金融問題及び経済活性化に関する特別委員会

1998-10-09 参議院 全295発言

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会議録情報#0
平成十年十月九日(金曜日)
   午前九時三十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月八日
    辞任         補欠選任
     月原 茂皓君     入澤  肇君
 十月九日
    辞任         補欠選任
     松谷蒼一郎君     阿南 一成君
     内藤 正光君     角田 義一君
     岩佐 恵美君     阿部 幸代君
     菅川 健二君     岩瀬 良三君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         坂野 重信君
    理 事
                石川  弘君
                岩井 國臣君
                岡  利定君
                塩崎 恭久君
                江田 五月君
                齋藤  勁君
                森本 晃司君
                笠井  亮君
                山本 正和君
    委 員
                阿南 一成君
                岩城 光英君
                加納 時男君
                景山俊太郎君
                金田 勝年君
                木村  仁君
                佐々木知子君
                田中 直紀君
                林  芳正君
                日出 英輔君
                平田 耕一君
                松谷蒼一郎君
                三浦 一水君
                溝手 顕正君
                山本 一太君
                浅尾慶一郎君
                小川 敏夫君
                木俣 佳丈君
                小宮山洋子君
                角田 義一君
                直嶋 正行君
                峰崎 直樹君
                簗瀬  進君
                海野 義孝君
                浜田卓二郎君
                益田 洋介君
                阿部 幸代君
                緒方 靖夫君
                小池  晃君
                大渕 絹子君
                三重野栄子君
                入澤  肇君
                渡辺 秀央君
                佐藤 道夫君
                水野 誠一君
                岩瀬 良三君
                菅川 健二君
       発  議  者  笠井  亮君
   委員以外の議員
       発  議  者  筆坂 秀世君
   衆議院議員
       発  議  者  保岡 興治君
       発  議  者  山本 幸三君
       発  議  者  石原 伸晃君
       発  議  者  池田 元久君
       発  議  者  枝野 幸男君
       発  議  者  石井 啓一君
       発  議  者  西川 知雄君
       発  議  者  鈴木 淑夫君
       修正案提出者   保岡 興治君
       修正案提出者   山本 幸三君
       修正案提出者   北村 哲男君
       修正案提出者   鈴木 淑夫君
       修正案提出者   津島 雄二君
       修正案提出者   石原 伸晃君
       修正案提出者   池田 元久君
       修正案提出者   枝野 幸男君
       修正案提出者   石井 啓一君
       修正案提出者   西川 知雄君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小渕 恵三君
       法 務 大 臣  中村正三郎君
       大 蔵 大 臣  宮澤 喜一君
       自 治 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    西田  司君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  太田 誠一君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       長)       堺屋 太一君
   政府委員
       総務庁行政管理
       局長       瀧上 信光君
       防衛庁長官官房
       長代理      伊藤 康成君
       防衛庁装備局長  及川 耕造君
       経済企画庁調整
       局長       河出 英治君
       経済企画庁総合
       計画局長     中名生 隆君
       経済企画庁調査
       局長       新保 生二君
       国土庁土地局長  生田 長人君
       金融監督庁長官  日野 正晴君
       金融監督庁監督
       部長       乾  文男君
       法務大臣官房司
       法法制調査部長  房村 精一君
       法務省刑事局長  松尾 邦弘君
       大蔵大臣官房長  溝口善兵衛君
       大蔵省主計局次
       長        藤井 秀人君
       大蔵省主税局長  尾原 榮夫君
       大蔵省理財局長  中川 雅治君
       大蔵省金融企画
       局長       伏屋 和彦君
       大蔵省国際局長  黒田 東彦君
       国税庁次長    大武健一郎君
       通商産業省産業
       政策局長     江崎  格君
       資源エネルギー
       庁石油部長    今井 康夫君
       中小企業庁長官  鴇田 勝彦君
       自治省財政局長  二橋 正弘君
       自治省税務局長  成瀬 宣孝君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林 正二君
   参考人
       参議院議員    筆坂 秀世君
       衆議院議員    池田 元久君
       衆議院議員    鈴木 淑夫君
       日本銀行総裁   速水  優君
    ―――――――――――――
 本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○金融問題及び経済活性化に関する調査
 (経済活性化に関する件)
○債権管理回収業に関する特別措置法案(衆議院
 提出)
○金融機関等が有する根抵当権により担保される
 債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する
 法律案(衆議院提出)
○競売手続の円滑化等を図るための関係法律の整
 備に関する法律案(衆議院提出)
○特定競売手続における現況調査及び評価等の特
 例に関する臨時措置法案(衆議院提出)
○金融機能の再生のための緊急措置に関する法律
 案(衆議院提出)
○金融再生委員会設置法案(衆議院提出)
○預金保険法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)
○金融再生委員会設置法の施行に伴う関係法律の
 整備に関する法律案(衆議院提出)
○金融機能の正常化に関する特別措置法案(筆坂
 秀世君外一名発議)
○預金保険法の一部を改正する法律案(筆坂秀世
 君外一名発議)
○金融監督委員会設置法案(筆坂秀世君外一名発
 議)
○金融機能の安定化のための緊急措置に関する法
 律を廃止する法律案(筆坂秀世君外一名発議)
    ―――――――――――――
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坂野重信#1
○委員長(坂野重信君) ただいまから金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、内藤正光君及び岩佐恵美君が委員を辞任され、その補欠として角田義一君及び阿部幸代君が選任されました。
    ―――――――――――――
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坂野重信#2
○委員長(坂野重信君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 金融問題及び経済活性化に関する調査のため、本日の委員会に参議院議員筆坂秀世君、衆議院議員池田元久君、衆議院議員鈴木淑夫君及び日本銀行総裁速水優君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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坂野重信#3
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
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坂野重信#4
○委員長(坂野重信君) 金融問題及び経済活性化に関する調査を議題とし、経済活性化に関する集中審議を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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山本一太#5
○山本一太君 本日のトップバッターを務めさせていただきます自民党の山本一太でございます。
 きょうはNHKのテレビ中継が入っているということで、私は早口なんですけれども、ゆっくりしゃべれというように言われておりまして、余りユーモアも交えないで、ゆっくり落ちついて質問をさせていただきたいと思います。小渕総理、それから宮澤大蔵大臣、経済企画庁長官、金融監督庁長官にそれぞれ御質問をさせていただきたいと思いますので、落ちついてゆっくりとまた御答弁をいただければと、このように思っております。よろしくお願いをいたします。
 まず最初に、小渕内閣の目玉ということで、就任以来、伸び伸びと御活躍をいただいております堺屋経済企画庁長官に御質問をさせていただきたいと思います。
 長官、ここ一日、二日で大変為替相場が動きました。大変な円高といいますか、円が急騰をいたしまして、これは外国為替市場での急激なドル売り円買いの動きということになると思うんですけれども、八日の東京市場でも一ドル大体百二十円から百二十一円ぐらいの推移ということで、これは一九七三年に変動相場制に移行して以来最大の値動きだというふうに伺っているわけでございます。この原因については巷間いろいろ言われておりまして、米国のヘッジファンドの巨額の損失でアメリカの景気の失速の懸念が強まったとか、あるいは米連邦準備制度理事会による再利下げの観測が広がったとか、そんなことが言われているわけでございますが、この円高の背景にどういうものがあるのか、これについて堺屋長官の御見解を伺います。
 同時に、非常に急激な円高なのでまだ直接の影響は出ていないかと思いますけれども、最初に考えられることは、これはいい円高なのかよくない円高なのか、日本経済にとっていい兆候なのかよくない兆候なのか。輸出産業については少なくともネガティブな影響が考えられるんですけれども、そこら辺の実体経済に対する影響、どんな影響があるのか。
 この二点につきまして、長官から見解を伺いたいと思います。
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堺屋太一#6
○国務大臣(堺屋太一君) 御指摘のように、ここ二、三日、世界の為替市場が乱高下しております。つい一カ月余り前には百四十円だったことを思いますと、さま変わりな様相になってまいりました。
 この原因につきましては市場関係者も十分説明できないというのが現状でございまして、この値段、一ドル百十円台の値段が定着するのか、百十円台といいましても百十二円ぐらいから百二十二円ぐらいまでの間を激しく動いておりますので、どの線で定着するのか、今のところ全く、上から落ちたまりが弾んでいるような状態でございまして、私たちとしても幾らぐらいで定着するのかが見きわめられません。したがいまして、どの程度の水準で実体経済への影響を言うのか、これはまだまだ見きわめなければいけないところだと思っております。
 ヘッジファンドがアメリカ証券市場あるいは金融市場から大量に逃げ出した、したがって円に移ったというようなのは、うわさとしては聞いておりますが、実態が本当にどうだったのか正確な情報はまだ入っておりません。しかしながら、こういった乱高下が起こるというそのこと自体が国際金融市場にとっては不安定要因で要注意項目だということが考えられます。
 これが日本にどういう影響を与えるかと申しますと、二つ考えられます。
 主として主役はアメリカのヘッジファンドだと言われておりますが、そのヘッジファンドに関連して投資しているとか信託しているとかいう日本の金融機関、一般企業もあるかもしれませんが、日本関係のものもありまして、これが損失あるいは利益を上げている。そういうような条件がどの程度出てくるか今のところ全く見きわめがつきませんがゼロではないだろうと推察されるわけですから、そういうことから日本の金融市場にも影響を与える可能性があります。
 それから、御指摘のように実体経済でございますが、これは各企業とも恐らく一ドル百二十円かそれぐらいで経営計算をしておられたと思いますが、非常にそれがやりにくくなっているというような条件がございまして、現在のような価格、つまり百十円台というようなのが定着いたしますと日本の輸出産業に悪影響を与える可能性があると思います。そして、何よりも大きいのは、心理的影響としてこんなに為替が動くという国際環境が人々の不安をかき立てる、これもやはり無視できない問題ではないかと考えております。
 したがいまして、経済企画庁といたしましては、今、耳をそばだて、目を凝らしてこの数日の動きを見詰めておるところでございます。
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山本一太#7
○山本一太君 今、長官の方から輸出産業に対する影響あるいは心理的な影響、幾つかの悪影響の可能性についてお話がございましたが、長官、もし為替がこの百二十円、百二十一円台でこれからも推移をして続くということになりますと、やはり長い目で見ると今おっしゃったような悪影響が広がってくるかと思うんですが、経済企画庁は過去にも円高対策についてはいろいろな政策を打ち出しておられますけれども、もしこの円高が続くような状況になった場合に日本政府としてどんな対応が考えられるのか、一言見解を伺いたいと思います。
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堺屋太一#8
○国務大臣(堺屋太一君) 円高傾向につきましては、八〇年代から何度か経験をしておりまして、特に九五年、平成七年にかなり大幅な円高がありましたので、それの対応策をとることがございました。その際には、輸出産業に対して特別融資をしたり、そういうこともいたしましたし、また内外価格差を縮めるためにできるだけ電力料金、ガソリンその他の物資の引き下げを進めるようなこともいたしました。
 現在のところ、百二十円台でおさまるのか百十円台までいくのか、そのところはまだ見きわめられておりません。したがって、ここで何円という想定をして、直ちにそれにあわせて対策をとるようなことをいたしますと、相場がまた動きますとすぐ政策を変えなきゃいかぬということがありますので、ここしばらくはこの為替の動きを見定めて、安定した段階でまとめて政府としての対応をとる、国内的な政策としてはそれ以外にないだろうと考えております。
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山本一太#9
○山本一太君 ありがとうございました。政府としてもしっかり耳をそばだて、目を凝らしてフォローしていただきたいというふうに御要望申し上げます。
 次に、同郷の小渕総理大臣に、二点について御答弁を求めたいというふうに思います。
 総理御存じのとおり、日本経済はデフレスパイラルのふちにありまして、最悪に近い状況であるというふうに認識をしております。戦後経験したことのない不況のさなかにあると言ってもいいかと思います。今年度の経済成長の政府見通しも昨年度のマイナス〇・七%をどうも下回るということですし、日銀の短観もまことにあんばいがよくない、こういう状況でございまして、ここ何年かの日本政府の方針、方向というものが、日本という国家が二十一世紀に経済大国として、経済の活力を持った国として生き残れるかどうかの正念場に来ている、文字どおりそういう場所に差しかかっているというふうに認識をしておるわけでございます。
 当然、総理にももちろんこの御認識を共有していただいていると思いますし、こうした認識から、先般、総合経済対策については十一月上旬までの策定を指示しておられますし、さらに十兆円規模の例の二次補正予算案の前倒し処理を表明されたと、このように考えております。
 総合経済対策の中身の中心は、総理が以前から温めておられた生活空間倍増戦略プラン、それから雇用対策も含まれていると思いますけれども、産業再生計画ということでこの策定を指示された、これは十兆円に含まれると理解をしております。プラス貸し渋りの対策とか、あるいは住宅投資の促進とか、こういった政策を打ち出しておられるわけでございますけれども、もしこうした政策を打ち出しても景気が回復する兆しが見られない、こういうことになりますと、これは当然ですけれども、さらなる景気刺激策をやはり打っていかなければいけない、このように思うわけでございます。
 金融危機を克服する過程、特に不良債権等の処理をしていく過程ではどうしてもデフレの圧力が強まるというのが常識でございまして、やはり同時に大胆な景気対策が求められるんであろうと思います。場合によっては複数年で、何年かかかっても大幅な財政刺激政策、これもやはり検討が必要ではないかというふうに思うわけでございます。
 総理に、きょうはちょうどテレビも入っておりまして、国民に対して、引き続きこの経済の変化に対してドラスチックでタイムリーな経済政策を不退転の決意で打ち出していくと、その決意をはっきりと言いただきたいと思います。
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小渕恵三#10
○国務大臣(小渕恵三君) 我が国経済が極めて厳しい状況にあることは御指摘のとおりかと存じます。
 このことのよって来る原因につきましては今さら申し上げるまでもありませんが、我が国といたしましては、前の内閣がとりました六大改革、その中におきまして財政均衡を重要課題として取り組んでまいりました。これは、私ども日本政府としては、五百四十四兆を超えはるかに六百兆に近い公債残高を持つという事態は、これは看過し得ないということで対応してきました。これは我が国だけの政策としては適切であったかもしれませんが、そのことによりまして経済が極めて沈滞をした。あわせまして、その他外的な要因も加わりまして、今や日本の経済の実態が即世界経済に大きな影響を及ぼしてきておるという、こういう現状でございます。
 したがいまして一結論から申し上げますと、あらゆる手法を講じまして我が国の経済を活性化していかなきゃならない。そのために、大変僭越でございましたが、この内閣を経済再生内閣と、こう意味づけて対応しておるわけでございます。
 そこで、景気を何とか回復しなければならない。その前提としては日本の金融システムが極めて危機的状況にある。言うまでもありませんが、多くの不良債権を抱えて、経済の血液たる金融が体の隅々まで至らないという状況、ましてその原点であるところの金融を送り出すポンプたる心臓が大きく病んできておるという状況でありましたので、今般、この国会を通じまして金融システム安定のために全力を尽くして努力をさせていただき、また国会におきましても、その認識に立ちまして種々法案を提案していただきまして対処いたしておるところだと思います。
 したがいまして、我々といたしましては、あらゆる手段を講じるという中では、かねて私自身もこの問題につきましてはいろいろな角度から対応しなきゃならぬ。
 一般的に、世の中が不景気になりましたときに、これを打開する国の政策としては、いわゆる金融対策あるいは税制対策、財政対策、いろいろございますが、第一の金融というのは、昔は、不景気になりました、そうしたら高い金利を引き下げまして企業が設備投資に向かえるような体制にするのがある意味での古典的な手法でありましたが、これは今使えないことは言うまでもありません。したがいまして、でき得ることは財政出動、それから税制、これでどの程度のことができるかということだろうと思います。
 そういう意味で一私自身も総裁選挙のとき臨みました提案でございます所得課税あるいは法人課税の適正な、そしてしかも恒久的な意味合いを持つ、かつまた世界的に通用するような税制、これはある意味ではグローバルスタンダードを求められる日本の税制として、かつてどうしても所得課税、法人課税をある意味で世界以上に置いておく、これはある意味で国の財政としては税収を図りやすい手法であったわけですが、これを引き下げるというようなこと。
 あるいはまた、財政出動といたしましては、前内閣からとってまいりました十六兆の第一次の総合対策につきまして、ただこれは残念ながら、これが執行につきまして、ことしの状況、すなわち中央が支出する場合と、これに呼応して地方がこれにいかに対応できるかという点につきましては、残念ながら地方におきまして六月議会でこれを十分処理し得なかったというような中、参議院の国政選挙もありまして、九月からの県議会によりましてこの対応策が講ぜられるということでありまして、ややこの点では、国、地方の一体の予算執行がおくれぎみになっておる。ですから、これをさらに加速をしていくということもございますが、加えまして、第二次の補正予算の中でどの程度のことが考えられるかということでございます。この点につきましては、いわゆる従来型のものでない形での予算の執行が可能なような案件について積極的に取り組む必要があるのではないかと思っております。
 先ほど御指摘がありました生活空間倍増計画等、やはり国民がある意味で将来に対して夢を持つ、また持てるような形での財政出動ができるものでないかと。こういうようなことも含めまして、全力で努力を、国会におきましてのいろいろ御提案、あるいはまた山本議員もこうした案があるということでありましたら積極的にお出しをいただきまして、こうしたものを勘案させていただきまして、政府としてはあらゆる手法を通じてこの事態を打開する努力をいたしてまいりたい、このように考えております。
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山本一太#11
○山本一太君 近いうちに山本案をまとめて総理のところに持っていきたいと思っております。
 経済再生に内閣の命運をかけるということでスタートされたわけでございますので、今のお言葉のとおり不退転の決意で経済対策に臨んでいただきたい、このことを要望申し上げます。
 もう一点、総理から御答弁をいただきたい点がございます。
 私は、毎週地元に帰って、地元の有権者に会ってこの金融と経済の話を説明しようと試みております。商店街のおばあちゃんに会って、農家を回って、あるいは中小企業の社長さんに会って、サラリーマンの方々に会って、金融問題というのはこういうものだと、ない知恵を絞りながら一生懸命説明をしております。政治に興味のない茶髪でピアスをつけた二十代の若者には音楽を使って金融の問題を話しております。茶髪の人ももちろん政治に興味のある方もいらっしゃいます。そういう中で、やはり一番皆さんから言われることは、とにかく日本の経済が大変なときだ、党利党略で動かないようにしてくれ、日本の将来を考えて行動してくださいと。これはもう政治家として当然のことであると思います。
 もう一つ言われることは、この法案の審議には何でこんな時間がかかっているんだ、とにかく早く通さなきゃいけないんだけれども、どうもあちこちもめているようで、どういうわけなんだと、こういうふうに聞かれるわけでございます。
 私はそのときに、これは民主主義のコストですと、このように説明をしているわけであります。今回の法律は、議員立法で今までとは違う形で、いろいろ問題もありましたけれども政治主導でここまでやってきたんです。政策の実務者の会議では、例えば我が自民党からは、若い世代で余り年次にとらわれずに専門性を生かして活躍した塩崎恭久議員とか、そういう若い力が息づいて自民党も変わっているんです、こういう御説明をして回っているわけであります。(「自民党の中で苦労しているじゃないか」と呼ぶ者あり)自民党の中で苦労していても私たちが応援をしているわけでございます。
 ただ、その中でどうしても払拭できない私の会う有権者の方々の疑念というものは、特に与党・自民党の考え方というのは、このスキーム、金融再生の計画そのものが銀行を救済するためにやつているんではないかという疑念であります。
 そのことにつきましては、これは銀行を救済するためのスキームではありません、金融システムを守り、金融の透明性を担保し、そして日本経済を活性化させるためにみんなで考えて最もコストのかからない一番いいオプションを選ぶ、その議論をしている過程なんだと、こういう説明をするわけでございます。
 これもまた国民の皆さんが見ている大変いい機会でございますので、総理の口から、この早期是正スキームもそうですけれども、この法律もそうですが、銀行救済が目的ではない、これは日本の金融システムを守り、そして日本経済を活性化することが目的だ、助けるのは銀行ではなくて、銀行からお金を借りて汗を流して一生懸命頑張っている中小企業を初めとする善良な借り手の方々なんだということを改めて総理の口から一言御見解をいただきたいと思います。
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小渕恵三#12
○国務大臣(小渕恵三君) 全くお説のとおりと認識をいたしております。
 ただ、金融の制度に責任を持つ銀行を初めとして各金融機関の存在ということは、これは極めて大切な存在であります。さればこそ、銀行につきましても、銀行法という法律をもって、単に一企業の利益を求めることなく、社会的責任を負っているという立場で今日までその責任を果たしてきていただいたものと考えております。しかし、今日多量の不良債権を抱えて、バブル時期における資金の提供等の実態にかんがみまして、かつまた、それを今日大きな債権として、不良のものとして抱えておるという実態が国民に対して、大変な金融機関に対する不信感も率直に言ってあることも事実であります。
 そういった意味におきまして、今回のこの諸般の法律をお願いいたし、かつ国会でも議論いただいております趣旨は、単に一金融機関の、個々の銀行の救済というものでなくして、おっしゃるように金融システム全体の安定のために、これをなし得ないと日本経済が先ほど申し上げますように動脈が切れて金融が隅々に行かない。そうすれば、借り手たる方々が毎日孜々営々努力をしながら、その資金を活用しながら経営にいそしんでおる、それが企業として成り立たないという状況の中でございますので、そういった意味で、金融機関自身の大いなる反省と同時に、やはりこうした金融機関が健全化することによりまして日本経済の活性の大きな役割を果たしていただきたい、そういう大きな立場から我々はこの問題に取り組んでおり、国会も同様のお気持ちで対処していただいておるものと確信をいたしております。
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山本一太#13
○山本一太君 ありがとうございました。
 金融の問題はなかなか説明するのが難しい問題だと思います。
 私がよく直接地元を回って、有権者の方々が言われるのは、ハードランディングでもソフトランディングでもいい、何が日本のためにいいのか、そのやり方でやってもらえばいいと。しかしながら、ハードランディングをした場合に最悪のシナリオではどういうことが起こるのか、例えばどのぐらい企業が倒産して、どのぐらい失業率が上がって、どういう痛みを伴うのか、そして何年後に日本経済がよみがえるのか、こういう道筋さえ示してほしい、こういうことを言われるわけでございまして、こういうシミュレーションはなかなか難しいとは思うんですが、総理みずから先頭に立ってこの金融システムの説明を積極的にやはり続けていただきたい、このことを一言御要望申し上げたいと思います。
 総理の質問で思ったより二倍ぐらいの時間がかかってしまいまして、大蔵大臣お待たせをいたしました、宮澤大蔵大臣に御質問させていただきます。
 先般、米欧各国によるワシントンでのG7会合というのがございまして、これは七カ国蔵相・中央銀行総裁会議でございますが、ここでは日本の金融と経済の問題に議論が集中をしたというふうに伺っております。大変異例なことだと思いますけれども、このG7の声明の中で、日本に対して金融システムの信頼回復、そして大胆な景気回復のための政策を求める、具体的に、適切な条件のもとで存続可能な銀行に公的支援を迅速に供与する、こういう一文が声明の中に入ったわけであります。
 これについて、直接御出席をされた大蔵大臣にお聞きしたいんですけれども、今回まとめられた金融再生の法案、大蔵大臣がよく、初めての状況で今までの常識から逸脱したようないろいろな状態なんで、なかなか百点満点の回答というのは難しいとおっしゃっておりますけれども、今回まとめられているこの再生法案、これは国際的に見て日本経済の信頼を回復するに足るものだと思われるかどうか、その点について御感想を伺いたいと思います。
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宮澤喜一#14
○国務大臣(宮澤喜一君) 今回のG7の会合は、前回もこの委員会で申し上げたかと思いますけれども、実はかなり異常な雰囲気のもとに開かれました。
 と申しますのは、もう既にニューヨークでヘッジファンドの破綻がありまして、やがてロシアの後、これはラテンアメリカにも波及をするんではないかということがかなりもう現実の問題として考えられておりましたので、最も異例でありましたのは、アラン・グリーンスパン連銀の議長が、今まで自分は、殊にアメリカの経済人というものはリスクを積極的にとって進んできた、山本委員はその辺の雰囲気をよく御存じですので、リスクテーキングで進んできた、しかし、ロシアの出来事以来リスクアバージョンに変わってしまった。リスクから逃げようとする、俗な言葉で言えば、買っていった態度が売りに転じそうな気配があって、そうすると、これはかって自分の経験したことのないことで、しかもそれがロシアの出来事から今度はラテンアメリカがあるかもしれないという国際的な雰囲気が起こってきそうに思うんで、それは非常に信用収縮を心配しているんだということを、それは先週の土曜日でございますけれども、ごく最近のことでございます。
 ですから、彼はそれを公に聞こえてもいいつもりで言っておりますので、そういう意味での警告という意味での心構えをはっきり言ったんだと思うんです。ちょうど一月前にはサンフランシスコで、九月の六日かと思いますが、彼はインフレ警戒の基調からデフレ警戒の基調にということは申したんです。しかし、そのわずかの時間の間にそれだけ情勢が展開してしまって、はっきりそういうことを言って、したがって、国際的な金融収縮を今どうかして防がなければならないんだということを、非常にもうアメリカ自身の問題になっていますから言っておるわけです。
 その中で、今御質問のように、問題であるのは日本でございますから、これはもうよくよく知られた事実でございますので、問題は日本がいっこの金融収縮に対して新しい公的資本を投下して打開するかということが従来からの課題であったわけですが、今度そういう背景がございますので、日本の財政のことはほとんどもう言う暇もなく、金融関連のこの二法の帰趨について非常な関心を持って、したがいまして、そのことがああいう声明の中にも盛られております。盛られた文句は、先般、小渕総理大臣がクリントン大統領と会談をされましたあのときと同じ表現でございますけれども、会談そのものはもっともっと実は一種、緊迫しておりました。
 そのときは、会談が開かれましたのはその前日に再生法案が衆議院を通ったところでございますけれども、これから一体この法案はどうなるんだろうかということ、そしてこれに盛られた十三兆円というものはどうなるんだろうか。それよりも何よりも、これは第一段階の話であって、実は、一般的にはこれは破綻処理でございますから、破綻前の持続可能な金融機関をどうやって日本政府は助けていくのか、これに全部かかっているという感じでございますから、その破綻前処理の、今で申しますと金融システムの早期健全化というあの部分ですが、これが本当に国会を通るんだろうかということが専らの関心でございました。
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山本一太#15
○山本一太君 今の件についてはいろいろお聞きしたいこともあるんですが、少し時間が迫ってまいりましたので、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 これまで銀行の不良債権の処理については、主に国内の不良債権の議論が行われてまいりました。この不良債権の問題というのは、場合によっては海外にも広がる可能性があるということを指摘させていただきたいと思います。
 特に日本の銀行は東アジアに随分融資をしておりまして、今の東アジアの経済状況あるいはこれからの、通貨危機の後、経済が低迷しておりまして、これからの状況によっては邦銀によるアジア向けの融資が第Ⅱ分類、すなわち不良債権に近い形になるおそれがなしとしない状況であるというふうに認識をしておりますが、金融監督庁の方に、今の東アジア八カ国に対する融資残高、できれば一番新しいデータがいいんですけれども、そのデータがあればお聞きしたいと思います。簡潔にお願いいたします。
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日野正晴#16
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。
 ただいま山本委員が仰せになりました東アジア八カ国、仮に中国、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、台湾、タイ、シンガポール、この八カ国をとらせていただきますと、国際決済銀行の統計によりますと、昨年十二月末現在における貸国債権の残高は約一千六百八十四億ドル、これは日本円に換算いたしますと約二十一兆九千億円となっております。
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山本一太#17
○山本一太君 これはいろんな形で日本の銀行もリスクヘッジをしている可能性はあると思います。例えば、為替のリスクヘッジもあるでしょうし、貿易保険もあると思うんです。貿易保険については、昨日ちょっと調べてみましたが、余りかかっておりません。いろんな事情があってなかなか貿易保険はかかりにくいということもあるのかもしれませんけれども、これからの状況によってこの問題はいろいろと推移が変わると思うんですけれども、この問題について、明らかに不良債権化するおそれもあるわけなんですが、どのような対応をとっていかれるのかについて、フォローとしてちょっとお聞きしたいと思います。
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日野正晴#18
○政府委員(日野正晴君) これらの債権が不良債権となる可能性があるかどうかというお尋ねでございますが、これはそれぞれの国の経済あるいは債務者の個別の事情によりまして一概に申し上げることは困難でございますけれども、最近私どもは検査をやっております。検査では海外向けの債権についても検査しておりますので、そうした形でのヒヤリングをやりますと、我が国の金融機関のアジア向け債権につきましては原則として為替リスクをヘッジしております。
 それから、我が国の金融機関のアジア向けの債権のかなりの部分が日系企業でありますとかあるいは地場の大手優良企業に対するものであることなど、各金融機関とも為替リスクあるいは信用リスクに配慮した融資を行っているというふうに聞いております。
 したがいまして、最近のアジア諸国の経済情勢が我が国金融機関の経営に直ちに重大な影響を与えるものとは考えておりませんが、金融監督庁といたしましては、各金融機関に対しましてさらなるリスク管理の徹底、それから経営の健全化確保に努めるよう促していきたいと思いますし、アジア各国の経済動向、為替相場の動向等が金融機関の経営に与える影響につきましては、今後とも注意深く見守っていきたいと考えております。
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山本一太#19
○山本一太君 ありがとうございました。引き続き注意深く監視をしていただきたいというふうに思います。
 時間が残り少なくなってきたので、あと一問お伺いをしたいと思います。
 よく日本発の金融恐慌ということを申しますが、特にアジアの経済危機については日本の経済の低迷がアジアの経済不振を招いている、こういうような論調が見られるわけでございますけれども、事実は実は双方のダウンスパイラルになっている。すなわち、アジア経済がよくないということが日本経済に悪い影響を及ぼすということが正しい言い方なんではないかというふうに思います。アジアと日本の関係を見てみますと、輸出、輸入とも四割近いシェアを占めている、投資についてもかなり大きなウエートを占めているということから考えて、やはりアジア経済がよくなるということが日本の経済をよくすることにもつながるのではないかというふうに思います。ある統計によれば、東アジア九カ国の成長率が三%低下すると日本の経済成長率が〇・七%減速をするというデータもあるわけでございます。
 こうした中で、先般、ワシントンで一連の金融危機回避の会議が行われまして、アジア蔵相会議だったと思いますけれども、宮澤大蔵大臣が、アジア通貨基金構想と言っていいのか、まだそこまでいっていないのかわかりませんけれども、アジアに対する新しい宮澤構想を出されたというふうに伺っておりまして、これは大変時宜を得たタイムリーな話だというふうに私は認識をしておるわけでございます。これは、通貨危機の後に経済低迷の続くアジア地域の経済回復について日本が主導的役割を果たす、こういう姿勢を明確にしたものと思われます。
 ちょうど時間があと二分しかございませんので、最後に宮澤大蔵大臣の方からこの宮澤構想について、これは昨年アメリカやIMFが反対して日の目を見なかったアジア通貨基金構想につながるものであるのか、詳細はこれから詰めていかれると思うんですけれども、この中でどういうことを日本としてやっていこうとしているのか、その点について二分でお答えをいただいて、私の質問を終わりにしたいと思います。
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宮澤喜一#20
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年からこの問題はずっとアジア諸国と我が国との間でいろいろ議論になっておったことでございますけれども、多分アジア通貨基金構想と呼んでいただかない方が今の段階ではいいのだろうと思います。
 目的は、アジアの国々、ASEANの国々がこれから通貨危機の後に立て直しをしなければなりません。そのためには、いつでもそうでございますけれども、産業のリストラをやるとか金融秩序をつくるとか、あるいは失業が多ければネットワークが要りますし、公共事業も要りますし、あらゆる施策をしなければならない。しかし、金がないわけでございますから、その金をよそでつくるのに日本がひとつ一役買いましょうと。
 輸出入銀行が、ODAも円借款もございますけれども、そういうものをお貸ししましょう、それから、起債をされるときは保証もいたしましょう、利子補給もさせて結構です、国際銀行との関連で協調融資も輸銀が中心になっていたしましょうと、そういう部分が一つでございます。
 もう一つは、とにかく外貨がないのでございますから、輸出をしようにも輸入の材料を買う金がございません。そういう為替関連の、貿易関連のお金をお貸ししましょう。
 前者は百五十億ドル、当然やや長期になりますし、後者は同じく百五十億ドル、短期になると思いますが、そういうお助けをいたしましょうということで、蔵相と中央銀行総裁に御説明いたしまして、大変喜んでいただいて、具体的な折衝にこれからバイで入りたい、こういうことになりました。
 二分たちました。
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山本一太#21
○山本一太君 ぴったりで、ありがとうございました。
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坂野重信#22
○委員長(坂野重信君) 関連質疑を許します。田中直紀君。
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田中直紀#23
○田中直紀君 自由民主党の田中直紀でございます。関連質問を申し上げます。
 金融関連法案も成立のめどが立ったということで大変明るいニュースであるわけでありますけれども、一方で、御存じのとおり、東京株式市場で十二年八カ月ぶりに一万三千円の平均株価を割るという安値を更新したわけでございます。御存じのとおり、銀行関連におきましても信用収縮の影響が出てくるわけでありますし、含み資産が減るということで大変企業の業績悪化にも波及をしてくるという、大変な時期にあるわけでございます。
 小渕内閣にとって金融問題、一つ山を越えたわけでありますけれども、これからの経済対策につきまして、現在の日本経済の現状をまずどういうふうに認識をされておるか、それに基づいてやはり大胆に対策を講じていかなければいけない、こういうふうに思うわけでありますけれども、小渕総理に、日本経済の現況についてどのように認識をされておるか、まずお尋ねをいたしたいと思います。
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小渕恵三#24
○国務大臣(小渕恵三君) 今朝も経済月例会議を内閣といたしましていたしました。経企庁長官もここにおられますが、報告によりましても大変厳しい状況であることは依然として継続をいたしておるわけでございます。
 個人消費は依然として低調でございますし、住宅建設もいっときの百三十万戸、四十万戸という時代でなくて百万戸に近くなってきておりまして、大変低水準が続いております。設備投資も大幅に減少し、特に中小企業の減少が著しいということでございます。また、輸出は全体として横ばい状況になっておりますが、これはやはり為替の問題もあろうかとは思いますが、そういった点で輸出を大きく伸ばすという環境でもない。また、国内の最終需要が極めて低調でございまして、したがいまして当然のことながら生産は減少傾向にあるということでございます。残念ながら、景気は低迷状態が長引いて厳しい状況にあるということは率直に申さざるを得ません。
 したがいまして、先ほど来山本委員にも御答弁申し上げましたけれども、それを打開するために何がなし得るかということで今までもでき得る限りの手は打ってきたつもりではありますけれども、さらなる対策を講じてこの事態を打開してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
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田中直紀#25
○田中直紀君 大変、小渕総理には打開していく決意を述べていただいたわけでありますけれども、やはり政権がかわりますと、まず新しい期待感というものがあろうかと思います。
 今の日本の社会において何か変わったというような印象を持たない、そしてまた新しい希望というものがひとつ生まれてきておらないというような現状を肌で感じるわけでございますし、この秋口以降、経済問題におきましても恐らく企業は大変萎縮をしてくる、あるいはリストラを進める。そうしますと、雇用の問題あるいは収入の面で人々が大変不安を増長させる、こういうことが年内に起こってくるわけでございますし、十兆円の経済総合対策の検討に入った、こういうことでありますけれども、今の実情からいいますと、後で経企庁長官にもお伺いしたいと思いますが、いわゆる需給ギャップが三十兆円以上を超えておるのではなかろうか、こういう経済環境にあると認識をいたしております。
 速やかに政策を実行するという打開策の決意をもう一度お伺いいたしたいと思います。小渕総理にお願いします。
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小渕恵三#26
○国務大臣(小渕恵三君) これまた先ほど御答弁申し上げましたが、あらゆる手法を講じてこの打開に努めてまいりたいと思っておりますが、前内閣から引き続いての総合経済対策十六兆の効果を一日も早く出していかなければならないと思いますと同時に、第二次補正の必要性も痛感いたしておりますので、そうした対策を具体的な施策にのっとってどういう形で支出ができるものかどうかということで対応いたしていきたいと思っております。
 なお、先ほど答弁の中で、住宅着工件数につきまして百万戸前後と言いましたが、百十万から百二十万ということでございました。しかし、依然として最盛時に比べれば大変残念ながらそれが低迷しておることも多きに景気に影響しておるということでありますので、こうした住宅対策に対しましても何らの方策が講ぜられないか、あるいはまた既に住宅を得ておられる方々に対して何らかの対応ができないか。これは直接的には景気に影響するわけではありませんが、そうした住宅を取得した方々がローンその他で悩んでおられる、このことが結論的に見ますと消費の低迷につながっておるというようなこともございますので、そうした方々の安定的生活設計のためにもどういう手法が講ぜられるか等々、あらゆる手法を考えてまいりたいと思っております。
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田中直紀#27
○田中直紀君 先ほど、これから十兆円の経済総合対策の検討に入る、こういうお話がございました。
 堺屋経企庁長官にお伺いいたしたいと思います。昨年は御存じのとおり増税の年、九兆円の国民負担がふえた、こういうことで十五兆円以上の需給ギャップが生まれた。これが年が明けてから非常に生活不安になってきたわけでありますが、その後の十六兆円の経済対策においても、二月の二兆円の減税、あるいは八月一日の四兆円の減税としましても、この需給ギャップを埋めるだけになっておらない。これから十六兆円の経済対策の効果も出てくると思いますが、今我が国の需給ギャップが、通産省でも試算しておるというふうに聞きますが、私は、昨年の倍の三十兆円以上の既に需給ギャップが生まれ、企業が大変である、あるいは生活環境も変わってきておる、個人消費も伸びない、冷え込んでいるという状況ではなかろうかと思います。
 ですから、今対策を検討するのであれば、やはりせめて少なくとも二十兆円以上の経済対策を速やかに実行できるような経済環境ではなかろうか、実行しなければいけないというふうに私は思っておりますけれども、いかがでしょうか。
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堺屋太一#28
○国務大臣(堺屋太一君) お説のように、不況が長引いておりまして、需給ギャップがかなり発生している。それが正確に今何兆円分であるか、これは諸説紛々でございまして、三十兆円というのは一つの御認識だろうと思います。
 これに対しまして、政府は十六兆円の総合経済対策、そして小渕内閣が発足する以前から十兆円の第二次補正予算、さらに七兆円に達するであろう減税項目等を講じておりまして、これが全部発動されますと大体三十三兆円という、単純に足しますとそれぐらいになります。さらに乗数効果その他のことを考えますと、かなりの規模の下支えにはなるだろうと思います。
 しかしながら、先ほどから議論がございますように、消費の冷え込みあるいは投資の冷え込み、さらには住宅建設が三年ほど前には百六十万戸もあったのが今百十万戸台、百十数万というぐらいに減っておりますから、そういったものの動向がどうなるのか。これに公的資金あるいは減税の流入でどれだけ刺激が与えられるのか、まだ十分にわかっておりません。
 私は、この財政出動及び減税によって下支えの効果はあるだろうけれども、世間のマインドが非常に冷え込んでおりますから、これだけで景気を回復することにはなかなかならないんじゃないか。また、国際的にもいろいろと先ほどから御質問がございましたように不安要因がありますので、さらに大胆な将来を遠望した構造的な改革で国民を安心させるような施策もこれから急いでとっていって、その両方を合わせて国民のマインドを引き上げていく、そういったことが必要になってくるんじゃないかと考えております。
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田中直紀#29
○田中直紀君 下支えにはなるけれども、なかなか景気浮揚にまで立ち至っていないという政策の分析ではなかろうかと思いますので、小渕内閣としても全力を挙げてあらゆる手段を使って国民の不安を払拭できるような政策の実行をお願い申し上げたいと思います。
 引き続きまして、金融問題も山を越したという状況になりますけれども、これからの不良債権の処理のマクロ経済への影響についてお伺いをいたしたいと思います。
 全銀行の不良債権につきましては、先般、金融監督庁から八十七兆円の不良債権、こういうことでありますけれども、しかしそのほかの五百五十兆の貸し出しの中でも三十兆ぐらいの不良化も今後出てくるのではなかろうかということでございます。そうしますと、百兆円以上の不良債権を、これから公的資金も導入の道が開かれましたけれども投入をして、そして早くこの経済、今景気浮揚までの対策になっておらないという中で、一方で金融問題についても百兆円以上の不良債権を処理していかなきゃいけないというところに立ち至っておるわけであります。これを経済学者に聞きますと、やはり二、三年はかかる、こういうことを言われるわけでありますから、なお一層経済の土俵というものが厳しい我が国の環境下に置かれておるということではなかろうかと思います。
 この不良債権全体でマクロ的に見て、いつごろまでその時間がかかるかといいますか、なかなか見通しはっかないと思いますけれども、この不況の長期化にどれだけの影響を持ち、そしてまた乗り越えていかれるか、経企庁長官にもう一度お伺いいたしたいと思います。
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