもしれませんが、そういう傾向がなきにしもあらずというところがあると思います。それはもちろん先ほどおっしゃった学術会議自身の内部改革その他の問題を含んでおりますから、自主的な改革をしないでただ権利だけを主張してみてもしようがないという側面は私は否定いたしませんけれども、それにしても、日本の学者の最高の機関であるところの学術会議のこのような運営、財政的な措置の仕方自身にその停滞の重要な原因があります。
 たとえば学術会議の方々の出張旅費は、常置されている委員会の委員長さんなんかは、二週間に一遍ぐらい上京するというときは全部手弁当であります。大学の旅費というのは大体そういうものですから、学術会議もそういうふうにしたのでしょうけれども、頭打ちでやってしまいますから後はみんな手弁当なんです。つまり、そういう財源的な措置を十分にとらずに来ているという問題が一つあります。こういう問題については、いまの段階でどういうふうに御判断ですか。
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中山太郎#27
○中山国務大臣 先生御指摘の旅費の点につきましては、これは伏見会長の私に対する公文書でございますけれども、五十六年七月九日付の公文書で「長官が代表派遣を本会議の会員に限定すべきであるという御趣旨が理解できないわけではありません。個々の専門科学の国際研究集会への論文発表、討論のための出席については、文部省の「国際研究集会出席旅費」という費目がありまして、これらについては文部省に任せるべきであるという筋道は立てられるわけであります。」、これは日本学術会議の会長の公文書でございまして、うそ偽りのある話ではございませんので、学術会議がこういうふうにおっしゃっているのですから、どうぞひとつ、その点は文部省の方で十分御検討をいただきたいと思っております。
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嶋崎譲#28
○嶋崎委員 学術審議会と学術会議の問題は、後で文部大臣とまたやりますから、そういう問題点は残しておきますが、いままで学術会議が法律に基づいて出した勧告というものは、総理府ではそれぞれどういうふうに取り扱って、どのような対応をしているのでしょうか。
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中山太郎#29
○中山国務大臣 総理府が直接にこれを所管しておるということではございません。内閣総理大臣に直轄した機構でございますし、この日本学術会議のいわゆる勧告等は、所管の科学技術会議において論議されて、それぞれの関係省庁で処置をされておられる、こういうふうに理解をしております。
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