予算委員会

1982-04-05 参議院 全392発言

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会議録情報#0
昭和五十七年四月五日(月曜日)
   午前十時二十分開会
    —————————————
   委員の異動
 四月三日
    辞任         補欠選任
     立木  洋君     上田耕一郎君
 四月五日
    辞任         補欠選任
     上田耕一郎君     近藤 忠孝君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         植木 光教君
    理 事
                井上 吉夫君
                岩崎 純三君
                土屋 義彦君
                松尾 官平君
                竹田 四郎君
                矢田部 理君
                田代富士男君
                沓脱タケ子君
                柳澤 錬造君
    委 員
                岩動 道行君
                板垣  正君
                岩上 二郎君
                亀長 友義君
                木村 睦男君
                藏内 修治君
                源田  実君
                古賀雷四郎君
                下条進一郎君
                関口 恵造君
                田代由紀男君
                田中 正巳君
                谷川 寛三君
                長谷川 信君
                藤井 孝男君
                堀江 正夫君
                宮田  輝君
                村上 正邦君
                八木 一郎君
                山崎 竜男君
                片岡 勝治君
                片山 甚市君
                志苫  裕君
                寺田 熊雄君
                丸谷 金保君
                安恒 良一君
                山田  譲君
                大川 清幸君
                太田 淳夫君
                中野 鉄造君
                三木 忠雄君
                上田耕一郎君
                近藤 忠孝君
                田渕 哲也君
                野末 陳平君
                青島 幸男君
   国務大臣
       内閣総理大臣   鈴木 善幸君
       法 務 大 臣  坂田 道太君
       外 務 大 臣  櫻内 義雄君
       大 蔵 大 臣  渡辺美智雄君
       文 部 大 臣  小川 平二君
       厚 生 大 臣  森下 元晴君
       農林水産大臣   田澤 吉郎君
       通商産業大臣   安倍晋太郎君
       運 輸 大 臣  小坂徳三郎君
       郵 政 大 臣  箕輪  登君
       労 働 大 臣  初村滝一郎君
       建 設 大 臣  始関 伊平君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    世耕 政隆君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長
       官)       宮澤 喜一君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)
       (沖縄開発庁長
       官)       田邉 國男君
       国 務 大 臣
       (行政管理庁長
       官)       中曽根康弘君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (国土庁長官)  松野 幸泰君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  伊藤宗一郎君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       河本 敏夫君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       中川 一郎君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  原 文兵衛君
   政府委員
       内閣官房副長官  池田 行彦君
       内閣法制局長官  角田禮次郎君
       内閣法制局第一
       部長       味村  治君
       国防会議事務局
       長        伊藤 圭一君
       警察庁刑事局長  中平 和水君
       防衛庁参事官   新井 弘一君
       防衛庁参事官   冨田  泉君
       防衛庁防衛局長  塩田  章君
       防衛庁経理局長  矢崎 新二君
       防衛庁装備局長  和田  裕君
       防衛施設庁総務
       部長       森山  武君
       経済企画庁調整
       局長       井川  博君
       科学技術庁計画
       局長       下邨 昭三君
       科学技術庁研究
       調整局長     加藤 泰丸君
       国土庁長官官房
       長        福島 量一君
       国土庁長官官房
       会計課長     中村 博英君
       外務大臣官房審
       議官       田中 義具君
       外務省アジア局
       長        木内 昭胤君
       外務省北米局長  淺尾新一郎君
       外務省中南米局
       長        枝村 純郎君
       外務省経済局長  深田  宏君
       外務省経済局次
       長        妹尾 正毅君
       外務省経済協力
       局長       柳  健一君
       外務省条約局長  栗山 尚一君
       外務省国際連合
       局長       門田 省三君
       大蔵政務次官   増岡 康治君
       大蔵大臣官房審
       議官       水野  繁君
       大蔵省主計局長  松下 康雄君
       大蔵省主税局長  福田 幸弘君
       大蔵省関税局長  垣水 孝一君
       大蔵省理財局次
       長        小幡 俊介君
       大蔵省国際金融
       局長       加藤 隆司君
       文化庁長官    佐野文一郎君
       文化庁次長    山中 昌裕君
       厚生大臣官房長  吉村  仁君
       厚生省公衆衛生
       局長       三浦 大助君
       農林水産大臣官
       房長       角道 謙一君
       通商産業大臣官
       房審議官     斎藤 成雄君
       通商産業大臣官
       房審議官     植田 守昭君
       通商産業省貿易
       局長       中澤 忠義君
       工業技術院長   石坂 誠一君
       運輸省海運局長  永井  浩君
       運輸省船舶局長  野口  節君
       運輸省鉄道監督
       局長       杉浦 喬也君
       建設大臣官房長  丸山 良仁君
       建設省計画局長  吉田 公二君
       建設省都市局長  加瀬 正蔵君
       自治省行政局選
       挙部長      大林 勝臣君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        道正  友君
   説明員
       日本国有鉄道総
       裁        高木 文雄君
       日本国有鉄道職
       員局長      太田 知行君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○昭和五十七年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十七年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十七年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
○予算の執行状況に関する調査
    —————————————
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植木光教#1
○委員長(植木光教君) 予算委員会を開会いたします。
 昭和五十七年度一般会計予算、昭和五十七年度特別会計予算、昭和五十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 それでは、矢田部理君の締めくくり総括質疑を行います。矢田部君。
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矢田部理#2
○矢田部理君 冒頭、総理にお伺いをしたいと思いますが、いよいよ国会が終わりますとベルサイユ・サミット、あるいはまた国連軍縮特別総会が予定をされ、総理も御出席になるということでありますが、これに、政府としてあるいは総理として、いかなも態度、どんな基本方針で臨まれるのか、まずサミットの方からお尋ねをしていきたいと思います。
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鈴木善幸#3
○国務大臣(鈴木善幸君) サミットは、その時々における世界の重要な経済問題を取り上げまして、サミット加盟の先進諸国の首脳がそれに対する適切な対応策を協議をする、そして、連帯と協調をしてその効果的な政策の展開を図っていこう、こういう趣旨で開かれてきたわけでありますが、この六月に開かれますベルサイユ・サミットも、御承知のように、今日世界経済が非常に困難な局面に立っておるわけであります。この世界的な経済の不況、また深刻な失業問題、あるいはインフレの問題、さらに国際収支等の問題、そういうものを背景とした貿易摩擦の問題、そういう大きな国際経済の問題について、加盟国がどのように対応をすべきか、そういう点を協議をすることになろうか、こう思っております。
 私は、かねてから申し上げておりますように、今日の貿易摩擦、通商摩擦は深刻な経済不況に原因があると、このように考えておりますので、世界経済活性化のために、日本が日本の国力国情にふさわしい、経済力にふさわしい責任と役割りを果たしていきたい、こういう観点で協議に参加いたしたいと、こう思っております。
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矢田部理#4
○矢田部理君 いまもお述べになりましたが、南北サミットの際も、世界経済の再活性化ということを総理はしばしば口にされるわけであります。しかしながら、御指摘がありましたように、今日のインフレ、失業あるいは国際収支の悪化など、さまざまな要因についてどうそれを解決し、再活性化に結びつけていくのか、再活性化のための特別な手だてを何かお考えになっているのかどうか、非常にむずかしい課題だと思いますが、処方せんいかんということを改めて重ねてお尋ねをしたいと思います。
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鈴木善幸#5
○国務大臣(鈴木善幸君) サミットまでにまだ時間もございます。国会に忙殺されておりまして、サミット対策に対して十分な時間を割いて政府全体として検討をする時間が余りなかったのでありますが、しかし、先ほど申し上げたような国際経済の状況でございますから、それに対しては、私は、各国が保護貿易主義に陥ることなしに開放経済、自由経済体制を堅持して貿易の自由化を通じて、縮小均衡でなしに拡大均衡の中で世界経済の再生を図っていくということが基本であろうかと、こう思っております。
 そのためにわが国としては、相互投資の促進、あるいは先端技術の共同研究開発、あるいは各種の産業協力、そういうような問題等も日本としてはぜひ各国と協力をして推進してまいりたい、このように考えております。私はそういう技術だとかあるいは相互投資だとか、そして相手国に対して仕事を起こしていくということが雇用の場を広げることでもあり、世界経済全体にも寄与できるゆえんである、そういう観点で協力してまいりたい、こう思っております。
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矢田部理#6
○矢田部理君 アメリカの高金利問題、あるいは全体としての市場開放問題、さらには途上国援助問題など、さまざまな問題についてのそれぞれの対応策を論じることは、羅列的には可能なのでありますが、どうもいまの世界経済の再活性化を根本的にあるいは本格的に解決する策としては、いずれも不十分なのではなかろうかという感じがしてならないわけであります。
 その点で一つだけ提案を兼ねて私なりの見解を述べておきたいと思うのでありますが、いま世界経済の中で非常に重荷になっておりますのが、率直に申し上げて軍事費だと思います。軍事費の年間総額は五千億ドル、日本円にしまして百二十兆をすでに超えつつあるわけであります。これが、軍事支出ということになりますと、いずれも再生産の基盤を欠いている、福祉が各国とも大変に圧迫をされる、日本もその例外ではないわけでありますが、特に途上国ではこれが大変な負担になっているということが実は言われておるわけであります。
 そこで、後ほど述べる軍縮の課題とも関連をするわけでありますけれども、世界的にこの軍事費の削減を求めている、そこで生み出した資金を途上国援助に使うなど、そういうことを通して経済の再活性化を図るというようなことも、これは真剣に考えるべき時期に来ているのではないかと思いますが、総理、いかがでしょうか。
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鈴木善幸#7
○国務大臣(鈴木善幸君) 基本的に、私は矢田部さんと全く同意見でございます。この点は、カンクンにおいて開かれましたところの南北サミットの際におきましても、私が基調演説でこれを提唱したところでございます。特に、開発途上国、第三世界の国々はそのことを強く希望をいたしておるわけでございまして、それは世銀であるとかあるいは身近なアジ銀であるとか、そういうような大きな国際的な場においての協力、それから二国間の協力、いろいろの対応があるわけでありますけれども、私はそういう点を、軍備に使われますところの資源というものをできるだけ低位に抑えて、その余裕をもっていま御指摘になりましたところの第三世界等に対する経済協力、援助にこれを向けていくということが、これが世界経済の再活性化にもつながるし、ひいては世界の平和と安定にも寄与するゆえんであると、私も全く同意見でございまして、その点は強く訴えてまいりたいと思っております。
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矢田部理#8
○矢田部理君 大変、総理からもお話がありましたので、その点では一致するわけでありますが、ひとつこのベルサイユ・サミットの中心的な議題といいますか、再活性化の中心的な内容にしていただきたいと思うのですが、総理、いかがでしょうか。
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鈴木善幸#9
○国務大臣(鈴木善幸君) いま御承知のようにサミットの準備のための会合がPRの段階で行われております。議題はまだ固まっておりませんが、日本としてはそういう問題を含めて広範な世界経済全体の問題として取り上げていきたい、こう思っております。
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矢田部理#10
○矢田部理君 続きまして、国連軍縮総会に出席をされる御予定のようでありますが、これにはどんな態度、どんな基本方針で臨まれるのか、お伺いをしたいと思います。
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鈴木善幸#11
○国務大臣(鈴木善幸君) 今回の、六月に開かれます第二回の国連軍縮特別総会、これは世界の注目の中に開かれる重要な会議でございます。
 私は、軍縮に関するところの基本的な考え方といたしまして、世界の平和というのが力の均衡の上に保持されておるというこの厳しい現実、これを無視するわけにはまいらない、こう思いますが、しかし、この均衡を保持しながら、できるだけ軍備を低位に抑制をしていく、そういう意味で、軍備管理あるいは軍縮ということが非常に重要であると考えております。特に、核軍縮の問題につきましては、わが国が世界における唯一の被爆国であるという立場、また平和国家であるという国情、また、国民の共通の願いからいたしまして、究極において核兵器の廃絶を含むところの核軍縮というものに対して、私どもはこれを実行可能な一つ一つ具体的な手だてを経てこれを軍縮に持っていくということが必要であると考えておるわけでございます。
 具体的な内容につきましてはこれから各方面の御意見等をお聞きして最終的にこれをまとめた、い、こう思っておりますが、核実験の全面禁止、核不拡散体制の強化、化学兵器等の禁止、そういう問題等もぜひ私は取り上げたい、こう考えております。私は、各党党首並びに各方面の御意見を出発までに十分聴取いたしまして、国民的な基盤の上に立って、国連総会において日本の立場というものを明らかにいたしたい、こう考えておるわけでございます。
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矢田部理#12
○矢田部理君 総理は、三月の二十七日でしたか、ワインバーガー国防長官が来日された際に会談をしまして、アメリカ大統領に対して伝えてほしいと四項目の基本見解を述べられたと伝えられておりますが、それはいかなる内容のものでしょうか。
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鈴木善幸#13
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、今日の厳しい国際情勢に対処してまいりますためには、西側諸国の協調と連帯が必要である、それは、安全保障の問題しかり、あるいはまた、国際経済の不況打開の問題しかり、いろいろの面から見ましてもいまほど西側陣営の協調と連帯、協力が必要なときはない、このような認識をまず私は述べまして、そういう意味合いから、西側陣営のリーダーであるアメリカが、西側陣営の足並みを崩すようなことはぜひ避けてもらいたい、十分関係諸国と意見を交換をしながら、そして西側陣営の結束強化と協調ができるようにすべきである、こういうことをまず大前提として申し述べておいたわけでございます。その他、防衛の問題あるいは通商摩擦の問題等の問題につきましても私の所見を述べておいた次第でございます。
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矢田部理#14
○矢田部理君 その四つの見解の中で次のように総理は述べたと伝えられているわけでありますが、読んでみますと、「西側が軍事力の面で優位に立つことは、アメリカがいうように戦争抑止力になるし、軍縮交渉のうえでも役立つ。私もその通りに理解している。」というふうに報道は伝えておるわけでありますが、こういう御発言はなさったのでしょうか。
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鈴木善幸#15
○国務大臣(鈴木善幸君) 新聞の報道はニュアンスその他で的確でない面がございますが、かねてからレーガン政権は、軍備の増強をアメリカが図っておるというのは、ソ連の今日までの軍備の増強に対応して均衡をまず保持しなければ軍縮の交渉も効果的に進まない、こういう前提の上に立って同盟諸国に対して協力を要請しておりますことは御承知のとおりでございます。私は、そういうことが軍縮を達成するため、効果的にソ連との間に進める上からいってそれが正しい、それが最も過去の経験からいって効果的である、そういう認識については私も認めるものであるが、軍拡競争を進めるのではなしに軍縮の方向でやってほしいし、特に核軍縮の問題についてはぜひ熱意を持つで粘り強く努力してほしい、こういうことを要請したところでございます。
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矢田部理#16
○矢田部理君 レーガン政権はもっと端的にこのことを表現しているわけですね。核軍拡をして対ソ優位を確立した上でそれから軍縮に臨むのだと。こういうレーガンの考え方に総理は賛成だということでしょうか。
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鈴木善幸#17
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、いま申し上げたように、核軍縮を含めて軍縮を効果的に米ソ超大国が進める上から、そういうことが必要であるというアメリカの言い分、主張に対しても私はある程度理解ができるが、われわれは、とにかく軍縮ということにウエートを置きまして、粘り強く、世界の平和、恒久平和確立のために核軍縮を含む軍縮の問題について米ソの間で粘り強く協議をしてもらいたい、こういうことに力点を置いて話をしておるわけでございます。
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矢田部理#18
○矢田部理君 アメリカにも御承知のように二つの考え方、流れがあるわけですね。核の面で対ソ関係では落ち込んでしまった、だから核優位を確立をすることが先決である、その上に立って効果的な軍縮をと。総理の考え方もそれに近いんじゃないかと思われるわけでありますが、それに対して、たとえばケネディ上院議員などが先般、核の凍結、削減の共同決議案を提出したわけでありますが、現状で凍結をしてそして削減にいこうと、こういう考え方と二つに分かれているわけでありますが、総理はいずれの考え方に理解を示されるのでしょうか。
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鈴木善幸#19
○国務大臣(鈴木善幸君) 現実の国際情勢、厳しい軍事情勢、こういうものを踏まえて世界の各国の責任ある指導者がいかにして世界の平和を確保するか、そして現実的に具体的に軍縮にこれを持っていくかということについては、置かれておる立場、いろいろの立場でいろいろの御意見があろうかと思っております。ミッテラン大統領のような方におきましても、あるいはシュミット首相等におきましても、いろいろ置かれておる立場等でその進め方は違う、しかし究極においては、私は核軍縮を含む軍縮、軍備管理というものを進めて、そして軍備というものをできるだけ低位にこれを削減をする、抑制をしながら、そして世界の平和に持っていこう、こういうことでございまして、私は道行きについてはいろいろ置かれておる立場は違うと思いますが、私は、責任ある立場から言って、そういう指導者がいろいろ苦心をしておられるということはよくわかるわけでございはす。
 わが国におきましては、こういう平和憲法のもとに非核三原則も堅持いたしておりますから、日本が核武装をするとか核戦力を拡充するとか、そういうようなことはもうこれは全然念頭にもない、考えもないことでございまして、そういう立場に立ちまして、私どもは核戦力の面でも米ソ超大国が自制と責任を持って世界の恒久平癒のために、核軍縮に向かってこれを着実に進めてほしいというのが私どもの考えでございます。
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矢田部理#20
○矢田部理君 まあ、いろんな考え方がある、それは事実でしょう。方法論の違いがあるが、帰するところは核軍縮を目指しているんだというお話のようでありますが、単なる方法論なりの違いではなくて、現状で核を凍結をすべきだというケネディ議員ら三十七議員の考え方と、現状ではだめだ、さらに核装備をして核の面で対ソ優位を確立してから軍縮をやるのだ、軍縮の前に軍拡をというのがレーガンの考え方なんですが、これは大変な違いなんですよ。大変なことだと思うんですが、もう一度、そのいずれを支持されるのか。総理の従来の考え方から言うと、西側の力が軍事力の面でまず優位に立つことが大事だ、それが軍縮にとって効果的なんだという考え方をワインバーガーとの会談でも述べられたということでありますが、そうするとレーガンの考え方と同一線上にあるのではないかというふうに思われるわけですが、いかがでしょうか。
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鈴木善幸#21
○国務大臣(鈴木善幸君) 私がワインバーガー国防長官に対して、わが方から、核戦力の優位を保持すべきだと、こういうことを申し上げでおるの。ではございません。米側がとってきておる主張に対して理解を示したと、しかし私どもの願いというものはこの核軍縮を促進することにあるという点でございますから、その点は誤解のないようにお願いをしたい、こう思います。
 それから方法論が違うということを繰り返しおっしゃっておるのでありますが、私は方法論ではないと思うのでありまして、それは米ソの間の核戦力の比較、評価、これがもとになっておる。ソ連が核戦力の面で非常な優位に立っておる、そういう現状において凍結をするというようなことは必ずしも真に世界平和のためにもならないし、また軍縮ということを相互にこれからやっていくという面からいってもそれは応じるわけにはいかないと、こういう立場をとっておるという、米ソ並びにNATO諸国を含めた西側の核戦力とソ連との間の核戦力の比較の面で、現状のままで凍結した方が有利であるというソ連の立場と、そうでないという立場との違いから、いろいろミッテランさんにしてもシュミットさんにしても御苦労のあるところであろう、こう思っております。
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矢田部理#22
○矢田部理君 総理が先に発言をしていただきましたので質問がしやすくなったわけでありますが、そうしますと、米ソの核戦力の比較について総理はどのように優劣、均衡の関係を理解をされているのでしょうか。レーガンは、御承知のようにソビエトの核戦力に対してアメリカは劣っているという前提に立っているように思われるわけでありますが、総理もそのように受けとめているのでしょうか、総理の認識を。
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鈴木善幸#23
○国務大臣(鈴木善幸君) これは、米ソの二国間の比較、それからNATO諸国を含めた場合、いろいろの見方があろうかと思いますが、核弾頭の数であるとか、その配置の状況であるとか、そういうようなものから比較いたしまして、現状においてはソ連が優位に立っておるという分析、これについては私はそのとおりであろう、こう思っております。
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矢田部理#24
○矢田部理君 ここが大変違うわけですね。これは外務省がいいんでしょうか、防衛庁がいいんでしょうか。米ソの核戦力の具体的な比較、これは内容を少しく防衛庁なりのつかんでおるところを言ってみてくれませんか。
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塩田章#25
○政府委員(塩田章君) いま手元に資料を持ってきておりませんけれども、米ソの核戦力を比較いたします場合に、まずICBMについて言いますと、ランチャー数でソ連が優位である、それから弾頭数ではアメリカが優位であるというふうに見られております。それからSLBM、潜水艦に搭載する戦略核兵器につきましても、数においてソ連側が現在優位でございます。それから長距離爆撃機につきましては、これはアメリカ側が優位でございます。それから命中精度等の問題がございます。これにつきましては従来からアメリカ側が優位であると言われてきておりましたが、これは最近のソ連の発達によりましてその差は非常に近づいておるのではないかというふうに言われておりまして、それ以上の詳しいことはわかりませんけれども、余り差はないところまで来ておるのではないだろうかというふうに思われます。
 それから、先ほど弾頭数はアメリカの方が優位であると申し上げましたが、搭載重量数におきましては、これはソ連側の方が大分優位であります。ちょっといま具体的な数字を持っておりませんけれども、ソ連側が優位であります。
 それから戦域核につきましては、アメリカは主なるものはまだ開発中でございまして、現時点におきましてソ連側が優位であります。SS2〇を中心にしました戦域核につきましては、現状はそういうふうに言えると思います。
 これを総じてどういうふうに判断するかということはなかなかむずかしい問題——どの点を中心に見て判断をするかということになろうかと思いますけれども、従前から主としてランチャー数の比較において言われてきておりましたけれども、つまりソ連の方が優位であると言われてきておりましたけれども、弾頭数とか命中精度とかいろんなことを勘案して、ほぼ互角ではないかというふうに従前から言われてきておりました。しかし最近、それがさらにまた命中精度等につきましてもソ連側が優位になってきておるというようなことから、先ほど総理もおっしゃいましたように、その辺の判断が必ずしもアメリカが優位とは言えないというような状況ではなかろうかと思います。
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矢田部理#26
○矢田部理君 総理の受けとめ方といま防衛庁の報告とは大分ニュアンスが違うんですね。どうも総理のニュアンスはレーガンに近い。防衛庁のいまの数値、私もこれは数値を全部当たってきておりますけれども、多少の優劣はそれぞれの部門ではあるけれども。ほぼ互角、ほほ均衡がとれていると見るのが正しい見方ではないか。むしろアメリカ優位論もあるわけでありまして、たとえばお話がありました運搬手段について言えば、ソビエトの方が数の面では多いわけでありますが、たとえばMIRV化がおくれている。アメリカの場合は多目標誘導が発達しておりますから、その点では数だけでは判断できない。命中精度の問題もあります。それから弾頭数につきましても、アメリカがこれは九千から一万と言われている。それに対してソビエトは六千から七千と。ストックホルムの平和研究所やミリタリーバランスあるいはさらにワルトハイム報告など、総じていって、少なくとも互角と見るのが大枠でいえばほぼ常識的な見方である。そういうことで、その状況の認識が少しく総理は違うのではないか、レーガンに引きずられているのではないかというふうに考えるわけでありますが、いかがでしょうか。
 ちなみに申し上げておきますと、ケネディ上院議員らが出した反核決議案も、大変いま均衡がとれている状態であると。あるいは決してアメリカが見劣りしている状態ではない。この時期こそが核軍縮の最良の時期なんだということを盛んに主張をし、その上に立って核の凍結と削減を求めるという決議案を出すに至ったわけでありますが、総理の認識が少しくレーガンに引きずられ過ぎてはいないのかと思うのですが、いかがでしょうか。
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鈴木善幸#27
○国務大臣(鈴木善幸君) ケネディ上院議員等のお話をいま矢田部さんおっしゃったのですが、ケネディ議員の言っておられる核戦力の評価とレーガン大統領の育っている評価、これがどちらが正しいか、矢田部さんはどうもケネディ議員の方に軍配を上げておるようでありますけれども、これは見方によって違う。
 それから、もう一つは戦域核の面につきましては、ソ連がやはり圧倒的な優位に立っておる。これは飛鳥田委員長がこの間ヨーロッパ諸国を訪問されて、ミッテラン大統領に会われたり、あるいはシュミット首相に会われたりいろいろしてこられたようでありますが、これは恐らくそういうことを、社会党政権ではあってもミッテランさんとしては現実のやはり国民の命運をしょっておる政治の責任者として、そうは簡単にいかないというような立場で、この戦域核の問題等を念頭に置いておっしゃっておるのではないか。まあ、立場によって違うということだと思います。
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矢田部理#28
○矢田部理君 ヨーロッパにあるフランスの国として、ソ連のSS2〇が三百基ほどあるということから、ミッテランが戦域核に非常に関心を持っておることを私も理解できないわけではありませんが、それはある意味では局地的な面でありまして、トータルな問題として見れば、核弾頭数においても、特に戦略核戦力はアメリカがずっと水をあけているという状況でありますから、全体として見ればやはり均衡しているか、アメリカ優位と見るのが常識的なんですよ。私は何もケネディの議論に引きずられているわけではなくて、ここに三つの専門的な数値で統計をとった内容を、一々数値を述べる時間的余裕はありませんが、全部調べ上げた上で申し上げているわけでありまして、その点でミッテランが言っているということは、それは言っていることは事実でありますが、それはやっぱりヨーロッパという局地に限っての問題点でありまして、トータルとして見れば、いま幾つかの幅や見方の差はあってもおおむね均衡がとれている、あるいはアメリカ優位と見るのがむしろ常識的な見方だと思うんです。そこの前提をどう認識するかによって、この核問題は非常に大きな今後の核軍縮についての考え方の違いになってくるとも思うので、私は特に繰り返しお尋ねをしているわけでありますが、もう一度総理の答弁をいただきましょうか。
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鈴木善幸#29
○国務大臣(鈴木善幸君) これは先ほど来防衛庁当局からも申し上げておりますように、いろいろな面からこの核戦力は評価、分析する必要があるわけでございまして、ここで矢田部さんと私が論争して結論が出る問題ではないと、こう思っておりますが、いずれにしても私どもは米ソ両超大国、大きな核戦力を持っておるこの両大国が世界の恒久平和のために、核廃絶を究極の目標とする核軍縮に対して責任と自制を持ってこれに取り組んでもらいたい、そして、絶えず話し合いの窓、交渉の場というものを持って、そして粘り強く交渉に応じてもらいたい、そういうことを私どもは希求もし、また来るべき国連特別総会におきましてはそういう立場から国際世論を盛り上げていきたいと、こう思っております。
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