厚生労働委員会

2004-04-28 衆議院 全269発言

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会議録情報#0
平成十六年四月二十八日(水曜日)
    午前九時十二分開議
 出席委員
   委員長 衛藤 晟一君
   理事 鴨下 一郎君 理事 北川 知克君
   理事 長勢 甚遠君 理事 宮澤 洋一君
   理事 城島 正光君 理事 三井 辨雄君
   理事 山井 和則君 理事 福島  豊君
      井上 信治君    石崎  岳君
      加藤 勝信君    上川 陽子君
      河井 克行君    木村  勉君
      木村 義雄君    菅原 一秀君
      竹本 直一君    棚橋 泰文君
      中西 一善君    中山 泰秀君
      能勢 和子君    原田 令嗣君
      平田 耕一君    福井  照君
      三ッ林隆志君    三原 朝彦君
      吉野 正芳君    青木  愛君
      泉  房穂君    内山  晃君
      大島  敦君    小宮山泰子君
      五島 正規君    園田 康博君
      中根 康浩君    長妻  昭君
      橋本 清仁君    樋高  剛君
      藤田 一枝君    古川 元久君
      増子 輝彦君    水島 広子君
      西  博義君    古屋 範子君
      桝屋 敬悟君    山口 富男君
      阿部 知子君
    …………………………………
   内閣総理大臣       小泉純一郎君
   厚生労働大臣       坂口  力君
   総務副大臣        山口 俊一君
   厚生労働副大臣      森  英介君
   財務大臣政務官      七条  明君
   厚生労働大臣政務官    竹本 直一君
   政府参考人
   (総務省自治行政局公務員部長)          須田 和博君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局長)           小島比登志君
   政府参考人
   (厚生労働省年金局長)  吉武 民樹君
   政府参考人
   (社会保険庁運営部長)  薄井 康紀君
   厚生労働委員会専門員   宮武 太郎君
    —————————————
委員の異動
四月二十六日
 辞任         補欠選任
  左藤  章君     上川 陽子君
同月二十八日
 辞任         補欠選任
  木村  勉君     河井 克行君
  古川 元久君     長妻  昭君
  古屋 範子君     西  博義君
同日
 辞任         補欠選任
  河井 克行君     木村  勉君
  長妻  昭君     古川 元久君
  西  博義君     古屋 範子君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三〇号)
 年金積立金管理運用独立行政法人法案(内閣提出第三一号)
 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三二号)
 高齢期等において国民が安心して暮らすことのできる社会を実現するための公的年金制度の抜本的改革を推進する法律案(古川元久君外五名提出、衆法第二七号)
     ————◇—————
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衛藤晟一#1
○衛藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、国民年金法等の一部を改正する法律案、年金積立金管理運用独立行政法人法案、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案及び古川元久君外五名提出、高齢期等において国民が安心して暮らすことのできる社会を実現するための公的年金制度の抜本的改革を推進する法律案の各案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 各案審査のため、本日、政府参考人として総務省自治行政局公務員部長須田和博君、厚生労働省社会・援護局長小島比登志君、年金局長吉武民樹君、社会保険庁運営部長薄井康紀君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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衛藤晟一#2
○衛藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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衛藤晟一#3
○衛藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。藤田一枝君。
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藤田一枝#4
○藤田(一)委員 おはようございます。民主党の藤田一枝でございます。
 早速質問に入らせていただきます。
 三人の閣僚の方々が国民年金未納、未加入だった、閣僚みずからが公的年金の責任を果たしていない、空洞化の一翼を担っていた、まさに言語道断の出来事でございます。国民はみんな怒っています。あきれています。
 しかも、坂口大臣は、先日、他の閣僚の状況についても報告をすると言われました。ところが、個人情報だ何だと言ってなかなか出てこない。そして、これだけ問題が山積をしているにもかかわらず、一方では採決だ採決だと言っている。本当にこんなことでいいんでしょうか。年金の制度の信頼というものを今きちっと回復しなければいけない、そういうときに、本当にこんなことでいいのか、私は、そのことをしっかりとお訴えしたいというふうに思っています。
 これは、ぜひ大臣も見ていただきたい。見ていただかなくても御存じかもしれませんけれども、若い人たちに国民年金の加入を呼びかけるポスターでございます。二十になったらば義務だというふうに言っているんです。こういうポスターをいろいろなところに張って、加入を呼びかけているんです。
 若い方たちに対して、このような事態、大臣はどのように説明をなさるんでしょうか。これで本当に、若い方たちに義務だから入ってくださいと言えるんでしょうか。お答えをいただきたいと思います。
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坂口力#5
○坂口国務大臣 おはようございます。
 年金の制度というのは、御指摘のように、自分のものであると同時に、お互いの支え合いのものであります。世代間の支え合い、そしてまた同じ世代内における支え合い、そうしたものの総合でありますから、御自身の年金に入る、入らないという意思で決まるものではありません。したがいまして、現在、年金に入っていただいていない皆さん方には、早く入っていただいて、そして、お互いに相互扶助の精神に基づいて、この運営が成り立つようにしていただきたいというふうに念願をいたしております。
 そうはいいますものの、最近は、二十以上の皆さん方に対しましては、二十になられた時点でお願いの通知等もいたしております。しかし、過去にはそうしたこともなかなかしてこなかったということもございまして、過去の皆さん方に対して少し手抜かりがあったといったこともあったんだろうというふうに反省をいたしているところでありまして、ぜひ、しかし、これからは、皆さんにお入りをいただけるような体制をこちらも整えながら、そして、皆さんに安心していただけるような体制にしたい、そういうふうに思っている次第でございます。
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藤田一枝#6
○藤田(一)委員 入ってもらうためには、制度の信頼というものが極めて大事なわけであります。国民年金の空洞化というのが今最大の課題になっている、にもかかわらず、法案提出者が不信感に拍車をかけた。その責任というものは極めて重大だと言わざるを得ません。しかも、法案には、未納、未加入対策、徴収強化対策というものが盛り込まれているんです。まさに笑止千万ではないですか。さらに、未納、未加入の原因が制度にあるかのごとき発言に至っては、現行制度の欠陥を政府みずからが認めているに等しいということではありませんか。
 多くの国民の皆さんは、今回の出来事で、年金制度への不満と不信というものを一層募らせています。そういう国民の皆さんに対して、大臣は本当に、今回のこの政府案、抜本改革だと自信を持って言えるんでしょうか。ぜひその点をお聞かせください。
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坂口力#7
○坂口国務大臣 年金制度は、皆さん方に御理解をいただき、そして御加入をいただいて成り立つものでございます。もう言うまでもございません。
 厚生年金の皆さん方は、これは働いていただいておりますから、その職場職場でおまとめをいただいているということでございますので、そこからいわゆる漏れる人というのはほとんど存在をしない。
 しかし、国民年金の方は、自営業者の皆さん方でございますので、それぞれがこの年金制度に加入をしていただくということにならざるを得ない。加入をしていただきますれば、それに従って保険料も御提出をいただかなければならない。そういうことになるわけでございますから、とりわけ、国民年金の皆さん方に対してどのように、加入漏れのないように、そして、加入していただいた方には継続してお支払いをいただけるように、どうしていくかということが最大の課題でございます。
 したがいまして、そうしたことについては、今後とも一層の努力をしなければならないことでございます。これは、制度だけつくり上げればそれですべて済むというわけではありません。いろいろの制度の中でありましても、その中でいかに努力をするかということにかかってくるんだろうというふうに思っております。それは、民主党さんの出しておみえになります一元化でありましても、やはり自営業者の皆さん方の納入という問題には大変大きな問題がつきまとうわけでありまして、これはもう努力をする以外にないと思っております。
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藤田一枝#8
○藤田(一)委員 どうしていくのかということについての答えが今回のこの政府案には全然入っていない、こういうふうに言わざるを得ないと思うんです。今、大臣の御答弁を聞いていても、私は、大臣はやはりお気持ちの中に、今回の法案はまだまだ問題がある、そういうふうに思っていらっしゃると思うんです。
 きょうは、その中の一つをお伺いしたいというふうに思っています。先日、大臣が失敗だったと答弁された徴収事務のあり方についてのお尋ねでございます。
 第一号被保険者数は増加をする、保険料の納付率は低下傾向にある、まさに、未納、未加入、この問題をどうしていくのか、そのことが大変深刻になっていたそのやさきに、二〇〇二年、平成十四年度の納付率の落ち込みというのが一層激しくなって、全国軒並み低下をし、特に大都市圏以外での落ち込みが顕著になった。その理由は、この間、減免制度の見直しによる納付対象月数の増加ということを言われていますけれども、それよりも、むしろ国民年金徴収事務を国に一元化したことにあるのではないかということでございます。
 この点については、先日二十一日の我が党の五島委員の質問に対して、坂口大臣が、国がやることになって急激に下がった、市町村と国とではきめ細やかさが違うからどうしてもこういう結果になってしまう、この問題は大変失敗だったと思う、こういう大変率直かつ的確な発言をされました。まさにそのとおりだろうというふうに思います。また大臣は、三月十八日の参議院厚生労働委員会においても、地域における連帯、市町村の努力について言及をされております。
 失敗だったとお感じだったらば、この徴収事務のあり方について直ちに見直すということが必要ではないでしょうか。改めて御見解をお伺いいたします。
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坂口力#9
○坂口国務大臣 これは、今さら申し上げるまでもございませんけれども、地方分権推進委員会の第三次勧告に従いまして、国と地方の業務が厳格に区分をされました。そして、原則として国が直接行うものとして、適用業務など地方自治体が実施すべき業務のみ地方自治体が行うこととされた、こういうことでございまして、この国保の徴収につきましては、国が行うということに整理をされたわけでございます。
 御指摘のとおり、今まで市町村がきめ細やかにやってくれていたと思うんです。かなり努力をしてくれていたというふうに思っております。三千を超えます市町村に対しまして、三百十二の社会保険事務所がそれを行うわけでありますから、どうしても市町村のように細やかな配慮というのができなくなったと、私は率直に今そう思っております。
 しかし、一度こうなったからといって、それで、いや、もう国はだめですから地方にお願いしますということはできないわけでありまして、一度こういうふうに決めていただきました以上、国として最大限の努力をどうしていくか。今まで地方自治体がおやりをいただいていたと同じような方向をどう取り入れて、そして、知恵をどう取り入れて成果を上げていくかということなんだろうというふうに思っております。
 私も、この十四年を迎えましたときに、本当に大丈夫かということを言ったわけでございまして、しかし、大丈夫ですと言いましたけれども、大丈夫じゃなかったわけでありますので、そこは、これは私ももう少し細かく具体的な指示をしておけばよかったと実は反省をしているわけであります。もう少し具体的に、市町村においてどういう方法で皆さん方にお願いをしていくかということについて具体的な指示をしたいというふうに思っているところでございまして、そうすることによって、この落ち込みを回復させたいというふうに思っている次第でございます。
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藤田一枝#10
○藤田(一)委員 大臣が、本当に大丈夫なのかというふうにおっしゃった、それで、指示をもっとちゃんと徹底すればよかったんだ、そういう思いもされていたという御答弁をいただいた。私は、これはもう地方分権一括法で決まったから見直せないんだ、そういうことではないはずなんですね。
 大臣がそこまでおっしゃって、現実に徴収率が非常に落ち込んでいる、平成十五年度もほとんど恐らく横ばいだろうというふうに思うんです、上がっていないんですよ。そういうことを考えたら、ここはしっかりと見直さなきゃいけない。しかも、見直さなければいけない、見直すべき根拠というのはちゃんとあるんです。それはもう大臣がよく御存じのはずであります。
 地方分権一括法附則二百五十二条というのがあるじゃないですか。これに基づいて、この国一元化問題ということをきちっと見直すということが必要ではないですか。これは第百四十五国会の、五党、つまり、自民党、公明党、社民党、自由党、民主党、五党の共同附則修正なんですよ。内容は大臣も御存じのはずです。これに基づいて見直すことが私は絶対できると思います。
 具体的に今どうのこうのという実態をあえて申し上げなくても、大臣がこの附則に基づいて決断をして、基本論に立ち返って見直すということをされれば、事は動いていくんです。もう一度御答弁をお願いいたします。
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坂口力#11
○坂口国務大臣 今おっしゃっているのは、二百五十二条、「政府は、医療保険制度、年金制度等の改革に伴い、社会保険の事務処理の体制、これに従事する職員の在り方等について、被保険者等の利便性の確保、事務処理の効率化等の視点に立って、検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」こういう内容でございます。これはいろいろの意味にとれるわけでありまして、ひとつ頑張れという意味も私は含まれているというふうに思っております。
 したがいまして、こういう措置もございますが、振り分けができたわけでございますので、私は、それで努力をまず最大限するということが課せられた第一の任務というふうに思っております。社会保障全体のあり方、それを今後どうしていくかというような問題は大きな議論としてあり得ると思っております。そうしたことは一つ念頭に置きながら、しかし、現在私たちに課せられた任務というものは、最大限これは必死に遂行しなければいけないわけでありまして、我々といたしましては、全力を挙げて取り組みたいというふうに思っているところでございます。
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藤田一枝#12
○藤田(一)委員 一体それではどうされようとするんでしょうか。この間、特別推進員等を配置するというようなことも何回か御答弁の中に出てきています。しかし、本当にそういう問題なんでしょうかね。
 市町村との連携協力ということ、今大臣も地方分権一括法に制約をされていると言われていた。それだったらば、どれだけ、何人ぐらいの推進員を配置して、どのような業務を行うんでしょうか。納付率向上の見通しというものをどう立てて、そういう職員の配置を新たにやろうとしているんでしょうか。一歩踏み込めば、法定受託事務との整合性というものが一方では問われてしまうじゃないですか。職員の配置の問題で本当に済むんでしょうか。具体的な中身をお答えいただきたいと思います。
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坂口力#13
○坂口国務大臣 これはそれぞれの社会保険事務所において考えなければいけないことですし、国全体としての問題も考えなければならない問題でございます。地域による格差というものもございます。
 それぞれで行わなければならない問題もございますから、一律には言えない問題でございますけれども、しかし、ここは現実に国民の皆さん方にお願いする人をどういうふうにしてつくっていくか、そして、その人たちにどういう立場でおやりをいただくかということを明確にしていかなければいけないというふうに思っておるところでございまして、それらのことを今綿密に検討を重ねているところでございますので、そうしたことを積み上げて、そして我々は実現をしたいというふうに思っております。
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藤田一枝#14
○藤田(一)委員 事態は非常に深刻なんですよね、この空洞化の問題というのは。これからまたいろいろ考えて検討していこうなんて話で事が済む話では絶対ないんです。
 大臣、市町村が今までどういう努力をされてきたのかということを、まあ大臣もよく御承知だろうというふうに思いますけれども、九八年の六月に社会保険庁が全国三百市町村を対象に実施した、市町村における国民年金事務の実態調査結果というのがあります。これはごらんになったことがございますでしょうか。もしなかったらば、ぜひ一度目を通していただきたいというふうに思います。
 今、大臣が、いろいろな地域格差もあるし、これから社会保険事務所が考えなきゃいけないことなんだと。とてもそういうレベルではない。大変な努力を市町村はやってきたわけです。
 市町村では、適用関係、窓口関係、記録管理、広報、その他の六つの分野で当時の機関委任事務の範囲を超えて業務協力と財政支援を行ってきた。こうした努力のもとに八〇%の検認率というものを確保してきたんです。納付組織も全国七千八百三十六カ所、ちゃんと管理をしていた。これだけのことを、先ほど大臣も全国三千の自治体というふうにおっしゃいましたけれども、市町村一万二千人の国民年金担当者と二千人の専任徴収員で行ってきたんです。
 それが、二〇〇二年、平成十四年の四月から社会保険事務所と国民年金推進員、このスタート時にはわずか全国千八百五十八名です。今年度、一生懸命ふやしてきても、二千五百六十六名、収納指導員六百二十四名の体制に変えたということなんです。
 つまり、新たな職員の配置だとか任命で追いつく話ではないんです。やはり問題は国一元化なんです。
 当時から、国の直接執行事務になれば、執行窓口が住民から遠ざかって、住民の利便性、行政サービスの提供、あるいは広報、関心の低下、こういったものが指摘をされていた。国民年金の収納率の低下、空洞化ということがずっと懸念をされてきたんです。にもかかわらず、当初から無理があったにもかかわらず、先ほど大臣が言われていたように、当時の厚生省は、地方分権推進委員会に対して、責任を持つと言ってしまった。だから第三次勧告が出されたんです。そういう経過をたどってきていて今日に至っている。
 そして、空洞化は本当に深刻な問題になっている。待ったなしの課題、今回の年金改革の最大の課題ではないですか。それがいまだにこういう状態であるということは、今回の法案、とてもじゃないけれども抜本改革とは言えないんです。
 そして、大臣、よく聞いてください。これだけ、平成十四年度、収納率が六二・八%に落ち込んで、昨年の八月に国民年金特別対策本部というのを設置しています。まさに遅きに失している感じがしますけれども、その中で、事務移管に伴う実務対応のおくれということが指摘をされているんです。これはどういうことだったんでしょうか。具体的にお聞かせください。
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森英介#15
○森副大臣 委員御指摘のとおり、平成十四年度の国民年金の納付状況は、納付月数は約一億三千六百二十七万月と、ほぼ前年度、平成十三年度並みとなったものの、免除制度改正の影響などによりまして納付対象月数が増加いたしましたため、納付率は前年度と比べ八・一ポイント低下し、六二・八%となっております。
 これは、今申し上げましたように、なぜ納付率が低下したかということにつきましては、確かに御指摘のとおり……(藤田(一)委員「納付率の低下じゃないです、実務対応のおくれを聞いているんです」と呼ぶ)いやいや、ですから、先ほど大臣もお認めになったように、確かに実務対応のおくれがあったということも事実でございますが、それに加えましてというか、むしろ、それより大きく、免除制度改正により申請全額免除者が前年度と比べ半減しており、こうした免除から外れた者の納付率が極めて低かった影響が低下要因の五割程度だったというふうに私どもは見ております。
 また、加えまして、厳しい経済情勢のもとで、離職などにより国民年金の第一号被保険者となる者が増加しており、これらの者の納付状況が相対的に低いことが低下要因の一・五割程度と分析しているところでございます。
 しかしながら、徴収業務の事務移管については鋭意準備に努めてきたところでございますけれども、十四年度、特に年度前半においては、必ずしも残念ながら十分な収納対策を実施できなかったことは事実でございまして、そのことは重く受けとめておるところでございます。
 いずれにしても、保険料納付率の向上に向けまして、厚生労働省挙げまして最大限の努力を図ってまいりたいと思います。
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藤田一枝#16
○藤田(一)委員 副大臣、全然違うことをおっしゃっている。そういうことを聞いているわけじゃないんですよ。つまり、答えられないような実務対応のおくれでしょう。
 要するに、いいですか、今の副大臣は全然お答えになっていない、国は、当時の厚生省は、当初から市町村を当てにしていたということではないですか。実態は、市町村との連携協力なしに住民の年金権の確保だとか収納対策などを維持することは困難だ、このことは厚生省も社会保険庁も認識をしていたということではないですか。だからこそ、国民年金事務の国への切りかえに当たって、市町村との連携協力を前提にした改善案というものを出してきた。納付組織の管理、活用も含む案、こういうものを出してきた。
 ところが、地方分権推進委員会から法定受託事務の範囲についていろいろ指摘をされて、特に、納付組織を活用する場合は社会保険庁が直接管理すべきだと指摘をされて、納付組織の管理も断念をしたんです。結局、市町村との連携協力ということもここで断ち切られた。これが、この実施スタートの前年、平成十三年五月のことですよ。受ける側の市町村は大変このとき混乱をした。対応がおくれるのも当たり前であります。
 こんなどたばたをして、一体何のための国一元化だったのかということが今改めて問われているんです。納付率がこれだけ低下をしたというこの現実の前に、何のための国一元化だったのかということが今もう一度問われているんです。大臣、その点もう一度お答えいただきたいと思います。
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森英介#17
○森副大臣 これは地方分権一括法の考え方に基づきまして、地方分権推進委員会の議論において、私ども厚生労働省は、当時は厚生省でありましたけれども、当初から一貫して、公式の場では、国民年金の事務については、国が経営責任を負う保険事業でありますので、国の直接執行事務として根幹となる事務を処理し、市町村の住民情報の活用や国民の利便性の確保を図る観点から、届け書の受理などの窓口事務を市町村長にお願いして委任し、法定受託事務とすることが適当であると主張してきておりまして、その考え方に基づいて、それを何とかうまく機能するように今努力をしているところでございます。
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藤田一枝#18
○藤田(一)委員 いや、何のために国一元化したかということを伺っているのに、全然お答えが出てきていない。国一元化の理由というのが全然わかりません。
 これは地方六団体も反対したんです。地方議会も反対をしたんです。そもそも、地方分権の趣旨に反している。社会保険庁というのは実施庁です。したがって、住民に身近なところで事務の執行を行うということが極めて大事なんです。それに逆行している。
 私は、まさに省庁の権益擁護としか言えない、そんなふうに思います。この当時、地方分権の議論と並行して省庁再編が進んでいました。社会保険庁というのは、人員も持っている、積立金、特別会計もある。職員や業務が地方に移管されて権限やポストが減るというのは困る、こんなことだったんじゃないでしょうか。まさに省益のため、こういうふうに言わざるを得ないと思います。
 いずれにしても、懸念されていた収納率が低下をし、空洞化が現実になった。先ほども言いましたように、先ほど納付月数の問題をおっしゃったけれども、十四年度だけならわかります。十五年度も恐らく横ばいか下回っている、こういう状況じゃないですか。原因がはっきりしてきている。だから、地方分権一括法に基づいて、その附則二百五十二条に基づいて、きちっと見直すということが必要だと申し上げているんです。
 ここで見直さなければ、今後五年で納付率八〇%なんて到底できるはずないじゃないですか。徴収対策の強化ということを考えるなら、国と地方の役割というものを見直して、住民の身近なところでの事務の執行によって、行政サービス、事務執行の効率性を向上させるということが一番大事なことなんです。そのことによって、大臣が言われる情報の取得やきめ細かな対応ということが可能になるんです。
 仕組みを変えなければ、推進員もつくった、納付督励もやった、夜間徴収も行った、強制執行も行った、いろいろ社会保険庁頑張ったけれども雇用構造や経済動向の変化で結局うまくいかなかった、強化策が単なるアリバイになってしまうじゃないですか。だからこそ、ここで基本論に立ち返っていただきたい、このことを先ほどから申し上げているんです。大臣もそれがわかっていらっしゃるから、失敗だったとか、大丈夫ですだとか、心配だったとかおっしゃっている。
 もう一度、きちっと御答弁いただきたいと思います。
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坂口力#19
○坂口国務大臣 先ほどから御答弁を申し上げているとおりでございまして、いろいろの経過はありましたけれども、国がこの事業を引き受けたという厳然たる事実は動かしがたいわけであります。
 したがって、その中でどういうふうに与えられた使命を果たしていくかということは、それは私は特効薬的な方法は存在しないというふうに思います。あらゆる、いろいろのことを組み合わせて、そして国民の皆さん方に納めていただけるようにしていくということをしないといけないというふうに思っておりまして、それをどう構築していくか、その努力をすることが今我々に課せられた最大の課題でありますので、それをまず行って、そして、やはりそれはどうしてもできないことだというのであれば、それはそのときにまた考えなければなりませんけれども、引き受けました以上、これは国として最大限の努力をしていくということがやはり一番大事なことだと思っております。
 御指摘をいただくことは、私も謙虚に受けさせていただいて、そしてそれにおこたえをできるように、一層対策を立てていきたいと思っております。
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藤田一枝#20
○藤田(一)委員 もっと危機感を持っていただきたいと思うんです。この空洞化の問題というのは本当に深刻で、年金制度の根幹にかかわる問題なんです。ましてや、閣僚の皆さんが入っていないなんという問題が出て、不信感がもっともっと増大をしている。もっと空洞化が進むということは十分に予想できる。これからいろいろと検討する、特効薬はないからいろいろ考えよう、それではもう追っつかない、そういうところに来ているというふうに思います。大臣、もっともっと危機感を持っていただきたい、そのように思います。
 本当に、閣僚みずからが不信感をあおる、こんなような行為をしているときに、徴収強化策だけで問題は解決しないんです。いかに地域における信頼というものをかち得るかということが問われている。ぜひ附則に基づく検討をきちっと行っていただきたい。
 けさの新聞でも、今回の問題というのは年金の質ではなくて政治家の質だなんて、こんなふうに書かれてしまっている。こんな状態で国民に対してきちっと年金に入ってほしいなどと、入ってくださいなどと言えるはずはないんです。どうかきちっと見直しをしていただきたい。大臣、早急に検討をしていただきたい。もう一度御答弁をお願いします。
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坂口力#21
○坂口国務大臣 年金制度全体にかかわる問題でございますから、年金制度につきましては、今般、将来をにらんで持続可能な制度というものを私たちはお示しをしたところであります。そうした制度について、御理解をさらに得ながらいく以外にないわけであります。
 どの制度にもいろいろの問題点がつきまとうことは、それは御指摘をいただくとおりでありますが、そのことについて、やはりきめ細かく国民の皆さん方に御理解を得ていくというのも、政府のこれは大きな仕事の一つでございますから、そのようにしていきたい。そして、この国民年金の問題につきましても、多くの皆さん方に御参加をいただけるような体制を確立したいと考えております。
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藤田一枝#22
○藤田(一)委員 採決だけを急いで十分な検討もできない、まさに抜本改革の名に値しない、そのことを強く指摘をして、質問を終わりたいと思います。
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衛藤晟一#23
○衛藤委員長 内山晃君。
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内山晃#24
○内山委員 おはようございます。民主党の内山晃でございます。
 本日は、社会保険庁のオンラインシステムの実態、年金積立金の運用実績、国民年金法の一部を改正する法律案についてお尋ねをいたします。私は現役の社会保険労務士ですので、いささか事務的な切り口からお尋ねをさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、社会保険庁のオンラインシステムにつきましてお尋ねをいたします。
 平成十六年度の予算では、電子計算機等賃料、通信専用料が一千二十五億円もの巨額な使途がございます。これはすべて保険料が財源となっているわけであります。この予算がほぼ毎年発生しているわけでありますから、一千億円掛ける十年といいますと、一兆円にもなってしまうわけであります。
 しかし、その中身をよく調べてみますと、驚くほどの多くのむだがあります。皆さんのお手元にお配りをしております資料をごらんいただければと思います。
 資料の四のところに、現在ではほとんど陳腐化して利用されていない、旧式で高価な汎用コンピューターに何と六百三十二億円もの賃料を払っています。また、各社会保険事務所の窓口装置として、専用の端末装置約一万台、プリンターなど情報装置で百六十七億円、社会保険庁の業務センターで年金給付システムとして汎用コンピューターなどに二百六億円の賃料を払っています。本当にこんな膨大な電子計算機等賃料、通信専用料が必要なのでしょうか。
 例えば、東京証券取引所、大阪証券取引所加入の大手証券会社三社では、ハード、ソフトを含め年間二百億円前後の経費でITシステムを駆使して運用しております。こうした民間の経費に比べ、社会保険庁のオンラインシステムというのはいかにコストがかかり過ぎているか。大臣、今までコストの低減ということを考えたことがあるでしょうか、お尋ねをしたいと思います。
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坂口力#25
○坂口国務大臣 社会保険オンラインシステム、これは、委員はもう専門家でございますから、専門家の立場での御意見というのは十分私も拝聴したいというふうに思います。
 いずれにいたしましても、三千万人を超えます年金受給者の問題でございまして、しかも大変複雑に絡みました内容を持っております。歴史的にも何回か変化をしてまいりましたし、そうしたことも踏まえて、このオンラインシステムというのはでき上がっているんだろうというふうに私も思うわけでございます。
 これが、新しい、最新式のいわゆるオンラインシステムというものが能力がかなり上がってきているということは、多分それは私も率直にそうあるんだろうというふうに思います。我々の方も、新しいそういうシステムができ上がってくれば、それに変更をしていくということは今後やっていかなければいけないんだというふうに思っておりますけれども、過去の経緯があるものですから、今までの経緯の中で今やっているということでございまして、これから先、さらに能力の高いものが出てくるということになれば、それはそれに対して我々も十分に耳を傾け、目を向けて、そしてそれを採用するといったようなこともやっていかなければいけないというふうに思っております。
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内山晃#26
○内山委員 これはすべてやはり国民から集めました保険料で賄っている、非常にそこの点をないがしろにしてはならない、こう思います。
 そして、今後、徹底した合理化を図り、費用の削減に努力する必要が絶対あります。コンピューター利用の技術が進んでいる昨今、低コストのパソコン版年金ソフトが市販をされております。社会保険庁の年金給付システムで計算した結果と円単位で一円の狂いもない正確な計算ができるものもあります。そういったパソコン版年金ソフトを保険庁のサーバーに入れて運用すれば、移植の費用等も含めまして数千万円で済む。また、サーバー等も今ございますけれども、数億円の費用で済む問題ではなかろうかと思います。こういう抜本的な社会保険オンラインシステムというのを早急に検討し、国民から集めました保険料をむだのないように使わなければならない、こう思います。
 きょうは四十分しか時間がありませんので、この社会保険オンラインシステムにつきましては、また別の機会で掘り下げてお尋ねをしたいと思います。
 次に、年金運用につきましてお尋ねをさせていただきます。
 お手元の資料にございます一番、運用受託機関三十四社というものがリストになっています。この三十四社の経緯というのはどのように決定されたのか、お尋ねをしたいと思うんです。
 平成十四年度には、住友信託銀行に三兆五千億円の資金が配分され、運用手数料が二十四億円支払われているんです。非常に膨大な資金を預け、そして運用実績、これはまだきちっと資料が上がってきておりませんけれども、二十四億円も支払いをしている。この運用受託機関の選択基準というのは一体どのような基準で決めているのか、大臣にお答えをいただきたいと思います。
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森英介#27
○森副大臣 お尋ねの運用受託機関につきましては、平成十三年四月に年金資金運用基金が設立された際に、旧年金福祉事業団から運用委託契約を承継した上で、その後新たに運用受託機関を選定し、また、旧年金福祉事業団から承継した運用受託機関のうち、一部については解約などの措置を講じまして、今日に至っているものでございます。
 具体的な運用受託機関の選定に当たりましては、年金資金運用基金が定める管理運用方針において、最低限満たすべき条件として、まず資金の管理、運用を行うのに必要な認可を受けていること、次に、過去五年以内に資金運用業務に関し著しく不適当な行為をしていないことなどの基準を定めておりまして、公募の上で、これらの基準を満たす運用機関のうち、過去の運用実績、また、経験を有するファンドマネジャーなどが十分に配置されているか、さらに、リスク管理体制が確立されているかなどの点について評価を行いまして、その中で特に評価のすぐれた運用機関を採用して、過去の運用実績などを考慮して、評価結果が低い運用機関については解約するなどの措置を講じて対処しているところでございます。
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内山晃#28
○内山委員 資料をごらんいただきたいと思うんですが、資料の三番というところに、年金資金運用資金の平成十三年度、十四年度における運用実績を見ますと、アクティブ、パッシブの収益率にほとんど差がありません。また、リスクが少ないパッシブ運用がベンチマーク収益率を下回っております。さらに、アクティブ運用、パッシブ運用ともベンチマーク収益を下回っているケースがかなり多いわけですね。
 資料三番で、平成十四年度で、リスクがほとんどない短期資産の運用利回り〇・〇二%がベンチマークの〇・〇八を下回っている理由というのは一体何ですか。これがすぐれた運用をしているところの実績と言えるんでしょうか。これで果たして適正に管理しているとか、こう思っているんでしょうか。その御所見をお伺いしたいと思います。
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森英介#29
○森副大臣 現状においては御指摘のような問題点もあるところでございますけれども、年金資金運用基金においては、管理運用方針の中で運用受託機関の解約等に関する基準を定めておりまして、これに該当する運用受託機関については、この基準にのっとって解約等の措置を講じます。
 具体的には、運用実績や運用方針、運用体制等を考慮して、運用受託機関の評価を行い、運用委託契約を継続することは困難であると判断された運用機関や、運用能力が低いと評価されたアクティブ運用機関については解約するなどの措置を講じておりまして、例えば、平成十四年度においては、合計で二十一のファンドを解約しているところでございます。
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