公害及び交通安全対策特別委員会

1983-03-30 参議院 全247発言

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会議録情報#0
昭和五十八年三月三十日(水曜日)
   午前十時二十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     江島  淳君     石本  茂君
     遠藤  要君     亀長 友義君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         宮之原貞光君
    理 事
                梶原  清君
                本岡 昭次君
                沓脱タケ子君
                中村 鋭一君
    委 員
                伊江 朝雄君
                沖  外夫君
                亀長 友義君
                山東 昭子君
                関口 恵造君
                内藤  健君
                中村 太郎君
                原 文兵衛君
                平井 卓志君
                増岡 康治君
                穐山  篤君
                小平 芳平君
                中野 鉄造君
                美濃部亮吉君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  梶木 又三君
   政府委員
       環境庁長官官房
       長        加藤 陸美君
       環境庁長官官房
       審議官      鈴木  健君
       環境庁企画調整
       局長       正田 泰央君
       環境庁企画調整
       局環境保健部長  大池 眞澄君
       環境庁自然保護
       局長       山崎  圭君
       環境庁大気保全
       局長       吉崎 正義君
       環境庁水質保全
       局長       小野 重和君
       運輸省航空局次
       長        山本  長君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
   説明員
       外務省中近東ア
       フリカ局中近東
       第二課長     渡辺  伸君
       文化庁文化財保
       護部記念物課長  小埜寺直巳君
       厚生省社会局保
       護課長      土井  豊君
       労働省労働基準
       局労災管理課長  新村浩一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○公害健康被害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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宮之原貞光#1
○委員長(宮之原貞光君) ただいまから公害及び交通安全対策特別委員会を開会いたします。
 公害健康被害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。梶木環境庁長官。
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梶木又三#2
○国務大臣(梶木又三君) ただいま議題となりました公害健康被害補償法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。
 公害健康被害補償法は、相当範囲にわたる著しい大気の汚染または水質の汚濁の影響により健康が損なわれた人々に対して、その迅速かつ公正な保護を図るため、各種補償給付の支給等を実施することとしております。これらの実施に必要な費用のうち慢性気管支炎等の非特異的疾患に係るものにつきましては、大気汚染防止法に規定するばい煙発生施設等を設置する事業者から徴収する汚染負荷量賦課金を充てるほか、自動車に係る分として、昭和四十九年度から昭和五十七年度までの間におきましては、自動車重量税の収入見込み額の一部に相当する金額を充てることとされてまいりましたが、今回、昭和五十八年度及び昭和五十九年度の措置を定めるため、この法律案を提案した次第であります。
 次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。
 今回の法律案は、昭和五十八年度及び昭和五十九年度において、政府は、引き続き、大気の汚染の原因である物質を排出する自動車に係る費用負担分として自動車重量税の収入見込み額の一部に相当する金額を公害健康被害補償協会に対して交付することとするものであります。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
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宮之原貞光#3
○委員長(宮之原貞光君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
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本岡昭次#4
○本岡昭次君 ただいま提案のありました公害健康被害補償法の一部を改正する法律案の審議に入る前に、こうした公害補償と深くかかわっております大阪空港訴訟の第四次、第五次の問題点について、若干運輸省、環境庁に事実関係をただして、法律の審議に入らしていただきたいと思います。
 そこで、運輸省の方にもお越しいただいておると思いますが、去る二十六日の新聞によりますと、「大阪空港訴訟(四次・五次)和解へ」ということで、「五月から交渉開始 夜間飛行禁止が焦点」と、こういう見出しで記事が出ています。そして、そこに関係者の話として、栗林貞一運輸省飛行場部長の話なり、また大阪空港公害訴訟原告団事務局長の寺野さんの話等も記載されているわけですが、この事実関係について、若干の経緯を含めて説明をいただきたいと思います。
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山本長#5
○政府委員(山本長君) 大阪空港に関係いたします訴訟がたくさんございましたが、一—三次は最高裁判決が一昨年、先生先ほど御質問の中でもおっしゃいましたいわゆる第四次訴訟、第五次訴訟というのが、一—三次訴訟に若干おくれまして提起されましたものが現在大阪地方裁判所に係属をしておる、こういう状態でございまして、この訴訟につきましては、最高裁で判決されました一—三次訴訟の判決の対象になっております時期とその後の時期というものが、相当周辺の対策などについても変化があると、あるいは最高裁の判決が必ずしも一般化し得る明確な基準でもないというふうな観点もございますので、現在国が国としての主張をしておる、こういう段階でございます。
 御指摘の和解による解決というものについて、昨年の暮れでございましたが、裁判所から双方に対して打診がございました。昨年の十二月であったと存じます。私たちといたしましては、この訴訟というのが非常に長い期間係属しており、こういった訴訟の係属によりましていたずらに問題解
決をおくらせるということも本意ではございません。したがいまして、和解による解決ということを図っていくこともやぶさかではないと考えておる次第でございます。
 現在、運輸省におきまして和解による解決を図る場合の基本的な考え方につきまして検討を行っておるところでございまして、今後原告団の方々の和解についての考え方というものも確かめ、また関係省庁とも十分協議の上、双方歩み寄りが可能であれば和解という形での早期解決に努力をいたしていきたい。
 こういうところが経緯、並びに若干私たちの考え方も含めまして考えておるところでございます。
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本岡昭次#6
○本岡昭次君 経緯がわかりましたが、いまの答弁の中で、双方の歩み寄りが可能であればという中身がございました。新聞では五月十四日にこの和解交渉が始まるというふうに日にちまで明記してあるんですが、いま言われたその双方の歩み寄りが可能であればということと、五月十四日に交渉を始めるということの間に関連があるのかないのか。五月十四日というのは、いまおっしゃった歩み寄りの可能、不可能を抜きにしてもう交渉がスタートするのかどうか。その点はいかがですか。
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山本長#7
○政府委員(山本長君) 五月十四日の期日は、和解ということも含めて、今後の訴訟をどのように進めるべきかということについて意見の交換を行う、こういう打ち合わせの期日というふうに聞いております。法務省もそういうふうに理解をされておるところでございまして、和解について直接に話をする、こういうものではないと、こういうふうに考えております。
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本岡昭次#8
○本岡昭次君 そうしますと、新聞の報道は、和解期日を受け入れたというか、明示されたことは、「はっきり和解の方向へ踏み切ったものとみられる。」という中身がありますが、いまの御説明では、和解に踏み切ったのではなくて、和解への条件をどう整えるかというような事柄も含めて、まずテーブルに着くということだという理解の方が正しいんですか。
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山本長#9
○政府委員(山本長君) そのように御理解願った方が正確かと存じます。
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本岡昭次#10
○本岡昭次君 その後、地元の豊中、川西の訴訟団の関係者の方では、この問題につきましてそれぞれ豊中市あるいは川西市に対して和解あっせんを依頼する、こうした記事も一方では出ているわけです。というのは、行政の方が積極的に和解へのあっせんを、その労をとってもらうべきだ、とるべきだと、そして解決を早めてもらいたいという原告側の一つの考え方が非常に強く出ているように思います。それについて私はなぜかと思っていたんですね。それは、いま政府側の答弁によりまして、和解そのものに対する確定があったのではなくて、和解そのものの条件も含めていろいろなまだ事前の問題がたくさん残っているということがわかったわけです。
 そこで、これは要望になりますが、いま言いましたように原告側がこのように豊中、川西市に対して行政側の国に対する働きかけ、和解に対する働きかけ、こうしたものも要請しているという状況ですので、和解という問題について積極的な立場で対応をしてもらいたいという要望をまず申し上げたいのですが、これについて前向きなお考えを示していただければありがたいと思います。
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山本長#11
○政府委員(山本長君) 裁判所の和解と申しますのはやはり裁判の判決と同じように一つの規範になるものでございまして、そういう意味におきまして、和解といえども、公害に関するたくさんの訴訟が、航空も含め、それ以外のものについても提起されておりますので、それに対する影響というものを考えなきゃなりません。そういう意味におきまして、非常にそういった影響を含めました判断をしなきゃならない。こういう意味で先ほど関係省庁とも十分話し合わなきゃならぬというふうにも申し上げた次第でございます。
 そうではありますけれども、これも先ほど申し上げましたように長い間の訴訟でございます。こういう双方の歩み寄りが可能な形で解決をできるならば、運輸省としては早期解決を図っていくということについて、望ましい方向だというふうに考えております。運輸省の基本的な考え方はそういうところでございます。
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本岡昭次#12
○本岡昭次君 そこで、この新聞に出ています運輸省の栗林飛行場部長の談話なのですが、これはそちらもお持ちだと思います。この談話の全体の内容は運輸省として責任の持てるものなのかどうか、それはいかがです。
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山本長#13
○政府委員(山本長君) 表現はともかくといたしまして、考え方としてはこういうふうな考え方を持っておることは事実でございます。
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本岡昭次#14
○本岡昭次君 ここで細かいことを論議することは不適当だと思いますが、ただ、いままでの委員会の中で、九時以降の飛行差しとめの禁止の問題につきましては、環境庁並びに運輸省との間で私が若干の質疑をし、いろんな答弁もいただいておりますので、九時以降の夜間飛行禁止の問題についてのみ若干質問をさせていただいて、この問題は終わりたいと思います。
 そこで、夜間飛行の禁止についてですが、この飛行場部長の話では「午後九時以降の夜間飛行禁止についても、最高裁が住民の差し止め請求を却下していることからして、和解条件に明記することはできないと思う。」というふうなことであり、一方訴訟団の方は、午後九時の問題は絶対にこれは守ってもらいたいという、最終的に金額の問題ではかえられない折衝の問題になるんじゃないか、こう思いますが、ここの話の中では「和解条件に明記することはできない」という、「明記することは」ということは、先ほど答弁の中にありましたように、公害問題全体のいろんなことに影響するということも考えてのことだと思います。
 しかし、大阪国際空港の問題については、午後九時飛行禁止ということが具体的な問題の解決に非常に大きく役に立っているという事実についてはだれも否定できない、こう思います。
 だから、明記はできないといることと、もう一方、明記はできないが、その問題について住民の皆さんが納得できる条件をつくることが他に方法があるというふうな受け取り方もできるわけで、運輸省の九時以降飛行禁止という問題についての態度が和解の問題をめぐって従来から変わらないことを私は強く行政措置の問題として望んでいるのですが、その点はいかがですか。
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山本長#15
○政府委員(山本長君) この差しとめ問題は、最高裁判決がありましたあの第一次及び第三次訴訟における争点の最大のものであったことは御存じのとおりでございます。これにつきましては、結局は空港の使用ということに対する国内、国際両面からの必要性と、それから空港の運用に伴う公害の発生にかかわる住民の被害というもの双方を勘案の上、結局行政庁の適切な判断によってそれを行っていくべぎだ、こういう判断が示されたのでございます。
 そういった意味におきまして、先生御指摘の栗林部長の発言も、和解というのは裁判と同じように一つの規範でございます。それにつきまして最高裁が判決を示しましたその判断というものを私たちも崩すわけにはいかない、こういう意味におきまして和解の中に入れるのは適当でない、こういう発言をしたものと思います。またそれは正しいと私も思います。
 しかしながら、最高裁の判決も、行政庁の判断に任せているとはいえ、両方の必要性と公害問題を十分に考えた上、適切な行政措置を行っていくべぎだという考え方に従って私たちもやっておるつもりでございます。そういう私たちの考え方に従いまして、現在まで九時以降の航空便の発着につきましてそれを認めないという行政措置をとっておるのでございますが、現段階におきまして直ちにこれを変えまして九時を延長するというふうなことを課するという考え方を現在も持っておりません。そういう態度でここ当面は考えていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
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本岡昭次#16
○本岡昭次君 いまの答弁に十分私は納得できま
せんが、しかしいまの時間はその問題を論議する適当な湯でもございませんので、一応和解という問題がいま問題に上ったという時点における運輸省の考えということで聞かしていただいたということにします。
 そこで、環境庁に最後にこの問題でお伺いしますが、環境庁はこれは運輸省の問題だといってこれを横に見ているわけにはいかない、こう思います。環境庁長官として、大阪空港訴訟の問題が和解に進みつつあるという状況に対する評価と、その焦点が九時以降飛行禁止ということにしぼられてくるであろうという問題に対するひとつ見解を、所見を賜りたい。
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梶木又三#17
○国務大臣(梶木又三君) 一般論としまして、こういう公害関係の紛争につきましては、私どもとしましてもできるだけ速やかに話し合いができまして進んでいくことが望ましい、このように考えておるわけでございます。
 それで、いま環境庁はだまって見ておれない、おっしゃるとおりでございまして、私どもも決してだまって見ておるわけではなく、いまの四次、五次の紛争問題、この和解の問題につきましては十分関心を持っておる、こういうことでございます。ただ、この和解の条件ですね、われわれが直接参加いたしておりませんし、現在裁判中でございますので、これをどうするこうするということは、そのコメントはひとつ差し控えさせていただきたいと思います。
 ただ、五十六年でしたか、最高裁の判決が一—三次のもので出ましたとき、これは環境庁としては、ああいう判決が出たけれども、九時以降の飛行禁止、これはいまも運輸省の方から現在がこうだから当面これを変える気持ちはない、こういう答弁がございましたが、われわれとしましても、これは当然五十六年のときに環境庁として長官談話を発表した、そういう経緯もございますから、ぜひともいまの現状を続けていただぎたい、こういう気持ちは持っておるわけでございます。
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本岡昭次#18
○本岡昭次君 最後に、環境庁に要望しておきたいのですが、問題は環境庁がどういう指導性を関係省庁との意見調整なりあるいは閣議の中において発揮するかということにかかっている、私はこう思います。したがって、いま環境庁長官も言われたように、五十六年十二月十六日に環境庁長官談話として最高裁判決について出ています。ここの文章の中に、法律論は別として、夜九時以降のダイヤが設定されていないという現在の状況が空港周辺住民の生活環境の改善に寄与しているという事実に照らし、今後とも引き続いてこのような措置がとられるべきであるという意味の談話がありますし、これと同じ答弁をそのときの私の質問に対して環境庁としては出されているわけでございますから、こうした立場をひとつ堅持して、五月から交渉開始の和解問題について、地元住民、訴訟を行っている、被害を受けている人たちの立場に立って、これから積極的に対応していただきたいという要望を申し上げ、いま一度くどいようですが環境庁長官のお言葉をいただいて、これは終わりたいと思います。
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梶木又三#19
○国務大臣(梶木又三君) 先ほども申し上げましたように、五十六年十二月十六日に長官談話を発表いたしましたその環境庁としての考え方、これは現在も変わっておりません。
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本岡昭次#20
○本岡昭次君 それでは運輸省は結構です。
 それでは法案の問題について若干の質問をしてまいりたいと思います。
 まず、公害健康被害補償制度の役割りという問題についてお伺いします。
 大気汚染による健康被害は高度成長が始まったころから数えて三十年近い歴史があります。これに対する現行の健康被害補償制度による救済が実施されるようになったのは昭和四十九年であり、今日まで八年余り経過したにすぎないという状況にあります。この間この制度が果たしてきた役割りを環境庁としてどのように考えているのか、またこの制度を将来に向かってどのように充実させていかなければならないかといった長官の見解をまず伺っておきたいと思います。
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梶木又三#21
○国務大臣(梶木又三君) 御指摘のように、いわゆる公害健康被害補償制度は、四十年代の高度成長の経済成長のときに大変な環境汚染が出まして、多数の患者が発生しまして、そのために被害者の方々の迅速かつ公正な保護を図ることを目的としてできた制度でございます。これはもう御承知のとおりでございます。この制度ができましていまお話しになりましたように八年間たっておるわけでございます。この間にいろいろ各方面の努力もございましたし、国民各一人一人の御努力等によりまして、あるいはまた経済情勢、社会情勢、こういう変化もございまして、状況が変わってきたわけでございます。しかし、この制度によりまして損害をてん補するために障害補償費あるいは各種補償給付の支給が行われますとともに、被認定者の健康の回復等に必要な福祉事業等も実施されてまいりましたし、こういうことで私は被害者の保護にはこの制度が大きな役割りを果たしてきた、かように考えておるわけでございます。
 今後とも、環境汚染の未然防止、これは何といいましても第一義的に重要なことでございますから、この未然防止ということを第一に考えまして、環境の保全に努めつつ、健康被害者の迅速かつ公正な保護に万全を期してやっていきたい、かように考えておるわけでございます。
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本岡昭次#22
○本岡昭次君 現在の患者総数を一番最近の数字としてここで報告していただきたい。
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大池眞澄#23
○政府委員(大池眞澄君) この制度におきます第一種地域に係る直近の現存の被認定者数について申し上げますと、五十七年の十二月末現在で八万五千五百八十一人となっております。
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本岡昭次#24
○本岡昭次君 対前年度比の増減はどのようになっておりますか。
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大池眞澄#25
○政府委員(大池眞澄君) お答えいたします。
 五十七年十二月末を前年同期と対比いたしますと三・七%増となっております。
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本岡昭次#26
○本岡昭次君 その問題は後ほど質問させていただきます。
 次に、最近の経団連の制度見直し要求の問題について伺っていきます。
 私も、先ほど長官の話にありましたが、まあこの法案が大気汚染に悩む地域住民の補償に一定の役割りを果たしてきた、あるいはまた公害の事前防止という問題についても一定の役割りを果たしてきたというふうに思います。しかし、また一方では多くの不十分な点を持っていることも事実であり、その点についての改善がこれからの環境庁の課題として残っていると、こう思っています。ところが、公害の加害者たる企業を代表する経団連の方では、この制度の発足当時には紛争抑止効果があるとして一定の評価をしていたようですが、その後一転してこの制度に対するさまざまな批判や非難を加えてきているようになっています。
 私はそれを新聞を通して知るわけですが、その主張なり要求はそのときどきによってさまざまに変わってきておりますが、環境庁はこれまで経団連からどのような主張なり要求を突きつけられてきたのか。また、現在も経団連からこの問題について要求を突きつけられているというふうに聞いているんですが、どのようなものが経団連から寄せられているのか、説明を願いたい。
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大池眞澄#27
○政府委員(大池眞澄君) 先ほど御指摘もございましたが、この制度をめぐりまして、大気汚染の状態の変化もございまして、この制度にかかわるいろいろな関係各方面から意見が寄せられているところでございます。その中で主として費用を負担する立場からの御意見というようなものがいろいろな形で環境庁の方にも寄せられておるわけでございますけれども、これを集約するような形で経団連が、たしか五十一年ごろからだったと思いますけれども、随時意見を表明し、意見を寄せてきておる、こういう状況にございます。
 それで、最近の意見を集約して御説明申し上げますと、一つは著しい大気汚染の影響を受けていないことが明らかな人、たとえば汚染が改善された後に新たに生まれた人や転入した人が認定されることは問題ではないかという御意見、あるいは
著しい大気汚染がなくなった地域については地域指定の解除要件を明確化し、またそれに該当するものがあれば解除すべきではないかというような御意見、そのほか認定されました患者でもしたばこを吸っているような者があれば、その点についての何らかの適切な措置をとるべきではないかというような御意見、その他高齢者の問題でございますとか公害医療の問題等々、幾つかの意見を寄せてきているところでございます。
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本岡昭次#28
○本岡昭次君 その経団連が環境庁に、いま要約して言われましたけれども、そのような要求、批判が寄せられていることについて、環境庁としてどのように対応してきたかということをお伺いしたいと思います。いま経団連の主張していることをここで一々反論するのは、経団連とのそうした場があったときにやればいいわけでございますから、この場ではこうした経団連の主張、私はずいぶん手前勝手な主張だというふうに思います。環境庁はこの要求に対してどう対応してきたんですか。また、これからこうした問題に対してどう対応しようとしているんですか。
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大池眞澄#29
○政府委員(大池眞澄君) 費用を負担する立場からの御意見もございますが、患者の立場からの御意見も寄せられておりますし、その他この制度にかかわりのある御意見をたくさん私どもの方にちょうだいしているわけでございます。その主要な問題点と申しますのは、現在の大気の汚染の状態をどのように評価するかというようなこと、それに関連しましての地域指定をどう考えるか、こういう地域指定をめぐる諸問題が一つの大きな問題点であろうかと存ずるわけでございます。
 御承知のとおり、大気汚染につきましては、硫黄酸化物が公害防除努力の結果著しく改善してまいったわけでございまして、これは事実でございます。反面、窒素酸化物等、主要な汚染指標として目される物質が依然としてまだ横ばいの状態にある。このような汚染の状況の変化をどのように評価をするか。すなわち、先ほど申し述べました御意見の中に著しく改善された地域で云々というような部分がございますけれども、そのように判断してよろしいのかどうかというような問題が中心の問題点になるわけでございます。他方では、窒素酸化物等を評価して地域の拡大を図るべきであるというような御意見も寄せられているわけでございまして、これもその地域の汚染というものをどう評価するかという問題で共通するわけでございます。現在の汚染の状態をこの制度で対象といたします指定疾病とのかかわりにおいてどう評価するか、これが一つの大きな眼目になるわけでございます。
 そのため、かねてより環境庁におきましては、こういったような御意見におこたえすべく、またこの制度の創設時からそういう問題点が提起されておったことでもございますけれども、窒素酸化物等の評価の問題につきましては、国内、国外の知見を鋭意収集するとともに、必要な調査研究を逐年実施し、また現在継続中である、こういう状況でございます。先ほど申し述べました問題点は非常に医学的、科学的な知識を基盤として論議を要することでございまして、そういった科学的な知見を基盤として、冷静な論議の中で合理的な結論を導き出していく必要がある、かように考えているわけでございます。環境庁としてはいまそういうような考え方に立って対処をしているところでございます。
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