日本国有鉄道清算事業団の債務処理及び国有林野事業の改革等に関する特別委員会

1998-10-12 参議院 全206発言

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会議録情報#0
平成十年十月十二日(月曜日)
   午前九時三分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         中曽根弘文君
    理 事
                加藤 紀文君
                鈴木 正孝君
                成瀬 守重君
                川橋 幸子君
                寺崎 昭久君
                魚住裕一郎君
                宮本 岳志君
    委 員
                市川 一朗君
                岸  宏一君
                国井 正幸君
                佐藤 昭郎君
                斉藤 滋宣君
                清水嘉与子君
                常田 享詳君
                仲道 俊哉君
                馳   浩君
                依田 智治君
                若林 正俊君
                郡司  彰君
                佐藤 雄平君
                谷林 正昭君
                藤井 俊男君
                山下八洲夫君
                和田 洋子君
                荒木 清寛君
                日笠 勝之君
                弘友 和夫君
                須藤美也子君
                富樫 練三君
                渕上 貞雄君
                村沢  牧君
                戸田 邦司君
                渡辺 秀央君
                西川きよし君
   衆議院議員
       修正案提出者   衛藤 晟一君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小渕 恵三君
       大 蔵 大 臣  宮澤 喜一君
       農林水産大臣   中川 昭一君
       運 輸 大 臣  川崎 二郎君
       郵 政 大 臣  野田 聖子君
       労 働 大 臣  甘利  明君
   政府委員
       内閣法制局長官  大森 政輔君
       内閣法制局第四
       部長       野田 哲也君
       大蔵大臣官房審
       議官       福田  進君
       大蔵大臣官房審
       議官       山本  晃君
       大蔵省主計局次
       長        寺澤 辰麿君
       大蔵省理財局長  中川 雅治君
       林野庁長官    山本  徹君
       運輸省鉄道局長  小幡 政人君
       郵政省貯金局長  松井  浩君
       労働省労政局長  澤田陽太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林 正二君
       常任委員会専門
       員        鈴木 威男君
       常任委員会専門
       員        舘野 忠男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関す
 る法律案(第百四十二回国会内閣提出、第百四
 十三回国会衆議院送付)
○国有林野事業の改革のための特別措置法案(第
 百四十二回国会内閣提出、第百四十三回国会衆
 議院送付)
○国有林野事業の改革のための関係法律の整備に
 関する法律案(第百四十二回国会内閣提出、第
 百四十三回国会衆議院送付)
○森林法等の一部を改正する法律案(第百四十二
 回国会内閣提出、第百四十三回国会衆議院送付
 )
○地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ
 き、東北森林管理局及び関東森林管理局の設置
 に関し承認を求めるの件(第百四十二回国会内
 閣提出、第百四十三回国会衆議院送付)
○一般会計における債務の承継等に伴い必要な財
 源の確保に係る特別措置に関する法律案(第百
 四十二回国会内閣提出、第百四十三回国会衆議
 院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
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中曽根弘文#1
○委員長(中曽根弘文君) ただいまから日本国有鉄道清算事業団の債務処理及び国有林野事業の改革等に関する特別委員会を開会いたします。
 日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律案、国有林野事業の改革のための特別措置法案、国有林野事業の改革のための関係法律の整備に関する法律案、森林法等の一部を改正する法律案、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、東北森林管理局及び関東森林管理局の設置に関し承認を求めるの件及び一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律案の六案件を一括して議題といたします。
 六案件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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寺崎昭久#2
○寺崎昭久君 おはようございます。
 総理初め閣僚の皆様方には連日の国会対応、外交日程の消化ということで大変お疲れのことと存じますが、会期末もいよいよ迫ってまいりました。本日はぜひ実りのある質疑をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 早速、総理にお尋ねいたします。
 去る六日に国鉄債務処理に係る関連法案が自民党、自由党、社民党の三党を中心とする賛成多数で衆議院を可決通過し、参議院に送られてまいりました。そのことについてマスコミを初め有識者の反応はいかがなものか観察しておりましたが、私の見るところ総じて不評であったと思います。その理由としては、問題の先送りであるとか理屈の通らないJRの追加負担であるとかを挙げていたように思います。
 そういう状況ですから、総理も社説等の幾つかはごらんになっているんではないかと存じますけれども、総理自身はこの処理スキーム等のできばえをどのように評価されているのか、まずそれをお伺いしたいと思います。
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小渕恵三#3
○国務大臣(小渕恵三君) 今般の国鉄長期債務処理スキームにつきましては、政府の原案を国会にお願いしておったという意味でありますれば、それが衆議院におきまして与野党の話し合いによりJR負担につきまして半減の方法をとられたわけでございますから、政府としては冒頭の提案に比べれば形が変わったという意味では残念だとは思います。
 しかし、衆議院におきまして院の決定がそのように行われたということでありますれば、それはそれが正しいことと認識をいたしておりまして、この参議院におきまして得られた結果が国会の御意思であり、それを受けて政府としては物事を執行していく立場でございますので、点数をつけることはなかなか困難でありますが、ぜひ一日も早く通過させていただきたいと願っておる次第でございます。
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寺崎昭久#4
○寺崎昭久君 できばえに自信があれば、及第点であるとか、せめてそれぐらいのことはおっしゃるんではないかと思いますが、おっしゃらないところを見ると、総理も内心じくじたるものがあるのかなと推測させていただいております。
 私は多分総理よりも辛い点数をつけていると思います。というのは、前例踏襲、便宜的な、秀才の書いた作文ではないかというようにスキームも法案全体も感じられるからでございます。
 理由を挙げますと、債務返済の鉄則というのは、まず当事者みずからが出るを制し入るをはかるということだと思いますが、行政費の削減あるいは国有資産の売却といったみずからの努力について言及されておりません。それから、当座の利払いの財源を国鉄債務とは無関係なたばこと郵便貯金特別会計に求めておりますが、債務の元本についてはどう返済するのかということが明示されてなく、先送りされているからであります。既に決着済みの年金にかかわるいわゆる移換金の問題についてもまた持ち出しまして、民間企業となったJR各社に追加負担を求めるというようなこともやっております。また、債務増加の原因ともなった財投システムにメスを入れるということもやっておりません。
 従来のスキームの欠陥、運用上の問題から何を学んだのか、そういったことを疑わせる新しいスキームになっているわけであります。とりわけ責任と権限の所在というんでしょうか、そういったものが不明確なままにされているというのは極めて遺憾なことだと思います。言ってみれば、いわゆる官僚的な手法でつくられたスキームであって、私はこのままではまた破綻するんではないかとすら思っているわけでありますが、総理はそういう懸念はお持ちではありませんか。
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小渕恵三#5
○国務大臣(小渕恵三君) 今回のスキームは、とにもかくにもこれだけ膨大になりましたこの状況の中で、利子の累積がかような問題になってまいりまして、これを解決しなければならないという事態の中で対処してきたわけでございます。
 したがいまして、この処理法案につきましては、財政構造改革会議において将来の世代の負担を先送りするという形での安易な処理を回避するためあらゆる方策につき個別的、具体的検討が精力的に行われたところでございまして、こうした検討に基づき、事業団の債務について事業団にかわる最終的な負担を閣議決定するものであるので、この方策では破綻することはない、こう信じておる次第でございます。
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寺崎昭久#6
○寺崎昭久君 認識のずれがあるように私は思います。
 まず、処理スキーム全体についてお伺いしたいと思うんですが、昭和六十年七月二十六日の国鉄再建監理委員会答申を受けて、政府は国鉄債務の新たな財源・措置に関して何度も閣議決定等を通じて公約をされてきております。すなわち、六十年には長期的、総合的、全国民的な処理策を検討、確立すると述べられ、その後、歳入歳出の全般的な見直しの中で検討、決定する、あるいは本格的、具体的処理策を検討、成案を得る等々、十数年の間に年末年始になると恒例行事のように閣議決定でこうした美辞麗句というか修飾語をちりばめた大げさな、十二ひとえを着せかえるような文書を発表されているわけであります。
 そして、このたびは十年に一度というふれ込みで対策を発表すると言うから、私は早期償還論者ですから大いに期待しておりましたけれども、拝見しまして大変失望、落胆、もっと言えばこれが本当に政府の知恵を絞った最終的な案なのかと思ったほどでございます。
 十年以上も構想を練りに練ったその結果がたばこ特別税の創設と郵貯特会からの特別繰り入れなんでしょうか。これが政府の言う新たな財源・措置のすべてということなんでしょうか。運輸省はこの程度のスキームしか考えられないのか。運輸省、答弁してください。
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川崎二郎#7
○国務大臣(川崎二郎君) 寺崎委員から厳しい御指摘でございます。
 国鉄清算事業団の債務の本格処理のためにいろいろなことが考えられたことは事実でございます。
 少し御報告申し上げますと、自主財源による債務償還、財投資金の繰り上げ償還あるいは金利減免、相続税軽減等の特典をつけた無利子国債の発行、歳出全般の大幅な見直し、交通機関利用者全体の負担、JRによる負担、鉄道利用税等の形によるJR利用者の負担、揮発油税等道路財源の活用、事業団債務の一般会計へのっけかえ、増税による国民負担、郵便貯金特別会計の剰余金の活用、それからたばこ特別税、さまざまなことが考えられた中で、結論といたしまして、先ほど総理からお話がありましたような結論になり、御提案を申し上げた次第でございます。
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寺崎昭久#8
○寺崎昭久君 私は、従来スキームを破綻させた責任を全く感じられていないんではないか、反省もないんではないかとしか思えません。民間は今命がけでサバイバル作戦を展開しているわけであります。それに比べて、過去に何をやってきましたと言うだけがこれから本気になって長期債務を返済しようという運輸省の態度なんでしょうか。
 私は、民間で言えばこれは破産か、ないしは会社更生法適用の申請ものだと思います。国の場合には、国債を増発してひとまずは資金運用部に引き受けてもらうというようなことができるわけですから、たとえタコ配当のようなことをやっても問題が表に出るということはないのかもしれません、したがって債権者も取りつけ騒ぎを起こすというようなことはやらないのかもしれません。しかし、実態は債務者の側から見れば間違いなく破産であるわけです。
 そうした認識でつくられた新しいスキームだったら、もう少し元本償還まで踏み込んだ検討がされて当たり前じゃないですか。もう一回答弁してください。
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川崎二郎#9
○国務大臣(川崎二郎君) 昭和六十二年の国鉄改革のときに、まず資産売却を急げと。この資産売却が当時の状況判断の中で先送りをされた、そのために残念ながら多額の債務を抱えるようになりました。同時に、国鉄の再建が考えられたときに、その資産売却が終わった後、本格的な処理のスキームを考えろと、こういう御指摘をいただいたところでございます。
 そういった議論の中で、先ほど申し上げたように、特別の収入を求める、また交通税、揮発油税等のものを考える、こんなことも与党内でさまざまな議論が重ねられたことは事実でありますけれども、今回御提案申し上げた一つのスキームが最上のものということで御決断をいただき、そして提案をさせていただいたところでございます。
 元本償還に入り得ないという今日の状況をどうぞ御理解賜りたいと思います。
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寺崎昭久#10
○寺崎昭久君 十何年もかかってこの程度のスキームしかできないというのは極めて遺憾だと思います。
 倒産とか会社更生法の適用となれば、民間企業の場合だったら当然管財人を選任する、その管財人の指示に従って再建計画をつくる、法的な措置をするという手続がとられるわけであります。国の場合には倒産という事態を想定していないんでしょうから、この場合は運輸大臣が破産人兼管財人ということだと思います。だとすれば、管財人として何をするのかという立場から新しいスキーム、新しい法律をつくるということをやるのが当たり前のことじゃないんでしょうか。
 例えば今の元本償還の問題にしても、「当面は、一般会計の歳出・歳入両面にわたる努力により対応」ということになっておりますが、これは言ってみれば行政の裁量にお任せくださいということと同じじゃないですか。その結果、従来スキームは破綻したんですよ。同じことをやろうとしている。それがおかしいんですよ。せめて行政の裁量幅を縮小するとか、そういうことを決めたらどうですか。もう一回言ってください。
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川崎二郎#11
○国務大臣(川崎二郎君) 今回のスキームにおきまして、衆議院でもたびたび御議論いただいたことでありますけれども、金利が金利を呼ぶ、こうした状況をまず解決しなければならない、この基本的な考え方の中でまず金利問題を解決する、こんなことで出させていただいた次第でございます。
 先ほど申し上げましたように、元本問題について踏み込めなかったことについては御理解を賜りたいと思います。
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寺崎昭久#12
○寺崎昭久君 従来の処理スキームが破綻した、本格的処理が緊急課題であるという認識で新しいスキームをつくられたとすれば、国鉄民営化にさかのぼっていろんな問題点を洗い直すというのは当然の作業だと思います。
 その一つとして、例えば運輸施設整備事業団からお金を出している新幹線建設交付金や都市鉄道建設のための無利子貸し付けについてどのように検討したのか、しなかったのか。言うまでもなく、これらの財源というのは新幹線保有機構あるいは鉄道整備基金発足のときに、新幹線鉄道施設から施設の譲渡代金が使われているわけであります。本来は国鉄債務の返済に充てられて当然の財源だと思います。新幹線の鉄道財源が、建設財源がないというのであればそれは一般財源に求めるのが筋で、先に債務償還にこの財源を充てるというのは当たり前のことだと思いますけれども、そういう検討をしたんですか。
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川崎二郎#13
○国務大臣(川崎二郎君) もちろん、一つの議論として、運輸省の行政経費を削減して、そこの中から賄うべきでなかろうか、もっと突き詰めますと、鉄道局予算を削減してそれを賄うべきか、こういう議論も当然あります。しかし一方で、幹線鉄道というものの全体的なネットワークというものをぴしつとっくり上げる、これも一つの要請であろうと思っておりますし、また都市部におきまして地下鉄というものを早く整備して、通勤者の今日こうむっておる被害的な状況と言ったら失礼かもしれませんけれども、今日の状況を少しでも緩和すべきではなかろうか、これは逆に鉄道局に課せられた課題であります。そういった両方の要請というものの中で今日のスキームを御提案申し上げたということでございます。
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寺崎昭久#14
○寺崎昭久君 私は、鉄道網の整備が不必要だなんということは申し上げておりません。どうして整備新幹線から上がってくる収益でそれをやろうとするんですか、必要であれば一般財源に求めたらどうですかということを申し上げているんです。
 平成三年の夏のころ、運輸省も言われたと思いますけれども、盛んに鉄道の復権という言葉がマスコミに見えるようになりました。この時点で国鉄債務がどうなっていたかというと、発足当初よりも約七千億増加しておりまして、そしてその十月には鉄道整備基金が発足するという状態の中でございました。しかし、鉄道の長期債務というのはさらに累増するおそれも十分あったわけであります。
 そういう状況の中で、私は平成三年九月十九日の参議院運輸委員会でこういうことを発言させていただきました。鉄道の復権がもしも整備新幹線建設ラッシュの初年度という意味なら問題である、清算事業団の土地や株式売却が思うに任せない状況を念頭に置くならば、その前に債務返済の見通しや国民負担がどうなるのか、それを明確におっしゃってくださいと。国民負担が十兆円を上回るということがどうも確実のようであるというのであれば、今から毎年その償還資金を手当てしてはどうですかということも申し上げました。残念ながら、当時の運輸大臣は平成三年の土地処分の見通しがついたら云々という閣議決定をオウム返しされるだけで、やろうとしなかった、動こうとしなかった、それが今日大きな問題を残したということを申し上げたいわけであります。
 債務償還が緊急の課題だという認識があるのであれば、せめて整備新幹線の建設をスローダウンするとか、一定時期中断するとか、そういうぐらいのことは検討したらどうですか。もう一回言ってください。
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川崎二郎#15
○国務大臣(川崎二郎君) 寺崎委員から厳しい御指摘でありますけれども、一方で整備新幹線はぴしっと整備をしていかなきゃならぬという意見も大きな意見だというふうに受けとめておりますし、また一方で、先ほど言いましたように、都市鉄道の整備、これも極めて大きな課題であると私は考えております。
 この二つの要件の中で、結論として、まず金利が金利を呼ぶという状況を何とか解消しなきゃならぬという今日のスキームを提出させていただいたわけでございます。
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寺崎昭久#16
○寺崎昭久君 何度も申し上げますけれども、金利がこれ以上ふえることを防がなければならないというのは私も同じです。それのために何で新幹線の売却益を充てるんですかと申し上げているんです。
 これは勘ぐれば、平成三年当時のことですが、性懲りもなく政治路線にまた着手したのかという見方もありました。また、運輸省の中にも、国鉄債務の償還は少々おくれようが債務がふえようが、いずれ一括国民負担にお願いすることだから五十歩百歩だと考えていたのではないか。それよりも、大蔵省に頭を下げて財源を手当てしてもらって新幹線をつくるなんということはやりたくない、そういう思いがあって鉄道整備基金をつくったんじゃないかという推測も当時はされていたわけであります。
 私は、当然このスキームをつくるに当たってそうした過去の問題についても洗い上げて、練り上げる必要があると感じております。
 大蔵大臣にちょっとお伺いいたします。
 今回、国鉄債務の一部を、一部というか大部分を国の一般会計が承継されることになりました。となりますと、今申し上げてきた整備新幹線鉄道の譲渡代金も一般会計に入れろと要求してもおかしくないと思うんですけれども、そういうことはされたのかどうか。新幹線施設の譲渡代金、これを一般会計に入れるようにと要求してもおかしくないんじゃないでしょうか。なぜ債務だけ引き継いで債権を引き継ごうとされないのでしょうか。
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宮澤喜一#17
○国務大臣(宮澤喜一君) 売却益は整備基金の方に入れてございますから、それでつじつまが合っておるというふうに考えております。
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寺崎昭久#18
○寺崎昭久君 基金の方に入っているんですが、
 一般会計には入っていないんですね。だったら、大蔵大臣の今言われる理屈からいえば国鉄の長期債務も全部基金の方へ入れたっていいんじゃないかということになると思いますけれども、債務だけ引き受けて債権はいいよというのはおかしいんじゃないでしょうか。
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寺澤辰麿#19
○政府委員(寺澤辰麿君) 事務的な点をまず私の方からお答えさせていただきたいと思います。
 新幹線鉄道施設の譲渡の代金につきましては御指摘のように毎年七百二十四億円が整備新幹線の建設に対する交付金の財源とされておりますが、それ以外の部分につきましては今回のスキームにおきましても鉄道建設公団の特例業務勘定の収入とすることにしておりまして、これは年金等負担金の支払いに充てることとされているところでございます。
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寺崎昭久#20
○寺崎昭久君 新幹線整備のために七百二十四億円を使っているというのはそのとおりですけれども、それ以外にもあるでしょうと言っているんです。地下鉄の建設だとか常磐新線をつくるために新幹線の上がりを使っているじゃないですか。
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寺澤辰麿#21
○政府委員(寺澤辰麿君) それらにつきましては、貸付制度になっておりますので、最終的には年金等の支払い財源になることにされているところでございます。
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寺崎昭久#22
○寺崎昭久君 それもわかっていますけれども、その利息も新幹線から上がってくる運用益で賄っているんでしょう。もとは同じですよ、新幹線ですよ。
 別の問題に入りますけれども、元本償還の問題について、大蔵大臣は八月三十一日の衆議院特別委員会では、今具体的計画が立っていないとおっしゃられ、また利払いがふえることを防ぐのが今の我が国財政がなし得る計画としか答えられませんというお話がございました。したがって、この問題について根拠を示せとか、どうやって財源を見つけると申し上げてもなかなか期待する答えは出ないかと思いますけれども、せめて償還財源の償還方法あるいは財源について、いつまでに決めるということはおっしゃっていただけませんか。
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宮澤喜一#23
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど運輸大臣が利子が雪だるまにならないようにという意味のことを言われましたとおり、新雪が根雪にならないようにという程度のことができただけでありまして、根雪そのものの処理については、いつぞやも申し上げましたように、残念ながら見通しが立っておりません。この際、新しい歳入源を求めて、それは恐らく税ということになりますが、さらに根雪の部分にまで処理を進めていくということは今の国民負担から考えましてしょせん無理であろうというふうに考えましたので、いわゆる国の一般会計の債務を六十年で償還する債務と考えざるを得ないとしたわけでございます。
 その考え方の中には、六十年でございますから、日本の今の経済は恐らく最低の状況にございますので、いつまでもこういうことが続くとも思われない、やがて経済がもう少し正常化いたしましたらそういう債務の償還についても何か新しい見通しが出てくるだろう。甚だ心もとないことを申し上げるようでございますけれども、六十年というのはそういう年月でございますから、この際、国民負担をふやすよりは、むしろ将来の我が国の経済の中でそれが賄えるような経済運営をしてまいることが大事なのではないか、こういう判断をいたしたわけでございます。
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寺崎昭久#24
○寺崎昭久君 六十年で債務償還をされるというお答えでございますが、大蔵大臣は同じく八月三十一日の衆議院の特別委員会で、たばこ特別税について、一般会計を助けるという意味で創設したのであって、いわゆる目的税ではないということをおっしゃいました。六十年の問題と目的税ではないということを踏まえて言えば、例えばたばこ特別税の根拠法になる財源確保のための法案が不成立に終わったとしても国鉄債務は予定どおり償還される、そのように考えていいですか。
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宮澤喜一#25
○国務大臣(宮澤喜一君) たばこ特別税を創設するということは税金を新たにいただくわけですから、どなたも歓迎なさらない、また余り威張って申せることでもないわけで、そこは愛煙家にひとつ御理解をお願い申し上げますという申し上げ方しかできないわけでございます。それは、理屈を申すようですけれども、目的税と申しますより、この債務は既に一般会計の債務になりましたから、財源の一つとしてたばこの愛煙家に御負担をかけることになったわけでございますから、もしこの財源が成立しないといたしますと、それにかわる何かのことを考えざるを得ないという状況であろうと思います。
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寺崎昭久#26
○寺崎昭久君 何かの財源をほかに求めるにしても、長期債務処理法が成立し財源法案の方が不成立に終わったら、その間は一般会計の義人、債務両面を工夫されて捻出するということでございますか。
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宮澤喜一#27
○国務大臣(宮澤喜一君) そういう場合にはそういうことを考えざるを得ないかと思います。
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寺崎昭久#28
○寺崎昭久君 総理にお伺いします。
 私は問題点のごく一部を指摘したつもりでありますけれども、今の御答弁を伺っておりましても、本当にこのスキームが、国鉄債務全体でいうと二十八兆円でしょうか、それをきちんと償還できるような仕組みになっているか甚だ不安に思っております。
 そういうことを考えれば、急がば回れという言葉もありますから、この法案は一たん撤回されて、中身のあるきちんとした法案を再提出されたらいかがでしょうか。総理、どうですか。
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小渕恵三#29
○国務大臣(小渕恵三君) 先ほど来、政府側が答弁申し上げているように、元利ともどもに返済できるようなことができますればそれは最良かと思いますけれども、現在はまさに利子が利子を生むというような状況の中で、国にはデフォルトということは一日も許されない、世界の中でそれに近い国はあるにしても日本の国でそのようなことはあってはならぬことでございますので、今回緊急のこととしてこの処理だけはぜひさせていただきたいというのが我々の考えでございます。ぜひ御協力をお願いします。
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