環境委員会

2002-05-17 衆議院 全256発言

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会議録情報#0
平成十四年五月十七日(金曜日)
    午前九時三分開議
 出席委員
   委員長 大石 正光君
   理事 熊谷 市雄君 理事 西野あきら君
   理事 柳本 卓治君 理事 山本 公一君
   理事 奥田  建君 理事 牧  義夫君
   理事 西  博義君 理事 樋高  剛君
      小渕 優子君    奥谷  通君
      亀井 久興君    木村 隆秀君
      小泉 龍司君    小林 興起君
      阪上 善秀君    田中眞紀子君
      原田昇左右君    菱田 嘉明君
      三ッ林隆志君    小林  守君
      五島 正規君    近藤 昭一君
      鮫島 宗明君    田端 正広君
      武山百合子君    藤木 洋子君
      金子 哲夫君    西川太一郎君
    …………………………………
   環境大臣         大木  浩君
   環境副大臣        山下 栄一君
   環境大臣政務官      奥谷  通君
   政府参考人
   (厚生労働省職業安定局長
   )            澤田陽太郎君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房技術
   総括審議官)       大森 昭彦君
   政府参考人
   (林野庁次長)      米田  実君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議
   官)           大井  篤君
   政府参考人
   (経済産業省製造産業局次
   長)           増田  優君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁電力・
   ガス事業部長)      迎  陽一君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁原子力
   安全・保安院審議官)   広瀬 研吉君
   政府参考人
   (国土交通省総合政策局次
   長)           伊藤 鎭樹君
   政府参考人
   (国土交通省道路局長)  大石 久和君
   政府参考人
   (国土交通省住宅局長)  三沢  真君
   政府参考人
   (環境省地球環境局長)  岡澤 和好君
   環境委員会専門員     飽田 賢一君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第八四号)

     ————◇—————
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大石正光#1
○大石委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省職業安定局長澤田陽太郎君、農林水産省大臣官房技術総括審議官大森昭彦君、林野庁次長米田実君、経済産業省大臣官房審議官大井篤君、経済産業省製造産業局次長増田優君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長迎陽一君、資源エネルギー庁原子力安全・保安院審議官広瀬研吉君、国土交通省総合政策局次長伊藤鎭樹君、国土交通省道路局長大石久和君、国土交通省住宅局長三沢真君及び環境省地球環境局長岡澤和好君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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大石正光#2
○大石委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    —————————————
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大石正光#3
○大石委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小林守君。
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小林守#4
○小林(守)委員 おはようございます。民主党の小林です。
 きょうは、久しぶりに時間を多少余分にいただいているものですから、まず理念の問題等について触れながら議論を進めさせていただきたい、このように思っております。
 二十一世紀の持続可能な経済社会をどうつくっていくか。これは、地球全体、国際社会全体のモデルなき時代を迎えているというふうに言えると思うわけでありますが、そういう状況の中で、変革期の中で大切なことは、現実の追認みたいな後追いの対応ではなくて、やはり理念を持って、かくあるべきというようなビジョンを国民の合意のもとで形成して、そしてそれに向かって現実からどう改革をしていくかということになるのではないかな、このように思いますし、そうでないと新たな社会へは対応できない、またつくることができない、それから社会的なコストも物すごく問題を生じてしまうし、損失をこうむってしまうというようなことではないかというふうに思うんです。
 そういうことで、今回の京都議定書の批准、発効に向けての我が国の取り組みである温暖化対策推進大綱が決められ、推進法も改正が出されたわけでありますけれども、まず、大綱に示された基本的な考え方について議論をさせていただきたいと思いますし、政府側のお考えを示していただきたい、このように思うわけであります。
 そこで、基本的な柱として、環境と経済の両立した社会ということが掲げられておるわけであります。非常に使われる言葉ですし、頭の中にはすっと入る言葉なんですけれども、よく考えてみると非常に難しい問題というか言葉でも、概念でもあるわけでございます。
 そこで、長々とやっているわけにはいきませんので、要は、簡単に、私が一般国民的な視点から質問させていただくということで進めたいと思うんですけれども、日本は今両立していない社会なのかどうか、これを明確にして、どこが両立していないのか、どういうところに問題があるから両立していないんだ、そして両立するような社会を目指すんだということをお示しいただきたい。そのためには、当然、今お話ししたように判断基準、こういうふうにならなければだめなんだというようなところが求められるんだろうというように思いますので、判断基準も含めてお聞きをさせていただきたい、このように思います。
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大木浩#5
○大木国務大臣 環境と経済の両立というお話は、先生方よく御存じのとおりに、リオのサミットのときにもいろいろとこういったたぐいのいろいろな理論というのが議論されたわけですが、要するに一九七〇年代ごろに言われました「成長の限界」というのが議論されました。それを受けて、いや、限界では困るのでひとつ持続可能な発展あるいは開発ということが今言われてきたというわけでございまして、物によっていろいろと、経済と環境の両立ということは一つの努力目標として前進しておると思いますし、国際的にも、日本におきましても、それは非常に前進しておるというふうに思っております。
 ということでございますから、今、現状をどう評価するかといえば、さらなるその両立に向けて努力をしておるという状況かと思います。
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小林守#6
○小林(守)委員 持続可能な開発、発展ということで、七二年の「成長の限界」ということだったんですが、今日本は両立しているのかどうか、これについてはどうなんですか。
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大木浩#7
○大木国務大臣 例えば、先般私どもの方で、政府でつくりました例の京都議定書の達成のための大綱というところでも、経済界等ともいろいろと話をして、まさしく京都議定書も、両方を両立させながら発展させていこうということで一つの計画をつくっておるわけでございますので、私としては、両立というものは、現在でも大きな意味におきまして両立して、またそれをさらにいろいろな意味でその両立の中身を肉づけするためにいろいろ努力をしておる、そういう段階だと思います。
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小林守#8
○小林(守)委員 何か非常に言葉を選びながら慎重にその辺を言っているようですけれども、結論的に言いますと、現状は両立していないということでよろしいですか。
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大木浩#9
○大木国務大臣 いる、いないというのは、その判断基準があるかということになりますが、これは理念の問題でございますから、なかなか判断基準は難しいわけでございますけれども、私は、今、少なくとも、政策的にも実態といたしましても、そういった両立を前提としていろいろな施策を立てておる、そういうふうに理解をしております。
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小林守#10
○小林(守)委員 その判断基準そのものを一応政府はどう考えているのか。何のためにこのような温暖化対策のための京都議定書達成計画などを決めてやっていこうとしているのか。そのねらいからするならば、基準というのは持っていて、既に現実に取り組んでいるのではないかと思うんですよね。
 こういうことで余り時間を使いたくないんですが、いいんですね、とにかく現実は環境と経済という視点から見たならば両立している状態ではないというふうな認識であるということでよろしいですか。
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大木浩#11
○大木国務大臣 両立のためにいろいろとこれからやらなきゃいかぬという余地があるかといえば、それはあると思います。
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小林守#12
○小林(守)委員 いつまでもこの議論をやっていても仕方がございませんので、それでは次に、九九年だったでしょうか、世界の自由貿易の会議がございました。シアトルの会議がありましたね。あのときに、世界のNGOも含めて、アメリカに対する大変な反グローバリズムというんでしょうか、世界の自由貿易を進めるWTOの会議ができなくなったような状態が起こりました。
 そこに象徴されるような形でアメリカが今進めているグローバリズムというんでしょうか、こういう世界企業を基盤とするような、地球市場みたいなものを形成しながら進めているアメリカのやり方、あるいはアメリカ型の自由と民主主義みたいなものをどこの国にも広めていくというか、そういうやり方を経済を一つの手段にしてやってきているわけですけれども、これらについて地球社会全体を考えてみるならば、実際のところ、そういうアメリカのグローバリズムに対して反グローバリズムが出てきているという背景には、やはり地球上の先進国と途上国との経済格差が、自由貿易をすることによってより皆さんが豊かになるんだということではなくて、よりその格差が拡大しているじゃないかというような問題、また、それに伴って地球環境の破壊が進んでしまっているというようなことも言えるんではないかな、私はこのように思うわけでありまして、そういう点で、あのアメリカのグローバリズムに対して、どういうような位置づけというか認識を持って考えておられるか。外務省にもおられたということもあるでしょうから、大臣の方にお聞きしたいと思います。
 特に、京都議定書からアメリカは離脱をして、アメリカ独自のGDP主義みたいなところを踏まえた独自のスタンスをとるんだということも言っております。世界的には容認できるような代物ではないんではないかな、このように私は思うわけですけれども、このアメリカの考えているグローバリズムというものを環境と経済の両立という視点から見た場合、どういうふうにこれをお考えになるか、お聞きしたいと思います。
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大木浩#13
○大木国務大臣 グローバリゼーションということがいろいろな分野で言われているわけでございますけれども、一般的に言えることは、情報通信技術の発達等によりまして、その他いろいろな科学技術の発達によって世界が物理的には一つになっていく、そういう面が非常に強いわけでございますから、それに対応するためにはやはりグローバルにいろいろな問題を考えなきゃいかぬ、あるいはそのシステムもそういうようなものをつくらなきゃいかぬ。そういう意味でのグローバリゼーションというのは、これは好むと好まざるとにかかわらず、そういうものが一つの大きな流れとしては存在すると思うんですね。
 しかし、それでは例えば世界共通のシステムをつくる場合に、どこの国の意向が非常に反映したものになるかということになると、これはやはりいろいろな立場がありますから、国によって、非常にそういうことをむやみに進めるべきではないという考え方も出てくると思います。
 ということで、今たまたまアメリカが、いろいろな意味におきまして、世界において、言うなれば唯一の超大国というような形もありますし、非常に隔絶して経済的にも大きな単位であるというようなことで、そのグローバリゼーションというのが、下手をすると、アメリカあるいはアメリカというわけでなく、今委員もおっしゃいましたように、先進国と途上国との関係というふうなことでも、言うなれば一種の弱肉強食関係みたいなことになって、それを放置しておいたのではいかぬのじゃないかという反省は当然あると思います。
 ですから、たまたまことしはまたいろいろヨハネスでも会議がございますけれども、そういったところでは、グローバリゼーションが望ましい部門と、そうではなくて、そこに何らかの歯どめが必要な部門といろいろあると思いますので、それはやはり部門、部門に応じて、あるいは個別の問題に応じて、グローバリゼーションというものを進めるか、あるいはそれに何らかの歯どめが必要なのかというふうなことが出てくると思います。
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小林守#14
○小林(守)委員 アメリカの離脱の問題について例に挙げまして、私もちょっと問題提起させていただきましたけれども、離脱の問題については、大臣はどうお考えになっていますか。
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大木浩#15
○大木国務大臣 アメリカの現政府が京都議定書を離脱したということにつきましては、政権がかわったということが一つの契機になって、そして現アメリカの政府としては、いろいろと国内、国際情勢も考えて、京都議定書には今のところすぐには参加しない、こういう立場をとっているわけでございますけれども、これはグローバリゼーション云々の問題ももちろんあるかもしれませんけれども、今のところアメリカが京都議定書にすぐに入らないと言っている非常に大きな背景というのは、むしろ国内対策をいろいろレビューしておりまして、今のところ、いろいろな方面から、京都議定書をそのまま受けるということでなくて、別の考慮、例えばアメリカにおきますエネルギー政策を見直しておるというようなこともありますから、そういったところから、すぐには京都議定書に賛同しないということであります。
 しかし、京都議定書には入りませんけれども、御存じのとおりに、地球環境に関する枠組み条約の方、九二年からやっております、こちらの方には入っておるわけですから、そういうところではいろいろと協力をしておる。現実に、マルチでもバイでも、いろいろと話し合いはしておりますし、日米の間でも協力しておるところがたくさんございますものですから、だからグローバリゼーションで、今アメリカの考えておるグローバリゼーションを何でもかんでも推し進めていく、そういうことではないんじゃないかというふうに感じております。
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小林守#16
○小林(守)委員 ブッシュ大統領が離脱を表明した後、二月の十四日に、気候変動政策の発表という形でブッシュ大統領のコメントがなされておりますが、その最後、第六番目の集約の中では、アメリカが京都議定書を実施すれば四千億ドルの経済的負担となり、これは日本円にすると、私、計算してみたんですが、大体五十二兆円ですね、アメリカが京都議定書を実施すれば四千億ドルの経済的負担となり、四百九十万人の失業者を生む。各国の京都議定書批准は妨げないが、よりクリーンな将来の繁栄のためにより望ましいアプローチがあることを世界に示すため、各国、特に途上国とともに作業する考えであるというようなコメントを出されているのですね。
 京都議定書、地球温暖化の問題を、五十二兆円経済的負担がかかるんだというようなこと、あるいは四百九十万人の失業者が出るんだというような考え方、経済の見方ということは、とてもこれは環境との両立という視点は全くないんですよね。地球環境との両立という視点は全くない。まさに経済GDP主義というか、こういう国と共通のルールを、日本は今度の大綱の中で、アメリカも途上国も参加できる共通なルールをつくっていくんだ、最大限の努力をするんだというようなことを表明されています。大綱の中にそれはありますけれども、この共通なルールという視点からするならば、アメリカや途上国を含むすべての国が参加する共通のルールづくり、これに最大限の努力を傾けるということを、こういうアメリカにやるわけですよ。
 ブッシュ大統領のこの考え方、ブッシュ政権がかわってもらわなければという議論になってしまうとおかしいんですが、これはアメリカの今の考え方なんですけれども、このアメリカが参加できるような共通ルールというのはあり得るのかどうか、どこにどういうふうに最大限の努力を進めていくのか、この辺を聞きたいと思います。
 要は、京都議定書を実施すれば五十二兆円の経済的負担となり、四百九十万人の失業者を生むという、これはコメントの方ですね、この国にどうやって参加してくださいと言ってくるのか。五十二兆円あるいは四百九十万人の失業ということを、少なくとも日本は言っていないですね、これはアメリカは言っているんですね。全然価値観が違うということなんだと思うんですけれども、その辺の国に対して、これから共通のルールづくりをしていくということはどういうことなのか。これは書いてあるんですよ、新大綱に。大変なことが書いてあるんですよ。我々はそういう方向だと思っているんですが、しかし、具体的には何かよくわからないことなんですね。その辺をちょっと明らかにしていただければというふうに思います。
 それとあわせて、気候変動枠組み条約の中で、いわゆる国際的な連携という問題では、共通だが差異のある責任という言葉で、一つの国際的な価値観がつくられたというふうに思うんですね。合意が形成されたと思います。しかし、今度の場合は、共通だが差異のある責任という点では、アメリカは離脱してしまったわけだから、この考え方は破綻の危機にあると私は見ています。それを今度はアメリカも途上国も参加できる共通のルールでやっていくんだよという日本の考え方なんですけれども、ここはどういうことなのか、お考えをお知らせいただきたいと思います。
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大木浩#17
○大木国務大臣 まず、アメリカの方で、京都議定書に入ったらえらい金がかかるとか、あるいは失業が多くなるとか、それはいろいろな計算があると思うんです。
 ですから、それは一体いつまでにそれだけの金がかかるのか、あるいは、いろいろとアメリカにおきましても、国内の経済にしろあるいは環境政策にしろ、いろいろこれからやれば、その計算は、数字は変わってくることもあり得るわけでありますし、それから、特にアメリカの最近の動きを見ておりますと、別に現政権の中でも、例えば州によっては、あるいは業界によっては、必ずしも政府と同じことを言っておられるわけではないということでありますから、やはり私は、アメリカに向かっては、例えば枠組み条約の中ではアメリカも参加して仕事をすると言っているわけですから、それは私どもも引き続きそういった話しかけということは十分にできるんじゃないかというふうに思っております。
 それから、今の共通ではあるが差異のある責任というのは、これもまた枠組み条約のときから、つまり一九九二年のころからそういった概念というのは言われておりますし、いろいろなところで引用されているわけですけれども、これは二つあるので、やはり先進国の中でもいろいろと立場は違いますから、それは共通ではあるが差異の方はあるわけでありますし、それから、特にこれを大きく使われておるのは、やはり先進国対途上国ということになりますと、これは途上国は、御存じのとおりに、京都議定書でもとりあえずはCO2排出の削減は義務化していないわけですね。義務を負っていない。
 その辺はいろいろ議論ありました。これはもう初めから、京都議定書のいろいろな、いわゆるCOPができて、COP1のときから議論があったわけでありますが、COP1のときにも大変な議論の末に、少なくとも、とりあえずは途上国については、排出量の削減の義務化ということは初めから全体としてそれを外して、将来は別として、外してということでやりました。
 実は京都議定書の、京都会議のときもその議論はあって、とりあえずはそれは義務化がないけれども、将来についてはもっと途上国についても前向きのことを言ってもらおうという議論はあったんですけれども、これは結局、COP3ではその話はまとまらなかった。
 COP4以下、COP4、5とずっと最近に至るまでこの問題は、途上国についても将来は、例えばインドとか中国のように非常に排出量の多い国については、やはりだんだんに協力してもらわなきゃいかぬということは、常に課題としては存在しておりますから、これはアメリカについても、あるいはまた途上国に対しても、こういった共通ではあるが差異のある責任というのは、だんだんに国際的な状況に応じて、あるいは各国の経済状況あるいはいろいろな環境対策の推進との関連において、できるだけひとつ途上国もそれからアメリカも参加してもらいたいということは、常にこれからも言い続けなければならないというふうに理解をしております。
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小林守#18
○小林(守)委員 そうすると、基本的には、共通だが差異のある責任をさらに進めていくという視点に戻れということでよろしいわけですね。
 なぜその共通だが差異のある責任を国際社会がつくらなきゃならないんだ、うちの国はこんなに金がかかって、これだけ失業者が出ちゃうんだという国に対して、いや、共通だが差異のある責任をやらなきゃだめなんだということを説得していくというか話をしていく。根底にあるアメリカに対して説得する。
 いや、アメリカはアメリカでいいじゃないか、我が国は我が国でやっていこうじゃないか、EUはEUでやっていこうじゃないか、何となく日本は考え方はEUに近いな、ではEUと協力してやってみましょうというふうに考えてしまうのか。いや、アメリカはそれじゃだめなんですよ、それから、中国、インドさんにもこれからやはり参加してもらわなきゃだめなんですよということを働きかける、その根源にあるもの、これは何なんですか。それは何なのかということなんですね、大切なものは。
 これは理念にかかわるところなんだと思うんですが、いや、アメリカはアメリカでそういうふうに言っているんだから、それでいいじゃないかということでは済まないんだということを考えているわけですね。それは何なのかということなんです。
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大木浩#19
○大木国務大臣 多くの地球環境問題というのは、一国だけでやればそれで効果が十分に上がるという問題ではないわけですね。地球温暖化の問題一つとりましても、これは大気は続いているわけですから、日本だけで一生懸命やっても、アメリカの方でどんどん排出ガスが多くなれば困るし、それから、別の話ですけれども、最近の例えば黄砂問題のように、中国で黄砂が起こって日本へ来れば、それは今度は韓国とか日本は非常な影響を受けるわけですから、やはり現実に、対象となる地球環境問題というのが、世界じゅうでみんなで共同してやらなければいかぬ、こういう実態がまずあると思います。
 もちろんそのほかの問題についても、程度に応じて、この問題は本当にまさしく世界が一つというような状況があって、それに対して対処しなきゃいかぬという問題もあるし、各国がある程度個別にやっても、それが総体として効果がある問題もございますけれども、今対象となっておりますこの温暖化の問題は、まさしくこれは、本当に大気は一つつながっているわけですから、やはりみんなで協力してやってもらわなきゃ困るということがある。
 しかし、それに対してみんな一緒の責任をとれといっても、これは力の差もありますし、状況の差もありますから、やはり国別の差異は認めながら、しかし全体として、地球温暖化を防ぐ、そういう共通の目標に向かっては本当に誠心誠意協力してもらいたいというのが、私は基本的な考え方だと思います。
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小林守#20
○小林(守)委員 そうすると、最終的に地球は一つだということの視点に立って、なおかつ協力をしていかなければ、我々の未来なり、今もそうですけれども、これから未来に向かって何のために協力しなきゃならないのだということなんですね、何のために。
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大木浩#21
○大木国務大臣 まさしく地球温暖化が、世界各国が状況を放置しておけば、いずれ本当に我々の、人類全体の生存に、あるいは地球というものにも環境保全が不可能になる、まさしく持続可能でない、こういう状況が出てくるおそれがあるから、しかも科学技術も最近非常に発達してまいりましたから、そういったいろいろな証拠と申しますか、そういった知見もだんだんにたくさん得られておりますから、やはりそういったものを根拠にして、みんなで共同して我々の地球を守ろう、地球環境を守ろう、こういうことがもう目の前の課題としてある、こういうふうに理解をしております。
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小林守#22
○小林(守)委員 現在の科学的知見からするならば、このままの状態でそれぞれの国が自国の利益なり国益を目的にやっていった場合に、地球環境というものが人類の生存基盤にとって極めて悪い状態に落ち込んでしまう。それを避けるために国際社会全体が協力していかなきゃならないということなんですが、結局その根底にあるのは、人類の生存というか存続というか、そういうことなんですね。
 私の考えでは、人類と地球環境とか生態系というのは一体のもの、あるいは、人間は、人類はその一部であるというような考え方を私は持っているんですが、大臣はその辺はどういうふうにお考えになりますか。それの存続のために、個である我々個は、現在のいろいろな個人的な、あるいは自己的な利益よりも、現在の豊かさよりも、将来の存続をやはり優先しなきゃならない時代だ、また価値観を持っているんだということを世界に言っていくということになるんじゃないかというふうに思うんですが、その辺はいかがですか。
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大木浩#23
○大木国務大臣 小林委員がおっしゃるとおりに、人類が人類のことだけ考えておれば、ほかの地球上の生態系とかそういったものを無視しても生存できるかというと、なかなかそういうことじゃないんだということは、またこれはいろいろとだんだんに科学的な知見も得られておりますし、やはりそういった全体の地球上の生態系ということも考えながらやっていく。
 ただ、人類以外の、人間以外のいろいろな動植物の生態系がどういう状況になっておるか、あるいはそれをどういうふうに保存していくかということにつきましては、人間についての問題とはやはり得られておる科学的な知見も差がありますし、これからまだまだ解明しなきゃいかぬ問題がたくさんあると思うんです。
 例えば、きのうもコルボーンさんが来ておりましたけれども、いろいろと、いろいろな人間が使用しておる化学物質がやはり生態系を破壊するというようなおそれがあるんじゃないかということは最近言われておりますし、確かにそういう問題はあると思います。
 ただ、それをどこで調和を見出すかということになりますと、これはもう少し科学的な知見を集めませんと、今度はきちっとした政策につながるような答えがなかなか出てこないと思いますから、これは目下一生懸命に、そういった問題も頭に置きながら、地球全体としての、まずは我々としては、やはり人類の安全というか生存ということ、これはどうしても一番直近の問題でございますから、それは頭に置きながら、同時に、その他の生態系の保存についても、今後も知見をさらに深めて必要な対策をしていく、こういうことではないかと思います。
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小林守#24
○小林(守)委員 大臣の本音の部分というか、非常に深いところにおける理念的なものをお聞かせいただきまして、共感させていただいております。
 それでは、ちょっと大綱にまた戻らせていただきたいと思うんですが、大綱の中では、ステップ・バイ・ステップ方式という形で、三つのステップに分けまして対策を工程表に配分しながらつくられたわけですけれども、ステップ・バイ・ステップ、何か聞こえがいいんですよ。しかし、よく考えてみると、これは要は状況対応型の、後追い型のスタイルではないのか。
 さっきも冒頭言ったように、やはり基本的には、かくあるべきだという一つのあるべき姿、あるべき社会、そしてあるべきもちろん数値的なものにした目標にもなってくると思うんです。それに向かってどうしていくかというような理念をまず詰めていく、ビジョンをつくって理念を持ってそれに向かっていくというのが、モデルなき時代のやはりやり方ではないのかなというふうに思うんですが、何かステップ・バイ・ステップというのをやってみて、いろいろだめだったら、もうちょっとこれに強化していこうとか何かというように思えてならないし、第一ステップの二〇〇二年から二〇〇四年までについては、ほとんど現状のものを継続的にやってみて、国民の意識改革とか、そういう考え方はさらに強化されてきていると思いますが、基本的な枠組みや、こういう法律をつくろうとか、こういう政策を導入しようとかいうようなものについては示されていないんですよ。
 そういうことを考えると、何か後追い型の、状況対応型の、問題が出てきてからやってみましょうというような、やっていきましょう、しかし、もちろん頭の中には京都議定書の国際約束を守らなきゃいけないという思いはあるんでしょうけれども、様子を見ながらだんだんにというような手法ではないのかな、こんなふうに思えてならないんですけれども、それについてどうお考えになっているか、お聞きしたいと思います。
 後追いになればなるほど、後になればなるほど、コストがさらにかかっていくというふうに言えると思いますし、社会的な摩擦というものも非常に大きくなるというふうに言えると思うんですよ。そういうことなので、国民合意のもとで、かくあるべきに目指すんだということで、必ずこれはやるんだというようなことになれば、そのためにこうなんだという選択肢を国民に示して、そして選択をしていくということが大切なんだと思いますが、今回のものは、むしろ具体的な何か手順というのが、筋道がきちっと書かれていないというふうに思えてならないんですよ。実効性とか確実性とか有効性とか、そういう視点から見るならば、これで大丈夫なのかなというふうに思わざるを得ない目標達成計画の工程表なのではないかな、このように思える。これから目標達成計画、より具体的に詰められてくるんだと思いますが、少なくとも、このステップ・バイ・ステップ方式の落とし穴はそういうところにあるんじゃないのかな、こういうふうに思えてならないんですが、いかがでしょうか。
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大木浩#25
○大木国務大臣 京都議定書が京都会議で一応できましてから四年ほどたっておるわけですけれども、実際には、今、ちょうどきょうぐらいからまたいろいろと外務委員会の方でも議定書自体の御審議もいただいておると思いますけれども、議定書が一応国民に、あるいは皆さん方に、国会におきましても、こういう議定書ができましたといって審議していただくものができ上がったのは、実はCOP3ではなくて、COP6半ですね。あるいは7までかかって、やっとつい最近でき上がったということでございますから、正直申し上げまして、この新しい大綱をつくって、これからまた新しい法律をつくって、具体的にこれからの措置をきちっと示すということになりますと、これはまだ今まで実際にやってきた経験というのは限られておるわけでございます。
 ただ、しかし、一九九二年を一つ起点として考えれば、既に十年たっておるわけですしということでありますから、やはりそういったような今までの経験も踏まえながら、しかし同時に、京都議定書、最近、COP7まででつくってもらいました、ある程度肉づけのできた京都議定書というものを、両方を踏まえながら、現実にはどういう対策が現実的にやれるのか、あるいは効果的なのかということを考えますと、今皆様方にお示ししておりますこの改定した大綱というものが、一つの今のスタートじゃないかというふうに思っております。
 ただ、確かにこれから、いろいろな意味で、科学的な知見はもっと得られるであろう。科学技術の進歩によって、新しいいろいろな対策も出てくるであろう。例えば自動車なんかというのは、随分、科学技術の進展によりまして、今までよりははるかに低公害な車も出てくるんじゃないか。あるいは、車一台一台の問題じゃなくて、やはり交通システムも、よりそういった環境に配慮したシステムを考えるとか、もちろん我々の、国民の民生におきましても、あるいは産業部門におきましても、いろいろとこれから新しく進歩してくる問題はあると思うんです。
 ですから、先生がおっしゃったように、ほかっておけば余計金がかかるんじゃないかという面もあると思います。しかし、同時に、科学技術の発展によりまして、今までは非常にお金がかかったけれども、こういうことをやれば、むしろ今までよりも費用の点でもより効果的な措置もとれるんじゃないかというような面もあるわけですね。
 ですから、そういったものを考えますと、今ここで、例えば二〇一二年まで、一応の第一対象期間が、とりあえずは京都議定書も二〇一二年ごろまでということになっていますから、そうすると、それまでのことをぴしっと決めるよりは、今の段階ではある程度わかったものを基礎にして一応の案をつくる、しかし必要に応じて見直しもするということで、二年たったら、あるいは五年たったらひとつ見直しをしようということで、一応の見直し期間というものはつくっておるわけでございます。
 また、実際には、これはいろいろと対策を実施しまして、そこでいろいろな知識、経験というのが得られる。こういう問題については、もっとこういうことがあるんじゃないか。あるいはまた、国民一般にこの議定書の内容についても御理解をいただいて、実際に国民にも、皆さんに参加していただかないといかぬわけです、CO2の削減につきましては。ですから、そういったものについてのまたいろいろなPRに当たるとか、そういった普及というようなこともありますから、そういったもの、あらゆるものを含めて、やはりある意味では私は毎日毎日見直しながらということだと思います。
 しかし、いろいろと規則だとか法律というのを毎日毎日直すわけにいきませんし、これはやはりひとつ一応のめどとして、二年たったら、五年たったらということを明示して、それを、その間にできるだけそういった必要な知見も集めまして、さらに必要な手直しをしていきたい。手直しと申しますか、さらに充実と申しますか、そういったものも考えていきたいというふうに考えております。
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小林守#26
○小林(守)委員 そういう方向で進めていただくことについては了解しておりますけれども、京都議定書の目標達成計画をつくる過程の中で、これからつくっていく過程の中で、今お話もあったように、国民の参加というのが極めて大事ですし、もちろん国民一人一人が削減に努めていくということが決め手なわけですから、国民の参加というのが大事だということなんですが、それなりの国民の参加という形で、特に、パブリックコメントなどの制度が導入されてきておりまするけれども、極めて形骸化しているというか、本当の意味での国民の参加というものになっているのかどうか。単に、こういうことをやったんだから国民参加したんだというような、一つの隠れみのと言ってはおかしいんですけれども、そういうものに使われるだけで、本当の意味でのパブリックコメントになるのかどうか。
 一定の業界団体などが、こういう方向にしたいという団体が組織的にいろいろなコメントを送りつける。ここから何通、何百通の意見が来ている、大方がこうだった、何となくそういう形で世論がつくられてしまうということだって、今日の情報化社会の中ではやられることも考えなきゃなりませんね。
 そういうことになると、パブリックコメントのあり方そのものも相当考えなきゃならないことではないのかな、このように思えてならないのですが、できるならば、国民の参加と同時に参画というような形で、いろいろな計画をつくっていく段階に、単に意見をよこせということではなくて参画するというか、そういうことも仕組みとして進めていく必要があるだろうし、特にNGOの皆さん方、そういうことを心配されています。
 そんなところで、国民の参加という視点で、京都議定書の目標達成計画の策定に当たってそのようなことをどう担保していくか、その辺をお聞きしたいと思います。
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大木浩#27
○大木国務大臣 国民の参加ということにつきましては、私ども政府の方からいろいろと呼びかける、いろいろな情報を発信する、あるいは政府の考え方を示して、それに対してまたコメントいただくというようなのもありますし、むしろ最近は、今もおっしゃいましたけれども、NGOなども非常に数もふえていますし、活動も活発にしておりますから、そういった方々の意見は、むしろ常にそういった方々の意見を吸収するための努力というのもしてまいりたいと思っております。
 最近は、いろいろなセミナーをやりましたり、それから例えば国際会議のときもNGOの方に出席をしてもらったりというようなこともあるわけでございます。一番象徴的なのは、今度のヨハネスブルグの会議についても、多数のNGOの方が参加するという意向を既に表明しておられますから、そういった方々については、私どもとしてもできるだけ一緒に参加をしていただいて、NGOはNGOの立場でまたひとついろいろな意見を述べてもらうということは努力をしてまいりたいというふうに思っております。
 また、具体的には、いろいろと、必ずしも地球環境問題とか温暖化ということだけでなくて、やはり環境問題全体が、我々の住んでいるこの地球、あるいは我々の住んでおる町なり県なりをよくする、こういうことにもなるわけですから、よく言われることですけれども、大量生産、それから大量消費、大量廃棄、そういった型の社会経済活動やら生活様式を見直すというのは、抽象的に言うと非常にあれですけれども、最近はそれがかなり具体的になってまいりまして、いろいろなところで私どもも意見をもらいます。
 ですから私は、むしろいろいろな民間の方々の御意見というのも決して何か否定的なものじゃなくて、こういうことをやろうじゃないか、そのためには政府がもっと必要な協力をしろ、こういったようなお話が非常に多いわけでありますから、私どもとしてはそういった両方の、要するに政府からの発信するあれと、それからまた民間の方からいろいろと意見をいただくという両方の、双方向でひとつ民間との協力も、あるいはまた地方公共団体とか、もちろんいろいろな団体もありますから、そういった方々との協力というものも進めてまいりたいというふうに考えています。
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小林守#28
○小林(守)委員 国民の参加という視点で、さらに豊かな、豊富な方式をさまざまなところに広げながらぜひ進めていただければというふうに思います。
 次に移りますが、大綱の中に「温室効果ガスの排出削減が組み込まれた社会の構築」という、今度は言い方を変えて、経済と環境の両立ということをこういうふうに言いかえたのかなというふうに思えるところなんですが、この「温室効果ガスの排出削減が組み込まれた社会の構築」という社会はどういうイメージなのかということをお聞きします。
 その際に、日本は今日バブル崩壊して非常にデフレ経済の状況にあるわけですけれども、しかしながら、二〇〇〇年の統計によると、CO2はそれでも七%近く増加しているというような傾向にあります。基本的に二〇一〇年段階でこれをマイナス六%しなきゃならないということになると、七%の現状からいうならば一三%削減しなきゃならぬということになります。二〇〇〇年からあと十年間、大体現状と同じぐらいのCO2の排出レベルというふうに考えてそういうことなんですね。
 そういうことを考えるならば、今までの傾向からいうとますます、デフレでエネルギー消費も若干総体的には少なくなった部分はあるんだと思いますが、効率がむしろ悪くなっているというところで排出がふえちゃっているという部分もあるでしょう。また、特定の分野においてはやはりCO2排出増加の要因があると思いますが、基本的には、二〇一〇年段階の社会のCO2の排出状況から少なくとも考えて、マイナス六%達成するということは、これは大変な構造転換をしなきゃならないことになると思うのですよ。
 ということは、速やかに増加傾向から減少傾向に、CO2に限って言うならば、少なくともこれを変えていかなきゃならないわけですよ。現状維持じゃだめなんですね。現状維持じゃだめなんですから、減少基調に転換しなきゃならない。そういうことが数値的にも、去年よりことしの方がこれだけ減った、少なくなったということが見えるような形、それを加速させていって初めて二〇一〇年段階でマイナス六にまでいけるんだろうというふうに思うのですが、それを組み込んだ社会というのはどういうことなのか。そのためには、やはり今までにはない新たな構造転換を迫るような基本的な施策が考えられなければならないんだろうというふうに思います。
 具体的に言いますならば、どなたも問題として掲げているのは、環境税などの問題、炭素・エネルギー税の導入などをやらなきゃだめなんじゃないかということが言われていますね。環境先進国と言われるところではもう既に導入されていますね。
 それから、いわゆる化石燃料から自然再生エネルギーへの転換、こういうことも大きな構造転換になってくることなんだろうというふうに思いますし、私はもう一つ、フロンの脱フロン化というか非フロン化、これも相当大きな要素になるのかなというふうに思います。
 それから、さまざまな経済的手法あるいは規制的手法、自主的取り組み、このようなものをベストミックスするようなところを考えていく。この辺が大体、構造転換をして基本的に減少傾向に増加傾向のところを変えていくというものには出てくると思うのですが、言われているところなんですけれども、この構造化する社会、「温室効果ガスの排出削減が組み込まれた社会」というのはどういうことなのか、そこからちょっと説明をしていただきたいと思います。
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大木浩#29
○大木国務大臣 小林委員がおっしゃいましたように、これはやはり一つの構造改革と申しますか、単なる対症療法をばらばらやるのではなくて、日本の経済、あるいはもっと広く社会生活と申しますか、我々のライフスタイルと申しますか、そういったものを従来の大量生産、消費、廃棄といった形から脱却しなきゃいかぬというのが一つ、それが、脱却するのが「温室効果ガスの排出削減が組み込まれた社会」ということになるのではないかというふうに思っております。
 具体的にはいろいろなことが考えられるわけでございまして、基本的にどういうことをやるんだということになりますと、例えば今の、最近は都市・地域構造だとか交通・物流体系だとか、そういったようなものも、あるいは日本としてこれからどういうエネルギー対策、どういうエネルギーを使ってどういう供給をしていくんだというようなこと、そういった広い意味での全般的なエネルギーの供給構造、あるいは、もっといろいろな意味での日本の経済というものが、特に生産構造をどういうふうにこれからまた二十一世紀に向かって変革していくかというような問題もいろいろあると思います。これは必ずしも環境問題ばかりじゃなくて、むしろ私は、日本の経済をどうするんだ、こういうことの中で、環境問題もきちっと配慮しながら進めていくということになると思います。
 先生も今おっしゃったとおりに、温室効果ガスの排出削減がきちっと組み込まれた社会ということになりますと、今申し上げましたようないろいろな意味での、いつも申し上げることですけれども、産業ばかりじゃなくて、例えば運輸交通の部門だとか、あるいは民生、広い意味での家庭生活の部門も含めて、そういったものをやはり総合的に組み立てて、いろいろと一緒にやっていきませんと、なかなか京都議定書の目標も達せられないというふうに思いますので、そういったものを、あらゆるものを総合的に全部かけ合わせてというか、一緒に推進していくということではないかというふうに思っております。
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