財政金融委員会

2002-10-31 参議院 全190発言

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会議録情報#0
平成十四年十月三十一日(木曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月三十日
    辞任         補欠選任
     勝木 健司君     池口 修次君
 十月三十一日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     若林 秀樹君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         柳田  稔君
    理 事
                入澤  肇君
                尾辻 秀久君
                林  芳正君
                峰崎 直樹君
                浜田卓二郎君
    委 員
                上杉 光弘君
                佐藤 泰三君
                清水 達雄君
                中島 啓雄君
                西田 吉宏君
                溝手 顕正君
                森山  裕君
                若林 正俊君
                池口 修次君
                大塚 耕平君
                櫻井  充君
                円 より子君
                若林 秀樹君
                山本  保君
                池田 幹幸君
                大門実紀史君
                平野 達男君
                大渕 絹子君
                椎名 素夫君
   国務大臣
       財務大臣     塩川正十郎君
       国務大臣
       (金融担当大臣) 竹中 平蔵君
   副大臣
       内閣府副大臣   伊藤 達也君
       財務副大臣    小林 興起君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        石田 祐幸君
   政府参考人
       財務省理財局長  寺澤 辰麿君
   参考人
       日本銀行総裁   速水  優君
       日本たばこ産業
       株式会社代表取
       締役副社長    筧  正三君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (不良債権発生の原因と「金融再生プログラム
 」の効果に関する件)
 (銀行への公的資金投入の可能性とその規模に
 関する件)
 (新たな産業再生機構の機能とRCCとの違い
 に関する件)
 (日本銀行による銀行保有株式買入れの考え方
 に関する件)
 (JT子会社の撤退が地域経済に与える影響に
 関する件)
 (不良債権処理の加速策の具体的内容に関する
 件)
 (更なるデフレ対応策策定の時期に関する件)

    ─────────────
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柳田稔#1
○委員長(柳田稔君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨三十日、勝木健司君が委員を辞任され、その補欠として池口修次君が選任されました。
    ─────────────
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柳田稔#2
○委員長(柳田稔君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に財務省理財局長寺澤辰麿君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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柳田稔#3
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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柳田稔#4
○委員長(柳田稔君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁速水優君及び日本たばこ産業株式会社代表取締役副社長筧正三君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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柳田稔#5
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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柳田稔#6
○委員長(柳田稔君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
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入澤肇#7
○入澤肇君 それでは、トップを承りまして御質問申し上げます。
 トップバッターの責任上、ゆうべ発表されましたデフレ対策、総合対策ですね、これにつきまして竹中大臣から、ポイントと、当初竹中大臣が予定されておった案が新聞報道等によりますとかなり修正されるというふうなことが言われております。どの点が修正されて、どの点が竹中大臣の意向どおりに決定されたのか、この点について端的に御説明願いたいと思います。
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竹中平蔵#8
○国務大臣(竹中平蔵君) 入澤委員の御指摘は、デフレ対策ではなくて金融再生の方ということでよろしゅうございますでしょうか。
 当初案というものが出ておりますけれども、そういうことを前もって決めていたわけではございません。論点を整理した上で皆様方の幅広い意見を聴きながら私なりに最終的に取りまとめたものでございます。
 その中で、私自身は、やはり問題をしっかりと提起してしっかりと解決に向かわせなければいけない六つのポイントがあるというふうに思っておりました。
 第一は、資産の査定をきっちりと、それこそ新しいDCF等々を含めてしっかりと行うということ、これが第一点でございます。
 第二の点は、銀行の自己査定と、それと金融庁が行っている査定の間に残念ながら乖離がある、それをしっかりと埋めていただくようなシステムを作ること。場合によっては、もし是正ができないんだったら、これは是正措置も含めて対応する、これが第二点でございます。
 第三点は、会計上はしっかりとしたルールにおいて認められている繰延税金資産が、市場からはしかし厳しい評価を得ている、この問題について、やはり問題を提起してどのように解決していったらよいかということを明確にする、これが三番目でございます。
 四番目は、優先株から普通株にどういう場合に転換するのか、そういったガイドラインをしっかりと作るということ、これが第五番目でございます。
 第六番目が早期是正措置、第五番目が早期是正措置、早期警戒措置等、やはり監督のシステムをしっかりとさせるということでございます。これが第五番目。
 第六番目が、これはなかなかできないだろうとは思っていたんですが、本来やはり私たちが目指すべきは企業再生でありますから、この企業再生のための、産業再生のための全く新しい仕組みが作れないだろうかと。その五つのことが重要であると、できればもう一つ、その産業再生のことを行いたいと考えておりました。
 結果から見ますと、繰延税金資産に関しては、これはまあ後からいろいろ議論が出ると思いますが、非常に複雑に制度が絡まった問題で、今回はその問題点を提起して、それで引き続き速やかに検討していくということに相なりましたが、ほかのものに関しましては、当初これはやはりやらなければいけないということが、ほとんど少なくとも織り込まれたというふうに思っております。特に産業再生については、これは大変厳しいと思ったんでありますが、お隣の塩川大臣のリーダーシップによるところが大きいわけでありますが、これも実はできることになった。その意味では、あえて言えば六つのうちの、これは手前勝手な評価でございますが、五勝一引き分けということではなかったのかなというふうに思っております。
 しかし、これはそのルールの方針でございますから、これをいかに実際の政策にしていくかというところがポイントでありますから、勝った負けたの問題ではございませんで、しっかりとその基本方針の中に五つの問題については位置付けることができた、そのように私なりに理解をしております。
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入澤肇#9
○入澤肇君 勝った負けたとかそういうことじゃなくて、私は、政策転換をする場合には、その前提条件の充足が必要だと思っているんです。その充足なしに不良債権の処理を加速化するという、別の言葉で言えばハードランディングをするという政策を打ち出すことが果たして適切であるのかどうかということについて疑念を持っているわけであります。
 例えば、需要対策についてきちんとした補正予算を組む、あるいは税制の改正につき前倒しでやる、そういうふうなことをやらない。要するに、デフレ対策について十分な対策を持った上で不良債権の処理の加速化を図るという、車の両輪を整備することが必要不可欠じゃないかと、この時点において。そういうふうに思っていますから、その前提条件なしに今のようなことをだらだらと決められても、これはなかなか有効に機能しないんじゃないかというふうに思っているわけであります。
 そこで聞きますけれども、じゃ繰り延べされたところですね、繰延税金資産については時期を明示しないということが報道されているんですけれども、それでは、どのような条件が充足されたときにこれは具体的に実施に移すのか。それから、この全体の文書は、二〇〇四年までに今八・四%ぐらいある不良債権を四%前後に半減するんだということが前提になっているようでありますけれども、この文書の適用期間というのは一体どのぐらいの期間を考えているんでしょうか。その二点についてお答え願いたいと思います。
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竹中平蔵#10
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員御指摘の金融の不良債権処理加速に合わせて総合的な観点からの対応が必要だというのは、これはもう全く私もそのとおりだと思います。厳しい制約条件の中で、引き続きその点はしっかりと受け止めたいというふうに思っております。
 二つの御質問のうちの第一の、繰延税金資産はどのような条件が整えばと。これは、実はそんなに、今の時点で条件がこうこうということを、残念ですが申し上げるのは大変難しいというふうに思っております。これは、税制の問題、それと企業会計原則の問題、それとBISの基準、それぞれ異なる目的といいますか、ウエートの置き方の違う非常に大きな三つの制度が絡み合って今日のような問題が生じているわけでございます。一部の人からいえば、それは税金を全部を返してくれたらそれでいいじゃないか、これはなくなるじゃないかという人もいるでしょうし、いやいや、これは将来に対する収益性をどう見るかという問題だという方もいらっしゃるでしょうし、それだけ非常に広がりのある根深い問題でありますから、これはじっくりと関係者の間で議論をしようというのが今回の措置でありますので、これはしっかりと議論を進めていきたいと思っております。
 それと、その二〇〇四年までの間での時間的な関係でございますけれども、昨日お示ししたものの資産評価に関するもの等々は、これはまず次の決算からしっかりと資産の査定はやっていただくということが当然のことであろうかというふうに思います。その中で、その資産査定等々、それとガバナンスの強化を通じて平成十六年度までに今日の問題を終結させる、一つのメルクマールとしては不良債権比率を半分ぐらいにしたいというふうに考えているわけでございます。その中で、先ほどの話に戻りますが、繰延税金資産の問題については時間的な制約は特に設けておりません。できるだけ早く、しかし深い議論が必要でございますから、しっかりと検討していきたいというふうに思っております。
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入澤肇#11
○入澤肇君 そうすると、その繰延税金資産の適用については、時期は明らかでないけれども、先ほど御説明のあった引き当ての強化等の五項目については直ちにこれを実行して、要するに不良資産の更なる洗い出しをやるという気構えでおられるわけですね。
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竹中平蔵#12
○国務大臣(竹中平蔵君) 資産の査定につきましては、これは、査定はもちろん決算のときに確定するわけでありますが、次の決算にしっかりとそれが反映されるように、その準備はもうすぐにでも始めていただかなければいけませんが、これはしっかりとやはりやっていく必要があると思っております。
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入澤肇#13
○入澤肇君 それじゃ、そういうことをやる場合には、当然のことながら銀行の経営についていろいろと対応策も講じなくちゃいけないと思うんですね。そこら辺は後でまた聞きますけれども。
 およそ政策転換をする場合には、私どもも行政をやるときに、小さな政策も大きな政策も、それぞれ前提を充足させてやっているんです。一つは、従前の政策について点検をします。これは十分に点検をした上で、果たしてどのような方向に持っていくべきかということ、従前の政策の失敗の原因を十分に調べます。それから、新しい転換後の政策につきましても、可能な限り影響あるいは効果をシミュレーションします。この二つを必ずやるんです。
 今回の竹中大臣がお取りになっている不良債権加速対策につきましてお聞きしたいんですけれども、まず、従前の柳澤大臣がやっていたころの金融政策のどこがおかしくて、どこをどう直さなくちゃいけないというふうに認識したのか、二つ目は、このハードランディング政策を遂行することによって、雇用とかあるいは産業構造の変化とかあるいは空洞化とかあるいは銀行の経営とか、そういうことについてどの程度シミュレーションをやったのか、これについて少し詳しく御説明願いたいと思います。
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竹中平蔵#14
○国務大臣(竹中平蔵君) 政策をより強いものにする、政策の強化を行ったというふうに認識をしておりますが、これまでの政策をどのように踏まえて判断をしているのかという第一の御質問でございますが、これまでの政策は、とりわけこの過去一年、一年半というのは、世界的な経済動向に非常に強力なプレッシャーが掛かる中で日本の経済も非常に大きな影響を受けた、その中で危機を起こさせないようなしっかりとした金融管理の枠組みを作っていくというのが前大臣及びこれまでの金融庁の大変重要な責務であったというふうに思っております。これはどちらかというと守りの政策でありましょうから、大変地味ではありますが、私はやはり大変重要な政策としてしっかりとやってこられたというふうに思っております。
 しかし、そういう中でも、やはり世界の及び日本の市場からは、日本の金融システムはまだ不安な面が大きいのではないかという非常に強い懸念が寄せられた、この懸念が寄せられてきたということは事実としてやはり受け止めなければいけないのだと思っております。
 これから構造改革を加速していく中で、どんどんどんどん新しい企業に出てきていただきたい、悪くなった企業はどんどんしっかりと再生をしていっていただきたい、そういう構造改革に耐える金融システムを作る必要が出てきている、そういう段階に来たというのが、これが小泉総理が私に十六年度までにこの問題を終結させるようにというふうに命じた基本的な趣旨であったというふうに思います。
 その意味では、例えば、一つの事例でございますけれども、資産の銀行の自己査定と金融庁の査定の間にやはりギャップがあって、それがやっぱり埋まっていなかった、そういうものはやはり埋めていただかなければいけない、そういうところはしっかり変えていかなければいけない。そういう点を、これは一つの事例でございますけれども、やはり強く政策を強化していく必要があった、これが過去の評価を踏まえた今回の政策強化の意味付けだと思っております。
 それから二番目の、この影響といいますかでございますが、実は、先ほどから委員、ハードランディングシナリオだという御指摘がございますが、恐らくハードランディングというのは、とにかくこの一つの問題だけ片付けばいい、あとはどうなってもいいというような、そういうニュアンスで使っておられる方が多いと思うんでありますが、もちろんそんなことは全く考えていないわけでございます。これは言葉の問題だと言われるかもしれませんが、私は是非グッドランディングをしたいというふうに思っております。
 そのときの影響、これは大変重要な御指摘だと思います。しかしこれ、具体的にどのぐらい不良債権の査定が今後出てくるか、そのときに世界の経済の動向がどうなっているかということ等々、非常に不確定な要因が大きい。しかし、不確定な要因が大きい中でも経済運営にそれなりの見通しは持っていかなければいけないというふうに思っております。
 部分的に、この部分についてはこういうシミュレーションというか、影響というのはある程度把握もちろんしておりますけれども、より全体的に、今後、向こう五年ぐらいの経済運営にどのような形でこれが出てくるのか、そのときにいかなる経済の姿が描かれるのかということに関しましては、小泉内閣は例の「改革と展望」を示しておりまして、それを毎年ローリングするというふうにお約束しておりますので、そのローリングの期日があと一、二か月でやってまいりますので、その中で、可能な限りその影響等々を織り込んで一つのシナリオを国民の皆様に見ていただけるようにしたいというふうに思っております。
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入澤肇#15
○入澤肇君 民間では、竹中大臣の構想が新聞に報道されるや、いち早くいろんなシミュレーションをやっています。
 例えば日本経済研究センター、この試算によりますと、不良債権の引き当て不足、繰延税金資産の効果を実施する、その他の会計制度の変更の影響を除去した実質自己資本額というのは、全国銀行ベースで二〇〇〇年三月には約二十六兆円、これが二〇〇二年の三月末には約十一兆円に、半減以下になるというふうな計算をやっている。それから雇用の問題につきまして、第一生命の総研によりますと、今のような前提を置きますと、二〇〇四年度までに四万四千社が倒産して四十五万人が失業する。それから、日本総研はもっとすごくて、失業者は三百三十二万人になるんじゃないかと。GDPの押し下げ効果、これは個人消費とか設備投資が減少して六・四%も押し下げる。第一生命は、GDPにつきましては二〇〇四年度までに六・七兆円減少するんじゃないか。それから、四大銀行グループの自己資本比率は平均六・五九%に低下する、一〇%に回復させるためには四大グループだけでも九十三兆円を超える貸し出し圧縮、要するに貸し渋りが実施されなきゃならない、こんなシミュレーションをいち早くやっているんですね。
 シンクタンクを持っている公的な機関として、行政機関としては当然のことながら、これだけ大きな影響を与えるよということはひそかに持っていなくちゃいけない、ある程度我々にその数字が示されて初めて具体的な後の政策が出てくると思うんですけれども、いかがでしょうか。
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竹中平蔵#16
○国務大臣(竹中平蔵君) 一般論としてでありますが、こういうシミュレーションは、私はやはり大変慎重でなければいけないと思います。どういう形で資産が査定されてくるのか、それが、その真実が分かるのは当事者と当局だけでございます。
 今、民間のシンクタンクでいろいろやっているのは、これは普通どういうふうにするかというと、今まで例えば分類されていたものが何割ぐらいの確率でこっちに来た、だから来年も何割こっちに来るだろうと。いわゆる移る、遷移する、遷移確率を掛け合わせていってどうなるだろうというシナリオを描くわけであります。
 議論をあおるという目的からすればそういう議論はもちろんあるわけで、実はかなりの部分そういうものがございますし、特に今回の場合、私はこれはやや悪質ではないかと思うのは、銀行の子会社であるシンクタンクがあおるような議論を私はしているのではないかということを懸念しております。これはこれでやはりしっかりとモラルを持ってやっていただきたい。委員御指摘の、これはやはり逆に、当局である以上、そういった数字の扱いはやはり慎重でなければいけないと思っております。
 これは内閣府の方で昨年、仮にこれだけの資産のオフバランス化が行われたならば雇用市場にどのぐらいの影響が出るか、こういうのは出しております。こういうものを少し精緻化して、こうなりますというのではなくて一つの物事の考え方を示していくというのは、これは私は委員御指摘のように大変重要なことだと思っておりますので、これは金融庁が、当局がやっぱりこういうことをすべきではないと思いますが、内閣府の方で、こういったリサーチとしての一つの見方の提示のようなものは今後進んでいくというふうに思っております。
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入澤肇#17
○入澤肇君 ですから、私が言っているのは、私的な研究機関がこのようにいろんな前提を置いて、当局も知らないような前提を置いてこんな発表をしていると。不安をあおるわけですね。それに対して、やっぱり公的な機関あるいは政府はきちんとした反応を示さなくちゃいけない、そして空気を和らげなくちゃいけない。そういう意味で私は主張しているのでありまして、是非早期に当局としての各種民間の研究機関に対する反論をやっていただきたいというふうに思うわけであります。
 もう一つ、じゃ違う視点から、私は、不良債権の処理につきまして切り口を変えて御質問を申し上げたいと思います。
 私は、不良債権の査定基準を強化するとかまた言っていますけれども、柳澤大臣が実施された特別検査、これは非常に効果があったと思うんです。その特別検査でもなお不足しているというふうに認識することが果たして妥当かどうかということについては疑問を持っているんです。
 むしろ、特別検査の結果、相当な不良債権が上乗せされました。その上乗せされたのは、査定が悪かったからとかなんかよりも、やっぱり全体としての景気対策が不十分だったというふうなことを認識して対策を講じなくちゃいけない。その対策を講ずるときに、マクロ的な需給ギャップが何兆円あるから幾らの財政措置を講ずる、あるいは幾らの景気対策を取るというふうなことを言ってもなかなか分からない。もっと具体的に頭に入るように分析する方法があるんじゃないか。
 例えば、今積み上がっている不良債権の発生原因ですね、構成要素別に数字を明らかにしてもらいたいんです。例えば、銀行の保有株の評価損によって不良債権がどのくらい増えているのか、あるいは増えたのか、それからトータルとして現にあるのか。更に言えば、土地の担保価値が下がってきた。土地の担保価値の評価損あるいはそのほかの不動産物件の評価損によってどのくらい不良債権が増えてきたのか、トータルとして幾らあるのか。更に言えば、貸出し先の企業の、物が売れない、要するに需給ギャップによって、需給ギャップの存在によってどのくらい不良債権が増えてきたのか、それからトータルとして積み上がっているのか。
 こういうふうな切り口を変えた分析があっていいんじゃないかと思うんですが、もし数字がありましたら、銀行の保有株の評価損が今年の三月から今年の九月までに、数字によりますと三兆六千億とか四兆円という数字があるわけですね。四兆円も評価損があったら、これは直ちにBIS規制の八%に影響することはないかもしれないけれども、四兆円ということは、評価損があるということは自己資本がそれだけ毀損されるわけですから、十二・五倍、約五十兆円の貸し渋りが徐々に発生しているということが理論上言えるわけであります。
 株式保有の評価損が幾らか、土地の担保価値がどのくらい下がったのか、あるいは需給ギャップが今どのくらいあるのかということについて、当局としてどのような認識を持っているか教えていただきたいと思います。
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竹中平蔵#18
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員御指摘のように、まず特別検査につきましては、これは私もやはり柳澤前大臣の貢献は大変大きかったというふうに思います。
 先ほど申し上げましたように、私は検査はかなり正確になされてきているというふうに思います。むしろ重要なのは、金融庁の検査と自己査定の間に、銀行の査定にギャップがあって、それが埋められていないというところにございますから、これは検査の問題というよりは、その以降の監督のやり方の問題であるというふうに思っているわけでございます。
 そこで、一般論として申し上げれば、委員御指摘のように、このような不良債権の増加が起きている原因は何なのかということを議論することは極めて重要であるというふうに私も認識いたします。
 ただ、突き詰めていきますと、これまたやや難しい問題が出てまいりまして、需給ギャップというのはマクロでは測れるわけですけれども、この会社の需給ギャップというのは何なのかということになります。これだけ能力があるから作れるはずだというふうに会社は考えても、マーケットの方でこんなものはもう今は買わないよということになれば、これはもう需給ギャップとはやはり言えないわけで、これはやはりその企業の構造的なマーケティングの失敗とか競争力の弱さとかそういう問題がございますので、実はそのミクロの要因を突き詰めれば突き詰めるほどその要因分解というのが難しくて、そうすると、まあ理屈の上ではなかなかできない。土地の値段が下がって悪くなったといっても、地価がマクロ的に下がったのか、変な土地を持っていたから下がったのか、そういう問題に突き詰めれば行き着くのだと思います。
 委員の御指摘を踏まえて引き続き努力はしたいと思いますが、そういう問題があるということを踏まえた上で一点だけ、十四年三月期における金融再生法開示債権の増減要因というのは、これは一応の分析はしております。
 その中で、その判定基準を厳格化したからだというようなもの、それと、特別検査によって出てきたものだというようなものに加えて、債務者の業況が悪化したというものもございます。これもまあ、業況悪化がなぜかというのは難しいんでありますが、あと、オフバランス化されているものとかありますので、なかなかこれとこれと一対一で対応させるのは難しいんでございますけれども、非常に大ざっぱな感触で言いますと、私はやはり、ちょっとこれは数字等必要でありましたらまた御説明、時間があればさせていただいてもよろしいかと思いますが、非常に大ざっぱなとらえ方としては、不良債権のこれに関する増加のうちの四分の一か三割ぐらいは業況が悪化したことによるもので、それ以外のものはやはり判定基準が厳しくなって出てきたのかなと。これは正確にそういう数字が出ているということではありませんが、幾つかの数字を判定して、総合的に判定してこの期については私自身は考えております。
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入澤肇#19
○入澤肇君 じゃ、私から一つ提案型の質問をさしてもらいますけれども、株式の評価損がかなり不良債権を積み上げたと。ちょうど与党三党のデフレ対策委員会で議論しているときに、日銀が並行して政策決定委員会を開いていました。私どもは、法律改正で自己資本の範囲内まで日本の銀行は株式を保有することが認められたけれども、なかなかそれすら実行されていない。アメリカは、銀行本体では株式保有は禁じられている。ヨーロッパ各国もそう。ドイツは自己資本の六割ぐらいまでは認められている。こういう状況を踏まえて、株価の評価損が貸し渋りにつながらないように銀行の株式を早く引き離すような努力をすべきじゃないか。そのために、今できている株式取得機構法、これを大改正して、八%の手数料にこだわらないで、公的資金を入れて、銀行に入れるんではなくて株式取得機構に公的資金を入れて思い切ってやったらどうかという議論をしていましたら、議論が終わったら、五時のニュースで日銀が自ら、準公的資金ですよね、自ら買うということが発表された。我々の議論も無駄じゃなかったなという思いをしているんですけれども、まず株式取得機構法の改正をきちんとやって、日銀とタイアップして、株式の保有を制限する、所期の目的を果たすということを実施してもらいたいと思う。
 土地の評価損、これは土地の流動化です。税制に負うところも多いでしょうけれども、当然出てくるのは都市再生法の問題。都市再生法も、これ、二十八の地域が指定されたけれども、当初我々が都市再生プロジェクトチームで考えていたこととちょっと違うんです。面的な開発を中心に、特に住宅を中心に需要を起こせということをかなりやったんです。それが十分にできていない。これを是非やってもらいたい。
 それから、需給ギャップ、これは私は予算委員会で与謝野馨さんが通産大臣のときに聞きました。業種ごとにどのくらい需給ギャップがあるかということも数字に出ています。これを参考にしてもらっていいんですけれども、最近得た数字によりますと、日本で大体八万工場あるんですね。そして、推計しますと百三十万台ぐらいの機械がある。自動車製造機械、部品機械、金型の製造機械ですね、こういうのがある。ところが、法定耐用年数十年を超えている機械が六割近くあるんですよ。これが実は空洞化の原因にもなっている。新鋭の機械を入れているのは、入れて三年未満の新しい機械を入れたのはたった二五%です。こういうものを、機械の設備投資がやっぱり民間設備投資の中心になりますから、政策的に五年据置き、十年償還のような思い切った無利子資金を入れて、そして税制上の特例措置と合わせて資金を手当てして、新鋭機械を入れて生産性を上げるという努力を政策的にもドライブ掛けてやったらどうか。要するに、需給ギャップを埋めるためのそういうような政策手段も考えていいんではないかというふうに思っているわけです。
 もう一つ言いますと、公共事業を中心にいろいろな政策体系を組もうとしていますけれども、予算のときに、張り付けのときに選択と集中でやるというふうな努力をやっていますけれども、相変わらず支払計画においてはばらまいているんです。いろんな期成同盟に私出席してますけれども、三十年してやっと調査区間が設けられたとか、四十六年も期成同盟の運動をやっているけれども、姿も形も見えないような公共事業の期成同盟もあります。この間あるところへ行きましたら、四・三キロぐらいの道を造るのに二十年以上掛かるというふうな計画がありました。要するに、選択と集中で支払計画をやらなければ絶対需要なんか喚起できない。公共事業はいつまでたっても効果ないなんというふうにレッテル張られちゃうわけですね。
 そういう意味で、需要対策について、不良債権の内容を分析すると同時に、具体的に目に見える形で強化してもらいたい、その結果を補正予算とか税制改正に結び付けてもらいたいということを最後に申し上げておきます。
 御意見があったら答弁願います。
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小林興起#20
○副大臣(小林興起君) 今、入澤先生の方から大変貴重な御提言も賜りました。そういう方向に沿って、特に税制について今検討を進めておりますし、あるいは公共事業につきましても重点的に早期に人員を投入してやるという方向も進めているわけでございまして、先生の御意見賜りました方向に沿って政府としても頑張ってまいりたいと思っております。
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入澤肇#21
○入澤肇君 終わります。
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円より子#22
○円より子君 おはようございます。民主党・新緑風会の円より子でございます。
 ただいま我が国の経済といいますのは緊急避難の対策を要する未曾有の事態にあると思いますが、これは国民生活、企業経営並びに国家の財政運営が全面にわたって体質の転換を要する一大正念場にあることの端的な表れでもあると思います。政策のタイミングを失すれば、失業の増大、連鎖的倒産、景気の底割れは避け難く、消費の低迷、輸入停滞、また資産デフレの悪循環が進行する中で、多くの経営者が自信を失うほどの事態となっております。しかし、この厳しい現実とその持つ意味を民、政ともに正しく直視し、正確な実態認識の下に英知を集め努力を傾注するならば、この危機は必ずや管理し得るし、新しい日本の未来にもつながるものと信じております。このために、政治はその責任にこたえ、速やかにかつ総合的に対策を展開する必要があると思います。
 実は、今私が申し上げました言葉は十年前に、私、実は日本新党から国会議員になった者でございますけれども、なったときに細川さんが総理になられまして、そしてその九三年の暮れに金融危機が起きている。そして、公的資金注入が必要ではないかということでこの文章と、もちろんもっと、これは触りのところ、初めのところでございまして、その後、公的資金の投入も必要だということを官邸に持っていったときの文章でございます。
 ところがそのとき、財務省ではなく大蔵省でございましたが、銀行局長は、全くそんな金融危機は発生しておりません、だれがそんなオオカミ少年のようなことを言っているのかという、そういうお話であったわけです。私は何もそれは、だれが悪いとかそういうことを言っているわけではないんですが、当時の状況と今の状況と、まあいろんな対策は打ってこられた、でも全く解決はしていないで同じだと。今私がこれを、これは実は十年前の文章ですと言わなくても今そのままの状態なんですね。
 その細川政権ができます九三年の前の年、九二年の八月十一日に株が一万五千円を割りました。もう皆さんよく御存じだと思います。そのとき、軽井沢で静養していらした宮澤総理が、一日株式市場を閉鎖した方がいいんだろうかと、そういうこともおっしゃったということを聞いておりますし、またそのときにも公的資金の投入のことが考えられたということを聞いております。
 それから実に十年という歳月が流れ、本当に銀行の不良債権問題が片付いていないこと、もちろん、先ほどの話にもあったかと思いますが、かなり、九十兆もの処理がなされてもまだまだ新規に発生しているという状況で、これが金融問題として大きなガンになっているわけです。その上に資産デフレが進行しておりまして、もうちまたは失業者があふれ、年間自殺者は三万人を連続して超えるような状況でございます。
 私たちは、憲法十三条でうたわれていることを何ももう一度再確認しなくても、政治家というのは人々の命と財産と幸福の追求権をしっかりと守る、それが責務だと思います。今からいろいろ必死で解決しようということも、とにかく企業にもうけさせるとか、ただ銀行を救うとかということではなくて、人々が安心して暮らしていけるようにすること、せっかく若い人たちが高校を出ても大学を出ても就職もできない、将来の設計も自分たちでできない、また、多くの中高年の男性たちが、会社の社員やまた倒産の後片付けをするために命を絶って生命保険でそれをあがなうというようなことのないように、私たちはしっかりと対策を打っていかなければいけないときだと思います。
 そうした状況の中で、今日、日銀総裁、速水さんにもおいでいただいておりますが、まず日銀にお伺いしたいと思います。
 皆様のお手元にお配りしたこの資料は日銀から昨日いただいたものでございますけれども、この上の表ですね、この表を見ますと、本当に日銀は必死で量的緩和等をなさり、マネタリーベースは、この上の薄い方の細い線ですが、急激に二〇〇一年度上昇しておりまして、ところがマネーサプライの方はもう九〇年代のころ上がったきりずっと下がり続けて、幾らマネタリーベースが多くなっても資金の循環をしていないということがもう歴然とこの表に表れております。
 予算委員会や財政金融委員会で速水総裁、何度も、去年、その前辺りから御答弁の中で、もうじゃぶじゃぶという言葉を使われて、金融緩和はしているんだ、量は出しているんだとおっしゃっておりますが、また昨日政策変更をなさり追加の金融緩和をなさったと聞いておりますが、その内容と、また直近に、各国からは余り好評ではないけれども、本当に今の日本のこの危機をお感じになって政府に何とかしろという思いもあったからなんでしょうが、銀行の保有株を買い取るということもなさいました。
 そうしたことや昨日の委員会でお決めになった追加金融緩和等、その内容と、そしてそれが本当に、今この表のマネタリーベースがこんなに多いのにマネーサプライは全く伸びていないというここの部分、これの改善が図れるのかどうか、その見通し等をお聞かせいただきたいと思います。
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速水優#23
○参考人(速水優君) 昨日決定しました措置のポイントを御説明いたします。
 三つございまして、一つは当座預金の目標をこれまでの十兆から十五兆円と、実際には十五兆すれすれのところをずっと続けてきているわけですけれども、これから上げまして十五兆から二十兆円程度までということに引き上げました。これは、今の一は量的緩和を更に広めて銀行の手元の資金を潤沢にするということでございます。
 二つ目は、そういう資金を更に供給するために長期国債の買入れを月一兆円から一兆二千億円に二千億増額いたしました。これで買いオペがまた増えていくと思います。
 三つ目が、これは、買入れ対象としております手形の期間、これ銀行の手形ですけれども、これを六か月以内から一年以内、今現在、銀行からはちょっと三十兆近い手形が入っておりますけれども、それを一年にいたしますから、もう少し金が出ると思います。
 こういった措置は、一つは景気の先行きをめぐって不確実性が強まってきたと。その原因は、海外の要因もありますし、国内でいろいろなことが起こったことは御承知のとおりでございますし、株価の方も不安定な地合いが続いていることは御承知のとおりでございます。また、短期金融市場の最近の動きを見ておりますと、少し金利の上昇ぎみといいますか、特に中期のターム物の金利が上がってきたりしております。そういうようなこと、不安定な動きが少し見られるようになってきたといったようなことにかんがみまして、昨日行われました日本銀行の政策決定会合において、以上、さっきの三つのことを決めたわけでございます。
 今回の措置は、金融市場の円滑な機能の維持と安定性の確保に万全を期すことによって金融面から景気回復を支援していく効果をもっと確実なものにすることをねらったものでございます。日本銀行は、経済を持続的な成長軌道に復帰させて物価が下落基調から脱却できる状況を実現するために、今後とも中央銀行として最大限の努力を続けてまいりたいという方針でございます。
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円より子#24
○円より子君 私は、とにかく銀行に資金がたまっているだけで全く市中に循環していないということがもうずっと長い間一番の問題だと思っておりますが、皆さんもそうだと思うんです。
 そこの部分をどうしていくかというときに、今、大変中小企業の方々が特に困っていらっしゃいまして、今回不良債権の加速処理ということは、必要な条件だと思いますけれども、この加速策によって更に信用収縮や資産圧縮、こうしたことが起きるのではないかと懸念なさっている方々もいる。しかし、もう既にそれは起きていることで、この数年間本当に自転車操業といいますか、日本というのはメーンバンクがあって、そしてそれぞれの企業が、例えば一億借りた、それによって仕事をして入ってくるお金は半年後とか一年後というときに、また、ちゃんと返すけれども、またその銀行が、メーンバンクが貸してくれる、そういう中で、銀行の方がBIS規制によっての八%とかそういった自己資本比率を必死で確保しなきゃいけない。そして、それをまた金融庁が査定していくという中で、どうも、何度も私も委員会で申し上げておりますけれども、今までのお得意様であった、また金融界、銀行がやるべき仕事である企業の方を向かないで、自分の銀行の自己資本比率を必死で守るために、また金融庁からいろいろ言われたときのことのためにといいますか、金融庁の方に顔を向けてばかりで、どちらかといいますと、そういうときに金融界の方は、銀行は、先ほど一億返したらまた貸すという形が、じゃ今度は五千万になり三千万になりという形の、いわゆる融資の貸し渋りだけではなくて貸しはがし、そういったことがもうずっと出てきていたわけですね。
 そうした中で、でも社員に給料を払わなきゃいけない、またいろいろ運転資金が要るという中で、じゃどこで借りるかというと、貸金業者の方、金利の高いのが分かっていてもそちらに借りる。幾ら今までどおり一生懸命働き、またそれ以上に、自分たちが担保に入れていたお金を、家を売ったり、また親類縁者から借金をしたりとかしながらでももう間に合わなくなってくるという、そういう状況の中で、本来は先ほど言いましたように政府の失政とか様々なことがあるんですが、もう一番身近にあるまず銀行憎し、そしてその査定を厳しくする、マニュアルどおりにやろうとする金融庁憎しみたいな状況になって、世の中の人たちは今銀行や金融庁に対する恨みつらみ、怨念が大変たまっているという、そういう状況に私はなっていると思いますが、実は、中小企業にどんどん貸せと言われても、不良債権処理と両方は無理だというのは金融界の本音であり、それもまたむべなるかなとも思います。
 そうした中で、金融庁は十月の十八日にUFJ、あさひの両銀行に対して、中小企業向けの融資額が計画に達していないということで業務改善命令をお出しになりました。これはどういう理由からだったんでしょうか。
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竹中平蔵#25
○国務大臣(竹中平蔵君) UFJホールディングスとあさひ銀行に対する行政処分の件でありますが、既に御承知のように、早期健全化法に基づくいわゆる資本増強行は毎年度中小企業向けの貸出し等の増加計画を策定していると。その増加計画がちゃんと履行されているかということを確保するために、資本増強行が自ら作成した計画を銀行自身が履行しようとしていない、そういう意思をちゃんと持っていないのではないかというような場合には業務改善命令を発動するということにしています。
 この二行でございますけれども、貸出し増加に向けた取組状況等の報告徴求を行ったわけでありますが、それを精査したところ、具体的にUFJについては中小企業向けに限定した貸出し目標を設定していなかった、あさひについては十三年度下期において中小企業向け貸出し目標の設定を行っていなかったと。したがって、目標達成に向けた実効性ある施策が十分に講じられたとはこれはとても認め難いということから、自ら的確に履行しようとしていないと認められたということで業務改善の命令を出したということでございます。この命令は十月十八日に両社に対して発出されております。
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円より子#26
○円より子君 そのような業務改善命令をお出しになることも大事ですし、また中小企業への貸出し融資をどんどん増やしていただくことは大変重要なことなんですが、先ほど申しましたように、銀行としては、経営基盤の弱い中小企業に貸してまたそれが不良債権になっていく、貸倒れに陥るリスクが大きいということであれば、当然やはり経営の安定した大企業の方に貸出ししたい、そういうふうな形に、傾向になるのはやむを得ないんじゃないかと。そうすると、根本のところを直さない限りなかなか改善命令を出すだけでは難しいかなという気がするんですけれども。
 まず、全国の銀行が貸出し残高が増えているのか、それから中小企業への貸出しはどうなのか、その辺のことを少し時系列的に教えていただければと思いますが。
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速水優#27
○参考人(速水優君) 金融機関の貸出しにつきましては、企業規模の大小にかかわらずここのところ一つ特徴的なことは、やはり二極分化というのですか、大げさかもしれませんが、優良企業に対しては貸出しはかなり増えている反面、信用力の低い企業に対しては貸出しの姿勢が慎重化していると。それでも全体として銀行の貸出しは前年に比べて四%の減少になっているというのが現状でございますが、御質問の大企業向けと中小企業向けとの違いはどうなのかということになりますと、やはり中小企業向けの貸出しの動きは大企業向けに比べますと落ち込み幅はかなり大きくなっております。
 ちょっと数字を申し上げますが、昨年、二〇〇一年の六月で、大企業向けは、これ国内銀行全部、全国銀行プラス外銀の在日支店ですが、昨年の六月は百一兆で、これ前年比マイナス三%であったのが、今年の六月には九十九兆円と減ってはいますけれども前年比マイナス二・四%。それに対して中小企業向けの方は、昨年の六月が二百二十一兆円でマイナス五・七%でありましたが、今年の六月は二百三兆円で、前年比マイナス八・二と。貸出しの減少が、銀行の貸出しの減少が多いのは、やはり中小企業向けの貸出しが減っているということが数字の上でもはっきり出ております。
 こういった動きの背景には、過剰債務の解消に伴って企業自身の資金需要が減ってきているということもあると思いますし、金融機関が健全化を進める過程での経営努力で、資金の借り手、貸手双方にとってある程度やむを得ない面がありまして、必ずしも貸し渋りといった表現が適当とは言えないようなこともあると思うんです。
 ただ、今後、不良債権処理が加速されることを踏まえますと、日本銀行としましても、企業金融の動向につきましては、これまで以上によくよく注視、ウオッチしていきたいというふうに考えております。
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円より子#28
○円より子君 また一方、銀行の方々で公然と、中小企業や零細企業にリスクを取りながら融資するよりも貸金業者に融資した方がよほどもうかるというふうにおっしゃる方たちもいらっしゃるということで、銀行が、確かにリスクはあるとしても、また慎重にならざるを得ないということがあったとしても、企業に貸さずに、日本というのは、中小企業が本当に今まで戦後の瓦れきと化した日本を必死で物づくりや様々なことをしながら支えてきたわけです。
 ちょっと話がそれますけれども、最近、本当に暗いニュースが多い中で、島津製作所の田中さんがノーベル賞をお取りになったことは本当にうれしいニュースだったと思います。特に、日本ではどうも、私も女性の一人として反省すべきだと思いますけれども、余り風采の上がらない、そういうことを言うと田中さんに申し訳ないかもしれない、格好いい人に対する評価という、見栄えだけで見てしまうところが今の女性たちにはあります。でもああいう、もしかしたらふだんの生活では余り気が利かないかもしれないけれども、本当に一生懸命こつこつ仕事に打ち込まれる。そして、何よりあの方がすばらしいのは、自分というものをしっかり御存じなんですね。自己認識ができている方だと私は思うんです。
 つまり、今の日本人というのは、女性も男性もやはり周りの評価等を気にしまして、格好よくありたい、収入を多くしたい、昇進したい、高い地位にありたい、そういうことで、ついつい妻も隣の夫の方がボーナス高いわよなんというふうなことを言って、子供に対しても夫に対しても比較してしまう、そういうことがありますけれども。彼は自分というものをしっかり知っているから、わざわざ昇進試験とか昇級試験とかそういうことを受けるよりも、自分の研究一筋で生きたい。そういう人は、私、昔、日本にはたくさんいたと思うんですね、自己認識、自分の分を知るという。今もきっと私たちの周りにはそういう人がたくさんいて、そういう人が必死で働きながらこの日本を支えてきたと思うんですね。
 そういう人の、例えば一人、また二、三人、十人、二十人という人を抱えて頑張っている零細企業、中小企業に対して融資をせず、貸金業者の方がもうかるからということでそっちへもし銀行が貸しているとしたら、これは本当にこの国のことを考えているんだろうかと言われてもやむを得ないと、そう思うんですが。
 貸金業者にしても、もちろん仕事をなさっているわけですから、そちらに融資するなということは言えないことですけれども、一体、全銀行の貸出し残高のうち、貸金業者にはどのくらい貸しているのか。その実態と、また貸金業者が貸した金利がどうなっているのか。その借りた方たちの状況がどうなのか。そういったことというのはどこかでお調べになっているんでしょうか。
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竹中平蔵#29
○国務大臣(竹中平蔵君) 貸出し残高、金利等々のお尋ねでございますけれども、貸出金につきましては、全国銀行、地方銀行等々のベースでとらえることはできます。ただしこれは、貸金業者とおっしゃいましたけれども、いわゆる非預金信用機関ということになりますので概念は異なってくると思います。数字をたくさん申し上げてもなんでございますので全国銀行の数字だけ申し上げますけれども、平成二年、これは二月の数字でありますが、十二兆二千七百三十七億円という数字になっております。
 金利につきましては、そういう計数はございません。
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